JP2005066974A - 印刷版材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高感度で耐刷性に優れ、しかも非画像部の汚れが改良された印刷版材料を提供すること。
【解決手段】 印刷機上または印刷機と別体の露光装置を用いて像様露光を行った後に、印刷機上で現像して印刷を行う印刷版材料において、光熱変換素材と20℃の水への溶解度が1%以下であり、融点が50℃以上150℃以下、且つ分子量が400以下の親油性熱溶融性物質とを基材上の同一層または別層に含有することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷版材料に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料に関する。
印刷データのデジタル化に伴い、安価で取り扱いが容易でPS版と同等の印刷適性を有したCTPが求められている。特に近年、特別な薬剤による現像処理が不要であって、ダイレクトイメージング(DI)機能を備えた印刷機に適用可能であり、またPS版と同等の使い勝手を有する、汎用タイプのサーマルプロセスレスプレートへの期待が高まっている。
DI用のサーマルプロセスレスプレートとしては、例えば、アグファ社製のThermo Liteが挙げられる。サーマルプロセスレスプレートの画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有するサーマルレーザー記録方式である。この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて後述するアブレーションタイプと熱融着画像形成層機上現像タイプ、および相変化タイプが存在する。
アブレーションタイプとしては、例えば、特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号の各公報に記載されているものが挙げられる。
また、相変化タイプとしては、特開平11−240270号公報に記載されているような、印刷時に除去されない親水性層中に疎水化前駆体粒子を含有させ、露光部を親水性から親油性へと相変化させるというものが挙げられる。
サーマルプロセスプレートにおいては、露光時の熱に反応する度合い、即ち感度が高いほど露光装置の負荷が軽減し、画像形成に要する時間を短縮することが可能である。
印刷版材料において、高感度化のための技術の例として、親水性表面に加熱または輻射線の照射により疎水性領域を形成しうる化合物を含有する感熱記録層を設けた技術が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)が、アルミニウム支持体を用いた場合の断熱性を高めるために、余分な層を塗布する必要があり、製造コストがかかるという欠点を有していた。
また、熱溶融性物質としては特開2003−159881号公報の段落番号〔0112〕に挙げられる様なワックス類が通常用いられているが、同様にアルミニウム支持体を用いた場合、ワックス単独の使用では熱の拡散により十分な画像形成が困難であった。
特開2003−170670号公報
本発明の目的は、高感度で耐刷性に優れ、しかも非画像部の汚れが改良された印刷版材料を提供することである。
本発明の上記の目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
印刷機上または印刷機と別体の露光装置を用いて像様露光を行った後に、印刷機上で現像して印刷を行う印刷版材料において、光熱変換素材と20℃の水への溶解度が1%以下であり、融点が50℃以上150℃以下、且つ分子量が400以下の親油性熱溶融性物質とを基材上の同一層または別層に含有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
構成する層中にワックスを含有することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
(請求項3)
基材が金属材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷版材料。
本発明により、高感度で耐刷性に優れ、しかも非画像部の汚れが改良された印刷版材料を提供することができた。
本発明の印刷版材料の態様の一つとして、画像形成層が親水性表面を有する基材上に形成されており、且つ機上現像性を有する層である印刷版材料を挙げることができる。
具体的には、後述する親水性表面を有する基材(例えば、アルミ砂目や、表面に親水性層を形成した樹脂基材や金属基材)上に、後述する疎水化前駆体粒子と機上現像可能な画像形成層を設けた印刷版材料が挙げられる。この態様においては、光熱変換素材は画像形成層もしくは基材表層(親水性層)に含有させることができる。
赤外線レーザー露光によって、露光部が発色するとともに疎水化前駆体によって疎水化し、印刷機上で除去されない画像部となる。機上現像される未露光部の画像形成層は発色していないため印刷機汚染とはならず、主にインクローラーによって除去されて、最終的に印刷用紙へと移行する。
更に、本発明の印刷版材料の好ましい態様は、構成層の一つが光熱変換素材を含有する印刷版材料である。光熱変換素材を含有しない場合でも、公知の感熱ヘッド等により画像記録は可能であるが、光熱変換素材を含有することにより、赤外線レーザー露光による画像記録が可能となる。光熱変換素材としては下記のような素材を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。
顔料としては、カーボン、グラファイト、金属、金属酸化物等が挙げられる。カーボンとしては、特にファーネスブラックやアセチレンブラックの使用が好ましい。粒度(d50)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。グラファイトとしては、粒径が0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下の微粒子を使用することができる。
本発明に好ましく用いられる印刷版材料の画像形成方式としては、赤外線レーザーアブレーション方式による画像形成、赤外線レーザー熱溶融・熱融着方式による画像形成(機上現像、相変化)等の、赤外線レーザーを用いた種々の画像形成方式を挙げることができる。
特に好ましい態様としては、基材上に後述する親水性層を設け、更にその上に後述する疎水化前駆体粒子を含有する画像形成層を設けた、赤外線レーザー熱溶融・熱融着方式の機上現像タイプの印刷版材料が挙げられる。
[基材]
基材としては、印刷版の基板として使用される公知のプラスチックまたは金属材料を使用することができるが、金属材料が特に好ましい。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
金属板としては、鉄、ステンレス、アルミニウム等が挙げられるが、比重と剛性との関係から特にアルミニウムが好ましい。アルミニウム板は通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するために、アルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。また、塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下塗り層塗布を行うことが好ましい。例えば、ケイ酸塩やシランカップリング剤等のカップリング剤を含有する液に浸漬するか、液を塗布した後、十分な乾燥を行う方法が挙げられる。陽極酸化処理も易接着処理の一種と考えられ、使用することができる。また、陽極酸化処理と上記浸漬または塗布処理を組み合わせて使用することもできる。また、公知の方法で粗面化されたアルミニウム基材、いわゆるアルミ砂目を、親水性表面を有する基材として使用することもできる。
[親水性層]
本発明に用いられるの印刷版材料の態様のひとつとして、基材上に親水性層を有する態様が挙げられる。親水性層は一層であってもよいし、複数の層から形成されていてもよい。親水性層の付量としては、0.1〜10g/m2が好ましく、0.2〜5g/m2がより好ましい。
本発明の態様の一つとして、親水性層中に色素前駆体複合化微粒子を含有する態様が挙げられる。親水性層中の色素前駆体複合化微粒子の含有量としては、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
親水性層に用いられる親水性素材としては、金属酸化物が好ましい。
金属酸化物としては、金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。該金属酸化物微粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でもよい。平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。また、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
上記金属酸化物微粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、炭素原子を含まない素材が91質量%以上というような層においても良好な強度を得ることができる。
上記コロイダルシリカとしては、後述するネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、更にコロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは、1次粒子径がnmのオーダーである球状シリカの水分散系の総称である。本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは、1次粒粒子径が10〜50nmの球状コロイダルシリカが50〜400nmの長さに結合した「パールネックレス状」のコロイダルシリカを意味する。パールネックレス状(即ち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシリカのシリカ粒子が連なって結合した状態のイメージが真珠ネックレスの様な形状をしていることを意味している。ネックレス状コロイダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結合は、シリカ粒子表面に存在する−SiOH基が脱水結合した−Si−O−Si−と推定される。ネックレス状のコロイダルシリカとしては、具体的には日産化学工業(株)製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。
製品名としては、「スノーテックス−PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス−PS−M(連結した状態の平均粒子径は120nm程度)」及び「スノーテックス−PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス−PS−S−O」、「スノーテックス−PS−M−O」及び「スノーテックス−PS−L−O」である。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は、95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
本発明の印刷版材料の親水性層は金属酸化物として多孔質金属酸化物粒子を含むことが好ましい。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
(多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子)
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法または乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものが特に好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は、例えば、特開平10−71764号公報に記載されている方法により製造される。即ち、アルミニウムアルコキシドと珪素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。また、製造時にその他の金属のアルコキシドを添加して3成分以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては、分散前の状態で細孔容積で1.0ml/g以上であることが好ましく、1.2ml/g以上であることがより好ましく、1.8〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が1.0ml/g未満の場合には、印刷時の汚れにくさ、水量ラチチュードの広さが不充分となる。
粒径としては、親水性層に含有されている状態で(例えば、分散時に破砕された場合も含めて)、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。不必要に粗大な粒子が存在すると親水性層表面に多孔質で急峻な突起が形成され、突起周囲にインクが残りやすくなって非画線部汚れやブランケット汚れが劣化する場合がある。
(ゼオライト粒子)
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、M21/2)m(AlmSin2(m+n))・xH2
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4+(TMA)、Et4+(TEA)、Pr4+(TPA)、C7152+、C816+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8182 2+等である。また、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
多孔質無機粒子の粒径としては、親水性層に含有されている状態で、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
また、本発明の印刷版材料の親水性層は金属酸化物として、層状粘土鉱物粒子を含んでもよい。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
本発明は、親水性層中には親水性有機樹脂を含有させてもよい。
親水性有機樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
また、カチオン性樹脂を含有してもよく、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加してもよい。これは、例えば、特開平6−161101号公報に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
本発明のより好ましい態様としては、親水性層中に含有される親水性有機樹脂は水溶性であり、且つ少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが挙げられる。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷性能を劣化させる懸念がある。
本発明の親水性層に含有される水溶性素材としては、糖類が好ましい。親水性層に糖類を含有させることにより、後述する画像形成能を有する機能層との組み合わせにおいて、画像形成の解像度を向上させたり、耐刷性を向上させたりする効果が得られる。
糖類としては、後に詳細に説明するオリゴ糖を用いることもできるが、特に多糖類を用いることが好ましい。多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。これは親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜50μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。
このような凹凸構造は、親水性層に適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷性能を有する構造を得ることができ、好ましい。
凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
凹凸構造のピッチとしては、0.2〜30μmであることがより好ましく、0.5〜20μmであることが更に好ましい。また、ピッチの大きな凹凸構造の上に、それよりもピッチの小さい凹凸構造が形成されているような多重構造の凹凸構造が形成されていてもよい。表面粗さとしては、Raで100〜1000nmが好ましく、150〜600nmがより好ましい。
また、親水性層の膜厚としては、0.01〜50μmであり、好ましくは0.2〜10μmであり、更に好ましくは0.5〜3μmである。
また、本発明の親水性層(の塗布液)には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、またはF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
[画像形成層]
本発明に用いられる印刷版材料の好ましい態様として、親水性表面基材もしくは親水性層上に機上現像可能な画像形成層をを有する態様が挙げられる。画像形成層は、赤外線レーザーによる露光によって発生する熱によって画像形成するものであることが好ましい。本発明の画像形成層の好ましい態様のひとつとして、画像形成層が疎水化前駆体を含有する態様が挙げられる。
疎水化前駆体としては、熱によって親水性(水溶性または水膨潤性)から疎水性へと変化するポリマーを用いることができる。具体的には、例えば、特開2000−56449号公報に開示されている、アリールジアゾスルホネート単位を含有するポリマーを挙げることができる。本発明においては、疎水化前駆体としては、熱可塑性疎水性粒子、もしくは、疎水性物質を内包するマイクロカプセルを用いることが好ましい。熱可塑性微粒子としては、後述する熱溶融性微粒子および熱融着性微粒子を挙げることができる。
本発明に用いられる熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子である。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、パラフィン、ポリオレフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられるが、特にワックスが好ましい。これらは分子量800から10000程度のものである。また、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるために、これらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミドまたはこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。また、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。
また、熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
また、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%が更に好ましい。
本発明の熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子が挙げられ、高分子重合体微粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法または気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水または水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。また、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
また、熱融着性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱融着性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱融着性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱融着性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
また、熱融着性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%が更に好ましい。
(親油性熱溶融性物質)
本発明の親油性熱溶融性物質は、20℃の水への溶解度が1%以下であり、融点が50℃以上150℃以下、且つ分子量が400以下である。水への溶解度が高い場合は、印刷工程中に湿し水中に溶出して、画像部の強度が弱められてしまうため十分な耐刷性を確保することができない。また、融点が50℃以下の場合は、印刷版製造時に基材上に画像形成層を水を溶媒として塗布、乾燥した際に乾燥時の温度によって溶融してしまい、その後の画像形成工程を経た後で、非画像部に汚れが生じる。乾燥温度を融点以下にして乾燥した場合は、乾燥時間が長くなるため生産性が低下する。また、融点が150℃を超える場合は、印刷での十分な耐刷性を確保できない。また、分子量が400を超える場合は、画像形成時の加熱で溶融した際の流動、拡散性が低いため、目的とする強固な画像部を得られない。親油性については、画像部で印刷インキを十分に担時出来る性質を有していればよく、逆に融点が50℃以上150℃以下、且つ分子量が400以下であっても、オレイン酸アミド等の様に印刷インキとの親和性のないものは本発明に含まれない。
本発明の親油性熱溶融性物質の添加量は、添加される層中の組成中の質量比として、通常0.5%から90%である。この範囲外では目的とする十分な効果を得られない。
本発明の親油性熱溶融性物質は上記条件を満たしている物質であれば特に制限はないが、具体例としては、p−ニトロアニソール、クマリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、バニリン、p−アミノ安息香酸エチルエステル、1−ナフトール、p−アミノアセトアニリド、1,4−ナフトキノン、m−ニトロアニリン、4−フェノキシフェノール、フルオレン、β−ナフチルメチルエーテル等が挙げられるがこれに制限されない。
親油性熱溶融性物質は、前述の熱溶融性微粒子と同様にして層中に分散させた状態で存在させることが好ましい。
[画像形成層に含有可能なその他の素材]
本発明に用いられる画像形成層には、更に以下のような素材を含有させることができる。
画像形成層には上述の光熱変換素材を含有させることができる。画像形成層は一部が機上現像されるため、可視光での着色の少ない素材を用いることが好ましく、色素を用いることが好ましい。
画像形成層には水溶性樹脂、水分散性樹脂を含有させることができる。水溶性樹脂、水分散性樹脂としては、オリゴ糖、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
これらの中では、オリゴ糖、多糖類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(Na塩等)、ポリアクリルアミドが好ましい。
オリゴ糖としては、ラフィノース、トレハロース、マルトース、ガラクトース、スクロース、ラクトースといったものが挙げられるが、特にトレハロースが好ましい。多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。ポリアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(Na塩等)、ポリアクリルアミドとしては、分子量3000〜500万であることが好ましく、5000〜100万であることがより好ましい。
また、画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、またはF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
更に、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していてもよい。
画像形成層の付量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、更に好ましくは0.2〜2g/m2である。
[保護層]
画像形成層の上層として保護層を設けることもできる。保護層に用いる素材としては、上述の水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。また、特開2002−19318号公報、同2002−86948号公報に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。保護層の付量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、更に好ましくは0.2〜2g/m2である。
[機上現像方法]
本発明の印刷版材料の好ましい態様である、赤外線レーザー熱溶融・熱融着方式の印刷版材料の画像形成層は、赤外線レーザー露光部が親油性の画像部となり、未露光部の層が除去されて非画像部となる。未露光部の除去は、水洗によっても可能であるが、印刷機上で湿し水およびまたはインクを用いて除去する、いわゆる機上現像することも十分に可能である。
印刷機上での画像形成層の未露光部の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行うことができるが、下記に挙げる例のような、もしくはそれ以外の種々のシークエンスによって行うことができる。また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで印刷を開始する。
実施例1
《基材1の作製》
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後、水洗した。
次いで、このアルミニウム板を塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行なった。この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で480C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に5秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマットを含めた溶解量が1.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後、水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、更に水洗した。
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、70℃に保たれた1質量%のリン酸二水素ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材1を得た。
〔印刷版材料の作製〕
《印刷版材料1》
下記組成の素材を十分に混合攪拌し、濾過して固形分10質量%の画像形成層(a)の塗布液を作製した。ロール状の基材1の両面に、画像形成層(a)の塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥付量が1.5g/m2となるように塗布し、55℃で3分間乾燥し巻き取った。次いで、40℃24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料1を得た。
画像形成層(a)
カルナバワックスエマルジョン:A118(岐阜セラック社製、平均粒子径0.3μm、軟化点65℃、融点80℃、140℃での溶融粘度8cps、固形分40質量%)
17質量部
二糖類トレハロース(林原商事社製商品名トレハ、融点97℃)の水溶液、固形分20質量% 12質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL522(日本触媒社製)の水溶液、固形分10質量% 6質量部
光熱変換色素:ADS830WS(American Dye Source社製)の1質量%水溶液 55質量部
純水 10質量部
《印刷版材料2〜12》
下記組成の素材を十分に混合攪拌し、濾過して固形分10質量%の画像形成層(b)の塗布液を作製した。下記の添加素材は水:エタノール=1:1の溶液に固形分濃度10質量%となるように加え、撹拌しながら加温していき、70℃30分撹拌した後、加温をやめ徐々に室温に戻した。これを撹拌しながら添加し、画像形成層(b)の塗布液を作製した。ロール状の基材1の両面に、画像形成層(b)の塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥付量が1.5g/m2となるように塗布し、55℃で3分間乾燥し巻き取った。次いで、40℃24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料2〜12を得た。
画像形成層(b)
カルナバワックスエマルジョン:A118(岐阜セラック社製、平均粒子径0.3μm、軟化点65℃、融点80℃、140℃での溶融粘度8cps、固形分40質量%)
13質量部
二糖類トレハロース(林原商事社製商品名トレハ、融点97℃)の水溶液、固形分20質量% 10質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:アクアリックDL522(日本触媒社製)の水溶液、固形分10質量% 5質量部
光熱変換色素:ADS830WS(American Dye Source社製)の1質量%水溶液 55質量部
添加素材(水:エタノール=1:1溶液固形分10質量%) 17質量部
各印刷版材料への添加素材は以下の通りである。印刷版材料2:D(+)−グルコース・一水和物、印刷版材料3:2,6−ジ−t−ブチルフェノール、印刷版材料4:p−ニトロアニソール、印刷版材料5:クマリン、印刷版材料6:p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、印刷版材料7:バニリン、印刷版材料8:p−アミノ安息香酸エチルエステル、印刷版材料9:1−ナフトール、印刷版材料10:p−アミノアセトアニリド、印刷版材料11:p−アミノ安息香酸、印刷版材料12:イソフタロニトリル。
なお、20℃の水への溶解性は、各素材を1g秤量し、液温を20℃に維持された99gの水中に投入して撹拌を30分続けた後の液の状態を観察した。可溶は完全に溶解した透明な液を表し、不溶は不溶解物が液中に残留したことを表す。
〈赤外線レーザー露光による画像形成〉
印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、露光エネルギーを200、225、250、275、300、325、350、375、400mJ/cm2と変化させて、2400dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。
〈印刷方法〉
印刷機:三菱重工業(株)製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所製)2質量%、インク(東洋インク社製TKハイユニティ紅)を使用して印刷を行った。印刷版材料は露光後そのままの状態で版胴に取り付け、PS版と同じ刷り出しシークエンスを用いて印刷した。
〈印刷評価〉
(露光感度)
上記露光エネルギーを変化させて画像形成した印刷版で印刷した資料の4%、96%の網点部をルーペで観察し、両者の網点形状が良好な露光量を最適感度とした。
(耐刷性)
3%網点画像が欠け始めた時点の印刷枚数を耐刷性の指標とした。
(非画像部汚れ)
印刷1000枚目の印刷物の非画像部の汚れを目視確認した。
○:汚れが見えない
△:印刷紙面の局部的に薄い汚れが発生
×:印刷紙面全面に汚れが発生
Figure 2005066974
上記結果のように、本発明の親油性熱溶融性物質を添加することで、画像形成に要する露光エネルギーが低減(高感度)でき、耐刷性能が向上すると共に非画像部の汚れが改良されていることが分かる。

Claims (3)

  1. 印刷機上または印刷機と別体の露光装置を用いて像様露光を行った後に、印刷機上で現像して印刷を行う印刷版材料において、光熱変換素材と20℃の水への溶解度が1%以下であり、融点が50℃以上150℃以下、且つ分子量が400以下の親油性熱溶融性物質とを基材上の同一層または別層に含有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 構成する層中にワックスを含有することを特徴とする請求項1に記載の印刷版材料。
  3. 基材が金属材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷版材料。
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