JP2005067916A - カーボンナノチューブの製造方法およびその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーボンナノチューブの製造装置は、駆動ドラム1 と従動ドラム2 によって回動される無端ベルト3 と、同ベルト3 を構成する多数の隣接する基板と、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する触媒薄膜形成部4 と、同形成部4 の下流に設けられ、かつ、薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部5 と、同形成部5 の下流に設けられ、基板からカーボンナノチューブを剥離するカーボンナノチューブ剥離部6 と、同剥離部6 の下流に設けられた基板浄化部7 とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法およびその製造装置に関する。カーボンナノチューブは、カーボン原子が網目状に結合してできた極微細な単層または多層の筒(チューブ)状の物質である。カーボンナノチューブを用いた電子放出素子は、フィールドエミッション型フラットパネルディスプレイ(FED)や、X線源、電子線リソグラフィー、表示・照明器具、ガス分解装置、殺菌・消毒装置などに応用される。
【0002】
【従来の技術】
カーボンナノチューブは、シリコンやモリブデンで作られたスピント型エミッターやダイヤモンド薄膜などの従来の電子放出素材に比べて、電流密度、駆動電圧、頑健さ、寿命などの特性において総合的に優れており、FED用電子源として現在最も有望視されている。これは、カーボンナノチューブが大きなアスペクト比(長さと直径の比)と鋭い先端とを持ち、化学的に安定で機械的にも強靱であり、しかも、高温での安定性に優れているなど、電界放出素子の材料として有利な物理化学的性質を備えているからである。
【0003】
カーボンナノチューブの作製方法として、プラズマ化学蒸着法により基板表面にカーボンナノチューブを同表面に対し垂直に配向させて作製する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法で用いられるプラズマ化学蒸着装置は、最初は真空状態にしておき次いで原料ガスの加圧状態でカーボンナノチューブを成長させる真空・加圧室を備える必要がある。そのため、この装置は大規模なものとなり、真空・加圧室で一度に作製されるカーボンナノチューブ量は限られるため、大量生産には向かない。
【0004】
また、複数の基板が順次に載せられつつ回転するベルトと、前記ベルトを回転させる回転部と、前記ベルトの上に前記基板を順次に載置する積載部と、前記積載部に対向して設置され、前記ベルトの回転によって移動した基板を回収する回収部と、前記ベルトに沿って移動する基板上にカーボンナノチューブを合成させるための原料ガスを供給する原料ガス供給部と、前記ベルトの上に載置された基板を前記原料ガスの熱的反応のために加熱する基板加熱部と、前記原料ガスを排気する排気部とを備えた熱化学気相蒸着装置も提案されている(特許文献2参照)。しかし、この装置では、積載部は、回転するベルト上に基板を順次載せたり回収したりするロボットアームを備える必要があり、構造が複雑である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−48512号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−234341号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような実状に鑑み、真空・加圧室や、基板積載用のロボットアームを設ける必要がなく、構造がシンプルで設備費が安価であるカーボンナノチューブ製造装置、およびこれを用いるカーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による、カーボンナノチューブの製造方法は、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成し、該薄膜の触媒粒子を核として薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるに当たり、薄膜上における化学蒸着法によるカーボンナノチューブの成長を、プラズマを用いて行うことを特徴とするものである。
【0009】
本発明方法において、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成するには、触媒金属の化合物を含む液を超音波振動によりまたは超音波を伴ったスプレーにより基板表面に噴霧し、形成された噴霧層を加熱するのが好ましい。カーボンナノチューブの成長工程において、プラズマは遷移プラズマからアークプラズマの範囲のものであることが好ましい。
【0010】
本発明による、カーボンナノチューブの製造装置は、駆動ドラムと従動ドラムによって回動され、かつ、隣接する多数の基板で構成された無端ベルトと、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する触媒薄膜形成部と、同形成部の下流に設けられ、かつ、薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部とを備えたカーボンナノチューブの製造装置であって、カーボンナノチューブ形成部にプラズマ発生装置が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明装置において、無端ベルトを構成する基板は好ましくはステンレス鋼製のものである。
【0012】
プラズマ発生装置の電極として、板状電極、棒状電極または針状電極を適宜選択使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
まず、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成し、該薄膜の触媒粒子を核として薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるに当たり、薄膜上における化学蒸着法によるカーボンナノチューブの成長を、プラズマを用いて行う本発明の製造方法について、説明をする。
【0015】
基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成するには、触媒金属の化合物を含む液を超音波振動によりまたは超音波を伴ったスプレーにより基板表面に噴霧し、形成された噴霧層を加熱するのが好ましい。それ以外の方法として、触媒金属の化合物を含む液をスプレーや刷毛で基板に塗布した後、プラズマ照射または加熱する方法、同触媒をクラスター銃で打ち付け、乾燥させ、必要であれば加熱する方法、金属を化学蒸着させる方法、金属を基板に電子ビーム蒸着ししその後この塗膜または蒸着膜を加熱方法等が採用できる。触媒金属は、鉄、コバルト、ニッケルなどであり、例えば鉄カルボニル錯体(ペンタカルボニル鉄等)のような錯体の形態、金属アルコキシド(Fe(OEt)3等)の形態等をとることができる。金属錯体や金属アルコキシドは溶液で供給されてもよい。溶媒はアセトン、アルコール等であってよい。溶液中の金属錯体や金属アルコキシドの濃度は例えば1〜5重量%であってよい。薄膜の厚みは、厚過ぎると加熱による金属粒子化が困難になるので、好ましくは1〜100nmである。
【0016】
次いでこの薄膜を好ましくは減圧下または非酸化雰囲気中で好ましくは650〜800℃に加熱すると、直径1〜50nm程度の金属触媒粒子が形成される。
薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させる工程では、原料ガスは通常はアセチレン(C2H2)ガスであるが、メタンガス、エタンガスのような他の脂肪族炭化水素ガスであってもよい。アセチレンの場合、多層構造で太さ12〜38nmのカーボンナノチューブが基板表面にブラシ毛状に形成される。原料ガスはヘリウムやアルゴン、キセノンのような不活性ガスで希釈された状態で原料ガス供給管を経て反応ゾーンに供給してもよい。ガス供給は連続的に行っても断続的に行ってもよい。化学蒸着法の操作条件は、好ましくは、大気圧下で、温度650〜800℃、時間1〜10分である。
【0017】
カーボンナノチューブの成長工程において発生させるプラズマは、例えば高周波電源または直流電源による大気圧プラズマであり、遷移プラズマからアークプラズマの範囲のものであることが好ましい。原料ガスの希釈ガスがアルゴンである場合、基板の下からプラズマを上向きに発生させ、ヘリウムの場合は基板の上から下向きに発生させるのが好ましい。成長させるカーボンナノチューブの長さおよび太さは、プラズマ発生に要する消費電力、原料ガスと希釈ガスの混合ガスの供給量、原料ガスと希釈ガスの混合割合、カーボンナノチューブ形成操作時間などにより制御することができる。
【0018】
プラズマの発生方法および条件は、常法に従ってよい。プラズマ発生ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガスがよく用いられる。電極とカーボンナノチューブの距離は、1mm以下、好ましくは100〜400μmである。高周波電力は好ましくは500〜1000Wである。
【0019】
本発明の方法により製造されたカーボンナノチューブを用いた電子放出素子はFEDの素子として特に好適である。
【0020】
カーボンナノチューブの長さは好ましくは1〜10μm、直径は好ましくは20〜30nm、カーボンナノチューブ相互間の間隔は好ましくは100〜150nmである。
【0021】
つぎに、駆動ドラムと従動ドラムによって回動される無端ベルトと、同ベルトを構成する多数の基板の表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する触媒薄膜形成部と、同形成部の下流に設けられ、かつ、薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部とを備えた本発明カーボンナノチューブ製造装置について、説明をする。本発明によるカーボンナノチューブの製造装置では、カーボンナノチューブ形成部にプラズマ発生装置が設けられている。
【0022】
無端ベルトは、隣接する多数の基板で構成されている。基板は、触媒粒子を支持するものであればよく、触媒粒子が濡れにくいものが好ましく、シリコン基板やガラス基板、ステンレス鋼基板であってよい。好ましくはステンレス鋼で構成されたものである。基板はアースされていることが好ましい。
【0023】
触媒薄膜形成部は、触媒金属の化合物を含む液を貯えるタンクと、タンク内に設けられた超音波発振器または超音波発振器とスプレー装置と、基板表面に形成された噴霧層を加熱するヒータとを具備する。触媒薄膜形成部と基板との間にスリットやメッシュからなるマスク板を介在させることもできる。マスク板により噴霧滴をより微細なものとすることができる。
【0024】
カーボンナノチューブ形成部は、プラズマ発生装置と、化学蒸着用のヒータと、プラズマ発生装置へカーボンナノチューブの原料ガスを送るガス供給管とを具備する。プラズマ発生装置は、基板に平行に配されたメッシュ板からなるメッシュ電極を備える。このメッシュ電極は原料ガスと希釈ガスの混合ガスを電極全体に均一に通過させることができる。プラズマ発生装置は、同装置のフレームの底部に配され、かつ、メッシュ板または多孔板で構成された水平電極と、同電極上に立設された複数の垂直電極とを具備するものであってもよい。この電極構成では、垂直電極は平行状に立設された複数の板状体、複数の棒状体、複数の針状物等であってよい。複数の板状体、複数の棒状体、複数の針状物等は、整列配置されていることが好ましい。このような形状の垂直電極を適宜に選択することにより、カーボンナノチューブを基板の必要部分のみに設けることができる。
【0025】
プラズマは、例えば高周波電源または直流電源による大気圧プラズマであってよい。基板と電極の間でのプラズマ点弧に高周波電力を用いプラズマ発生後は高周波電力を直流電力に切り替え、プラズマを維持ないし制御することも好ましい。基板がアースされている場合、プラズマは遷移プラズマからアークプラズマの範囲のものである。
【0026】
原料ガス、例えばアセチレンガスはヘリウムやアルゴン、キセノンのような不活性ガスで希釈された状態で原料ガス供給管を経てプラズマ発生装置に供給される。原料ガスの希釈ガスがアルゴンである場合、プラズマ発生装置は基板の下に配され、プラズマは上向きに発生される。ヘリウムの場合はプラズマ発生装置は基板の上に配され、プラズマは下向きに発生される。
【0027】
本発明によるカーボンナノチューブの製造装置は、好ましくは、カーボンナノチューブ形成部の下流に、無端ベルトを構成する基板からカーボンナノチューブを剥離するカーボンナノチューブ剥離部、同剥離部の下流に設けられた基板浄化部を備える。カーボンナノチューブ剥離部は、例えば、基板からカーボンナノチューブを剥離するスクレーバと、剥離されたカーボンナノチューブを回収する吸引装置とを具備する。
【0028】
基板浄化部は、例えば、カーボンナノチューブ剥離後の基板表面を洗浄する複数のブラシと、その下流に配されたクリーニングロールとを具備する。
【0029】
駆動ドラムは駆動モータにより駆動され、無端ベルトは間欠的に回動される。無端ベルトの停止時に上記操作によりカーボンナノチューブが成長させられる。
【0030】
つぎに、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0031】
実施例1
図1において、本発明によるカーボンナノチューブの製造装置は、駆動ドラム(1) と従動ドラム(2) によって回動される無端ベルト(3) と、同ベルト(3) を構成する多数の隣接する基板と、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する触媒薄膜形成部(4) と、同形成部(4) の下流に設けられ、かつ、薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部(5) と、同形成部(5) の下流に設けられ、基板からカーボンナノチューブを剥離するカーボンナノチューブ剥離部(6) と、同剥離部(6) の下流に設けられた基板浄化部(7) とを備える。
【0032】
無端ベルト(3) を構成する基板は、厚さ0.5mmのステンレス鋼板製のものであり、駆動ドラム(1) を介してアースされている。駆動ドラム(1) は、製造装置のチャンバー(21)の底部一端部に立設された駆動側支柱(18)にテンションバネ(19)で引き寄せられ、熱で伸びた無端ベルト(3) は同バネ(19)によってテンションを与えられる。従動ドラム(2) は、チャンバー(21)の底部他端部に立設された従動側支柱(20)の頂部に取付けられている。
【0033】
触媒薄膜形成部(4) は、触媒金属化合物含有液を貯えるタンク(8) と、タンク内に設けられた超音波発振器(9) と、基板表面に形成された噴霧層を加熱するコイルヒータ(10)とを具備する。
【0034】
カーボンナノチューブ形成部(5) は、プラズマ発生装置(11)と同装置(11)に接続された高周波電源(22)と、化学蒸着用の複数のヒータ(12)と、プラズマ発生装置(11)へカーボンナノチューブの原料ガスを送るガス供給管(13)とを具備する。プラズマ発生装置(11)は、基板に平行に配されたメッシュ板からなるメッシュ電極(15)を備える。このメッシュ電極は原料ガスと希釈ガスの混合ガスを電極全体に均一に通過させることができる。
【0035】
図2はプラズマ発生装置の変形例を示すものである。この例では、プラズマ発生装置(28)は、垂直角筒状のフレーム(14)と、フレーム(14)内底部に配され、かつメッシュ板で構成された水平電極(16)と、同電極(16)上に立設された複数の垂直電極(17)とを具備する。水平電極(16)は基板に平行であり、複数の垂直電極(17)は基板の移動方向に沿い、かつ互いに所定間隔で平行である(すなわち整列配置された)板状電極である。メッシュ板で構成された水平電極(16)は原料ガスと希釈ガスの混合ガスを電極全体に均一に通過させ、複数の垂直電極によりカーボンナノチューブを基板の必要部分のみに設けることができる。
【0036】
原料ガスはアセチレンガスで、これはアルゴンガスで希釈された状態で(アセチレンガス:アルゴンガス1:9)、原料ガス供給管(13)を経てプラズマ発生装置(11)に供給される。ガス供給量はバルブ(23)によって調節される。
【0037】
カーボンナノチューブ剥離部(6) は、基板からカーボンナノチューブを剥離するスクレーバ(24)と、剥離されたカーボンナノチューブを回収する吸引装置(25)とを具備する。
【0038】
基板浄化部(7) は、カーボンナノチューブ剥離後の基板表面を洗浄する複数のブラシ(26)と、その下流に配されたクリーニングロール(27)とを具備する。
【0039】
駆動ドラム(1) は駆動モータにより駆動され、無端ベルト(3) が回動され、本発明によるは製造装置は連続駆動される。
【0040】
上記構成のカーボンナノチューブ製造装置において、駆動ドラム(1) と従動ドラム(2) によって無端ベルト(3) を送り速度12m/hで回動された。
【0041】
触媒薄膜形成部(4) において、タンク(8) 内のFe(OEt)3 の3重量%アセトン溶液を超音波発振器(9) によって基板の下面に噴霧し、形成された噴霧層をコイルヒータ(10)によって温度220℃に加熱した。こうして、基板に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する。
【0042】
薄膜の触媒粒子を核として薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部(5) において、原料ガスはアセチレンガスで、これをアルゴンガスで希釈した状態で(アセチレンガス:アルゴンガス1:9)、原料ガス供給管(13)を経てプラズマ発生装置(11)に連続的に流量30ml/minで供給する。基板をコイルヒータ(12)によって加熱する。プラズマ発生装置(11)に高周波電源(22)によって500wの電力を与えて、大気圧プラズマを発生させた。
【0043】
プラズマ発生装置(11)で発生されるプラズマは、高周波電源による大気圧プラズマである。基板は上述のようにアースされているので、発生するプラズマは遷移プラズマからアークプラズマの範囲のものである(図3参照)。高周波電源(22)はマッチング回路を含み、これもアースされている。
【0044】
化学蒸着法の操作条件は、大気圧下で、温度720℃、時間5分とした。
【0045】
この操作により触媒薄膜は粒子化し、得られた触媒粒子を核としてブラシ状カーボンナノチューブが生成し、徐々に成長した。成長したカーボンナノチューブは、太さ10〜30nmの多層構造であり、長さは5μmであった。
【0046】
こうして基板表面に成長したカーボンナノチューブをカーボンナノチューブ剥離部(6) のスクレーバ(24)によって掻き落として、これを吸引装置(25)で回収した。その後、カーボンナノチューブ剥離後の基板表面を基板浄化部(7) の複数のブラシ(26)で擦って洗い、その下流にてクリーニングロール(27)で清浄化した。
【0047】
【発明の効果】
本発明方法によると、大気圧においてプラズマ化学蒸着法によるカーボンナノチューブを成長させることができるので、真空・加圧室や、基板積載用のロボットアームを設ける必要がなく、一度に大量のカーボンナノチューブを得ることができる。
【0048】
また、本発明によるカーボンナノチューブ製造装置では、カーボンナノチューブは、隣接する多数の基板で構成された無端ベルト上に直接成長させられるので、基板の積載および回収用の装置を設ける必要がなく、構造がシンプルで安価なカーボンナノチューブ製造装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の工程を示すフローシートである。
【図2】実施例2の工程を示すフローシートである。
【図3】放電電流と電極間電極の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
(1): 駆動ドラム
(2): 従動ドラム
(3): 無端ベルト
(4): 触媒薄膜形成部
(5): カーボンナノチューブ形成部
(6): カーボンナノチューブ剥離部
(7): 基板浄化部
(8): タンク
(9): 超音波発振器
(10):コイルヒータ
(11):プラズマ発生装置
(12):ヒータ
(13):ガス供給管
(14):フレーム
(15):メッシュ電極
(16):水平電極
(17):垂直電極
(21):チャンバー
(22):高周波電源
(24):スクレーバ
(25):吸引装置
(26):ブラシ
(27):クリーニングロール
(28):プラズマ発生装置
Claims (4)
- 基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成し、該薄膜の触媒粒子を核として薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるに当たり、薄膜上における化学蒸着法によるカーボンナノチューブの成長を、プラズマを用いて行うことを特徴とする、カーボンナノチューブの製造方法。
- 基板表面における触媒金属粒子からなる薄膜を、触媒金属の化合物を含む液を超音波振動によりまたは超音波を伴ったスプレーにより基板表面に噴霧し、形成された噴霧層を加熱することにより形成する、請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
- プラズマが遷移プラズマからアークプラズマの範囲のものである、請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
- 駆動ドラムと従動ドラムによって回動され、かつ、隣接する多数の基板で構成された無端ベルトと、基板表面に触媒金属粒子からなる薄膜を形成する触媒薄膜形成部と、同形成部の下流に設けられ、かつ、薄膜上に化学蒸着法によりカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ形成部とを備えたカーボンナノチューブの製造装置であって、カーボンナノチューブ形成部にプラズマ発生装置が設けられていることを特徴とする、カーボンナノチューブの製造装置。
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