JP2005062538A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板上に下クラッド層,コア層,上クラッド層を有し、コア層が上クラッド層及び下クラッド層に埋め込まれるように形成される光導波路において、膜質の低下を抑えながら、低損失で、比屈折率差の大きくするとともに、Si基板との線膨張係数差をできるだけ小さくして応力を低く抑え、偏波モード分散(PMD)を低減させて、光導波路の特性(偏波特性)を向上させる。
【解決手段】 クラッド層をボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)膜又はボロシリケートガラス(BSG)膜によって構成するとともに、コア層をゲルマニウム濃度を20wt%以上としたシリカガラス系材料によって構成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光通信分野において各種の光伝送システム[例えば波長分割多重(WDM)光伝送システム]に適用される光導波路及びその製造方法に関する。
近年、インターネットの普及などによるデータトラフィックの爆発的増大に対応しうるフォトニックネットワークの実現に向けて、波長分割多重(WDM)光通信網(WDM光伝送システム)の構築が進められている。
このWDM光伝送システムでは、低コスト化を図るべく、光導波路を用いて種々の光部品や電子部品の機能を集積化しうる平面光波回路(PLC:Planer Lightwave Circuit)技術を適用し、種々の機能を集積化するのが有効とされている。そして、このような種々の機能を集積化したPLCデバイスの小型化・高集積化を簡易に実現することが望まれている。
ここで、WDM光伝送システムにおいて用いられる石英系の埋込型光導波路(シリカガラス系光導波路)について、図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、石英系の埋込型光導波路は、Si基板100上に下クラッド層101及び上クラッド層103によって周囲を取り囲まれたコア層102を備えて構成される。
このような石英系の埋込型光導波路は、以下のようにして作製される。
まず、下クラッド層101及びコア層102の材料であるシリカガラスを例えば火炎堆積(FHD)法などによって順に堆積させ、熱処理を行なって透明ガラス化することで、Si基板100上に下クラッド層101及びコア層102を順に形成する。
次いで、例えばフォトリソグラフィー法によってマスクパターンを形成した後、反応性イオンエッチング(RIE;reactive ion etching)法によるドライエッチングを行なってコア層102の不要部分を除去することで、所望のパターン(導波路パターン)を有するストライプ状(線状)のコア層(導波路コア)102を形成する。
そして、下クラッド層101及び導波路コア102上に上クラッド層103の材料となるシリカガラスを堆積させ、熱処理を行なって透明ガラス化することで、コア層102の周囲が下クラッド層101及び上クラッド層103によって埋め込まれた埋込型光導波路が作製される。
ところで、光導波路デバイスの小型・高集積化に向けて、導波路の曲がり損失を小さくする必要があり、クラッド層101,103とコア層102の比屈折率差Δを大きくすること(高比屈折率構造,高Δ構造)が要求されている。
そこで、高比屈折率構造の光導波路の実現に向け、シリカガラスに窒素をドープしたSiONをコア層102に用いることで、コア層102の屈折率を上げて、クラッド層101,103とコア層102の比屈折率差Δを大きくする方法が用いられている。
しかしながら、SiONを用いて形成したコア層(導波路コア)102は、コア層102に含まれるNH基による吸収によって光伝送システムで用いられる1.50μm帯において伝播損失が大きくなってしまうという課題がある。
また、コア層102に含まれる燐(P)の濃度を増加させることでコア層102の屈折率を上げて、クラッド層101,103とコア層102の比屈折率差Δを大きくすることも考えられるが、コア層102に含まれる燐濃度を増加させると、膜質が低下してしまうことになる。
さらに、Si基板100上にクラッド層101,103やコア層102を積層させて光導波路を形成する場合、Si基板100の線膨張係数とクラッド層101,103やコア層102の線膨張係数との差が大きいと、応力が大きくなってしまい、この結果、光導波路の偏波モード分散(PMD;polarization Mode Dispersion)が大きくなってしまうことになる。
なお、ゲルマニウム濃度を調整する技術としては、例えば特許文献1〜3に開示されたものがある。
特開平7−218712号公報 特開2002−311261号公報 特開2000−323786号公報
本発明は、以上のような課題に鑑み創案されたもので、膜質の低下を抑えながら、低損失で、比屈折率差の大きい光導波路を実現できるようにするとともに、Si基板との線膨張係数差をできるだけ小さくし、応力を低く抑えて、偏波モード分散(PMD)を低減させ、光導波路の特性(偏波特性)を向上させることができるようにした、光導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の光導波路は、基板上に下クラッド層,コア層,上クラッド層を有し、コア層が上クラッド層及び下クラッド層に埋め込まれるように形成される光導波路であって、クラッド層が、ボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)膜又はボロシリケートガラス(BSG)膜によって構成され、コア層が、ゲルマニウム濃度を20wt%以上としたシリカガラス系材料によって構成されることを特徴としている。
好ましくは、コア層を、燐濃度2wt%以下のゲルマノフォスフォシリケートガラス(GPSG)膜によって構成する。
また、コア層を、ゲルマニウム濃度30wt%以上のゲルマノシリケートガラス(GSG)膜によって構成するのも好ましい。
本発明の光導波路の製造方法は、上記の構造を有する光導波路を製造する光導波路の製造方法であって、化学気相堆積法(以下、CVD法という)によって有機ソースを用いて堆積させてクラッド層及びコア層を成膜する工程を含むことを特徴としている。
好ましくは、CVD法として、有機ソースをオゾンにより分解して堆積させる常圧CVD法を用いる。
また、有機ソースとしてトリス(トリメチルシリル)ボレート(SiOB)を用いるのが好ましい。
さらに、有機ソースとしてテトラメトキシゲルマン(TMG)を用いるのも好ましい。
したがって、本光導波路によれば、20wt%以上の高濃度のゲルマニウム(Ge)を添加したシリカガラス系材料を用いてコア層を形成することでコア層の屈折率を上げることができ、また、SiONを用いないことでNH基による吸収をなくすことができるため、低損失で、比屈折率差の大きい光導波路を実現できることになる。
特に、Ge濃度を増加させることによってコア層の高屈折率化を実現するため、燐(P)濃度の増加による膜質の低下を抑えることができる。
また、上述のようにGe濃度を増加させると、コア層の線膨張係数がSi基板やクラッド層の線膨張係数に近づき、また、クラッド層としてBPSG膜又はBSG膜を用いると、Si基板とクラッド層との間の線膨張係数差をできるだけ小さくすることができるため、光導波路全体に生じる応力を低く抑えることができ、この結果、偏波モード分散(PMD)を低減させ、光導波路の特性(偏波特性)を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる光導波路及びその製造方法について、図1〜図8を参照しながら説明する。
図1に示すように、本光導波路は、基板10上に形成したクラッド層11,13によって周囲を取り囲まれたコア層12を備えて構成される。つまり、本光導波路は、ストライプ状(線状)のコア層12がクラッド層11,13で埋め込まれた埋込型光導波路(例えば石英系の埋込型光導波路,シリカガラス系光導波路)として構成される。
ここで、基板10は、例えば、シリコン基板(Si基板),石英・ガラス基板,ガラス基板等が使用される。
クラッド層は、基板10上に形成された下クラッド層11と、その下クラッド層11上で所望の形状にパターニングされたストライプ状のコア層(導波路コア)12の周囲を取り囲むように形成された上クラッド層13からなる。
クラッド層11,13は、基板10との線膨張係数差を低減し、応力による複屈折を低減するために、例えばBPSG(ボロフォスフォシリケートガラス;シリカガラス系材料)又はBSG(ボロシリケートガラス;シリカガラス系材料)によって形成する。
本実施形態では、クラッド層11,13をBPSG膜又はBSG膜として形成するための有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を使用している。
以下、クラッド層11,13の有機ソースとして用いるトリアルキルシリル系化合物について具体的に説明する。
まず、一般にクラッド層の有機ソースとして用いられるアルコキシ系化合物に代えて、トリアルキルシリル系化合物を用いることにした理由を説明する。
ここで、図8は、有機ソースとしてアルコキシ系化合物(ここではTEOS,TMOP,TEBを組み合わせた有機ソース)を用い、常圧CVD法によってクラッド層を形成した場合のホウ素(B)及び燐(P)の各組成(wt%)に対するクラック及び気泡の関係を例示した組成チャートである。
なお、ここでは、1mm厚で直径6インチのシリコン基板上に、450℃の成膜温度で20μmの膜厚のクラッド層を形成し、成膜後に880℃の熱処理を施したときの測定結果を示してある。
図8に示すように、燐(P)の組成が実線で示した直線よりも小さな値(下側の領域)になるとクラックが発生し、ホウ素(B)の組成が破線で示した直線よりも大きな値(右側の領域)になると気泡が発生するようになる。つまり、クラックや気泡(成膜欠陥)が発生しないフリー組成領域は、図8中の斜線で示す領域に限られ、これ以外の領域はクラックや気泡が発生しやすい成膜欠陥発生組成領域となり、クラッド層に含まれるホウ素(B)及び燐(P)の各濃度の設定には制約があることがわかる。
この場合、ホウ素(B)及び燐(P)の濃度設定によってクラッド層の屈折率が決定されることになるので、設計自由度の高い光導波路を実現するためには、組成選択範囲をより広くすることが望まれる。また、光導波路の屈折率に関しては、例えば方向性結合器などの光導波路デバイスにおいて屈折率のばらつき低減に対する要求が高まっている。さらに、光導波路に作用する内部応力等が要因となって発生する偏波モード分散(PMD;polarization Mode Dispersion)を低減させ、光導波路の特性(偏波特性)を向上させることも要求される。
しかしながら、アルコキシ系化合物を用いる一般的な有機ソースでは、成膜中にホウ素(B)元素をドーピングしなければならず、成膜時の熱の影響が大きい。また、ドーピングの不均一性のためにウェハの面内や複数のウェハ間で組成が変動してしまうため、屈折率のばらつきを低減するにも限界があった。
また、光導波路の偏波特性を向上させるべく、偏波モード分散(PMD)を低減させるには、クラッド層を形成するのに有機ソースとして用いられるアルコキシ系化合物のB組成を増加させれば良いことが知られているが、B組成を増加させると、クラッド層は膜厚が厚いため、クラックが発生し易くなり、また、成膜後の熱処理(例えば800℃以上)によって気泡が生じるなどの影響を受けることになり、このようなクラックや気泡の発生は光導波路の損失等の要因となるため好ましくない。
また、クラックの発生を抑制するため、膜厚の薄いクラッド層を複数回に分けて形成する分割成膜を行なうことも考えられるが、これでは、工程が増えることになるため好ましくない。
そこで、本実施形態にかかる光導波路では、クラッド層11,13を形成するのに、有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を用いている。
このようにクラッド層11,13の有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を用いることで、成膜時の熱の影響が少なくなるため、クラッド層11,13の組成変動が抑えられるようになり、屈折率のばらつきを低減した高品質の光導波路を実現できるようになる。また、トリアルキルシリル系化合物を用いることでダングリングボンド(未結合手)等も減少するため、クラックや気泡の発生が抑えられてクラッド層11,13の組成選択範囲を拡大させることも可能になる。
次に、本実施形態においてクラッド層11,13の有機ソースとして用いられるトリアルキルシリル系化合物について、具体的に説明する。
本実施形態では、クラッド層11,13はBPSG膜又はBSG膜として形成するため、クラッド層11,13の有機ソースとして用いるトリアルキルシリル系化合物は、例えばトリス(トリメチルシリル)ボレート[SiOB;tris(trimethylsilyl)borate,B(OSi(CH333]としている。
例えば図2に示すように、トリス(トリメチルシリル)ボレート(SiOB)は、分子構造内にトリメチルシリル結合[Si(CH33−O−B]を持ち(即ち、図2に示すようにSi−O−B結合が最初から有機ソースに含まれており)、Si−Oの結合エネルギは高いため、Si−O−Bの構造がBPSG膜又はBSG膜中に安定的に取り込まれるという特長を有する。
このため、成膜時の熱の影響や不均一なドーピングが要因となって面内やウェハ間で組成にばらつきが生じることがなく、屈折率のばらつきを抑えることができ、均一な屈折率分布を実現できるようになる。
さらに、トリアルキルシリル系化合物を有機ソースとする場合、アルコキシ系化合物を有機ソースとする場合に比べてダングリングボンド(未結合手)が少なくなるため、ダングリングボンドへの応力集中によるクラックの発生や炭素(C)や水素(H)との反応による気泡の発生を抑えることができ、この結果、コア及びクラッドの組成選択範囲を拡大することが可能となる。
ここで、クラッド層11,13の有機ソースをトリメチルシリル系化合物のみによって構成する場合、シリカガラスに含まれる添加物の割合を調整し難いという欠点がある。
具体的には、例えばクラッド層11,13の有機ソースにSiOBを用いる場合、Siに対するBの割合は上述の図2からも明らかなように3:1で一定となる。シリカガラスに含まれる添加物の割合の調整を容易にするための1つの方法として、トリアルキルシリル系化合物にアルコキシ系化合物を組み合わせて有機ソースを構成し、トリアルキルシリル系化合物をアルコキシ系化合物とともに成膜する方法があり、このようにしても上述のようにトリアルキルシリル系化合物のみを用いる場合と同様の効果が得られる。
この場合、クラッドの有機ソースとしては、SiOBのほか、TEOS,TMOS,TEG(テトラエトキシゲルマン),TMG(テトラメトキシゲルマン),TEOP,TMOP,TEB及びTMBのうちの少なくとも1種類以上を成膜条件に応じて任意に組み合わせたものを使用すれば良い。
具体的には、添加物組成を低減するには例えばTEOS,TMOSを用い、B組成を増加する場合には例えばTEB,TMBを用い、P組成を増加する場合にはTEOP,TMOPを用い、Ge組成を増加する場合にはTEG,TMGなどを用いるのが好ましい。
ここで、図3は、SiOB,TEB及びTMOPを組み合わせた有機ソースを常圧CVD法によりオゾンで分解してクラッド層(BPSG膜,シリカガラス膜)を形成した場合について、ホウ素および燐の各組成(wt%)に対するクラックおよび気泡の関係を例示した図である。
なお、ここでは1mm厚で直径6インチのシリコン基板上に、450℃の成膜温度で20μmの膜厚のクラッド層を形成し、成膜後に880℃の熱処理を施したときの測定結果が示してある。
図3に示すように、SiOB,TEB及びTMOPを組み合わせた有機ソースを用いた場合には、アルコキシ系化合物のみを用いた場合(例えばTEOS,TMOP及びTEBを組み合わせた有機ソースを用いた場合;図8参照)と比較すると明らかなように、クラック発生領域及び気泡発生領域が大幅に縮小され、図中の斜線部分に示すクラックや気泡の発生がないクラック・気泡フリー領域が拡大されて、ホウ素および燐の各組成の選択範囲が格段に広がることが分かる。
なお、本実施形態では、クラッド層11,13をBPSG膜又はBSG膜として形成するため、クラッド層11,13の有機ソースに含まれるトリアルキルシリル系化合物としてSiOBを用いているが、これ以外の添加物を含むトリアルキルシリル系化合物[分子構造内にSiR3−O−a結合(ただし、Rはアルキル基であり、aはB,P,G,Ti,Ta等の添加物に相当する物質である)を有する化合物]を用いても良い。
例えば、テトラキス(トリメチルシリル)ゲルマニウム[SiOG;tetrakis(trimethylsilyl)germanium,Ge(OSi(CH334],トリス(トリメチルシリル)フォスフェイト[SiOP;tris(trimethy1si1yl)phosphate,P(OSi(CH333],テトラキス(トリメチルシリル)チタニウム[SiOTi;tetrakis(trimethylsilyl)titanium,Ti(OSi(CH334],テトラキス(トリメチルシリル)タンタル[SiOTa;tetrakis(trimethylsilyl)tantalum,Ta(OSi(CH334]などのトリアルキルシリル系化合物を用いることができる。なお、SiOPは、SiOBと合わせて用いることで、BPSG膜を形成できる。
つまり、クラッド層11,13の有機ソースとしては、Si−O−B結合,Si−O−Ge結合,Si−O−P結合,Si−O−Ti結合及びSi−O−Ta結合のうちの少なくとも1つ以上の結合を含むトリアルキルシリル系化合物を用いることができる。
ここで、図4は、有機ソースとしてトリメチルシリル系化合物を用い、常圧CVD法によってシリコン基板上にクラッド層(BPSG膜)を形成する場合のホウ素(B)及び燐(P)の各組成(wt%)に対するクラック及び気泡の関係を例示した組成チャートである。
図4中、斜線領域はクラックや気泡(成膜欠陥)が発生しやすい成膜欠陥発生組成領域を示しており、斜線領域以外の領域はクラックや気泡が発生しないフリー組成領域を示している。
図4に示すように、有機ソースとしてトリメチルシリル系化合物を用いると、クラックや気泡の発生がないフリー組成領域が広がるため、クラッド層(トリメチルシリル系化合物)に含まれるホウ素(B)及び燐(P)の組成(wt%)を決める際に、組成設計の自由度が増すことになる。
また、Si基板10上にクラッド層11,13を形成する場合、Si基板10の線膨張係数とクラッド層11,13の線膨張係数とに差があると、クラッド層11,13に応力(内部応力)が生じることになる。
ここで、図4中、破線は、応力がゼロ(応力=0)の場合の等応力線を示している。例えば、B組成とP組成とを足したものが11wt%(B組成+P組成=11wt%)程度になるようにすると応力がゼロ(応力=0)になる。なお、応力の大きさに応じてそれぞれの応力毎の等応力線を応力ゼロの場合の等応力線に平行な線として表すことができる。
そして、図4中、破線の左側(下側)では、ホウ素組成(B組成),燐組成(P組成)の減少に応じて、応力は圧縮方向に大きくなり(逆に言うと、B組成,P組成の増加に応じて、応力は圧縮方向に小さくなる)、破線の右側(上側)では、ホウ素組成(B組成),燐組成(P組成)の増加に応じて、応力は引張方向に大きくなる(逆に言うと、B組成,P組成の減少に応じて、応力は引張方向に小さくなる)傾向がある。つまり、応力は、図4中、破線で示す等応力線のところで最も小さくなり、この等応力線から離れるにしたがって大きくなる。
ここで、応力がゼロになるということは、クラッド層の線膨張係数とSi基板の線膨張係数とが同じ(線膨張係数差がゼロ;線膨張係数差=0)になることを意味する。このため、応力ゼロの場合の等応力線は等線膨張係数線と見ることもできる。
そして、図4中、破線の左側(下側)では、ホウ素組成(B組成),燐組成(P組成)の減少に応じて、線膨張係数は小さくなり、破線の右側(上側)では、ホウ素組成(B組成),燐組成(P組成)の増加に応じて、線膨張係数は大きくなる傾向がある。このため、Si基板との線膨張係数差(dclad−dSi)は、図4中、破線の左側(下側)では、B組成,P組成の減少に応じて大きくなり(即ち、負の値が大きくなり)、破線の右側(上側)では、ホウ素組成(B組成),燐組成(P組成)の増加に応じて大きくなる(即ち、正の値が大きくなる)傾向がある。つまり、クラッド層の線膨張係数は、図4中、破線で示す等線膨張係数線のところでSi基板10の線膨張係数に最も近くなり(等しくなり)、この等線膨張係数線から離れるにしたがってSi基板10の線膨張係数との差が大きくなる。
また、図4に示すように、屈折率はP組成が支配的であり、P組成が多いほど[即ち、BPSG組成中のP組成の割合(wt%)が高いほど]、屈折率が高くなり、P組成が少ないほど[即ち、BPSG組成中のP組成の割合(wt%)が低いほど]、屈折率が低くなる。なお、図4中、一点鎖線は、上クラッド層13の目標屈折率と等しい屈折率の等屈折率線を示している。
ここで、コア層(導波路コア)12の複屈折は、その側面を覆う上クラッド層13の応力が支配的であるため、上クラッド層13は応力がゼロ(応力=0)となる(Si基板10との線膨張係数差がゼロ;線膨張係数差=0となる)組成とするのが望ましい。
このため、上クラッド層13の組成は、所望の目標屈折率となるようにP組成を調整するとともに、応力がゼロ(応力=0)になるように決定する。つまり、上クラッド層13は、Si基板10の線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数を持つものとして構成される。
具体的には、図4中、一点鎖線で示す等屈折率線と、図4中、破線で示す応力ゼロの場合の等応力線とが交わる点のB組成及びP組成の割合(wt%)となるように、上クラッド層13の組成を決定する。
また、下クラッド層11の組成は、下クラッド層11の屈折率が上クラッド層13の屈折率と同じになるように、上クラッド層13とほぼ同じP組成になるように決定する。つまり、下クラッド層11の組成は、例えば図4中、一点鎖線で示す等屈折率線上になるように決定する。
なお、本実施形態では、下クラッド層11及び上クラッド層13の双方のクラックや気泡の発生を抑えるべく、下クラッド層11及び上クラッド層13の有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を含むものを用いているが、例えば有機ソースとしてアルコキシ系化合物を含むものを用いることもできる。
ところで、コア層12は、クラッド層11,13に対して光の導波に必要とされる所要の屈折率差が得られるような屈折率を有し、所望のパターン(コアパターン,導波路パターン)を有するものとして形成される。
ここで、コア層12は、クラッド層11,13に比べて屈折率の高い材料を適用し、例えばGPSG(ゲルマノフォスフォシリケートガラス;シリカガラス系材料)又はGSG(ゲルマノシリケートガラス;シリカガラス系材料)を用いる。
本実施形態では、コア層12をGPSG膜又はGSG膜として形成するための有機ソースとしてアルコキシ系化合物を使用している。例えば、コア層12を形成する有機ソースとして、TEOS,TMOS,TEOP,TMOP,TEG及びTMGのうちの少なくとも1種類以上を組み合わせたアルコキシ系化合物を使用している。
なお、本実施形態では、コア層12の有機ソースとしてアルコキシ系化合物を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、SiOG,SiOTi,SiOTa,SiOB,SiOP等のトリアルキルシリル系化合物を含むものを有機ソースとして用いることもできる。
次に、本光導波路の製作プロセスについて、図5(A)〜(D)を参照しながら詳しく説明する。
本光導波路の製作プロセスは、図5(A)〜(D)に示すように、基板(例えばSi基板)10上に下クラッド層11及びコア層12の成膜を行なう第1工程と、所望のパターンを持つ導波路コア12の形成を行なう第2工程と、上クラッド層12の一部の成膜を行なう第4工程と、上クラッド層12の残り部分の成膜を行なう第4工程とに大別される。
これらの第1〜第4工程は、クラッド層11,13及びコア層12を形成する有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を用いる点を除いて、アルコキシ系化合物を用いる一般的な光導波路の製作プロセスと同様であり、使用する製造装置や成膜条件は基本的に共通であるため、既存の設備をそのまま利用することが可能である。
以下、各工程で行われる処理について、図5(A)〜(D)を参照しながら具体的に説明する。
第1工程(下板成膜工程)では、図5(A)に示すように、まず、少なくともトリアルキルシリル系化合物(例えばSiOB)を含むものを有機ソースとし、常圧CVD装置を用いて有機ソースをオゾンで分解することにより、Si基板10上にボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)膜又はボロシリケートガラス(BSG)膜を成膜することで下クラッド層11が形成される(下クラッド層形成工程)。
この下クラッド層11の成膜には、熱応力低減の観点から、低温成膜が可能な常圧化学気相堆積(AP−CVD,CVD;chemical vapor deposition)法を用いるのが好適である。また、有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物(例えばSiOB)を用いることにより、クラック耐性を向上させ、成膜欠陥が生じるのを抑えることができる。
なお、BPSG膜又はBSG膜としての下クラッド層11を形成するのに用いられる有機ソースは、トリアルキルシリル系化合物(例えばSiOB)のほかに、成膜条件に応じて、アルコキシ系化合物(例えばTEOP,TMOP,TEB,TMB)の中から任意に組み合わせたものを使用すれば良い。
具体的には、例えば1mm厚で直径6インチのSi基板10上に、SiOB,O3を原料とし、常圧CVD装置を用いて、例えば15〜20μmの膜厚のBPSG膜又はBSG膜を例えば380〜450℃の成膜温度にて堆積させて、下クラッド層11とすることが可能である。この下クラッド層11は、さらに、水分やカーボンを除去するために、800〜1000℃のファーネスタイプの熱処理炉にて例えば1時間程度のアニール処理が施される。
特に、第1工程により形成される下クラッド層11(BPSG膜又はBSG膜)については、偏波モード分散(PMD)の低減を図るために、B組成の割合(ホウ素の濃度)を1wt%以上とするのが良い。また、屈折率を下げ、コア12との屈折率差を大きくするためにはP組成の割合(燐の濃度)を下げる必要があるが、クラックの発生を防ぐことを考慮するとP組成の割合は1wt%以上とするのが望ましい。
具体的には、クラックや気泡の発生がないフリー組成領域内でホウ素および燐の各組成を選択して下クラッド層11を形成することになる。
特に、下クラッド層11を、Si基板10の線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数を持つようにBPSG膜又はBSG膜によって構成することで、コア層12への応力を低減することができ、偏波モード分散(PMD)を低く抑えることが可能となる。
次に、図5(A)に示すように、アルコキシ系化合物(例えばTMG)を有機ソースとし、常圧CVD法を用いて有機ソースをオゾンで分解することにより、下クラッド層11上にコア層(GPSG膜又はGSG膜)12が形成される(コア層形成工程)。このように、下クラッド層11及びコア層12の成膜には、熱応力低減観点から、低温成膜が可能な常圧CVD(化学気相堆積)法を用いるのが好適である。
ここで、GPSG膜又はGSG膜としてのコア層12を形成するのに用いられる有機ソースは、成膜条件に応じて、アルコキシ系化合物(例えばTEOS,TMOS,TEOP,TMOP,TEG,TMG)の中から任意に組み合わせたものを使用すれば良い。
具体的には、常圧CVD装置を用いて、例えば380〜450℃の成膜温度にて、2〜7μmの膜厚のGPSG膜又はGSG膜を下クラッド層11上に堆積させてコア層12とすることが可能である。このコア層12についても下クラッド層11と同様のアニール処理が施される。
ここで、コア層12のGe組成(ゲルマニウム濃度,Ge濃度)は、下クラッド層11に対して光の導波に必要とされる所望の屈折率差が得られるように調整される。
特に、本実施形態では、図6に示すように、Ge濃度(Ge組成)を20wt%以上(好ましくは30wt%以上、さらに好ましくは40wt%以上)にしたシリカガラス系材料(例えばGPSG,GSG)によってコア層12を形成している。このように、高濃度のGeをドープすることで、下クラッド層11に対する比屈折率差Δを大きくしている。
例えばコア層12をGPSG膜として形成する場合は、図6に示すように、Ge濃度を20wt%以上にすれば、比屈折率差Δを2%以上にすることができ、Ge濃度を30wt%以上にすれば、比屈折率差Δを3%以上にすることができる。
また、例えばコア層12をGSG膜として形成する場合は、図6に示すように、Ge濃度を30wt%以上にすれば、比屈折率差Δを2%以上にすることができ、Ge濃度を40wt%以上にすれば、比屈折率差Δを3%以上にすることができる。
一方、このように、コア層12を、高濃度のGeをドープしたシリカガラス系材料(例えばGPSG,GSG)によって形成することで、Si基板10の線膨張係数とコア層12の線膨張係数とを近づけることができ、コア層12に生じる応力を小さくすることができる。つまり、コア層12を、高濃度のGeをドープしたシリカガラス系材料(例えばGPSG,GSG)によって形成することで、低応力のコア層12を形成できることになる。
例えばコア層12をGPSG膜として形成する場合は、図7に示すように、Ge濃度を15wt%以上35wt%以下にすれば、コア層12に生じる応力を±50MPaの範囲内にすることができ、Ge濃度を20wt%以上30wt%以下にすれば、コア層12に生じる応力を±25MPaの範囲内にすることができる。特に、Ge濃度を25wt%程度にすると、図7に示すように、コア層12に生じる応力をほぼゼロにすることができる一方、図6に示すように、比屈折率差Δを2.5%程度にすることができる。
また、例えばコア層12をGSG膜として形成する場合は、図7に示すように、Ge濃度を30wt%以上55wt%以下にすれば、コア層12に生じる応力を±50MPaの範囲内にすることができ、Ge濃度を40wt%以上50wt%以下にすれば、コア層12に生じる応力を±25MPaの範囲内にすることができる。特に、Ge濃度を45wt%程度にすると、図7に示すように、コア層12に生じる応力をほぼゼロにすることができる一方、図6に示すように、比屈折率差Δを4%程度にすることができる。
また、コア層12をGPSG膜によって形成する場合、P濃度(燐濃度)を2wt%以下にしたGPSG膜にすれば、気泡などの成膜欠陥が生じるのを抑えることもできる。
このように、下クラッド層11を低応力のBPSG膜又はBSG膜によって形成し、コア層12をGe濃度20wt%以上(好ましくは30wt%以上)のGPSG膜によって形成することで、例えば2%以上(好ましくは3%以上)の比屈折率差Δを持ち、光伝送システムで用いられる1.50μm帯において伝播損失の小さい光導波路を実現できることになる。
同様に、下クラッド層11を低応力のBPSG膜又はBSG膜によって形成し、コア層12をGe濃度30wt%以上(好ましくは40wt%以上)のGSG膜によって形成することで、例えば2%以上(好ましくは3%以上)の比屈折率差Δを持ち、光伝送システムで用いられる1.50μm帯において伝播損失の小さい光導波路を実現することが可能となる。
また、上述のように、下クラッド層11をBPSG膜又はBSG膜によって形成することで、Si基板10の線膨張係数と下クラッド層11の線膨張係数とをほぼ等しくすることができる。また、コア層12をGe濃度20wt%以上(好ましくは30wt%以上)のGPSG膜によって形成するか、又は、コア層12をGe濃度30wt%以上(好ましくは40wt%以上)のGSG膜によって形成することで、Si基板10の線膨張係数とコア層12の線膨張係数とをほぼ等しくすることができる。
このため、下クラッド層11をBPSG膜又はBSG膜によって形成し、コア層12をGe濃度20wt%以上(好ましくは30wt%以上)のGPSG膜によって形成するか、又はコア層12をGe濃度30wt%以上(好ましくは40wt%以上)のGSG膜によって形成することで、Si基板10の線膨張係数,コア層12の線膨張係数,下クラッド層11の線膨張係数をほぼ同等にすることができ、この結果、コア層12に生じる応力を小さくすることができるため、応力による偏波モード分散を低減することが可能となり、また、光導波路の複屈折を低減することも可能となる。
第2工程(コア層加工工程,導波路コア形成工程)では、図5(B)に示すように、コア層12上に所望のコアパターンがフォトリソグラフィー法によりパターニングされる。そして、RIE法(RIE装置)によって選択的にエッチング(ドライエッチング)を行なうことでコア層12の不要部分が除去されて、図5(B)に示すような線状(ストライプ状)のコア層(導波路コア)12が形成される。
第3工程(埋込成膜第1工程,上クラッド層形成工程)では、図5(C)に示すように、上述の第1工程と同一の条件にて、下クラッド層11及び導波路コア12上に、ストライプ状の導波路コア12が埋め込まれるように、上クラッド層13の一部が形成される(埋込成膜)。
具体的には、上クラッド層13の一部を所定の厚さの薄膜として成膜すべく、下クラッド層11や導波路コア12上にシリカガラス系材料(例えばBPSG,BSG)を堆積させた後、熱処理によってリフローさせる。これにより、ストライプ状の導波路コア12間にボイドが生じないように、例えば隣接するストライプ状の導波路コア12間に形成されている溝がシリカガラス系材料(例えばBPSG,BSG)によって確実に埋め込まれる。
第4工程(埋込成膜第2工程,上クラッド層形成工程)では、図5(D)に示すように、上述の第1工程と同一の条件にて、上述の第3工程において形成された上クラッド層13の一部の上に、上クラッド層13全体の厚さが所望の厚さになるように上クラッド層13の残りの部分が形成される。なお、下クラッド層11と同一の条件で形成された上クラッド層13の屈折率は、下クラッド層11の屈折率と一致させる。
具体的には、少なくともトリアルキルシリル系化合物(例えばSiOB)を含むものを有機ソースとし、常圧CVD法(常圧CVD装置)を用いて有機ソースをオゾンで分解することにより、下クラッド層11及びコア層12上に、例えば20μmのBPSG膜又はBSG膜を成膜することで上クラッド層13が形成される。なお、上クラッド層13の組成(B組成及びP組成;堆積条件)は、上クラッド層13の屈折率と下クラッド層11の屈折率とが一致するように調整する。
このように、上クラッド層13の成膜には、熱応力低減観点から、低温成膜が可能な常圧CVD(化学気相堆積)法を用いるのが好適である。
特に、上クラッド層13をBPSG膜又はBSG膜として構成する場合、BPSG膜又はBSG膜は融点が低いため、常圧CVD法においてもリフローしやすく(リフロー性が高く)、ボイドなどが発生しないように導波路コア12の埋め込みを行なうことができ、また、FHD法などの高温成膜法に比べて上クラッド層13の成膜時に発生する導波路コア12の流動化を防ぐことができる。
ここで、BPSG膜又はBSG膜としての上クラッド層13を形成するのに用いられる有機ソースは、トリアルキルシリル系化合物(例えばSiOB)のほかに、成膜条件に応じて、アルコキシ系化合物(例えばTEOP,TMOP,TEB,TMB)の中から任意に組み合わせたものを使用すれば良い。
したがって、本実施形態にかかる光導波路及びその製造方法によれば、例えば20wt%以上(好ましくは30wt%以上、より好ましくは40wt%以上)の高濃度のゲルマニウム(Ge)を添加したシリカガラス系材料を用いてコア層12を形成することでコア層12の屈折率を上げることができ、また、SiONを用いないことでNH基による吸収をなくすことができるため、低損失で、比屈折率差の大きい光導波路を実現できることになる。
特に、Ge濃度を増加させることによってコア層12の高屈折率化を実現するため、燐(P)濃度の増加による膜質の低下を抑えることができる。
また、上述のようにGe濃度を増加させると、コア層12の線膨張係数がSi基板10やクラッド層11,13の線膨張係数に近づき、また、クラッド層11,13としてBPSG膜又はBSG膜を用いると、Si基板10とクラッド層11,13との間の線膨張係数差をできるだけ小さくすることができるため、光導波路全体に生じる応力を低く抑えることができ、この結果、偏波モード分散(PMD)を低減させ、光導波路の特性(偏波特性)を向上させることができる。
さらに、コア及びクラッドを形成する有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を用いることにより(例えば新規成膜ソースであるSiOBを用いることにより)、クラック及び気泡の発生が抑えられてコア及びクラッドの組成選択範囲を拡大することが可能となり、クラッド層11,13及びコア層12の各屈折率を高い自由度で設計することが可能になる。
また、クラッド層11,13の成膜の際にクラックが発生するのを抑えることができるため、一括成膜が可能となる。
以上のように、本発明によれば、膜質の低下を抑えながら、低損失で、比屈折率差の大きい光導波路を実現でき、さらに、偏波モード分散(PMD)を低減させ、光導波路の特性(偏波特性)を向上させることで、各種の光伝送装置に適用される光導波路として十分に耐え得る特性を実現できるようになるので、その有用性は極めて高いと考えられる。
本発明の一実施形態にかかる光導波路の全体構成を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態にかかる光導波路において有機ソースとして用いられるトリアルキルシリル系化合物の一例としてトリス(トリメチルシリル)ボレート(SiOB)の構造を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる光導波路において有機ソースとしてトリアルキルシリル系化合物を用いてクラッド(BPSG膜)を形成する場合のホウ素及び燐の各組成に対するクラック及び気泡の発生領域を説明するための組成チャートである。 本発明の一実施形態にかかる光導波路において有機ソースとして用いられるトリアルキルシリル系化合物の組成チャートである。 (A)〜(D)は、本発明の一実施形態にかかる光導波路の製造方法における製作プロセスを説明するための図である。 本発明の一実施形態にかかる光導波路のGe濃度と比屈折率差との関係を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる光導波路のGe濃度と応力との関係を示す図である。 一般的な光導波路において有機ソースとしてアルコキシ系化合物を用いてクラッド(BPSG膜)を形成する場合のホウ素及び燐の各組成に対するクラック及び気泡の発生領域を説明するための組成チャートである。 一般的な光導波路の全体構成を示す模式的断面図である。
符号の説明
10 基板
11 下クラッド層
12 コア層(導波路コア)
13 上クラッド層

Claims (7)

  1. 基板上に下クラッド層,コア層,上クラッド層を有し、前記コア層が前記上クラッド層及び前記下クラッド層に埋め込まれるように形成される光導波路であって、
    前記クラッド層が、ボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)膜又はボロシリケートガラス(BSG)膜によって構成され、
    前記コア層が、ゲルマニウム濃度を20wt%以上としたシリカガラス系材料によって構成されることを特徴とする、光導波路。
  2. 前記コア層が、燐濃度2wt%以下のゲルマノフォスフォシリケートガラス(GPSG)膜によって構成されることを特徴とする、請求項1記載の光導波路。
  3. 前記コア層が、ゲルマニウム濃度30wt%以上のゲルマノシリケートガラス(GSG)膜によって構成されることを特徴とする、請求項1記載の光導波路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路を製造する光導波路の製造方法であって、
    化学気相堆積法(以下、CVD法という)によって有機ソースを用いて堆積させて前記クラッド層及び前記コア層を成膜する工程を含むことを特徴とする、光導波路の製造方法。
  5. 前記CVD法が、有機ソースをオゾンにより分解して堆積させる常圧CVD法であることを特徴とする、請求項4記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記有機ソースとしてトリス(トリメチルシリル)ボレート(SiOB)を用いることを特徴とする、請求項4又は5記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記有機ソースとしてテトラメトキシゲルマン(TMG)を用いることを特徴とする、請求項4又は5記載の光導波路の製造方法。
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JP2013250193A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路及び分析素子

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