JP2005065575A - フレームシャッフリングによるタンパク質分子多様性集団の作製 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きく配列の離れた変異体から構成される人工タンパク質遺伝子ライブラリーを調製するために、あらかじめ3つの翻訳読み枠のストップコドンを排除したDNAに対して、ランダムな翻訳読み枠の乗換え変異を導入し変異体集団を調製することにより、タンパク質分子多様性集団の作製方法を提供すること。
【解決手段】 天然の遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすY−ファミリーDNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼで増幅することにより、ランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を調製し、該遺伝子DNA集団を常法により発現させ、タンパク質分子多様性集団を作製する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フレームシャッフリングによるタンパク質分子多様性集団の作製方法、及びそれに用いられるランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法に関する。
試験管内進化法を用いてタンパク質の機能特化をおこなう場合、まず、タンパク質の変異体集団ライブラリーを調製し、このライブラリー中から狙った機能を持つタンパク質クローンを選択する、といった手順がとられる。変異体集団の調製法としては、error prone PCR法(例えば、非特許文献1参照。)やDNAシャッフリング法(例えば、非特許文献2参照。)が現在よく使われている。
error prone PCRは、親遺伝子を鋳型としてマンガンイオン存在下でPCR増幅をおこなうことにより、親遺伝子にランダムに塩基置換を導入して変異体集団ライブラリーを調製する方法である。error prone PCRで塩基置換変異導入効率を上げた場合に、アミノ酸置換のみならず、アミノ酸をコードするコドンがストップコドンに置換されてしまう確率も高くなってしまうといった問題が存在する。また、このerror prone PCRでは、変異の割合を上昇させるような条件では意図しない欠失変異が起こりやすく(例えば、非特許文献3参照。)、その結果、他の読み枠にコードされているストップコドンが出現してしまう問題点を有している。そのため、error prone PCRは、通常は低い変異導入率、すなわち、遺伝子あたり2から3塩基の置換、アミノ酸として1残基の変異率が導入されるような条件で行われる。
DNAシャッフリング法は、あるタンパク質をコードする遺伝子DNA及び配列相同性をもつ1つ又は複数の類似DNAを用いて、それらを試験管内で相同組み換えさせることにより、比較的幅広い変異をもった変異体集団ライブラリーを調製することができる。しかしながら、DNAシャッフリング法は相同組み換えを基本としているため、配列類似性の低いDNA間でシャッフリングさせることは困難である。
以上のように従来の変異体集団ライブラリー調整法であるerror prone PCR法やDNAシャッフリング法では、得られる変異体集団は出発材料の遺伝子によく似た保守的な集団となり、親株から大きく配列の離れた変異体を得ようとした場合、これらの手法には限界がある。
他方、あらかじめ、各翻訳読み枠の停止コドンを排除した遺伝子DNAの調製方法として、高分子マイクロ遺伝子重合体の作製方法(例えば、特許文献1参照。)、多機能塩基配列およびそれを含む人工遺伝子の作製方法(例えば、特許文献2参照。)、マイクロ遺伝子のランダム重合体作製法(例えば、特許文献3、非特許文献4参照。)が本発明者らにより提案されている。
特許第3415995号公報 特開2001−352990号公報 特開平9−154585号公報 Cadwell R. C., et al. PCR Methods Appl, 2:28-33 1992 Stemmer W. P. C. Nature, 370:389-391 1994 Arnold F. H. et al., Trends Biochem. Sci., 26:100-106, 2001 Shiba K., et al., J. Biochem. 132:689-696, 2002
本発明の課題は、大きく配列の離れた変異体から構成される人工タンパク質遺伝子ライブラリーを調製するために、あらかじめ3つの翻訳読み枠のストップコドンを排除したDNAに対して、ランダムな翻訳読み枠の乗換え変異を導入し変異体集団を調製することにより、タンパク質分子多様性集団の作製方法を提供することにある。
アミノ酸をコードするコドンは3塩基単位で翻訳されるため、1つの遺伝子DNA配列は読み枠をずらすことにより3種のタンパク質をコードすることになる。つまり、ある天然遺伝子は実際には使われていない読み枠を含めて3倍の情報を含んでいると考えることもできる。したがって、翻訳読み枠の乗り換え変異を導入することにより、他の翻訳読み枠の情報を活用でき、その結果、親株と配列の似た変異体集団しか得られないといった従来の問題を回避できることになる。これをフレームシャッフリング法と呼ぶ。
フレームシャッフリング法を行うためには、乗り換え変異を導入する標的DNAの全ての読み枠でストップコドンが出現しないことが望ましい。さもなければ、翻訳読み枠の乗り換え変異を導入しても、短い翻訳産物しか得られないと予想される。
全ての読み枠でストップコドンが出現しないDNAを調製するには、1つには、あるタンパク質配列をコードする天然遺伝子から出発して、遺伝子工学的手法により、タンパク質配列をコードしている以外の読み枠のストップコドンを排除することにより可能となる。
もう1つのより望ましい方法としては、芝らの発明した高分子マイクロ遺伝子重合体の作製手法(特許3415995号、及び、Shiba K., et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94:3805-3810, 1997)を用いることにより、全ての翻訳読み枠のストップコドンが排除された人工遺伝子を準備することができる。この方法は、あらかじめ終止コドンが排除された短いDNA配列(マイクロ遺伝子)をタンデムに重合し大きな翻訳読み枠を調製する方法である。さらに、繰り返しの単位となるマイクロ遺伝子を、芝らの発明した多機能塩基配列設計法(特開2001−352990)を用い、複数の読み枠に複数の機能や構造に対応したペプチドをコードするようにデザインし、その重合体をフレームシャッフリング変異導入出発材料とすることから、潜在能力の高いライブラリーを調製することができる。また、複数の全ての翻訳読み枠のストップコドンが排除されたマイクロ遺伝子を、芝らの発明したマイクロ遺伝子のランダム重合体作製法(特開平9−154585号公報,及びShiba K., et al., J. Biochem. 132:689-696, 2002)を用いて重合させることにより、全ての翻訳読み枠でストップコドンが出現しない大きなDNAを調製することができる。
以上のような方法で調製した全ての読み枠でストップコドンが出現しないDNAを出発材料にして、これにランダムに翻訳読み枠の乗換え変異、すなわちフレームシフト変異を導入することにより、大きく配列の離れた変異体から構成される人工タンパク質遺伝子ライブラリーを調製することができる(図1)。
翻訳読み枠の乗換え変異、すなわちフレームシフト変異を導入するには、化学化合物によるDNA処理、マンガンイオン存在下でのPCR(error prone PCR法)、人工ヌクレオチド誘導体や、誤り率を高くした変異体DNAポリメラーゼを用いたPCRなどが考えられる。しかしながら、これらの従来手法では、塩基置換は効率良くおこるおものの、翻訳読み枠の乗換えを誘導する、塩基の欠失や挿入といったフレームシフト変異は低頻度でしか生じない。十分なフレームシフト変異を導入するために、全体の変異導入効率をあげてしまうと、塩基置換の中から、高頻度に終止コドンの出現がおこるといった問題が生じる問題をもつ。したがって、上述の目的のように、ランダムにフレームシフト変異を効率良く導入する方法には、そのような性質をもつDNAポリメラーゼを用いる必要がある。
Y−ファミリーDNAポリメラーゼ(Y-family DNA polymerase)は、近年注目されているDNAポリメラーゼの一群であり(Ohmori H., et al., Mol. Cell 8:7-8, 2001)、損傷乗り越え複製の能力や、複製反応時の忠実度が低く一塩基の欠失(single nucleotide deletion)を起こしやすいなどの性質が知られている。特に一塩基の欠失はフレームシフト変異そのものであるため、この性質を利用してランダムにフレームシフト変異を導入することが可能となると予想された。遺伝子工学的にこれらの酵素を利用しようと考えた場合、耐熱性に優れ、PCRを行うことができることが報告されている好熱古細菌Sulforobus solfataricus P2のY−ファミリーDNAポリメラーゼ(Boudsocq, F., et al. Nucleic Acid Res. 29, 4607, 2001)が有用である。また、この酵素は鋳型のDNAに損傷塩基が含まれていた場合、その部分を欠失した複製産物が高い割合で得られることが分かっており、この性質を利用してフレームシフト変異の導入率を制御できると考えられる。また、単純に複製反応自体の回数を増やすことによってもフレームシフト変異の導入率の制御が可能である。
各翻訳読み枠のストップコドンが排除されている人工遺伝子pYT320をマイクロ遺伝子重合法で調製し、これを鋳型としてY−ファミリーDNAポリメラーゼによるPCR反応を行い、フレームシフト変異体集団の作成を試みた。その結果、pYT320に対する変異の導入効率は、塩基置換率1.86%、フレームシフト変異率0.55%であり、クローンあたり平均1回以上のフレームシフト変異の導入を行うことができた。
同じくpYT320を鋳型として従来のerror prone PCR法で変異導入をおこなってみると、33サイクルの変異導入ではフレームシフト変異率0.09%にすぎなかった。Y−ファミリーDNAポリメラーゼで得られたフレームシフト変異率0.55%に近い効率(0.44%)を得るためには99サイクルのerror prone PCRが必要であったが、この条件では塩基置換変異率が7.31%と跳ね上がってしまい、終止コドンが頻発するためにライブラリーの多くのクローンは短いタンパク質しかコードしないといった重大な問題がおこってしまう。
以上のように、Y−ファミリーDNAポリメラーゼを利用することにより、塩基置換変異を抑えながら、フレームシフト変異を導入することが可能となった。
フレームシャッフリング法で得られた変異体遺伝子から大腸菌内でのタンパク質の発現を試みたところ、フレームシフトが導入された変異体遺伝子12種のうち、5種の発現を確認した。
次いで、得られた変異体タンパク質を精製し、その物理化学的な性質を解析した。変異体タンパク質のストークス半径は、変異導入により13.5Åから53.8Åまで変化することが確認され、これら変異体タンパク質の動的光散乱測定では変異導入により単分散から多分散へと変化することが確認された。沈降平衡法による超遠心分析で、変異導入によるタンパク質の平均分子量の変化、すなわちサブユニットの会合状態の変化が確認された。変異体タンパク質の二次構造含量を円偏光二色性スペクトルにより確認したところ、そのαヘリックスの量は0%から55.8%と変異体タンパク質により大きく異なっていた。また、いくつかの変異体タンパク質の二次構造の熱及び変性剤濃度に対する安定性は、それぞれ異なっていた。
このように、ランダムにフレームシフト変異を遺伝子に導入することにより、その翻訳産物である変異タンパク質の諸性質が大きく変化することが示された。すなわち、従来のerror prone PCRなどによる変異体集団の作成法では得られなかった、多様な物理化学的性質を持つ変異体集団が得られることが明らかとなった。本発明は、以上の知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅することにより、ランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を調製し、該遺伝子DNA集団を発現させることを特徴とするタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項1)や、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼが、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項1記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項2)や、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼが、Y−ファミリーDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項2記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項3)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させてポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項4)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、所定の機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列のすべての組合せの中から、前記所定の機能を有するアミノ酸配列の読み枠とは異なる読み枠において、前記所定の機能と同一又は異なる機能を有する塩基配列を選択することにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項5)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、マイクロ遺伝子断片の一端に特定のDNA配列「A」、他端に特定のDNA配列「B」を付加し、DNA配列「A」及び「B」にそれぞれ相補的な配列を少なくとも一部含むDNA配列「a」及び「b」を調製し、該DNA配列「a」と「b」とが連結した一本鎖DNAを用いて該マイクロ遺伝子のリガーゼ反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法(請求項6)に関する。
また本発明は、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅することを特徴とするランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項7)や、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼが、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項7記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項8)や、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼが、Y−ファミリーDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項8記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項9)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させてポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項10)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、所定の機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列のすべての組合せの中から、前記所定の機能を有するアミノ酸配列の読み枠とは異なる読み枠において、前記所定の機能と同一又は異なる機能を有する塩基配列を選択することにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項11)や、遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、マイクロ遺伝子断片の一端に特定のDNA配列「A」、他端に特定のDNA配列「B」を付加し、DNA配列「A」及び「B」にそれぞれ相補的な配列を少なくとも一部含むDNA配列「a」及び「b」を調製し、該DNA配列「a」と「b」とが連結した一本鎖DNAを用いて該マイクロ遺伝子のリガーゼ反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法(請求項12)に関する。
本発明のタンパク質分子多様性集団の作製方法によると、異なる翻訳読み枠に途中からアミノ酸配列が入れ代わるため、既知の方法と比べ多くの連続したアミノ酸置換変異を導入することが可能となり、また、あらかじめ各翻訳読み枠で停止コドンを排除してあるため、フレームシフト変異により途中で翻訳が止まってしまう可能性も低く、さらに、Y−ファミリーDNAポリメラーゼによる複製反応を複数回繰り返すことにより、より多くのフレームシフトを導入することが可能となる。したがって、本発明によると、大きく配列の離れた変異体から構成される人工タンパク質遺伝子ライブラリーを調製するために、あらかじめ3つの翻訳読み枠のストップコドンを排除したDNAに対して、ランダムな翻訳読み枠の乗換え変異を導入し変異体集団を調製することにより、タンパク質分子多様性集団を得ることができる。
本発明のタンパク質分子多様性集団の作製方法としては、天然の遺伝子等の遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅することにより、ランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を調製し、該遺伝子DNA集団を発現させる方法であれば特に制限されるものではなく、また、かかるタンパク質分子多様性集団の作製に用いられる本発明のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法としては、天然の遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅する方法であれば特に制限されるものではない。
上記複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼとしては、複製時に高頻度に塩基の欠失、置換、付加等の変異を起こすDNAポリメラーゼであれば特に制限されないが、中でもDNAポリメラーゼ複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼを好適に例示することができる。具体的には、DNAポリメラーゼ複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼとして、Sulforobus solfataricus P1のY−ファミリーDNAポリメラーゼ(polY1)、Sulforobus solfataricus P2のY−ファミリーDNAポリメラーゼ(polY1又はDpo4)、大腸菌のUmuC、大腸菌のDinB、DNAポリメラーゼη、DNAポリメラーゼι、DNAポリメラーゼκ、Rev30等を、その他の塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼとして、Mutazyme DNAポリメラーゼ(ストラタジーン社、La Jolla)、大腸菌のDNAポリメラーゼ(polA)変異体(Camps, M., et al., PNAS 100:9727-9732, 2003)等を例示することができる。
また、上記の天然の遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列の調製方法は特に制限されないが、例えば、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させてポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより調製する、前記特許文献1に詳述されている方法や、所定の機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列のすべての組合せの中から、前記所定の機能を有するアミノ酸配列の読み枠とは異なる読み枠において、前記所定の機能と同一又は異なる機能を有する塩基配列を選択する、前記特許文献2に詳述されている方法や、マイクロ遺伝子断片の一端に特定のDNA配列「A」、他端に特定のDNA配列「B」を付加し、DNA配列「A」及び「B」にそれぞれ相補的な配列を少なくとも一部含むDNA配列「a」及び「b」を調製し、該DNA配列「a」と「b」とが連結した一本鎖DNAを用いて該マイクロ遺伝子のリガーゼ反応を行う、前記特許文献3に詳述されている方法などを有利に挙げることができる。
また、上記のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を発現させる方法としては、遺伝子DNAを発現させる公知の方法であればどのような方法でもよい。例えば、発現系としては、遺伝子DNAを宿主細胞内で発現させることができる発現系であればどのようなものでもよく、染色体、エピソーム及びウイルスに由来する発現系、例えば、細菌プラスミド由来、酵母プラスミド由来、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス由来のベクター、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来及びこれらの組合せに由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものを挙げることができる。これら発現系は、発現を起こさせるだけでなく、発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
上記宿主細胞としては、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス等の細菌原核細胞や、酵母、アスペルギルス等の真核細胞や、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9等の昆虫細胞や、L細胞、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、BALB/c3T3細胞(ジヒドロ葉酸レダクターゼやチミジンキナーゼなどを欠損した変異株を含む)、BHK21細胞、HEK293細胞、Bowesメラノーマ細胞、卵母細胞等の動物細胞や植物細胞などを挙げることができ、また、遺伝子DNAが組み込まれた発現系の宿主細胞への導入は、Davisら(BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY, 1986)及びSambrookら(MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スクレープローディング (scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduction)、感染等により行うことができる。
本発明のタンパク質分子多様性集団は、マーカータンパク質やペプチドタグと結合させておくこともできる。マーカータンパク質としては、従来知られているマーカータンパク質であれば特に制限されるものではなく、例えば、アルカリフォスファターゼ、抗体のFc領域、HRP、GFPなどを具体的に挙げることができ、また本発明におけるペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。かかる融合タンパク質は、常法により作製することができる。
かかるタンパク質分子多様性集団を細胞培養物から回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法、好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが用いられる。特に、アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、例えば、上記タンパク質分子多様性集団に対するモノクローナル抗体等の抗体を結合させたカラムや、上記タンパク質分子多様性集団にHisタグ等のペプチドタグを付加した場合は、このペプチドタグに親和性のあるNi−NTA等の物質を結合したカラムを用いることにより、これらのタンパク質分子多様性集団を得ることができる。
本発明の遺伝子DNA配列を調製タンパク質分子多様性集団は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、天然の遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した直鎖状の鋳型DNAを調製する。この直鎖状の鋳型DNAを、Sulfolobus solfataricus P2のY−ファミリーDNAポリメラーゼであるDpo4遺伝子等の複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼを、プロモーターを含む発現用プラスミドに組み込み、これを大腸菌等の宿主で発現させた後に精製した、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼを用いたPCRにより増幅し、ランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団をクローニングする。次に、クローニングしたランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を常法により大腸菌等の宿主で発現させ、精製することにより得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(Dpo4遺伝子の発現)
Sulfolobus solfataricus P2のY−ファミリーDNAポリメラーゼであるDpo4遺伝子がT7プロモーターを含む発現用プラスミドpET22b(+)(ノバジェン, Madison)に組み込まれているプラスミドp1914(Boudsocq, F., et al. Nucleic Acid Res. 29, 4607, 2001)を含む大腸菌Rosetta(DE3)pLysS (ノバジェン)を50μg/mlカルベニシリン(シグマ社, St. Louis)と25μg/mlクロラムフェニコール(シグマ)を含むLB培地(MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989)5mlで37℃、16時間以上培養した。その後、培養液を50mLポリプロピレン製遠心管(旭テクノグラス,千葉)に移し、低速遠心機H−3R(コクサン,東京)で3000rpmで15分遠心して菌体を沈殿させた後に上清を除き、同量の同じ抗生物質を含む培地に再び懸濁した。この大腸菌懸濁液を300ml枝付きフラスコ中の同じ抗生物質を含む100mLの培地に1ml接種して37℃で約4時間培養し、大腸菌の増殖の度合いを比色計(タイテック社,東京)で660nmの吸光度の経時変化により確認し、OD660=0.4に達してから、イソプロピル−β−D−チオーガラクトピラノシド(以下IPTG、タカラバイオ、滋賀)を終濃度1mMになるように添加し、さらに3時間培養した。その後、培養液を低速遠心機と50mlポリプロピレン製遠心管で3000rpm,15分で回収し、−80℃で保存した。
(Dpo4の精製)
保存した組換えタンパク質の発現を誘導した大腸菌を、氷上で解凍し、カラムバッファー(20mM HEPES(シグマ)pH7.0,75mM 塩化ナトリウム(和光純約工業、東京),0.1mM エチレンジアミン四酢酸(以下EDTA、和光純約工業),1mM ジチオトレイトール(シグマ),1mM フェニルメチルスルホニルフルオリド(以下PMSF、シグマ),)2mLに懸濁した後に、超音波装置用スピッツチューブ(AS−1000、東湘電気)に入れ、超音波細胞粉砕装置(Biorupter、コスモバイオ、東京)を用いて、出力200Wで50秒間隔をおいて10秒照射し、これを5回繰り返して菌体を破砕した。破砕した菌体を1.5mlエッペンドルフ管に移し、微量高速遠心機(MRX-150およびTMA IIローター、トミー社、東京)で15000rpm、10分間遠心して不溶性画分を除き、上清を得た。この上清を再び別のエッペンドルフ管に移し、ヒートブロック ALB−120(旭テクノグラス)で55℃に10分間加熱し、夾雑タンパク質を凝集させ、再び微量遠心機で15000rpmで10分間遠心することにより、組換えタンパク質を含む粗分画液を得た。得られた粗分画液をHi−Load−S 16/10 カラム(ファルマシアバイオテック社, Uppsala)及びFPLCシステム(ファルマシアバイオテック)により精製した。流速2.5ml/分で粗抽出液約2mlをカラムに通じた後に、同じ流速で100mLの50mM 塩化ナトリウムを含むカラムバッファーでカラムを洗浄し、その後流速5ml/分で塩化ナトリウム濃度を1000mMまで線形に変化させて、組換えタンパク質を溶出した。溶出液を8mlずつ分取し、その各分画の一部をマルチゲル15/25(第一化学 東京)と電気泳動槽「第一」(第一科学)、及び電気泳動用電源装置AE−8450(アトー,東京)を用いたSDS−PAGEにより分離後、ゲルをCBB染色(Phast gel blue-R, ファルマシアバイオテック)することにより溶出されたタンパク質を検出し、組換えタンパク質Dpo4が含まれている分画を集め、CENTRIPREP10(アミコン, Beverly)で3mg/mlのタンパク質濃度まで濃縮し、−20℃で保存した。
(鋳型の調製)
pYT320(配列番号1)及びpYT288(配列番号2)を鋳型としたPCRにより直鎖状の鋳型DNAを調製した。pYT320及びpYT288は、あらかじめ各翻訳読み枠の停止コドンを排除したマイクロ遺伝子をもとに、マイクロ遺伝子重合法(特許3415995号公報参照)により人工的に作製した遺伝子配列を含むプラスミドである(Shiba K., et al. J. Mol. Biol. 320:833, 2002)。pYT320又はpYT288のプラスミドDNA2ngを含む、PCR反応液を調製した。この反応液には、10mM2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール塩酸塩(以下トリス塩酸)pH8.3,50mM塩化カリウム,1.5mM塩化マグネシウム,50nMdNTPs,3.5units High Fiderity Taq DNA polymerase(ロシュ ダイアグノスティックス社, Basel)及びプライマーKY1087(配列番号3:5'-GGA TAA CAA TTC CCC TCT AGA AAT-3'),KY1086(配列番号4:5'-TTG CTC AGC GGT GGC AGC AGC CAA-3')が各々300pmol含まれる。この反応液を200μL thin wall PCRチューブ(東洋紡績,大阪)に入れ、サーマルサイクラーPCR-2400(パーキンエルマー, Norwalk)による温度サイクル(94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒を30回)により反応を行った。増幅したDNAを1.0%TAEアガロースゲル(アガロースME 岩井化学 東京)、及びMupid II 電機泳動装置(コスモ・バイオ 東京)を用いて100V,30分の電気泳動で分離し、目的の大きさのバンドをゲルより切り出した後に、GeneClean II kit(キューバイオジーン, Carlsbad)により精製した。得られたDNAを再びTAEアガロースで電気泳動し、バンドをエチジウムブロミド(シグマ)で染色し、その蛍光強度を濃度既知のDNAと比較することにより、その濃度を決定した。
(Y-polymeraseによるPCR)
40mMトリス塩酸(pH8.0),5mM塩化マグネシウム,10mMジチオトレイトール,60mM塩化カリウム,1Mベタイン(シグマ),480nM dNTPs,480nmolのプライマーKY1087及びKY1086、並びに実施例3で調製した鋳型pYT320及びpYT288のDNA各10ngを含む反応溶液をそれぞれ調製した。サーマルサイクラーで99.9℃で5分加熱し、その後90℃に温度を下げ、実施例2で調製した精製済みのDpo4を1.5μg添加した。その後、温度サイクル90℃で30秒,55℃で20秒,65℃で3分を30回繰り返した後に4℃に温度を下げ、反応を終了した。反応産物の10μLをTAE−アガロースゲルに泳動し、増幅の確認をした(図2)。
(クローニング)
上記の各PCR反応産物40μLを1.0%TAEアガロースゲルで分離し、特異的に増幅したバンドをゲルから切り出し、GeneCleanII kitにより精製した。精製DNAを鋳型として、内側のプライマーKY837(配列番号5:5'-AAT TTT GTT TAA CTT TAA GAA GGA GA-3'),KY836(配列番号6:5'-TCA GCT TCC TTT CGG GCT TTG TTA-3')を用いてPCR反応を行った。その他の反応条件等は上記実施例3と同様に行った。各反応産物を同様にアガロースゲル電気泳動とDNA精製キットにより精製し、その後、制限酵素Sal I及びSpe I(ニューイングランドバイオラブス, Beverly)で切断し、同酵素で切断済みのベクターpKS600(配列番号7)へとライゲーションした。pKS600は市販の大腸菌発現用のプラスミドpQE9(キアゲン, Hilden)のマルチプルクローニングサイトを改変したものであり、前述の制限酵素サイトを含んでいる。そのライゲーション反応液を大腸菌XL1-blue(ストラタジーン, La Jolla)に形質転換し、インサートを含む20クローンを選択し、そのプラスミドをQIAGEN mini kit(キアゲン)により精製し、DTCS cycle sequence reaction kit(ベックマン)を用いたダイターミネイト法によりキャピラリーシーケンサーCEQ2000XL DNA analyzer(ベックマン)で配列を決定した。
(変異導入の解析)
Y-family DNA polymeraseによりpYT320の遺伝子をコードする領域を増幅し、それを元にしたライブラリーからランダムにピックアップした20クローンのSal IサイトからSpe IサイトまでのDNA配列を決定した結果、2つのクローン(pKK106−12とpKK106−19)を除く全てのクローンに変異が導入されていることを確認した(配列番号8〜27;pKK106−1〜pKK106−20)。これら20クローンの塩基置換率は1.86%、フレームシフト変異率は0.55%であった。
従来用いられているミュータジェネシスPCR(Bartel D. P., et al. Science 261:1411-8, 1993)によるpYT320の同じ領域に対して変異導入の割合を確認したところ、33サイクルの反応では塩基置換率は2.14%、フレームシフト変異率は0.09%であり、99サイクルの反応では塩基置換率は7.31%、フレームシフト変異率は0.44%であった(表1)。これらと比較して、Y-family DNA polymeraseを用いたPCRは従来のミュータジェネシスPCRよりもストップコドンの出現を引き起こす塩基置換変異の割合が低く、フレームシフト変異の導入効率が高いことが明らかとなった。
Figure 2005065575
そして、Y-family DNA polymeraseにより得られた変異体20クローン中12クローンにフレームシフト変異が導入されていた。それらの内、遺伝子の途中で停止コドンが生じたクローンは6クローンで、14クローンは全長が翻訳されるようになっていた(図3)。
また、Y-family DNA polymeraseによりpYT288の遺伝子をコードする領域を増幅し、それを元にしたライブラリーからランダムにピックアップした20クローンのSal IサイトからSpe IサイトまでのDNA配列を決定した結果、1つのクローン(pKK105−3)を除く全てのクローンに変異が導入されていることを確認した(配列番号28〜47;pKK105−1,pKK105−3〜pKK105−10,pKK105−12〜pKK105−22)。解析した20クローン中の4クローンは約30〜40アミノ酸残基分の欠失を含んでいた。これら4クローンを除く16クローンの塩基置換率は1.60%、フレームシフト変異率は0.47%であった。20クローン中17クローンにフレームシフト変異が導入されていた。それら17クローンの内、遺伝子の途中で停止コドンが生じたクローンは5クローンで、欠失を含まない残りの12クローンは全長が翻訳されるようになっていた(図4)。これらの配列を翻訳することにより得られると予想されるアミノ酸配列は、鋳型としたクローンと異なる翻訳読み枠が出現している(図3及び図4)(配列番号48〜67;106−1〜106−20、及び68〜87;105−1,105−3〜105−10,105−12〜105−22)。
(変異体タンパク質の発現)
各変異体タンパク質をコードするプラスミドを含む大腸菌XL1-Blueを50μg/mLのカルベニシリンと1%のグルコースを含むLB培地1mLに接種し、37℃で16時間培養した。得られた一晩培養液60μLを1.5mLエッペンドルフ管に移し、微量高速遠心機で10000rpmで1分間遠心して上清を除き、菌体を同濃度のカルベニシリンとグルコースを含むLB培地6mLに懸濁し、あらかじめ滅菌しておいた直径18mmのパイレックスガラス製試験管(旭テクノグラス)に入れ、37℃にて150rpmで振盪培養した。比色計でOD660の吸光度の経時変化を測定し、約3時間後にOD660が0.3に達したのを確認してから、終濃度1mMになるようにIPTGを添加し、さらに2時間培養した。その後、変異体タンパク質を発現した大腸菌を含む培養液100μLを1.5mLエッペンドルフ管に移し、微量高速遠心機で10000rpmで1分間遠心して上清を除き、100μLのSDS−PAGEサンプルバッファー(125mM トリス塩酸pH6.8,5% β−メルカプトエタノール,2%ラウリル硫酸ナトリウム,5%スクロース,0.01% ブロモフェノールブルー)に菌体を溶解し、ヒートブロックで95℃に5分間加熱した後にSDS−PAGEによりタンパク質を分離し、CBB染色によりタンパク質を検出した。得られた泳動像(図5)により、フレームシフト変異体(106−3,106−8,106−10,106−11,106−13及び105−4,105−7,105−8,105−9,105−10,105−12,105−13,105−17,105−19,105−22)の発現を確認した。
(変異体タンパク質の精製)
pYT320由来の変異体タンパク質である106−3,106−8,106−10,106−11,106−13、及び変異を含まない106−12をコードするプラスミドを含む大腸菌XL1-Blueを50μg/mLのカルベニシリンと1%のグルコースを含むLB培地25mLに接種し、37℃で16時間振盪培養した。得られた一晩培養液を50mL遠心管に移し、低速遠心機で3000rpmで15分間遠心して上清を除き、菌体を同濃度のカルベニシリンとグルコースを含むLB培500mLに懸濁し、あらかじめ滅菌しておいた羽根つき3Lフラスコに入れ、37℃にて100rpmで振盪培養した。比色計でOD660の吸光度の経時変化を測定し、約3時間後にOD660が0.3に達したのを確認してから、終濃度1mMになるようにIPTGを添加し、さらに3〜4時間培養した。その後、変異体タンパク質を発現した大腸菌を含む培養液を250mL遠心管(ベックマン)に移し、ベックマン遠心機(HP301, JA-14 rotor, ベックマン)で3000gで15分間遠心して上清を除き、菌体を50mL遠心管に移して−80℃で保存した。
組換えタンパク質は、ヒスチジンタグを利用して、変性条件下で精製を行った。まず、保存した大腸菌を溶解バッファー(50mMリン酸ナトリウム,10mMトリス塩酸pH8.0,6M塩酸グアニジン(ナカライテスク),100mM塩化ナトリウム,1mM PMSF)40mLに懸濁し、37℃で1時間穏やかに振盪することにより菌体を溶解した。その後、ベックマン遠心機(JA−12ローター)で7000g,30分遠心分離し、上清を別のチューブに移した。これに、あらかじめ溶解バッファーへと置換したTALON レジン(クロンテック)の50%懸濁液4mLを加え、マイルドミキサー(PR12,タイテック)を用いて一時間室温で穏やかに撹拌し、その後、低速遠心機にて700gで5分間遠心してから、上清を除きレジンを回収した。続いて、20mLの溶解バッファーに再度レジンを懸濁し、同様に撹拌と遠心分離によりレジンを回収し、2mLの溶解バッファーにレジンを懸濁して、ムロマックカラム(Mサイズ、室町化学工業、東京)にレジンを移し、溶解バッファーを下から滴下して除いた。次いで、6mLの洗浄バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH7.0,8M尿素(ナカライテスク),100mM塩化ナトリウム,15mMイミダゾール(和光純薬工業))によりレジンを洗浄し、8mLの溶出バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH5.0,20mM MES(和光純薬工業),8M尿素,100mM塩化ナトリウム,250mMイミダゾール)によりタンパク質をレジンから解離させ、溶出した。溶出液を1mLずつ分取し、SDS−PAGEによりタンパク質を多く含む分画を確認し、その3mLをSlide-A-Lyzer透析カセット(分画分子量10,000,PEBIO,Rockford)を用いて、50mMトリス酢酸pH4.0,100mM塩化ナトリウム,1mM EDTAを含むバッファー500mLに対して透析して尿素を除き、CENTRIPREP10(アミコン)により濃縮して、−20℃で保存した。
(ゲルろ過クロマトグラフィーによる分子量の測定)
得られた変異体タンパク質のストークス半径をゲルろ過クロマトグラフィーにより測定した。まず、各タンパク質サンプルを200μg/mLに希釈し、そのサンプルを微量透析装置(Bio-Tech, 第一化学)及びサンプルカップ(分画分子量8000, 第一化学)を用いて50mM NaH2PO4 pH7.5,150mM塩化ナトリウム,6M 塩酸グアニジンを含むバッファーに対して透析することにより完全に変性させた。次に、その一部を1Mグアニジンを含む同バッファーに対して透析を行った。ゲルろ過クロマトグラフィーはSuperose 12カラム(ファルマシア)及びFPLCシステムと亜鉛ランプを用いて行った。分子量スタンダードとして、アルブミン、オブアルブミン、キモトリプシノーゲン及びリボヌクレアーゼA(いずれもファルマシア)を用いて、6Mグアニジン及び1Mグアニジン存在下での変異体タンパク質のストークス半径を求めた(表2)。1Mグアニジンで二本のピークが溶出されたものは、各々に対応するストークス半径の値を示している。これらの結果より、フレームシフト変異の導入により、変異体タンパク質のストークス半径が多様に変化することが示された。
Figure 2005065575
(CDスペクトルの測定)
変異体タンパク質の2次構造の含量をCDスペクトルにより求めた。まず、各変異体タンパク質を終濃度が5μMになるように、pH8.0,6.0,4.0,2.0の10mM リン酸に対して透析し、その後1.5mlのエッペンドルフ管に移し高速微量遠心機で15000rpmで5分間遠心することにより、凝集したタンパク質を除いた。続いて、調製したタンパク質溶液500μLをセル長2mmの石英セルに入れ、円偏光二色性スペクトル測定器(J−820,日本分光,東京)、及びペルチェ式ミクロセル装置(PMH−428L,日本分光)により、5℃でのCDスペクトルを測定した(図6)。変異体タンパク質106−11はpH8のとき、リン酸バッファー中で強く凝集したため、そのpHでは測定不能であった。得られたスペクトルを2次構造解析プログラム(日本分光)により解析した結果、(表3)に示す割合で2次構造を含んでいることが示された。この結果より、フレームシフト変異の導入により、二次構造含量が変化することが判明した。
Figure 2005065575
次いで、106−12,106−8,106−10について、温度に対する2次構造の安定性を調べるため、温度を5℃から95℃まで毎分1℃の速度で変化させて、222nmのCD値の変化を測定した(図7)。その結果、各タンパク質の温度に対するCDスペクトル変化から、折り畳み中間体が存在せず、折り畳み状態及び変性状態の二状態のみの変化を仮定した場合のTmは83.10℃、65.46℃、34.13℃であった。このようにフレームシフト変異により大きく熱安定性が変化することが示された。
また、106−12,106−8,106−10について、10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)中で変性剤である塩酸グアニジン濃度を0Mから6Mまで変化させた時の222nmにおけるCD値の変化を観察した(図8)。温度変化の場合と同様に、折り畳み中間体が存在せず、折り畳み状態及び変性状態の二状態のみの変化を仮定した場合の状態変化の中間点の塩酸グアニジン濃度(Cm)はそれぞれ2.5M,1.1M,2.0Mであったが、変性に伴う自由エネルギー変化(ΔGH2O)を計算したところ、2.2kcal/mol,1.9kcal/mol,1.3kcal/molであった。このように、塩酸グアニジンに対する安定性や変性に伴う自由エネルギー変化はフレームシフト変異の導入により、多様に変化することが判明した。
(動的光散乱測定)
各タンパク質の流体半径を動的光散乱により測定した。まず、各タンパク質の終濃度が2mg/mLになるように希釈し、50mMリン酸、150mM塩化ナトリウムを含むバッファーに対して透析した。その結果、106−12,106−8以外のタンパク質は沈殿したため、50mMトリス酢酸,100mM塩化ナトリウム,1mM EDTAのバッファー中で測定を行った。動的光散乱測定装置Dynapro-MS800(プロテインソリューションズ社、Charlottesville)により流体半径を測定した(表4)。その結果、変異導入前の106−12及び106−8は単分散を示したが、その他の変異体タンパク質は多分散を示し、様々な会合状態をとっていることが示された。
Figure 2005065575
(超遠心分析)
沈降平衡法による超遠心分析により106−12,106−8の平均分子量を測定した。まず、各タンパク質を20mMリン酸、200mM塩化ナトリウムに対して透析し、106−12は0.25,0.5,1mg/mL,106−8は0.025,0.05,0.1mg/mLの溶液各々120μLを調製し、6穴チャコール充填エポキシ樹脂製センターピース(ベックマン)と、バックグラウンド補正用のタンパク質を含まないバッファーを各ウェルに入れ、石英ガラス製のウィンドウを用いてセルを組み立てた。セルをAn-Ti60ローター(ベックマン)へと組み込み、超遠心分析器XL−1(ベックマン)により280nmの吸光度を半径方向に対して走査し、20℃、25000rpmで約20時間遠心することにより平衡に達した際の半径方向に対する吸光度を記録し、装置付属の計算機により単量体とした時の分子量を求めた。その結果、106−12では58232、106−8では64343の値が得られた。従って、動的光散乱測定において、単分散を示した変異体タンパク質でも、フレームシフト変異の導入によりタンパク質の会合状態が変化することが判明した。
本発明の概略を示す図である。 Y-family DNA polymeraseによるPCRの結果を、1%アガロースゲルで泳動後の写真として示す図である。上端に用いた鋳型の種類を示す。 本発明の各変異体クローンの予想される翻訳産物の配列を示す図である。 本発明の各変異体クローンの予想される翻訳産物の配列を示す図である。 本発明の各変異体クローンの大腸菌での発現を示す図である。発現誘導後の大腸菌培養液に含まれる総タンパク質をPAGゲル15/25(第一化学薬品)で分離。マーカーはタンパク質マーカー「第一」3(第一化学薬品)で、上からそれぞれ99、66、42、30、20、14kDa。各変異体の番号はゲルの上端に示した。 本発明の各変異体タンパク質のCDスペクトルを示す図である。得られた円二色性値は残基平均モル楕円率としてグラフに表した。 本発明の5℃から95℃の温度に対する各タンパク質の222nmのCD値の変化を示す図である。各タンパク質で異なるCD値を示すため、5℃のときを0、95℃のときを1として規格化して表示した。 本発明の塩酸グアニジン濃度を0Mから6Mまで変化させたときの、各タンパク質の222nmのCD値の変化を示す図である。各タンパク質で異なるCD値を示すため、0Mのときを0、6Mのときを1として規格化して表示した。

Claims (12)

  1. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅することにより、ランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団を調製し、該遺伝子DNA集団を発現させることを特徴とするタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  2. 複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼが、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項1記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  3. 複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼが、Y−ファミリーDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項2記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  4. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させてポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  5. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、所定の機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列のすべての組合せの中から、前記所定の機能を有するアミノ酸配列の読み枠とは異なる読み枠において、前記所定の機能と同一又は異なる機能を有する塩基配列を選択することにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  6. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、マイクロ遺伝子断片の一端に特定のDNA配列「A」、他端に特定のDNA配列「B」を付加し、DNA配列「A」及び「B」にそれぞれ相補的な配列を少なくとも一部含むDNA配列「a」及び「b」を調製し、該DNA配列「a」と「b」とが連結した一本鎖DNAを用いて該マイクロ遺伝子のリガーゼ反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のタンパク質分子多様性集団の作製方法。
  7. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を調製し、該遺伝子DNA配列を、複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼで増幅することを特徴とするランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
  8. 複製時に高頻度に塩基の変異を起こすDNAポリメラーゼが、複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項7記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
  9. 複製時に高頻度に塩基の欠失を起こすDNAポリメラーゼが、Y−ファミリーDNAポリメラーゼであることを特徴とする請求項8記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
  10. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、少なくとも一部の配列が互いに相補しているオリゴヌクレオチドA及びオリゴヌクレオチドBに、DNAポリメラーゼを作用させてポリメラーゼ連鎖反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
  11. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、所定の機能を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列のすべての組合せの中から、前記所定の機能を有するアミノ酸配列の読み枠とは異なる読み枠において、前記所定の機能と同一又は異なる機能を有する塩基配列を選択することにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
  12. 遺伝子DNA配列の3種類の翻訳読み枠から、あらかじめ停止コドンを排除した遺伝子DNA配列を、マイクロ遺伝子断片の一端に特定のDNA配列「A」、他端に特定のDNA配列「B」を付加し、DNA配列「A」及び「B」にそれぞれ相補的な配列を少なくとも一部含むDNA配列「a」及び「b」を調製し、該DNA配列「a」と「b」とが連結した一本鎖DNAを用いて該マイクロ遺伝子のリガーゼ反応を行うことにより調製することを特徴とする請求項7〜9のいずれか記載のランダムにフレームシフトが導入された遺伝子DNA集団の調製方法。
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