以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。本実施例における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機等である。また、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、識別情報としての表示図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として特別図柄を可変表示する可変表示装置4が設けられている。
可変表示装置4は、例えばLCD等からなり、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる可変表示ゲーム(特図ゲーム)において、数字、文字、絵柄等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を、複数の表示領域にて可変表示可能に表示する。可変表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始した後、一定時間が経過すると、各表示領域における特別図柄の可変表示結果を所定の順序で導出表示し、確定図柄(最終停止図柄)を停止表示する。そして、確定図柄の組合せ(停止図柄態様)が所定の特定表示結果(大当り)となったときに、このパチンコ遊技機1は、特定遊技状態(大当り遊技状態)となる。この大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の開閉板が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間において開成され、開成されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に閉成する。そして、この開成サイクルを所定の上限回数(例えば、16回)まで繰り返すことができる。
この実施の形態では、可変表示装置4における表示領域として、左、中、右の3つの表示領域が設けられ、各表示領域において、それぞれ12種類の図柄が特別図柄として可変表示可能に表示されるものとする。12種類の図柄には、それぞれに「0」〜「11」の図柄番号が付されている。例えば、左、中、右の各表示領域では、特図ゲーム中に特別図柄の可変表示が開始されると、図柄番号の小さい特別図柄から大きい特別図柄へと更新表示やスクロール表示が行われ、図柄番号が「11」の特別図柄が表示されると、次に図柄番号が「0」の特別図柄が表示される。
可変表示装置4による特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始した後、左、中、右の各表示領域にて同一の特別図柄が表示結果として導出表示されて確定したときには、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態となる。ここで、この実施の形態では、図柄番号が奇数である特別図柄を確変大当り図柄とし、特図ゲームにおける可変表示結果として左、中、右の各表示領域にて同一の確変大当り図柄が揃って導出表示されて確定したときは、所定の特別表示結果としての確変大当りとなる。確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態となる。確変制御が行われる高確率状態において、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は、通常遊技状態よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や高確率状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなる確率は、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
また、この実施の形態では、図柄番号が偶数である特別図柄を通常大当り図柄とし、特図ゲームにおける可変表示結果として左、中、右の各表示領域にて同一の通常大当り図柄が揃って導出表示され確定したときには通常大当りとなる。この通常大当りとなったときには、大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。この実施の形態では、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなったときには、その確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、次の大当りが通常大当りとなるまでの間、継続して確変制御が行われる高確率状態となる。なお、通常大当りとなって大当り遊技状態が終了した後には、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が短くなるように制御される。
可変表示装置4の下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7や普通図柄表示器40などが配置されている。また、遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
パチンコ遊技機1には、図2に示すような主基板11と、表示制御基板12とが搭載されている。主基板11と表示制御基板12は、パチンコ遊技機1の背面にて適所に配置され、両基板の間に、例えば表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線が配線されている。また、主基板11と表示制御基板12の間には、ストローブ信号を送受信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。この他、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。主基板11には、普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、表示制御基板12や音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板などからなるサブ側の制御基板に対して、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。主基板11から表示制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば表示制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される表示制御コマンドである。
表示制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。この表示制御コマンドとしては、例えば、可変表示開始コマンド、特別図柄指定コマンド、特別図柄確定コマンド、入賞時表示結果指定コマンド、入賞時特図記憶情報コマンド、変動時特図記憶情報コマンドなどが、予め用意されている。
可変表示開始コマンドは、可変表示装置4における特別図柄の可変表示を開始する旨を指示するためのコマンドであり、表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドに含まれるEXTデータに対応して、特別図柄の総可変表示時間や、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かの判定結果、リーチとするか否かの判定結果などを特定することができる。例えば、可変表示開始コマンドには、特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとしないとき(ハズレとするとき)に特別図柄の可変表示として実行されるハズレ用の可変表示パターンを指定するハズレ用の可変表示開始コマンドと、表示結果を大当りとするときに特別図柄の可変表示として実行される大当り用の可変表示パターンを指定する大当り用の可変表示開始コマンドとが含まれている。特別図柄指定コマンドは、可変表示装置4における左、中、右の各表示領域にて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定図柄を指定するコマンドである。特別図柄確定コマンドは、特別図柄の可変表示の終了を指示するコマンドである。
入賞時表示結果指定コマンドは、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したときに、その入賞による可変表示の実行条件成立に基づいて実行される特図ゲームにおける可変表示結果が、確変大当りとなるか、通常大当りとなるか、大当りとはならない(ハズレとなる)かのいずれかを指定するためのコマンドである。この入賞時表示結果指定コマンドは、具体的な一例として、MODEデータがC3(H)(添字Hは16進数表示であることを示す)であり、EXTデータが00(H)〜0C(H)の範囲の値をとる。そして、EXTデータが00(H)、02(H)、04(H)、06(H)、08(H)、0A(H)であるときには、可変表示結果が通常大当りとなることを示し、01(H)、03(H)、05(H)、07(H)、09(H)、0B(H)であるときには、確変大当りとなることを示す。また、EXTデータが0C(H)であるときには、可変表示結果がハズレとなることを示す。
入賞時特図記憶情報コマンドは、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したときに、その入賞による特図ゲームの実行が後述するRAM102の特図保留記憶エリアにて保留される順番(保留番号)を示すコマンドであり、特図保留記憶エリアにおいて実行が保留されている特図ゲームの回数(保留記憶数)が増加したことに対応して送信されるコマンドである。変動時特図記憶情報コマンドは、特図ゲームが開始されるときに、特図保留記憶エリアにおいて実行が保留されている特図ゲームの回数(保留記憶数)を示すコマンドであり、特図保留記憶エリアにおける保留記憶数が減少することに対応して送信されるコマンドである。
主基板11は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路107などを備えて構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103及びI/O(Input/Output)ポート104を含んでいる。スイッチ回路107は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
また、主基板11では、遊技の進行を制御するために各種の乱数がカウントされる。具体的な一例として、CPU103は、主基板11に搭載された所定の乱数発生回路による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的に更新させるなどして、大当り判定用乱数や確変判定用乱数、確定図柄決定用乱数、可変表示パターン決定用乱数などとして用いられる数値データをカウント可能に制御する。大当り判定用乱数は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定するために用いられる乱数であり、「0」〜「299」の範囲の値をとる。確変判定用乱数は、大当りとなる確率を向上させる高確率状態とするか否かを決定するために用いられる乱数であり、「0」〜「11」の範囲の値をとる。確定図柄決定用乱数は、可変表示結果がハズレとなるときに特別図柄の確定図柄を決定するために用いられる表示用の乱数である。可変表示パターン決定用乱数は、特別図柄の可変表示として実行される可変表示パターンを決定するために用いられる表示用の乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。
ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM101は、CPU103が各種の判定を行うために用意された複数の判定テーブルを記憶する。この判定テーブルには、可変表示装置4による特図ゲームの可変表示結果を大当りとするか否かを判定するための大当り判定テーブルなどが含まれている。
RAM102には、可変表示の実行条件が成立しても開始条件が成立しないときに、その実行条件成立に基づく特図ゲームの実行を、記憶数が所定の上限値に達するまで保留記憶する特図保留記憶エリアが設けられている。特図保留記憶エリアには、普通可変入賞球装置6への入賞順に、保留番号と、その入賞により抽出された数値データとしての大当り判定用乱数及び確変判定用乱数の値とが、互いに対応付けられて格納される。この実施の形態では、例えば大当り遊技状態が開始されることや、確変大当りに基づく確変制御により高確率状態になったことといった、所定の条件が成立したときに、特図保留記憶エリアにおいて保留記憶可能な特図ゲームの上限値(記憶数の上限値)が増加される。例えば、パチンコ遊技機1の電源投入直後には、特図保留記憶エリアで保留記憶可能な特図ゲームの上限値が「4」に設定される。その一方で、この実施の形態では、大当り遊技状態が開始されるときには、所定期間が経過するまで(例えば、大当り遊技状態が終了した後に所定回数の特図ゲームが実行されるまで)、特図保留記憶エリアで保留可能な特図ゲームの上限値が「50」に増加するように設定される。なお、増加される特図ゲームの上限値は「50」に限定されるものではなく、任意に設定可能である。
この他、RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から伝送された信号などに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための遊技制御フラグ設定エリアや、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを格納する遊技制御タイマ設定エリアなどが設けられていてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM102とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
遊技制御フラグ設定エリアには、例えば、特別図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、確変時判定フラグなどが設けられている。特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理(図5)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。大当りフラグは、可変表示装置4による特図ゲームを開始するとき、その特図ゲームにおける可変表示結果が大当り(通常大当りと確変大当りの両者を含む)となる旨の判定がなされた場合に、オン状態にセットされる。その一方で、大当り遊技状態が終了するときに大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、特図ゲームの可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされたときにオン状態にセットされ、高確率状態から通常遊技状態へ戻るときにクリアされてオフ状態となる。確変時判定フラグは、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞したとき、特図保留記憶エリアに格納した大当り判定用乱数と確変判定用乱数の値に基づいて可変表示結果が確変大当りとなる旨の判定がなされた場合に、オン状態にセットされる。一方、可変表示結果が通常大当りとなる旨の判定がなされたときに確変時判定フラグはクリアされてオフ状態となる。
表示制御基板12は、主基板11とは独立して可変表示装置4における表示動作の制御などを行うものである。例えば、表示制御基板12は、主基板11から送信される表示制御コマンドに基づいて可変表示装置4に画像の切替表示を行わせることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示や大当り遊技状態におけるラウンド数の表示などといった、各種の表示による演出を可能とする。
図3は、表示制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示制御基板12は、発振回路110と、リセット回路111と、表示制御用のCPU112と、ROM113と、RAM114と、VDP(Video Display Processor)115と、CGROM116と、VRAM(Video RAM)117とを備えている。
表示制御基板12では、可変表示装置4における表示による演出を制御するために各種の乱数がカウントされる。具体的な一例として、CPU112は、表示制御基板12に搭載された所定の乱数発生回路による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的に更新させるなどして、予告実行判定用乱数などとして用いられる数値データをカウント可能に制御する。予告実行判定用乱数は、特図保留記憶エリアに保留記憶された特図ゲームのうちに可変表示結果が確変大当りとなるものがあるときに、その旨を予告するための演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。なお、演出効果を高めるために、予告実行判定用乱数以外の乱数が用いられてもよい。
発振回路110は、CPU112及びVDP115に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路111は、CPU112及びVDP115をリセットするためのリセット信号を出力するものである。CPU112は、主基板11から表示制御コマンドを受信するとRAM114を作業領域として用いながらROM113から表示制御を行うための制御データを読み出す。また、CPU112は、読み出した制御データに基づいてVDP115に描画命令を送る。
ROM113は、CPU112によって実行される各種制御プログラムや固定パラメータなどを格納する半導体メモリである。例えば、ROM113は、可変表示結果が確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されている旨を、可変表示装置4における表示によって予告するか否かを判定するための予告判定テーブルを記憶する。また、ROM113には、主基板11からの可変表示開始コマンドによって指定された可変表示パターンに対応して、可変表示装置4における特別図柄の可変表示速度や表示位置、大きさ、表示色及びその表示状態での表示期間等を決定するためのプロセステーブルなどが格納されている。
RAM114は、CPU112によって作業領域として利用される半導体メモリである。RAM114には、主基板11の側でRAM102の特図保留記憶エリアに保留記憶されている各特図ゲームに対応して可変表示結果を示す情報を、記憶順番を特定可能にして記憶する表示結果記憶エリアが設けられている。例えば、表示結果記憶エリアには、所定の範囲の値をとる記憶番号のそれぞれに対応付けて、可変表示結果を示す情報が格納される。そして、主基板11からの入賞時特図記憶情報コマンドにより指定された保留番号に合致する記憶番号と対応付けて、入賞時表示結果指定コマンドにてEXTデータにより指定された表示結果を示す情報が格納される。また、主基板11からの変動時特図記憶情報コマンドを受信したときには、表示結果記憶エリアにおける記憶内容が更新される。
また、RAM114には、可変表示装置4における表示状態や主基板11からの表示制御コマンドなどに応じて各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するための表示制御フラグ設定エリアや、可変表示装置4の表示制御に用いられる各種の時間を計測するために複数種類のタイマ値を示すデータを格納する表示制御タイマ設定エリアなどが設けられてもよい。なお、フラグ設定やタイマに用いる回路は、RAM114とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
VDP115は、画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、CPU112からの描画命令に従った画像処理を実行する。また、CPU112とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM117をマッピングしている。例えば、VDP115は、CGROM116から読み出したデータに従って画像データを生成し、VRAM117上に展開する。そして、表示装置4に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、表示装置4はVDP115からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
CGROM116は、可変表示装置4にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM116には、可変表示装置4に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されている。VRAM117は、VDP115によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
次に、本実施例におけるパソコン遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が所定の遊技制御メイン処理を実行する。この遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の各部位の動作を初期化するとともに所定の初期設定などが行われる。こうした遊技制御メイン処理を実行することにより、CPU103では定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にタイマ割込みが発生するように設定される。
図4は、CPU103にてタイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この例では、CPU103にてタイマ割込みが発生すると、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路107を介して各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要であれば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、主基板11の側でカウントされる判定用の乱数を更新する判定用乱数更新処理(ステップS13)や、表示用の乱数を更新する表示用乱数更新処理(ステップS14)を、順次に実行する。
次に、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の手順で制御するために各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器40における表示動作(例えば7セグメントLEDやランプの点灯、点滅など)を制御して普通図柄の可変表示を行うための普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。また、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から表示制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信し、遊技状態に合わせた動作制御を指示する(ステップS17)。さらに、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS18)。この情報出力処理では、主基板11から所定の情報端子基板に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送信も行われる。
続いて、CPU103は、所定のソレノイド処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行う(ステップS19)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、所定の払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS20)。
図5は、ステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、例えば各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチからスイッチ回路107を介して入力される検出信号などをチェックすることにより、判定する(ステップS100)。遊技球が入賞して始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS100;Yes)、図6のフローチャートに示す入賞処理を実行する(ステップS101)。
入賞処理を開始すると、CPU103は、まず、RAM102の特図保留記憶エリアにて保留記憶されている特図ゲーム回数である保留記憶数が、特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値となっているか否かを判定する(ステップS201)。ここで、特図保留記憶エリアにおいて、記憶数の上限値(例えば「4」あるいは「50」)を示す保留番号に対応した乱数値が記憶されている場合には、保留記憶数が上限値であると判定される。
保留記憶数が上限値であるときには(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効と判断して、そのまま入賞処理を終了する。一方、保留記憶数が上限値未満であるときには(ステップS201;No)、保留記憶数を1加算し(ステップS202)、主基板11に搭載された乱数発生回路より大当り判定用乱数と確変判定用乱数の値を抽出する(ステップS203)。また、こうして抽出した乱数値を、特図保留記憶エリアにおける空きエントリの先頭に格納する(ステップS204)。
続いて、ステップS204にて特図保留記憶エリアに格納した大当り判定用乱数の値に基づく大当り判定処理を実行する(ステップS205)。この大当り判定処理において、CPU103は、上述したステップS204にて特図保留記憶エリアに格納した大当り判定用乱数の値が、大当りの可変表示結果となることを示す特定判定値データと合致するか否かを判定する。ここで、特定判定値データには、RAM102の遊技制御フラグ設定エリアに設けられた確変判定時フラグの状態に応じて、異なる数値を示すデータが設定される。例えば、特定判定値データとして設定可能なデータには、例えば1個の数値「3」を示す通常判定値データと、通常判定値データよりも多い5個の数値「3」、「7」、「79」、「103」、「107」を示す増加判定値データとが、予め用意されている。そして、確変判定時フラグがオフ状態であるときには、特定判定値データとして通常判定値データが用いられ、確変判定時フラグがオン状態であるときには、特定判定値データとして増加判定値データが用いられる。
この実施の形態では、図7のフローチャートに示すように、確変判定時フラグがオフ状態であるときを通常時として、大当り判定用乱数の値が「3」である場合に「大当り」と判定し、「3」以外の値である場合には「ハズレ」と判定する。一方、確変判定時フラグがオン状態であるときには高確率時であるとして、大当り判定用乱数の値が「3」、「7」、「79」、「103」、「107」のいずれかである場合に「大当り」と判定し、それ以外の値である場合には「ハズレ」と判定する。
こうした大当り判定処理の実行結果として、CPU103は、大当り判定用乱数の値が特定判定値データと合致するか否かに対応して、新たな入賞球に基づいて実行される特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるか否かを判定する(ステップS206)。ここで、ハズレとなる旨の判定がなされたときには(ステップS206;No)、ステップS210に処理を進める。一方、大当りとなる旨の判定がなされたときには(ステップS206;Yes)、上述したステップS204にて特図保留記憶エリアに格納した確変判定用乱数の値が、確変大当りの可変表示結果となることを示す特別判定値データと合致するか否かを判定する(ステップS207)。ここでの特別判定値データには、例えば「0」〜「11」の範囲の値のうちで奇数を示す数値データが、予め設定されている。
CPU103は、確変判定用乱数の値が特別判定値データと合致するか否かに対応して、可変表示結果が確変大当りとなるか、通常大当りとなるかを判定し、確変大当りとなる旨の判定がなされたときには(ステップS207;Yes)、確変判定時フラグをオン状態にセットする(ステップS208)。一方、通常大当りとなる旨の判定がなされたときには(ステップS207;No)、確変判定時フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS209)。こうして、ステップS208にて確変判定時フラグがオン状態にセットされた場合には、それ以後に新たな入賞球に基づいて実行されるステップS205の大当り判定処理において、特定判定値データとして増加判定値データが用いられることになる。
この後、ステップS210において、CPU103は、ステップS207及びS208における確変大当りとなるか、通常大当りとなるか、ハズレとなるかの判定結果に対応した入賞時表示結果指定コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定を行う。例えば、CPU103は、入賞時表示結果指定コマンドであることを示すMODEデータC3(H)と、確変大当り、通常大当り、ハズレのいずれかの可変表示結果に対応して決められるEXTデータ01(H)〜0C(H)とからなる制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、入賞時表示結果指定コマンドを送信可能に設定する。また、このステップS210では、上述したステップS204にて乱数値が格納された特図保留記憶エリアにおける保留番号を示す入賞時特図記憶情報コマンドを、表示制御基板12に対して送信するための設定も行う。
こうして入賞処理が終了し、さらに図5に示す特別図柄プロセス処理が終了した後に、図4に示すステップS17のコマンド制御処理が実行される。このコマンド制御処理の実行により、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞したことによる特図ゲームの実行条件の成立時に、その実行条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を示す入賞時表示結果指定コマンドが、保留番号を示す入賞時特図記憶情報コマンドとともに、主基板11から表示制御基板12に対して送信される。
図5に示す特別図柄プロセス処理では、上述した入賞処理に続き、遊技状態に応じて更新される特別図柄プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS110〜S116の各処理が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が“0”のとき、CPU103は、特図保留記憶エリアに格納されたデータに基づいて特図ゲームを開始するか否かを判定する処理等からなる「特別図柄通常処理」を実行する(ステップS110)。特別図柄プロセスフラグの値が“1”のとき、大当り判定処理や、確定図柄の決定処理、可変表示パターンの設定処理等からなる「可変表示設定処理」を実行する(ステップS111)。この可変表示設定処理にて実行される大当り判定処理では、特図保留記憶エリアから読み出された保留番号「1」に対応する大当り判定用乱数の値と、遊技制御フラグ設定エリアに設けられた確変フラグの状態に対応して設定された特定判定値データとが合致するか否かを判定することにより、図6に示すステップS205の大当り判定処理と同様の判定処理が実行される。これにより、開始条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるか否かを、その表示結果が導出表示される以前に判定することができる。さらに、可変表示設定処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなるか通常大当りとなるかの判定も行われる。このときに確変大当りとなる旨の判定がなされた場合には、確変フラグがオン状態にセットされ、通常大当りとなる旨の判定がなされた場合には、確変フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS111にて実行される可変表示パターンの設定処理では、大当り判定処理によってハズレとなる旨の判定がなされたときに、ハズレの可変表示結果に対応したハズレ用の可変表示パターンが選択決定される。一方、大当り判定処理によって大当りとなる旨の判定がなされたときには、大当りの可変表示結果に対応した大当り用の可変表示パターンが選択決定される。この後、選択決定された可変表示パターンに対応した制御データを所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、主基板11から表示制御基板12に対して可変表示開始コマンドを送信可能に設定する。また、このときには、特図保留記憶エリアにおける保留記憶数を示す変動時特図記憶情報コマンドを表示制御基板12に対して送信するための設定も行われる。この後に、図4に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることにより、大当りとなるか否かの判定結果に対応して、大当り用の可変表示パターンを指定する情報を示す大当り用の可変表示開始コマンドと、ハズレ用の可変表示パターンを指定する情報を示すハズレ用の可変表示開始コマンドとのいずれかが、変動時特図記憶情報コマンドとともに、主基板11から表示制御基板12に対して送信される。
図5に示す特別図柄プロセス処理において、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のとき、可変表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間を計測する処理等からなる「可変表示制御処理」を実行する(ステップS112)。特別図柄プロセスフラグの値が“3”のとき、可変表示装置4にて可変表示されている特別図柄の減速停止を行う処理等からなる「可変表示停止時処理」を実行する(ステップS113)。この可変表示停止時処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるときに、特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される。一方、可変表示結果がハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときには、大当り動作のための初期化処理等を行う「大入賞口開放前処理」を実行する(ステップS114)。この大入賞口開放前処理にて、CPU103は、可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態が開始されること、あるいは、大当りの中でも特に確変大当りとなって高確率状態となったことに対応して、特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値を、パチンコ遊技機1の電源投入直後などの通常時よりも増加された値に設定する。特別図柄プロセスフラグの値が“5”のとき、大当り動作に関する様々な処理、及び1回当りの特別可変入賞球装置7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(ステップS115)。特別図柄プロセスフラグの値が“6”のとき、大当り動作の終了かどうかを判定し、終了ならば、表示制御基板12に対して大当りの終了を指示するコマンドを送信する処理等からなる「大当り終了処理」を実行する(ステップS116)。
次に、表示制御基板12における特図ゲームの処理について説明する。表示制御基板12では、CPU112が、例えばRAM113の表示制御フラグ設定エリアに設けられたタイマ割込フラグがオンとなったか否かを判別することにより、例えば33ミリ秒ごとのタイマ割込発生を検出するなどして、図8のフローチャートに示すコマンド解析処理と、図9のフローチャートに示す表示制御プロセス処理とを実行する。なお、CPU112にてタイマ割込みが発生する周期は、33ミリ秒に限定されるものではなく、CPU112にて実行される各種の処理に合わせて任意に設定可能である。
図8のフローチャートに示すコマンド解析処理では、表示制御基板12が主基板11から受信した表示制御コマンドの種類に対応した各種の処理が実行される。なお、主基板11からの表示制御コマンドは、表示制御INT信号がオン状態となったときに、例えばCPU112が所定のコマンド受信割込処理を実行することにより表示制御基板12の側に取り込み、RAM114に予め設けられた所定の受信コマンドバッファなどにて、コマンドの受信順序を特定可能に保持すればよい。
図8に示すコマンド解析処理において、CPU112は、まず、主基板11から受信した表示制御コマンドがあるか否かをチェックする(ステップS121)。そして、受信コマンドがあることを確認したときには(ステップS121;Yes)、受信コマンドを読み出し(ステップS122)、そのコマンドが特別図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS123)。
ステップS123にて特別図柄指定コマンドである旨の判定がなされたときには(ステップS123;Yes)、例えば、そのコマンドのEXTデータをRAM114に予め設けられた特別図柄用の確定図柄格納エリアに格納するなどして、特別図柄の図柄番号を格納する(ステップS124)。また、このときには、RAM114の表示制御フラグ設定エリアに設けられた有効フラグをオン状態にセットする(ステップS125)。これに対して、ステップS123にて特別図柄指定コマンドではない旨の判定がなされたときには(ステップS123;No)、そのコマンドが可変表示開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS126)。
ステップS126にて可変表示開始コマンドである旨の判定がなされたときには(ステップS126;Yes)、例えば、そのコマンドのEXTデータをRAM114に予め設けられた可変表示パターン格納エリアに格納するなどして、指定された可変表示パターンをセーブする(ステップS127)。また、このときには、RAM114の表示制御フラグ設定エリアに設けられた可変表示開始フラグをオン状態にセットする(ステップS128)。これに対して、ステップS126にて可変表示開始コマンドではない旨の判定がなされたときには(ステップS126;No)、そのコマンドが入賞時特図記憶情報コマンドと入賞時表示結果指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS129)。
ステップS129にて入賞時特図記憶情報コマンドと入賞時表示結果指定コマンドである旨の判定がなされたときには(ステップS129;Yes)、RAM114の表示結果記憶エリアにて、入賞時特図記憶情報コマンドに基づいて特定した記憶番号と対応付けて、入賞時表示結果指定コマンドによって指定された表示結果を示す情報を格納する(ステップS130)。これに対して、ステップS129にて入賞時特図記憶情報コマンドと入賞時表示結果指定コマンドではない旨の判定がなされたときには(ステップS129;No)、そのコマンドが変動時特図記憶情報コマンドであるか否かを判定する(ステップS131)。
ステップS131にて変動時特図記憶情報コマンドである旨の判定がなされたときには(ステップS131;Yes)、表示結果記憶エリアに格納された表示結果を示す情報を、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS132)。続いて、表示結果記憶エリアにて使用されている最下位のエントリにハズレの表示結果を示す情報を格納することにより、そのエントリの記憶内容をクリアする(ステップS133)。こうして、主基板11から変動時特図記憶情報コマンドを受信したことに対応して、表示結果記憶エリアにおける記憶内容が更新される。
また、ステップS122にて読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドであるときには、RAM114の表示制御フラグ設定エリアにて受信した表示制御コマンドに対応するコマンド受信フラグをオン状態にセットして(ステップS134)、ステップS121にリターンする。こうして全ての受信コマンドが読み出されると(ステップS121;No)、コマンド解析処理を終了する。
次に、図9に示す表示制御プロセス処理において、CPU112は、RAM114の表示制御フラグ設定エリアに設けられた表示制御プロセスフラグの値に対応して、以下に示すステップS150〜S155の各処理を実行する。
表示制御プロセスフラグの値が“0”のとき、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の開始を指示する可変表示開始コマンドを主基板11から受信したか否かを判定する処理等からなる「可変表示開始コマンド受信待ち処理」を実行する。表示制御プロセスフラグの値が“1”のとき、特図ゲームにて特別図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、可変表示装置4の表示動作を設定する「表示制御設定処理」を実行する。この表示制御設定処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態となるときに、開始条件が成立した今回の特図ゲームでの表示結果が大当りとなること及び保留記憶されて未だ開始されない特図ゲームのうちに確変大当りとなるものがあることを予告するための処理として、図10及び図11のフローチャートに示す予告決定処理が実行される。
図10及び図11に示す予告決定処理において、CPU112は、まず、主基板11からの可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンが大当り用の可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップS221)。可変表示パターンがハズレ用の可変表示パターンであるときには(ステップS221;No)、そのまま予告決定処理を終了する。一方、可変表示開始コマンドで指定された可変表示パターンが大当り用の可変表示パターンであるときには(ステップS221;Yes)、可変表示開始コマンドに基づいて可変表示結果を大当りとする旨が特定され、既に予告を実行済みであるか否かを判定する(ステップS222)。ここで、予告を実行済みである旨の設定は、後述するステップS236にてRAM114などに保存される。
CPU112は、予告を実行済みであると判定したとき(ステップS222;Yes)、ステップS223以降の処理を実行することなく、そのまま予告実行処理を終了する。一方、予告を実行していない旨の判定がなされたときには(ステップS222;No)、RAM114の表示結果記憶エリアに記憶された表示結果のうちで確変大当りとなるものの数をカウントするための変数として、確変大当り回数の値を「0」に設定するとともに、所定の検査カウンタによりカウントされる変数nの値を「0」に設定して初期化する(ステップS223)。
この後、CPU112は、検査カウンタによりカウントされる変数nの値を1加算し(ステップS224)、表示結果記憶エリアにて、変数nの値と同じ記憶番号に対応して記憶されている表示結果を示す情報を読み出す(ステップS225)。こうして読み出した情報が大当りの表示結果を示しているか否かを判定し(ステップS226)、大当り以外の表示結果、すなわちハズレの表示結果を示しているときには(ステップS226;No)、ステップS231に進む。
一方、ステップS226にて読み出した情報が大当りの表示結果を示しているときには(ステップS226;Yes)、さらに、その表示結果が確変大当りであるか否かを判定する(ステップS227)。表示結果が通常大当りであるときには(ステップS227;No)、図11に示すステップS232に進み、確変大当りであるときには(ステップS227;Yes)、表示結果記憶エリアにて確変大当りの表示結果を示す情報が格納されている記憶番号を示す変数nの値が、既に保存されているか否かを判定する(ステップS228)。例えば、表示結果記憶エリアにおける記憶番号を示す情報が格納される記憶番号保存エリアをRAM114に予め設けておき、その記憶番号保存エリアに有効な記憶番号を示す情報が格納されているか否かを判定する。
変数nの値が未だ保存されていないときには(ステップS228;No)、確変大当りの表示結果を示す情報と対応付けられている記憶番号を示す値として、検査カウンタによりカウントされている変数nの値を、記憶番号保存エリアに格納して保存する(ステップS229)。これにより、主基板11の側にて特図保留記憶エリアにより保留記憶されている特図ゲームのうちで、可変表示開始コマンドにより開始が指示された今回の特図ゲームを実行した後に最初に確変大当りとなる特図ゲームの保留順番に対応した記憶順番を、特定可能に保存することができる。一方、記憶番号保存エリアに有効な記憶番号が既に保存されている場合には、ステップS229をスキップして、ステップS230に進む。
ステップS230において、CPU112は、確変大当り回数の値を1加算する。この後、ステップS231において、検査カウンタによりカウントされている変数nの値が表示結果記憶エリアにおける表示結果記憶数と等しくなっているか否かを判定する。表示結果記憶数は、例えば、表示結果記憶エリアにおける可変表示結果の記憶数の上限値であってもよいし、あるいは、主基板11からの変動時特図記憶情報コマンドにて示された保留記憶数を示す数値であってもよい。ここで、変数nの値が表示結果記憶数とは異なる旨の判定がなされたときには(ステップS231;No)、ステップS224にリターンする。こうして、表示結果記憶エリアに記憶されている表示結果が確変大当りであるとき、又はハズレであるときには、表示結果記憶エリアに記憶されている情報がさらに読み出される。これに対して、ステップS231にて変数nの値が表示結果記憶数と等しい旨の判定がなされたときには(ステップS231;Yes)、図11に示すステップS232に進む。
ステップS232において、CPU112は、確変大当り回数の値が「0」であるか否かを判定する。確変大当り回数の値が「0」以外であるときには(ステップS232;No)、表示制御基板12に搭載された乱数発生回路より予告判定用乱数の値を抽出する(ステップS233)。続いて、CPU112は、ステップS233にて抽出した予告判定用乱数の値に基づき、例えばROM113に予め格納されている予告実行判定用テーブルを参照するなどして、予告を実行するか否かを判定する(ステップS234)。予告実行判定用テーブルには、例えば予告判定用乱数の値と、予告を実行するか否かの判定結果とを対応付ける設定データが格納されており、CPU112が抽出した予告判定用乱数の値に対応付けられた判定結果を読み取ることにより、予告を実行するか否かを判定することができる。
ステップS234にて予告を実行する旨の判定がなされたときには(ステップS234;Yes)、RAM114の記憶番号保存エリアに格納されている記憶番号の値と、確変大当り回数としてカウントされた値とに基づいて、予告演出態様を決定する(ステップS235)。ここで、例えばCGROM116には、可変表示装置4により異なる表示態様で予告を実行するための複数種類の画像データが予め格納されている。また、ROM113には、所定の予告態様決定用テーブルを予め記憶しておく。この予告態様決定用テーブルには、記憶番号保存エリアに格納される記憶番号の値と、確変大当り回数としてカウントされる値とに対応付けて、CGROM116から読み出すべき画像データを指定する設定データが格納されており、CPU112がこの予告態様決定用テーブルを参照して画像データの読出命令をVDP115へ送信する。VDP115は、CPU112からの命令にて指定された画像データをCGROM116から読み出して所定の復号化処理などを実行することにより、読み出した画像データに基づく表示態様にて可変表示装置4における表示による予告演出を実行する。これにより、表示結果記憶エリアに記憶されている表示結果を示す情報に基づき、実行条件が成立した特図ゲームのうちで可変表示結果が通常大当りとなる以前に確変大当りとなる回数や、次の確変大当りとなる特図ゲームまでに実行される特図ゲーム回数に応じて、予告の演出態様を異ならせることができる。
また、CPU112は、主基板11からの可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンには関係なく、ステップS235にて決定した予告演出態様が同じであれば同一の演出表示を行うことによって、予告のための演出を実行するようにしてもよい。例えば、CPU112は、可変表示開始コマンドによってどの可変表示パターンが指定されたかに関わりなく(可変表示パターンとは別個独立して)、ステップS235にて決定した予告演出態様が同じであれば同一の画像データの読出命令をVDP115へ送信する。その一方で、CPU112は、可変表示開始コマンドによって指定された可変表示パターンに応じて(可変表示パターンに従属して)画像データの読出命令を送信するタイミングを調整するようにしてもよい。これにより、指定された可変表示パターンに応じた特別図柄の可変表示態様に適合したタイミングにて、可変表示装置4における表示による予告演出を、同一の演出態様で実行させることができる。
こうした可変表示装置4における表示による予告演出が実行されるときには、予告を実行済みである旨の設定をRAM114などに保存した後に(ステップS236)、予告決定処理を終了する。これにより、以後に実行される予告判定処理では、上述したステップS222にて予告を実行済みである旨の判定がなされるので、ステップS223以降の処理が実行されることなく、予告決定処理が終了することになる。なお、RAM114などに保存された予告を実行済みである旨の設定は、例えば主基板11から確変制御が終了されることを示す確変終了コマンドを受信したときや、可変表示開始コマンドにより可変表示の開始が指示された特図ゲームにおける可変表示結果が通常大当りとなることが特定されたときなどに、クリアして消去するようにすればよい。こうすることで、予告決定処理にて予告演出を実行する旨の判定(ステップS234におけるYesの判定)がなされた後に高確率状態が終了するまでの期間においては、上述したステップS223以降の処理が実行されないことになるので、表示結果記憶エリアに確変大当りの表示結果を示す情報が記憶されているか否かの判定が行われないことになる。
また、ステップS234にて予告を実行しない旨の判定がなされたときには(ステップS234;No)、ステップS235及びS236の処理を実行することなく予告決定処理を終了する。さらに、ステップS232にて確変大当り回数の値が「0」である旨の判定がなされたときには(ステップS232;Yes)、ステップS233以降の処理を実行することなく予告決定処理を終了する。ここで、確変大当り回数の値は、表示結果記憶エリアに記憶されている表示結果が全てハズレとなっているときに「0」となる。また、表示結果記憶エリアに記憶されている大当りの表示結果のうちで記憶番号が最も小さいもの、すなわち開始条件が成立した特図ゲームよりも後に実行される特図ゲームにおける最初の大当りが、通常大当りであるときにも、確変大当り回数の値は「0」となる。こうして、表示結果記憶エリアに記憶された表示結果を示す情報に基づいて、今回の特図ゲームより後に出現する最初の大当りが確変大当りであるときに限り、今回の特図ゲームで大当りとなること及び確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するための演出を実行するか否かが判定され、実行する旨の判定がなされたときに、所定の予告演出が実行されることになる。これにより、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるときに保留記憶されている特図ゲームのうちに確変大当りとなるものがある場合、すなわち、大当り遊技状態が終了した後の所定期間内に次の大当りとして確変大当りが出現する場合に、可変表示装置4における表示によって、今回の特図ゲームで大当りとなる旨と、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されている旨とを予告するための演出を行うことができる。
図9に示す表示制御プロセス処理において、表示制御プロセスフラグの値が“2”のときには、特別図柄の可変表示中における可変表示装置4の表示動作を制御する「特別図柄可変表示中処理」を実行する。表示制御プロセスフラグの値が“3”のとき、特図ゲームにおける可変表示の終了を指示するコマンドを主基板11から受信したか否かを判定する処理等からなる「特別図柄停止待ち処理」を実行する。この特別図柄停止待ち処理では、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるときに、表示制御プロセスフラグの値が“4”に更新される。一方、可変表示結果がハズレとなるときには、表示制御プロセスフラグの値が“0”に更新される。
表示制御プロセスフラグの値が“4”のときには、大当り動作に合わせて可変表示装置4における表示動作を制御する「大当り表示処理」を実行する。この大当り表示処理にて、CPU112は、主基板11の側でRAM102の特図保留記憶エリアにおける保留記憶数の上限値が通常時よりも増加された値に設定されることに合わせて、RAM114の表示結果記憶エリアにおける表示結果記憶数の上限値を、通常時よりも増加された値に設定する。
例えば図12(A)及び(B)に示すように、RAM114では、入賞時表示結果指定コマンドにより指定された表示結果を示す情報を格納するための表示結果記憶エリアとして、主基板11の側で特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値が通常時よりも増加されたときに対応した特図ゲーム回数分(例えば、50回分)の表示結果を示す情報を記憶可能な記憶領域が、予め確保されている。そして、パチンコ遊技機1の電源投入直後などのような通常時には、図12(A)に示すように、特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値が「4」に設定されていることに対応して、表示結果記憶エリアにおける記憶番号「1」〜「4」に対応する記憶領域が、特図ゲームにおける表示結果を示す情報を格納するために使用可能となる。このときには、記憶番号「5」以降に対応する記憶領域は、不使用の状態に設定される。一方、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りになることで特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値が増加された値である「50」に設定されることに対応して、図12(B)に示すように、表示結果記憶エリアにおける記憶番号「1」〜「50」に対応する記憶領域の全てが、特図ゲームにおける表示結果を示す情報を格納するために使用可能となる。
図12(B)に示すように表示結果記憶エリアにおける記憶領域の全てが使用可能となったときには、パチンコ遊技機1の電源投入直後などのような通常時よりも数多くの特図ゲームにおける表示結果を示す情報を格納することができる。すなわち、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態が開始されること、あるいは、大当りの中でも特に確変大当りとなって高確率状態となったことなどを条件として、特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値が通常時よりも増加し、これにより、通常時よりも数多くの特図ゲームの実行が保留可能となる。このように保留可能な特図ゲーム回数が増加したことに対応して、表示結果記憶エリアにて表示結果を記憶可能な特図ゲーム回数も増加させることで、大当り遊技状態中や高確率状態中などにおける新たな入賞球に基づく特図ゲームの実行を数多く保留記憶するとともに、保留記憶された各々の特図ゲームにおける表示結果を記憶することができる。
こうして保留可能な特図ゲーム回数を増加させるとともに、表示結果を記憶可能な特図ゲーム回数も増加させることで、例えば保留記憶されている特図ゲームの開始条件が成立しない大当り遊技状態中などに、普通可変入賞球装置6への入賞球に基づく特図ゲームの実行が数多く保留可能となる。これにより、入賞による始動検出が無効との判断(図6に示すステップS201におけるYesとの判定)がなされる可能性が減少するとともに、保留記憶されている特図ゲームにおける表示結果が確変大当りとなる可能性が増大し、図11に示すステップS232にて確変大当り回数が「0」以外である旨の判定がなされて予告が行われる割合が高められる。
図9に示す表示制御プロセス処理において、表示制御プロセスフラグの値が“5”のときには、大当り遊技状態が終了したことを報知する表示のために可変表示装置4の表示動作を制御する「大当り終了表示処理」を実行する。
上述したパチンコ遊技機1の動作を、次に具体例に基づいて説明する。
パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを遊技者が操作すると、発射モータにより遊技球が遊技領域に打ち込まれ、遊技領域内を下りてくる。主基板11は、各入賞口スイッチ70の入力の有無を監視している。
遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞すると、始動球検出器により遊技球の入賞が検出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、各入賞口スイッチ70に含まれる始動球検出スイッチからの検出信号がオン状態となると(図5に示すステップS100;Yes)、大当り判定用乱数と確変判定用乱数の値を抽出し、抽出した乱数値を特図保留記憶エリアにおける空きエントリの先頭に格納する(図6に示すステップS203及びS204)。
このとき、CPU103は、大当り判定用乱数と確変判定用乱数の値に従って新たな入賞球に基づく特図ゲームにおける可変表示結果が確変大当りとなるか、通常大当りとなるか、ハズレとなるかを判定する(ステップS205〜S207)。続いて、判定された可変表示結果を示す入賞時表示結果指定コマンドを、入賞時特図記憶情報コマンドとともに表示制御基板12に対して送信する(ステップS210)。表示制御基板12の側では、CPU112が、主基板11からの入賞時表示結果指定コマンドにより指定された表示結果を示す情報を、入賞時特図記憶情報コマンドにより指定された記憶番号と対応付けて、RAM114の表示結果記憶エリアに格納する(図8のステップS130)。
この後、特図ゲームが実行されていない場合に、CPU103が特図保留記憶エリアに格納されている大当り判定用乱数と確変判定用乱数の値を先頭エントリから読み出し、読み出した乱数値に従って大当りとハズレの別を判定する。そして、「大当り」と判定したときには、大当り用の特別図柄(確定図柄)を選択決定するとともに、大当り用の可変表示パターンを決定する。こうして決定された可変表示パターンに対応する可変表示開始コマンドが表示制御基板12に対して送信されることにより、可変表示装置4における特別図柄の可変表示を開始する旨の指示が行われる。
表示制御基板12の側では、可変表示開始コマンドを受信したときに、CPU112によって大当り用の可変表示パターンが指定されたか否かの判定が行われる(図10のステップS221)。そして、大当り用の可変表示パターンが指定されたときには、表示結果記憶エリアに記憶されている可変表示結果のうちに確変大当りとなるものがあるか否かの判定が行われる(ステップS224〜S231)。このときに確変大当りとなるものがある旨が判定(ステップS227におけるYesの判定に基づく図11に示すステップS232におけるYesの判定)がなされると、さらに、所定の予告演出を実行するか否かの判定が行われる(ステップS234)。このときに予告を行う旨の判定がなされると、確変大当りとなるまでの特図ゲーム回数や確変大当りとなる特図ゲームの回数に対応して、予告の演出態様を決定することができる(ステップS235)。
こうして図13(A)に示すように、可変表示装置4に設けられた左、中、右の3つの表示領域41a〜41cにて特別図柄の可変表示が開始され、可変表示パターンに対応した総可変表示時間が経過したときに、表示結果となる特別図柄の確定図柄が導出表示される。このとき導出表示された確定図柄がハズレとなる組合せであれば、特別可変入賞球装置7の開閉板の開成等を行わず、1回分の特図ゲームの実行が終了する。
一方、確定図柄が大当り組合せとなるときに、表示制御基板12のRAM114に設けられた表示結果記憶エリアに記憶されている可変表示結果のうちに確変大当りとなるものがあり、かつ、今回の特図ゲームで大当りとなること及び確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するための演出を実行する旨の判定(ステップS234におけるYesの判定)がなされたときには、上述したステップS235にて決定した予告演出態様により、例えば、図13(B)に示すような表示による予告演出が実行される。図13(B)は、具体的な一例として、保留記憶されている特図ゲームのうちで可変表示結果が通常大当りとなる以前に確変大当りとなるものが1つあり、なおかつ、次の確変大当りとなるまでに実行される特図ゲーム回数が10回以上で30回未満であるときの表示例を示している。
この後、可変表示パターンに対応した総可変表示時間が経過したときに、図13(D)に示すように確定図柄が大当り組合せとなることで、パチンコ遊技機1は大当り遊技状態となり、特別可変入賞球装置7の開閉板が一定時間又は一定数の遊技球が入賞するまで開成し、開閉を一定サイクル繰り返す。このときには、例えば図13(E)に示すように、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行回数を報知するための情報が可変表示装置4により表示される。この後、大当り遊技状態が終了すると、例えば図13(F)に示すように大当り遊技状態が終了したことを報知するための情報が表示される。こうして大当り遊技状態が終了した後、特図保留記憶エリアにて保留記憶されている特図ゲームの開始条件が保留記憶の順番(保留番号)に従って成立するごとに1回分の特図ゲームが実行され、1回または複数回の特図ゲームが実行されたとき、図13(G)及び(H)に示すように、表示結果が確変大当りとなる。
また、ステップS235にて決定した予告演出態様に応じて、図13(B)に示すような表示による予告演出に代わり、図14(A)〜(C)のいずれかに示すような表示による予告演出が行われる。図14(A)は、保留記憶されている特図ゲームのうちで可変表示結果が通常大当りとなる以前に確変大当りとなるものが2つ以上あるときの表示例を示している。また、図14(B)は、通常大当りとなる以前に確変大当りとなるものが1つあり、なおかつ、次の確変大当りとなるまでに実行される特図ゲーム回数が10回未満であるときの表示例を示している。図14(C)は、通常大当りとなる以前に確変大当りとなるものが1つあり、なおかつ、次の確変大当りとなるまでに実行される特図ゲーム回数が30回以上であるときの表示例を示している。このようにして、保留記憶中で確変大当りとなる特図ゲーム回数や、所定の特図ゲーム回数以前に確変大当りとなるか否かに応じて、演出態様が異なる予告のための演出を行うことが可能になる。
以上説明したように、この実施の形態によれば、可変表示開始コマンドに基づいて大当りとする旨が特定されたときに、保留記憶されている特図ゲームのうちに可変表示結果が確変大当りとなるものがある場合に、開始条件が成立した今回の特図ゲームでの表示結果が大当りとなること及び確変大当りとなる特図ゲームの実行が保留記憶されていることを予告するか否かの判定が行われる。そして、予告する旨の判定がなされたときには、保留記憶中で確変大当りとなる特図ゲームの回数や、所定の特図ゲーム回数以前に確変大当りとなるか否かに応じて、演出態様を異ならせることができる。これにより、例えば、開始条件が成立した特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されるときから、保留記憶中の特図ゲームが実行されるまでといった、所定の期間内に行われる複数回の特図ゲームにおいて可変表示結果が大当りとなることに対する遊技者の期待感を高めることができるとともに、多様な演出による予告を可能にして面白みのある演出が可能となる。
また、保留記憶中の特図ゲームのうちで通常大当りとなる以前に確変大当りとなるものがある場合に限って予告するか否かの判定が行われるので、可変表示開始コマンドに基づいて大当りとする旨が特定されると常に予告するか否かの判定を行う場合に比べて、処理負担を軽減することができる。さらに、一旦予告する旨の判定がなされた後には、高確率状態が終了するまでの期間において確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されているか否かの判定が行われないようにしたので、予告が重複して行われることを防止できるとともに、処理負担を軽減することができる。
図6に示す入賞処理では、ステップS207にて確変大当りとする旨の判定がなされたときに、ステップS208にて確変時判定フラグがオン状態にセットされ、通常大当りとする旨の判定がなされたときに、ステップS207にて確変判定時フラグがクリアされてオフ状態とされる。そして、その以後に新たな入賞球の検出に基づいて実行されるステップS205の大当り判定処理では、確変時判定フラグがオンとなっているか否かに対応した特定判定値データを用いて、可変表示結果を大当りとするか否かの判定が行われる。これにより、特図ゲームの実行条件が成立した時点で、その特図ゲームの開始条件が成立するときに高確率状態となっているか否かを考慮して、大当りとするか否かを適切に判定することができる。
また、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りになって大当り遊技状態が開始されることや、確変大当りに基づく確変制御により高確率状態になったことなどといった、所定の条件が成立したときには、主基板11の側で特図保留記憶エリアにおける記憶数の上限値が増加される。これに対応して、表示制御基板12の側では、図12(A)及び(B)に示すように、表示結果記憶エリアとして、特図保留記憶エリアにおいて増加された記憶数の上限値に相当する特図ゲーム回数分の表示結果を示す情報を記憶可能な記憶領域が設けられている。これにより、例えば保留記憶されている特図ゲームの開始条件が成立しない大当り遊技状態中などに、新たな入賞球に基づく特図ゲームの実行を数多く保留記憶することができ、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞してもその入賞に基づく特図ゲームの実行が保留記憶されないといった遊技者にとって不利な状態を回避することができる。さらに、保留記憶されている特図ゲームにおける表示結果が確変大当りとなる可能性が増大するので、予告が行われる割合を高めることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、確変大当りとなったときに、その大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、次の大当りが通常大当りとなるまでの間、継続して確変制御が行われる高確率状態となるものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態が終了した後に所定回数の特図ゲームが実行されること、または、次の大当りが通常大当りとなることのいずれかの条件が成立したときに、高確率状態が終了するようにしてもよい。
この場合には、主基板11において、CPU103が所定の確変中判定カウンタを用いるなどして、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントできるようにする。この確変中判定カウンタには、図6に示す入賞処理において確変大当りである旨の判定(ステップS227におけるYesの判定)がなされたときに、高確率状態にて実行可能な特図ゲームの残り回数の初期値(例えば「30」)を設定する。そして、確変時判定フラグがオンであるときには、ステップS205における大当り判定処理の実行が終了するごとに確変中判定カウンタの値を1減算する。続いて、確変中判定カウンタの値が「0」となったか否かを判定し、「0」となったときには、高確率状態が終了すると判断して、確変時判定フラグをクリアしてオフ状態に設定すればよい。これにより、確変大当りにより高確率状態となった後に、例えば30回といった所定回数の特図ゲームにて可変表示結果が大当りとなることなく高確率状態が終了してしまうことを考慮して、新たな入賞球により実行条件が成立した特図ゲームにおける可変表示結果を大当りとするか否かを、適切に判定することができる。
また、この場合、表示制御基板12においては、例えばCPU112が図10に示す予告決定処理のステップS227にて確変大当りである旨を判定するごとに、変数nの値を保存するようにする。そして、ステップS227にて確変大当りである旨の判定がなされたときに、直近に保存した変数nの値を、現在において検査カウンタに保持されている変数nの値から差し引き、その結果として得られた値が高確率状態にて実行可能な特図ゲーム回数(例えば「30」)以下であるか否かを判定する。このときに、高確率状態にて実行可能な特図ゲーム回数よりも大きいと判定された場合には、ステップS230に進むことなく、図11に示すステップS232に進むようにすればよい。あるいは、CPU112がステップS227にて確変大当りである旨の判定をした後にステップS225にて表示結果を読み出した回数をカウントし、そのカウント値が高確率状態にて実行可能な特図ゲーム回数となったときには、ステップS231の処理を実行することなく図11に示すステップS232に進むようにしてもよい。これにより、高確率状態が継続している間に実行される特図ゲームでの確変大当りであるか否かを考慮して、予告演出における演出態様を確変大当りの回数に応じて異ならせることができる。
さらに他の一例として、確変大当りに基づく確変制御により高確率状態となった後、開始条件の成立した特図ゲームにおける可変表示結果が大当りになる旨の判定がなされたときに、その大当りが通常大当りであるか、確変大当りであるかにかかわらず、一旦高確率状態を終了させるようにしてもよい。このように一旦高確率状態を終了させた後、確変大当りである旨の判定がなされたときには、再び確変制御によって高確率状態となるようにすればよい。この場合には、例えば可変表示開始コマンドにより可変表示の開始が指示された特図ゲームにおける可変表示結果が通常大当りとなることが特定されたときに限って、ステップS236にて保存した予告を実行済みである旨の設定をクリアして消去すればよい。こうすることで、予告決定処理にて予告演出を実行する旨の判定がなされたときに保留記憶されていた特図ゲームで通常大当りとなるよりも前に確変大当りとなったことによる高確率状態が終了するまでの期間、又は、予告演出を実行する旨の判定がなされた後に保留記憶された特図ゲームで通常大当りとなるよりも前に確変大当りとなったことによる高確率状態が終了するまでの期間においては、表示結果記憶エリアに確変大当りの表示結果を示す情報が記憶されているか否かの判定が行われないことになる。
上記実施の形態では、図10及び図11に示す予告決定処理において予告を実行する旨の判定(ステップS234におけるYesの判定)がなされたときには、ステップS236にて予告を実行済みである旨の設定を保存し、高確率状態が終了するまでの期間においては、表示結果記憶エリアに確変大当りの表示結果を示す情報が記憶されているか否かの判定を行わないようにした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、既に予告を実行した後でも、さらに大当りとなることを示す可変表示開始コマンドを受信したときには、表示結果記憶エリアに確変大当りの表示結果を示す情報が記憶されているか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合には、図10及び図11に示す予告決定処理において、ステップS222及びS236の処理を行わないようにすればよい。あるいは、ステップS236の処理は実行するようにして、予告を実行するときに既に予告が実行されているか否かに対応して異なる演出態様の予告を行うようにしてもよい。これにより、より多様な演出による予告が可能となり、確変大当りによって高確率状態が継続することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記実施の形態では、例えば図13(B)に示すように、表示結果が大当りとなる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示中に、今回の特図ゲームで大当りとなること及び確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するものとして説明した。しかしながら、予告を実行するタイミングは、遊技の進行に応じて適宜変更可能であり、例えば大当りの可変表示結果が導出表示された後に大当り遊技状態におけるラウンド遊技が開始される前や、図15(E)に示すように特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後などに、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するようにしてもよい。図15(E)に示すように大当り遊技状態の終了後に予告を行う場合には、CPU112が図9に示すステップS151にて予告決定処理(図10及び図11)を実行する必要はなく、例えばステップS155の大当り終了表示処理において実行するようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、可変表示装置4における表示により、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、予告のための演出が可能な任意の遊技機に適用可能である。例えば、音声制御基板の制御下にスピーカ8L、8Rから音声信号を出力させることにより、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するようにしてもよい。また、ランプ制御基板の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる予告用ランプを点灯または点滅させるなどして、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するようにしてもよい。さらに、可変表示装置4における画像表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、予告用ランプの点灯または点滅、さらには可動部材からなる役物の動作のいずれかを組み合わせて、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告するようにしてもよい。
図1に示した装置構成、図2及び図3に示すブロック構成、図4〜図11に示すフローチャート構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。また、図13及び図14に示した表示態様は一例として示したものであり、確変大当りとなる特図ゲームが保留記憶されていることを予告できるものであれば任意に変更されたものでもよい。
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。