JP2005068798A - 立ち上がり基礎部用の組み合わせ型枠ならびにこれを使用する立ち上がり基礎用の型枠構造 - Google Patents
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Abstract
【要 約】
【課 題】 板状の上下止め金具の使用にともなうコンクリート部の欠陥を解消する。
【解決手段】 通常の大きさのものである主型枠11と、高さのみを低くした補助型枠12とをライナ13を介して接合してなる組み合わせ型枠1であって、ライナ13が所定間隔で分断され、横長のすき間Sが形成されて、棒状のセパレータと連結して使用する連結金具が差し込み可能となっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【課 題】 板状の上下止め金具の使用にともなうコンクリート部の欠陥を解消する。
【解決手段】 通常の大きさのものである主型枠11と、高さのみを低くした補助型枠12とをライナ13を介して接合してなる組み合わせ型枠1であって、ライナ13が所定間隔で分断され、横長のすき間Sが形成されて、棒状のセパレータと連結して使用する連結金具が差し込み可能となっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、木造住宅などの建築物における立ち上がり基礎部のコンクリート打設用の組み合わせ型枠ならびにこれを使用する立ち上がり基礎用の型枠構造に関する。
木造住宅などの建築物においては、布基礎、べた基礎などの逆T字形断面をしたコンクリート基礎が使用される。図7はその一例である布基礎の断面図で、Fhは布基礎の水平部、Fvは立ち上がり部、Aは土台を固定するアンカーボルト、Gは埋め戻し部である。この基礎は地盤を根切りして底部に栗石などを投入して表面を転圧し、型枠を配置して布基礎の水平部Fhのコンクリートを打設した後、その上に立ち上がり部Fvのコンクリートを打設するのである。図8は立ち上がり部のコンクリートを打設するための段取りを示す基礎の部分断面図で、1aは型枠、6は対にした型枠を所定距離隔てて向かい合わせて保持するために一般に使用されている「上下止め金具」と呼ばれる金物、図9は上下止め金具の一例を示す斜視図である。下部のものは水平部Fhのコンクリート上に図9と同じ上向きに載置され、上部のものは型枠1a、1aの上端に下向きにはめ込まれる。
図9の上下止め金具6は短冊状の鋼板の両端を折り返して外爪61とし、その内側を起こして内爪62とし、中間部63に強度を増すための膨らみなどを形成したもので、一対の内爪62、62の間隔が基礎立ち上がり部のコンクリート厚となり、外爪61と内爪62との間隔が型枠の厚みに対応していることはいうまでもない。基礎立ち上がり部Fvのコンクリート厚は基礎の設計条件によって120〜220mmの範囲で選択される。
一方、基礎立ち上がり部Fvの高さは一般には300〜600mm程度で、通常型枠1段で対応できるが、積雪地方や傾斜地などではこれより高い基礎が必要となり、型枠を2〜3段に組み立てて使用する。この場合に各段の中間では図10に示すような中間止め金具7が使用される。
ところで、このような上下止め金具6の内最上部のものはコンクリート硬化後、型枠を解体する際に取り外して回収することができるが、下部に使用した上下止め金具6ならびに中間止め金具7はコンクリート内に埋没しているので取り除くことができない。ところが、止め金具の中間部63にふくらみを形成した場合などには特に、金物の下部や周囲にコンクリートが充填されずに空隙が残り、空隙内に水が侵入したり、さびが発生するなどの問題があり、対策が望まれていた。
ところで、本発明者は平成11年にコンクリート型枠の連結金具を考案し、登録実用新案公報第3063665号に記載されている。図11ないし14によりこれを簡単に説明する。なお、以下この連結金具を「分離タイプ」と呼ぶ。
この連結金具は、コンクリートの壁を施工する場合に、パネル状に並べた一対の型枠を間隔を保持しながら連結するもので、図11は連結金具2の外観を示す斜視図、図12は小判形の板状部21を有する金属製の本体を示す斜視図、図13は樹脂製のコーン22を示す断面図である。すなわち連結金具2は、中央付近にピン孔を設けた板状部21と、これに接続し、端部にセパレータをねじ込むねじ孔と外面にねじ部とを形成した棒状部よりなる本体と、大径側を中空とし、小径側に本体の棒状部のねじ部にねじ込まれるねじ孔を設けたコーン22よりなり、棒状部におけるセパレータ用のねじ孔とコーン22用のねじ部とは逆向きのねじとなっている。
図14は、この連結金具2の使用状態を示すコンクリート壁の断面図である。上下の型枠1aの接続部分に連結金具2の本体(板状部)がはさまれ、上下の型枠1aのフランジ孔と、板状部のピン孔とを挿通してクリップ5が挿入され、一方両側の連結金具2の棒状部のねじ孔には棒状のセパレータ3がねじ込まれている。この状態でコンクリートCが打設される。硬化後、セパレータ3はコンクリート内に残り、コーン22と連結金具2の本体はねじをゆるめることにより回収される。
この考案の連結金具2に対して、それまでのものは本体とコーンとが金属製で一体となっていたために回収の際に破損したり、回収が困難な場合が多いなどの問題点があったのであるが、コーンを本体と別ものとし、ねじで結合することでこの問題点を解消したのである。
しかし、型枠を1段で、あるいはせいぜい2段でしか使わない基礎の立ち上がり部分の場合は、従来の型枠構造では板状部21をはさむ場所がないのでこのような連結金具を使用することができず、前記の上下止め金具6や中間止め金具7が使用されるのである。
登録実用新案公報第3063665号
本発明は、1段あるいは2、3段という低い段数でも連結金具を使用可能とし、従来の上下止め金具による問題点を解消することを目的とする。
本発明は、長方形の鋼板の4辺を折り返したコンクリート施工用の型枠の通常の大きさのものである主型枠と、この主型枠に対して高さ方向の寸法のみを小さくした補助型枠とをライナを介して高さ方向に接合してなる組み合わせ型枠であって、前記ライナが所定間隔で分断され、前記主型枠と補助型枠との間に前記所定間隔で横長のすき間が形成されていることを特徴とする立ち上がり基礎用の組み合わせ型枠である。
また本発明は、一対の前記の組み合わせ型枠を向かい合わせて立設し、各すき間に連結金具の本体を差し込み上下の前記主型枠と補助型枠との間にピンを打ち込んで本体をすき間に固定するとともに、両側の連結金具をセパレータと連結してなる立ち上がり基礎用の型枠構造である。
本発明によれば、型枠の段数にかかわりなく連結金具が使用可能となり、従来の「上下止め金具」による問題点が解消され、コンクリート基礎の品質が向上するという、すぐれた効果を奏する。
本発明においては、コンクリート基礎内に残置されるのは板状の止め金具ではなく細い棒状のセパレータであるから周囲に空隙が生じることはなく、コンクリートが完全に充填され、空隙やさびなどのない良質の基礎が形成される。
本発明の実施例の型枠構造を図1、2により説明する。図1は実施例の組み合わせ型枠1を示す部分斜視図、図2は同じく部分正面図で、11は通常の型枠をそのまま使用する主型枠、12は構造は通常の型枠と同じであるが高さ方向の寸法のみを小さくした補助型枠である。主型枠11、補助型枠12の幅は基礎のモジュール寸法によって例えば1820mm、高さは例えば主型枠11が600mmであるが、補助型枠12はできるだけ低いことが望ましいので、例えば50mmである。これは追って説明するピンの打ち込める最小限の高さに若干の余裕を加えた寸法である。
13は主型枠11と、補助型枠12との中間にはさんだライナで、ライナ13は型枠の幅方向に連続ではなく、所定の間隔ですき間Sを設けてある。この間隔は向かい合った一対の型枠の位置を保持するのに必要なセパレータの間隔であり、通常600mm、あるいはそれ以下とされる。すき間の高さ、すなわちライナ13の厚みtは2〜2.5mmで、これはすき間Sに挿入される連結金具2の本体の板状部21の厚みに見合う値とする。またすき間Sの幅wは同じく板状部21の幅に見合うもので、少なくとも30mm程度は必要である。主型枠11と補助型枠12とはライナ13を介して溶接、ボルト締めなどにより一体に接合され、施工に当たっては1枚の型枠1として取り扱うことができる。
図3は本発明の型枠構造における施工状況を示す基礎の立ち上がり部の断面図で、各符号はこれまでに説明したもののほか、4は打込み用のピンである。主型枠11と補助型枠12との間の図2に示したすき間S内に連結金具2の板状部21を差し込む。
(a)は主型枠11と補助型枠12との上下のフランジに孔があるか孔を設ける場合を示し、これらの孔と連結金具2の板状部21の孔の位置を重ね合わせてピン4を打ち込み両側の型枠とセパレータを固定する。主型枠11と、補助型枠12とに孔のない場合は、図3(b)に示すように連結金具2として板状部21の長いものを使用し、型枠の外側でこの孔にピン4を打ち込む。
図4は型枠を1段に使用する場合の型枠構造を示す(a)は部分正面図、(b)は側面図で、組み合わせ型枠1の下部には連結金具2ならびにセパレータ3を使用するが、上部にはこれを使用するすき間が存在しないのでこれまでどおりの上下止め金具6を使用している。しかしこれは型枠解体の際取り外して回収できるので何ら問題はない。
図5は型枠を2段に使用する場合で、(a)は部分正面図、(b)は側面図、5は型枠の側面同士を接続する通常のクリップである。この図のように上段に本発明の組み合わせ型枠1を逆向きにして使用すれば、型枠上部でも連結金具2ならびにセパレータ3が使用できる。1段目と2段目の間には連結金具2の本体をはさみ、ピン4を打ち込む。コンクリートがもれないように、連結金具2のないところは適当にふさぐことが望ましい。上段に従来の型枠1aを使用し、上下止め金具6で固定することももちろん可能である。
図6は型枠を3段に使用する場合で、(a)は部分正面図、(b)は側面図である。この図のように上段には本発明の型枠1を逆向きにして使用し、中段には従来の型枠1aを使用して、型枠の上下ならびに中間のすべてで連結金具2およびセパレータ3を使用することができる。
以上本発明において使用する連結金具2としては、施工性において図11ないし14により説明した「分離タイプ」がより望ましいが、一体型でも使用できないわけではない。
また本発明の型枠構造をコンクリート壁等の高い壁体の施工に採用することはもちろん可能ではあるが、図14で示したようにそれは従来の型枠と連結金具を使用すれば事足りるのであり、本発明の型枠構造は、住宅の基礎などの1段ないし3段程度の、従来の技術では連結金具をうまく使用できない場合に真価を発揮するということができる。
1 組み合わせ型枠
1a 型枠
2 連結金具
3 セパレータ
4 ピン
5 クリップ
6 上下止め金具
7 中間止め金具
11 主型枠
12 補助型枠
13 ライナ
21 板状部
22 コーン
61 外爪
62 内爪
63 中間部
A アンカーボルト
C コンクリート
G 埋め戻し部
S すき間
Fh 水平部
Fv 立ち上がり部
1a 型枠
2 連結金具
3 セパレータ
4 ピン
5 クリップ
6 上下止め金具
7 中間止め金具
11 主型枠
12 補助型枠
13 ライナ
21 板状部
22 コーン
61 外爪
62 内爪
63 中間部
A アンカーボルト
C コンクリート
G 埋め戻し部
S すき間
Fh 水平部
Fv 立ち上がり部
Claims (2)
- 長方形の鋼板の4辺を折り返したコンクリート施工用の型枠の通常の大きさのものである主型枠(11)と、この主型枠(11)に対して高さ方向の寸法のみを小さくした補助型枠(12)とをライナ(13)を介して高さ方向に接合してなる組み合わせ型枠(1)であって、前記ライナ(13)が所定間隔で分断され、前記主型枠(11)と補助型枠(12)との間に前記所定間隔で横長のすき間(S)が形成されていることを特徴とする立ち上がり基礎用の組み合わせ型枠。
- 一対の請求項1に記載の組み合わせ型枠(1)を向かい合わせて立設し、各すき間(S)に連結金具(2)の本体(21)を差し込み上下の前記主型枠(11)と補助型枠(12)との間にピン(4)を打ち込んで本体(21)をすき間(S)に固定するとともに、両側の連結金具(2)をセパレータ(3)と連結してなる立ち上がり基礎用の型枠構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003299814A JP2005068798A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 立ち上がり基礎部用の組み合わせ型枠ならびにこれを使用する立ち上がり基礎用の型枠構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2005068798A true JP2005068798A (ja) | 2005-03-17 |
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JP (1) | JP2005068798A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125825A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Nsp Corp | 巾止金具 |
JP2019015048A (ja) * | 2017-07-04 | 2019-01-31 | 積水ハウス株式会社 | 布基礎、布基礎施工方法、べた基礎施工方法、及び当該施工方法に用いられる型枠 |
-
2003
- 2003-08-25 JP JP2003299814A patent/JP2005068798A/ja active Pending
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