JP2005062944A - 交通流ミクロシミュレーションにおける車線変更判定方法およびそれを適用した交通流ミクロシミュレーションシステム - Google Patents

交通流ミクロシミュレーションにおける車線変更判定方法およびそれを適用した交通流ミクロシミュレーションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】シミュレーションによって自然な交通流を再現すること。
【解決手段】道路上を走行する各車両X(#1〜#n)を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両X(#1)が、走行中車線Cから隣接車線Dへ車線変更することが可能か否かを判定する条件として、隣接車線Dにおいて対象車両X(#1)の直前を走行する車両X(#2)と、対象車両X(#1)との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、対象車両X(#1)は車線変更が可能であると判定する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路上を走行する車両を一台毎に模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へと車線変更することの可否を判定する方法、およびその判定方法を適用した交通流ミクロシミュレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路等の道路上の交通状況をシミュレーションし、既存の道路の渋滞緩和のための対策立案や、新規に建設を予定している道路の設計に資するために交通流シミュレーションシステムの開発がなされている。
【0003】
この種の交通流シミュレーションシステムにおいて、交通流をシミュレーションする方法は、その考え方の違いから、交通流を巨視的な流れとして扱う交通流マクロシミュレーションと、微視的な流れとして扱う交通流ミクロシミュレーションとの2つに大別される。
【0004】
交通流マクロシミュレーションは、交通流の巨視的な挙動の把握に適しており、巨視的な車両の流量と密度の関係を与えるだけで交通流を表現することが可能である。これに対し、交通流ミクロシミュレーションは、例えば特許文献1に記載されているように、車両1台1台の挙動を周囲の状況に応じて動的に表現することに適している。
【0005】
交通流ミクロシミュレーションの代表的手法である追従モデルについて説明する。追従モデルの最も基本的な形は、下記に示す(1)式のように表現される。
【0006】
【数1】
Figure 2005062944
ここで、vはk番目の車両の速度、tは時間、αは定数である。
【0007】
上記に示す(1)式では、k番目の車両の加速度dv/dtは、直前を走る(k−1)番目の車両との相対速度(vk−1−v)に比例し、相対速度が零となるように加減速が行われる。また、上記(1)式では、車頭間距離が考慮されていないため、車両密度に依存した渋滞の発生を記述することはできない。
【0008】
現実の交通流では車両密度に依存して渋滞が引き起こされる。これを記述するためには、車両の挙動が車両間隔で調整される概念が必要であり、近年この考えを取り入れて追従モデルを修正した最適速度モデルが一般的に用いられている。この最適速度モデルは、下記に示す(2)式のように表現されることが多い。
【数2】
Figure 2005062944
ここで、xはk番目の車両の位置、Δxは(k−1)番目の車両とk番目の車両との車頭間距離、Voptは先行車両との車頭間距離に依存する最適速度、αは定数である。
【0009】
このモデルでは、αが大きければ最適速度と現在の速度差はすぐに解消され、走行車両は速やかに最適速度に漸近し、渋滞は生じにくい。一方、αが小さければ先行車両の挙動に追従することができず追突が生じる可能性が高い。
【0010】
最適速度Voptは、先行車両との車頭間距離に応じて想定された最適な速度を表し、車頭間距離が十分に大きければ自由走行、すなわち希望した目標速度に達し、車頭間距離が小さくなると急激に零に近づく関数である。この関数形の例として、以下に示す(3)式で表されるようなものがよく用いられる。
【数3】
Figure 2005062944
ここで、vmaxは目標速度、d、w、cはそれぞれ定数である。
【0011】
車線の変更については、いくつかの手法が提案されている。いずれもロジックによるものであるが、代表的な例は、前方に車両がつかえていたり、障害物があるなど、車両発生時に与えられた目標速度に達することができない場合、隣接車線を走行する車両をはじめとする周囲車両の情報から追い越しのための車線変更の有無を判定するというものである。
【0012】
具体的には、
(a)前方車両との車間距離が、一定値よりも小さくなる。
(b)前方車両の速度が自分の目標速度に比べて小さい。
(c)前方車両の速度が、一定値より小さくなる。
といった条件が、{(a)and{(b)or(c)}}を満たし、かつ、隣接車線において前方車両との車間距離が十分に大きいという条件を満たしたときに車線変更を行うといったモデルが用いられている。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−232583号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の交通流ミクロシミュレーションでは、以下のような問題がある。
【0015】
すなわち、交通流ミクロシミュレーションにおいては、上述したように車線変更を行う場合におけるロジックは提案されている。このロジックに基づいて車線変更の有無を判定するためには、車間距離を具体的に決定しなければならない。しかしながら、車間距離を具体的に決定するための有効な方法が提案されていない。このため、従来の交通流ミクロシミュレーションにおいては、特に道路の分岐部や合流部を含むような複雑な条件においては、自然な交通流を再現することが困難であるという問題がある。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、自然な交通流を再現することが可能な交通流ミクロシミュレーションにおける車線変更判定方法およびそれを適用した交通流ミクロシミュレーションシステムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0018】
すなわち、請求項1の発明は、道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する条件として、隣接車線において対象車両の直前を走行する車両と、対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、対象車両は車線変更が可能であると判定する。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、直前を走行する車両の速度が、対象車両の速度よりも小さい場合には、直前を走行する車両の速度と、対象車両の速度との差の絶対値に対して車頭間距離が増加する増加関数にしたがって所定値を決定する。
【0020】
請求項3の発明は、道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する条件として、隣接車線において対象車両の直後を走行する車両と、対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、対象車両は車線変更が可能であると判定する。
【0021】
請求項4の発明は、請求項3の発明の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、直後を走行する車両の速度が、対象車両の速度よりも大きい場合には、直後を走行する車両の速度と、対象車両の速度との差の絶対値に対して車頭間距離が増加する増加関数にしたがって所定値を決定する。
【0022】
請求項5の発明は、請求項2または請求項4の発明の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、増加関数を、絶対値に対する一次関数とする。
【0023】
請求項6の発明は、請求項1または請求項3の発明の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、道路上を走行する各車両について実測された平均速度と車頭間距離との関係に基づいて各平均速度における車頭間距離の最短値を包絡するように作成された包絡線にしたがって、平均速度に対応する車頭間距離を所定値として決定する。
【0024】
請求項7の発明は、請求項1または請求項3の発明の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両と、対象車両の走行方向前方に設定された所定地点との間の距離の減少に伴って、所定値を減少させる。
【0025】
請求項8の発明は、道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する方法であって、隣接車線において対象車両の直前を走行する車両と、対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、対象車両は車線変更が可能であると判定する。
【0026】
請求項9の発明は、請求項8の発明の車線変更判定方法において、直前を走行する車両の速度が、対象車両の速度よりも小さい場合には、直前を走行する車両の速度と、対象車両の速度との差の絶対値に対して車頭間距離が増加する増加関数にしたがって所定値を決定する。
【0027】
請求項10の発明は、道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する方法であって、隣接車線において対象車両の直後を走行する車両と、対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、対象車両は車線変更が可能であると判定する。
【0028】
請求項11の発明は、請求項10の発明の車線変更判定方法において、直後を走行する車両の速度が、対象車両の速度よりも大きい場合には、直後を走行する車両の速度と、対象車両の速度との差の絶対値に対して車頭間距離が増加する増加関数にしたがって所定値を決定する。
【0029】
請求項12の発明は、請求項9または請求項11の発明の車線変更判定方法において、増加関数を、絶対値に対する一次関数としている。
【0030】
請求項13の発明は、請求項8または請求項10の発明の車線変更判定方法において、道路上を走行する各車両について実測された平均速度と車頭間距離との関係に基づいて各平均速度における車頭間距離の最短値を包絡するように作成された包絡線にしたがって、平均速度に対応する車頭間距離を所定値として決定する。
【0031】
請求項14の発明は、請求項8または請求項10の発明の車線変更判定方法において、対象車両と、対象車両の走行方向前方に設定された所定地点との間の距離の減少に伴って、所定値を減少させる。
【0032】
このように本発明では、車線変更可否の判定条件の一つとして、対象車両と、隣接車線を走行する車両との車頭間距離を閾距離として考慮している。この閾距離は、対象車両と隣接車線を走行する車両との速度差に対応して増加する増加関数や、実測された速度−車頭間距離の関係図から決定される包絡関数や一次関数に基づいて定める。これによって、現実に即した車線変更を模擬することが可能となる。
【0033】
また、例えば合流部や分岐部における交通流を模擬する場合には、車両が合流部あるいは分岐部に近づくにしたがって閾距離を減少させる。これによって、合流部あるいは分岐部に近づくにつれて、車線変更可否の判定条件が緩和され、時には少し無理をしてでも合流するというような現実に即した模擬が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
【0036】
すなわち、同実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムは、条件入力部10と、交通流シミュレーション実行部20と、結果表示記憶部30とから構成している。
【0037】
更に、条件入力部10は、道路形状入力部12と、交通流条件入力部14と、シミュレーション条件入力部16とを備えている。
【0038】
交通流シミュレーション実行部20は、時間情報管理部21と、車両発生部22と、車両情報管理部23と、ポテンシャル計算部24と、進行方向加速度決定部25と、車線変更判定部26と、車線横断方向加速度決定部27とを備えている。
【0039】
結果表示記憶部30は、結果表示部31と、表示装置32と、結果通信部33と、結果保存部34と、記憶装置35とを備えている。
【0040】
道路形状入力部12は、交通流シミュレーションの対象とする道路の道路長、幅、車線数、登坂度などといった道路の形状に関する情報の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力されたこれら情報を、交通流シミュレーション実行部20へと出力する。
【0041】
交通流条件入力部14は、交通流シミュレーションの対象とする道路毎の時間毎の交通量等の情報の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力された情報を、交通流シミュレーション実行部20へと出力する。
【0042】
シミュレーション条件入力部16は、交通流シミュレーションで考慮する総車両台数、シミュレーションされた交通情報をモニターする位置などのシミュレーション条件の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力されたこれら情報を、交通流シミュレーション実行部20へと出力する。
【0043】
時間情報管理部21は、交通流条件入力部14から出力された交通流シミュレーションの対象とする道路毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎の交通量等の情報を車両情報管理部23へと出力する。
【0044】
車両発生部22は、シミュレーション条件入力部16から出力された情報に基づいて、道路毎に仮想的に車両を発生させ、この車両発生情報を車両情報管理部23へと出力する。
【0045】
車両情報管理部23は、時間情報管理部21から出力される情報と、車両発生部22から出力される情報と、進行方向加速度決定部25から出力される減速判定結果と、車線変更する場合に車線横断方向加速度決定部27から出力される車線横断方向加速度と、車線変更しない場合に車線変更判定部26から出力される車線変更しないとの判定結果とに基づいて、道路毎に時間帯毎に走行する各車両の管理情報を作成する。そして、作成した管理情報をポテンシャル計算部24へと出力する。
【0046】
ポテンシャル計算部24は、車両情報管理部23から出力された管理情報、および道路形状入力部12から出力された情報に基づいて、以下に示すようにしてポテンシャル場の計算を行う。そして、この計算結果であるポテンシャル場の2次元分布を進行方向加速度決定部25と車線変更判定部26とに出力する。
【0047】
ポテンシャル場の計算方法について以下に説明する。交通流シミュレーションにおいてポテンシャル場とは、道路上を走行するおのおのの車両に対して影響を与える様々な要因の大きさを、走行方向と走行方向に対する左右方向とに広がる2次元分布を用いて定量的に示したものである。このようなポテンシャル場としては、車両の停車時および走行時における加速度の方向と大きさとを、車両の走行に影響を与える時間的に一定な外的要因の影響度の大きさで定義される静的ポテンシャル場と、車両の走行に影響を与える時間的に変動する外的要因の影響度の大きさで定義される動的ポテンシャル場とに区分される。
【0048】
静的ポテンシャル場では、道路の車線、車線境界、道路の傾斜、および道路上の障害物が車両の走行に与える影響度の大きさを定義する。たとえば、路側や白線があると、そこをまたがないように運転しようとする影響度、あるいは下り坂だと減速するように運転しようとする影響度などを静的ポテンシャル場によって定義する。
【0049】
動的ポテンシャル場としては、車両の周囲に存在する他車両が車両の走行に与える影響度の大きさを定義する。隣にトラックの様な大型車や、外国車のような高級車が走行している場合に運転手が受ける心理的な影響度なども動的ポテンシャル場によって定義する。
【0050】
このように車両に対して影響を与える要因、すなわちポテンシャルは様々有るが、ポテンシャル場を全て数式を用いて定量的に定義することによって、プログラム上では、それらを区別することなく画一的に取り扱うことができるので、より詳細なシミュレーションを行うことを可能としている。このようなポテンシャル場の詳細については、本願の出願人によって出願された特願2003−047730号に記載されている。
【0051】
進行方向加速度決定部25は、ポテンシャル計算部24から出力されたポテンシャル場の2次元分布から、各車両の走行方向におけるポテンシャル場の傾きを取得する。そして、この傾きが負の車両については加速、正の車両については減速するものと判定し、その方向きに基づいて加速度を決定する。このような各車両についての決定結果を、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力する。
【0052】
車線変更判定部26は、各車両の速度や、例えば図2の道路平面図に示すように、車両X(#1)の走行方向前方に設定された分岐点Aや、図3の道路平面図に示すように、車両X(#1)の走行方向前方に設定された合流点Bといった所定地点までの車両X(#1)からの距離を把握する。また、各車両X(#1〜#n)の速度に基づいて、任意の2つの車両Xの速度差と、任意の2つの車両Xの車頭間距離を把握する。そして、以下のようにして任意の車両Xに対して車線変更可否を判定し、車線変更可能と判定した場合には、その判定結果と、ポテンシャル場の2次元分布とを車線横断方向加速度決定部27へと出力する。
【0053】
車両横断方向加速度決定部27では、ポテンシャル場の車線横断方向の傾きが例えば正の場合には右車線へ、傾きに基づいて加速度を決定する。傾きが負の場合には、傾きに基づいて左車線への車線変更の加速度を決定する。そして、決定した車線変更方向と加速度とを車両情報管理部23へと出力する。
【0054】
車線変更判定部26が行う車線変更可否の判定方法について具体的に説明する。
【0055】
すなわち、図4に示すように、車両X(#1)が走行車線Cから、隣接車線Dへと車線変更することの可否を判定する場合には、隣接車線Dにおいて車両X(#1)の直前を走行する車両X(#2)と、車両X(#1)との車頭間距離が所定の閾距離よりも大きい場合には、車両X(#1)は車線変更可能と判定する。
【0056】
また、図5に示すように、車両X(#1)が走行車線Cから、隣接車線Dへと車線変更することの可否を判定する場合には、隣接車線Dにおいて車両X(#1)の直後を走行する車両X(#3)と、車両X(#1)との車頭間距離が所定の閾距離よりも大きい場合には、車両X(#1)は車線変更可能と判定する。
【0057】
つまり、車両X(#1)が走行車線Cから、隣接車線Dへと車線変更することが可能と判定できる条件は、隣接車線Dにおいて直前を走行する車両X(#2)との車頭間距離のみならず、隣接車線Dにおいて直後を走行する車両X(#3)との車頭間距離もまた所定の閾距離よりも大きくなければならない。
【0058】
隣接車線Dにおいて直前を走行する車両X(#2)との間の閾距離は、車両X(#2)の速度が車両X(#1)の速度よりも小さい場合には、車両X(#2)の速度と、車両X(#1)の速度との差の絶対値に対する例えば一次関数などの増加関数にしたがって決定する。隣接車線Dにおいて直後を走行する車両X(#3)との間の閾距離については、車両X(#3)の速度が車両X(#1)の速度よりも大きい場合には、車両X(#2)の速度と、車両X(#1)の速度との差の絶対値に対する例えば一次関数などの増加関数にしたがって決定する。
【0059】
すなわち、隣接車線Dにおいて直前を走行する車両X(#2)の速度が自車両X(#1)の速度よりも小さいときには、安全な車線変更を行なうために、速度差が小さいときに比べて大きな車頭間距離を必要とする。一方、隣接車線Dにおいて直後を走行する車両X(#3)の速度が自車両X(#1)の速度よりも大きいときにもまた安全な車線変更を行なうために、大きな車頭間距離を必要とする。よって、速度差に対する増加関数に基づいて閾距離を設定することにより、自然で安全な車線変更を模擬できるようにしている。
【0060】
このような増加関数の一例を図6に示す。図6に示す増加関数は、以下に示す(4)式の通り、閾距離(車頭間距離)dを、車両X(#1)と、隣接車線Dの前方または後方を走行する車両Xとの速度差Δvに対する関数で示したものである。なお、(4)式において、vは、車両X(#1)の速度である。
【0061】
【数4】
Figure 2005062944
また、増加関数の別の例を、図7における包絡関数Fおよび一次関数Gで示す。図中に示すプロットは、道路上を走行する各車両X(#1〜#n)の平均速度(km/h)に対する車頭間距離(m)を示している。これらは、高速道路等において一定時間間隔で測定されている。曲線Fは、図中に示すプロットに対し、各平均速度における車頭間距離の最短値を包絡するような関数である。一方、直線Gは、図中に示すプロットにおいて、各平均速度に対する車頭間距離の最短値を包絡するような一次関数である。
【0062】
なお、図2に示すように、本線H(#1)を走行している車両X(#1)が分岐線Jに移動するために分岐点Aに至る前に車線変更しなければならない場合や、図3に示すように、分岐線Kを走行している車両X(#1)が本線Hに移動するために合流点Bに至る前に車線変更しなければならない場合には、図6に示す増加関数、あるいは図7に示す包絡関数Fまたは一次関数Gにしたがって求められた閾距離を、車両X(#1)から分岐点Aや合流点Bまでの距離の減少に伴って、更に減少させる。
【0063】
図2において、車両X(#1〜#n)は図中下部側から流入し、例えば車両X(#4)のように一部の車両Xは分岐線Jへと分岐し、その他の車両Xは本線Hを上部側に向って走行する。このとき、例えば車両X(#1)が分岐線Jへと分岐することを希望しているとする。そうすると、車両X(#1)はまず本線の左車線H(#2)に車線変更する必要がある。しかしながら、図2では、左車線H(#2)において車両X(#1)の前後を走行する車両X(#3)と車両X(#2)とのそれぞれに対する車頭間距離を十分に確保できないために、ロジック上は車両X(#1)の車線変更は許可されない可能性が高い。その結果、車両X(#1)は分岐線Jへと流出できないことになる。実際の状況においては、車両X(#1)は分岐点Aが近づくにつれ、若干の無理をしてでも左車線H(#2)へと車線変更を実施する。
【0064】
したがって、車線変更可否の判定に用いる車頭間距離の閾距離を、車両X(#1)から、図2に示す分岐点Aのような定地点までの距離に応じて減少させる。これによって、現実的なシミュレーションを行うようにしている。図3に示すような合流点Bがある場合についても同様で、車両X(#1)から、合流点Bまでの距離が近づくにつれて車線変更可否の判定に用いる車頭間距離の閾距離を減少させることにより、現実的なシミュレーションを行うようにしている。
【0065】
車線横断方向加速度決定部27は、車線変更判定部26から出力されたポテンシャル場の2次元分布に基づいて、各車両X(#1〜#n)の加速度の方向および大きさとともに各車両X(#1〜#n)の車線変更時に生ずる車線横断方向におけるポテンシャル場の傾きを把握する。そして、この傾きに基づいて、各車両X(#1〜#n)の車線横断方向における加速度を求め、求めた加速度を車両情報管理部23および結果通信部33へと出力する。
【0066】
結果通信部33は、進行方向加速度決定部25から出力された情報と、車線横断方向加速度決定部27から出力された車線横断方向加速度とを取得し、結果表示部31および結果保存部34へと出力する。車線変更する場合には、車線横断方向加速度は正の値となり、車線変更しない場合には零となる。
【0067】
結果表示部31は、結果通信部33から出力された情報を表示装置32の画面上から表示させる。
【0068】
結果保存部34は、結果通信部33から出力された情報を記憶装置35に記憶させる。
【0069】
次に、以上のように構成した同実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムの動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0070】
(ステップS1:計算条件設定)
本発明の実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムを用いて交通流のシミュレーションを行う場合には、まず、条件入力部10から条件を入力する必要がある。
【0071】
交通流シミュレーションの対象とする道路の道路長、幅、白線の数、登坂度などといった道路の形状に関する情報は、オペレータによって道路形状入力部12から入力され、更にそこから交通流シミュレーション実行部20へと出力される。
【0072】
交通流シミュレーションの対象とする道路毎の時間毎の交通量等の情報は、オペレータによって交通流条件入力部14から入力され、更にそこから交通流シミュレーション実行部20へと出力される。
【0073】
交通流シミュレーションの対象とする道路を走行する車両Xの台数、存在する障害物、道路毎に課せられている車両規制等の交通情報は、オペレータによってシミュレーション条件入力部16から入力され、更にそこから交通流シミュレーション実行部20へと出力される。
【0074】
(ステップS2:ポテンシャル場計算)
ステップS1において、条件入力部10によって入力された情報に基づいて、交通流シミュレーション実行部20では、以下に示すようにしてポテンシャル場の計算がなされる。
【0075】
まず、ステップS1において、交通流条件入力部14から出力された道路毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎の交通量等の情報は、時間情報管理部21によって取得され、ここから車両情報管理部23へと出力される。また、車両発生部22では、シミュレーション条件入力部16から出力された情報に基づいて、道路毎に車両X(#1〜#n)が仮想的に発生される。そして、この車両発生情報が車両情報管理部23へと出力される。
【0076】
次に、車両情報管理部23では、時間情報管理部21から出力された情報、車両発生部22から出力された情報に基づいて、道路毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎に走行する各車両X(#1〜#n)の位置、速度などの管理情報が作成される。なお、あるタイムステップにおけるポテンシャル場の計算がポテンシャル計算部24によって既になされており、次のタイムステップにおけるポテンシャル場の計算を行う場合には、車両情報管理部23には、進行方向加速度決定部25からの減速判定結果と、車線変更可能な場合には車線横断方向加速度決定部27からの車線横断方向加速度と、車線変更不可の場合には車線変更判定部26から車線変更不可との判定結果とがそれぞれ入力される。
【0077】
そして、車線横断方向加速度決定部27から車線横断方向加速度が出力された場合には、時間情報管理部21からの情報、車両発生部22からの情報に加えて、進行方向加速度決定部25からの減速判定結果、および車線横断方向加速度決定部27からの車線横断方向加速度に基づいて、次のタイムステップにおける各車両Xの管理情報が作成される。
【0078】
また、車線変更判定部26から車線変更不可との判定結果が出力された場合には、時間情報管理部21からの情報、車両発生部22からの情報に加えて、進行方向加速度決定部25からの減速判定結果に基づいて、次のタイムステップにおける各車両Xの管理情報が作成される。
【0079】
このように作成された該タイムステップにおける各車両Xの管理情報は、車両情報管理部23からポテンシャル計算部24へと出力される。
【0080】
ポテンシャル計算部24では、車両情報管理部23から出力された管理情報、および道路形状入力部12から出力された情報に基づいてポテンシャル場が計算され、その結果が、進行方向加速度決定部25および車線変更判定部26へと出力される。
【0081】
(ステップS3:ポテンシャル場の走行方向の傾き)
進行方向加速度決定部25では、ポテンシャル計算部24から出力されたポテンシャル場の走行方向の傾きが負の場合(<0)には、該車両Xは加速するものと判定する(ステップS4)。一方、演算された加速度が負ではない場合(≧0)には、ステップS5の処理が行われる。また、ポテンシャル場の走行方向の勾配に基づいて、車両Xが障害物を避走するか否かが判定される。これら判定結果は、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力される。
【0082】
(ステップS5:車線変更有無の判定)
車線変更判定部26では、ポテンシャル計算部24から出力されたポテンシャル場の2次元分布から、各車両X(#1〜#n)の速度、車両X(#1)の走行方向前方に設定された例えば図2の道路平面図に示すような分岐点Aや、図3の道路平面図に示すような合流点Bなどの所定地点までの距離が把握される。また、各車両X(#1〜#n)の速度に基づいて、任意の2つの車両Xの速度差と、任意の2つの車両Xの車頭間距離が把握される。そして、以下のようにして任意の車両Xに対して車線変更可否が判定され、車線変更可能と判定した場合には、その判定結果と、ポテンシャル場の2次元分布とが車線横断方向加速度決定部27へと出力される。一方、車線変更不可と判定した場合には、車線変更不可との判定結果が車両情報管理部23へと出力される。
【0083】
例えば、図4に示すように、車両X(#1)が走行車線Cから、隣接車線Dへの車線変更可否を判定する場合には、隣接車線Dにおいて車両X(#1)の直前を走行する車両X(#2)と、車両X(#1)との車頭間距離が所定の閾距離よりも大きい場合には、車両X(#1)は車線変更可能と判定される。
【0084】
また、図5に示すように、車両X(#1)が走行車線Cから、隣接車線Dへの車線変更可否を判定する場合には、隣接車線Dにおいて車両X(#1)の直後を走行する車両X(#3)と、車両X(#1)との車頭間距離が所定の閾距離よりも大きい場合には、車両X(#1)は車線変更可能と判定される。
【0085】
隣接車線Dにおいて直前を走行する車両X(#2)と車両X(#1)との間の閾距離は、車両X(#2)の速度が車両X(#1)の速度よりも小さい場合には、車両X(#2)の速度と、車両X(#1)の速度との差の絶対値に対する例えば一次関数などの増加関数にしたがって決定される。隣接車線Dにおいて直後を走行する車両X(#3)と車両X(#1)の間の閾距離については、車両X(#3)の速度が車両X(#1)の速度よりも大きい場合には、車両X(#2)の速度と、車両X(#1)の速度との差の絶対値に対する例えば一次関数などの増加関数にしたがって決定される。
【0086】
すなわち、隣接車線Dにおいて直前を走行する車両X(#2)の速度が自車両X(#1)の速度よりも小さいときには、安全な車線変更を行なうために、速度差が小さいときに比べて大きな車頭間距離を必要とする。一方、隣接車線Dにおいて直後を走行する車両X(#3)の速度が自車両X(#1)の速度よりも大きいときにもまた安全な車線変更を行なうために、大きな車頭間距離を必要とする。このように、速度差に対する増加関数に基づいて閾距離が設定されることにより、自然で安全な車線変更がシミュレーションされる。このような増加関数の一例としては、図6に示すように(4)式で表されるものや、図7に示す包絡関数Fあるいは一次関数Gがある。
【0087】
なお、図2に示すように、本線Hを走行している車両X(#1)が分岐線Jに移動するために分岐点Aに至る前に車線変更しなければならない場合や、図3に示すように、分岐線Kを走行している車両X(#1)が本線Hに移動するために合流点Bに至る前に車線変更しなければならない場合には、図6に示す増加関数、あるいは図7に示す包絡関数Fまたは一次関数Gにしたがって求められた閾距離が、車両X(#1)から分岐点Aや合流点Bまでの距離の減少に伴って減少される。これによって、現実的なシミュレーションがなされる。
【0088】
(ステップS6:車線横断方向における加速度の算出)
車線横断方向加速度決定部27では、車線変更判定部26からの出力されたポテンシャル場および車線変更するとの判定結果が取得される。そして、取得したポテンシャル場の2次元分布に基づいて、各車両X(#1〜#n)の加速度の方向および大きさとともに車両X(#1)の車線変更時に生ずる車線横断方向におけるポテンシャル場の傾きが把握される。そして、この傾きに基づいて、車線変更する車両Xの車線横断方向における加速度が求められ、求められた加速度が車両情報管理部23および結果通信部33へと出力される。
【0089】
(ステップS7:次のタイムステップのシミュレーションを行うか?)
次のタイムステップのシミュレーションを行う場合(S7:Yes)には、ステップS2に戻る。行わない場合(S7:No)には、処理を終了する。
【0090】
上述したように、同実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムにおいては、上記のような作用により、隣接車線Dの前後を走行する車両Xと自車両X(#1)との間の車頭間距離に基づいて、車線変更可能か否かを判定するための閾距離を設定することができる。
【0091】
特に、この閾距離を、隣接車線Dの前後を走行する車両Xと自車両X(#1)との速度差に対する増加関数によって表すことができる。更に、分岐や合流がある場合には、自車両X(#1)が分岐点Aや合流点Bまでの距離が近づくにつれて閾距離を小さくすることができる。以上により、自然な交通流を再現することが可能となる。
【0092】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の交通流ミクロシミュレーションにおける車線変更判定方法およびそれを適用した交通流ミクロシミュレーションシステムによれば、隣接車線の前後を走行する車両と自車両との間の車頭間距離に基づいて、車線変更可能か否かを判定するための閾距離を設定することにより、自然な交通流を再現することが可能となる。
【0094】
特に、この閾距離を、隣接車線の前後を走行する車両と自車両との速度差に対する増加関数によって表したり、分岐や合流がある場合には、自車両が分岐点や合流点までの距離が近づくにつれ閾距離を小さくすることにより、更により自然な交通流を再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムの構成例を示す機能ブロック図。
【図2】分岐点を含む道路状態の一例を示す平面図。
【図3】合流点を含む道路状態の一例を示す平面図。
【図4】隣接車線へ車線変更しようとする車両の一例を示す道路平面図。
【図5】隣接車線へ車線変更しようとする車両の一例を示す道路平面図。
【図6】車両間速度差と閾距離との関係を示す増加関数を示す図。
【図7】車両平均速度と車頭間距離とについて実測された結果を示す図。
【図8】同実施の形態に係る車線変更判定方法を適用した交通流シミュレーションシステムの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…条件入力部、12…道路形状入力部、14…交通流条件入力部、16…シミュレーション条件入力部、20…交通流シミュレーション実行部、21…時間情報管理部、22…車両発生部、23…車両情報管理部、24…ポテンシャル計算部、25…進行方向加速度決定部、26…車線変更判定部、27…車線横断方向加速度決定部、30…結果表示記憶部、31…結果表示部、32…表示装置、33…結果通信部、34…結果保存部、35…記憶装置

Claims (14)

  1. 道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する条件として、前記隣接車線において前記対象車両の直前を走行する車両と、前記対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、前記対象車両は前記車線変更が可能であると判定するようにした交通流ミクロシミュレーションシステム。
  2. 請求項1に記載の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    前記直前を走行する車両の速度が、前記対象車両の速度よりも小さい場合には、前記直前を走行する車両の速度と、前記対象車両の速度との差の絶対値に対して前記車頭間距離が増加する増加関数にしたがって前記所定値を決定するようにした交通流ミクロシミュレーションシステム。
  3. 道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する条件として、前記隣接車線において前記対象車両の直後を走行する車両と、前記対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、前記対象車両は前記車線変更が可能であると判定するようにした交通流ミクロシミュレーションシステム。
  4. 請求項3に記載の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    前記直後を走行する車両の速度が、前記対象車両の速度よりも大きい場合には、前記直後を走行する車両の速度と、前記対象車両の速度との差の絶対値に対して前記車頭間距離が増加する増加関数にしたがって前記所定値を決定するようにした交通流ミクロシミュレーションシステム。
  5. 請求項2または請求項4に記載の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    前記増加関数を、前記絶対値に対する一次関数とした交通流シミュレーションシステム。
  6. 請求項1または請求項3に記載の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    前記道路上を走行する各車両について実測された平均速度と車頭間距離との関係に基づいて各平均速度における前記車頭間距離の最短値を包絡するように作成された包絡線にしたがって、前記平均速度に対応する車頭間距離を前記所定値として決定するようにした交通流ミクロシミュレーションシステム。
  7. 請求項1または請求項3に記載の交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、
    前記対象車両と、前記対象車両の走行方向前方に設定された所定地点との間の距離の減少に伴って、前記所定値を減少させるようにした交通流シミュレーションシステム。
  8. 道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する方法であって、
    前記隣接車線において前記対象車両の直前を走行する車両と、前記対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、前記対象車両は前記車線変更が可能であると判定するようにした車線変更判定方法。
  9. 請求項8に記載の車線変更判定方法において、
    前記直前を走行する車両の速度が、前記対象車両の速度よりも小さい場合には、前記直前を走行する車両の速度と、前記対象車両の速度との差の絶対値に対して前記車頭間距離が増加する増加関数にしたがって前記所定値を決定するようにした車線変更判定方法。
  10. 道路上を走行する各車両を模擬することにより交通流を予測する交通流ミクロシミュレーションシステムにおいて、対象車両が、走行中車線から隣接車線へ車線変更することが可能か否かを判定する方法であって、
    前記隣接車線において前記対象車両の直後を走行する車両と、前記対象車両との車頭間距離が所定値よりも大きい場合には、前記対象車両は前記車線変更が可能であると判定するようにした車線変更判定方法。
  11. 請求項10に記載の車線変更判定方法において、
    前記直後を走行する車両の速度が、前記対象車両の速度よりも大きい場合には、前記直後を走行する車両の速度と、前記対象車両の速度との差の絶対値に対して前記車頭間距離が増加する増加関数にしたがって前記所定値を決定するようにした車線変更判定方法。
  12. 請求項9または請求項11に記載の車線変更判定方法において、
    前記増加関数を、前記絶対値に対する一次関数とした車線変更判定方法。
  13. 請求項8または請求項10に記載の車線変更判定方法において、
    前記道路上を走行する各車両について実測された平均速度と車頭間距離との関係に基づいて各平均速度における前記車頭間距離の最短値を包絡するように作成された包絡線にしたがって、前記平均速度に対応する車頭間距離を前記所定値として決定するようにした車線変更判定方法。
  14. 請求項8または請求項10に記載の車線変更判定方法において、
    前記対象車両と、前記対象車両の走行方向前方に設定された所定地点との間の距離の減少に伴って、前記所定値を減少させるようにした車線変更判定方法。
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