JP2005066460A - 油分内包カプセル分散体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、カプセルの粒径の制御が容易で、しかも内油相の滲出や、外水相の増粘、カプセルの合一などが無く経時安定性が良好な、カプセル含有組成物を提供する。
【解決手段】 澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物のアルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩を油分に分散させた後、水を添加して得られる分散体を50℃〜95℃に加熱して、油分内包カプセル分散体組成物とすることにより、カプセルの粒径の制御が容易で、しかも内油相の滲出や、外水相の増粘、カプセルの合一などが無く経時安定性が良好な、カプセル含有組成物を得ることができた。
【選択図】 なし
【解決手段】 澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物のアルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩を油分に分散させた後、水を添加して得られる分散体を50℃〜95℃に加熱して、油分内包カプセル分散体組成物とすることにより、カプセルの粒径の制御が容易で、しかも内油相の滲出や、外水相の増粘、カプセルの合一などが無く経時安定性が良好な、カプセル含有組成物を得ることができた。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規な油分内包カプセル分散体組成物に関する。
化粧料のバリア剤、エモリエント剤として油性原料があげられ、これらは可溶化や乳化の技術によりエマルションとして系に導入され、皮膚や毛髪などに用いられてきた。しかしながら、経時的に安定なものを得るのは難しく、界面活性剤の改良,界面膜の強化,外相・内相の粘度調整など、問題を解決するために様々な方法が試みられている。しかしながら、界面活性剤そのものの安全性が懸念されたり、油性原料を安定に保持するため外水相を水溶性高分子で増粘してもべたつきが生じる等、良好な使用感と経時安定性の双方を満たすものを得ることは困難であった。
その他の解決策として、油性成分を内包したカプセルを含有する化粧料が知られている。例えばシリコーンレジン化ポリペプチドを膜剤としたマイクロカプセルを含有する化粧料(特許文献1)、ゼラチンカプセルを含有する化粧料(特許文献2)、超高圧乳化機を用いたマイクロカプセルの調製方法(特許文献3)などが知られている。しかしながら、粒径選択の幅が狭く、経時安定性が良好なカプセル含有組成物はいまだ得られていないのが、現状である。
澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸のエステル化物については、かかるエステル化物を含有する化粧料(特許文献4)、及びエステル化物に油性成分を内包した粉体を含有する化粧料(特許文献5)などが既に知られている。しかしながら、これらのエステル化物は、遊離のエステル化物若しくは親水性を付与したエタノールアミン塩を使用したものであり、水相に徐々に膨潤し増粘する性質を有するものであった。
本発明は、カプセルの粒径の制御が容易で、しかも内油相の滲出や、外水相の増粘、カプセルの合一などが無く経時安定性が良好な、カプセル含有組成物を提供するものである。
上記の課題を解決するため、カプセルの膜剤として種々の高分子組成物を検討したところ、澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物のアルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩を油分に分散させた後、水を添加して得られる分散体を50℃〜95℃に加熱して、油分内包カプセル分散体組成物とすることにより、本発明の目的が達成されることを見い出した。
水を添加してカプセルを生成するときの剪断力を制御することにより、カプセルの粒径の制御が容易である。また澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物をアルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩とすることにより、カプセル膜の安定性が向上し、内油相の滲出及び膜剤の溶解,膨潤による外水相の増粘、カプセルの合一が認められない。
本発明で用いる澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物を調製するための原料は特に制限されない。すなわち澱粉としてはトウモロコシ,ジャガイモ,小麦,コメ,タピオカ等の植物起源の澱粉類が利用でき、またその加水分解物は、前記澱粉類を例えば酸や酵素を用いて定法より処理したものでよく、その加水分解率、平均分子量、組成などについては特に限定はない。
一方、アルケニルコハク酸の例として、オクテニルコハク酸,デセニルコハク酸,ドデセニルコハク酸,テトラデセニルコハク酸,ヘキサデセニルコハク酸,オクタデセニルコハク酸等がある。かかるアルケニルコハク酸のカルボキシル基は遊離状態にあるもの、ハロゲン化物或いは無水物が利用できるが、エステル化反応を効率良く行うためにはハロゲン化物又は無水化物が好ましい。
前記した澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物は、例えば澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸無水物とを混合し、酸又はアルカリ触媒の存在下、必要に応じて不活性ガスの雰囲気中、室温〜200℃で5〜20時間エステル化反応させ、要すればさらに脱酸,脱色,脱臭等の生成処理を施して得ることができる。かくして得られるアルケニルコハク酸のエステル化物は、通常、一方のカルボン酸基が澱粉又はその加水分解物のエステルとなり、他方のカルボン酸は、遊離若しくはナトリウム,アミン類などの塩になっているが、本発明においてはかかるカルボン酸を、アルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩として用いる。澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物をこれらの塩は、膜を形成し50℃〜95℃に加熱した後冷却することにより、強固な透明膜を形成し、内油相の滲出もしくは膜の膨潤、カプセルの合一が無く、経時安定性の良好なカプセル組成物を得ることができる。
かかるエステル化物の塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。配合量は、内包する油分の量、及びカプセルの粒径によって変化するが、0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%が適当である。
エステル化物に内包する油分としては、特に限定されるものではないが、1種を単独で又は2種以上の油分を組み合わせて用いる。1種を単独で用いる場合は、40℃で、液状若しくはペースト状の油分を用いる。また2種以上を混合して用いる場合は、混合物の状態で40℃において液状若しくはペースト状に調製する必要がある。かかる油分が固形状の場合、エステル化物の塩と予め混合することが困難である。
かかる油分としては、特に限定されず、炭化水素類,シリコーン類,エステル類,高級アルコール類,脂肪酸類,天然油脂等を用いることができる。また油溶性ビタミン類、精油成分、単品香料等を内包させることができる。さらに、油分に油溶性色素を用いて着色することもできる。
油分の内包量としては、特に制限されないが、エステル化物の塩1重量部に対して、油分が1〜200重量部とすることが好ましい。油分の量が200重量部をこえると、内油相の滲出が認められる場合がある。
本発明の油分内包カプセル分散体組成物は、上記エステル化物の塩を予め油分に分散させてた後、水を添加して剪断力を加えカプセルを調製する。剪断は、プロペラミキサー,ディスパー,ホモミキサー,ホモジナイザー,コロイドミル,ペブルミル,超音波乳化機等を用いるのが一般的である。ホモジナイザー,超音波乳化機を用いて調製すると、1μm未満のマイクロカプセルを調製することが可能である。またプロペラミキサー,ディスパー,ホモミキサーを用いた場合は、回転速度及び処理時間によりカプセルの粒子径を制御することが可能である。
得られたカプセル組成物は、一度50〜95℃に加熱する。50〜95℃に加熱することにより、本願発明のエステル化物の塩が糊化し、カプセル表面に透明な膜を形成する。
上述の製法により得られた油分内包カプセル組成物は、そのまま化粧料,医薬部外品,医薬品,芳香剤,食品等として用いることができる。また、外水相を乾燥,除去して用いることも可能であり、さらには、外水相を乾燥除去した後、油分に分散させて用いることもできる。
本発明のカプセル組成物においては、エタノール,メタノール等の低級アルコールを添加すると、エステル化物の塩が膨潤ないしは溶解することにより、カプセルの崩壊が見られる場合がある。
本発明の油分内包カプセル組成物においては、本発明のカプセルの安定を保てる範囲で通常化粧料,医薬部外品,医薬品,芳香剤,食品等に用いられる成分を併用することができる。
さらに、本発明について実施例により詳細に説明する。
表1に示した処方にて、カプセルを調製した。調製はまずA成分にB成分を分散させた後、Cを添加して、ホモミキサーにて5000rpm、3分間撹拌した後、撹拌を継続させたまま70℃まで加温し、3分間70℃を維持した後室温まで冷却することにより行った。処方例1,2,3にて調製した組成物をそれぞれ実施例1,比較例1,比較例2とし外観を比較した。さらに、実施例1および比較例1においてカプセルの粒径、および粘度(調製直後および室温で7日後)の測定を行った。結果を表2に示す。
表2に示したとおり、通常使用される高分子界面活性剤である、デカグリセリンジステアリン酸エステルを使用した比較例2においては、乳化はしたものの透明な膜を有するカプセルを調製することができなかった。また、遊離のエステルである澱粉オクテニルコハク酸エステルを使用した比較例2においては、調製直後はカプセルを形成していたが、経時で外水相の粘度が増粘し、内油相が滲出して白濁化した。これに対し、本発明の実施例においては、透明で均一かつ安定なカプセルを調製することができた。
表3に示した条件で表1,処方例1を用いてカプセルを調製し、実施例2〜4とした。その結果、使用する機器及び剪断条件により様々な粒径の透明カプセルを得ることができた。また実施例2〜4を室温で6ヶ月間保存し、外水相の粘度を測定したところ、調製直後の粘度と有意差は認められなかった。
本発明のほかの実施例を示す。
[実施例5] 芳香剤
(1)芳香用調合香料 30.00(重量%)
(2)澱粉オクテニルコハク酸エステルアルミニウム塩 1.50
(3)水溶性色素 0.01
(4)精製水 68.49
製法:(2)を(1)に膨潤させる。(3)を(4)に溶解して添加し、ディスパーにて緩やかに撹拌する。撹拌を継続させたまま70℃に加熱し、3分間保持した後冷却する。得られたカプセルは透明であり、粒径は2mmであった。なお、密閉状態で室温で6ヶ月間保存し、外水相の粘度を測定したところ、調製直後の粘度と有意差は認められなかった。
(1)芳香用調合香料 30.00(重量%)
(2)澱粉オクテニルコハク酸エステルアルミニウム塩 1.50
(3)水溶性色素 0.01
(4)精製水 68.49
製法:(2)を(1)に膨潤させる。(3)を(4)に溶解して添加し、ディスパーにて緩やかに撹拌する。撹拌を継続させたまま70℃に加熱し、3分間保持した後冷却する。得られたカプセルは透明であり、粒径は2mmであった。なお、密閉状態で室温で6ヶ月間保存し、外水相の粘度を測定したところ、調製直後の粘度と有意差は認められなかった。
[実施例6] 肝油カプセル
(1)肝油 25.0(重量%)
(2)澱粉オクテニルコハク酸エステルカルシウム塩 3.0
(3)精製水 72.0
製法:(2)を(1)に膨潤させる。(3)を添加し、ディスパーにて緩やかに撹拌した後、撹拌を継続させたまま70℃に加熱する。3分間保持した後冷却し、水分を減圧除去した。得られたカプセルは透明であり、粒径は1mmであった。
(1)肝油 25.0(重量%)
(2)澱粉オクテニルコハク酸エステルカルシウム塩 3.0
(3)精製水 72.0
製法:(2)を(1)に膨潤させる。(3)を添加し、ディスパーにて緩やかに撹拌した後、撹拌を継続させたまま70℃に加熱する。3分間保持した後冷却し、水分を減圧除去した。得られたカプセルは透明であり、粒径は1mmであった。
Claims (1)
- 澱粉又はその加水分解物とアルケニルコハク酸とのエステル化物のアルミニウム塩若しくはカルシウム塩若しくはマグネシウム塩を油分に分散させた後、水を添加して得られる分散体を50℃〜95℃に加熱して得られる、油分内包カプセル分散体組成物。
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---|---|---|---|
JP2003299532A JP2005066460A (ja) | 2003-08-25 | 2003-08-25 | 油分内包カプセル分散体組成物 |
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Publications (1)
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- 2003-08-25 JP JP2003299532A patent/JP2005066460A/ja active Pending
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