JP2005067174A - ペレット混入防止用フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 循環冷却水タンクを介して循環されている冷却水中で、熱可塑性樹脂からなる溶融ポリマーを冷却固化し、カッティングする造粒方法において、前記循環冷却水タンク入り口に設置され、かつ脱着自在の上段フィルターと固定式下段フィルターとから構成される二段構造の複合フィルターであって、上段フィルターの目開きが、下段フィルターの目開きよりも小さいことを特徴とするペレット混入防止用フィルターである。
【選択図】 図1
Description
前記造粒方法は、水中でノズルから出た溶融ポリマーを、冷却固化しカットする方式で、押し出し機やギヤポンプから送られた溶融ポリマーを多数の小穴を有した円形ダイから循環冷却水中に吐出させて冷却固化し、該円形ダイの表面に近接又は接触させてなる回転刃によりペレット状に切断し、ペレットは循環冷却水と共に搬送して完全に冷却固化させた後、遠心脱水機などを用いて脱水する。
製品ペレットに循環冷却水系に滞留中の異種グレードのペレットが混入した場合、異物となりフィルムやラミネート製品等のフイッシュアイの原因となる。特に、長期間滞留すると架橋してしまうようなペレットの場合には、少量の混入でもフイッシュアイの原因となり製品の性能及び外観が低下する。
清掃の頻度は、熱可塑性樹脂の種類によって異なり、1回/3時間〜1回/数週間の大きなバラツキがあった。この清掃の頻度を少なくし、連続運転の時間をできるだけ長くするために、多くの検討がなされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、特許文献2には、連続操業を可能にするために、無端状態で回転するスクリーン(フィルター)を用い、液体または気体を該スクリーンに吹き付けることによりこのスクリーンに付着する樹脂粉を除去する構成であるが、装置が複雑でありメンテナンス及びコスト面で問題がある。
これらの問題を解決するために、製品ペレットへ異物となる異種グレードペレットの混入がなく、連続運転が可能で、かつ簡単な構造のフィルターの開発が望まれていた。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1) 循環冷却水タンクを介して循環されている冷却水中で、熱可塑性樹脂からなる溶融ポリマーを冷却固化し、カッティングする造粒方法において、前記循環冷却水タンク入り口に設置され、かつ脱着自在の上段フィルターと固定式下段フィルターとから構成される二段構造の複合フィルターであって、上段フィルターの目開きが、下段フィルターの目開きよりも小さいことを特徴とするペレット混入防止用フィルター、
(2) 上段フィルターの目開きが0.5〜2.0mm、下段フィルターの目開きが1.2〜2.4mmでありかつ、上段フィルターの目開きに対する下段フィルターの目開きの比が、1.1〜2.4である上記(1)のペレット混入防止用フィルター、及び
(3) 熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びエチレン・メチルメタクリレート共重合体の中から選ばれるポリエチレン系樹脂である上記(1)、(2)のペレット混入防止用フィルター、
を提供するものである。
先ず、本発明のペレット混入防止用フィルターは、循環冷却水タンクを介して循環されている冷却水中で、熱可塑性樹脂からなる溶融ポリマーを冷却固化し、カッティングする造粒方法において、前記循環冷却水タンク入り口に設置される複合フィルターである。該複合フィルターは、脱着自在の上段フィルターと固定式下段フィルターとから構成される二段構造を有し、かつ上段フィルターの目開きが、下段フィルターの目開きよりも小さい特徴を有している。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、水中カッティング法により造粒が可能なものであれば特に制限はないが、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・ビニルアセテート共重合体、エチレン・メチルメタアクリレート共重合体等のポリエチレン系樹脂が挙げられるが、その中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
一方、フロスについては、フィルターのみですべてを捕捉する必要はないが、上段でより多くのフロスを捕捉できるように上段フィルターの目開きの大きさを下段より小さく設定している。
但し、製品ペレット中のフロスの量はできるだけ少ない方がよく、前記フィルター以外に多くの捕捉する手段が設けられており、これについては後で詳述する。
そのために、装置の運転を止めることなく、フロス及びペレットによって目詰まりしたフィルターを短時間で交換するために上段フィルターは脱着自在、即ち、取り付け及び取り外しが容易にできるようにしてある。
また、上段フィルターはスペア−を用意してあり、上段フィルターを交換する時間は
5〜30秒程度の極く短時間で終了する。
上段フィルターが交換のために取り外されている間、ペレットは下段フィルターで捕捉される。下段フィルターは固定されているためフィルターの隙間からペレットが循環冷却水タンク中に混入することはない。
一方、ペレットの粒径は、上記下段フィルターの目開きを基準に平均粒径で1mm以上大きくすることで、上段フィルターはもとより、下段フィルターによっても捕捉することができる。
また、フロスの長さは、ペレットの大きさとは特に相関はなく、1〜5mmの細糸状である。
図1は、本発明の一実施態様を含む概略工程図である。1は混練造粒機、2は三方弁、3は脱水スクリーン、4は遠心脱水機、5はフィルター、6は循環冷却水タンク、7は循環ポンプ、8はペレット搬送経路、9は振動篩、10はペレット取り出し口を示す。
また、a、b、c、d、e及びdはそれぞれ循環冷却水の経路を示す。
循環冷却水タンク6に入ったフロスは比重の関係から、主に循環冷却水タンク6の表面部分に滞留しているため、循環冷却水の一部をオーバーフローさせることで(図示せず)表面部分に滞留していたフロスの一部は循環冷却水と共に系外に流出する。続いて少量のフロスを含む循環冷却水は循環ポンプ7を経由し経路fより混練造粒機1に戻る。
さらに、ペレットは空気輸送され、出口に設けられた分級器(図示せず)によってさらに製品であるペレットとフロスとを分別する。
また、遠心脱水機で分離された冷却水は、少量のフロス及びペレットを含み経路eを経てフィルター5に流入し、ペレットについては上段フィルターで捕捉される。
1ヶ月程度の連続運転は可能であるが、固定された下段フィルターの清掃についても1ヵ月を目処に行い、同時に脱水スクリーンのパンチングプレートの掃除についても行なう。
図2は、本発明のフィルターの各部品を分解した一実施態様を示す斜視図である。11はトップカバー、12は上段フィルター(脱着自在)、13は下段フィルター(固定)、14は台座である。図3は本発明のフィルターにおいて、前面カバーを取り外した状態の一実施態様を示す斜視図であり、図4は本発明のフィルターにおいて前面カバーを取り付けた状態の一実施態様を示す斜視図である。
上記前面カバーは運転中は取り付けた状態であり、容易に取り外しが可能である。また、点検用として最前面のみ開けることも可能である。
また、前面カバーは、次のような非定常な状態のときに有効に使用される。水中カッティング操作をスタートした直後は非定常の状態でありその間は図1に示す三方弁2によってペレットが循環冷却水と共に経路a、cを経由して直接循環水タンクの方へ流される。その時、大量のペレットがフィルターによって捕捉されるが、前記フィルターの前面のカバーを取り外すことによって、ペレットをフィルター5から容易に取り除くことができる。定常状態になったところで三方弁を脱水スクリーン3の経路に切り替える。
定常状態において、通常カッティングの近辺でのフロスの発生量はペレットの質量に対して数百質量ppm以下である。
前述のように、フロスは、(1)フィルター5、特に上段フィルター12で捕捉する。(2)循環冷却水タンク6の表面部分に滞留しているフロスを一部オーバーフローすることで系外に排出する。(3)振動篩9でペレットとフロスと分別する。(4)分級器によってペレットとフロスを分別する。
以上の4工程でフロスを捕捉及び分別することで、製品ペレット中のカッティング時に発生するフロスの量は数質量ppm以下となり、製品性能に対する影響は無視することができる。
本発明において目開きの大きいフィルターを用いることで、従来問題となっていたフロス等の付着によりフィルターの目詰まりの頻度も少なくなり、製造装置の連続運転が可能になると共に、ペレットを用いて製造される製品の品質を落とすことのない、優れた性能を有する製品ペレットを提供することができる。
実施例1
神戸製鋼社製横型単軸押出機を用い、図1に示した方式で、MFR(メルトフローレート)が0.3〜20g/10minのフィルムグレード、ラミネートグレード及び成形グレードの各種低密度ポリエチレンを6〜9ton/hrでペレット化させる造粒作業を約1ヶ月間連続で行った。この際、循環冷却水量は80〜90m3/hrとし、上段フィルターは目開き1.8mm、下段固定フィルターは目開き2.0mmをそれぞれ使用し、また、ペレットの平均粒径は3.5〜4mmであった。この間、上段フィルターに滞留するペレットの掃除を平均1回/日程度実施していたが、循環冷却水タンク内へのペレットの混入は確認されなかった。(目視確認)
尚、MRFの測定は、JIS K 7210に準拠して行なった。
神戸製鋼社製横型単軸押出機を用い、図1に示した方式で、MFRが0.3〜20g/minのフィルムグレード、ラミネートグレード及び成形グレードの各種のエチレン・ビニルアセテート共重合体を2〜3ton/hrの割合でペレット化させる造粒作業を約1ヶ月間連続で行った。この際、循環冷却水量は70〜80m3/hrとし、上段フィルターは目開き1.7mm、下段固定フィルターは目開き2.2mmをそれぞれ使用し、また、ペレットの平均粒径は3.5〜4mmであった。この間、上段フィルターに滞留するペレットの掃除を平均1回/日程度実施していたが、タンク内へのペレットの混入は確認されなかった。(目視確認)
尚、MRFの測定は、実施例1同様JIS K 7210に準拠して行なった。
2 三方弁 9 振動篩
3 脱水スクリーン 10 ペレット取り出し口
4 遠心脱水機 11 トップカバー
5 フィルター 12 上段フィルター
6 循環冷却水タンク 13 下段フィルター
7 循環ポンプ 14 台座
Claims (3)
- 循環冷却水タンクを介して循環されている冷却水中で、熱可塑性樹脂からなる溶融ポリマーを冷却固化し、カッティングする造粒方法において、前記循環冷却水タンク入り口に設置され、かつ脱着自在の上段フィルターと固定式下段フィルターとから構成される二段構造の複合フィルターであって、上段フィルターの目開きが、下段フィルターの目開きよりも小さいことを特徴とするペレット混入防止用フィルター。
- 上段フィルターの目開きが0.5〜2.0mm、下段フィルターの目開きが1.2〜2.4mmであり、かつ上段フィルターの目開きに対する下段フィルターの目開きの比が、1.1〜2.4である請求項1記載のペレット混入防止用フィルター。
- 熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・ビニルアセテート共重合体及びエチレン・メチルメタクリレート共重合体の中から選ばれるポリエチレン系樹脂である請求項1又は2記載のペレット混入防止用フィルター。
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