JP2005062417A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各種配線、電極、電子素子等を構成する導電層部分間における短絡や電気抵抗低下を防止する。
【解決手段】 電気光学装置は、画像表示領域内に画素毎に開口領域を有しており、基板上に、該開口領域に対応して設けられた複数の画素電極を駆動するための配線及び電子素子のうち少なくとも一つを層間絶縁する複数の層間絶縁層を備えている。配線及び電子素子の少なくとも一部は、複数の層間絶縁層のうち他の層間絶縁層を層間に挟まない二つの層間絶縁層の該層間に積層された同一導電層から形成されると共に平面的に見て相互から分断された二つの導電層部分からなり、画素の非開口領域内であり且つ二つの導電層部分の間を占める平面領域における、二つの層間絶縁層の層間に積層された窒化膜を更に備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液晶装置等の電気光学装置及び電子機器の技術分野に属する。また、本発明は電子ペーパ等の電気泳動装置やEL(エレクトロルミネッセンス)装置等の技術分野にも属する。
この種の電気光学装置では、一対の基板間に液晶等の電気光学物質を挟持してなり、これらを貫くように光を透過させることで、画像の表示が行われる。このような電気光学装置としては、前記一対の基板の一方の上に、マトリクス状に配列された画素電極、該画素電極間を縫うように設けられた走査線及びデータ線、加えて、画素スイッチング用素子としてTFT(Thin Film Transistor)等を備えることによって、アクティブマトリクス駆動可能なものが提供されている。
ここに、例えばデータ線はアルミニウム膜を用いて形成される。そして、このようにアルミニウム膜を用いて形成された配線層上に、窒化膜を積層させた配線構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような配線層によれば、該配線層の下に配置され、該配線層より下層に形成されたTFTへの水分の浸入を防止することが可能となる。その結果、TFTを長寿命化させることが可能となる。
特開平7−58110号公報
しかしながら、例えば、上下二つの層間絶縁層に挟持された同一導電層からなると共に相互から分断されてなる二つの配線の間を占める平面領域や、配線と中継部との間を示す平面領域には、該上下二つの層間絶縁層が直接に接する界面が存在する。すると、該上下二つの層間絶縁層自体の電気抵抗が高くても、係る界面に水分が浸入すると、界面に沿って導電路が発生してしまう。この結果、係る界面を介して二つの配線間の電気抵抗が低下したり、短絡してしまったりするという技術的問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み成されたものであり、各種配線、電極、電子素子等を構成する導電層部分間における短絡や電気抵抗低下を防止することが可能な、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えてなる例えば液晶プロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、画像表示領域内に画素毎に開口領域を有する電気光学装置であって、基板上に、第1の絶縁層と、該第1の絶縁層上に形成され電気的に分離された複数の導電層と、前記画素の非開口領域内であり且つ前記複数の導電層間を占める平面領域における、前記第1の絶縁層上に積層された窒化膜と、前記複数の導電層及び前記窒化膜上に形成された第2の絶縁層とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、複数の導電層は、例えば開口領域に対応して設けられた複数の画素電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一部を形成する。そして電気光学装置の動作時には、例えば、データ線、走査線、容量線、画素スイッチング用TFT等など、配線及び電子素子によって、複数の画素電極を駆動することで、各画素の開口領域で電気光学駆動が行われ、画像表示領域におけるアクティブマトリクス駆動による画像表示が行われる。
ここで、複数の導電層間を占める平面領域に、仮に窒化膜が存在しないとすると、第1の層間絶縁膜及び第2の層間絶縁膜が直接に接する界面が存在することになる。すると、例えば典型的には、それ自体は良好な電気絶縁性を示す酸化シリコンやガラスからなる第1の層間絶縁膜及び第2の層間絶縁膜間の界面に水分が浸入した場合には、該界面に沿った導電路が発生してしまうため、複数の導電層間の電気抵抗が著しく低下するという現象が生じかねない。しかるに本発明では、これら複数の導電層間を占める平面領域には、例えば酸化シリコンやガラス等と比べて水分の透過を殆ど許さない、例えばSiN膜、SiON膜又はTiN膜等の窒化膜が存在するので、窒化膜を一方の面とする界面に水分が浸入し難くなる。更に、一方の界面に水分が浸入しても、これが窒化膜を透過することは殆ど無くなる。これらの結果、複数の導電層間を占める平面領域において、窒化膜を一方の面とする界面に沿った導電路が殆ど発生しないため、例えば配線間ショートなど、複数の導電層間の電気抵抗が低下する現象を非常に効果的に防止できるのである。
しかも、このような窒化膜は、画素の非開口領域内に積層されているので、画素の開口領域に設けなくて済み、開口領域における光透過率等の光学特性を劣化させないで、上述の如き電気抵抗が低下する現象を防止できる。
尚、窒化膜は上述した作用及び効果を鑑みれば、複数の導電層間を占める平面領域において、複数の導電層間を橋渡しするように設けられるのが好ましい。
また、例えば、相対的に水分が浸入しやすい基板上における積層構造の上層寄りに位置する配線部や中継部なと、水分の浸入により短絡が生じやすい複数の導電層間を選択して上述したように窒化膜を設けると効率的である。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記開口領域は、前記窒化膜が形成されていない領域を含む。
この態様によれば、窒化膜は、画素の非開口領域内にのみ積層されているので、各画素の開口領域における光透過率等の光学特性を、窒化膜の存在により劣化させないで済む。この結果、明るく高品位の画像を表示させる上で大変有利である。
尚、各画素の開口領域は、窒化膜が全く形成されていない領域とされることが、開口領域内における光透過率を最大限に高める上で、即ち表示画像の明るさを最大限に高める上で望ましい。但し、各画素の開口領域内に多少の窒化膜が形成されていても、窒化膜が形成されていない領域の割合に応じて、光透過率を高めることが可能となる。更に、各画素の開口領域内に窒化膜が僅かでも形成されていない領域が存在すれば、開口領域の全域に窒化膜が形成されている場合と比較して、光透過率を高めることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記窒化膜は、前記平面領域に加えて前記非開口領域内であって且つ前記導電層の少なくとも一部が形成された領域にも形成されている。
この態様によれば、前記導電層をその一部として形成される配線や電子素子に対する水分の浸入を防ぐことが可能となり、装置の寿命や信頼性を向上させるのに役立つ。しかも、非開口領域内にのみ窒化膜を設けるので、各画素の開口領域における光透過率等の光学特性を、窒化膜の存在により劣化させないで済む。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記窒化膜は、前記導電層の少なくとも一部における端面にも形成されている。
この態様によれば、その動作時には、当該電気光学装置に入射される表示用の光が、前記導電層により形成される配線や電子素子の端面で乱反射するのを、該端面に形成されると共に光吸収能力を有する窒化膜部分によって、低減できる。特に、導電層部分が、高反射率のアルミニウム膜を用いて構成される場合、乱反射により、表示画面にフリッカを生じる恐れが高いので、この態様は非常に有効となる。このように、表示画像の画質を一層高めることが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記窒化膜は少なくとも部分的に、前記複数の導電層部分の端面をすべて覆うように設けられている。
この態様によれば、例えば窒化膜が設けられた導電層部分が画素開口部に近接している場合であっても、該窒化膜の裾の部分は導電層部分の端面の裾に沿って設けられるため、開口領域の手前に窒化膜を形成することが可能となる。その結果、開口領域に近接した導電層部分からなる配線等についても、窒化膜を設けることにより、水分の浸入防止による短絡防止を図れる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記窒化膜はシリコン窒化膜である。
この態様によれば、窒化膜として特にシリコン窒化膜(SiN膜)を用いることにより、複数の導電層間を占める平面領域における、第1の層間絶縁膜及び第2の層間絶縁膜間が直接に接する界面への水分の浸入を効果的に防止することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記画素電極に蓄積容量を付加するための容量線又はこれに接続された電磁シールド層であり、前記二つの導電層の他方は、前記電子素子から前記画素電極への中継部である。
この態様によれば、蓄積容量を用いることで各画素電極における画像信号の保持特性を向上させることにより高品位の画像表示が可能となる。或いは、電磁シールド層の存在によって、例えば画素電極から見て電磁シールド層に覆われた、各種配線や電子素子と該画素電極との間における電磁気的な干渉或いは相互ノイズを、当該電磁シールド層によって効果的に遮蔽できる。しかも、容量線又は電磁シールド層と画素電極との間における短絡或いは電気抵抗低下を防止できるので、装置故障や画質劣化を効果的に阻止できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記電子素子に画像信号を供給するデータ線であり、前記二つの導電層の他方は、前記電子素子から前記画素電極への中継部である。
この態様によれば、データ線を介して画像信号を各画素電極に安定して供給でき、高品位の画像表示が可能となる。しかも、データ線と画素電極との間における短絡或いは電気抵抗低下を防止できるので、装置故障や画質劣化を効果的に阻止できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記電子素子に画像信号を供給するデータ線であり、前記二つの導電層の他方は、前記画素電極に蓄積容量を付加するための容量線から前記蓄積容量への中継部である。
この態様によれば、データ線を介して画像信号を各画素電極に安定して供給でき、高品位の画像表示が可能となると共に蓄積容量を用いることで各画素電極における画像信号の保持特性を向上させることにより高品位の画像表示が可能となる。しかも、データ線と容量線との間における短絡或いは電気抵抗低下を防止できるので、装置故障や画質劣化を効果的に阻止できる。
これらの中継部に係る態様では、前記中継部は、前記画素毎に島状に分断して複数設けられており、前記窒化膜は、前記中継部の夫々に対応して、島状に分断して複数設けられているように構成してもよい。
このように構成すれば、比較的小さく必要最小限に近い領域にのみ、窒化膜を島状に分散して形成することで、二つの導電層間における短絡或いは電気抵抗低下を防止できる。これにより、画素の開口領域内に窒化膜を形成しない平面レイアウトが容易となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記複数の導電層のいずれかは、アルミニウムを主成分とする金属層から構成されている
この態様では、導電率に優れたアルミニウムを主成分とする金属層を利用して、良好な配線や中継部等の、導電層部分を構築できる。しかも、窒化膜の存在によって、比較的水分に弱いアルミニウムを主成分とする金属層からなる導電層部分間における短絡或いは電気抵抗低下を防止できる。加えて、水分浸入による金属層のマイグレーションを防止することにも繋がるので、装置の寿命や信頼性を向上させる上で大変有利である。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備してなる。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、当該電気光学装置における各種配線の短絡を防止することが可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置の他に、電子放出素子(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)等も実現することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
まず、本発明の実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図1から図5を参照して説明する。ここに図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図3は、図2のうち特にデータ線、シールド層及び画素電極の配置関係を示すためこれらの要素を抜き出して描いた平面図である。また、図4は、更に図3のうち、本発明に係る「窒化膜」の構成例を説明するために、該窒化膜と一部の構成要素を抜き出して描いた平面図である。また、図5は、図2のA−A´断面図である。なお、図5においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線3aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
以下では、上記データ線6a、走査線3a、TFT30等による、上述のような回路動作が実現される電気光学装置の、実際の構成について、図2ないし図5を参照して説明する。
まず、図2において、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び後述する下側遮光膜11aがその機能を兼ねる走査線3aが設けられている。データ線6aは、後述するようにアルミニウム膜等を含む積層構造からなる。また、走査線として機能する下側遮光膜11aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´が形成されている。このように、島状に形成されたチャネル領域1a’に応じてゲート電極3aaが島状に形成されている。すなわち、走査線とデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
次に、電気光学装置は、図2のA−A´線断面図たる図5に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFTアレイ基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20とを備えている。
TFTアレイ基板10の側には、図5に示すように、前記の画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20の側には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。このうち対向電極21は、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなり、前記の配向膜16及び22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。このように対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には、後述のシール材(図9及び図10参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質からなる。シール材は、TFT基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
一方、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図5に示すように、下から順に、走査線3aを兼ねる下側遮光膜11aを含む第1層、TFT30を含む第2層、蓄積容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、シールド層400が形成される第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁層41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁層42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁層43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁層44が、夫々設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。
まず、第1層には、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる下側遮光膜11aが設けられている。この下側遮光膜11aは、図5中X方向に延在するストライプ状に形成されている。なお、下側遮光膜11aについては、図2に示すように、データ線6aが延在する方向に沿って突出部を有している。これにより各画素の開口領域を規定している(図2参照)。ただし、相隣接する下側遮光膜11aから延びる突出部は相互に接触することはなく、互いに電気的に絶縁されている。こうしないと、下側遮光膜11aを、走査線3aとして機能させることができないからである。
次に、第2層には、半導体層1aのチャネル領域1a´に対向するように、ゲート電極3aaが設けられることにより、TFT30が形成されている。TFT30は、図5に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、ゲート電極3aa、例えばポリシリコン膜からなり走査線としての下側遮光膜11aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、ゲート電極3aaと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
なお、TFT30は、好ましくは図5に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aaをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また、本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。さらに、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層でも単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化を図ることができる。
また、第2層には、上述のゲート電極3aaと同一膜として中継電極719が形成されている。中継電極719は、平面的に見て、図2に示すように、各画素電極9aの一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719と、ゲート電極3aaとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
以上説明した下側遮光膜11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長の方向に沿った溝状のコンタクトホール12cvが掘られており、このコンタクトホール12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aaは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。また、このコンタクトホール12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aaが形成されていることにより、該ゲート電極3aaには、これと一体的に形成された側壁部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図2に示されるように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
また、この側壁部3bは、前記のコンタクトホール12cvを埋めるように形成されているとともに、その下端が前記の下側遮光膜11aと接するようにされている。ここで、下側遮光膜11aは、上述のようにストライプ状に形成されていることから、ある行に存在するゲート電極3aa及び下側遮光膜11aは、当該行に着目する限り、常に同電位となる。
次に、第3層には、蓄積容量70を構成する第1中継層71、誘電体膜75及び容量電極300が形成されている。蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての第1中継層71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。また、本実施形態に係る蓄積容量70は、図2の平面図を見るとわかるように、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成されているため(換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されているため)、電気光学装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能となる。
より詳細には、第1中継層71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1中継層71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。また、この第1中継層71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホール83、881、882、402及び89を介して、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。この第1中継層71は、後述する容量電極300の平面形状(図2参照)と略同一の形状を有するように形成されている。
容量電極300は、蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。容量電極300を固定電位とするためには、固定電位とされた、後述するシールド層400と電気的接続が図られることによりなされている。また、容量電極300は、例えば、下側遮光膜11aと同様に、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料から構成するとよい。これによれば、容量電極300は、TFT30に上側から入射しようとする光を遮る機能を有している。
誘電体膜75は、図5に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。
そして、本実施形態においては特に、この誘電体膜75は、図5に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bというように二層構造を有するものとなっている。上層の窒化シリコン膜75bは画素電位側容量電極の下部電極71より少し大きなサイズにパターニングされ、遮光領域(非開口領域)内で収まるように形成されている。
尚、本実施形態では、誘電体膜75は、二層構造を有するものとなっているが、場合によっては、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というように三層構造や、或いはそれ以上の蓄積構造を有するように構成してもよいし、単層構造としてもよい。
以上述べた、TFT30ないしゲート電極3aa及び中継電極719の上、且つ、蓄積容量70の下には、第1層間絶縁層41が形成されている。該第1層間絶縁層41は、上述と略同様に、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等で構成すればよい。
また、この第1層間絶縁層41には、下部電極71の図5中下面に電気的接続点をもつように配置された、コンタクトホール881が開孔されている。これにより、第1中継層71及び中継電極719間の電気的接続が図られることになる。また、第1層間絶縁層41には、後述する第2中継層6a2との電気的接続を図るため、後記第2層間絶縁層42をも貫通するように開孔されたコンタクトホール882が開孔されている。更に、第1層間絶縁層41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後述する第2層間絶縁層42を貫通しつつ開孔されている。加えて、第1層間絶縁層41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと蓄積容量70を構成する第1中継層71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。
第4層にはデータ線6aが形成される。このデータ線6aは、図5に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層41A、窒化チタンからなる層41TN、窒化シリコン膜からなる層401の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜401は、その下層のアルミニウム層41Aと窒化チタン層41TNを覆うように少し大きなサイズにパターニングされている。
また、第4層には、データ線6aと同一膜として、シールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2が形成されている。これらは、図2に示すように、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、各者間はパターニング上分断されるように形成されている。
以上述べた、蓄積容量70の上、且つ、データ線6aの下には、第2層間絶縁層42が形成されているが、該第2層間絶縁層42は、上述と略同様に、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等で構成すればよい。また、この第2層間絶縁層42には、前述のシールド層用中継層6a1と蓄積容量70上の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。さらに、第2層間絶縁層42には、第2中継層6a2と中継電極719とを電気的に接続するための、前記のコンタクトホール882が形成されている。
次に、第5層には、シールド層400が形成されている。このシールド層400は、平面的にみると、図2及び図3に示すように、図中X方向及びY方向それぞれに延在するように格子状に形成されている。該容量配線400のうち図中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図中X方向に延在する部分については、後述の第3中継層402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。
さらには、図2及び図3中XY方向それぞれに延在するシールド層400の交差部分の隅部においては、該隅部を埋めるようにして、略三角形状の部分が設けられている。シールド層400に、この略三角形状の部分が設けられていることにより、TFT30の半導体層1aに対して、斜め上から進入しようとする光は、この三角形状部分で反射又は吸収されることになり半導体層1aには至らないことになる。従って、光リーク電流の発生を抑制し、フリッカ等のない高品質な画像を表示することが可能となる。このシールド層400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。
このように、データ線6aの全体を覆うように形成されているとともに(図3参照)、固定電位とされたシールド層400の存在によれば、該データ線6a及び画素電極9a間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能となる。すなわち、データ線6aへの通電に応じて、画素電極9aの電位が変動するという事態を未然に回避することが可能となり、画像上に該データ線6aに沿った表示ムラ等を発生させる可能性を低減することができる。本実施形態においてはまた、シールド層400は格子状に形成されているから、走査線3aとして機能する下側遮光膜11aが延在する部分についても無用な容量カップリングが生じないように、これを抑制することが可能となっている。また、シールド層400における上述の略三角形状の部分は、容量電極300と画素電極9aとの間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能であり、これによっても、上述と略同様な作用効果が得られることになる。
また、第5層には、このようなシールド層400と同一膜として、第3中継層402が形成されている。この第3中継層402は、後述のコンタクトホール804及び89を介して、第2中継層6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。なお、これらシールド層400及び第3中継層402間は、前述の容量電極300及びデータ線6aと同様に、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
他方、上述のシールド層400及び第3中継層402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。また、図5に示すように、シールド層400の表面上には、後述する本発明に係る「窒化膜」46aが形成されている。該窒化膜46aについて詳細は後述する。
以上述べた、データ線6aの上、且つ、シールド層400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第3層間絶縁層43が形成されている。この第3層間絶縁層43には、シールド層400と前述のシールド層用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継層402と第2中継層6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804が形成されている。
最後に、第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはBPSGからなる第4層間絶縁層44が形成されている。この第4層間絶縁層44には、画素電極9a及び前記の第2中継層402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。
本実施形態では、図5に示すように、第5層において、シールド層400の表面上には窒化膜46aが形成されている。この窒化膜46aは、平面的にみると、図3及び図4に示すように、シールド層400の表面上をほぼ覆うように、該シールド層400と同様のパターンとして形成される。尚、窒化膜46aをこのように設けた場合、第3層間絶縁層43は本発明に係る「第1の絶縁層」に相当し、第4層間絶縁層44は本発明に係る「第2の絶縁層」に相当する。
ここに、図4には、窒化膜46aの構成に着目して、該窒化膜46aにハッチングを付して示してある。尚、図4中、画素電極9aに対応する画素開口領域をgOpとして示してある。
図4及び図5に示すように、窒化膜46aの形成領域は、シールド層400の形成領域と、第3層間絶縁層43上における、シールド層400と第3中継層402との間を占める平面領域47とを含んでいる。即ち、窒化膜46aは、シールド層400と第3中継層402との間を橋渡しをするように、シールド層400の表面上から延在して設けられている。
また、上述したように、シールド層400は半導体層1aに対する遮光膜としても機能する。このようなシールド層400の構成に着目すれば、図5中、符号48を付して示した点線に相当する部分は、画素開口領域gOpの境界に相当する。この境界に面したシールド層400の端面は、窒化膜46aに覆われている。そして、窒化膜46aの端面の裾は、前述した画素開口領域gOpの境界に沿って形成されている。
尚、窒化膜46aは、例えばSiN膜、SiON膜又はTiN膜等を用いて構成される。
ここに、特に、液晶層50に面した最上層の次に配置される第5層は、液晶層50より水分が浸入し易い個所に当る。そして、シールド層400及び第3中継層402の間を占める平面領域47に、仮に窒化膜46aが存在しないとすると、第3層間絶縁層43及び第4層間絶縁層44が直接に接する界面が存在することになる。そして、該界面に液晶層50より水分が浸入した場合には、該界面に沿った導電路が発生してしまうため、シールド層400及び第3中継層402間の電気抵抗が著しく低下するという現象が生じかねない。
これに対して本実施形態では、シールド層400及び第3中継層402の間を占める平面領域47には、例えば酸化シリコンやガラス等と比べて水分の透過を殆ど許さない、例えばSiN膜、SiON膜又はTiN膜等の窒化膜46aが存在するので、窒化膜46aを一方の面とする界面に水分が浸入し難くなる。更に、一方の界面に水分が浸入しても、これが窒化膜46aを透過することは殆ど無くなる。これらの結果、シールド層400及び第3中継層402の間を占める平面領域47において、窒化膜46aを一方の面とする界面に沿った導電路が殆ど発生しないため、例えば配線間ショートなどシールド層400及び第3中継層402間の電気抵抗が低下する現象を非常に効果的に防止できる。
また、窒化膜46aの形成領域は、シールド層400の形成領域を含むため、該シールド層400に対する水分の浸入を防ぐことが可能となり、装置の寿命や信頼性を向上させるのに役立つ。更に、図4及び図5に示すように、窒化膜46aは、画素の非開口領域内にのみ積層されているので、各画素開口領域gOpにおける光透過率等の光学特性を、窒化膜46aの存在により劣化させないで済む。この結果、明るく高品位の画像を表示させる上で大変有利である。
加えて、電気光学装置の動作時には、当該電気光学装置に入射される表示用の光が、特にシールド層400におけるアルミニウム層の端面で乱反射するのを、該端面に形成されると共に光吸収能力を有する窒化膜46a部分によって、低減できる。その結果、シールド層400における高反射率のアルミニウム膜が、光を乱反射することにより、表示画面にフリッカが生じるのを防止することができる。その結果、表示画像の画質を一層高めることが可能となる。また、水分浸入によるアルミニウム層のマイグレーションを防止することにも繋がるので、装置の寿命や信頼性を向上させる上で大変有利である。
また、本実施形態では、窒化膜の形成領域は、図6及び図7に示すような領域であってもよい。
図6に示すように、窒化膜46bの形成領域は、シールド層400の形成領域と、第3層間絶縁層43上における、シールド層400と第3中継層402との間を占める平面領域47と、第3中継層402の形成領域とを含むように構成してもよい。
また、図7に示すように、窒化膜46cの形成領域は、第3層間絶縁層43上における、シールド層400と第3中継層402との間を占める平面領域47と、第3中継層402の形成領域とを含むように構成してもよい。
図6及び図7に示すように、窒化膜46b及び47cを形成しても、図4及び図5に示すように窒化膜46aを形成した場合と同様に、シールド層400及び第3中継層402間の電気抵抗が低下する現象を非常に効果的に防止できる。
また、本実施形態では、例えば、相対的に水分が浸入しやすいTFTアレイ基板10上における積層構造の上層寄りに位置する配線部や中継部なと、水分の浸入により短絡が生じやすい二つの導電層部分間を選択して上述したように窒化膜を設けると効率的である。
図8は、図5に示す断面の他の構成を示す図であって、TFTアレイ基板10上における積層構造の第4層に窒化膜が設けられる構成を示してある。
図8において、データ線6a、シールド層用中継層6a1、及び第2中継層6a2に夫々含まれる窒化膜401を、シールド層用中継層6a1、及び第2中継層6a2の各々の表面上から、互いの間を橋渡しするように延在して形成されてもよい。このように形成した場合も、第5層に窒化膜46aを設ける場合と同様の作用及び効果を得ることができる。
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された実施形態における電気光学装置の全体構成を図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側からみた平面図であり、図10は図9のH−H´断面図である。
図9及び図10において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるため、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、紫外線、加熱等により硬化させられたものである。また、このシール材52中には、本実施形態における液晶装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶装置であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ、あるいはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されている。あるいは、当該液晶装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。
シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定のタイミングで供給することにより、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。
なお、走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。
TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナ部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。
図10において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21のほか、最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッィク液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図11は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図11において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態の電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。 本発明の実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。 図2のうちデータ線、シールド層及び画素電極の配置関係を示すためこれらの要素を抜き出して描いた平面図である。 図3のうち、窒化膜の構成を示すため該窒化膜を含む一部の構成要素を抜き出して描いた平面図である。 図2のA−A´断面図である。 図4に示す窒化膜の他の構成を示す図である。 図4に示す窒化膜の他の構成を示す図である。 図5に示す断面の他の構成を示す図である。 本発明の実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。 図9のH−H´断面図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
6a…データ線 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 10a…画像表示領域 11a…下側遮光膜 20…対向基板 21…対向電極 30…TFT 46a、401a…窒化膜

Claims (12)

  1. 画像表示領域内に画素毎に開口領域を有する電気光学装置であって、
    基板上に、
    第1の絶縁層と、
    該第1の絶縁層上に形成され電気的に分離された複数の導電層と、
    前記画素の非開口領域内であり且つ前記複数の導電層間を占める平面領域における、前記第1の絶縁層上に積層された窒化膜と、
    前記複数の導電層及び前記窒化膜上に形成された第2の絶縁層と、
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記開口領域は、前記窒化膜が形成されていない領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記窒化膜は、前記平面領域に加えて前記非開口領域内であって且つ前記導電層の少なくとも一部が形成された領域にも形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記窒化膜は、前記導電層の少なくとも一部における端面にも形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記窒化膜は少なくとも部分的に、前記複数の導電層部分の端面をすべて覆うように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記窒化膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記画素電極に蓄積容量を付加するための容量線又はこれに接続された電磁シールド層であり、前記二つの導電層の他方は、前記電子素子から前記画素電極への中継部であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記電子素子に画像信号を供給するデータ線であり、前記二つの導電層の他方は、前記電子素子から前記画素電極への中継部であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記複数の導電層のうち二つの導電層の一方は、前記電子素子に画像信号を供給するデータ線であり、前記二つの導電層の他方は、前記画素電極に蓄積容量を付加するための容量線から前記蓄積容量への中継部であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記中継部は、前記画素毎に島状に分断して複数設けられており、
    前記窒化膜は、前記中継部の夫々に対応して、島状に分断して複数設けられていることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記複数の導電層のいずれかは、アルミニウムを主成分とする金属層から構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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