JP2005064283A - 絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性の高い絶縁ゲート型半導体素子を提供する。
【解決手段】 絶縁ゲート型半導体素子のゲート電極19は、ゲート接続電極に接続されたゲートバスライン23に接続され、これから帯状に延伸している。また、ゲート電極19は、ポリシリコン膜21と、シリサイド膜22と、から構成されている。ゲート電極19のシリサイド膜22の延伸方向の幅は、ゲートバスライン23からの距離が大きいほど次第に大きくなるように形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ等の絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法に関する。
MOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の絶縁ゲート型半導体素子のゲートは、多結晶シリコン(ポリシリコン)や金属から構成されている。
従来、ゲート電極配線には、ポリシリコンが用いられてきた。しかし、ポリシリコンは耐熱性に優れる、チャネル長を良好に制御できるなど加工しやすいという利点があるものの、金属と比べて抵抗率が高い。このため、近年、高速化の要求から、ポリシリコンよりも一桁抵抗率の低い金属シリサイドが用いられるようになっている。
また、さらに、シリサイド膜を直接ゲート酸化膜上に形成した場合の、シリサイド膜中の不純物がデバイス中に拡散しやすい、シリサイド膜形成(スパッタリング、熱アニール)の際に素子が劣化しやすい等の問題を解決するため、ポリシリコン膜上にシリサイド膜を形成するポリサイドゲートが開発されている(特許文献1参照)。
特公平6−66330号公報
従来の、ポリサイド構造を有する絶縁ゲート型半導体素子、特に、MOSFET110の断面構成を図14に示す。また、図15に、そのゲート構造の平面図を示す。
MOSFET110は、図14に示すように、ドレイン領域111と、ベース領域112と、ソース領域113と、ドリフト領域114と、を備えた半導体基板115を含んで構成される。
ドリフト領域114は、N型のシリコン半導体領域から構成されている。ドリフト領域114は、半導体基板115の一面を構成する。ドレイン領域111は、N型のドリフト領域114の一面上に形成され、半導体基板115の他面を構成する。ドレイン領域111は、ドリフト領域114よりも高い不純物濃度を有する。半導体基板115の他面を構成するドレイン領域111の上には、ドレイン電極116が形成されている。
ベース領域112は、ドリフト領域114の表面領域に形成された、P型の半導体領域から構成される。
ソース領域113は、ベース領域112の表面領域に形成された、不純物濃度がドリフト領域114よりも高いN型の半導体領域から構成される。ソース領域113は、ベース領域112の両側に2つ所定間隔をおいて形成されている。
ソース領域113の表面領域上には、ソース電極117が設けられており、これらは互いに電気的に接続されている。
ドリフト領域114とソース領域113とに挟まれたベース領域112の上方には、ゲート絶縁膜118を介して、ゲート電極119が設けられている。ゲート電極119は、ソース電極117と層間絶縁膜120によって電気的に絶縁されている。
ゲート電極119は、多結晶シリコン膜(ポリシリコン膜)121と、シリサイド膜122と、から構成され、いわゆるポリサイドゲートを構成している。
ポリシリコン膜121は、ゲート絶縁膜118上に形成され、シリサイド膜122は、ポリシリコン膜121の上に形成されている。シリサイド膜122は、ポリシリコン膜121に、タングステン等の高融点金属をスパッタリングし、その後熱アニール(シリサイド化)を施すことによって形成される。
図15の平面図を参照して、ゲート電極119は、略長方形の半導体基板115の一辺に略平行な帯状に設けられている。ゲート電極119は、所定間隔をおいて多数が略平行に配置されている。図示しないが、ベース領域112およびソース領域113は、ゲート電極119に沿って、半導体基板115に形成されており、ベース領域112の各列が単位素子領域(セル)を構成している。
ポリサイド構造を有するゲート電極119を平面的に見ると、図16の拡大図に示すように、一定幅の帯状のポリシリコン膜121の内側に、これに沿って一定幅のシリサイド膜122がポリシリコン膜121と同じ長さで延伸している。
図15に戻り、ゲート電極119の両端または一端は、ゲートバスライン123に電気的に接続されている。ゲートバスライン123は、コの字形状の開環状に、ほぼ半導体基板115の外周縁に沿って形成されている。ゲートバスライン123は、ゲート接続電極(ゲートボンディングパッド)124と電気的に接続している。
ゲート接続電極124は外部端子(図示せず)に接続され、これにゲート電圧が供給されると、ゲートバスライン123を介して、ゲート電極119にゲート電圧が伝達される。ポリサイドゲートを採用していることにより、ポリシリコンと比較して、より高速なゲート電圧伝達速度が、ポリシリコンの良好な加工性を生かしつつ実現されている。
ところで、図15に示すような、ゲートバスライン123にその一端または両端が電気的に接続された、帯状のゲート電極119を備える絶縁ゲート型半導体素子においては、ゲートバスライン123からの距離により、ゲート電圧の伝達に差が生じてしまう。すなわち、ゲートバスライン123を介してゲート電極119にゲート電圧が印加された際には、ゲート電極119のゲートバスライン123との接続部分からその延伸方向に向かって抵抗が発生し、ゲートバスライン123から遠い部分では、近い部分と比べてゲート電圧の伝達が遅くなる。
この結果、ゲート接続電極124にオン電圧を印加したときに、セルが均一に動作せず、ゲートバスライン123近傍の素子領域が離間した素子領域よりも早くオン動作を開始することとなる。このような素子領域の不均一な動作は、例えば、スイッチオン時にゲートバスライン123に近い半導体領域に極めて短時間であるが電流が集中し、破壊耐量を低下させるおそれがあり好ましくない。
このように、帯状のゲート電極を有する従来の絶縁ゲート型半導体素子には、ゲート電極の、ゲートバスラインに近い部分と遠い部分との間でゲート電圧の伝達に比較的差が生じやすく、素子領域の動作均一性、ひいては、破壊耐量が低下するなど、信頼性が低下するおそれがあった。
上記事情を鑑みて、本発明は、信頼性の高い絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、素子領域の均一性の高い動作の可能な絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる絶縁ゲート型半導体素子は、
ゲート接続電極に電気的に接続されるゲートバスラインと、
ポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、から構成され、前記ゲートバスラインに一端が接続されて帯状に延伸するゲート電極と、を備え、
前記ゲート電極は、抵抗率がその延伸方向において漸減するよう構成されている。
上記構成において、前記ゲート電極は、前記シリサイド膜の構成比率がその延伸方向において漸増するよう構成されていてもよい。
上記構成において、前記ゲート電極は、その延伸方向において一定の幅を有し、
前記シリサイド膜の、前記ゲート電極の延伸方向における幅は、延伸方向において漸増するように構成されていてもよい。
上記構成において、前記シリサイド膜の幅は、段階的に増加するように構成されていてもよい。
上記構成において、前記シリサイド膜の幅は、連続的に増加するように構成されていてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる絶縁ゲート型半導体素子の製造方法は、
ゲート接続電極に電気的に接続されるゲートバスラインと、前記ゲートバスラインに一端が接続されて一定幅で帯状に延伸するゲート電極と、を備えた絶縁ゲート型半導体素子の製造方法であって、
半導体基板上にポリシリコン膜を形成し、続いてパターニングにより、前記ゲートバスラインを構成する部分と、前記ゲート電極を構成する部分と、を形成する工程と、
前記ポリシリコン膜上に絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート電極を構成する部分のポリシリコン膜上の前記絶縁膜をパターニングして、前記ゲート電極の延伸方向における幅が、延伸方向において漸増するように開口を形成する絶縁膜パターニング工程と、
前記開口内に露出する前記ポリシリコン膜上に金属膜を形成し、続いて、熱アニールにより前記金属膜と接する前記ポリシリコン膜の表面をシリサイド化する工程と、
を備える。
上記方法において、前記絶縁膜パターニング工程では、前記シリサイド膜の幅が、段階的に増加するように前記開口を形成するようにしてもよい。
上記方法において、前記絶縁膜パターニング工程では、前記シリサイド膜の幅が、連続的に増加するように前記開口を形成するようにしてもよい。
本発明によれば、信頼性の高い絶縁ゲート型半導体素子が提供される。
また、本発明によれば、素子領域の均一性の高い動作の可能な絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態に係る絶縁ゲート型半導体素子およびその製造方法について、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(以下、MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を例とし、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のMOSFET10の断面を示す。図2は、MOSFET10の平面図を示し、図3は、その拡大図を示す。なお、図2および3においては、理解を容易なものとするため、ゲート配線部分を主として示す。
MOSFET10は、図1に示すように、ドレイン領域11と、ベース領域12と、ソース領域13と、ドリフト領域14と、を備えた半導体基板15を含んで構成される。
ドリフト領域14は、リン(P)、ヒ素(As)等のN型不純物を含む、N型のシリコン半導体領域から構成されている。なお、シリコンに限らず、ガリウム−ヒ素、ガリウム−窒素、シリコン−ゲルマニウム等の化合物半導体から構成されていてもよい。ドリフト領域14は、半導体基板15の一面を構成する。
ドレイン領域11は、ドリフト領域14の一面上に形成され、半導体基板15の他面を構成する。ドレイン領域11は、ドリフト領域14と同一の導電型を有し、これよりも高い不純物濃度を有する。ドリフト領域14とドレイン領域11とには、その厚み方向にドレイン電流が流れる。ドレイン領域11は、N型のシリコン半導体領域にN型の不純物を導入して、または、シリコン半導体領域上に不純物を含むシリコン層をエピタキシャル成長させて形成される。
半導体基板15の他面を構成するドレイン領域11の上には、アルミニウム、ニッケル、銅等からなるドレイン電極16が形成されている。
ベース領域12は、ドリフト領域14の表面領域にボロン(B)、ガリウム(Ga)等のP型不純物を拡散して形成された、P型の半導体領域から構成される。
ソース領域13は、ベース領域12の表面領域にN型不純物を拡散して形成された、不純物濃度がドリフト領域14よりも高いN型の半導体領域から構成される。ソース領域13は、ベース領域12の両側に2つ所定間隔をおいて形成されている。
ソース領域13の表面領域上には、ソース電極17が設けられており、互いに電気的に接続されている。ソース電極17は、アルミニウム、銅等の導体から構成されている。
ドリフト領域14とソース領域13とに挟まれたベース領域12の上方には、ゲート絶縁膜18を介して、ゲート電極19が設けられている。ゲート電極19は、ソース電極17と層間絶縁膜20によって電気的に絶縁されている。ゲート絶縁膜18および層間絶縁膜20は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等から構成されている。
ゲート電極19は、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)21と、シリサイド膜22と、が積層されて構成された、いわゆるポリサイド構造を備えている。
ポリシリコン膜21は、ゲート絶縁膜18上に形成され、シリサイド膜22は、ポリシリコン膜21の上に形成されている。シリサイド膜22は、チタン、タングステン等の高融点金属によるポリシリコンのシリサイド化物から構成される。
シリサイド膜22の厚さは、加工性等の他の種々の要件から最適化されるが、例えば、ポリシリコン膜21と同じ厚さまたはこれよりも薄い厚さで形成されている。
ここで、ポリシリコンと金属とを用いるポリサイドゲート構造は、ポリシリコンの加工性等の利点を生かしつつ、金属による低抵抗率化を実現することができる。すなわち、微細な実効チャネル長のコントロール等を正確に行いつつ、抵抗率の低いゲートを形成することができる。
図2の平面図に示すように、ゲート電極19は、略長方形の半導体基板15の一辺に略平行な帯状に設けられている。ゲート電極19は、所定間隔をおいて多数が略平行に配置されている。図示しないが、ベース領域12およびソース領域13は、ゲート電極19に沿って、半導体基板15に形成されており、ベース領域12の各列が単位素子領域(セル)を構成している。
ゲート電極19の両端または一端は、ゲートバスライン23に電気的に接続され、ゲート電極19はゲートバスライン23から帯状に延伸して設けられている。ゲートバスライン23は、コの字形状の開環状に、半導体基板15の内周に沿って形成されている。ゲートバスライン23は、コの字の略中央において、略方形のゲート接続電極(ゲートボンディングパッド)24と電気的に接続されている。
なお、図2において、ゲートバスライン23の開環部分は、その上方のソース接続電極25のために設けたものであり、ゲートバスライン23はゲート接続電極24を含めて閉環状に形成してもよい。
図3に、図2のD−D線矢視断面を示す。ゲートバスライン23は、図3に示すように、ゲート電極19と共通するポリサイド構造21、22上に、アルミニウム等の金属膜26が積層されて設けられている。このようにゲートバスライン23が金属膜26とポリサイド構造21、22とから構成されていることにより、ゲートバスライン23からゲート電極19へのゲート電圧の高速な伝達が可能となる。
ゲートバスライン23の下方のドリフト領域14には、P型の半導体領域から構成される電界緩和領域27が形成されている。
また、ゲート接続電極24は、ゲートバスライン23と同様に、ポリサイド構造21、22上に金属膜が形成されて構成されている。
ゲート接続電極24は外部端子(図示せず)に接続され、これにゲート電圧が供給されると、ゲートバスライン23を介して、ゲート電極19にゲート電圧が伝達される。上記のように、ポリサイド構造のゲート電極19により、ゲート電極19では、ポリシリコンと比較して、より高速にゲート電圧が伝達される。
上記構成のMOSFET10はオン時には以下のように動作する。まず、MOSFET10のゲート電極19に、所定のスレッショルド電圧に達するゲート電圧が印加されると、ゲート絶縁膜18の直下のベース領域12にチャネルが形成される。この結果、ゲート電圧に応じたドレイン電流が、ソース電極17から、ソース領域13、チャネル及びドレイン領域11を順に経て、ドレイン電極16へと流れる。
図4に、ゲート配線構造の拡大図を示し、図5(a)〜(b)に、そのB−B線矢視断面およびC−C線矢視断面をそれぞれ示す。なお、A−A線矢視断面は、図1に示すものと同じである。
図4に示すように、ゲート電極19の表面には、ポリシリコン膜21と、シリサイド膜22と、が露出している。
ここで、ゲート電極19の延伸方向における、シリサイド膜22の幅は、ゲートバスライン23から離間するにつれて段階的に増大するよう設けられている。図に示す例では、シリサイド膜22の幅は3段階に、すなわち、ゲートバスライン23に最も近い部分と、中間部分と、最も遠い部分と、で次第に幅が大きくなるよう構成されている。
図1、図5(a)、(b)の断面図を参照して、シリサイド膜22はポリシリコン膜21と同一平面を形成し、これに包囲されている。各断面を比較して、ゲートバスライン23に近い部分ではシリサイド膜22の幅が小さくなっている一方で、遠い部分では幅が大きくなっている。換言すれば、ゲート電極19は、ゲートバスライン23からその延伸方向に向かって、次第に、ポリサイド構造中のシリサイドの構成比率が増大するように構成されている。
上記のように、抵抗率の低いシリサイド膜22の幅をゲートバスライン23に近い部分から遠い部分にかけて漸増させる構成とすることにより、ゲートバスライン23に近い部分から遠い部分にかけて、ゲート電極19の抵抗率が漸減する勾配を形成することができる。
このように、ゲートバスライン23との接続部分からゲート電極19の延伸方向に対して、抵抗率の減少勾配を形成することにより、帯状のゲート電極19における部分的なゲート電圧の伝達の差を低減させることができる。
一般的に、ゲートバスラインにその一端または両端が電気的に接続された、帯状のゲート電極を備える絶縁ゲート型半導体素子においては、ゲートバスラインからの距離により、ゲート電圧の伝達に差が生じる。すなわち、ゲートバスラインを介してゲート電極にゲート電圧が印加された際には、ゲート電極のゲートバスラインとの接続部分からその延伸方向に向かって抵抗が発生し、ゲートバスラインから遠い部分では、近い部分と比べてゲート電圧の伝達が遅くなる。
この結果、ゲート接続電極にオン電圧を印加したときに、セルが均一に動作せず、ゲートバスライン近傍の素子領域が離間した素子領域よりも早くオン動作を開始することとなる。このような素子領域の不均一な動作は、例えば、スイッチオン時にゲートバスラインに近い半導体領域に極めて短時間であるが電流が集中し、破壊耐量を低下させるおそれがあり好ましくない。
しかし、本実施の形態においては、図4に示すように、ゲートバスライン23に近い部分から遠い部分にかけて、ゲート電極19の抵抗率が漸減する勾配が形成されている。このため、ゲートバスライン23からの距離に比例した伝達の差(遅れ)は、ゲート電極19の延伸方向への伝達速度の漸増勾配(抵抗率の漸減勾配)により、図16に示すような延伸方向での抵抗率が一定の場合と比べて、より低減される。
また、このようにシリサイド膜22の幅を変えても、ポリシリコン膜21の幅は一定であるので、ポリシリコン膜21を拡散マスクにして形成された隣り合う素子領域の間隔は均一にできる。
したがって、本実施の形態によれば、帯状のゲート電極19における部分的なゲート電圧の伝達の差を従来のポリサイドゲートと比較して低減させることが可能であり、面内のセル動作の均一性を向上させることができ、また、破壊耐量を向上させ、高い信頼性が実現可能となる。
次に、このMOSFET10を製造する手順について、図6(a)〜(c)、図7(d)〜(f)、図8(g)〜(i)、図9(j)および(k)を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する手順は一例であり、同様の結果物が得られるのであれば、いかなる手順であってもよい。
なお、図では、特記しない限り、シリサイド膜22の幅が最も大きい部分の断面を示す。
まず、一面にN型半導体領域を、他面にこれよりも不純物濃度の高いN型半導体領域を備えた半導体基板15を用意し、図6(a)に示すように、N型半導体領域の表面領域に、熱酸化によりシリコン酸化膜30を形成する。シリコン酸化膜30は、ゲート絶縁膜18を構成する。
続いて、シリコン酸化膜30上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によってポリシリコン膜21を形成し、次いで、図6(b)に示すように、エッチングにより開口21aを形成する。
次に、パターニングしたポリシリコン膜21をセルフアラインマスクとして、P型不純物をドレイン領域11に導入、拡散させてP型ベース領域12を形成し、さらに、N型の不純物をベース領域12に導入、拡散させて、図6(c)に示すように、N型のドリフト領域14よりも不純物濃度の高いN型のソース領域13を形成する。これにより、半導体基板15の表面領域には、セル領域が多数形成される。
また、このとき、ポリシリコン膜21には、所定の導電性が付与される。
次に、シリコン酸化膜30とポリシリコン膜21との上に、CVD等によって、シリコン窒化膜31を形成する。シリコン窒化膜31には、シリコン窒化膜31の電気的・物性的な特性を安定化させるため、950℃程度でのリフロー処理を施す。
リフロー処理の後、シリコン窒化膜31をエッチングして、図7(d)〜(f)に示すように、シリサイド膜22を形成すべき部分(それぞれ、幅最大部分、幅中間部分、幅最小部分)のポリシリコン膜21が露出するように開口31d、31e、31fを形成する。
各図に示すようにパターニングされたシリコン窒化膜31は、線幅の異なるシリサイド膜22を形成するための、後述する高融点金属の導入のパターニングマスクとして機能する。すなわち、シリコン窒化膜31に形成された開口の幅が、実質的にシリサイド膜22の幅を決定する。したがって、図7(d)〜(f)に示すように、形成しようとする線幅に応じた、適当な大きさの開口31d、31e、31fが形成され、その底部にはポリシリコン膜21が露出している。
窒化膜のパターニング後、PVD(Physical Vapor Deposition)等によって、チタン、タングステンなどの高融点金属を堆積させ、図8(g)に示すような薄い堆積膜32を形成する。
次に、半導体基板15を、例えば、ハロゲンランプにより800℃程度で熱アニール(RTA:Rapid Thermal Annealing)する。これにより、堆積膜32と接するポリシリコン膜21の表面がシリサイド化される。熱アニールの後、残存する堆積膜32等をエッチングにより除去することにより、図8(h)に示すような、ポリシリコン膜21上にシリサイド膜22が形成されたポリサイド構造が得られる。
このとき、線幅の異なるゲート電極19を形成する、図示しない他のポリシリコン領域には、シリコン窒化膜31の開口31d、31e、31fの幅に応じた大きさの幅で、シリサイド膜22が形成されている。
なお、シリサイド形成のための熱処理により、高融点金属はポリシリコン膜21の横方向にも拡散するため、シリサイド膜22の幅は、シリコン窒化膜31の開口31d、31e、31fの幅よりも実質的に少し大きいものとなる。
次に、シリコン酸化膜33を、半導体基板15の一面上に、常圧CVDにより形成する。ここで、シリコン酸化膜33の原料ガスとして、例えば、TEOS(TetraEthylOrthoSilicate)を用いると、400℃以下の温度でシリコン酸化膜33を形成することができる。このような範囲の温度では、シリサイド膜22の化学量論的組成や膜質は実質的に変化しないので好ましい。
その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等によって、図8(i)に示すように、シリコン酸化膜33の表面を平坦化する。
続いて、エッチングによって、図9(j)に示すような、シリコン酸化膜33と、シリコン窒化膜31と、シリコン酸化膜30と、を貫通する開口35を形成する。
その後、半導体基板15の一面上に、PVD等によって、開口35を埋めるように、アルミニウム等から構成されるソース電極17を形成する。
また、半導体基板15の他面上、すなわち、ドレイン領域11上に、PVD等により、アルミニウム等から構成されるドレイン電極16を形成する。
以上の工程を経て、図9(k)に示すような、本実施の形態のMOSFET10が形成される。
本発明は、上記実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。
例えば、上記実施の形態に示したMOSFETにおいて、反対導電型とした構成としてもよい。
上記実施の形態では、シリサイドを形成する高融点金属として、チタン、タングステンを例示したが、これに限られない。高融点金属としては、他に、モリブデン、コバルト、白金、パラジウム、タンタル、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム等も使用可能である。
上記実施の形態では、ポリサイド構造におけるシリサイド膜22の延伸方向の幅を、段階的に、特に、3段階で漸増させる構成とした。しかし、勿論、段階の数はこれに限られず、図10に示すように、さらに多段階の幅で形成してもよい。
また、段階的にではなく、連続的に、例えば、図11に示すように直線的に、または、図12に示すように曲線的に増大させるようにしてもよい。すなわち、シリサイド層の幅にとらわれず、ゲートバスライン23からゲート電極19の延伸方向に向かって、シリサイド膜22の構成割合が増大し、抵抗率が減少する構成であれば、本発明の範囲内にある限り、いかなる構成であってもよい。例えば、図13に示すように、シリサイド膜22自体は不連続であるが、抵抗率が延伸方向に向かって漸減する構成も可能である。
また、上記実施の形態では、ベース領域12内に、ソース領域13が2列に並んで形成される場合を示したが、ソース領域13は、ベース領域12内に1列に並んで形成されてもよい。また、もし可能であるならば、ベース領域12内に、ソース領域13が3列以上並ぶように形成されてもよい。
また、上記発明の実施の形態では、MOSFETを例に説明したが、これに限定されない。本発明は、当然に、絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor;MISFET)や絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;IGBT)、その他の絶縁ゲート型半導体素子に適用可能である。
本発明の実施の形態にかかるMOSFETの断面構成(図4のA−A線矢視断面)を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの平面図である。 図2のMOSFETのD−D線矢視断面図である。 図2の拡大図である。 (a)はB−B線矢視断面図であり、(b)はC−C線矢視断面図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるMOSFETの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例を示す図である。 従来のMOSFETの断面構成を示す図である。 従来のMOSFETの平面図である。 図15の拡大図である。
符号の説明
10 MOSFET
15 半導体基板
19 ゲート電極
21 ポリシリコン膜
22 シリサイド膜
23 ゲートバスライン
75 ゲート接続電極

Claims (8)

  1. ゲート接続電極に電気的に接続されるゲートバスラインと、
    ポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜上に形成されたシリサイド膜と、から構成され、前記ゲートバスラインに一端が接続されて帯状に延伸するゲート電極と、を備え、
    前記ゲート電極は、抵抗率がその延伸方向において漸減するよう構成されている、ことを特徴とする絶縁ゲート型半導体素子。
  2. 前記ゲート電極は、前記シリサイド膜の構成比率がその延伸方向において漸増するよう構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体素子。
  3. 前記ゲート電極は、その延伸方向において一定の幅を有し、
    前記シリサイド膜の、前記ゲート電極の延伸方向における幅は、延伸方向において漸増するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の絶縁ゲート型半導体素子。
  4. 前記シリサイド膜の幅は、段階的に増加するように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の絶縁ゲート型半導体素子。
  5. 前記シリサイド膜の幅は、連続的に増加するように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の絶縁ゲート型半導体素子。
  6. ゲート接続電極に電気的に接続されるゲートバスラインと、前記ゲートバスラインに一端が接続されて一定幅で帯状に延伸するゲート電極と、を備えた絶縁ゲート型半導体素子の製造方法であって、
    半導体基板上にポリシリコン膜を形成し、続いてパターニングにより、前記ゲートバスラインを構成する部分と、前記ゲート電極を構成する部分と、を形成する工程と、
    前記ポリシリコン膜上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート電極を構成する部分のポリシリコン膜上の前記絶縁膜をパターニングして、前記ゲート電極の延伸方向における幅が、延伸方向において漸増するように開口を形成する絶縁膜パターニング工程と、
    前記開口内に露出する前記ポリシリコン膜上に金属膜を形成し、続いて、熱アニールにより前記金属膜と接する前記ポリシリコン膜の表面をシリサイド化する工程と、
    を備える、ことを特徴とする絶縁ゲート型半導体素子の製造方法。
  7. 前記絶縁膜パターニング工程では、前記シリサイド膜の幅が、段階的に増加するように前記開口を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の絶縁ゲート型半導体素子の製造方法。
  8. 前記絶縁膜パターニング工程では、前記シリサイド膜の幅が、連続的に増加するように前記開口を形成する、ことを特徴とする請求項6に記載の絶縁ゲート型半導体素子の製造方法。
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