JP2005068041A - ポルフィリン化合物の製造方法 - Google Patents

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晋司 荒牧
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Abstract

【課題】2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の4量化により、ポルフィリン化合物を合成 する際に、高収率の合成法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理により、ポルフィリノーゲン誘導体を生成し、さらに該ポルフィリノーゲン誘導体を酸化してポルフィリン化合物を合成するポルフィリン化合物の製造法において、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に用いる酸を、系に溶解又は微分散させることを特徴とするビシクロポルフィリン化合物の製造方法。
Figure 2005068041

(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成してもよい)
【選択図】 なし

Description

本発明は、効率良くビシクロポルフィリン化合物を製造する方法に関する。
従来、テトラビシクロポルフィリン化合物を合成する方法として、ビシクロピロール−2−カルボン酸エチルエステルを水素化リチウムアルミニウムで還元して生成する2−ヒドロキシメチル−ビシクロピロールをp−トルエンスルホン酸を用いて、環状4量化し、さらに酸化してテトラビシクロベンゾポルフィリンを合成する方法が報告されている(非特許文献1及び2参照)。
しかしながら、本発明者らがこれらに記載されている方法でスケールアップしようとしたところ、大幅に収率が低下してしまうことが見出された。
J.Chem.Soc.、Perkin Trans.1、3161(1997年) Heterocycles 52巻、399(2000年)
上述の様に、ビシクロポルフィリンを大量合成する際に、高収率の合成法が求められていた。
以上の事に鑑み、種々検討を行った結果、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に、反応系に分散しやすい酸を用いる事により、効率的に環状4量体が生成し、その結果、ビシクロポルフィリン化合物の収量が飛躍的に向上することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で表される2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理により、ポルフィリノーゲン誘導体を生成し、さらに該ポルフィリノーゲン誘導体を酸化してポルフィリン化合物を合成するポルフィリン化合物の製造法において、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に用いる酸を系に溶解又は微分散させることを特徴とするビシクロポルフィリン化合物の製造方法に存する。
Figure 2005068041
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形
成してもよい)
2−ヒドロキシメチルピロール類の4量化によりポルフィリン化合物を効率的に合成す
る 方法を提供する。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明は、下記反応式で表される様な、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理、ついでポルフィリノーゲン誘導体の酸化によりポルフィリン化合物を得る製造において、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に用いる酸を、反応系に溶解又は微分散させた状態で用いることを特徴とする。
Figure 2005068041
式中、Xは上記で示されるような2価の特定シクロアルケニル基であるが、2−ヒドロキシメチルピロールと結合する向きは特に制限はない。
又、R1〜R8はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形成しても良い。
上記R1〜R8の1価の有機基としては、反応時に悪影響を与えない基であれば特に限定
されないが具体的には、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基;イソシアノ基;シアナト基;イソシアナト基;チオシアナト基;イソチオシアナト基;メルカプト基;ヒドロキシ基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;置換されていても良いアルキル基;置換されていても良いシクロアルキル基;置換されていても良いアルケニル基;置換されていても良いシクロアルケニル基;置換されていても良いアリール基;置換されていても良い複素環基;置換されていても良いアルコキシ基;置換されていても良いアルケニルオキシ基;置換されていても良いアリールオキシ基;置換されていても良いアルキルチオ基;−COQ3で表されるアシ
ル基;−OCOQ3で表されるアシルオキシ基;−NQ45で表されるアミノ基;−CO
OQ3で表されるカルボン酸エステル基;−CONQ67で表されるカルバモイル基;−
SOQ3で表されるスルフィニル基;−SO23で表されるスルホニル基;−SO33
ルホン酸エステル基;−SO2NQ67で表されるスルファモイル基が挙げられる。この
うち、置換されていても良いアルキル基;置換されていても良いシクロアルキル基;置換されていても良いアルケニル基;置換されていても良いシクロアルケニル基;置換されていても良いアリール基;置換されていても良い複素環基;置換されていても良いアルコキシ基;置換されていても良いアルケニルオキシ基;置換されていても良いアリールオキシ基;置換されていても良いアルキルチオ基;−COQ3で表されるアシル基;−OCOQ3で表されるアシルオキシ基;−NQ45で表されるアミノ基;−COOQ3で表されるカ
ルボン酸エステル基;−CONQ67で表されるカルバモイル基;−SOQ3で表される
スルフィニル基;−SO23で表されるスルホニル基;−SO33スルホン酸エステル基;−SO2NQ67で表されるスルファモイル基としては、炭素数18以下、好ましくは
12以下ものが挙げられる。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−へプチル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
上記シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の環状アルキル基が挙げられる。
上記アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の直鎖又は分岐のアルケニル基が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環状アルケニル基が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基又はナフチル基が挙げられる。
上記複素環基としては、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピペリジル基、モルホリノ基等の異項原子を1〜3個有する複素環基が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。
上記アルケニルオキシ基としてはプロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の直鎖または分岐のアルケニルオキシ基が挙げられる。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基又はナフチルオキシ基が挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の直鎖または分岐のアルキルチオ基が挙げられる。
上記アシル基、アシルオキシ基、カルボン酸エステル基、スルフィニル基、スルホニル基及びスルホン酸エステル基におけるQ3としては、置換されていても良い炭化水素基又
は置 換されていても良い複素環基が挙げられる。
上記アミノ基におけるQ4及びQ5としては、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭化水素基、複素環基、−COQ3で表されるアシル基、−COOQ3で表されるカルボン酸エステル基又は−SO23で表されるスルホニル基が挙げられる。
上記カルバモイル基又はスルファモイル基における、Q6及びQ7としては、それぞれ独立して、水素原子、炭化水素基又は複素環基が挙げられる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基及び炭化水素基は、反応において悪影響を与えない範囲で任意の置換されていても良く、その具体例としては、上述のR1〜R8の具体例として記述したような基が挙げられる。
また、R1〜R8は、互いに一体となって、プロピレン基、ブチレン基、等となり、それぞれがピロール環と縮合環を形成する脂肪族炭化水素基となっていてもよく、または形成さ れた縮合環がベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭素環となっていてもよく、さらにヘテロ原子により置換されてピロール環、ピリジン環等の複素環基を形成していてもよく、このうち好ましくは、脂肪族炭素環である。
1〜R8で好ましいのは、水素原子である。
(ポルフィリノーゲン誘導体の製造法)
本発明における、ポルフィリノーゲン誘導体は、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の 酸処理により製造される。
2−ヒドロキシメチルピロール誘導体は、公知の方法に従って合成すれば特に構わない。例えば、ピロール−2−カルボン酸エステル誘導体を水素化リチウムアルミニウム等の還元剤で還元して製造する事が出来る。
本発明では、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に系に分散しやすい酸を用いることを特徴とする。系に分散しやすい酸とは、反応系内に溶解又は微分散する酸であり、例えば反応系内で溶解又は微分散する固体、液体又は気体の酸を用いる。
反応系内に溶解又は微分散する固体酸としては、無機酸でも有機酸でも良く、具体的にはAlCl3、AsF5等のルイス酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の置換されていてもよい脂肪族カルボン酸;安息香酸、トルイル酸、フタル酸、トリメリト酸等の置換されていてもよい芳香族カルボン酸;置換されていても良い脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等の置換されていてもよい芳香族スルホン酸等が挙げられる。
反応系内に溶解又は微分散する液体酸としては、無機酸でも有機酸でも良く、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ酸、BF3、TiCl4,SnCl4等の無機酸や、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸、トリフルオロ酢酸等の置換されていても良い脂肪族カルボン酸;置換されていても良い芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の置換されていても良い脂肪族スルホン酸;置換されていても良い芳香族スルホン酸が挙げられる。
反応系に溶解又は微分散する気体酸としては、無機酸でも有機酸でも良く、具体的には塩化水素、フッ化水素、臭化水素等のハロゲン化水素ガスが挙げられる。
上記酸として好ましいのは、液体酸である。
反応系内に酸を微分散させるにあたっては固体酸を1mm以下、さらに好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下に微粒子化したり、該固体酸又は液体酸の存在下必要に応じて界面活性剤を用いて攪拌することにより微分散することができる。
気体酸を用いる場合には、気体酸を反応液に接触させたり、吹き込んだりすればよい。
2−ヒドロキシメチルピロール誘導体は溶媒に溶解させて、前述の酸処理を行う。溶媒は、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体が溶解するものであって、反応に悪影響を与えないものを適宜選択すればよく、又、前記酸との組み合わせによっても適宜選択できるが、その具体例としてはクロロホルムや塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;トルエンやベンゼン、キシレンやクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類;ピリジン、キノリン等の含窒素有機溶媒類;あるいはエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類の溶媒等が挙げられる。
好ましくは、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類、又はアミド類であり、さらに好ましくは、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、又はアミド類である。
2−ヒドロキシメチルピロール誘導体を酸処理するには、ヒドロキシメチルピロール化合物溶液に前述のいずれかの酸を添加する、あるいは、その酸をあらかじめ反応溶媒に溶解又は分散しておき、ヒドロキシメチルピロール化合物の溶液を添加することでも可能で
ある 。
使用する酸の量は、反応がスムーズに進行する量に調整する事が望ましいが、一般には2−ヒドロキシメチルピロール誘導体1モルに対して0.1モル以上、好ましくは0.2モル以上用いることが望ましい。0.1モルより少ないと、ポルフィリノーゲン誘導体の生成量が少なくなる。
上限は、反応に悪影響を与えない量であれば特に問題ないが、好ましくは10モル以下、さらに好ましくは5モル以下である。
又、酸処理の反応温度は、通常−20℃以上、80℃以下が望ましい。20℃より低いと、反応が進行せず、ポルフィリノーゲン誘導体の生成量が少なくなり、80℃より高いと副反応が起こり、結果的にポルフィリノーゲン誘導体の生成量が少なくなる。
2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理工程では、反応進行度をモニターして、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体が消失し、ポルフィリノーゲン誘導体が生成するのを確認して反応時間を設定するのが望ましい。通常は30分以上、好ましくは1時間以上反応させる。また、あまり反応が遅いと副反応が進行して収率が低下するので、12時間以内に反応が終了するように酸の添加量や温度等の反応条件を設定するのが望ましい。
前述の非特許文献では、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理をクロロホルム中でp−トルエンスルホン酸を使用して行っている。この方法でスケールアップすると、p−トルエンスルホン酸がクロロホルムに難溶であるため、反応に有効な濃度になるのに、スケールが大きいほど時間がかかること、又、 溶解していないp−トルエンスルホン
酸の表面においても反応は進行するが、スケールが大きくなると反応液の容積に対する表面積が、相対的に小さくなるため、この効果は失われることからスケールアップにより収率が低下するものと考えられる。
(ポルフィリン化合物の製造法)
本発明においては、前述の方法で得られたポルフィリノーゲン誘導体を酸化してポルフィリン化合物を得る。例えば、前述の酸処理工程で、原料2−ヒドロキシメチルピロール誘導体が消失し、ポルフィリノーゲン誘導体が十分に生成したところで、酸化剤を添加してポルフィリノーゲン誘導体をポルフィリン化合物に変換する。
酸化剤としては、クロラニル、ジクロロジシアノベンゾキノン、N−2,4,6−トリニトロフェニル-N',N’−フェニルジヒドラジン等の有機酸化剤や二酸化マンガン、二
酸化セレン等の無機酸化剤、さらには酸素等の酸化性の気体を吹き込むことも利用できる。好ましくは、クロラニル、ジクロロジシアノベンゾキノンである。
酸化剤の量は、反応の進行をLC等でモニターしながら酸化剤を調整するのが望ましいが、原料として用いた2−ヒドロキシメチルピロール類の0.3倍当量〜3倍当量を用いる。好ましくは0.3倍当量〜1倍当量である。
酸化反応は、通常室温で行うが、副反応速度を制御する為に高温あるいは低温で反応を行うことも可能である。望ましい反応温度は、−20℃から80℃である。20℃より低いと、反応が進行せず、ポルフィリン化合物の生成量が少なくなり、80℃より高いと副反応が起こり、結果的にポルフィリン化合物の生成量が少なくなる。
酸化に要する反応時間は、反応の進行をモニターしながら決めれば良いが、通常30分以上である。あまり長時間酸化反応を行うと、副反応で収率が低下する可能性があるので、12時間以内に反応が終了するように酸化剤の量や反応温度を調整するのが望ましい。
得られたビシクロポルフィリンは必要に応じて精製する事ができる。具体的な精製法としては、反応溶媒を濃縮したり、貧溶媒を加えたりして目的物を取り出す。さらに純度を
高めるためには、クロマトグラフィー、再結晶、再沈殿等用いて、望ましい純度まで精製することができる。
本発明におけるポルフィリン化合物の製造方法では、好ましくは100mg以上のポルフィリン化合物が製造できる。又、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体からポルフィリン化合物への収率は20%以上、さらに好ましくは30%以上である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
窒素雰囲気下、水素化アルミニウムリチウム(4.52g、119mmol)をテトラヒドロフラン(THF、161ml)に懸濁させた。0℃に冷却し、4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドール−1−カルボン酸エチル(6.47g、29.8mmol)のTHF(161ml)溶液を滴下した。その後10℃に昇温し、全体で約3時間程度攪拌した。HPLCにより、4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドールが生成していることを確認し、飽和塩化アンモニウム水溶液に反応液を加えて反応を停止した。その後、クロロホルム(和光純薬工業製、安定化剤にアミレンを使用)により抽出を行い(300mlずつ3回)、抽出したクロロホルム溶液を濃縮し、400mlとした。このうち、40mlを以下の反応に用いた。ここにクロロホルムを加えて、133mlとし、濃 塩酸を3滴加えて攪拌した。HPLCにより、4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドールの環状4量化が進行し、ポルフィリノーゲン誘導体が生成していることを確認した。さらにクロラニル(206.6mg、0.84mmol)を室温で加え、1時間ほど攪拌を行い、ポルフィリノーゲン誘導体を酸化してポルフィリン化合物を得た。その後水に注いで反応を停止し、有機層を分離した。炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌し(2回)、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、クロロホルムを展開溶媒としたシリカゲル カラムクロマトグラフィーにより精製し、クロロホルム−メタノール混合溶媒を用いて再沈殿によりさらに精製することにより、目的のポルフィリン化合物127.1mgを得た。収 率は27%であった。
(比較例)
窒素雰囲気下、水素化アルミニウムリチウム(2.58g、68.0mmol)をテトラ ヒドロフラン(THF、92ml)に懸濁させた。0℃に冷却し、4,7−ジヒドロ−4,7−エタノ−2H−イソインドール−1−カルボン酸エチル(4.00g、18.4mmol)のTHF(184ml)溶液を滴下した。その後10℃に昇温し、全体で約3時間程度攪拌した。酢酸エチル(適当量)を加えて反応を停止し、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に加えた。クロロホルムにより抽出を行い(750mlずつ3回)、抽出したクロロホルム溶液を5分割した後に、さらにクロロホルムを加えてそれぞれを1000mlとした。このそれぞれにパラトルエンスルホン酸を1.58g(9.2mmol)ずつ加えた。添加後、パラトルエンスルホン酸は凝集していた。24時間攪拌した後、それぞれにクロラニル(0.47g、1.9mmol)を室温で加え、さらに24時間攪拌した。水に注いで反応を停止し、有機層を分離した。炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、クロロホルムを展開溶 媒としたシリカゲルカラムクロマトグラィーにより精製を行ったが、ビシクロポルフィリン化合物は19mgしか得られなかった。収率は0.7%であった。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表される2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理により、ポルフィリノーゲン誘導体を生成し、さらに該ポルフィリノーゲン誘導体を酸化してポルフ
    ィリン化合物を合成するポルフィリン化合物の製造法において、2−ヒドロキシメチルピロール誘導体の酸処理に用いる酸を、系に溶媒又は微分散させることを特徴とするビシクロポルフィリン化合物の製造方法。
    Figure 2005068041
    (式中、R1〜R8はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、互いに結合して環状構造を形
    成してもよい)
  2. 酸が液体酸であることを特徴とする、請求項1に記載のポルフィリン化合物の製造法。
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