JP2005063693A - ガラス繊維編組電線処理剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特には短時間硬化時の収束性について優れた特性を有する、表面粘着性のないガラス繊維編組電線を与えるガラス繊維編組電線処理剤組成物を提供する。
【解決手段】
(A)25℃における粘度が50〜100,000mm2/sであり、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン:本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基のモル比が、0.6:1〜20:1となる量、
(C)白金族触媒:有効量、および、
(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物:0.1〜5重量部、を含有するガラス繊維編組電線処理剤組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】
(A)25℃における粘度が50〜100,000mm2/sであり、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン:100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン:本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基のモル比が、0.6:1〜20:1となる量、
(C)白金族触媒:有効量、および、
(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物:0.1〜5重量部、を含有するガラス繊維編組電線処理剤組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性について優れた特性を有する、表面粘着性のないガラス繊維編組電線を与えるガラス繊維編組電線処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコ−ンゴム被覆電線は、芯線がシリコーンゴムで被覆されており、さらにその表層部はガラス繊維を密に組み合わせた被覆物(以下、本明細書中において「ガラス繊維編組物」という)で覆われた構造になっている。このガラス繊維編組物は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物を収束するために、そして、電気絶縁性を高めるために、シリコーンワニス、シリコーンゴムディスパージョン等のガラス繊維処理剤で処理されている。
しかし、これらのガラス繊維処理剤は、いずれも、トルエン、キシレン等の有機溶剤の使用を必要とするものであり、環境上の問題があった。そのため、有機溶剤の使用を必要としないガラス繊維処理剤の開発が望まれていた。
【0003】
前記問題を解決した有機溶剤の使用を必要としないガラス繊維処理剤としては、例えば、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンを主成分とし、白金族触媒の存在下に硬化する液状シリコーンゴム組成物からなるガラス繊維処理剤組成物(特許文献1)が提案されている。
しかし、この組成物により処理されたガラス繊維編組電線はその表面に粘着性を有するため、電線の巻取作業性に劣ったり、保存時にガラス繊維編組電線が相互に癒着したりする等の問題があった。さらに、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性についても満足できるものではなく、ガラス繊維編組電線の被覆層を剥離したときにガラス繊維編組物の切断面からガラス繊維のほつれが生じたり、ガラス繊維編組物のばらけが生じたりする等の問題があった。
その他にも、例えば、有機チタン化合物を含有してなる液状シリコーンゴム組成物としてのガラス繊維編組電線処理剤組成物(特許文献2)が提案されている。しかし、この組成物も前記組成物と同様に、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間での硬化時に収束性の問題があり、その改善が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭51−26399号公報
【特許文献2】
特開2001−35258号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性についても優れた特性を有する、表面粘着性がないガラス繊維編組電線を与えるガラス繊維編組電線処理剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明は、
(A)25℃における粘度が50〜100,000mm2/sであり、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン:本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基のモル比が、0.6:1〜20:1となる量、
(C)白金族触媒: 有効量、および、
(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物: 0.1〜5重量部、を含有するガラス繊維編組電線処理剤組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の組成物は、必須成分として、上記(A)〜(D)成分を含有するものである。
【0008】
<必須成分>
〔(A)ジオルガノポリシロキサン〕
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分である。該ジオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子に結合した置換基として、1分子中に2個以上、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個のアルケニル基を有するものであり、平均組成式(1):
RnSiO(4−n)/2 (1)
[式中、Rは非置換または置換の1価炭化水素基であり、nは1.9〜2.1、好ましくは1.95〜2.02の数である]
で表される、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、実質的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。前記ジオルガノポリシロキサンの分子中に、アルケニル基が存在しない場合または1個しかない場合、得られる組成物が十分に硬化しないことがある。
【0009】
上記式(1)中、Rは、通常、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の非置換または置換の1価炭化水素基である。Rで表される非置換または置換の1価炭化水素基としては、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、より好ましくは、メチル基、ビニル基が挙げられる。
また、(A)成分であるジオルガノポリシロキサン1分子中のケイ素原子数(または、重合度)は、好ましくは10〜1,200、より好ましくは50〜600である。
【0010】
このジオルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において、50〜100,000mm2/sであることが必要であり、好ましくは1,000〜50,000mm2/s、より好ましくは1,000〜10,000mm2/sである。前記粘度が50mm2/s未満の場合、得られる硬化物の物性(例えば、ゴム弾性、強度、伸び)等が著しく低下して、脆くなってしまい、100,000mm2/sを超える場合、得られる組成物が著しく増粘して作業性に劣るものとなってしまう。
【0011】
上記の条件を満たすジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体等が挙げられ、好ましくは、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0012】
〔(B)オルガノポリシロキサン〕
(B)成分の1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜200個、特に好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(即ち、「Si−H基」)を、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子上に有するオルガノポリシロキサンは、架橋剤として作用する成分である。前記オルガノポリシロキサン分子中のケイ素原子結合水素原子が2個未満の場合、得られる硬化物の強度が著しく低下してしまうおそれがある。
【0013】
上記の条件を満たすオルガノポリシロキサンとしては、Si−H基を2個以上有しさえすれば構造は特に限定されず、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位[H(CH3)2SiO1/2]とSiO4/2単位からなる三次元網状構造の共重合体等が挙げられ、好ましくは、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位とSiO4/2単位からなる共重合体が挙げられる。
前記オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において、通常0.1〜1,000mm2/s、好ましくは0.5〜500mm2/s、より好ましくは1〜300mm2/sである。
【0014】
(B)成分の配合量は、本成分のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基(但し、後述する(E)成分がアルケニル基を含有する場合には、(A)成分と(E)成分との合計中のアルケニル基)のモル比が0.6:1〜20:1となる量であることが必要であり、好ましくは0.6:1〜10:1、より好ましくは0.8:1〜5:1となる量である。前記配合量が、(A)成分中のアルケニル基(但し、後述する(E)成分がアルケニル基を含有する場合には、(A)成分と(E)成分との合計中のアルケニル基)1モルに対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.6モル未満である場合、あるいは、20モルを超える場合、得られる硬化物が著しく強度に劣ったものとなってしまう。
【0015】
〔(C)白金族触媒〕
(C)成分の白金族触媒は、本発明の組成物を硬化させる作用を有するものである。前記白金族触媒としては、特に限定されず、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O[式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0または6である]等の塩化白金、塩化白金酸および塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(即ち、ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩と、ビニル基含有シロキサン、好ましくはビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられ、好ましくは、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O;塩化白金酸とオレフィンとの錯体(コンプレックス);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサンとの錯体(コンプレックス)が挙げられる。
【0016】
(C)成分の配合量は有効量でよいが、好ましくは(A)成分100重量部に対して、白金族金属の元素換算で0.00001〜0.05重量部((A)成分に対して、0.1〜500ppm)であり、より好ましくは0.0001〜0.01重量部(1〜100ppm)である。
【0017】
〔(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基および/またはアリル基を有する化合物〕
(D)成分のアクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物は、本発明の組成物の表面粘着性を低減またはなくし、硬化促進作用により高温・短時間での硬化とその際のガラス繊維編組物への接着性の付与を実現するために必須となる成分である。前記化合物は、1分子中に、アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基のうち、1種類の基のみを有するものであっても2種類以上の基を有するものであってもよい。
【0018】
以下の説明において、「(メタ)アクリル酸」および「(メタ)アクリロキシ」の用語は、それぞれ、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびに、アクリロキシ基およびメタクリロキシ基の一方または両方を表す。(メタ)アクリルアミド等の類似表現も同様である。
(メタ)アクリロキシ基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、1,3−ジ[(メタ)アクリル酸]プロパン等のα,ω−ジ[(メタ)アクリル酸]アルカン等のジ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくはエステル構造を形成する置換基中に加水分解性基(特に、加水分解性シリル基)を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0019】
前記加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基、プロピオノキシ基等のアシロキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基や、これらの加水分解性基を有するアルコキシシリル基、アシロキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、ケトオキシムシリル基等の加水分解性シリル基、クロロジメチルシリル基、クロロジフェニルシリル基、ジクロロメチルシリル基等のクロロシリル基等が挙げられ、好ましくはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基およびアシロキシ基、より好ましくは炭素原子数が1〜4個のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基およびアシロキシ基等の加水分解性基、ならびに、これらを含有する加水分解性シリル基が挙げられる。
【0020】
加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する基と、加水分解性シリル基中の加水分解性基とが、それぞれ別個のケイ素原子(例えば、シリルアルキレン構造等の、アルキレン基で連結された別個のケイ素原子)に結合したものであることが好ましい。
【0021】
前記加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−[メチル−ビス(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン、1−[ジメチル(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン等が挙げられ、好ましくは、1−[メチル−ビス(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン、1−[ジメチル(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタンが挙げられる。
【0022】
前記アリル基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、ジアリルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアルキル基、アルケニル基等の1価脂肪族炭化水素基のアリルエーテル、1価芳香族炭化水素基のアリルエーテル等のアリルエーテル、安息香酸アリル、フタル酸ジアリル、トリメリト酸トリアリル、ピロメリト酸テトラアリル等の分子中に1〜4個のアリル基を有する芳香族カルボン酸エステル、アリル(メタ)アクリレート、酢酸アリル、マレイン酸ジアリル等の(メタ)アクリル酸または脂肪族カルボン酸のエステル等のアリルエステル、ポリアリルメタクリレート、ポリアリルアクリレート等のアリルエステル重合体、アリルカーボネート重合体等が挙げられ、好ましくはアリルエステル、より好ましくは、1分子中に少なくとも2つのアリル基を有するフタル酸ジアリル、トリメリト酸トリアリル、ピロメリト酸テトラアリル等の多価アリルエステルが挙げられる。
(D)成分は、上記化合物の一種単独からなるものでも、二種以上を組み合わせてなるものでもよい。
【0023】
(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが必要であり、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。前記配合量が0.1重量部未満の場合、ガラス繊維編組物の表面粘着性低減効果、ならびに、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性に対する改善効果が得られ難く、5重量部を超える場合、本発明の組成物の保存安定性が低下し、さらに、前記効果の向上もあまり期待できない。
【0024】
<任意成分>
本発明の組成物は上記(A)〜(D)成分に加えて、以下の(E)成分、(F)成分、その他の任意成分等を含有していてもよい。
〔(E)オルガノポリシロキサンレジン〕
(E)成分のオルガノポリシロキサンレジンは、ガラス繊維編組物への浸透性、接着性および硬化性を向上するための三次元網状構造の成分である。前記オルガノポリシロキサンレジンとしては、特に限定されず、例えば、R1 3SiO1/2単位[式中、R1はアルキル基またはフェニル基である。以下、同じである。]とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 3SiO1/2単位とR2SiO3/2単位[式中、R2はアルケニル基である。以下、同じである。]とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とR2SiO3/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とR2SiO3/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン等が挙げられ、好ましくはビニル基を有するオルガノポリシロキサンレジン、より好ましくはR1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジンが挙げられる。
【0025】
R1で表されるアルキル基またはフェニル基のうち、アルキル基は、通常、炭素原子数10以下、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6である。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、好ましくはメチル基が挙げられる。
【0026】
R2で表されるアルケニル基は、通常、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基が挙げられる。
【0027】
前記オルガノポリシロキサンレジンとしては、特に限定されないが、R1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位の合計量が、SiO4/2単位1モルに対して0.6〜1.2モル、好ましくは0.8〜1.2モル、より好ましくは0.9〜1.2モルの範囲にあり、そして、(E)成分中のアルケニル基(即ち、R2で表されるもの)含有量が1〜3重量%、好ましくは1.5〜3重量%、より好ましくは2〜3重量%であることが望ましい。
前記オルガノポリシロキサンレジンは、常温下(25℃)で、液状であっても固形状であってもよい。特に、(A)成分への相溶性があるものが好ましい。
【0028】
(E)成分の配合量は、特に限定されず、好ましくは(A)成分100重量部に対して0〜100重量部であり、より好ましくは、ガラス繊維編組物への浸透性を向上すると共に薄膜コーティング性を向上させる点から5〜80重量部、特に好ましくは10〜80重量部である。
【0029】
〔(F)無機充填剤〕
(F)成分の無機充填剤は、シリコーンゴム組成物に用いられる充填剤として知られている従来公知のものが使用可能である。該無機充填剤としては、例えば、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、焼成シリカ、溶球シリカ、結晶性シリカ(石英粉)、前記シリカの表面がオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノヒドロキシシラン、ヘキサオルガノジシラザン、オルガノシクロポリシロキサン等、好ましくは、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノヒドロキシシラン、ヘキサオルガノジシラザンで処理された表面処理シリカ等の補強性シリカ;ヒュームド酸化チタン、粉砕石英、珪藻土、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の準補強性充填剤あるいは非補強性充填剤等が挙げられ、好ましくは、表面処理された、あるいは、非処理の乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、結晶性シリカ(石英粉)、炭酸カルシウムが挙げられる。
【0030】
(F)成分の配合量は無機充填剤の種類によって異なるが、ガラス繊維編組物への浸透性を良好に保つ点から、通常、好ましくは(A)成分100重量部に対して0〜50重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜25重量部、特に好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0031】
〔その他の任意成分〕
さらに、必要に応じて、着色剤、耐熱性向上剤、硬化抑制剤等のその他の任意成分を添加してもよい。
該硬化抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや、そのシラン、シロキサン変性物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン;3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等を配合することが好ましく、アセチレンアルコールやそのシラン、シロキサン変性物、ベンゾトリアゾールを配合することがより好ましい。
【0032】
前記硬化抑制剤の配合量は、特に限定されず、通常、(A)成分100重量部に対して、10重量部以下(0〜10重量部)、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.05〜3重量部の範囲である。
【0033】
本発明の組成物は、上記(A)〜(D)成分および必要に応じて加えられる任意成分を均一となるように混合することにより調製される。これらの成分を混合する際には通常、混合装置が使用される。該混合装置としては、特に限定されず、例えば、ロスミキサー、連続混練押出機等が挙げられる。
【0034】
本発明組成物をガラス繊維編組電線に適用する方法としては、例えば、本発明組成物を満たした浴中に未処理のガラス繊維編組電線を浸漬した後、これを加熱炉に導入して、本発明の組成物の硬化温度以上の温度条件で加熱することにより硬化させればよい。前記硬化温度は、前記組成物の組成により異なるが、通常130〜230℃、より典型的には150〜200℃の範囲内である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中、粘度は25℃におけるものである。また、Viはビニル基を表し、Meはメチル基を表し、部は重量部を表す。
【0036】
<実施例1>
〔ガラス繊維編組電線処理剤組成物の調製〕
(A)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された粘度が5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100部、(E)式:(ViMe2SiO1/2)l(Me3SiO1/2)m(SiO4/2)n[l、mおよびnは各単位の存在比(モル比)を表す数である]で表され、(l+m)/n=0.9の関係を満たすビニル基含有メチルポリシロキサンレジン(Vi基含有量:3重量%)35部、および、(D)ピロメリト酸テトラアリル1.0部をロスミキサーで均一になるように混合した。その混合物に、(B)粘度が5mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(1分子中のケイ素原子結合水素原子:12個)を(A)成分および(E)成分の合計中のビニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が4モルとなる量、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金族金属の元素換算で0.01部となる量、および、硬化抑制剤である1−エチニルシクロヘキサノール0.3部を加えてロスミキサーで均一になるように混合することにより、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
【0037】
〔ガラス繊維編組電線の処理方法〕
次に、以下の処理方法に従って、未処理のガラス繊維編組電線の処理を行った。未処理のガラス繊維編組電線(シリコーンゴム被覆電線上にガラス繊維が編組されたもの)を前記ガラス繊維編組電線処理剤組成物で満たされた容器中に導入し、コーティング用治具の電線通過孔(この電線通過孔の直径はガラス繊維編組電線の直径より僅かに大きい)を通過させた。次いで、前記ガラス繊維編組電線に、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を塗布量が一定になるように均一に塗布した後、加熱オーブン中に導入して180℃で5分間、あるいは、200℃で1分間の条件下で加熱硬化することにより、処理済ガラス繊維編組電線を得た。
【0038】
〔ガラス繊維編組電線の特性評価〕
上記処理済ガラス繊維編組電線の特性(表面粘着性、収束性)の評価を行った。
前記表面粘着性の評価は、指触により、前記処理済ガラス繊維編組電線表面の粘着性の有無を確認した。また、前記収束性の評価は、前記処理済ガラス繊維編組電線をはさみで切断し、その切断面のガラス繊維のほつれ具合を目視により確認した。ガラス繊維のほつれがない場合を「特に良好」とし、若干のほつれが確認される場合を「良好」とし、ほつれが確認される場合を「不良」と評価した。得られた結果を表1に示す。
【0039】
<実施例2>
(A)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された粘度5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100部、(E)(ViMe2SiO1/2)l(Me3SiO1/2)m(SiO4/2)n[l、mおよびnは各単位の存在比(モル比)を表す数である]で表され、(l+m)/n=0.9の関係を満たすビニル基含有メチルポリシロキサンレジン(Vi基含有量:3重量%)35部をロスミキサーに入れ、これに(F)乾式法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:R−972)5部を均一になるように混合した。次いで、(B)粘度5mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(1分子中のケイ素原子結合水素原子:12個)を(A)成分および(E)成分の合計中のビニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が4モルとなる量、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を白金族金属の元素換算で0.01部となる量、硬化抑制剤である1−エチニルシクロヘキサノール0.3部、および、(D)ピロメリト酸テトラアリル1.0部を加えて、ロスミキサーで均一になるように混合することによりガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は10,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0040】
<実施例3>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりに1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン1.0部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0041】
<実施例4>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりに1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン1.0部を配合した以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は10,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0042】
<実施例5>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにピロメリト酸テトラアリルと1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタンを1:1の重量比で混合した混合物0.1部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0043】
<比較例1>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにテトラオクチルチタネート1.0部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は5,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0044】
<比較例2>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0045】
<比較例3>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにテトラオクチルチタネート1.0部を配合した以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は20,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0046】
<比較例4>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部を配合しなかった以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は12,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
<評価>
実施例1〜5は、本発明の要件を満たす組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、表面粘着性はなく、収束性も良好であった。
比較例1および3は、本発明の(D)成分の代わりにテトラオクチルチタネートを配合して調整した組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、200℃で1分間処理した場合に、収束性が劣っていた。
比較例2および4は、本発明の(D)成分を配合せずに調製した組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、表面粘着性および収束性のいずれの特性にも劣っていた。
【0049】
【発明の効果】
本発明の組成物は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性についても優れた特性を有する、表面粘着性がないガラス繊維編組電線を与えるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性について優れた特性を有する、表面粘着性のないガラス繊維編組電線を与えるガラス繊維編組電線処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコ−ンゴム被覆電線は、芯線がシリコーンゴムで被覆されており、さらにその表層部はガラス繊維を密に組み合わせた被覆物(以下、本明細書中において「ガラス繊維編組物」という)で覆われた構造になっている。このガラス繊維編組物は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物を収束するために、そして、電気絶縁性を高めるために、シリコーンワニス、シリコーンゴムディスパージョン等のガラス繊維処理剤で処理されている。
しかし、これらのガラス繊維処理剤は、いずれも、トルエン、キシレン等の有機溶剤の使用を必要とするものであり、環境上の問題があった。そのため、有機溶剤の使用を必要としないガラス繊維処理剤の開発が望まれていた。
【0003】
前記問題を解決した有機溶剤の使用を必要としないガラス繊維処理剤としては、例えば、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンを主成分とし、白金族触媒の存在下に硬化する液状シリコーンゴム組成物からなるガラス繊維処理剤組成物(特許文献1)が提案されている。
しかし、この組成物により処理されたガラス繊維編組電線はその表面に粘着性を有するため、電線の巻取作業性に劣ったり、保存時にガラス繊維編組電線が相互に癒着したりする等の問題があった。さらに、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性についても満足できるものではなく、ガラス繊維編組電線の被覆層を剥離したときにガラス繊維編組物の切断面からガラス繊維のほつれが生じたり、ガラス繊維編組物のばらけが生じたりする等の問題があった。
その他にも、例えば、有機チタン化合物を含有してなる液状シリコーンゴム組成物としてのガラス繊維編組電線処理剤組成物(特許文献2)が提案されている。しかし、この組成物も前記組成物と同様に、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間での硬化時に収束性の問題があり、その改善が望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭51−26399号公報
【特許文献2】
特開2001−35258号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性についても優れた特性を有する、表面粘着性がないガラス繊維編組電線を与えるガラス繊維編組電線処理剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明は、
(A)25℃における粘度が50〜100,000mm2/sであり、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン:本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基のモル比が、0.6:1〜20:1となる量、
(C)白金族触媒: 有効量、および、
(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物: 0.1〜5重量部、を含有するガラス繊維編組電線処理剤組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の組成物は、必須成分として、上記(A)〜(D)成分を含有するものである。
【0008】
<必須成分>
〔(A)ジオルガノポリシロキサン〕
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分である。該ジオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子に結合した置換基として、1分子中に2個以上、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個のアルケニル基を有するものであり、平均組成式(1):
RnSiO(4−n)/2 (1)
[式中、Rは非置換または置換の1価炭化水素基であり、nは1.9〜2.1、好ましくは1.95〜2.02の数である]
で表される、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、実質的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。前記ジオルガノポリシロキサンの分子中に、アルケニル基が存在しない場合または1個しかない場合、得られる組成物が十分に硬化しないことがある。
【0009】
上記式(1)中、Rは、通常、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の非置換または置換の1価炭化水素基である。Rで表される非置換または置換の1価炭化水素基としては、特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、より好ましくは、メチル基、ビニル基が挙げられる。
また、(A)成分であるジオルガノポリシロキサン1分子中のケイ素原子数(または、重合度)は、好ましくは10〜1,200、より好ましくは50〜600である。
【0010】
このジオルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において、50〜100,000mm2/sであることが必要であり、好ましくは1,000〜50,000mm2/s、より好ましくは1,000〜10,000mm2/sである。前記粘度が50mm2/s未満の場合、得られる硬化物の物性(例えば、ゴム弾性、強度、伸び)等が著しく低下して、脆くなってしまい、100,000mm2/sを超える場合、得られる組成物が著しく増粘して作業性に劣るものとなってしまう。
【0011】
上記の条件を満たすジオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジビニルメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体等が挙げられ、好ましくは、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0012】
〔(B)オルガノポリシロキサン〕
(B)成分の1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜200個、特に好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(即ち、「Si−H基」)を、分子鎖末端および/または分子鎖途中のケイ素原子上に有するオルガノポリシロキサンは、架橋剤として作用する成分である。前記オルガノポリシロキサン分子中のケイ素原子結合水素原子が2個未満の場合、得られる硬化物の強度が著しく低下してしまうおそれがある。
【0013】
上記の条件を満たすオルガノポリシロキサンとしては、Si−H基を2個以上有しさえすれば構造は特に限定されず、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位[H(CH3)2SiO1/2]とSiO4/2単位からなる三次元網状構造の共重合体等が挙げられ、好ましくは、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位とSiO4/2単位からなる共重合体が挙げられる。
前記オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において、通常0.1〜1,000mm2/s、好ましくは0.5〜500mm2/s、より好ましくは1〜300mm2/sである。
【0014】
(B)成分の配合量は、本成分のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基(但し、後述する(E)成分がアルケニル基を含有する場合には、(A)成分と(E)成分との合計中のアルケニル基)のモル比が0.6:1〜20:1となる量であることが必要であり、好ましくは0.6:1〜10:1、より好ましくは0.8:1〜5:1となる量である。前記配合量が、(A)成分中のアルケニル基(但し、後述する(E)成分がアルケニル基を含有する場合には、(A)成分と(E)成分との合計中のアルケニル基)1モルに対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.6モル未満である場合、あるいは、20モルを超える場合、得られる硬化物が著しく強度に劣ったものとなってしまう。
【0015】
〔(C)白金族触媒〕
(C)成分の白金族触媒は、本発明の組成物を硬化させる作用を有するものである。前記白金族触媒としては、特に限定されず、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O[式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0または6である]等の塩化白金、塩化白金酸および塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)(即ち、ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩と、ビニル基含有シロキサン、好ましくはビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられ、好ましくは、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O;塩化白金酸とオレフィンとの錯体(コンプレックス);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサンとの錯体(コンプレックス)が挙げられる。
【0016】
(C)成分の配合量は有効量でよいが、好ましくは(A)成分100重量部に対して、白金族金属の元素換算で0.00001〜0.05重量部((A)成分に対して、0.1〜500ppm)であり、より好ましくは0.0001〜0.01重量部(1〜100ppm)である。
【0017】
〔(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基および/またはアリル基を有する化合物〕
(D)成分のアクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物は、本発明の組成物の表面粘着性を低減またはなくし、硬化促進作用により高温・短時間での硬化とその際のガラス繊維編組物への接着性の付与を実現するために必須となる成分である。前記化合物は、1分子中に、アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基のうち、1種類の基のみを有するものであっても2種類以上の基を有するものであってもよい。
【0018】
以下の説明において、「(メタ)アクリル酸」および「(メタ)アクリロキシ」の用語は、それぞれ、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびに、アクリロキシ基およびメタクリロキシ基の一方または両方を表す。(メタ)アクリルアミド等の類似表現も同様である。
(メタ)アクリロキシ基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、1,3−ジ[(メタ)アクリル酸]プロパン等のα,ω−ジ[(メタ)アクリル酸]アルカン等のジ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくはエステル構造を形成する置換基中に加水分解性基(特に、加水分解性シリル基)を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0019】
前記加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基、プロピオノキシ基等のアシロキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基や、これらの加水分解性基を有するアルコキシシリル基、アシロキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、ケトオキシムシリル基等の加水分解性シリル基、クロロジメチルシリル基、クロロジフェニルシリル基、ジクロロメチルシリル基等のクロロシリル基等が挙げられ、好ましくはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基およびアシロキシ基、より好ましくは炭素原子数が1〜4個のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基およびアシロキシ基等の加水分解性基、ならびに、これらを含有する加水分解性シリル基が挙げられる。
【0020】
加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する基と、加水分解性シリル基中の加水分解性基とが、それぞれ別個のケイ素原子(例えば、シリルアルキレン構造等の、アルキレン基で連結された別個のケイ素原子)に結合したものであることが好ましい。
【0021】
前記加水分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−[メチル−ビス(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン、1−[ジメチル(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン等が挙げられ、好ましくは、1−[メチル−ビス(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン、1−[ジメチル(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタンが挙げられる。
【0022】
前記アリル基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、ジアリルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアルキル基、アルケニル基等の1価脂肪族炭化水素基のアリルエーテル、1価芳香族炭化水素基のアリルエーテル等のアリルエーテル、安息香酸アリル、フタル酸ジアリル、トリメリト酸トリアリル、ピロメリト酸テトラアリル等の分子中に1〜4個のアリル基を有する芳香族カルボン酸エステル、アリル(メタ)アクリレート、酢酸アリル、マレイン酸ジアリル等の(メタ)アクリル酸または脂肪族カルボン酸のエステル等のアリルエステル、ポリアリルメタクリレート、ポリアリルアクリレート等のアリルエステル重合体、アリルカーボネート重合体等が挙げられ、好ましくはアリルエステル、より好ましくは、1分子中に少なくとも2つのアリル基を有するフタル酸ジアリル、トリメリト酸トリアリル、ピロメリト酸テトラアリル等の多価アリルエステルが挙げられる。
(D)成分は、上記化合物の一種単独からなるものでも、二種以上を組み合わせてなるものでもよい。
【0023】
(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが必要であり、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。前記配合量が0.1重量部未満の場合、ガラス繊維編組物の表面粘着性低減効果、ならびに、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性に対する改善効果が得られ難く、5重量部を超える場合、本発明の組成物の保存安定性が低下し、さらに、前記効果の向上もあまり期待できない。
【0024】
<任意成分>
本発明の組成物は上記(A)〜(D)成分に加えて、以下の(E)成分、(F)成分、その他の任意成分等を含有していてもよい。
〔(E)オルガノポリシロキサンレジン〕
(E)成分のオルガノポリシロキサンレジンは、ガラス繊維編組物への浸透性、接着性および硬化性を向上するための三次元網状構造の成分である。前記オルガノポリシロキサンレジンとしては、特に限定されず、例えば、R1 3SiO1/2単位[式中、R1はアルキル基またはフェニル基である。以下、同じである。]とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 3SiO1/2単位とR2SiO3/2単位[式中、R2はアルケニル基である。以下、同じである。]とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とR2SiO3/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 2R2SiO1/2単位とR2SiO3/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、R1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジン等が挙げられ、好ましくはビニル基を有するオルガノポリシロキサンレジン、より好ましくはR1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位とSiO4/2単位からなるオルガノポリシロキサンレジンが挙げられる。
【0025】
R1で表されるアルキル基またはフェニル基のうち、アルキル基は、通常、炭素原子数10以下、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6である。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、好ましくはメチル基が挙げられる。
【0026】
R2で表されるアルケニル基は、通常、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。前記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基が挙げられる。
【0027】
前記オルガノポリシロキサンレジンとしては、特に限定されないが、R1 3SiO1/2単位とR1 2R2SiO1/2単位の合計量が、SiO4/2単位1モルに対して0.6〜1.2モル、好ましくは0.8〜1.2モル、より好ましくは0.9〜1.2モルの範囲にあり、そして、(E)成分中のアルケニル基(即ち、R2で表されるもの)含有量が1〜3重量%、好ましくは1.5〜3重量%、より好ましくは2〜3重量%であることが望ましい。
前記オルガノポリシロキサンレジンは、常温下(25℃)で、液状であっても固形状であってもよい。特に、(A)成分への相溶性があるものが好ましい。
【0028】
(E)成分の配合量は、特に限定されず、好ましくは(A)成分100重量部に対して0〜100重量部であり、より好ましくは、ガラス繊維編組物への浸透性を向上すると共に薄膜コーティング性を向上させる点から5〜80重量部、特に好ましくは10〜80重量部である。
【0029】
〔(F)無機充填剤〕
(F)成分の無機充填剤は、シリコーンゴム組成物に用いられる充填剤として知られている従来公知のものが使用可能である。該無機充填剤としては、例えば、乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、焼成シリカ、溶球シリカ、結晶性シリカ(石英粉)、前記シリカの表面がオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノヒドロキシシラン、ヘキサオルガノジシラザン、オルガノシクロポリシロキサン等、好ましくは、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノヒドロキシシラン、ヘキサオルガノジシラザンで処理された表面処理シリカ等の補強性シリカ;ヒュームド酸化チタン、粉砕石英、珪藻土、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の準補強性充填剤あるいは非補強性充填剤等が挙げられ、好ましくは、表面処理された、あるいは、非処理の乾式シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、結晶性シリカ(石英粉)、炭酸カルシウムが挙げられる。
【0030】
(F)成分の配合量は無機充填剤の種類によって異なるが、ガラス繊維編組物への浸透性を良好に保つ点から、通常、好ましくは(A)成分100重量部に対して0〜50重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜25重量部、特に好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0031】
〔その他の任意成分〕
さらに、必要に応じて、着色剤、耐熱性向上剤、硬化抑制剤等のその他の任意成分を添加してもよい。
該硬化抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや、そのシラン、シロキサン変性物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン;3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;テトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等を配合することが好ましく、アセチレンアルコールやそのシラン、シロキサン変性物、ベンゾトリアゾールを配合することがより好ましい。
【0032】
前記硬化抑制剤の配合量は、特に限定されず、通常、(A)成分100重量部に対して、10重量部以下(0〜10重量部)、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.05〜3重量部の範囲である。
【0033】
本発明の組成物は、上記(A)〜(D)成分および必要に応じて加えられる任意成分を均一となるように混合することにより調製される。これらの成分を混合する際には通常、混合装置が使用される。該混合装置としては、特に限定されず、例えば、ロスミキサー、連続混練押出機等が挙げられる。
【0034】
本発明組成物をガラス繊維編組電線に適用する方法としては、例えば、本発明組成物を満たした浴中に未処理のガラス繊維編組電線を浸漬した後、これを加熱炉に導入して、本発明の組成物の硬化温度以上の温度条件で加熱することにより硬化させればよい。前記硬化温度は、前記組成物の組成により異なるが、通常130〜230℃、より典型的には150〜200℃の範囲内である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。なお、実施例中、粘度は25℃におけるものである。また、Viはビニル基を表し、Meはメチル基を表し、部は重量部を表す。
【0036】
<実施例1>
〔ガラス繊維編組電線処理剤組成物の調製〕
(A)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された粘度が5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100部、(E)式:(ViMe2SiO1/2)l(Me3SiO1/2)m(SiO4/2)n[l、mおよびnは各単位の存在比(モル比)を表す数である]で表され、(l+m)/n=0.9の関係を満たすビニル基含有メチルポリシロキサンレジン(Vi基含有量:3重量%)35部、および、(D)ピロメリト酸テトラアリル1.0部をロスミキサーで均一になるように混合した。その混合物に、(B)粘度が5mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(1分子中のケイ素原子結合水素原子:12個)を(A)成分および(E)成分の合計中のビニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が4モルとなる量、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金族金属の元素換算で0.01部となる量、および、硬化抑制剤である1−エチニルシクロヘキサノール0.3部を加えてロスミキサーで均一になるように混合することにより、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
【0037】
〔ガラス繊維編組電線の処理方法〕
次に、以下の処理方法に従って、未処理のガラス繊維編組電線の処理を行った。未処理のガラス繊維編組電線(シリコーンゴム被覆電線上にガラス繊維が編組されたもの)を前記ガラス繊維編組電線処理剤組成物で満たされた容器中に導入し、コーティング用治具の電線通過孔(この電線通過孔の直径はガラス繊維編組電線の直径より僅かに大きい)を通過させた。次いで、前記ガラス繊維編組電線に、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を塗布量が一定になるように均一に塗布した後、加熱オーブン中に導入して180℃で5分間、あるいは、200℃で1分間の条件下で加熱硬化することにより、処理済ガラス繊維編組電線を得た。
【0038】
〔ガラス繊維編組電線の特性評価〕
上記処理済ガラス繊維編組電線の特性(表面粘着性、収束性)の評価を行った。
前記表面粘着性の評価は、指触により、前記処理済ガラス繊維編組電線表面の粘着性の有無を確認した。また、前記収束性の評価は、前記処理済ガラス繊維編組電線をはさみで切断し、その切断面のガラス繊維のほつれ具合を目視により確認した。ガラス繊維のほつれがない場合を「特に良好」とし、若干のほつれが確認される場合を「良好」とし、ほつれが確認される場合を「不良」と評価した。得られた結果を表1に示す。
【0039】
<実施例2>
(A)分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された粘度5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン100部、(E)(ViMe2SiO1/2)l(Me3SiO1/2)m(SiO4/2)n[l、mおよびnは各単位の存在比(モル比)を表す数である]で表され、(l+m)/n=0.9の関係を満たすビニル基含有メチルポリシロキサンレジン(Vi基含有量:3重量%)35部をロスミキサーに入れ、これに(F)乾式法シリカ(日本アエロジル社製、商品名:R−972)5部を均一になるように混合した。次いで、(B)粘度5mm2/sの両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(1分子中のケイ素原子結合水素原子:12個)を(A)成分および(E)成分の合計中のビニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が4モルとなる量、(C)塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を白金族金属の元素換算で0.01部となる量、硬化抑制剤である1−エチニルシクロヘキサノール0.3部、および、(D)ピロメリト酸テトラアリル1.0部を加えて、ロスミキサーで均一になるように混合することによりガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は10,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0040】
<実施例3>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりに1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン1.0部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0041】
<実施例4>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりに1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタン1.0部を配合した以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は10,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0042】
<実施例5>
(D)成分として、ピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにピロメリト酸テトラアリルと1−[ジメチル(2−メタクリロキシエトキシ)シリル]−2−(トリイソプロペノキシシリル)エタンを1:1の重量比で混合した混合物0.1部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0043】
<比較例1>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにテトラオクチルチタネート1.0部を配合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は5,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0044】
<比較例2>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は4,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0045】
<比較例3>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部の代わりにテトラオクチルチタネート1.0部を配合した以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は20,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0046】
<比較例4>
(D)成分であるピロメリト酸テトラアリル1.0部を配合しなかった以外は、実施例2と同様にして、ガラス繊維編組電線処理剤組成物を調製した。この組成物の粘度は12,000mm2/sであった。
実施例1と同様にして、前記組成物でガラス繊維編組電線を処理し、得られた処理済ガラス繊維編組電線の特性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
<評価>
実施例1〜5は、本発明の要件を満たす組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、表面粘着性はなく、収束性も良好であった。
比較例1および3は、本発明の(D)成分の代わりにテトラオクチルチタネートを配合して調整した組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、200℃で1分間処理した場合に、収束性が劣っていた。
比較例2および4は、本発明の(D)成分を配合せずに調製した組成物により処理されたガラス繊維編組電線についての特性を確認したものであり、表面粘着性および収束性のいずれの特性にも劣っていた。
【0049】
【発明の効果】
本発明の組成物は、ガラス繊維およびガラス繊維編組物の収束性、特に短時間硬化時の収束性についても優れた特性を有する、表面粘着性がないガラス繊維編組電線を与えるものである。
Claims (9)
- (A)25℃における粘度が50〜100,000mm2/sであり、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン:本成分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のアルケニル基のモル比が、0.6:1〜20:1となる量、
(C)白金族触媒: 有効量、および、
(D)アクリロキシ基、メタクリロキシ基およびアリル基からなる群から選ばれる基を有する化合物: 0.1〜5重量部、を含有するガラス繊維編組電線処理剤組成物。 - 前記(D)成分がアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを含む請求項1に記載の組成物。
- 前記アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルが加水分解性基を有する請求項2に記載の組成物。
- 前記(D)成分がアリルエステルを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記アリルエステルが1分子中に少なくとも2つのアリル基を有する請求項4に記載の組成物。
- さらに、(E)オルガノポリシロキサンレジンを(A)成分100重量部に対して0〜100重量部含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記(E)成分のオルガノポリシロキサンレジンが、SiO4/2単位、R1 3SiO1/2単位およびR1 2R2SiO1/2単位[式中、R1はアルキル基またはフェニル基であり、R2はアルケニル基である]からなるオルガノポリシロキサンレジンである請求項6に記載の組成物。
- 前記R1 3SiO1/2単位と前記R1 2R2SiO1/2単位との合計量が前記SiO4/2単位1モルに対して0.6〜1.2モルであり、前記(E)成分中のアルケニル基含有量が1〜3重量%である請求項7に記載の組成物。
- さらに、(F)無機充填剤を(A)成分100重量部に対して0〜50重量部含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
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