JP4490991B2 - 交通流シミュレーション方法 - Google Patents

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本発明は、道路上の車両の挙動を一台毎に取り扱うミクロシミュレーション手法を用いて、例えば高速道路等の道路上の交通状況を把握する交通流シミュレーション方法に関する。
高速道路等の道路上の交通状況をシミュレーションし、既存の道路の渋滞緩和のための対策立案や、新規に建設を予定している道路の設計に資するために例えば非特許文献1乃至3に記載されているような交通流シミュレーションシステムの開発がなされている。
この種の交通流シミュレーションシステムにおいて、交通流をシミュレートする方法は、その考え方の違いから、交通流を巨視的な流れとして扱うマクロシミュレーションと、微視的な流れとして扱うミクロシミュレーションとの2つに大別される。
マクロシミュレーションは、交通流の巨視的な挙動の把握に適しており、巨視的な車両の流量と密度の関係を与えるだけで交通流を表現することが可能である。これに対し、ミクロシミュレーションは、車両1台1台の挙動を周囲の状況に応じて動的に表現することに適している。
ミクロシミュレーションの代表的手法である追従モデルについて説明する。追従モデルの最も基本的な形は、下記に示す(1)式のように表現される。
Figure 0004490991
ここで、vはk番目の車両の速度、tは時間、αは定数である。
上記に示す(1)式では、k番目の車両の加速度dv/dtは、直前を走る(k−1)番目の車両との相対速度(vk−1−v)で決まり、相対速度がなくなるように加減速が行われる。
上記(1)式では、他車両の位置が考慮されておらず、車両密度に依存した渋滞の発生を記述することはできない。車両密度に依存した渋滞を取り扱うことができるようにするためには、車両の挙動が車両間隔で調整される概念が必要である。この考えを取り入れて追従モデルを修正した最適速度モデルは、下記に示す(2)式のように表現される。
Figure 0004490991
ここで、xはk番目の車両の位置、Δxは(k−1)番目の車両とk番目の車両との車頭距離、Voptは最適速度、αは定数である。
このモデルでは、αが大きければ最適速度と現在の速度差はすぐに解消され、渋滞は生じない。一方、αが小さければ先行車両の挙動に追従することができず追突が生じる。
最適速度Voptは、車頭距離に応じた最適な速度を表し、十分に車頭距離が離れれば自由走行、つまり希望した最高速度に達し、車頭距離が十分に小さくなると急激に減少するような関数で表現される。この関数形の例として、以下に示す(3)式で表されるような観測地に基づいて決定されたものがよくみられる。
Figure 0004490991
ここで、vmaxは目標速度、d、w、cはそれぞれ定数である。
上記(1)式に示すような追従モデルでは、1台1台の車両の動きを追跡するため、複数車線の道路を取り扱う場合には、道路状況に応じて車線変更を行うようなモデルを必要とする。このモデルの代表的な例は、車両発生時に与えられた要求速度に満たない場合、隣車線車両をはじめとする周囲車両の情報から追い越しのための車線変更をするか否かを判定するというものである。
例えば、車線変更のロジックの例としては、
(a)前方車両との車間距離が、一定値よりも小さくなる。
(b)前方車両との速度差が、ある負の臨界速度値よりも小さくなる。
(c)前方車両の速度が、一定値より小さくなる。
といった条件が、{(a)and{(b)or(c)}}を満たし、かつ、隣の車線において前方車両との車間距離が十分に大きいという条件を満たしたときに車線変更を行うといったモデルが用いられている。
しかしながら、このような追従モデルでは、条件の組み合わせが複雑になり、プログラム上も場合分けが多くなり、計算速度の観点からも有効ではない。また、同様に、道路上の障害物を避けるための車線変更や、隣の車線に大型車両などが存在する場合の心理的圧迫により生ずる車線変更の動きを解析する場合についても極めて複雑なロジックとなる。
一方、上記(2)式および(3)式のように示される最適速度モデルでは、上述したように、先行車両との車頭間距離に応じて当該車両の加速度が決定されている。しかしながら、実際の車両走行では、先行車両との車頭間距離以外にも、周辺環境から来る種々の要因を判断して加速度が調節されている。
例えば、先行車両の速度が自車両の速度よりも速い場合と遅い場合とでは、同じ車頭間距離でもその安全度は大きく異なる。前者の場合には迅速な加減速の必要はないが、後者の場合には速やかな減速が必要になる。最適速度モデルを用いたシミュレーションでは、この様な場合に、不適切な減速制御に陥り、衝突が多発するという非現実的な結果が得られてしまう。
以上のように、最適速度モデルはモデルの簡易さという観点からは優れたモデルではあるが、このような突発現象を含むスムーズではない交通流に対応したミクロシミュレーションを行なう際には、種々の不具合が生じる。
一方、交通流ミクロシミュレーションでは、故障車両が交通流全体に及ぼす影響を適切に再現するだけではなく、例えばサグにおける渋滞の発生および発展を再現できることが望ましい。
図16に、追従モデル使用時の、ある車両の加速度の時間変化を示す。
図16に示すように、加速度は先行車両との車頭間距離に応じて正負の符号をとりながら変化する。このときシミュレータ上では、ブレーキ制御(負の加速度を与えること)のon/off、あるいは時間変化は計算のタイムステップ(通常は0.1秒以下)で切り替り得る。実際の運転時には0.1秒のタイムスケールでブレーキコントロールをすることはほぼ不可能であるため、前方車両との距離が近づいたときなどは、ブレーキを踏みすぎることになり、渋滞の発生へとつながる。しかしながら、シミュレータ上では超高速のブレーキ制御が行なわれるため、サグなどでの渋滞の発生を模擬することは困難である。
津川定之著「危険ポテンシャルを用いた自律車両群の協調走行シミュレーション」電気学会研究会資料 道路交通研究会 RTA-00-16,2000年6月22日、p.29-33 D. Reichard, et al. ‘Collision Avoidance in Dynamic Environment applied to Autonomous Vehicle Guidance on the Motorway.’ Proc. IEEE Int-elligent Vehicles 1994, p.74-78 音田稔、樋口健治著「自動車操縦のモデル化(駐車々輌の回避)」自動車技術会学術講演会前刷集801,1980年、p.203-206
しかしながら、このような従来のミクロシミュレーション手法を用いた交通流シミュレーション方法では、以下のような問題がある。
すなわち、上述したように、ミクロシミュレーションは、個々の車両に着目して交通流を計算するために、道路上の障害物、道路の地形あるいは車線変更といった動的に変化する道路状況を考慮して評価することができる機能を有している。
しかしながら、従来適用されている交通流シミュレーションシステムでは、多くの場合、それらを表現するモデルが複雑なものとなっているか、あるいは組み込まれていない。
また、これを解決するために適用されている前述した(3)式に示すような最適速度モデルでは、モデルの簡易さという観点からは優れたモデルではあるが、突発現象を含むスムーズではない交通流を対象とするミクロシミュレーションに対しては、必ずしも良好な結果を得るものではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、静的ポテンシャル場と動的ポテンシャル場とを用いたモデルを用いることによって、複雑なモデルを用いることなく、突発事象をも反映することができ、より現実的な交通流シミュレーションを行うことが可能な交通流シミュレーション方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
請求項1の発明は、道路上を走行する各車両毎の走行状態を模擬することにより、交通流予測を行なう交通流シミュレーション方法において、各車両iの走行距離xと走行時間tとに基づいて決定される各車両i毎の加速度Fを与える運動方程式 d/dt=F
における加速度Fを、各車両iの現行速度vと目標速度v との差の関数で決定される加速項fから、当該車両iの現行速度vとこの車両の直前を走行する車両との車頭間距離Δxと速度差Δvとの関数で決定される減速項fと減じた式 F=f(v −v)−f(Δx,v,Δv) で表す。
更に、減速項fを、車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離以上の場合に急激に減衰するようにした近距離項と、車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離以上の場合に緩慢に減衰するようにした遠距離項とからなるようにしている。
請求項1の発明のように、車頭間距離を、遠距離項と近距離項を用いて定義することによって、以下のような作用を得ることができる。
すなわち、遠距離力のみ働く場合には、前方車両に近づくにつれて徐々にブレーキを踏んでいく状況を再現することができる。このときには前方車両に対して十分な車間距離がある状態からブレーキを踏み始め、ゆっくりと減速して適性車頭間距離へと近づく。すなわちブレーキ制動が働く距離は大きいものになる。従って、割り込み車両が存在する場合などの急ブレーキをうまく表現することが難しい。
一方、近距離力のみを考えると、適性車頭間距離に近づくまでブレーキ制御は行なわれず、適性車頭間距離付近で急ブレーキを踏むことになる。したがって通常の円滑なブレーキ制御を表現するのが困難となる。
以上のことから、近距離項と遠距離項との両方を含む形で減速項を記述することが現実的であることがわかる。従って、請求項1の発明の交通流シミュレーション方法においては、加速度を近距離項と遠距離項との両方を含む形で減速項を記述することにより、ゆるやかなブレーキ制御から急ブレーキ制御までを滑らかに表すことが可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明の交通流シミュレーション方法において、減速項fを、適性車頭間距離δ、正の実数α,β、5未満の正の実数n、および5以上の実数mを用いて、
=α×(δ/Δx)+β×(δ/Δx)
のように定義する。
請求項2の発明の交通流シミュレーション方法において、α×(δ/Δx)は遠距離項、β×(δ/Δx)は近距離項に相当する。このように減速項fを、遠距離項と近距離項とを用いて定義することによって、請求項1の発明と同じ作用効果を奏することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の交通流シミュレーション方法において、適性車頭間距離δを、当該車両iの現行速度vと、この車両の直前を走行する車両の速度との速度差Δvを含む関数で定義する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項の発明の交通流シミュレーション方法において、適性車頭間距離δを、当該車両iの車線方向の速度vixとこの車両の直前を走行する車両の車線方向の速度との速度差Δvixに対して単調に増加する関数で定義する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項の発明の交通流シミュレーション方法において、適性車頭間距離δを、当該車両iの現行速度vと、この車両の直前を走行する車両の速度との速度差Δvと、任意の実数a,b,c,dとを用いて、
δ=a×v×[b+c×tanh(d×Δv)]
のように定義する。
適性車頭間距離δを、車両iの速度vのみの関数として与えると、例えば先行車両が極端に遅いときにはシミュレータ上で衝突が頻繁に生ずる。しかしながら、請求項3乃至5のように、先行車両との速度差Δvを含む関数(先行車両の速度の方が小さい場合には、速度差の増加関数)として与えることにより、様々な車両が混在するような体系のシミュレーションにおいて、現実以上に頻繁に生ずる衝突を避けることができ、より現実的なシミュレーションを行うことが可能となる。
請求項6の発明は、請求項1または請求項2の発明の交通流シミュレーション方法において、加速度が、ある時刻tにおいて負の加速度−Fとなった場合、それ以後の経過時間tにおいて算出された負の加速度Fと比較し、負の絶対値が大きい方の加速度を新たな加速度とする。加速度が更新された場合、すなわちより大きな負値を選択した場合には、その加速度を−F、その時刻をtとし、以後は同様の手順を用いて負の加速度を決定する。
請求項7の発明は、請求項1または請求項2の発明の交通流シミュレーション方法において、加速度が、ある時刻tにおいて負の加速度−Fとなった場合、この負の加速度−Fと、それ以後の経過時間tにおいて算出された負の加速度Fとを下記式を用いて比較する。
=−F×exp(−t/T
そして、この比較の結果に基づいて、負の絶対値が大きい方の加速度を新たな加速度とする。加速度が更新された場合、すなわちより大きな負値を選択した場合には、その加速度を−F、その時刻をtとし、以後は同様の手順を用いて負の加速度を決定する。
交通流シミュレーションでは、故障車両等が交通流全体に及ぼす影響を適切に再現したり、例えばサグにおける渋滞の発生および発展を再現できることが望ましい。従来の追従モデル使用時のある車両に対する加速度は、先行車両との車頭間距離に応じて正負の符号をとりながら変化する。このときシミュレーション上では、ブレーキ制御(負の加速度を与えること)のon/offあるいは時間変化は計算のタイムステップ(通常は0.1秒以下)で切り替えている。シミュレータ上では加減速制御が非常に早いため、サグなどにおいても自然渋滞が発生することはまれである。
しかしながら、実際の運転時には0.1秒のタイムスケールでブレーキコントロールをすることはほぼ不可能である。実際、前方車両との距離が近づいたときなどは、ブレーキを踏みすぎることになり、渋滞の発生へとつながる。したがって、自然渋滞の発生を再現するには、シミュレータ上で人工的なブレーキ制御を組込む必要がある。このような人工的にブレーキを持続させることにより、自然渋滞の発生や伸長を再現することができる
請求項6および請求項7の発明の交通流シミュレーション方法においては、以上のような手段を講じることにより、加速度Fが負の値である場合には、予め定めた一定時間にわたって負の値を持続させるようにしているので、自然渋滞の発生を再現することができ、その結果、より現実的な交通流シミュレーションを行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明の交通流シミュレーション方法によれば、道路上の障害物や、道路の形状といった車両の周囲の状況を、車両の走行に影響を与える時間的に一定な外的要因の影響度の大きさで定義される静的ポテンシャル場と、車両の走行に影響を与える時間的に変動する外的要因の影響度の大きさで定義される動的ポテンシャル場とを用いたモデルを用いることによって、複雑なモデルを用いることなく、簡単にかつ詳細に交通流をシミュレーションすることが可能となる。
また、静的ポテンシャル場と動的ポテンシャル場とを用いたモデルを用いることによって、複雑なモデルを用いることなく、突発事象をも反映することができ、より現実的な交通流をシミュレーションすることも可能となる。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図13を用いて説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
すなわち、本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムは、例えば磁気ディスク等の記憶媒体に記憶されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現されるものであって、条件入力部10と、交通シミュレーション実行部20と、結果表示記憶部30とから構成している。
更に、条件入力部10は、道路形状入力部12と、交通流条件入力部14と、シミュレーション条件入力部16とを備えている。
交通シミュレーション実行部20は、時間情報管理部21と、車両発生部22と、車両情報管理部23と、ポテンシャル計算部24と、進行方向加速度決定部25と、車線横断方向加速度決定部26とを備えている。
結果表示記憶部30は、結果表示部31と、表示装置32と、結果通信部33と、結果保存部34と、記憶装置35とを備えている。
道路形状入力部12は、交通シミュレーションの対象とする道路の道路長、幅、車線数、登坂度などといった道路の形状に関する情報の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力されたこれら情報を、交通シミュレーション実行部20へと出力する。
交通流条件入力部14は、交通シミュレーションの対象とする道路毎の時間毎の交通量等の情報の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力された情報を、交通シミュレーション実行部20へと出力する。
シミュレーション条件入力部16は、交通シミュレーションの対象とする道路を走行する車両の台数、路上に存在する障害物の形状および大きさ、道路毎に課せられている車両規制等の交通情報の入力をオペレータから受け付ける。そして、オペレータによって入力されたこれら情報を、交通シミュレーション実行部20へと出力する。
時間情報管理部21は、交通流条件入力部14から出力された交通シミュレーションの対象とする道路毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎の交通量等の情報を、車両情報管理部23へと出力する。
車両発生部22は、シミュレーション条件入力部16から出力された情報に基づいて、道路毎に仮想的に車両を発生させ、この車両発生情報を車両情報管理部23へと出力する。
車両情報管理部23は、時間情報管理部21から出力された情報、車両発生部22から出力された情報、進行方向加速度決定部25から出力された進行方向に対する加速の有無の判定結果と、障害物を避走するか否かの推定結果、および車線横断方向加速度決定部26から出力された車線変更をするか否かの推定結果に基づいて、道路毎に時間帯毎に走行する各車両の管理情報を作成する。そして、作成した管理情報をポテンシャル計算部24へと出力する。
ポテンシャル計算部24は、車両情報管理部23から出力された管理情報、および道路形状入力部12から出力された情報に基づいて、以下に示すようにしてポテンシャル場の計算を行い、その結果を進行方向加速度決定部25と車線横断方向加速度決定部26とに出力する。
ポテンシャル場の計算方法について以下に説明する。交通流シミュレーションにおいて、ポテンシャル場とは、道路上を走行するおのおのの車両に対して影響を与える様々な要因の大きさを、走行方向と前記走行方向に対する左右方向とに広がる2次元分布を用いて定量的に定義したものである。このようなポテンシャル場としては、車両の停車時および走行時における加速度の方向と大きさとを、前記車両の走行に影響を与える時間的に一定な外的要因の影響度の大きさで定義される静的ポテンシャル場と、車両の走行に影響を与える時間的に変動する外的要因の影響度の大きさで定義される動的ポテンシャル場とに区分される。
静的ポテンシャル場では、道路の車線、車線境界、道路の傾斜、および道路上の障害物が前記車両の走行に与える影響度の大きさを定義する。たとえば、路側や白線があると、そこをまたがないように運転しようとする影響度、あるいは下り坂だと減速するように運転しようとする影響度などは静的ポテンシャル場によって定義する。
動的ポテンシャル場としては、車両の周囲に存在する他車両が車両の走行に与える影響度の大きさを定義する。隣にトラックの様な大型車や、外国車のような高級車が走行している場合に運転手が受ける心理的な影響度なども動的ポテンシャル場によって定義する。
このように車両に対して影響を与える要因、すなわちポテンシャルは様々有るが、ポテンシャル場を全て数式を用いて定量的に定義することによって、プログラム上では、それらを区別することなく画一的に取り扱うことができるので、より詳細なシミュレーションを行うことを可能としている。
このようなポテンシャル場について、以下に図2から図9に示す例を用いて具体的に説明する。
図2(a)は、複数の車線Sからなる道路1の平面図であり、図2(b)は、このような道路1において、車線Sの区切りによって形成された静的ポテンシャル場φの大きさを表した概念図である。
すなわち、図2(a)の平面図に示すように、複数の白線Sからなる道路1において、道路左端2においては、ポテンシャル場φは通常の車両5の運動では乗越えられないほど大きい。したがって、この道路1を走行する車両5は、道路左端2における大きなポテンシャル場の壁によって、道路左端2に衝突することなく走行する。また、各白線Sにおけるポテンシャル場も大きいものの、道路左端2におけるポテンシャル場φよりも小さく、中央分離帯3におけるポテンシャル場φは道路左端2におけるポテンシャル場φよりも小さいものの各車線Sにおけるポテンシャル場φよりも大きい。
つまり、図2(b)に示すようなポテンシャル場φの分布曲線は、車両5が、白線Sと白線Sとの間を走行する場合と比べて、白線Sをまたぐような走行は起こりにくく、車線変更をするためには、前方に障害物がある等、ドライバーに車線変更をさせるための動機が必要であることを示している。
図3および図4は、上り坂および下り坂の道路におけるポテンシャル場を説明するための概念図である。
図3に示すように、上り坂の道路1aでは、進行方向に向かって、すなわち走行するに従って静的ポテンシャル場φ場も高くなっており、車両5の運動に対して負の加速度を生ぜしめる一方、図4に示すように、下り坂の道路1bでは、進行方向に向かって、すなわち走行するに従って静的ポテンシャル場φも低くなっており、車両5の運動に対して正の加速度を与える。
図5(a)は、複数の白線Sからなり、路上に障害物9が存在する道路1の平面図であり、図5(b)は、道路1上のある地点における静的ポテンシャルの大きさを表した概念図である。
このような道路1を走行する車両5は、障害物9が小さいときには、高いポテンシャル場の壁を乗り越えることなく、すなわち、車線変更することがない範囲で障害物9から避走する。しかしながら、図5(a)および図5(b)に図示されるように、障害物9が大きい場合には、車両5はこのような大きなポテンシャル場の壁であっても乗り越え、すなわち白線Sを横切って車線変更を余儀なくされる。
図6(a)は、ある時刻において道路1上を移動または停止している車両5(#A〜#D)の位置関係、および各車両5(#A〜#D)が持つポテンシャル場P(#A〜#D)の大きさを示している。また、図6(b)は、このポテンシャル場の2次元平面における分布を示している。図6(b)では、ポテンシャル場の2次元分布を円で表しているが、その円の中心が各ポテンシャル場P(#A〜#D)の中心にそれぞれ相当し、半径が同じ円は、ポテンシャル場の大きさが同じであることを示している。ポテンシャル場の大きさは、ポテンシャル場の中心から外れるほど小さくなる。図6(b)に中に示すポテンシャル場Pは、ポテンシャル場P(#A〜#D)を合成してなるものである。
図6(a)に示すように、2つの白線Sによって区切られてなる道路1の中央車線を走る車両5(#C)について考える。この場合、ある時刻における車両5(#C)および、車両5(#C)の回りに存在する車両5(#A)、車両5(#B)、車両5(#D)が作るポテンシャル場P(#A〜#D)、およびそれらを合成してなるポテンシャル場Pは図6(b)に示される如くとなる。時間とともに車両5(#C)を取り巻く車両5(#A,#B,#D)の位置が変化するために、これらポテンシャル場は、時間とともに変化する動的ポテンシャル場である。
図6に示されるケースにおいて、車両5(#C)が、車両5(#A)よりも大きい速度を持つ場合、図6(b)に示すように、車両5(#C)は、車両5(#A)と車両5(#D)との間のポテンシャルの谷間を走るような力をポテンシャル場Pから受ける。この力Fは、一例として以下に示す(4)式に示す通りに表される。
=∇ΣU(i=A、B,D:自身を除いた車両) ・・・・(4)
この力Fは、車両5(#C)を車両5(#A)と車両5(#D)が作るポテンシャルの谷間に導くように働く。
図7(a)もまた、ある時刻において道路1上を移動または停止している車両5(#A〜#D)の位置関係、および各車両5(#A〜#D)が持つポテンシャル場P(#A〜#D)の大きさを示している。図7(b)も同様に、これらポテンシャル場P(#A〜#D)、およびこれらポテンシャル場P(#A〜#D)を合成してなるポテンシャル場Pの2次元平面における分布を示している。
図7に示されるケースにおいて、車両5(#C)が、車両5(#A)よりも大きい速度を持つ場合、図7(b)に示すように、車両5(#C)は、車両5(#A)と車両5(#D)との間のポテンシャル場の谷間、すなわち車両5(#A)と車両5(#D)との間にあるポテンシャル場の低いところを通るような力を受ける。
図8(a)もまた、ある時刻において道路1上を移動または停止している車両5(#A〜#D)の位置関係、および各車両5(#A〜#D)が持つポテンシャル場P(#A〜#D)、およびこれらポテンシャル場P(#A〜#D)を合成してなるポテンシャル場Pの大きさを示している。図8(b)も同様に、このポテンシャル場の2次元平面における分布を示している。
このケースは、図8(a)に示すように、車両5(#D)が、車両5(#C)の右前方を走行している場合である。この場合、図8(b)に示すように、車両5(#C)は、車両5(#A)と車両5(#D)とが作るポテンシャル場の壁にはばまれ、もはや車線変更ができない。したがって前方を走る車両5(#A)の作るポテンシャル場P(#A)から逆向きの力を受けて減速せざるを得ない。
図9(a)は、路上に障害物9が存在する道路1上を移動または停止している車両5(#A〜#C)の位置関係、および各車両5(#A〜#C)が持つポテンシャル場P(#A〜#C)、およびこれらポテンシャル場P(#A〜#C)を合成してなるポテンシャル場Pの大きさを示している。図9(b)は、これらポテンシャル場の2次元平面における分布を示している。
また、図10(a)は、図9(a)に示す状態から、ある時間が経った時刻における各車両5(#A〜#C)の位置関係、および各車両5(#A〜#C)が持つポテンシャル場P(#A〜#C)、およびこれらポテンシャル場P(#A〜#C)を合成してなるポテンシャル場Pの大きさを示している。図10(b)は、これらポテンシャル場の2次元平面における分布を示している。
図9(a)と図10(a)とを比較してわかるように、時間が経過し、各車両5(#A〜#C)の相互の位置関係が変化すると、図9(b)および図10(b)に示すように、ポテンシャル場Pの2次元平面分布は変化する。すなわち、図9(a)に示すような位置関係の場合、図9(b)に示すように、車両5(#A)は、障害物9と車両5(#B)とが作るポテンシャル場Pの壁に阻まれ、減速せざるを得ないことを示している。そして、時間が経過し、各車両5(#A〜#C)が移動するのに伴ってポテンシャル場Pの大きさおよび分布は変化し、図10(a)に示すような位置関係になった場合、車両5(#A)は、図10(b)に示すように、障害物9、車両5(#B)、および車両5(#C)によって形成されるポテンシャル場Pから受ける力によって、図中矢印に示すように、障害物9をよける方向に導かれる。なお、障害物9自身によって形成されてなるポテンシャル場P(#9)は、時間的に変化しない。
上述したように、車両5は、ポテンシャル場Pの山を避けて、ポテンシャル場Pの低いところを探して走行する傾向にあることがわかる。
次に、ポテンシャル場Pの形について例を挙げて説明する。道路状況を表す静的ポテンシャル場Pの形としては、図2、図3、および図4で説明したような分布で示す形が考えられる。
一方、車両が形成する動的ポテンシャル場Pを表現する関数Ucarとしては、例えば以下の(5)式に示すガウス分布関数や、以下の(6)式に示すような分布関数等が考えられる。
car=exp(−(r/p)) ・・・・(5)
car=q×(p/r) ・・・・(6)
ここでpは、車両5の大きさに依存する定数、qは係数、rは車両5の中心からの距離、nは正数である。
あるいは、上記(5)式を変形することによって得られる以下の(7)式に示されるような分布関数や、上記(6)式を変形することによって得られる以下の(8)式に示されるような分布関数も考えられる。
car=exp(−((x/p+(y/p)) ・・・・(7)
car=q×((p/x)+(p/y)) ・・・・(8)
ここで、pは車両5の進行方向であるx方向の大きさに依存する定数、xは車両5の中心からのx方向の距離、pは白線Sを横切る方向、すなわち進行方向と直交する方向であるy方向の大きさに依存する定数、yは車両5の中心からのy方向の距離である。
ポテンシャル計算部24は、上述したような静的ポテンシャル場Pと動的ポテンシャル場Pとを計算し、計算結果である静的ポテンシャル場Pの2次元分布と、動的ポテンシャル場Pの2次元分布とを進行方向加速度決定部25と車線横断方向加速度決定部26とに出力する。
進行方向加速度決定部25は、ポテンシャル計算部24から出力された静的ポテンシャル場Pの2次元分布と、動的ポテンシャル場Pの2次元分布とを取得する。そして、静的ポテンシャル場Pの2次元分布と、動的ポテンシャル場Pの2次元分布とを合成して得られる合成2次元分布に基づいて、各車両5の加速度の方向および大きさとともに、各車両5の進行方向におけるポテンシャル場の傾きを取得し、この傾きが正の車両については、減速するものと判定する。更に、道路1に障害物9が存在する場合には、この合成2次元分布のうちの走行方向に対するポテンシャルの大きさの勾配に基づいて、各車両5が障害物9を避走するか否かを推定する。そして、各車両5についての判定結果および推定結果を、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力する。
車線横断方向加速度決定部26は、ポテンシャル計算部24から出力された静的ポテンシャル場Pの2次元分布と、動的ポテンシャル場Pの2次元分布とを取得する。そして、静的ポテンシャル場Pの2次元分布と、動的ポテンシャル場Pの2次元分布とを合成してなる合成2次元分布に基づいて、各車両5の加速度の方向および大きさとともに各車両5の進行方向と直交する方向である車線横断方向におけるポテンシャル場の傾きを取得し、この傾きに基づいて、各車両5が車線変更するか否かを推定する。そして、各車両についての推定結果を、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力する。
進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26が行う判定または推定の方法について具体的に説明する。
すなわち、各車両5の加速度Fを与える運動方程式は、各車両5の走行距離xと走行時間tとを用いて、一般的に下記に示す(9)式のように表される。 d/dt=F ・・・・(9)
しかしながら、進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26では、各車両5毎の加速度Fを、各車両5の現行速度vと目標速度v との差の関数で決定される加速項fから、当該車両5の現行速度vとこの車両5の直前を走行する車両5i-1との間の車頭間距離Δxと速度差Δvとの関数で決定される減速項fと減じた下記に示す(10)式の通り示す。
=f(v −v)−f(Δx,v,Δv) ・・・・(10)
更に、減速項fを、当該車両5とこの車両5の直前を走行する車両5i-1との間の車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離δ以上のときに急激に減衰するようにした近距離項と、車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離δ以上のときに緩慢に減衰するようにした遠距離項とからなるようにする。一例として、正の実数α,β、5未満の正の実数n、および5以上の実数mを用いて、下記に示す(11)式の通り減速項fを表現する。
=α×(δ/Δx)+β×(δ/Δx) ・・・・(11)
ここで、α×(δ/Δx)は遠距離項、β×(δ/Δx)は近距離項に相当する。
図11は、このように適性車頭間距離δの関数からなる遠距離項の減速力と、近距離項の減速力とについて、適性車頭間距離δに対する傾向の一例を示す図である。なお、この図は、当該車両5と先行車両5i-1との速度差Δvが変化しない場合のものである。
図11に示すように、近距離項は車頭間距離が10m未満で急激に発散し、10m以上では急激に零に収束する。一方、遠距離項は車頭間距離が10m前後で比較的穏やかに変化する。
減速項は当該車両5が先行車両5i-1に近接した際に、衝突を避けるように減速力を与えるものである。その観点からは車頭間距離Δxが零に近づいたときに発散する関数1つ(例えば近距離項)で表現することも可能である。しかしながら、目標速度のばらつきが大きい場合や故障車両を模擬したい場合には、ブレーキによる減速力に上限があるために、近距離項のみではブレーキが間に合わず、シミュレーション上頻繁に衝突が発生するような結果が得られてしまう。そこで本実施の形態では、これを回避するために、車頭間距離Δxがある程度離れているところから徐々に減速力を生じさせるように、遠距離力と近距離力とをバランスさせることにより、シミュレーション上における衝突を減らすようにしている。
更にまた、適性車頭間距離δを、当該車両5の現行速度vと、この車両の直前を走行する車両5i-1の速度との速度差Δvを含み、当該車両5の車線方向の速度vixとこの車両5の直前を走行する車両5i-1の車線方向の速度との速度差Δvixに対して単調に増加する関数で表現する。
図12は、速度差Δvixに対して適性車頭間距離δが単調に増加する関数の一例を示す図である。
ここでは、当該車両5の現行速度vが60km/h、80km/h、100km/hに対する適性車頭間距離δを示している。ここで、速度差Δvix=0に対応する適性車頭間距離δは、当該車両5と先行車両5i-1が同一速度で走行していることに対応する。このような場合、例えば以下に示す(12)式においてΔv=0とする。
δ=a×v×[b+c×tanh(d×Δv)] ・・・・(12)
ここで、a,b,c,dはそれぞれ任意の実数からなる係数。
そして、高速道路等での実測データから速度に対する適性車頭間距離δを測定し、車両速度に対する適性車頭間距離δの最低ラインに一致するように係数aと係数bとを決定し、その後、係数cと係数dとを調整するような手順をとることにより、現実的なシミュレーションを行なうことができる。
結果通信部33は、進行方向加速度決定部25から出力された情報と、車線横断方向加速度決定部26から出力された情報とを取得し、結果表示部31および結果保存部34へと出力する。
結果表示部31は、結果通信部33から出力された情報、すなわち各車両5が進行方向に対して加速するか否かの判定結果、障害物を避走するか否かの推定結果、車線変更するか否かの推定結果を表示装置32の画面上から表示させる。
結果保存部34は、結果通信部33から出力された情報、すなわち各車両5が進行方向に対して加速するか否かの判定結果、障害物9を避走するか否かの推定結果、車線変更するか否かの推定結果を記憶装置35に記憶させる。
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムの動作について図13に示すフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1:計算条件設定)
本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムを用いて交通流のシミュレーションを行う場合には、まず、条件入力部10から条件を入力する必要がある。
交通シミュレーションの対象とする道路1の道路長、幅、白線Sの数、登坂度などといった道路1の形状に関する情報は、オペレータによって道路形状入力部12から入力され、更にそこから交通シミュレーション実行部20へと出力される。
交通シミュレーションの対象とする道路1毎の時間毎の交通量等の情報は、オペレータによって交通流条件入力部14から入力され、更にそこから交通シミュレーション実行部20へと出力される。
交通シミュレーションの対象とする道路1を走行する車両5の台数、存在する障害物9、道路1毎に課せられている車両規制等の交通情報は、オペレータによってシミュレーション条件入力部16から入力され、更にそこから交通シミュレーション実行部20へと出力される。
(ステップS2:ポテンシャル場計算)
ステップS1において、条件入力部10によって入力された情報に基づいて、交通シミュレーション実行部20では、以下に示すようにしてポテンシャル場Pの計算がなされる。
まず、ステップS1において、交通流条件入力部14から出力された道路1毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎の交通量等の情報は、時間情報管理部21によって取得され、ここから車両情報管理部23へと出力される。また、車両発生部22では、シミュレーション条件入力部16から出力された情報に基づいて、道路1毎に車両5が仮想的に発生される。そして、この車両発生情報が車両情報管理部23へと出力される。
次に、車両情報管理部23では、時間情報管理部21から出力された情報、車両発生部22から出力された情報に基づいて、道路1毎の時間毎、すなわちタイムステップ毎に走行する各車両5の管理情報が作成される。なお、あるタイムステップにおけるポテンシャル場Pの計算がポテンシャル計算部24によって既になされており、次のタイムステップにおけるポテンシャル場Pの計算を行う場合には、車両情報管理部23には、進行方向加速度決定部25からの進行方向における加速有無の判定結果と障害物9を避走するか否かの推定結果とが、車線横断方向加速度決定部26から車線変更するか否かの推定結果がそれぞれ入力される。この場合には、車両情報管理部23では、時間情報管理部21から出力された情報、車両発生部22から出力された情報に加えて、進行方向加速度決定部25によって入力された判定結果と推定結果、および車線横断方向加速度決定部26によって入力された推定結果に基づいて、次のタイムステップにおける各車両5の管理情報が作成される。このように作成された該タイムステップにおける各車両5の管理情報は、車両情報管理部23からポテンシャル計算部24へと出力される。
ポテンシャル計算部24では、車両情報管理部23から出力された管理情報、および道路形状入力部12から出力された情報に基づいて、以下に示すようにして(1)静的ポテンシャル場φと、(2)動的ポテンシャル場φとが計算される。更にそれらが加算されることによって(3)ポテンシャル場φ(φ=φ+φ)が計算され、その結果は、進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26へと出力される。
(ステップS3:判定1:ポテンシャル場φの進行方向の傾き)
進行方向加速度決定部25では、ポテンシャル計算部24から出力されたポテンシャル場φの進行方向の傾きが負の場合(<0)には、該車両5は加速するものと判定する(ステップS4)。一方、演算された加速度が負ではない場合(≧0)には、ステップS5の処理が行われる。また、ポテンシャル場φの進行方向の勾配に基づいて、車両が障害物を避走するか否かが推定される。これら判定結果および推定結果は、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力される。
(ステップS5:判定2:ポテンシャル場φの横方向の傾き)
車線横断方向加速度決定部26では、ポテンシャル計算部24から出力されたポテンシャル場φに基づいて、車線横断方向に対するポテンシャル場φの大きさの勾配が求められる。
(ステップS6:傾いている方向への車線変更)
車線横断方向加速度決定部26では、更に、ステップS5において求めた勾配に基づいて、車両5が車線変更するか否かが推定される。そして、この推定結果は、車両情報管理部23および結果通信部33へと出力される。
(ステップS7:次のタイムステップのシミュレーションを行うか?)
次のタイムステップのシミュレーションを行う場合(S7:Yes)には、ステップS2に戻る。行わない場合(S7:No)には、処理を終了する。
なお、進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26によってなされる処理においては、各車両5毎の加速度Fが、例えば上記(10)式に示すように、各車両5の現行速度vと目標速度v との差の関数で決定される加速項fから、当該車両5の現行速度vとこの車両5の直前を走行する車両5i-1との車頭間距離Δxと速度差Δvとの関数で決定される減速項fと減じることによって算出される。
更に、減速項fが、上記(11)式に示すように、当該車両5とこの車両5の直前を走行する車両5i-1との車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離δ以上のときに急激に減衰するようにした近距離項と、車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離δ以上のときに緩慢に減衰するようにした遠距離項とを加算したモデルが適用されている。
これによって、車頭間距離Δxがある程度離れているところから徐々に減速力が生じるようになり、遠距離力と近距離力とがバランスし、シミュレーション上における衝突が回避され、現実的なシミュレーションが行われる。
なお、本実施の形態に説明した交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムは、記憶媒体に格納したプログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることができる。
ここで本発明における記憶媒体としては、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施の形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施の形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何らの構成であってもよい。
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施の形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
上述したように、本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムにおいては、上記のような作用により、各車両5に対して影響を与える要因は様々有るものの、時間的に一定な外的要因の影響度の大きさで定義される静的ポテンシャル場φと、時間的に変動する外的要因の影響度の大きさで定義される動的ポテンシャル場φとを用い、これらによって全ての要因を数式を用いて定量的に定義することができる。これによって、プログラム上では、全ての要因を画一的に取り扱うことができるので、より詳細な交通流シミュレーションを容易に行うことが可能となる。
また、交通流シミュレーションを行うに当たり、各車両5の運動を記述する方程式において、その減速項fを遠距離項と近距離項を組合せることによって定義し、遠距離項と近距離項を与える際に参照する適性車頭間距離δの算出に、当該車両5の速度、当該車両5と先行車両5i-1との車頭間距離Δxと速度差Δvを用いている。これによって、道路1を走行中の車両5の中に故障車両等が存在する場合であっても、衝突するというシミュレーション結果を得るのではなく、故障状況をも考慮したより現実的な状態を再現することが可能となる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図14から図15を用いて説明する。
本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムは、第1の実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムとその構成を同一とし、進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26によってなされる処理方法が異なるのみである。したがって、ここでは、異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムにおける進行方向加速度決定部25および車線横断方向加速度決定部26では、各車両5の走行距離xと走行時間tとを用いて一般的に上述した(9)式の如く表される運動方程式において、加速度Fが負の値である場合には、予め定めた一定時間にわたって負の値を持続させるようにしている。
図14は、加速度が負の値になる場合、予め定めた一定時間にわたって負の加速度を持続させた場合の加速度変化の状態の一例を示すものであって、横軸が時間、縦軸が加速度であり、周期的に0.5秒間持続するようなブレーキを周期的にかけた状態を示している。強制的に0.5秒間持続するようなブレーキをかけることによって減速項fの値が負になることを示している。このような制御により、サグ等による急速な車頭間距離Δxの減少時には、十分なブレーキ制御が実現し、渋滞の発生等を再現することを可能としている。
このような制御を行う具体例として、以下に示す(13)式を用いてある時刻tに生じた負の加速度−Fを、時定数Tを用いて指数関数的に制御した場合について説明する。
=−F×exp(−t/T) ・・・・・(13)
このような場合、ある時刻tにおける加速度は、上記(13)式によって得られる加速度Fと、この経過時間tにおいて進行方向加速度決定部25によって算出された加速度と比較して負の絶対値が大きい方を選択する。
図15は、加速度が負の値になる場合、上記(13)式に示すような式に従って負の加速度を持続させた場合の加速度変化の状態一例を示すものであって、横軸が時間、縦軸が時定数Tを0.5秒とした場合の加速度を示している。図16に示す従来技術によるものと比べて、ブレーキがかけられている時間が長くなっていることがわかる。すなわち、サグ等による急速な車頭間距離Δxの減少時には、十分なブレーキ制御を考慮することができ、渋滞の発生等を再現することを可能としている。
上述したように、本実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムにおいては、上記のような作用により、第1の実施の形態で奏された作用効果に加えて、ブレーキ制御の持続時間を延長することにより、現実的なブレーキ制御を考慮することができ、サグにおける渋滞等を詳細に再現した交通流シミュレーションを行うことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
第1の実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムの構成例を示す機能ブロック図。 複数の車線からなる道路の平面図と、車線の区切りによって形成された静的ポテンシャル場分布を表した概念図。 上り坂の道路における静的ポテンシャル場を説明するための概念図。 下り坂の道路における静的ポテンシャル場を説明するための概念図。 複数の車線からなり路上に障害物が存在する道路の平面図と、道路上のある地点における静的ポテンシャル場の分布例を表した概念図。 ある時刻における道路上の車両の位置関係、および各車両によって形成されるポテンシャル場分布の一例を示す図。 ある時刻における道路上の車両の位置関係、および各車両によって形成されるポテンシャル場分布の一例を示す図。 ある時刻における道路上の車両の位置関係、および各車両によって形成されるポテンシャル場分布の一例を示す図。 路上に障害物が存在する道路上の車両の位置関係、および各車両によって形成されるポテンシャル場分布の一例を示す図。 図9に示す状態から、ある時間が経った時刻における各車両の位置関係、および各車両が持つポテンシャル場分布の一例を示す図。 車頭間距離の関数からなる遠距離項の減速力と近距離項の減速力とについて、車頭間距離に対する傾向の一例を示す図。 速度差に対して適性車頭間距離が単調に増加する状態の一例を示す図。 第1の実施の形態に係る交通流シミュレーション方法を適用した交通流シミュレーションシステムの動作を示すフローチャート。 加速度が負の値になる場合、予め定めた一定時間にわたって負の加速度を持続させた場合の加速度変化の状態の一例を示す図。 加速度が負の値になる場合、指数関数的に負の加速度を持続させた場合の加速度変化の状態の一例を示す図。 加速度が負の値になる場合、従来技術の交通流シミュレーション方法によって得られた加速度変化の状態の一例を示す図。
符号の説明
S…白線、1…道路、2…道路左端、3…中央分離帯、5…車両、9…障害物、10…条件入力部、12…道路形状入力部、14…交通流条件入力部、16…シミュレーション条件入力部、20…交通シミュレーション実行部、21…時間情報管理部、22…車両発生部、23…車両情報管理部、24…ポテンシャル計算部、25…進行方向加速度決定部、26…車線横断方向加速度決定部、30…結果表示記憶部、31…結果表示部、32…表示装置、33…結果通信部、34…結果保存部、35…記憶装置

Claims (7)

  1. 道路上を走行する各車両毎の走行状態を模擬することにより、交通流予測を行なう交通流シミュレーション方法において、
    前記各車両iの走行距離xと走行時間tとに基づいて決定される前記各車両i毎の加速度Fを与える運動方程式 d/dt=F
    における前記加速度Fを、前記各車両iの現行速度vと目標速度v との差の関数で決定される加速項fから、当該車両iの現行速度vとこの車両の直前を走行する車両との車頭間距離Δxと速度差Δvとの関数で決定される減速項fと減じた式 F=f(v −v)−f(Δx,v,Δv) で表し、
    前記減速項fを、前記車頭間距離Δxが、予め定めた適性車頭間距離以上の場合に急激に減衰するようにした近距離項と、前記車頭間距離Δxが、前記予め定めた適性車頭間距離以上の場合に緩慢に減衰するようにした遠距離項とからなるようにした交通流シミュレーション方法。
  2. 請求項1に記載の交通流シミュレーション方法において、
    前記減速項fを、前記適性車頭間距離δ、正の実数α,β、5未満の正の実数n、および5以上の実数mを用いて、
    =α×(δ/Δx)+β×(δ/Δx)
    のように定義するようにした交通流シミュレーション方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の交通流シミュレーション方法において、
    前記適性車頭間距離δを、当該車両iの現行速度vと、この車両の直前を走行する車両の速度との速度差Δvを含む関数で定義するようにした交通流シミュレーション方法。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の交通流シミュレーション方法において、
    前記適性車頭間距離δを、当該車両iの車線方向の速度vixとこの車両の直前を走行する車両の車線方向の速度との速度差Δvixに対して単調に増加する関数で定義するようにした交通流シミュレーション方法。
  5. 請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の交通流シミュレーション方法において、
    前記適性車頭間距離δを、当該車両iの現行速度vと、この車両の直前を走行する車両の速度との速度差Δvと、任意の実数a,b,c,dとを用いて、
    δ=a×v×[b+c×tanh(d×Δv)]
    のように定義するようにした交通流シミュレーション方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載の交通流シミュレーション方法において、
    ある時刻における前記加速度が負の値である場合には、この加速度を、それ以降の経過時間における加速度と比較し、負の絶対値が大きい方の加速度を新たな加速度とし、この新たな加速度を予め定めた一定時間にわたって持続させるようにした交通流シミュレーション方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載の交通流シミュレーション方法において、
    ある時刻tにおける前記加速度Fが負の値である場合には、前記ある時刻tからの経過時間tにおける加速度Fを、前記ある時刻tにおける加速度F、予め設定した時定数T、および前記経過時間tを用いて、
    =−F×exp(−t/T
    のように定義するようにした交通流シミュレーション方法。
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