JP2005068032A - 架橋体及びその製造方法、並びにそのリサイクル方法 - Google Patents

架橋体及びその製造方法、並びにそのリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のポリマーを架橋してなり、物性が高く、脱架橋が容易な新規架橋体を提供する。
【解決手段】複数のポリマーが、輪と軸とからなるロタキサン構造による機械的結合で架橋された架橋体である。該架橋体においては、ポリマーがロタキサン構造における輪に相当しても、ロタキサン構造における軸に相当してもよい。該架橋体は、化学結合の解裂を伴わずに、リサイクルすることが可能である。また、架橋体がジスルフィド結合を有する場合、チオールで脱架橋することもできる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋体及びその製造方法、並びに該架橋体のリサイクル方法に関し、特にロタキサン構造による機械的結合で架橋された架橋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図1に示すように軸1が輪2に貫通し、軸1の両端に輪2が抜けないようにエンドキャップ3が結合した構造を有する化合物が知られており、該化合物をロタキサンと呼んでいる。ここで、軸1と輪2とは、機械的結合によって繋がっていると表現されている。上記輪2は軸1上で、回転や並進運動を自由に行うことができるため、例えば、外部刺激により輪2の位置を制御して、分子スイッチ等への応用が研究されている。
【0003】
上記ロタキサンの合成方法としては、軸と輪のサイズの相補性を利用し、熱的押し込みによりロタキサン結合を生成させるスリップ法が知られている。また、図2に示すように、軸1と輪2のホストゲスト相互作用によって、擬ロタキサン4を生成させ、その後、エンドキャップ3を軸1の両端に結合する方法が知られている。この方法では、ロタキサンの収率は、擬ロタキサン4における軸1と輪2との錯形成率及び擬ロタキサン4とエンドキャップ3との結合反応における速度論的プロセスに支配される。
【0004】
これに対し、発明者らは、チオール・ジスルフィド交換反応という平衡反応を利用した熱力学的支配に基づくロタキサン合成法を開発した。該合成法においては、図3に示すように、軸1としてジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩を用い、これにチオール類を加えることで、ジスルフィド結合がチオール類との交換反応によって可逆的に開裂する。軸1の開裂の際に、クラウンエーテル等よりなる輪2がアンモニウム塩と錯形成し、[2]ロタキサン5や[3]ロタキサン6が生成する。この合成法においては、反応過程の総てが平衡反応からなるため、ロタキサンの生成が熱力学的に支配され、その結果、生成物の収率が相対的な安定性に依存し、[2]ロタキサンや[3]ロタキサンを選択的に高い収率で合成することができる。
【0005】
一方、図4に示すようなロタキサン構造を分子内に複数有する高分子、所謂ポリロタキサンが研究されており、新素材や機能性材料への利用が研究されている。図4中、(A)は両末端にエンドキャップ3を有する主鎖ポリマーを軸1とし、該軸1に複数の輪2が通った構造のポリロタキサンで、(B)はエンドキャップ3を有する鎖状分子を軸1とし、輪2が共有結合により複数結合されてなるポリマーの輪2に前記軸1が通った構造のポリロタキサンで、(C)は一方の末端にエンドキャップ3を有する軸1が主鎖ポリマーに複数結合しており、該軸1に輪2が通った構造のポリロタキサンである。しかしながら、ポリマーをロタキサン構造により架橋した架橋体については、未だ充分に検討されていなかった。
【0006】
ところで、従来より、多官能ポリオールとジイソシアネートからなるポリウレタンや、2官能性ポリオールとジイソシアネートとジアミンとからなるポリウレタンが知られているが、前者は化学結合で架橋しているため高物性だが脱架橋が難しいためリサイクルし難く、後者は水素結合で架橋しているため脱架橋が容易だが低物性であるという問題を有していた。このように、従来の架橋体は、高物性と脱架橋の容易性とを兼ね備えてはいなかった(非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
山下晋三,小松公栄ほか著,「エラストマー」,共立出版,平成元年2月20日,p.61−77
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、ポリマーをロタキサン構造により架橋してなり、物性が高く、脱架橋が容易な新規架橋体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる架橋体の製造方法及び該架橋体のリサイクル方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、ポリマーがロタキサン構造による機械的結合で架橋された架橋体を新規に合成し、該架橋体が種々の優れた物性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明の架橋体は、複数のポリマーが、輪と軸とからなるロタキサン構造による機械的結合で架橋されてなることを特徴とする。
【0011】
本発明の架橋体の好適例においては、前記ポリマーがロタキサン構造における輪に相当する大環状構造を複数有する。ここで、該ポリマーとしては、ポリクラウンエーテルが好ましく、下記式(I):
【化3】
Figure 2005068032
で表されるクラウンエーテル単位を有するポリクラウンエーテルが更に好ましく、該クラウンエーテル単位とウレタン結合とを含むポリクラウンエーテルが特に好ましい。
【0012】
また、本発明の架橋体としては、前記ポリクラウンエーテルが、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩で機械的結合を形成してなる架橋体が好ましい。ここで、前記ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩としては、下記式(II):
(R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
(式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、Rは二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表される化合物が挙げられる。
【0013】
また、本発明の架橋体としては、前記ポリクラウンエーテルが、ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩で機械的結合を形成してなる架橋体も好ましい。ここで、前記ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩としては、下記式(III):
(R−N−R−OCONH−R−NHCOO−R−N−R)・2X・・・ (III)
(式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、R及びRはそれぞれ独立して二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表される化合物が挙げられる。
【0014】
本発明の架橋体の他の好適例においては、前記ポリマーがロタキサン構造における軸に相当する。ここで、該ポリマーとしては、ポリウレタンが好ましい。また、本発明の架橋体としては、該ポリウレタンが、ビスクラウンエーテルで機械的結合を形成してなる架橋体も好ましい。
【0015】
また、本発明の架橋体の製造方法は、大環状構造を複数有するポリマーと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とを、チオール類の存在下で、ロタキサン構造による機械的結合で架橋することを特徴とする。ここで、前記大環状構造を複数有するポリマーとしては、ポリクラウンエーテルが好ましく、下記式(I):
【化4】
Figure 2005068032
で表されるクラウンエーテル単位を有するポリクラウンエーテルが更に好ましく、該クラウンエーテル単位とウレタン結合とを含むポリクラウンエーテルが特に好ましい。また、前記ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩としては、下記式(II):
(R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
(式中、R、R及びXは上記と同義である)で表される化合物が好ましい。
【0016】
本発明の他の架橋体の製造方法は、1つの軸と2つの重合性の輪からなる[3]ロタキサンを該輪の部分で重合することを特徴とする。ここで、前記重合性の輪を構成する分子としては、クラウンエーテルが好ましく、前記軸を構成する分子としては、ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が好ましく、下記式(III):
(R−N−R−OCONH−R−NHCOO−R−N−R)・2X・・・ (III)
(式中、R、R、及びR及びXは上記と同義である)で表される化合物が更に好ましい。
【0017】
本発明のその他の架橋体の製造方法は、大環状構造を2つ有する化合物のそれぞれの環に重合性の鎖状分子を挿入してなる擬ロタキサンを前記鎖状分子の部分で重合することを特徴とする。ここで、前記大環状構造を2つ有する化合物としては、ビスクラウンエーテルが好ましい。
【0018】
本発明のその他の架橋体の製造方法は、大環状構造を複数有するポリマーと、軸に相当する鎖状分子とを加熱により架橋することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明の架橋体のリサイクル方法は、上記架橋体を加熱により脱架橋することを特徴とする。
【0020】
本発明の他の架橋体のリサイクル方法は、ジスルフィド結合を有する架橋体をチオール類の存在下で脱架橋することを特徴とする。ここで、前記チオール類としては、下記式(IV):
(R−N−R−SH)・X ・・・ (IV)
(式中、R、R及びXは、上記と同義である)で表される化合物が好ましくい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の架橋体は、複数のポリマーが、輪と軸とからなるロタキサン構造による機械的結合で架橋されてなる。ここで、本発明の架橋体においては、ポリマーがロタキサン構造における輪に相当しても、ロタキサン構造における軸に相当してもよい。ロタキサン構造による機械的結合は、分子間力(ファンデルワールスカ)のような弱い結合ではないため、本発明の架橋体は物性が高い。また、ロタキサン構造による機械的結合は、例えば、加熱等により外れるため、本発明の架橋体は脱架橋が容易でリサイクル性に優れる。
【0022】
本発明の架橋体において、ポリマーがロタキサン構造における輪に相当する場合、該ポリマーの繰り返し単位としては、クラウンエーテル、シクロデキストリン、大環状ペプチド類、シクロファン類、カリックスアレーン類、シラクラウンエーテル類、クリプタンド類等の大環状分子に由来する大環状構造を含む繰り返し単位が挙げられ、上記大環状構造は、24員環以上の環であるのが好ましい。これらの中でも、繰り返し単位がクラウンエーテルに由来する大環状構造を含むポリマー、即ち、ポリクラウンエーテルが好ましい。かかるポリクラウンエーテルのクラウンエーテル環としては、24−クラウン−8(孔サイズ:4.0Å)、27−クラウン−9(孔サイズ>4.0Å)、30−クラウン−10(孔サイズ>4.0Å)等が挙げられる。上記ポリクラウンエーテルの中でも、24員環のクラウンエーテル単位を有するポリクラウンエーテルが更に好ましく、上記式(I)で表されるクラウンエーテル単位を有するポリクラウンエーテルが特に好ましい。
【0023】
上記ポリクラウンエーテルとしては、下記式(V)、式(VI)、式(VII)又は式(VIII):
【化5】
Figure 2005068032
【化6】
Figure 2005068032
【化7】
Figure 2005068032
(式中、nは1〜100000の整数で、xは5〜95の整数で、yは95〜5の整数である)
【化8】
Figure 2005068032
で表される繰り返し単位よりなるポリマーが挙げられる。
【0024】
上記ポリクラウンエーテルは、クラウンエーテル単位を有するモノマーから、通常の高分子合成技術で合成することができる。例えば、上記式(V)のポリクラウンエーテルは、ジベンゾ−24−クラウンエーテル−8のアルコール誘導体とジイソシアナートとをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中で重付加させることで製造でき、クラウンエーテルのアルコール誘導体とジイソシアナートとはウレタン結合で繋がっている。なお、式(V)のポリクラウンエーテルは、キャストにより丈夫な透明フィルムを与える。下記に反応式を示す。
【化9】
Figure 2005068032
【0025】
ポリマーがロタキサン構造における輪に相当する場合、ロタキサン構造における軸に相当する分子は、分子中央部の径がポリマー中の大環状構造の空洞部の径よりも小さく、分子末端にポリマー中の大環状構造の空洞部よりも嵩が大きい基を有する化合物であって、具体的には、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩、ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が挙げられ、これらの中でも、下記式(II):
(R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
(式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、Rは二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表されるジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩や、下記式(III):
(R−N−R−OCONH−R−NHCOO−R−N−R)・2X・・・ (III)
(式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、R及びRはそれぞれ独立して二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表される分子中にウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が好ましい。
【0026】
上記二官能性のアンモニウム塩は、分子中央部の外径が輪であるポリクラウンエーテルのクラウンエーテル環の内径より小さく、クラウンエーテル環の内径(孔サイズ)よりも嵩高い基が末端に結合した構造を有する。また、該アンモニウム塩は、4級アンモニウム性のN原子を分子中に2つ有し、ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル環を構成する酸素原子と静電気的に相互作用することができ、錯形成率が高い。
【0027】
式(II)中、Rはそれぞれ独立して前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、Rはそれぞれ独立して二価の炭化水素基であり、Xは一価の陰イオンである。
【0028】
式(II)のRとしては、環状構造を有する基が好ましく、環状構造は、置換基を有してもよい単環、縮合多環などがあり、芳香族系、脂環族系いずれであってもよい。また、環原子には炭素原子の他にヘテロ原子を含んでいてもよい。ほかに、架橋環、スピロ環なども挙げられる。単環であっても、たとえばt−ブチル基などのような嵩高い置換基を1個以上有すればその目的を達成できる。Rとして、具体的には、3,5−ジ−t−ブチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、3,5−ジニトロベンジル基、4−t−ブチルベンジル基等が挙げられる。
【0029】
式(II)のRとしては、エチレン基、トリメチレン基、ヘキサメチレン基、ドデカメチレン基、p−キシリレン基等のアルキレン基が挙げられる。
【0030】
式(II)のXとしては、PF 、CFSO 、BF 、CFCO 等が挙げられる。
【0031】
式(II)のアンモニウム塩としては、Rが3,5−ジ−t−ブチルベンジル基で、Rがエチレン基で、XがPF である化合物、即ち、下記式(IX):
【化10】
Figure 2005068032
で表される化合物が好ましい。
【0032】
ここで、本発明の架橋体が、ポリクラウンエーテルと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とからなる場合、該架橋体は、ポリクラウンエーテルと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とをチオール類の存在下、チオール・ジスルフィド交換反応により架橋して得ることができる。また、該架橋体は、チオール類を触媒として、元のポリクラウンエーテルと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とにリサイクルすることができる。ここで、架橋体は、ポリクラウンエーテルがロタキサン構造による機械的結合により架橋されてなり、見かけ上化学結合の形成を伴わずに生成するため、主鎖のポリクラウンエーテルに傷がつくことがない。
【0033】
図5を参照して具体的に説明すると、ポリクラウンエーテル7とジスルフィド結合8を有する二官能性のアンモニウム塩9とがチオール類10の存在下で架橋して、本発明の架橋体11が生成する。また、生成した架橋体11は、チオール類10の存在下で脱架橋してポリクラウンエーテル7とアンモニウム塩9とに戻ることができる。ここで、チオール・ジスルフィド交換反応は平衡反応であるため、反応条件や使用するチオール類の種類を適宜選択することで、架橋と脱架橋を行うことが可能である。
【0034】
上記チオール類としては、特に限定されるものではないが、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、アリルメルカプタン、メルカプトエタノール、チオジグリコール、システイン、ジチオスレイトール、ベンジルメルカプタン、ベンゼンチオール等の他、下記式(IV):
(R−N−R−SH)・X ・・・ (IV)
(式中、R、R及びXは、上記と同義である)で表される化合物が挙げられる。ここで、式(IV)の化合物は、使用する二官能性のアンモニウム塩の還元型チオール類である。これらの中でも、架橋体をリサイクルする観点からは、上記式(IV)の化合物が好ましく、この場合、使用した二官能性のアンモニウム塩を高い収率で回収することができる。
【0035】
一方、式(III)中のRは、前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、式(II)のRで挙げたのと同じ基を挙げることができる。また、式(III)中のR及びRはそれぞれ独立して二価の炭化水素基であり、式(II)のRで挙げたのと同じ基を挙げることができる。該式(III)の化合物としては、Rが3,5−ジ−t−ブチルベンジル基で、Rがトリメチレン基で、Rがヘキサメチレン基で、XがPF である化合物、即ち、下記式(X):
【化11】
Figure 2005068032
で表される化合物が好ましい。
【0036】
ここで、本発明の架橋体が、ポリクラウンエーテルと、分子中にウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩とからなる場合、一方の末端に嵩高い基を有し且つもう一方の末端にヒドロキシル基を有するアンモニウム塩と、重合するための官能基を有するクラウンエーテルとから擬ロタキサンを生成させ、ジイソシアナートを加えて、1つの軸と2つの重合性の輪からなる[3]ロタキサンを合成し、クラウンエーテルの官能基を利用して重合することで架橋体を合成することができる。上記官能基としては、特に制限はなく、例えばアミノ基の場合は、ジカルボン酸やそのクロライドを用いて縮合重合することで、架橋体を得ることができる。
【0037】
一方、本発明の架橋体において、ポリマーがロタキサン構造における軸に相当する場合、該ポリマーは、後述する大環状構造を有する化合物の環の内径より径が小さいことを要し、具体的には、ポリウレタン等が挙げられる。該ポリウレタンとしては、下記式(XI):
【化12】
Figure 2005068032
で表される繰り返し単位よりなるポリウレタンを挙げることができる。
【0038】
ポリマーがロタキサン構造における軸に相当する場合、ロタキサン構造における輪に相当する分子は、分子内に大環状構造を2つ以上有することを要し、具体的には、ビスクラウンエーテル、ビスシクロデキストリン、ビスカリックスアレーン、ビスククルビツリルおよびその誘導体等が挙げられ、これらの中でも、ビスクラウンエーテル類が好ましい。ビスクラウンエーテルを構成するクラウンエーテル環は、24員環以上の環であるのが好ましく、かかるクラウンエーテル環としては、24−クラウン−8(孔サイズ:4.0Å)、27−クラウン−9(孔サイズ>4.0Å)、30−クラウン−10(孔サイズ>4.0Å)等が挙げられる。上記ビスクラウンエーテルの中でも、下記式(XII):
【化13】
Figure 2005068032
で表される化合物が特に好ましい。
【0039】
ここで、本発明の架橋体が、ポリウレタンと、ビスクラウンエーテルとからなる場合、例えば、ビスクラウンエーテルと、両末端にヒドロキシル基を有するアンモニウム塩とから擬ロタキサンを生成させた後、ジイソシアナートを加えて、重付加させることで架橋体を得ることができる。ポリマーがロタキサン構造における軸に相当する場合の架橋体の概念図を図6に示す。図中、ポリマーが軸1として、分子内に大環状構造を2つ有する分子が輪2として、ロタキサン構造による機械的結合で架橋体を形成している。
【0040】
本発明の架橋体は、膨潤性が高い。従って、各種溶媒の吸収剤として使用できる。また、従来の高分子材料の代替としても利用できる。更に、リサイクル性に優れ、環境への負荷が小さい。
【0041】
本発明の架橋体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、(i)大環状構造を複数有するポリマーと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とを、チオール類の存在下で、ロタキサン構造による機械的結合で架橋する方法、(ii)1つの軸と2つの重合性の輪からなる[3]ロタキサンを該輪の部分で重合する方法、(iii)大環状構造を2つ有する化合物のそれぞれの環に重合性の鎖状分子を挿入してなる擬ロタキサンを鎖状分子の部分で重合する方法、(iv)大環状構造を複数有するポリマーと、エンドキャップを有する軸に相当する鎖状分子とを加熱により架橋する方法が挙げられる。
【0042】
上記(i)の方法は、チオール・ジスルフィド交換反応を利用した方法であり、該方法においては、チオール類の存在下で、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩のジスルフィド結合が開裂し、その際にアンモニウム塩がポリマーの大環状構造部分に挿入される。ここで、ポリマーの大環状部分がクラウンエーテルからなる場合、4級アンモニウム性のN原子とクラウンエーテル環の酸素原子が静電気的に相互作用するため、ロタキサン構造を生成しやすい。
【0043】
上記大環状構造を複数有するポリマーとしては、クラウンエーテル、シクロデキストリン、大環状ペプチド類、シクロファン類、カリックスアレーン類、シラクラウンエーテル類、クリプタンド類等の大環状分子に由来する大環状構造を含む繰り返し単位からなるポリマーが挙げられ、上記大環状構造は、24員環以上の環であるのが好ましい。これらの中でも、繰り返し単位がクラウンエーテルに由来する大環状構造を含むポリマー、即ち、ポリクラウンエーテルが好ましい。なお、ポリクラウンエーテルについては、前述の通りである。また、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩及びチオール類についても、前述の通りである。
【0044】
上記(ii)の方法は、ロタキサンを共有結合で複数連結する方法であり、前述のジスルフィド結合を利用した架橋体よりも安定性が高い。ここで、ロタキサンの輪を構成する分子は、官能基を有し、該官能基を利用して重合する。[3]ロタキサンの輪を構成する分子としては、クラウンエーテル、シクロデキストリン、大環状ペプチド類、シクロファン類、カリックスアレーン類、シラクラウンエーテル類、クリプタンド類等の大環状分子が挙げられ、これらの中でも、クラウンエーテルが好ましく、24員環のクラウンエーテルが更に好ましく、下記式(XIII):
【化14】
Figure 2005068032
で表されるクラウンエーテルが特に好ましい。
【0045】
一方、ロタキサンの軸を構成する分子は、上記の大環状分子の空洞部よりも分子中央部の径が小さく、分子末端の嵩が大きい分子である。かかる分子としては、ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が挙げられ、その中でも、上記式(III)で表されるアンモニウム塩が好ましく、上記式(X)で表されるアンモニウム塩が更に好ましい。
【0046】
この場合、[3]ロタキサンの合成は、軸に2つの輪を通した後、エンドキャップを結合する方法でも、一方の末端に嵩高い基を有し且つもう一方の末端にヒドロキシル基を有するアンモニウム塩と、クラウンエーテルとから擬ロタキサンを生成させた後、ジイソシアナートを加えて、ヒドロキシル基とイソシアナート基とを反応させる方法でもよい。
【0047】
上記(iii)の方法は、擬ロタキサンを共有結合で複数連結する方法であり、前述のジスルフィド結合を利用した架橋体よりも安定性が高い。ここで、大環状構造を2つ有する化合物としては、ビスクラウンエーテル、ビスシクロデキストリン、ビスカリックスアレーン、ビスククルビツリルおよびその誘導体等が挙げられ、これらの中でも、ビスクラウンエーテルが好ましい。なお、ビスクラウンエーテルについては、前述の通りである。一方、環に挿入できる鎖状分子は、大環状構造を2つ有する化合物の環の内径より径が小さく、重合するための官能基を有する限り、特に制限はない。
【0048】
上記(iv)の方法は、所謂スリップ法によりロタキサン結合を生成させ、架橋体を得る方法である。ここで、大環状構造を複数有するポリマーについては、(i)の方法で述べた通りである。一方、エンドキャップを有する鎖状分子は、分子中央部の径が大環状構造の内径より小さく、分子末端に室温では大環状構造の径よりも嵩高く、高温では大環状構造の内径より嵩が小さくなる基を有する。かかる基は、大環状構造の内径に応じて適宜選択される。
【0049】
本発明の架橋体は、加熱により脱架橋することでリサイクルできる。該方法では、加熱によりロタキサンの輪をエンドキャップ基が通り抜けるため、化学結合の解裂を伴わない。従って、該方法で得られる回収物は、利用性が高い。
【0050】
また、大環状構造を複数有するポリマーと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とがロタキサン構造による機械的結合を形成してなる架橋体に対しては、該架橋体をチオール類の存在下で脱架橋することでリサイクルすることもできる。上述のようにチオール・ジスルフィド交換反応は平衡反応であるため、反応系の条件を適宜選択することで、架橋と脱架橋の選択性を操作することができる。
【0051】
脱架橋に使用するチオール類としては、前述のチオール類を使用することができるが、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩の還元型チオール類が好ましく、この場合、使用した二官能性のアンモニウム塩を高い収率で回収することができる。具体的には、下記式(II):
(R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
(式中、R、R及びXは、上記と同義である)で表される二官能性のアンモニウム塩を使用した場合は、下記式(IV):
(R−N−R−SH)・X ・・・ (IV)
(式中、R、R及びXは、上記と同義である)で表されるチオール類を使用するのが好ましい。
【0052】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0053】
(ポリクラウンエーテル合成例1)
ジベンゾ−24−クラウンエーテル−8のアルコール誘導体 1.48Mと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI) 1.41Mとを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)中、室温で10時間重付加させて上記式(V)で表されるポリクラウンエーテルを合成した。得られたポリクラウンエーテルは、示差走査熱量計で測定したガラス転移点(T)が81℃で、熱重量測定計で測定した10%重量減少温度(Td10)が254℃で、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5100で、分子量分布(Mw/Mn)が7.1であった。反応式を下記に示す。
【化15】
Figure 2005068032
【0054】
(ポリクラウンエーテル合成例2)
通常の方法で上記式(VI)で表されるポリクラウンエーテルを合成した。得られたポリクラウンエーテルは、Tが18℃で、Td10が310℃で、数平均分子量(Mn)が2200で、分子量分布(Mw/Mn)が1.5であった。
【0055】
(ポリクラウンエーテル合成例3)
通常の方法で上記式(VII)で表されるポリクラウンエーテルを合成した。得られたポリクラウンエーテルは、Tが15℃で、Td10が324℃で、数平均分子量(Mn)が125000で、分子量分布(Mw/Mn)が80であった。
【0056】
(実施例1)
上記のようにして得た式(V)のポリクラウンエーテルと、上記式(IX)の二官能性アンモニウム塩とをクロロホルム・アセトニトリル混合液に溶解させ、ベンゼンチオール(PhSH)を加えて、50℃で静置した。ここで、式(V)のポリクラウンエーテルの濃度はそのクラウンユニットの濃度として0.25M、式(IX)の二官能性アンモニウム塩の濃度は0.060M、ベンゼンチオールの濃度は0.012Mである。その結果、混合溶液の粘度が徐々に増加していくのが観察され、20時間後にゲルの沈澱が起こった。該ゲルをクロロホルムとメタノールで洗浄したところ、架橋型ポリロタキサン(架橋体)を定量的に得た。得られたゲルは、無色で弾力性を有し、乾燥時は非常に硬くなった。得られた架橋型ポリロタキサンは、ガラス転移点(T)が60.4℃で、10%重量減少温度(Td10)が203℃であった。反応式を下記に示す。
【化16】
Figure 2005068032
【0057】
また、コントロール実験として、式(IX)のアンモニウム塩又はベンゼンチオールを加えずに同様の実験を行ったところ、ゲルが生成しなかったことから、上記のゲルの生成は、ロタキサンの機械的結合によるものであることが分かった。
【0058】
次に、上記架橋体の生成過程(ゲル化)をH−NMRで追跡した。上記の式(V)のポリクラウンエーテル、式(IX)のアンモニウム塩及びベンゼンチオールをNMR測定用チューブに仕込み、経時的にH−NMR測定を行った。ベンゼンチオールの添加前、添加直後、添加10時間後、添加24時間後のH−NMRスペクトルを図7に示す。1.3ppm前後に現れる式(IX)のアンモニウム塩のt−Bu基の水素に対応するピークが、ベンゼンチオールの添加によって分裂し、時間の経過と共に分裂が大きくなる。また、4.2ppm前後に現れる式(IX)のアンモニウム塩のベンジル位の水素に対応するピークが時間の経過と共に低磁場側にシフトすることが確認できる。
【0059】
ここで、ロタキサン構造に由来するピークの確認は、図8に示す[2]ロタキサン、[3]ロタキサン、並びに式(IX)のアンモニウム塩及びDB24C8(クラウンエーテル)の混合物のH−NMRスペクトルから確認した。
【0060】
次に、ベンゼンチオールの添加量を変えて架橋反応を行い、生成した架橋体の膨潤度及びガラス転移点を測定した。結果を表1に示す。なお、ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC)で測定し、膨潤度は、ゲルを室温でクロロホルム中に30時間浸漬して、下記の式から求めた。
膨潤度(%)=(膨潤後ゲル体積−乾燥時ゲル体積)/乾燥時ゲルの体積×100
【0061】
【表1】
Figure 2005068032
【0062】
実施例2〜4から、軸となるアンモニウム塩のクラウンユニットに対する仕込み比を低下させることで、膨潤度が増加すると共にガラス転移点が低下することが分かる。このことから、本発明の架橋体は、ポリクラウンエーテルとアンモニウム塩とのモル比を変えることで、架橋率をコントロールできることが分かる。また、実施例5のように、実施例3と同じ仕込み比で濃度を低下させることで、膨潤度が増加すると共にガラス転移点が低下した。このことから、濃度によっても、架橋率をコントロールできることが分かる。
【0063】
次に、架橋ポリマーの膨潤度に与える溶媒の影響を試験した。該試験には実施例4で得た架橋ポリマーを使用し、溶媒のみ変更して同様の方法で膨潤度を測定した。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 2005068032
【0065】
表2から、ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の主鎖ポリマーへの溶解性が高い溶媒により膨潤度を上げることができるのが分かる。
【0066】
(実施例10)
式(VI)のポリクラウンエーテルを用いて実施例1と同様にして、該ポリマーを架橋した。その結果、式(VI)のポリクラウンエーテルから得られた架橋型ポリロタキサンは、ガラス転移点(T)が9.2℃で、10%重量減少温度(Td10)が189℃であった。
【0067】
(実施例11)
式(VII)のポリクラウンエーテルを用いて実施例1と同様にして、該ポリマーを架橋した。その結果、式(VII)のポリクラウンエーテルから得られた架橋型ポリロタキサンは、ガラス転移点(T)が87℃で、10%重量減少温度(Td10)が234℃であった。
【0068】
([3]ロタキサンの合成例1)
3,5−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒド5.00g(22.9mmol)と3−アミノ−1−プロパノール1.72g(22.9mmol)をトルエン60mLに溶かし、アルゴン雰囲気下で2時間還流した。溶媒を減圧除去し、そこへメタノール200mL、および水素化ホウ素ナトリウム2.57g(57.4mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後、クロロホルムで抽出し、1MのHCl水溶液、10%のNaOH水溶液で1回ずつ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc)で精製し、無色オイルとして3.20g(11.5mmol, 50%)の下記式(XIV):
【化17】
Figure 2005068032
で表される化合物を得た。該式(XIV)の化合物3.2g(11.5mmol)をメタノール30mLに溶かし、撹拌しているところへ10%のHPF水溶液30mLをゆっくり滴下した。メタノールを減圧除去した後、クロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧除去し、白色固体として4.80g(11.3mmol, 98%)の下記式(XV):
【化18】
Figure 2005068032
で表される化合物を得た。
【0069】
ジベンゾ−24−クラウン−8−エーテル(DB24C8) 3.00g(6.69mmol)を酢酸50mLに溶解し、60%の硝酸1.27mL(16.7mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。固体が十分に析出するまで水を加え、固体を吸引ろ取した。得られた個体を減圧乾燥後、エタノールからの再結晶により精製を行うことで、黄色固体として2.41g(4.48mmol, 67%)の下記式(XVI):
【化19】
Figure 2005068032
で表される化合物(ジニトロクラウンエーテル)を得た。
H−NMR(270MHz, CDCl) δ7.90−7.85(2H, dd, J=8.9Hz, J=2.4Hz, Ar−), 7.72(2H, d,J=2.4Hz, Ar−), 6.86(2H, d,J=2.4Hz, Ar−), 4.24−4.13(8H, m, C ), 3.97−3.83(16H, m, C )ppm. : m.p. 144.4−145.9℃. : IR(KBr) νN−O=1512, 1277cm−1
【0070】
上記式(XV)の化合物170mg(0.40mmol)、上記式(XVI)の化合物430mg(0.80mmol)をCHNO 3.5mLに溶解し、70℃で1時間撹拌した後、ヘキサメチレンジイソシアナート32μL(0.20mmol)、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ(DBTDL) 24μL(40μmol)を加え、室温で二晩撹拌した。溶媒を減圧除去した後、分取液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製することで、無色固体として240mg(0.12mmol, 58%)の下記式(XVII):
【化20】
Figure 2005068032
で表される化合物(ロタキサン)を得た。
H−NMR(270MHz, CDCl) δ7.84−7.81(4H, d, J=8.6Hz, Ar− of crown), 7.61(4H, s, Ar− of crown), 7.18−7.11(6H, m, Ar− of dumbbel), 6.94−6.90(4H, m, Ar−H of crown), 4.67−4.65(4H, m, ArC NH), 4.20−3.07(60H, m, C ), 1.93−1.11(44H, m, C and Bu)ppm. : FAB−MS(m−NBA):m/z 1801.0[M−sPF ].
【0071】
上記式(XVII)の化合物200mg(0.10mmol)と50mgのPd−Cを酢酸エチル−メタノール(1/1)の混合溶液60mLに溶解させ水素置換して室温で一晩撹拌した。吸引ろ取してPd−Cを除き、ろ液の溶媒を減圧除去して、無色固体として180mg(0.097mmol, 97%)の下記式(XVIII):
【化21】
Figure 2005068032
で表される化合物(ロタキサン)を得た。
【0072】
(実施例12)
上記式(XVIII)の化合物180mg(0.097mmol)を無水THF 30mLに溶解し、トリエチルアミン1.1mL及びTHF 3mLに溶解したテレフタル酸クロリド60mg(0.30mmol)をゆっくり滴下したところ、直ちに白色固体が析出した。この白色固体をDMSOに溶解させ、水へ再沈澱させ、190mgの下記式(XIX):
【化22】
Figure 2005068032
で表される架橋体を得た。
【0073】
(ビスクラウンエーテル合成例1)
DB24C8 1.98g(4.33mmol)を酢酸に溶解し、60%硝酸312μL(4.11mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。固体が十分に析出するまで水を加え、固体を吸引ろ取した。得られた固体を減圧乾燥後、エタノールからの再結晶により精製を行うことで、黄色固体として1.41g(2.90mmol, 38%)の下記式(XX):
【化23】
Figure 2005068032
で表される化合物(モノニトロクラウンエーテル)を得た。
H−NMR(270MHz, CDCl) δ7.99−7.86(1H, dd, J=8.9Hz, J=2.4Hz, Ar−), 7.72(1H, d,J=2.4Hz, Ar−), 6.91−6.86(5H, m, Ar−), 4.28−4.14(8H, m, C ), 3.97−3.84(16H, m, C )ppm. : m.p. 124.0−125.0℃. : IR(KBr)νN−O=1509, 1276cm−1
【0074】
上記式(XX)の化合物0.35g(0.70mmol)と50mgのPd−Cを酢酸エチル−メタノール(1/1)の混合溶液100mLに懸濁させ水素置換して室温で一晩撹拌した。吸引ろ取してPd−Cを除き、ろ液の溶媒を減圧除去して、無色の結晶として下記式(XXI):
【化24】
Figure 2005068032
で表される化合物を得た。これを、無水THF 30mLに溶解し、トリエチルアミン0.50mL(3.5mmol)及びTHF 10mLに溶解したテレフタル酸クロリド70mg(0.35mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、析出した薄茶色固体を吸引ろ取して、減圧乾燥することにより、0.37g(0.35mmol, 100%)の下記式(XXII):
【化25】
Figure 2005068032
で表される化合物(ビスクラウンエーテル)を得た。
H−NMR(270MHz, DMSO−d) δ10.2(2H, CON), 8.05(4H, s, telephthaloyl−), 7.47(2H, s, Ar−), 7.32(2H, m, Ar−), 6.96−6.85(10H, m, AR−), 4.06(16H, m, C ), 3.75(16H, m, C ), 3.66(16H, d, C )ppm.
【0075】
上記式(XXII)の化合物1.63g(1.54mmol)、水素化ナトリウム(60% in oil) 2.00g(50.0mmol)を無水DMF 100mLに懸濁して30分撹拌後、ヨウ化メチル4.0mL(64mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。水、酢酸エチルを加え、酢酸エチルで3回抽出を行い、溶媒を減圧除去して、黄色オイルを得た。酢酸エチルとn−ヘキサンを加え、デカンテーションにより上澄み液を除いた。n−ヘキサンを加えて撹拌し、デカンテーションにより上澄み液を除く操作を3回繰り返したのち、固体を減圧乾燥した。分取GPCにより高分子量体を除いた後、エタノールからの再結晶により精製することによって、白色固体として1.12g(1.03mmol, 67%)の下記式(XXIII):
【化26】
Figure 2005068032
で表される化合物(ビスクラウンエーテル)を得た。
m.p. 162−163℃ : H−NMR(270MHz, CDCl) δ7.10(4H, s, Ar−), 6.88(8H, s, Ar−), 6.58(2H, d, Ar−), 6.52(2H, s, Ar−), 4.16−3.73(48H, m, C ), 3.73(6H, s, C )ppm. : IR(KBr) νC=O=1647cm−1
【0076】
(実施例13)
下記式(XXIV):
【化27】
Figure 2005068032
で表される化合物95mg(0.37mmol)をCHCl 2.0mLに溶解し、CFSOH 40μL(0.44mmol)、上記式(XXIII)のビスクラウンエーテル200mg(0.18mmol)を加え、室温で5分間撹拌して、下記式(XXV):
【化28】
Figure 2005068032
で表される擬ロタキサンを系中に生成させた。反応液に、メチレンビス(4−フェニルイソシアナート) 95mg(0.37mmol)を加え、室温でさらに2時間撹拌すると、無色透明のゲルが沈澱した。このゲルを溶液中から取り出し、乾燥させ、無色固体として下記式(XXVI):
【化29】
Figure 2005068032
で表される架橋体(210mg)を得た。
IR(KBr) νN−H=3400cm−1, νC=O=1710cm−1
【0077】
生成した式(XXVI)の架橋体は、CHClで膨潤しているときには、もろく寒天のような物性であるが、乾燥してくると徐々に弾性がでてきて、完全に乾燥すると硬い固体になった。DMSO中でのH−NMRスペクトルを図9に、重クロロホルム中でのH−NMRスペクトルを図10に示す。DMSO中でのNMRスペクトルは式(XXIII)の化合物のNMRスペクトルとピークの位置が一致しており、式(XXIII)の化合物とアンモニウム塩が錯形成するとピークがシフトすることから、DMSO中では式(XXIII)の分子はアンモニウム塩と錯形成していないことが分かった。一方、重クロロホルム中のNMRスペクトルは、全体にブロードなピークが確認されたので、高分子量体を形成していることが確認された。
【0078】
(リサイクル例1)
式(V)のポリクラウンエーテルと、該ポリクラウンエーテルのクラウンユニットに対し40mol%の上記式(IX)の二官能性アンモニウム塩とをクロロホルム/アセトニトリル混合液(混合比4/1)に溶解させ、式(IX)のアンモニウム塩の30mol%の下記式(XXVII):
【化30】
Figure 2005068032
で表されるチオールを加えて、室温で静置した。その結果、架橋反応が進行して、ゲルが生成した。
【0079】
得られたゲルはDMF中60℃で3日間加熱しても膨潤しただけであったが、上記式(XXVII)のチオールを触媒量含むDMF中では70分で均一になり、ロタキサン構造による架橋が外れたことを示した。この溶液をメタノールに再沈澱すると、ポリクラウンエーテルが定量的に回収された。また、メタノール溶液を水に再沈澱することにより、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩と、チオールとの混合物を92%の収率で回収した。この結果から、上記架橋体は、元のポリクラウンエーテルと二官能性のアンモニウム塩とチオールとにリサイクルすることが可能であるのが確認された。反応プロセスを下記に示す。
【化31】
Figure 2005068032
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のポリマーが、輪と軸とからなるロタキサン構造による機械的結合で架橋された新規架橋体及びその製造方法を提供することができる。また、該架橋体のリサイクル方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロタキサンの概念図である。
【図2】エンドキャップ法によるロタキサン合成の概念図である。
【図3】チオール・ジスルフィド交換反応を利用したロタキサン合成の概念図である。
【図4】ポリロタキサンの概念図である。
【図5】本発明の架橋体の概念図である。
【図6】本発明の架橋体の他の概念図である。
【図7】式(V)のポリクラウンエーテル及び式(IX)のアンモニウム塩の混合物にベンゼンチオールを添加した後のH−NMRスペクトルの経時変化を示す。
【図8】[2]ロタキサン、[3]ロタキサン、並びに式(IX)のアンモニウム塩及びDB24C8(クラウンエーテル)の混合物のH−NMRスペクトルを示す。
【図9】実施例13の架橋体のDMSO中でのH−NMRスペクトルである。
【図10】実施例13の架橋体の重クロロホルム中でのH−NMRスペクトルである。
【符号の説明】
1 軸
2 輪
3 エンドキャップ
4 擬ロタキサン
5 [2]ロタキサン
6 [3]ロタキサン
7 ポリクラウンエーテル
8 ジスルフィド結合
9 ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩
10 チオール類
11 架橋体

Claims (27)

  1. 複数のポリマーが、輪と軸とからなるロタキサン構造による機械的結合で架橋された架橋体。
  2. 前記ポリマーがロタキサン構造における輪に相当する大環状構造を複数有することを特徴とする請求項1に記載の架橋体。
  3. 前記ポリマーがポリクラウンエーテルであることを特徴とする請求項2に記載の架橋体。
  4. 前記ポリクラウンエーテルが下記式(I):
    Figure 2005068032
    で表されるクラウンエーテル単位を有することを特徴とする請求項3に記載の架橋体。
  5. 前記ポリクラウンエーテルが、前記式(I)のクラウンエーテル単位とウレタン結合とを有することを特徴とする請求項4に記載の架橋体。
  6. 前記ポリクラウンエーテルが、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩で機械的結合を形成してなる請求項3に記載の架橋体。
  7. 前記ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩が下記式(II):
    (R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
    (式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、Rは二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表されることを特徴とする請求項6に記載の架橋体。
  8. 前記ポリクラウンエーテルが、ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩で機械的結合を形成してなる請求項3に記載の架橋体。
  9. 前記ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が下記式(III):
    (R−N−R−OCONH−R−NHCOO−R−N−R)・2X・・・ (III)
    (式中、Rは前記ポリクラウンエーテルのクラウンエーテル単位の孔サイズよりも嵩高い基であり、R及びRはそれぞれ独立して二価の炭化水素基でへテロ原子を含んでもよく、Xは一価の陰イオンである)で表されることを特徴とする請求項8に記載の架橋体。
  10. 前記ポリマーがロタキサン構造における軸に相当することを特徴とする請求項1に記載の架橋体。
  11. 前記ポリマーがポリウレタンであることを特徴とする請求項10に記載の架橋体。
  12. 前記ポリウレタンが、ビスクラウンエーテルで機械的結合を形成してなる請求項11に記載の架橋体。
  13. 大環状構造を複数有するポリマーと、ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩とを、チオール類の存在下で、ロタキサン構造による機械的結合で架橋することを特徴とする架橋体の製造方法。
  14. 前記大環状構造を複数有するポリマーがポリクラウンエーテルであることを特徴とする請求項13に記載の架橋体の製造方法。
  15. 前記ポリクラウンエーテルが下記式(I):
    Figure 2005068032
    で表されるクラウンエーテル単位を有することを特徴とする請求項14に記載の架橋体の製造方法。
  16. 前記ポリクラウンエーテルが、前記式(I)のクラウンエーテル単位とウレタン結合とを有することを特徴とする請求項15に記載の架橋体の製造方法。
  17. 前記ジスルフィド結合を有する二官能性のアンモニウム塩が下記式(II):
    (R−N−R−S−S−R−N−R)・2X ・・・ (II)
    (式中、R、R及びXは上記と同義である)で表されることを特徴とする請求項13に記載の架橋体の製造方法。
  18. 1つの軸と2つの重合性の輪からなる[3]ロタキサンを該輪の部分で重合することを特徴とする架橋体の製造方法。
  19. 前記重合性の輪を構成する分子がクラウンエーテルであることを特徴とする請求項18に記載の架橋体の製造方法。
  20. 前記軸を構成する分子がウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩であることを特徴とする請求項18に記載の架橋体の製造方法。
  21. 前記ウレタン結合を2つ有する二官能性のアンモニウム塩が下記式(III):
    (R−N−R−OCONH−R−NHCOO−R−N−R)・2X・・・ (III)
    (式中、R、R、及びR及びXは上記と同義である)で表されることを特徴とする請求項20に記載の架橋体の製造方法。
  22. 大環状構造を2つ有する化合物のそれぞれの環に重合性の鎖状分子を挿入してなる擬ロタキサンを前記鎖状分子の部分で重合することを特徴とする架橋体の製造方法。
  23. 前記大環状構造を2つ有する化合物がビスクラウンエーテルであることを特徴とする請求項22に記載の架橋体の製造方法。
  24. 大環状構造を複数有するポリマーと、軸に相当する鎖状分子とを加熱により架橋することを特徴とする架橋体の製造方法。
  25. 請求項1〜12のいずれかに記載の架橋体を加熱により脱架橋することを特徴とする架橋体のリサイクル方法。
  26. 請求項6又は7に記載の架橋体をチオール類の存在下で脱架橋することを特徴とする架橋体のリサイクル方法。
  27. 前記チオール類が下記式(IV):
    (R−N−R−SH)・X ・・・ (IV)
    (式中、R、R及びXは、上記と同義である)で表されることを特徴とする請求項26に記載の架橋体のリサイクル方法。
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