JP2004294655A - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率の変動や空隙の発生を伴わずに表面の平坦化を実現する光導波路の製造方法を提供する。
【解決手段】基板2上にコア4を形成するコア形成工程、コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成するリフロー層形成工程、及び、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填するクラッド層形成工程を有する光導波路の製造方法であって、クラッド層形成工程を、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気(酸素又は水蒸気)での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気(窒素、アルゴン等)での第2熱処理とを有する熱処理で行うことにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図2
【解決手段】基板2上にコア4を形成するコア形成工程、コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成するリフロー層形成工程、及び、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填するクラッド層形成工程を有する光導波路の製造方法であって、クラッド層形成工程を、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気(酸素又は水蒸気)での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気(窒素、アルゴン等)での第2熱処理とを有する熱処理で行うことにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野で広く使われる光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信においては、波長の多重化により、伝送容量を大幅に増大させるWDM(Wavelength Division Multiplexing)の利用が活発化している。このWDMシステムでは、特定の信号波長の出し入れ(アド ドロップ)を実現するため、AWG(アレイ導波路格子合分波器)による合分波機能や、マッハツエンダ型導波路などによるスイッチング機能が利用されている。
【0003】
石英系の光導波路デバイスは、ファイバとの直結が可能であること、およびその接続損失が小さいことから、上記システムへの利用が有望である。石英系の光導波路デバイスは、一般的に、Si基板または石英基板上に低屈折率の下側クラッド層を形成し、その下側クラッド層上に高屈折率のコア層を形成し、そのコア層を光導波路形状にパターニングしてコアを形成し、そのコアを下側クラッド層と屈折率の等しいクラッド材料で覆うことにより製造される。
【0004】
光導波路においては、コアとコアとの隙間が狭い密集形態で形成される場合があるが、この場合には、コアとコアとの隙間がクラッド材料により空隙がないように埋め込まれていることが必要である。コア間の埋め込み部分に空隙が存在すると、伝播損失の低下が生じたり、偏光依存性が増大するなどの特性劣化につながることがあるので、空隙の存在を最小限に抑えなければならないという要請がある。
【0005】
こうした空隙の問題に対しては、多くの場合、発生した空隙を消滅させるための別工程を追加することにより対処している。例えば、コアを覆うためのクラッド材料を成膜した後、成膜したクラッド材料に一定温度で一定時間の熱処理を施す工程を追加することにより、コアとコアとの隙間に生じた空隙を消滅させる方法が報告されている(例えば、特許文献1を参照)。この方法は、窒素や酸素などの特定の雰囲気中で、特定の最高温度を設定した1回の熱処理で行われるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−250831号公報
【特許文献2】
特開平10−273340号公報
【非特許文献1】
Werner Kern“Borophosphosilicate Glasses for Integrated Circuit”, Solid State Technology, June, p.171〜179(1985)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記報告例に記載の方法では、接続損失や隣接チャンネル間のクロストーク特性等の光導波路に要求される所定の機能を保持しつつ、形状的にも良好な平坦化を実現することは困難であった。例えば、クラッド材料として石英系の材料を用い、酸素雰囲気で1000℃以上の温度での熱処理を1時間程度施した場合においては、形状的には空隙のない埋め込みが完了するものの、上記特許文献2に記載されているように大幅な屈折率の低下を伴い、比屈折率の変化量が0.01を超えることがあった。このような屈折率の低下を避けるためには、熱処理温度を低くすることが最も容易であるが、その場合、空隙のない埋め込みを完了させるためには熱処理時間を極端に長くする必要があり、結局その長時間の熱処理によって屈折率が低下してしまうことになる。
【0008】
一方、窒素雰囲気での熱処理ではクラッド材料の屈折率の低下は生じないが、上記非特許文献1に記載されているように、酸素雰囲気での熱処理に比べるとクラッド材料の粘性が下がりにくいので、コア間にクラッド材料が流れ込みにくく空隙(ボイドともいう。)が生じ易いという難点がある。
【0009】
このように、特定のガス雰囲気による1回の熱処理では、屈折率変動と空隙の発生を起こすことなく表面の平坦化を実現することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずに表面の平坦化を実現する光導波路の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の光導波路の製造方法は、基板上にコアを形成するコア形成工程、コア上にクラッド材料からなるリフロー層を形成するリフロー層形成工程、及び、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填するクラッド層形成工程を有する光導波路の製造方法であって、前記クラッド層形成工程は、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第1熱処理がクラッド材料の流動性を増すガス雰囲気下で行われるので、リフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填させることができる。また、第1熱処理後に行われる第2熱処理がクラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気下で行われるので、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずにクラッド層表面の平坦化を実現することができる。
【0013】
本発明の光導波路の製造方法においては、第1熱処理におけるガス雰囲気が、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気であることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、熱処理雰囲気中に酸素又は水蒸気が存在すると、その酸素又は水蒸気がリフロー層中のO−H結合またはSi−H結合を切断するように作用するので、熱処理により軟化するリフロー層の粘性をより低下させることができる。こうしたガス雰囲気で第1熱処理を行うことにより、軟化させたリフロー層をコア間の隙間に起伏なくなだらかに充填させることができる。
【0015】
本発明の光導波路の製造方法においては、第2熱処理におけるガス雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガス雰囲気であることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、熱処理雰囲気中に存在する窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガスは、リフロー層との反応性が低いので、熱処理に基づく屈折率の低下を抑えることができる。そのため、熱処理温度を上げることが可能となるので、リフロー層が流動化し易くクラッド層をより平坦化させることができる。
【0017】
本発明の光導波路の製造方法において、熱処理前後におけるクラッド材料の屈折率差が、0.01以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明の光導波路の製造方法は、第1熱処理の前に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことができる。
【0019】
第1熱処理前の水蒸気雰囲気での熱処理は、例えば、リフロー層中にO−H結合が残っている場合に有効であり、反応性の高い水蒸気雰囲気によりそのO−H結合が容易に切断される。その結果、その後の第1熱処理をより低温かつ短時間で行うことができる。
【0020】
本発明の光導波路の製造方法は、第2熱処理の後に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことができる。
【0021】
第2熱処理後の水蒸気雰囲気での熱処理は、例えば、リフロー層中に気泡が残っている場合に有効であり、反応性の高い水蒸気雰囲気によりその気泡を消滅させることができる。
【0022】
本発明においては、前記クラッド材料が、P及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであり、前記コアが、真性の石英ガラス、SiON、またはP、Ge及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(光導波路)
図1は、本発明の製造方法で得られた光導波路の一例を示す断面形態図である。光導波路1は、基板2と、その基板2上に設けられたクラッド層(3,5,6)と、そのクラッド層内に設けられたコア4とから構成されている。クラッド層(3,5,6)は、基板上に形成された下側クラッド層3と、コア4を覆うように設けられたリフロー層5と、リフロー層5上に設けられた上側クラッド層6とから構成される。
【0025】
基板2としては、シリコン、石英ガラス等からなる石英系基板を好ましく用いることができるが、シリコン以外の半導体等で形成されていてもよい。これらの基板2は、シリコン半導体プロセス技術を適用可能な基板材料であるので、その基板上に、シリコン半導体プロセス技術を適用したクラッド層やコアを容易に形成することができる。
【0026】
下側クラッド層3は、石英系のクラッド材料、例えば、シリコン酸化膜、または、P及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有するBPSG(ボロンリンシリカガラス)等のシリコン酸化膜で形成されていることが好ましい。ドーパントであるPやBは、屈折率や応力を調整するために添加される。なお、この下側クラッド層3は、基板2の屈折率とコア3の屈折率の差が適当(例えば、0.01〜0.1程度)であれば必ずしも形成されている必要はない。また、コア3との屈折率差が適当であれば、クラッド層の代わりに、熱酸化膜等を形成してもよい。
【0027】
コア4は、図1に示すように、下側クラッド層3、リフロー層5および上側クラッド層6からなるクラッド層内に設けられる。コア4は、基板表面に平行な方向に直線状及び/又は曲線状に設けられ、その断面形状、すなわちコア3の長手方向に直交する断面形状は、通常、矩形状となっている。コア4は、クラッド層よりも屈折率が大きい材料で形成され、例えば、真性の石英ガラス、SiON、またはP、Ge及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることが好ましい。好ましくはシリカガラスにゲルマニウムとリンを添加したGPSG(ガリウムリンシリカガラス)で形成されるが、コア4として必要な屈折率を実現できれば、BPSGでもSiONでもその他の膜であってもよい。コア4の屈折率は、添加する元素(例えばゲルマニウムやリンなど)により調整され、コア4の屈折率とクラッド層の屈折率との比屈折率差は、例えば0.01〜0.1の範囲となるように設定することが好ましい。
【0028】
リフロー層5は、下側クラッド層3と屈折率が同じ材料で形成することが好ましく、例えば、BPSGなどを挙げることができる。このリフロー層5は、コア4の周りを空隙が存在しないように覆っている。
【0029】
上側クラッド層6も、下側クラッド層3およびリフロー層5と同じ材料で形成されていることが好ましく、例えば、BPSGなどを挙げることができる。
【0030】
こうした構成からなる光導波路1は、後述する図4と図5との比較からも明らかなように、コア4とコア4との間の隙間7に空隙8が存在しておらず、且つ、リフロー層5の表面が平坦となる。そのため、その上に形成される上側クラッド層6の平坦性を向上させることができる。特に本発明においては、図4(c)に示すように、コア4上に設けられたリフロー層5表面と、コア4とコア4との隙間7に充填したリフロー層5の表面との差(D1)が、1μm以下となる程度に平坦化されている。その上に上側クラッド層6が形成されることにより、形成された上側クラッド側6の表面は、ほぼ平坦な面となる。
【0031】
(光導波路の製造方法)
次に、本発明の光導波路の製造方法についての一実施形態を説明する。図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【0032】
本発明の光導波路1の製造方法は、(1)基板2上にコア4を形成するコア形成工程、(2)コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成するリフロー層形成工程、及び、(3)異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填するクラッド層形成工程、を有する。そして、本発明の特徴とするところは、前記(3)のクラッド層形成工程が、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有することにある。
【0033】
本発明の光導波路の製造方法においては、先ず、基板2上に複数のコア4を形成する。このコア形成工程(1)は、例えば、図1(a)に示すように、Si基板2上に下側クラッド層3として例えばSiO2 を形成し、次いで、図1(b)に示すように、その下側クラッド層3上にコア層14として例えばGPSGを形成する。下側クラッド層3としてのSiO2 やコア層14としてのGPSGは、常圧化学気相成長法(AP−CVD)、反応性スパッタリング法または電子ビーム蒸着法などで成膜することができる。次に、図2(c)に示すように、コア層14を所望の光導波路形状にパターニングして、基板2の表面に平行な方向に延び且つその方向に直行する断面が矩形状であるコア4を形成する。コア4の一例としては、例えば、高さ5μmで幅5μmの矩形状とし、6〜20μm程度のピッチで形成した。コア層14のパターニングは、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング(RIE)等により行うことができる。こうしてパターニングされたコア4とコア4との間には、およそ1〜15μm程度の幅を持つ狭い隙間7が形成される。
【0034】
次に、コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成する。このリフロー層形成工程(2)は、先ず、図2(d)に示すように、コア4上にリフロー層5として例えばBPSGを形成する。リフロー層5としてのBPSGは、常圧化学気相成長法(AP−CVD)、反応性スパッタリング法または電子ビーム蒸着法などで成膜することができる。リフロー層5の厚さは、例えばコア4の厚さのおよそ1/2程度となるように形成できるが、その厚さについては特に限定されない。例えば、コア4の厚さが5μmでコア間の隙間7が12μm幅の場合、リフロー層4の厚さは3μm程度であることが好ましい。
【0035】
次に、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填する。このクラッド層形成工程(3)は、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有する工程である。図4は、この2段階の熱処理工程によりコア間の隙間7が埋められる埋め込み過程を示したものである。
【0036】
(第1熱処理)
第1熱処理は、クラッド材料の流動性を増すように作用するガス雰囲気中での熱処理である。この熱処理は、図2(e)に示すように、リフロー層5が形成された後の基板を電気炉11に入れ、雰囲気ガスとして酸素9または水蒸気を導入することにより行われる。
【0037】
酸素と水蒸気は、クラッド材料の流動性を増すように作用する。その理由は、熱処理雰囲気中に酸素又は水蒸気が存在すると、その酸素又は水蒸気がリフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合を切断するように作用するので、熱処理により軟化するリフロー層5の粘性がより低下するためである。その結果、酸素又は水蒸気の存在下での熱処理により、図4(b)に示すように、リフロー層5が軟化し、ボイドが生じ易いコア4とコア4との間の隙間7にリフロー層5の一部が十分に充填するので、コア4と隙間7との凹凸の起伏を緩和してなだらかにすることができる。なお、リフロー層中のO−H結合またはSi−H結合は、リフロー層5を成膜する際の原料ガスお反応残留物として取り込まれる水素から発生したものである。
【0038】
熱処理条件は、例えば大気圧程度に調整された酸素又は水蒸気雰囲気中で、例えば900℃で5時間保持したり、850℃で6時間保持することにより行われる。熱処理温度は、上述の第1熱処理の目的が達成される温度に設定されていればよく、一例としては700〜900℃程度の範囲内の温度を例示できるが、必ずしもこの温度に限定されない。
【0039】
熱処理温度が1000℃を超える程度の高い温度の場合には、リフロー膜5はより流動化するのでコア間の隙間7に流れ込みやすくなるが、雰囲気ガスである酸素や水蒸気とリフロー層5のクラッド材料との酸化反応や、酸素原子とクラッド材料中のリンやボロンとの置換反応が生じ易く、その結果、屈折率の変動が起き易いという現象が生じる。この現象は、強い極性を持つ水分子が存在する水蒸気雰囲気においてより顕著となる。したがって、第1熱処理温度の上限は、上記の酸化反応や置換反応が生じ難い温度に設定されることが好ましい。
【0040】
一方、1000℃よりも低い温度で処理される第1熱処理においては、上記酸化反応や置換反応が生じにくく、屈折率の変動が起きにくいという利点があるものの、リフロー層5の流動性がやや低下するために、コア間の隙間7を埋めるには長時間の熱処理が必要となり、その結果、上記酸化反応や置換反応が徐々に進行して屈折率が変動するという難点がある。したがって、第1熱処理温度の下限については、リフロー層5がコア間の隙間7に流入し難くならない温度に設定されることが好ましい。
【0041】
熱処理時間は温度が高いほど短く温度が低いほど長くなるので、一概に設定されるものではなく、熱処理温度との関係で任意に設定される。熱処理時間の上限値は、屈折率の変動が生じない程度の時間に設定されることが好ましく、その下限値は、コア間の隙間7への流入が起きるのに足りる時間に設定されることが好ましい。一例としては、1〜8時間程度を挙げることができるが、必ずしもこの時間に限定されない。
【0042】
窒素雰囲気での熱処理は、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気での熱処理に比べ、リフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合等に対する化学的な作用が小さいので、酸化反応や置換反応が生じにくく、リフロー層5を構成するクラッド材料の屈折率の変動が起きにくいという利点があると共に、それゆえ熱処理温度を上げてリフロー層5をより流動化させることができるという利点がある。本発明はこうした点に着目し、酸素または水蒸気雰囲気中での第1の熱処理後に、以下に説明するように、窒素等の反応性の低いガス雰囲気中での第2熱処理を行った。
【0043】
(第2熱処理)
第2熱処理は、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気中での熱処理である。この熱処理は、図2(f)に示すように、電気炉中のガス雰囲気を上述した酸素雰囲気または水蒸気雰囲気から、窒素10等のガス雰囲気に変え、例えば1200℃で3時間保持したり、1100℃で4時間保持することにより行われる。この第2熱処理は、通常、第1熱処理の温度よりも高い温度で処理される。
【0044】
窒素は、リフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合等に対する化学的な作用が小さいので、酸化反応や置換反応が生じにくく、リフロー層5を構成するクラッド材料の屈折率の変動が起きにくいという利点がある。こうしたガスとしては、窒素の他に、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガスを挙げることができ、これらのガスにおいても窒素と同様の効果を奏することができる。一方、窒素等のガスは上記の酸素や水蒸気に比べて反応性が低いために熱処理温度が低い場合には十分な流動性が得られないが、反応性が低いことから熱処理温度を高く設定することが可能であり、その結果、リフロー層5の流動性を上げることができる。
【0045】
熱処理条件は、例えば大気圧程度に調整された窒素等のガス雰囲気中で、例えば1200℃で3時間保持したり、1100℃で4時間保持することにより行われる。熱処理温度は、上述の第2熱処理の目的が達成される温度に設定されていればよく、一例としては1000〜1300℃程度の範囲内の温度を例示できるが必ずしもこの温度に限定されない。また、熱処理時間は温度が高いほど短く温度が低いほど長くなるので、一概に設定されるものではなく、熱処理温度との関係で任意に設定される。一例としては、2〜6時間程度を挙げることができる。熱処理時間についても必ずしもこの時間に限定されない。こうした熱処理を行うことにより、図4(c)に示すように、リフロー層5をより流動化させてコア間の隙間7にリフロー層5を流入させ易いので、リフロー層5およびその後に成膜される上側クラッド層6をより平坦化させることができる。
【0046】
なお、図5は、上述した第1熱処理と第2熱処理の順番を変えた比較形態を示している。窒素等のガス雰囲気での熱処理は反応性が低いので、リフロー層5の粘性を十分に下げることができず、その結果、図5(b)に示すように、リフロー層5の軟化の進行過程でコア4の上部の庇が成長し、その庇同士が接触してコア4間に空隙(ボイド)8が生じることがある。従って、窒素等の雰囲気での熱処理後に酸素等の熱処理や真空熱処理を行ったとしても、図5(c)に示すような空隙が抜けた深さD2の穴が残り、得られた光導波路は平坦性に劣るものとなってしまうという欠点がある。
【0047】
以上説明したように、本発明の光導波路の製造方法によれば、第1熱処理がクラッド材料の流動性を増す酸素又は水蒸気雰囲気下で行われるので、リフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填させることができる。また、第1熱処理後に行われる第2熱処理がクラッド材料の屈折率を低下させない窒素等の雰囲気下で行われるので、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずにクラッド層表面の平坦化を実現することができる。
【0048】
本発明においては、第1熱処理が比較的低温であるので、雰囲気ガスである酸素や水蒸気とクラッド材料との酸化反応や、酸素原子とクラッド材料中のリンやボロンとの置換反応が生じにくく、その結果、屈折率の変動が起きにくい。また、第2熱処理は窒素等のガス雰囲気で行われるが、これらのガス雰囲気はクラッド材料との反応性が低く屈折率の変動が起こりにくいので、比較的高温で行うことができる。その結果、リフロー層を流動化させてクラッド層をより一層平坦化させることができる。こうした本発明の光導波路の製造方法においては、熱処理前後におけるクラッド材料の屈折率差が0.01以下となるように上述した各熱処理条件が設定される。
【0049】
なお、上述した2段階の熱処理に、さらに熱処理工程を付加した3段階の熱処理を施すことにより、より品質に優れた光導波路を提供することも可能である。例えば、リフロー層中に多くのO−H結合が存在する場合においては、上述した第1熱処理の前に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことが好ましい。水蒸気雰囲気中には極性の強い水分子が存在するので、そのO−H結合が容易に切断される。その結果、その後の第1熱処理をより低温かつ短時間で行うことができるという効果がある。また、例えば、リフロー層5中に肉眼または顕微鏡で観察される程度の気泡が残っている場合においては、図3に示すように、上述した第2熱処理の後に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことが好ましい(図3(g)を参照)。水蒸気雰囲気中には極性の強い水分子が存在するので、その気泡の原因となる原料ガス成分による気泡を消滅させることができ、その結果、リフロー層5の屈折率の変動をより一層抑制することができる。
【0050】
【実施例】
Si基板2上に、厚さ5〜10μm程度のSiO2 (屈折率:1.447)を下側クラッド層3としてCVD法で成膜し、その上に厚さ5μmのGPSG(屈折率:1.475)をコア層14としてCVD法で成膜した。コア層14は、フォトリソグラフィ及びRIEでパターニングし、高さ5μm、幅5μmの断面矩形状のコア4を形成した。コア4は、6μmの間隔(ピッチ)で密集し、隣接するコア4との隙間7は幅1μmで深さ5μmであった。次いで、コア上に厚さ2〜3μm程度のBPSG(屈折率:1.45)をリフロー層5としてCVD法で成膜した。
【0051】
次いで、この基板を、酸素雰囲気の電気炉内に投入し、900℃で5時間の第1熱処理を行った。引き続いて、電気炉内の雰囲気を窒素雰囲気に変更し、1200℃で3時間の第2熱処理を行った。熱処理後のリフロー層5は、コア4を均一に且つ隙間に空隙を有することなく覆っており、気泡もなく、その表面はほぼ平坦であった。また、リフロー層5の屈折率は1.448であり、熱処理前との屈折率差は0.001であり、大きな変動は認められなかった。
【0052】
次いで、そのリフロー層5上に、厚さ5〜10μm程度のBPSG(屈折率:1.447)を上側クラッド層6としてCVD法で成膜した。
【0053】
こうして光導波路を製造した。得られた光導波路をAWG(アレイド ウェーブガイド グレーティング)に応用したところ、隣接チャネル間クロストークは20dB以上、挿入損失3dB以下という良好な光導波路特性結果を得ることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光導波路の製造方法によれば、酸素又は水蒸気雰囲気での第1熱処理により凹凸起伏を軽減することができ、その後の窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンのいずれかの雰囲気での第2熱処理により、屈折率の変動を生じさせることなく良好な埋め込みを実現できる。この方法により、所望の屈折率を有するボイドのない光導波路を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法により得られた光導波路の一例を示す断面形態図である。
【図2】本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】本発明の光導波路の製造方法の他の一例を示す工程図である。
【図4】2段階の熱処理による埋め込み過程の説明図である。
【図5】図4と対比した埋め込み過程の説明図である。
【符号の説明】
1 光導波路
2 基板
3 下側クラッド層
4 コア
5 リフロー層
6 上側クラッド層
7 隙間
8 空隙(ボイド)
9 酸素
10 窒素
11 電気炉
12 水蒸気
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信分野で広く使われる光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信においては、波長の多重化により、伝送容量を大幅に増大させるWDM(Wavelength Division Multiplexing)の利用が活発化している。このWDMシステムでは、特定の信号波長の出し入れ(アド ドロップ)を実現するため、AWG(アレイ導波路格子合分波器)による合分波機能や、マッハツエンダ型導波路などによるスイッチング機能が利用されている。
【0003】
石英系の光導波路デバイスは、ファイバとの直結が可能であること、およびその接続損失が小さいことから、上記システムへの利用が有望である。石英系の光導波路デバイスは、一般的に、Si基板または石英基板上に低屈折率の下側クラッド層を形成し、その下側クラッド層上に高屈折率のコア層を形成し、そのコア層を光導波路形状にパターニングしてコアを形成し、そのコアを下側クラッド層と屈折率の等しいクラッド材料で覆うことにより製造される。
【0004】
光導波路においては、コアとコアとの隙間が狭い密集形態で形成される場合があるが、この場合には、コアとコアとの隙間がクラッド材料により空隙がないように埋め込まれていることが必要である。コア間の埋め込み部分に空隙が存在すると、伝播損失の低下が生じたり、偏光依存性が増大するなどの特性劣化につながることがあるので、空隙の存在を最小限に抑えなければならないという要請がある。
【0005】
こうした空隙の問題に対しては、多くの場合、発生した空隙を消滅させるための別工程を追加することにより対処している。例えば、コアを覆うためのクラッド材料を成膜した後、成膜したクラッド材料に一定温度で一定時間の熱処理を施す工程を追加することにより、コアとコアとの隙間に生じた空隙を消滅させる方法が報告されている(例えば、特許文献1を参照)。この方法は、窒素や酸素などの特定の雰囲気中で、特定の最高温度を設定した1回の熱処理で行われるものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−250831号公報
【特許文献2】
特開平10−273340号公報
【非特許文献1】
Werner Kern“Borophosphosilicate Glasses for Integrated Circuit”, Solid State Technology, June, p.171〜179(1985)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記報告例に記載の方法では、接続損失や隣接チャンネル間のクロストーク特性等の光導波路に要求される所定の機能を保持しつつ、形状的にも良好な平坦化を実現することは困難であった。例えば、クラッド材料として石英系の材料を用い、酸素雰囲気で1000℃以上の温度での熱処理を1時間程度施した場合においては、形状的には空隙のない埋め込みが完了するものの、上記特許文献2に記載されているように大幅な屈折率の低下を伴い、比屈折率の変化量が0.01を超えることがあった。このような屈折率の低下を避けるためには、熱処理温度を低くすることが最も容易であるが、その場合、空隙のない埋め込みを完了させるためには熱処理時間を極端に長くする必要があり、結局その長時間の熱処理によって屈折率が低下してしまうことになる。
【0008】
一方、窒素雰囲気での熱処理ではクラッド材料の屈折率の低下は生じないが、上記非特許文献1に記載されているように、酸素雰囲気での熱処理に比べるとクラッド材料の粘性が下がりにくいので、コア間にクラッド材料が流れ込みにくく空隙(ボイドともいう。)が生じ易いという難点がある。
【0009】
このように、特定のガス雰囲気による1回の熱処理では、屈折率変動と空隙の発生を起こすことなく表面の平坦化を実現することは困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずに表面の平坦化を実現する光導波路の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の光導波路の製造方法は、基板上にコアを形成するコア形成工程、コア上にクラッド材料からなるリフロー層を形成するリフロー層形成工程、及び、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填するクラッド層形成工程を有する光導波路の製造方法であって、前記クラッド層形成工程は、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第1熱処理がクラッド材料の流動性を増すガス雰囲気下で行われるので、リフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填させることができる。また、第1熱処理後に行われる第2熱処理がクラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気下で行われるので、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずにクラッド層表面の平坦化を実現することができる。
【0013】
本発明の光導波路の製造方法においては、第1熱処理におけるガス雰囲気が、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気であることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、熱処理雰囲気中に酸素又は水蒸気が存在すると、その酸素又は水蒸気がリフロー層中のO−H結合またはSi−H結合を切断するように作用するので、熱処理により軟化するリフロー層の粘性をより低下させることができる。こうしたガス雰囲気で第1熱処理を行うことにより、軟化させたリフロー層をコア間の隙間に起伏なくなだらかに充填させることができる。
【0015】
本発明の光導波路の製造方法においては、第2熱処理におけるガス雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガス雰囲気であることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、熱処理雰囲気中に存在する窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガスは、リフロー層との反応性が低いので、熱処理に基づく屈折率の低下を抑えることができる。そのため、熱処理温度を上げることが可能となるので、リフロー層が流動化し易くクラッド層をより平坦化させることができる。
【0017】
本発明の光導波路の製造方法において、熱処理前後におけるクラッド材料の屈折率差が、0.01以下であることを特徴とする。
【0018】
本発明の光導波路の製造方法は、第1熱処理の前に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことができる。
【0019】
第1熱処理前の水蒸気雰囲気での熱処理は、例えば、リフロー層中にO−H結合が残っている場合に有効であり、反応性の高い水蒸気雰囲気によりそのO−H結合が容易に切断される。その結果、その後の第1熱処理をより低温かつ短時間で行うことができる。
【0020】
本発明の光導波路の製造方法は、第2熱処理の後に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことができる。
【0021】
第2熱処理後の水蒸気雰囲気での熱処理は、例えば、リフロー層中に気泡が残っている場合に有効であり、反応性の高い水蒸気雰囲気によりその気泡を消滅させることができる。
【0022】
本発明においては、前記クラッド材料が、P及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであり、前記コアが、真性の石英ガラス、SiON、またはP、Ge及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(光導波路)
図1は、本発明の製造方法で得られた光導波路の一例を示す断面形態図である。光導波路1は、基板2と、その基板2上に設けられたクラッド層(3,5,6)と、そのクラッド層内に設けられたコア4とから構成されている。クラッド層(3,5,6)は、基板上に形成された下側クラッド層3と、コア4を覆うように設けられたリフロー層5と、リフロー層5上に設けられた上側クラッド層6とから構成される。
【0025】
基板2としては、シリコン、石英ガラス等からなる石英系基板を好ましく用いることができるが、シリコン以外の半導体等で形成されていてもよい。これらの基板2は、シリコン半導体プロセス技術を適用可能な基板材料であるので、その基板上に、シリコン半導体プロセス技術を適用したクラッド層やコアを容易に形成することができる。
【0026】
下側クラッド層3は、石英系のクラッド材料、例えば、シリコン酸化膜、または、P及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有するBPSG(ボロンリンシリカガラス)等のシリコン酸化膜で形成されていることが好ましい。ドーパントであるPやBは、屈折率や応力を調整するために添加される。なお、この下側クラッド層3は、基板2の屈折率とコア3の屈折率の差が適当(例えば、0.01〜0.1程度)であれば必ずしも形成されている必要はない。また、コア3との屈折率差が適当であれば、クラッド層の代わりに、熱酸化膜等を形成してもよい。
【0027】
コア4は、図1に示すように、下側クラッド層3、リフロー層5および上側クラッド層6からなるクラッド層内に設けられる。コア4は、基板表面に平行な方向に直線状及び/又は曲線状に設けられ、その断面形状、すなわちコア3の長手方向に直交する断面形状は、通常、矩形状となっている。コア4は、クラッド層よりも屈折率が大きい材料で形成され、例えば、真性の石英ガラス、SiON、またはP、Ge及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることが好ましい。好ましくはシリカガラスにゲルマニウムとリンを添加したGPSG(ガリウムリンシリカガラス)で形成されるが、コア4として必要な屈折率を実現できれば、BPSGでもSiONでもその他の膜であってもよい。コア4の屈折率は、添加する元素(例えばゲルマニウムやリンなど)により調整され、コア4の屈折率とクラッド層の屈折率との比屈折率差は、例えば0.01〜0.1の範囲となるように設定することが好ましい。
【0028】
リフロー層5は、下側クラッド層3と屈折率が同じ材料で形成することが好ましく、例えば、BPSGなどを挙げることができる。このリフロー層5は、コア4の周りを空隙が存在しないように覆っている。
【0029】
上側クラッド層6も、下側クラッド層3およびリフロー層5と同じ材料で形成されていることが好ましく、例えば、BPSGなどを挙げることができる。
【0030】
こうした構成からなる光導波路1は、後述する図4と図5との比較からも明らかなように、コア4とコア4との間の隙間7に空隙8が存在しておらず、且つ、リフロー層5の表面が平坦となる。そのため、その上に形成される上側クラッド層6の平坦性を向上させることができる。特に本発明においては、図4(c)に示すように、コア4上に設けられたリフロー層5表面と、コア4とコア4との隙間7に充填したリフロー層5の表面との差(D1)が、1μm以下となる程度に平坦化されている。その上に上側クラッド層6が形成されることにより、形成された上側クラッド側6の表面は、ほぼ平坦な面となる。
【0031】
(光導波路の製造方法)
次に、本発明の光導波路の製造方法についての一実施形態を説明する。図2は、本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【0032】
本発明の光導波路1の製造方法は、(1)基板2上にコア4を形成するコア形成工程、(2)コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成するリフロー層形成工程、及び、(3)異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填するクラッド層形成工程、を有する。そして、本発明の特徴とするところは、前記(3)のクラッド層形成工程が、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有することにある。
【0033】
本発明の光導波路の製造方法においては、先ず、基板2上に複数のコア4を形成する。このコア形成工程(1)は、例えば、図1(a)に示すように、Si基板2上に下側クラッド層3として例えばSiO2 を形成し、次いで、図1(b)に示すように、その下側クラッド層3上にコア層14として例えばGPSGを形成する。下側クラッド層3としてのSiO2 やコア層14としてのGPSGは、常圧化学気相成長法(AP−CVD)、反応性スパッタリング法または電子ビーム蒸着法などで成膜することができる。次に、図2(c)に示すように、コア層14を所望の光導波路形状にパターニングして、基板2の表面に平行な方向に延び且つその方向に直行する断面が矩形状であるコア4を形成する。コア4の一例としては、例えば、高さ5μmで幅5μmの矩形状とし、6〜20μm程度のピッチで形成した。コア層14のパターニングは、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング(RIE)等により行うことができる。こうしてパターニングされたコア4とコア4との間には、およそ1〜15μm程度の幅を持つ狭い隙間7が形成される。
【0034】
次に、コア4上にクラッド材料からなるリフロー層5を形成する。このリフロー層形成工程(2)は、先ず、図2(d)に示すように、コア4上にリフロー層5として例えばBPSGを形成する。リフロー層5としてのBPSGは、常圧化学気相成長法(AP−CVD)、反応性スパッタリング法または電子ビーム蒸着法などで成膜することができる。リフロー層5の厚さは、例えばコア4の厚さのおよそ1/2程度となるように形成できるが、その厚さについては特に限定されない。例えば、コア4の厚さが5μmでコア間の隙間7が12μm幅の場合、リフロー層4の厚さは3μm程度であることが好ましい。
【0035】
次に、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層5を軟化させてコア間の隙間7を充填する。このクラッド層形成工程(3)は、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有する工程である。図4は、この2段階の熱処理工程によりコア間の隙間7が埋められる埋め込み過程を示したものである。
【0036】
(第1熱処理)
第1熱処理は、クラッド材料の流動性を増すように作用するガス雰囲気中での熱処理である。この熱処理は、図2(e)に示すように、リフロー層5が形成された後の基板を電気炉11に入れ、雰囲気ガスとして酸素9または水蒸気を導入することにより行われる。
【0037】
酸素と水蒸気は、クラッド材料の流動性を増すように作用する。その理由は、熱処理雰囲気中に酸素又は水蒸気が存在すると、その酸素又は水蒸気がリフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合を切断するように作用するので、熱処理により軟化するリフロー層5の粘性がより低下するためである。その結果、酸素又は水蒸気の存在下での熱処理により、図4(b)に示すように、リフロー層5が軟化し、ボイドが生じ易いコア4とコア4との間の隙間7にリフロー層5の一部が十分に充填するので、コア4と隙間7との凹凸の起伏を緩和してなだらかにすることができる。なお、リフロー層中のO−H結合またはSi−H結合は、リフロー層5を成膜する際の原料ガスお反応残留物として取り込まれる水素から発生したものである。
【0038】
熱処理条件は、例えば大気圧程度に調整された酸素又は水蒸気雰囲気中で、例えば900℃で5時間保持したり、850℃で6時間保持することにより行われる。熱処理温度は、上述の第1熱処理の目的が達成される温度に設定されていればよく、一例としては700〜900℃程度の範囲内の温度を例示できるが、必ずしもこの温度に限定されない。
【0039】
熱処理温度が1000℃を超える程度の高い温度の場合には、リフロー膜5はより流動化するのでコア間の隙間7に流れ込みやすくなるが、雰囲気ガスである酸素や水蒸気とリフロー層5のクラッド材料との酸化反応や、酸素原子とクラッド材料中のリンやボロンとの置換反応が生じ易く、その結果、屈折率の変動が起き易いという現象が生じる。この現象は、強い極性を持つ水分子が存在する水蒸気雰囲気においてより顕著となる。したがって、第1熱処理温度の上限は、上記の酸化反応や置換反応が生じ難い温度に設定されることが好ましい。
【0040】
一方、1000℃よりも低い温度で処理される第1熱処理においては、上記酸化反応や置換反応が生じにくく、屈折率の変動が起きにくいという利点があるものの、リフロー層5の流動性がやや低下するために、コア間の隙間7を埋めるには長時間の熱処理が必要となり、その結果、上記酸化反応や置換反応が徐々に進行して屈折率が変動するという難点がある。したがって、第1熱処理温度の下限については、リフロー層5がコア間の隙間7に流入し難くならない温度に設定されることが好ましい。
【0041】
熱処理時間は温度が高いほど短く温度が低いほど長くなるので、一概に設定されるものではなく、熱処理温度との関係で任意に設定される。熱処理時間の上限値は、屈折率の変動が生じない程度の時間に設定されることが好ましく、その下限値は、コア間の隙間7への流入が起きるのに足りる時間に設定されることが好ましい。一例としては、1〜8時間程度を挙げることができるが、必ずしもこの時間に限定されない。
【0042】
窒素雰囲気での熱処理は、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気での熱処理に比べ、リフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合等に対する化学的な作用が小さいので、酸化反応や置換反応が生じにくく、リフロー層5を構成するクラッド材料の屈折率の変動が起きにくいという利点があると共に、それゆえ熱処理温度を上げてリフロー層5をより流動化させることができるという利点がある。本発明はこうした点に着目し、酸素または水蒸気雰囲気中での第1の熱処理後に、以下に説明するように、窒素等の反応性の低いガス雰囲気中での第2熱処理を行った。
【0043】
(第2熱処理)
第2熱処理は、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気中での熱処理である。この熱処理は、図2(f)に示すように、電気炉中のガス雰囲気を上述した酸素雰囲気または水蒸気雰囲気から、窒素10等のガス雰囲気に変え、例えば1200℃で3時間保持したり、1100℃で4時間保持することにより行われる。この第2熱処理は、通常、第1熱処理の温度よりも高い温度で処理される。
【0044】
窒素は、リフロー層5中のO−H結合またはSi−H結合等に対する化学的な作用が小さいので、酸化反応や置換反応が生じにくく、リフロー層5を構成するクラッド材料の屈折率の変動が起きにくいという利点がある。こうしたガスとしては、窒素の他に、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガスを挙げることができ、これらのガスにおいても窒素と同様の効果を奏することができる。一方、窒素等のガスは上記の酸素や水蒸気に比べて反応性が低いために熱処理温度が低い場合には十分な流動性が得られないが、反応性が低いことから熱処理温度を高く設定することが可能であり、その結果、リフロー層5の流動性を上げることができる。
【0045】
熱処理条件は、例えば大気圧程度に調整された窒素等のガス雰囲気中で、例えば1200℃で3時間保持したり、1100℃で4時間保持することにより行われる。熱処理温度は、上述の第2熱処理の目的が達成される温度に設定されていればよく、一例としては1000〜1300℃程度の範囲内の温度を例示できるが必ずしもこの温度に限定されない。また、熱処理時間は温度が高いほど短く温度が低いほど長くなるので、一概に設定されるものではなく、熱処理温度との関係で任意に設定される。一例としては、2〜6時間程度を挙げることができる。熱処理時間についても必ずしもこの時間に限定されない。こうした熱処理を行うことにより、図4(c)に示すように、リフロー層5をより流動化させてコア間の隙間7にリフロー層5を流入させ易いので、リフロー層5およびその後に成膜される上側クラッド層6をより平坦化させることができる。
【0046】
なお、図5は、上述した第1熱処理と第2熱処理の順番を変えた比較形態を示している。窒素等のガス雰囲気での熱処理は反応性が低いので、リフロー層5の粘性を十分に下げることができず、その結果、図5(b)に示すように、リフロー層5の軟化の進行過程でコア4の上部の庇が成長し、その庇同士が接触してコア4間に空隙(ボイド)8が生じることがある。従って、窒素等の雰囲気での熱処理後に酸素等の熱処理や真空熱処理を行ったとしても、図5(c)に示すような空隙が抜けた深さD2の穴が残り、得られた光導波路は平坦性に劣るものとなってしまうという欠点がある。
【0047】
以上説明したように、本発明の光導波路の製造方法によれば、第1熱処理がクラッド材料の流動性を増す酸素又は水蒸気雰囲気下で行われるので、リフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填させることができる。また、第1熱処理後に行われる第2熱処理がクラッド材料の屈折率を低下させない窒素等の雰囲気下で行われるので、屈折率の変動や空隙の発生を伴わずにクラッド層表面の平坦化を実現することができる。
【0048】
本発明においては、第1熱処理が比較的低温であるので、雰囲気ガスである酸素や水蒸気とクラッド材料との酸化反応や、酸素原子とクラッド材料中のリンやボロンとの置換反応が生じにくく、その結果、屈折率の変動が起きにくい。また、第2熱処理は窒素等のガス雰囲気で行われるが、これらのガス雰囲気はクラッド材料との反応性が低く屈折率の変動が起こりにくいので、比較的高温で行うことができる。その結果、リフロー層を流動化させてクラッド層をより一層平坦化させることができる。こうした本発明の光導波路の製造方法においては、熱処理前後におけるクラッド材料の屈折率差が0.01以下となるように上述した各熱処理条件が設定される。
【0049】
なお、上述した2段階の熱処理に、さらに熱処理工程を付加した3段階の熱処理を施すことにより、より品質に優れた光導波路を提供することも可能である。例えば、リフロー層中に多くのO−H結合が存在する場合においては、上述した第1熱処理の前に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことが好ましい。水蒸気雰囲気中には極性の強い水分子が存在するので、そのO−H結合が容易に切断される。その結果、その後の第1熱処理をより低温かつ短時間で行うことができるという効果がある。また、例えば、リフロー層5中に肉眼または顕微鏡で観察される程度の気泡が残っている場合においては、図3に示すように、上述した第2熱処理の後に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことが好ましい(図3(g)を参照)。水蒸気雰囲気中には極性の強い水分子が存在するので、その気泡の原因となる原料ガス成分による気泡を消滅させることができ、その結果、リフロー層5の屈折率の変動をより一層抑制することができる。
【0050】
【実施例】
Si基板2上に、厚さ5〜10μm程度のSiO2 (屈折率:1.447)を下側クラッド層3としてCVD法で成膜し、その上に厚さ5μmのGPSG(屈折率:1.475)をコア層14としてCVD法で成膜した。コア層14は、フォトリソグラフィ及びRIEでパターニングし、高さ5μm、幅5μmの断面矩形状のコア4を形成した。コア4は、6μmの間隔(ピッチ)で密集し、隣接するコア4との隙間7は幅1μmで深さ5μmであった。次いで、コア上に厚さ2〜3μm程度のBPSG(屈折率:1.45)をリフロー層5としてCVD法で成膜した。
【0051】
次いで、この基板を、酸素雰囲気の電気炉内に投入し、900℃で5時間の第1熱処理を行った。引き続いて、電気炉内の雰囲気を窒素雰囲気に変更し、1200℃で3時間の第2熱処理を行った。熱処理後のリフロー層5は、コア4を均一に且つ隙間に空隙を有することなく覆っており、気泡もなく、その表面はほぼ平坦であった。また、リフロー層5の屈折率は1.448であり、熱処理前との屈折率差は0.001であり、大きな変動は認められなかった。
【0052】
次いで、そのリフロー層5上に、厚さ5〜10μm程度のBPSG(屈折率:1.447)を上側クラッド層6としてCVD法で成膜した。
【0053】
こうして光導波路を製造した。得られた光導波路をAWG(アレイド ウェーブガイド グレーティング)に応用したところ、隣接チャネル間クロストークは20dB以上、挿入損失3dB以下という良好な光導波路特性結果を得ることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光導波路の製造方法によれば、酸素又は水蒸気雰囲気での第1熱処理により凹凸起伏を軽減することができ、その後の窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノンのいずれかの雰囲気での第2熱処理により、屈折率の変動を生じさせることなく良好な埋め込みを実現できる。この方法により、所望の屈折率を有するボイドのない光導波路を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法により得られた光導波路の一例を示す断面形態図である。
【図2】本発明の光導波路の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】本発明の光導波路の製造方法の他の一例を示す工程図である。
【図4】2段階の熱処理による埋め込み過程の説明図である。
【図5】図4と対比した埋め込み過程の説明図である。
【符号の説明】
1 光導波路
2 基板
3 下側クラッド層
4 コア
5 リフロー層
6 上側クラッド層
7 隙間
8 空隙(ボイド)
9 酸素
10 窒素
11 電気炉
12 水蒸気
Claims (8)
- 基板上にコアを形成するコア形成工程、コア上にクラッド材料からなるリフロー層を形成するリフロー層形成工程、及び、異なるガス雰囲気での熱処理によりリフロー層を軟化させてコア間の隙間を充填するクラッド層形成工程を有する光導波路の製造方法であって、
前記クラッド層形成工程は、クラッド材料の流動性を増すガス雰囲気での第1熱処理と、クラッド材料の屈折率を低下させないガス雰囲気での第2熱処理とを有することを特徴とする光導波路の製造方法。 - 第1熱処理におけるガス雰囲気が、酸素雰囲気又は水蒸気雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路の製造方法。
- 第2熱処理におけるガス雰囲気が、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン及びクリプトンから選ばれるガス雰囲気であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光導波路の製造方法。
- 熱処理前後におけるクラッド材料の屈折率差が、0.01以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
- 第1熱処理の前に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
- 第2熱処理の後に、水蒸気雰囲気での熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
- 前記クラッド材料が、P及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
- 前記コアが、真性の石英ガラス、SiON、またはP、Ge及びBのうち少なくとも1つをドーパントとして含有する石英ガラスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光導波路の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |