JP2005063886A - 発熱性ゴムシート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己温度制御特性を有する面状発熱体を上下の未加硫ゴムシートで挟み加熱プレスしてなる発熱性ゴムシートを、ゴム材の熱膨張・収縮に伴う面状発熱体の折れやゴム材との接合面における剥離が生じることなく提供する。
【解決手段】並列状に複数並べられた面状発熱体1を、10〜30重量部の範囲で混入された短繊維により加熱プレス時、成形後の熱膨張率が抑制された上下の未加硫ゴムシートで挟み加熱プレスして、面状発熱体1の折れやゴム材との接合面での剥離を防止し、各面状発熱体1がゴムシート本体2内に一体的に埋設された発熱性ゴムシートAを得る。該発熱性ゴムシートAは、サーモスタットや過昇温防止センサー等の部品が不要で、薄肉軽量であり運搬が容易で、長尺状に形成しても容易に巻回可能で収納が容易で、敷設面の凹凸を吸収して平滑に設置でき、製品表面に皺や凹凸が発生することもない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱素子としての面状発熱体を内包してなるゴムシートに関し、詳しくは、歩道、通路、駅構内、一般家屋や建築物の玄関口等における融雪用や、作業空間、居住空間、畜舎等の床暖房用として利用でき、且つ前記したような各種の使用場所に応じて短尺状、長尺状などの適宜長さに形成して用いることができる発熱性ゴムシートとその製造方法に関する。
従来から、線状発熱体や面状発熱体を上下の未加硫ゴムシートで挟み、これを加熱プレスしてなる発熱体を内蔵したゴムマットが知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
これら従来のゴムマットは、発熱体の過度の発熱を防止するためにサーモスタットや過昇温防止センサー等の部品を必要とし、これら部品を埋め込むための厚み寸法を要すると共に、加熱プレスの際にこれら部品に影響が出ないよう特別な配慮を要するという問題があった。
このような問題点を解消するために、例えば特許文献3に記載されるように、所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性を備えた面状発熱体(所謂PTCヒータ;PositiveTemperatureCoefficientHeater)を内蔵した融雪マットが提案されている。
実開昭58−101494号公報 特開昭61−107684号公報 実用新案登録3032506号公報
しかし、前記特許文献3で提案される融雪マットは、ウレタンからなる断熱材上に接合させた下側ブチルゴムの上に前記面状発熱体(PTCヒータ)を敷設し、その上に上側ブチルゴムを接合させ、さらにアルミ箔を重ねた五層積層体を上下のカバーブチルゴムで被覆し、且つ両カバーブチルゴムの周縁を接着剤で接合した七層積層体であり、多層構造体になるため成形が面倒であると共に製造コストが高くなり、またマットの厚みが厚くなって運搬、保管が面倒になる、歩道の融雪用などに用いた場合に路面の凹凸によって平滑に敷設することができないなどの欠点があった。
このような欠点を解決するために、本願発明者は、正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆した自己温度制御特性と可撓性を有する面状発熱体を、上下の未加硫ゴムシートで挟んで加熱プレスした構造の発熱性ゴムシートを提案した。
このような構成の発熱性ゴムシートは、上下の未加硫ゴムシートで面状発熱体を挟んで加熱プレスするだけでゴムシート本体内に面状発熱体を埋設することができ、構成が簡単で成形も容易であることから低コストにて作製でき、しかもシート状であって厚みが薄く可撓性を有するから巻き取った状態で容易に運搬、保管ができると共に、歩道の融雪用などに用いた場合、ゴムの弾性により路面の凹凸を吸収して平滑に敷設することができるなどの多くの利点を有するものの、以下の点で改良の余地を残していた。
すなわち、前記発熱性ゴムシートは、使用時や収納時等において、面状発熱体がゴムシート本体内でずれてしまうことのないよう、所望の接着剤を用いて面状発熱体の熱可塑性樹脂フィルムと上下の未加硫ゴムシート、両未加硫ゴムシート同士を接着し、その上で加熱プレスを行って成形されるが、ゴム材の熱膨張率が熱可塑性樹脂フィルムに比べ大きく、加熱プレス時に膨張したゴム材がその後に大幅に収縮しても、そのゴム材で覆われた面状発熱体は僅かしか膨張・収縮しないことに加え、面状発熱体がゴム材中に埋設されているので、面状発熱体とゴム材との接着面に剥がれが生じたり、面状発熱体が折れ曲がり、製品表面に皺や凹凸が発生する虞れがあった。
また、前記発熱性ゴムシートを成形した後、アンカーボルト等により設置面に固定したり、複数枚の発熱性ゴムシート同士を熱溶着により連設して使用するような場合にも、それら作業時に発生する熱によりゴムシート本体が膨張・収縮し、前記したようにゴム材中に埋設されている面状発熱体との接着面に剥れが生じたり、製品表面に皺や凹凸が発生する虞れがあった。
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆した自己温度制御特性と所望の可撓性を有する面状発熱体を、成形時や成形後において、ゴム材と熱可塑性樹脂フィルムの熱膨張差に起因する剥れや折れなどが発生するような虞れなく、上下の未加硫ゴムシートで挟んで加熱プレスしゴムシート内に埋設することができる新規な発熱性ゴムシートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記発熱性ゴムシートを、使用目的に合せて短尺状、長尺状の如何様にも提供し得るようにすることにある。
以上の目的を達成するために、本発明に係る発熱性ゴムシートは請求項1記載のように、正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆して、所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性と可撓性を有するよう形成された扁平帯状の面状発熱体(所謂PTCヒータ)を、ゴム100重量部に対し短繊維を10〜30重量部混入して熱膨張率が抑制されたゴムシート本体内に埋設してなることを特徴とする。
短繊維の混入量が10重量部未満だとゴム材の熱膨張率の抑制が困難であり、成形後の発熱性ゴムシートをアンカーボルト等により設置面に固定したり、複数枚の発熱性ゴムシート同士を熱溶着により連設して使用するような場合、それら作業時に発生する熱によりゴムシート本体が膨張しその後の冷却に伴うゴム材の収縮により、面状発熱体とゴム材との接着面に剥がれが生じたり面状発熱体が折れ曲がり、製品表面に皺や凹凸が発生するため好ましくない。
短繊維の混入量が30重量部を超えるとゴム材の剛性が大きくなり、可撓性、弾性、凹凸吸収性等のゴム特性が損なわれるため好ましくない。
請求項2に係る発熱性ゴムシートは、正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆して、所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性と可撓性を有するよう形成された扁平帯状の面状発熱体(所謂PTCヒータ)を、ゴム100重量部に対し短繊維を10〜30重量部混入して加熱プレス時の熱膨張率が抑制された上下の未加硫ゴムシートで挟み加熱プレスしてゴムシート本体内に埋設してなることを特徴とする。
短繊維の混入量が10重量部未満だとゴム材の熱膨張率の抑制が困難であり、面状発熱体を上下の未加硫ゴムシートで挟んで加熱プレスした際、該プレス時の加熱によりゴム材が大幅に膨張しその後の冷却に伴うゴム材の収縮により、面状発熱体とゴム材との接着面に剥がれが生じたり面状発熱体が折れ曲がり、製品表面に皺や凹凸が発生するため好ましくない。
短繊維の混入量が30重量部を超えるとゴム材の剛性が大きくなり、可撓性、弾性、凹凸吸収性等のゴム特性が損なわれるため好ましくない。
処で、ゴム製品の成形時にゴム材に混入する短繊維としては、従来、ゴム材の剛性を高めるためのものとして各種の短繊維が知られている。一方、本発明は、請求項1、2に記載されるように、ゴム材の熱膨張率を制御するために短繊維を混入するものであり、よって、軟化温度がゴムの加硫温度より高い短繊維が用いられる。
このような短繊維として、例えば、ナイロン、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエステルなどの合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの短繊維をあげることができるが、前記各合成繊維は、ゴムの加硫温度近傍で軟化が始まる場合もあり、加硫温度が高い場合は熱膨張率抑制効果が低い虞れもある。また、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などは、ゴム材に対する混入量にもよるが、ゴムシートが硬くなりすぎる場合もある。
これに対し、綿、(ビスコース)レーヨン、麻、キュプラ、アセテートなどのセルロース系短繊維(例えば、FLEXSYS社製のSANTOWEBなど)は、前記したような問題が発生せず、本発明において好ましく用いることができる。
このような短繊維を、天然ゴム又は合成ゴムに対し前記規定量混入させることで、本発明の課題を解決することができる。なお、ゴム材には、補強剤、加硫促進剤、老化防止剤、顔料、その他、この種ゴム製品成形の際に通常用いられる各種の添加剤、助剤を必要に応じて所定量含有してもよいことは言うまでもない。
また、前記短繊維をゴム材に混入する方法としては、短繊維を前記規定量添加した天然ゴム又は合成ゴムの生ゴム材料をカレンダー加工などのロール圧延加工に供してシート状の未加硫ゴムを得る方法が好適に用いることができる。
このようにして得られた未加硫ゴムシートは、混入された短繊維の配向性が、カレンダー加工によるシートの送り出し方向(カレンダー列理方向)に沿ったものとなる、すなわち、各短繊維の長さ方向がシート送り出し方向とほぼ平行になるよう各短繊維が配列される。このような未加硫ゴムシートを、その長手方向がカレンダー列理方向と直角になるよう裁断して用いた場合、各短繊維が未加硫ゴムシート、成形後のゴムシート本体の長手方向に対し直角になるよう配列されるため、ゴムシート本体の長手方向において、短繊維による熱膨張率抑制効果が低減し、該長手方向に沿うよう面状発熱体を配した場合、本願の課題を達成し得ない虞れがある。
よって、本発明の請求項3では、前記上下の未加硫ゴムシートがカレンダー加工により成形された生ゴムシートを所定長さに裁断してなるものである場合、カレンダー加工によるシート送り出し方向と、前記ゴムシート本体の長手方向と、面状発熱体の長手方向とが平行になるよう形成したことを特徴とする。この場合、各短繊維が未加硫ゴムシート、成形後のゴムシート本体の長手方向に対し平行になるよう配列され、該長手方向において、短繊維による熱膨張率抑制効果を確実に得られ、該長手方向に沿うよう面状発熱体を配する場合に極めて有用である。
尚、請求項3のようにして得られた発熱性ゴムシートは、各短繊維が、ゴムシート本体の長手方向とほぼ平行に配列していることは言うまでもない。
また、前記短繊維が混入された未加硫ゴムシートを得る方法は、前記カレンダー加工に限定されず、幅広のダイスを備えたシーティング押出機や、ヘッド部に2本のロールを備えたローラヘッド押出機などによる押出成形により得ることもできる。
このような押出成形で得られた短繊維入り未加硫ゴムシートも、各短繊維の長さ方向がシート送り出し方向とほぼ平行になるよう各短繊維が配列されるが、各短繊維がシート送り出し方向と平行になる度合いは、カレンダー加工が最も大きく、次いでローラヘッド押出機による押出成形、シーティング押出機による押出成形の順になる。
本発明の請求項4では、所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並んでいる各面状発熱体をゴムシート本体内に埋設してなり、前記各面状発熱体の長さ方向適宜間隔毎に設けた連通孔と、隣り合う面状発熱体間の隙間とに流入したゴムによりゴムシート本体の上下面部が連結されていることを特徴とする。
請求項5では、前記面状発熱体が比較的長尺な扁平帯状体であり、前記ゴムシート本体が所要数の中間シート部、隣り合わせる中間シート部間に配されるつなぎシート部、前端シート部、後端シート部からなる長尺体であることを特徴とする。
本発明に係る発熱性ゴムシートは、通常、前記各面状発熱体が給電コードで電気的に接続されると共に、その給電コードの端部を外部電源に接続可能に形成される。
本発明の請求項6は、請求項1〜4に係る発熱性ゴムシートの製造方法であって、前記面状発熱体を所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並べると共に各面状発熱体を給電コードで電気的に接続した後、これら面状発熱体を短繊維入りの上下の未加硫ゴムシートで挟み、さらに前記給電コードの端部を外部電源に接続可能に外部へ引き出す予備成形を行った後、該予備成形品を加熱プレスして前記各面状発熱体をゴムシート本体内に埋設することを特徴とする。
請求項7は、請求項5に係る発熱性ゴムシートの製造方法であって、前記長尺面状発熱体を所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並べると共に各面状発熱体を給電コードで電気的に接続した後、それら面状発熱体の長さ方向中間部分に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下の中間シート部材を加熱プレスしてなる中間シート部を所定寸法の間隔をおいて順次成形した後、隣り合わせる中間シート部間の間隔部分に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下のつなぎシート部材を加熱プレスしてなるつなぎシート部を順次成形し、次いで、各面状発熱体の前後端部に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下の前端シート部材、後端シート部材を加熱プレスしてなる前端シート部、後端シート部を順次成形して、前記各長尺面状発熱体を前記長尺ゴムシート本体内に埋設することを特徴とする。
請求項8は、請求項7に係る製造方法において、前記中間シート部、つなぎシート部、前端シート部、後端シート部を加熱プレスにより成形する前に、短繊維入りの未加硫ゴムシートからなる上下の各シート部材で面状発熱体の所定部分を挟む予備成形を行い、該予備成形部分を加熱プレスして前記中間シート部、つなぎシート部、前端シート部、後端シート部を成形することを特徴とする。
本発明は以上説明したように構成したので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
短繊維の混入により熱膨張率が抑制されたゴム材に面状発熱体を埋設したので、使用時の発熱や外部から熱がかかってゴム材が膨張したとしても、短繊維によりその膨張、収縮が抑えられ、面状発熱体の折れ曲がりや面状発熱体とゴム材との接合面の剥離を防止することができる。
したがって、過昇温防止機能を有し、薄肉軽量であるため運搬が容易で、巻回可能であるため収納にも便利で、且つ敷設面の凹凸を吸収して平滑に設置することが出来、さらに、表面に皺や凹凸などが生じることのない、商品価値の高い発熱性ゴムシートを提供できた。
この発熱性ゴムシートは、例えば、路面,歩道の凍結防止,融雪用シート、屋根の融雪用シートなど、その他各種の融雪機能、凍結防止機能、暖房機能等を要求される現場で好適に用いることができる。
(請求項2)
短繊維の混入により熱膨張率が抑制された未加硫ゴムシートを用いるので、成形時(加熱プレス時)におけるゴム材の膨張が抑えられ、成形後の収縮による面状発熱体の折れ曲がりや面状発熱体とゴム材との接合面の剥離を防止することができる。
したがって、過昇温防止機能を有し、薄肉軽量であるため運搬が容易で、巻回可能であるため収納にも便利で、且つ敷設面の凹凸を吸収して平滑に設置することが出来、さらに、表面に皺や凹凸などが生じることなく、面状発熱体を上下の未加硫ゴムシートで挟んで加熱プレスするだけの簡単な方法により製造可能な商品価値の高い発熱性ゴムシートを提供できた。
この発熱性ゴムシートは、例えば、路面,歩道の凍結防止,融雪用シート、屋根の融雪用シートなど、その他各種の融雪機能、凍結防止機能、暖房機能等を要求される現場で好適に用いることができる。
(請求項3)
カレンダー加工のシート送り出し方向に沿って配列された各短繊維と、面状発熱体とが未加硫ゴムシート、成形後のゴムシート本体の長手方向に対し平行になるよう配列され、ゴムシート本体の長手方向において短繊維による熱膨張率抑制効果が効果的に発揮されるので、ゴムシート本体の長手方向に沿って帯状の面状発熱体を埋設した発熱性ゴムシートにおいて、請求項1,2による前述の効果を確実に得ることができる。
(請求項4)
隣り合う面状発熱体間の隙間と、各面状発熱体の連通孔に流入したゴムでゴムシート本体の上下面部同士が接合されると共に、前記各隙間と連通孔内で加硫成形されたゴムが、各面状発熱体の移動を防止する位置決め部材として機能し、使用時、運搬時、収納時などにゴムシート本体内で面状発熱体がずれるような虞れのない、より信頼性の高い製品として提供することができる。
(請求項5)
前述した夫々の効果を有する比較的長尺な発熱性ゴムシートとして、例えば、路面,歩道の凍結防止,融雪用シート、屋根の融雪用シートなど、その他各種の融雪機能、凍結防止機能、暖房機能等を要求される現場で好適に用いることができる。
(請求項6)
請求項1〜4の効果を有する発熱性シートを、予備成形により形を整えた後に加熱プレスを行って製造するので、面状発熱体を並べたり上下の未加硫ゴムシートで挟む作業をプレス型内で行う場合に比べ、作業効率が良く、またプレス型の余熱による型崩れの虞れがないので、一回の加熱プレス作業で高精度の発熱性シートを効率良く製造し得る方法として好適に用いることができる。
(請求項7)
ゴムシート本体を所要数の中間シート部とつなぎシート部及び前端シート部,後端シート部に分割し、これら各シート部を順次加熱プレスにより成形することで、請求項5の効果を奏する比較的長尺な発熱性シートを容易に製造し得る方法として好適に用いることができる。
(請求項8)
請求項7の効果に加え、予備成形により形を整えた後に加熱プレスを行って中間シート部、つなぎシート部、前端シート部、後端シート部を順次成形するので、面状発熱体を並べたり上下の未加硫ゴムシートで挟む作業をプレス型内で行う場合に比べ、作業効率が良く、またプレス型の余熱による型崩れの虞れがないので、高精度の長尺発熱性シートを効率良く製造することができる。
以下、本発明に係る発熱性ゴムシートとその製造方法の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3には比較的短尺な発熱性ゴムシートAを示し、該発熱性ゴムシートAは、比較的短尺な扁平帯状の面状発熱体1を並列状に複数並べ、これら各面状発熱体1を、並列状の面状発熱体1群よりやや大寸の上下の未加硫ゴムシート2a,2bで挟んで加熱プレスすることで、各面状発熱体1をゴムシート本体2内に埋設して構成されている。
面状発熱体1は、正温度係数を有する半導体からなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆して、所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性と、巻回可能な可撓性を有するよう形成された所謂PTCヒータで、その長さ方向適宜間隔毎に連通孔3が穿設されている。
また、各面状発熱体1は、所定寸法の隙間4をおいて並列状に並べると共に、各面状発熱体1端部の電極5を給電コード6aで繋いで電気的に直列状に接続し、且つそのコード端部6b,6cはゴムシート本体2の外側へ導出し、先端にプラグ7を設けて外部電源に接続可能に形成されている。
ゴムシート本体2は、天然ゴム又は合成ゴムからなる未加硫の上下のゴムシート2a,2bを重ねて加熱プレスすることで、巻回可能な所望の厚みと弾性を有するシート状に加硫成形されている。
上下の未加硫ゴムシート2a,2bは、ゴム100重量部に対して10〜30重量部の範囲で均一に短繊維が混入され、加熱プレス時の熱膨張率が抑制されるよう調整されている。
本例では、天然ゴム又は合成ゴムに対し、綿、(ビスコース)レーヨン、麻、キュプラ、アセテートなどのセルロース系の短繊維を10〜30重量部加えると共に、補強剤、加硫促進剤、老化防止剤、顔料、その他、この種ゴム製品成形の際に通常用いられる各種の添加剤、助剤を必要に応じて所定量含有して生ゴム材料を得、この生ゴム材料をカレンダー加工装置に供給し、カレンダー加工によりシート状に成形された生ゴムシートを得た。そうして、この生ゴムシートを、カレンダー加工のシート送り出し方向(カレンダー列理方向)に沿って配列された短繊維と、ゴムシート本体2の長手方向とが平行になるように裁断して上下の未加硫ゴムシート2a,2bを得、さらに各未加硫ゴムシート2a,2bを長手方向に対し複数に分割(図示例では6分割)したものを用いた。
これら上下の未加硫ゴムシート2a,2bと面状発熱体1との長手方向が平行になるよう、両未加硫ゴムシート2a,2bで各面状発熱体1を挟んだ後、加熱プレス型により所定温度(約150℃程度)で加熱プレスを行い、発熱性ゴムシートAを得た。
得られた発熱性ゴムシートAにおいて、ゴムシート本体2の上下面部2−1,2−2は、隣り合わせる面状発熱体1,1間の隙間4と、各面状発熱体1に設けた複数の連通孔3内に流入する未加硫ゴムにより加硫成形される連結部2’により相互に接合され、該上下面部2−1,2−2により各面状発熱体1が挟持されると共に、前記各隙間と連通孔内で加硫成形された連結部2’が、使用時、運搬時、収容時等におけるゴムシート本体2内での各面状発熱体1の移動を防止する位置決め部材として機能するよう構成されている。
尚、前記未加硫ゴムシート2a,2bは、前述したように所要数に分割された単位シート材8,8・・・を用いて、面状発熱体1群よりやや大寸の横長矩形状のゴムシート本体2を形成し得るようにしても良いし、一枚物である未加硫ゴムシート2a,2bを用いても良い。
以上の構成になる本例の発熱性ゴムシートAは、加熱プレス時におけるゴム材の膨張、特に、ゴムシート本体2の長手方向の膨張が効果的に抑えられ、加熱プレス後のゴムシート本体2の収縮による面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などを防止することができる。
また、成形後におけるゴム材の熱膨張率も抑えられ、使用時の発熱や外部から熱がかかったとしても、ゴム材の収縮による面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などを効果的に防止することができる。
また、並列状に複数並べられた面状発熱体1を、各面状発熱体1間の隙間4と連通孔3内の連結部2’で接合されるゴムシート本体2の上下面部2−1,2−2で挟持し、且つ前記各連結部2’で各面状発熱体1の移動を防止し得る状態で、各面状発熱体1がゴムシート本体2内に埋設されるので、各面状発熱体1の配設位置が使用中等にずれるような虞れ無く、各面状発熱体1をゴムシート本体2に一体的に埋設することができる。
尚、本例の発熱性ゴムシートAは比較的短尺に形成されており、例えば一般家庭や各種建築物の玄関用融雪,暖房マット、居住空間や作業空間における床暖房用マット、線路のポイントの凍結防止用マットなど、その他各種の融雪機能、凍結防止機能、暖房機能等を要求される現場で使用可能な発熱性シートとして提供することができる。
また、本例の発熱性ゴムシートAは、比較的短尺な扁平帯状の面状発熱体1を、所定寸法の隙間4をおいて並列状に複数並べると共に各面状発熱体1を給電コード6aで電気的に直列状に接続し、それら面状発熱体1を前述の如く上下の未加硫ゴムシート2a,2bで挟み、未加硫ゴムシート2a,2b同士及び未加硫ゴムシート2a,2bと各面状発熱体1とを接着剤で接着し、さらに各給電コード6aを未加硫ゴム材料で覆って仮固定すると共に、給電コードの端部6b,6cを外部電源に接続可能に外部へ引き出す予備成形を行った後、この予備成形品をプレス型に載置し加熱プレスして、各面状発熱体1をゴムシート本体2内に埋設する方法により製造することができる。
すなわち、本例の発熱性ゴムシートAは、各面状発熱体1を上下の未加硫ゴムシート2a,2bで挟んで予備成形した後に該予備成形品を加熱プレスするだけで、過昇温防止機能を有し、薄肉軽量であるため運搬が容易で、巻回可能であるため収納にも便利で、且つ敷設面の凹凸を吸収して平滑に設置することが出来、さらに、加熱プレス後のゴム材の収縮に起因する皺や凹凸などが生じることのない商品価値の高い発熱性ゴムシートAとして提供することができる。
図4には、実施例1に係る発熱性ゴムシートAの変形例を示し、前記と同様の構成部分については図中に前記と同一の符号を付すなどして重複する説明、図示を一部省略し、相違点のみ以下に説明する。
すなわち、この例の発熱性ゴムシートA’は、図4(イ)に示すように、比較的幅の大きな面状発熱体1を二枚並列状に並べると共に、これら二枚の面状発熱体1を、前述した上下の未加硫ゴムシート2a,2bで挟んで加熱プレスすることで、各面状発熱体1をゴムシート本体2内に埋設して構成されている。またこの例では、上下の未加硫ゴムシート2a,2bといして、ゴムシート本体2の長手方向に沿って3分割されると共に短手方向に沿って2分割されて単位シート材8を用いて横長矩形状のゴムシート本体2を形成し得るようにしているが、一枚物である未加硫ゴムシート2a,2bを用いても良く任意である。
図中の符号40は、発熱性ゴムシートA’をアンカーボルト等により設置面に固定するための取付孔で、発熱性ゴムシートA’の周縁に沿って適宜間隔毎に、ゴムシート本体2と面状発熱体1を貫通するよう形成されている。
この例の発熱性ゴムシートA’も、実施例1の発熱性ゴムシートAと同様にして成形することができ、該発熱性ゴムシートAと同様の作用効果を有することは言うまでもない。
さらに、この例の発熱性ゴムシートA’は、図4(ロ),(ハ)に示すように、ゴムシート本体2の上面部2−1の表面全域に多数の凸部41を一体成形すると共に、隣り合う凸部41,41間に水捌け用の隙間42を形成して、雨水や融雪水などが効率良くゴムシート外側へ排出されるようになっている。
図5には、比較的長尺な発熱性ゴムシートA”を示し、該発熱性ゴムシートA”は、面状発熱体1が比較的長尺である点、ゴムシート本体2が該長尺状の面状発熱体1を埋設し得るように成形される点で図1〜図3に示す発熱性ゴムシートAと相違するが、それ以外の構成は前記した発熱性ゴムシートAと同様のため、重複する図示、説明を一部省略する。
すなわち、この発熱性ゴムシートA”においても、加熱プレス時におけるゴム材の膨張が抑えられ、加熱プレス後や成形後におけるゴムシート本体2の収縮による面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離を防止することができる。
また、各面状発熱体1間の隙間4と連通孔3内の連結部2’で接合されるゴムシート本体2の上下面部2−1,2−2で挟持し、且つ前記連結部2’で各面状発熱体1の移動を防止する状態で、各面状発熱体1がゴムシート本体2内に埋設されるので、各面状発熱体1が使用中にずれるような虞れ無く、各面状発熱体1をゴムシート本体2内に一体的に埋設することができる。
この発熱性ゴムシートA”も、前記した発熱性ゴムシートA,A’同様、例えば路面,歩道の凍結防止,融雪用シート、屋根の融雪用シートなど、その他各種の融雪機能、凍結防止機能、暖房機能等を要求される現場で使用可能な発熱性シートとして提供することができるが、長尺状であるため、路面,歩道の凍結防止・融雪用として特に好適に用いることができる。
次に、該長尺状の発熱性ゴムシートA”の製造方法を、図6〜図11を参照しながら説明する。
まず、比較的長尺な扁平帯状の面状発熱体1の長さ方向に適宜間隔をおいて連通孔3を複数穿設すると共に、これら面状発熱体1を所定寸法の隙間4をおいて並列状に複数並べ、その状態を保持し得るよう仮止めテープ101で各面状発熱体1を連結した後、各面状発熱体1端部の電極5を給電コード6aで電気的に直列状に繋ぎ、且つそのコード端部6b,6cは所定の長さをもって外側へ導出し、先端にプラグ7を設けて外部電源に接続可能に形成する(図6(イ)参照)。
次に、それら面状発熱体1の長さ方向中間部分を、前記条件で短繊維を混入して加熱プレス時の熱膨張率が抑制された未加硫ゴムからなる上下の中間シート部材9a,9bで挟むと共に、その中間シート部材9a,9b同士及び中間シート部材9a,9bと各面状発熱体1を接着剤で接着する予備成形を行い、該予備成形部分をプレス型に載置して加熱プレスを行い中間シート部9を成形する。同様の手順により中間シート部9を、所定寸法の間隔10をおいて順次成形する(図6(ロ)、図7、図8参照)。
また、前記加熱プレスの際、図7,図8に示すように、中間シート部9を構成する上下の中間シート部材9a,9bを、各面状発熱体1の長さ方向の対応する箇所に位置決めするための、上下一対の型枠21,22を用いる。
上下の型枠21,22は、中間シート部9の形状に合せて形成されたもので、中間シート部材9a,9bが充填される開口部21a,22aを方形状の縁枠21b,22bで囲繞してなる。
またこの型枠21,22は、上下の縁枠21b,22b同士の突き当て面に、面状発熱体1や給電コード6a,6b,6cを通すための溝21c,22cを備え、中間シート部9の成形時に上下型枠21,22で面状発熱体1や給電コード6a,6b,6cを挟まないように形成されている。
このような型枠21,22で中間シート部材9a,9bを位置決めすると共に、面状発熱体1や給電コード6a,6b,6cを溝21c,22cで逃がした状態で、この部分を上下の加熱ヒータ111,112でプレスして、中間シート部9を所定寸法の間隔10をおいて順次成形する(図7(イ)〜(ハ)参照)。
このようにして、中間シート部9を所定寸法の間隔10をおいて順次成形した後、隣り合わせる中間シート部9,9間の間隔10部分を、前記条件で短繊維を混入して加熱プレス時の熱膨張が抑制された未加硫ゴムからなる上下のつなぎシート部材11a,11bで挟むと共に、そのつなぎシート部材11a,11b同士及びつなぎシート部材11a,11bと各面状発熱体1を接着剤で接着する予備成形を行い、該予備成形部分をプレス型に載置して加熱プレスを行いつなぎシート部11を成形する。同様の手順によりつなぎシート部11を、各間隔10毎に順次成形する(図6(ハ)、図9、図10参照)。
また、前記加熱プレスの際、図9,図10に示すように、つなぎシート部11を構成する上下のつなぎシート部材11a,11bを、各面状発熱体1の長さ方向の対応する箇所に位置決めするための、上下一対の型枠23,24を用いる。
上下の型枠23,24は、つなぎシート部11の形状に合せて形成されたもので、つなぎシート部材11a,11bが充填される開口部23a,24aを方形状の縁枠23b,24bで囲繞してなる。
またこの型枠23,24は、上下の縁枠23b,24b同士の突き当て面に、成形済みの中間シート部9を通すための溝23c,24cを備え、つなぎシート部11の成形時に上下型枠23,24で成形済みの中間シート部9を挟まないように形成されている。
このような型枠23,24でつなぎシート部材11a,11bを位置決めすると共に、成形済みの中間シート部9を溝23c,24cで逃がした状態で、この部分を上下の加熱ヒータ111,112でプレスして、隣り合わせる中間シート部9,9の間につなぎシート部11を順次成形する(図9,図10参照)。
このようにして、中間シート部9とつなぎシート部11を順次成形した後、各面状発熱体1の前後端部を、前記したように熱膨張率が抑制された未加硫ゴムからなる上下の前,後端シート部材12a,12b、13a,13cで挟むと共に、上下の前端シート部材12a,12b同士、後端シート部材13a,13c同士及び前端シート部材12a,12b、後端シート部材13a,13と各面状発熱体1を接着剤で接着する予備成形を行い、該予備成形部分をプレス型に載置して加熱プレスを行い前端シート部12,後端シート部13を順次成形する(図6(ニ)、図11参照)。
また、前記加熱プレスの際、図11(イ)に示すように、前端シート部12を構成する上下の前端シート部材12a,12bを、各面状発熱体1の前端部に位置決めするための上下一対の型枠25,26を用いる。
また、図11(ロ)に示すように、後端シート部13を構成する上下の後端シート部材13a,13bを、各面状発熱体1の前端部に位置決めするための上下一対の型枠27,28を用いる。
前端シート部12を形成する上下の型枠25,26は、前端シート部12の形状に合せて形成されたもので、前端シート部材12a,12bが充填される開口部25a,26aを方形状の縁枠25b,26bで囲繞してなる。
またこの型枠25,26は、上下の縁枠25b,26b同士の突き当て面に、成形済みの中間シート部9を通すための溝25c,26cを備え、前端シート部12の成形時に上下型枠25,26で成形済みの中間シート部9を挟まないように形成されている。
このような型枠25,26で前端シート部材12a,12bを位置決めすると共に、成形済みの中間シート部9を溝25c,26cで逃がし、さらに、各給電コード6a〜6cを未加硫ゴム材料30で覆い仮固定した状態で、この部分を上下の加熱ヒータでプレスして、前端シート部12を成形する。
後端シート部13を形成する上下の型枠27,28は、後端シート部13の形状に合せて形成されたもので、後端シート部材13a,13bが充填される開口部27a,28aを方形状の縁枠27b,28bで囲繞してなる。
またこの型枠27,28は、上下の縁枠27b,28b同士の突き当て面に、成形済みの中間シート部9を通すための溝27c,28cを備え、後端シート部13の成形時に上下型枠27,28で成形済みの中間シート部9を挟まないように形成されている。
このような型枠27,28で後端シート部材13a,13bを位置決めすると共に、成形済みの中間シート部9を溝27c,28cで逃がし、さらに、各給電コード6aを未加硫ゴム材料30で覆った状態で、この部分を上下の加熱ヒータでプレスして、後端シート部13を成形する。
このような手順により、長尺な面状発熱体1を短繊維入りのゴムシート本体2内に埋設してなる長尺状の発熱性ゴムシートA”を容易に製造することができる。
上述の実施例1〜3に係る夫々の発熱性ゴムシートにおいて、ゴムシート本体2を成形する未加硫ゴムシートとして、FLEXSYS社製のSANTOWEBのDタイプ(老化防止や耐水性向上のために接着剤処理されたタイプ)、DXタイプ(接着剤処理されていないタイプ)の何れか1種の短繊維を以下の割合で混入した未加硫ゴムシートを複数作製し、これら未加硫ゴムシートを用いて、加熱温度150℃での加熱プレス時のゴムシート本体2の大きさ(加熱プレス型の金型内の容量)を100とし加熱プレス型から取り出した後のゴムシート本体2の収縮率を測定すると共に、該ゴムシート本体2の硬度(JIS硬度)をデュロメータAタイプを用いJIS K6253(1997)に準じて測定した。
(試料1)
短繊維の混入量が10重量部未満である未加硫ゴムシートを用いた場合、収縮率はおおよそ1.6〜2.0%の範囲内、実寸において30mmを超える収縮があり、面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などが発生し、製品表面に皺や凹凸が生じて使用に供し得ないことが確認できた。
(試料2)
短繊維が10重量部混入された未加硫ゴムシートを用いた場合、ゴムシート本体2の収縮率はおおよそ1.0%前後で、実寸において30mm程度の収縮があったが、面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などは見られず、硬さも55〜60の範囲内で、使用には問題ないことが確認できた。
(試料3)
短繊維が20重量部混入された未加硫ゴムシートを用いた場合、ゴムシート本体2の収縮率はおおよそ0.5%前後で、実寸において15mm程度の収縮があったが、面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などはほとんど見られず、硬さも60〜70の範囲内で、使用には殆ど問題ないことが確認できた。
(試料4)
短繊維が30重量部混入された未加硫ゴムシートを用いた場合、ゴムシート本体2の収縮率はおおよそ0.5%以下で、実寸において10mm以下の収縮があったが、面状発熱体1の折れ曲がりや面状発熱体1とゴム材との接合面の剥離などはほとんど見られず、硬さも75未満で、使用には問題ないことが確認できた。
(試料5)
短繊維が30重量部を超えて混入された未加硫ゴムシートを用いた場合、収縮率については殆ど問題ないものの、硬さが75を超えて可撓性、凹凸吸収性が低減し、使用に問題があることが確認できた。
上記実施例4の各試料を用い、ギヤー式老化試験機によるJIS−K6257に準ずる促進老化試験(A−2法)を行い、加熱温度60℃、100℃、130℃、160℃の各温度で加熱し2時間、6時間、20時間経過後のゴムシート本体2の膨張状態を測定した結果、上記実施例4と同傾向の結果が得られ、短繊維の混入量が10〜30重量部である本発明の発熱性ゴムシートの優位性を確認することができた。
以上、本発明に係る発熱性ゴムシートとその製造方法の例を図面及び測定試験結果を参照しながら説明したが、本発明は前記各実施例に限定されず、特許請求範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでも無い。
本発明に係る発熱性ゴムシートの実施形態の一例を示す一部切欠平面図。 図1の(X)−(X)線に沿う断面図で、要部を拡大して示す。 図1の(Y)−(Y)線に沿う断面図で、要部を拡大して示す。 本発明に係る発熱性ゴムシートの実施形態の他例を示し、(イ)は平面図、(ロ)は要部拡大平面図、(ハ)は(ロ)の(Z)−(Z)線に沿う拡大断面図。 本発明に係る発熱性ゴムシートの実施形態のさらに他例を示す平面図。 図5に示す発熱性ゴムシートの製造方法の一例を示す簡略平面図。 図5に示す発熱性ゴムシートの中間シート部の製造工程を示す簡略断面図。 図5に示す発熱性ゴムシートの中間シート部の製造工程を示す簡略平面図。 図5に示す発熱性ゴムシートのつなぎシート部の製造工程を示す簡略平面図。 図5に示す発熱性ゴムシートの中間シート部の製造工程を示す簡略断面図。 図5に示す発熱性ゴムシートの前端シート部,後端シート部の製造工程を示す簡略平面図。
符号の説明
A,A’,A”:発熱性ゴムシート
1:面状発熱体
2:短繊維入りのゴムシート本体
2−1:短繊維入りゴムシートの上面部
2−2:短繊維入りゴムシートの下面部
2’:連結部
3:連通孔
4:隙間
5:電極
6a,6b,6c:導線
2a,2b:短繊維入り未加硫ゴムシート
8:短繊維入り未加硫ゴムシートの単位シート材
9:短繊維入り中間シート部
9a,9b:短繊維入り中間シート部材(未加硫ゴムシート)
21,22:中間シート部用の型枠
10:間隔
11:短繊維入りつなぎシート部
11a、11b:短繊維入りつなぎシート部材(未加硫ゴムシート)
23,24:つなぎシート部用の型枠
12:短繊維入り前端シート部
12a,12b:短繊維入り前端シート部材(未加硫ゴムシート)
25,26:前端シート部用の型枠
13:短繊維入り後端シート部
13a,13b:短繊維入り後端シート部材(未加硫ゴムシート)
27,28:後端シート部用の型枠

Claims (8)

  1. 正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆して所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性と可撓性を有するよう形成された扁平帯状の面状発熱体を、ゴム100重量部に対し短繊維を10〜30重量部混入して熱膨張率が抑制されたゴムシート本体内に埋設してなる発熱性ゴムシート。
  2. 正特性サーミスタからなる薄肉平板状の発熱材料を熱可塑性樹脂フィルムからなる上下の絶縁シートで被覆して所定の上限温度に自己保持する自己温度制御特性と可撓性を有するよう形成された扁平帯状の面状発熱体を、ゴム100重量部に対し短繊維を10〜30重量部混入して加熱プレス時の熱膨張率が抑制された上下の未加硫ゴムシートで挟み加熱プレスしてゴムシート本体内に埋設してなる発熱性ゴムシート。
  3. 前記上下の未加硫ゴムシートがカレンダー加工により成形された生ゴムシートを所定長さに裁断してなるものであり、カレンダー加工によるシート送り出し方向と、前記ゴムシート本体の長手方向と、面状発熱体の長手方向とが平行になるよう形成されている請求項2記載の発熱性ゴムシート。
  4. 所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並んでいる各面状発熱体をゴムシート本体内に埋設してなり、前記各面状発熱体の長さ方向適宜間隔毎に設けた連通孔と、隣り合う面状発熱体間の隙間とに流入したゴムによりゴムシート本体の上下面部が連結されている請求項1〜3の何れか1項記載の発熱性ゴムシート。
  5. 前記面状発熱体が比較的長尺な扁平帯状体であり、前記ゴムシート本体が所要数の中間シート部、隣り合わせる中間シート部間に配されるつなぎシート部、前端シート部、後端シート部からなる長尺体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の発熱性ゴムシート。
  6. 前記面状発熱体を所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並べると共に各面状発熱体を給電コードで電気的に接続した後、これら面状発熱体を短繊維入りの上下の未加硫ゴムシートで挟み、さらに前記給電コードの端部を外部電源に接続可能に外部へ引き出す予備成形を行った後、該予備成形品を加熱プレスして前記各面状発熱体をゴムシート本体内に埋設することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の発熱性ゴムシートの製造方法。
  7. 前記長尺面状発熱体を所定寸法の隙間をおいて並列状に複数並べると共に各面状発熱体を給電コードで電気的に接続した後、それら面状発熱体の長さ方向中間部分に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下の中間シート部材を加熱プレスしてなる中間シート部を所定寸法の間隔をおいて順次成形した後、隣り合わせる中間シート部間の間隔部分に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下のつなぎシート部材を加熱プレスしてなるつなぎシート部を順次成形し、次いで、各面状発熱体の前後端部に、短繊維入りの未加硫ゴムからなる上下の前端シート部材、後端シート部材を加熱プレスしてなる前端シート部、後端シート部を順次成形して、前記各長尺面状発熱体を前記長尺ゴムシート本体内に埋設することを特徴とする請求項5記載の発熱性ゴムシートの製造方法。
  8. 前記中間シート部、つなぎシート部、前端シート部、後端シート部を加熱プレスにより成形する前に、短繊維入りの未加硫ゴムシートからなる上下の各シート部材で面状発熱体の所定部分を挟む予備成形を行い、該予備成形部分を加熱プレスして前記中間シート部、つなぎシート部、前端シート部、後端シート部を成形することを特徴とする請求項7記載の発熱性ゴムシートの製造方法。
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