JP2005062053A - フロースルー型リガンド検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 標識抗体を含有するパッドの取り扱いを容易にし、パッドをアダプター開口部へ設置する際の作業効率を向上させることのできるフルースルー型リガンド検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 アダプター開口部に立設され標識抗体を含有するパッド21に、保持体22を一体に備えた。保持体22は窓孔33を有する枠状のプラスチック板32からなり、パッド21は保持体22により挟まれる。複数の窓孔33を一定間隔で有する2枚のプラスチック板32に挟んで接着した後、一定間隔に切断してパッド21を形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】 アダプター開口部に立設され標識抗体を含有するパッド21に、保持体22を一体に備えた。保持体22は窓孔33を有する枠状のプラスチック板32からなり、パッド21は保持体22により挟まれる。複数の窓孔33を一定間隔で有する2枚のプラスチック板32に挟んで接着した後、一定間隔に切断してパッド21を形成した。
【選択図】 図3
Description
本発明は、免疫測定法で使用される標識抗体を含有するパッドを備えたフロースルー型リガンド検出装置に関する。
従来、特殊な設備,器具や技術を用いることなく目標のリガンドを簡便かつ正確に検出するために、免疫測定法が利用されている。免疫測定法という用語は免疫反応の特異性を利用して試料中の分析対象物を免疫学的手法により検出または定量する分析方法の総称として用いられ、具体的には免疫拡散法,酵素免疫測定法などの種々の方法が実用化されている。このような免疫測定法の中で、フロースルー式アッセイ法はラテラルフロー式,タンジェンタルフロー式などと並ぶメンブランを使用したイムノクロマトグラフィー法の一種であり、操作が簡便であるため一般的な検査の場に普及している。
フロースルー式アッセイ法による免疫測定法についての詳細は、例えば“Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8,特公平7−34016号などに記載されている。
このフロースルー式アッセイ法に用いられるフルースルー型リガンド検出装置の例としては、特開平3−118473号公報に開示されているものが知られている。この装置は、底部と蓋とから構成される外殻部材の内側にフィルター部材を配置したものであり、目標のリガンドを含むと思われる検体を蓋に設けられた開口部を経てフィルター部材に導入し、リガンドを結合剤へ結合させ発色させるなどの処理を行うことによって目標のリガンドを検出するものである。
また、このようなフロースルー型リガンド検出装置において、試料としての検体を含む溶液を開口部へ導く容器状のアダプター開口部を有するアダプターを設け、このアダプター開口部に標識抗体を含有させて乾燥させた不織布製のパッドを設けておき、検体の溶液を開口部に導入した際にパッドの標識抗体を検体の溶液に溶出させて検体と反応させてフィルター部材に導入することによって、検体を開口部に導入する前に予め標識抗体を検体と混合する手間を省き、操作をより簡便にしたものが知られている。なお、このパッドは、開口部に導入された検体の溶液がフィルター部材に完全に吸収されたかどうかを確認するため、開口部の底面が上方から見えるように、開口部に立設されていた。
Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8 特公平7−34016号公報
特開平3−118473号公報
Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8
ところで、従来の標識抗体を含有させ乾燥させたパッドは、アダプター開口部に立設させる必要があり、不織布製であってやわらかいために取り扱いにくく、パッドをアダプター開口部へ設置する際の作業効率が悪いという欠点があった。
本発明かかる課題に鑑みてなされたものであり、標識抗体を含有するパッドの取り扱いを容易にし、パッドをアダプター開口部へ設置する際の作業効率を向上させることのできるフルースルー型リガンド検出装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載のフロースルー型リガンド検出装置は、フィルター部材と、このフィルター部材の上面に開口部を有する外郭部材と、試料を前記開口部へ導く容器状のアダプター開口部を有するアダプターと、前記アダプター開口部に立設され標識抗体を含有するパッドとを備えたフロースルー型リガンド検出装置において、前記パッドは保持体を一体に備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2記載のフロースルー型リガンド検出装置は、請求項1において、前記保持体は窓孔を有する枠状のプラスチック板からなり、前記パッドは前記保持体により挟まれていることを特徴とする。
本発明の請求項3記載のフロースルー型リガンド検出装置は、請求項2において、前記パッドは、複数の前記窓孔を一定間隔で有する2枚のプラスチック板に挟まれて接着された後、一定間隔に切断されて形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項1記載のフロースルー型リガンド検出装置によれば、パッドを保持体によって保持させて硬くすることができ、パッドの取り扱いを容易にし、パッドをアダプター開口部へ設置する際の作業効率を向上させることができる。
本発明の請求項2記載のフロースルー型リガンド検出装置によれば、窓孔の部分から標識抗体を溶出できるので標識抗体の溶出を妨げることがなく、枠状の保持体によってパッドの周縁部を保持させてパッドを確実に硬くすることができる。
本発明の請求項3記載のフロースルー型リガンド検出装置によれば、保持体を一体に備えたパッドを効率よく製造することができる。
以下、本発明における好ましい実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
以下、本発明のフロースルー型リガンド検出装置の一実施例について添付した図1〜図3を参照しながら説明する。構成を示す図1および図2において、1は装置の下部外郭をなす下部デバイスであり、2は装置の上部外郭をなす上部デバイスである。下部デバイス1は、略長方形の底面1aとこの底面1aの周縁部から略垂直に上方へ延設された側壁1bとを有する容器状に形成されている。この下部デバイス1の中には、フィルター部材3が収容,支持されている。このフィルター部材3は、メンブランフィルターからなる膜部材3aと、この膜部材3aの下部に配置されガラス孔フィルターからなるスペーサー3bと、このスペーサー3bの下部に配置され液体吸収能力に優れた吸収部材3cとから構成されている。なお、スペーサー3bは、吸収体3cからの色戻りをなくし膜部材3aの着色による判定を正確に行うために設けられるものであって、省略してもよい。
本発明において使用可能な膜部材3aとしては、Schleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブラン(孔径0.1〜0.45μm),アドバンテック社製セルロース混合エステルタイプメンブランフィルター(孔径0.10〜5.00μm),ミリポア社製セルロース混合エステル(孔径0.025〜8.0μm),ワットマン社製ニトロセルロースメンブラン(孔径0.2〜1.2μm)等が挙げられるがこれらに限定されない。この中でSchleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブランが他の物に比べ丈夫なため糸による縫製やステープラーの金具によって破れることがなく、好適に用いられる。また、吸収体3cからの色戻りを防ぐ効果を有するスペーサー3bとしては、ワットマン社製F075−14,ミリポア社製GFCP203000,Schleicher&Schuell社製33GLASS等が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、吸収体3cとしては、ワットマン社製(WF1.5,CD427−05,CD427−07),日本ポール社製S70009等が挙げられるがこれらに限定されない。
一方、上部デバイス2は、下部デバイス1の形状に対応して上面2aとこの上面2aから略垂直に下方へ延設された側壁2bとを有する蓋状に形成されている。そして、上部デバイス2には水平方向の断面が略円形の開口部4が設けられており、この開口部4には検体を導入するためのアダプター開口部5と孔部6を有するアダプター7が載置されている。また、開口部4には上部デバイス2から下方に向けて徐々に直径が小さくなるように斜設された略円錐形状の内壁8が上部デバイス2と一体に形成されており、アダプター7はこの開口部4の形状に対応した容器状の形状に形成され、開口部4に取り外し自在に設けられている。また、アダプター7の底部9の略中央部には、部分的に孔部6が設けられている。また、アダプター開口部5の外側へ着脱自在に、アダプター7の底部9の下側に設けられたフィルター10を支持する固定リング11が備えられている。なお、このフィルター10は、検体と後述するパッド21との非特異的な凝集物を除去するためのゴミ取りフィルターであって、その材質としてはポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが好適に用いられる。
そして、下部デバイス1の側壁1bの上端と上部デバイス2の側壁2bの下端とを嵌合させることで、下部デバイス1と上部デバイス2とで装置の外郭部材をなすように構成されている。また、下部デバイス1と上部デバイス2とを組み合わせたときに開口部4がフィルター部材3のほぼ中央部に位置するように構成され、開口部4の内壁8の下端はフィルター部材3の上面を下方に向かって押さえ込むようになっている。
また、21はリガンドの検出に用いられるパッドであって、標識抗体としての金コロイド標識抗体を不織布に含有させて乾燥させ、プラスチック板からなる支持体を一体に備えたものである。このパッド21は、アダプター開口部5の内壁12にアダプター7と一体に設けられた2対のガイド13によって、アダプター開口部5の内側に立設されている。また、パッド21は、上面から見たときに孔部6に重ならない位置に設けられ、アダプター開口部5に導入された検体がフィルター部材3へ完全に吸収されたことを確認できるようになっている。なお、パッド21の構成については後述する。
つぎに、図3を参照しながら、パッド21の製造方法の一例について説明する。例えば、図3(a)に示すように、幅1.0cm,長さ30cmの短冊状のパッド材料31を用意する。このパッド材料31は、後述するように、Pall社製8975などの不織布に金コロイドを含浸させて乾燥したものである。なお、パッド材料31としては、このほかにSchleicher&Schuell社製ガラスフィルター(SS16,33Glass),ミリポア社製ガラスフィルター(GFCP203000)等を用いることができるが、これらの材料に限定されない。
また、図3(b)に示すように、幅1.4cm,長さ30.4cm,厚さ1mm程度の2枚のプラスチック板32を用意する。なお、このプラスチック板32には、一定間隔で0.8cm四方の窓孔33を設ける。また、プラスチック板32の材質としては水溶性でなければ何でも用いることができ、プラスチック製でなくてもよい。
つぎに、図3(c)に示すように、2枚のプラスチック板32によりパッド材料31を挟み、接着剤を用いるか、溶着によって、パッド材料31とプラスチック板32とを接着する。そして、図3(d)に示すように、一定間隔で切断すると、一辺が1.4cmの略正方形のパッド21ができあがる。このようにして製造されたパッド21は、窓孔33を有する枠状のプラスチック板からなる保持体22を一体に備えているとともに、パッド21は保持体22により挟まれている。
そして、このパッド21をアダプター7のアダプター開口部5の内壁12に設けられた2対のガイド13に挿入することによって、アダプター開口部5の内側にパッド21を立設する。
つぎに、上記フロースルー型リガンド検出装置の製造方法について、免疫測定法を用いたA型インフルエンザウイルスの検出に用いる場合を例に取り説明する。
(1)金コロイド標識用抗A型インンフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(マウス)の作製及び精製
精製A型インフルエンザウイルス抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol.256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合する。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、A型インフルエンザウイルスNP抗原固相プレートを用いてインキュベーター中で37℃に維持する。その後、ELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行う。取得した該細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取する。得られた腹水からアフィニティクロマトグラフィー法によってIgGを精製する(クローン名8D2)。
精製A型インフルエンザウイルス抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol.256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合する。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、A型インフルエンザウイルスNP抗原固相プレートを用いてインキュベーター中で37℃に維持する。その後、ELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行う。取得した該細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取する。得られた腹水からアフィニティクロマトグラフィー法によってIgGを精製する(クローン名8D2)。
(2)固相用A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(マウス)の作製及び精製
上記(1)の方法と同様にして作製する(クローン名B40)。
上記(1)の方法と同様にして作製する(クローン名B40)。
(3)金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体の作製
9mLの金コロイド溶液(BBI社、濃度0.01(W/V)%の水溶液、pH7.1)に対して、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)を1mL加えpHを8.5に合わせる。上記(1)で精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名8D2)を2mMホウ酸緩衝液(pH9.1)で透析後、蒸留水で希釈し0.1mg/mLに調製する。この抗体1mLを上記金コロイド溶液に撹拌しながら滴下し5分間静置し結合させる。その後10%BSAを1mL加え10時間穏やかに攪拌する。つぎに遠心管へ全量移し5000gで30分間遠心し上清を吸引廃棄する。沈渣を5%のシュークロースを含む2mMホウ酸緩衝液(pH8.7)0.9mLで浮遊させる。
9mLの金コロイド溶液(BBI社、濃度0.01(W/V)%の水溶液、pH7.1)に対して、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)を1mL加えpHを8.5に合わせる。上記(1)で精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名8D2)を2mMホウ酸緩衝液(pH9.1)で透析後、蒸留水で希釈し0.1mg/mLに調製する。この抗体1mLを上記金コロイド溶液に撹拌しながら滴下し5分間静置し結合させる。その後10%BSAを1mL加え10時間穏やかに攪拌する。つぎに遠心管へ全量移し5000gで30分間遠心し上清を吸引廃棄する。沈渣を5%のシュークロースを含む2mMホウ酸緩衝液(pH8.7)0.9mLで浮遊させる。
(4)金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッド(パッド21)の作製
上記(3)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を最終濃度として5%シュークロースを含む精製水で希釈し、BioDot社XYZPlatfom Dispensing Systemを用いて、パッド材料31の1.0cm四方あたり30μLを含浸させ、真空乾燥機にて30分間乾燥させる。その後、上述の製造方法により、保持体22により保持されたパッド21を作成する。
上記(3)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を最終濃度として5%シュークロースを含む精製水で希釈し、BioDot社XYZPlatfom Dispensing Systemを用いて、パッド材料31の1.0cm四方あたり30μLを含浸させ、真空乾燥機にて30分間乾燥させる。その後、上述の製造方法により、保持体22により保持されたパッド21を作成する。
(5)フロースルー型リガンド検出装置の組み立て
膜部材3aとしてSchleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブラン(孔径0.45μm)、スペーサー3bとしてミリポア社製GFCP203000、吸収体3cとしてワットマン社製CD427−07を重ね合わせ、下部デバイス1に設置し、上部デバイス2で閉じる。その後アダプター7を上部デバイス2に取りつける。
膜部材3aとしてSchleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブラン(孔径0.45μm)、スペーサー3bとしてミリポア社製GFCP203000、吸収体3cとしてワットマン社製CD427−07を重ね合わせ、下部デバイス1に設置し、上部デバイス2で閉じる。その後アダプター7を上部デバイス2に取りつける。
(6)膜部材3aへの抗体の塗布
上記(5)で組み立てたフロースルー型リガンド検出装置のアダプター7の孔部6を通して(2)で作製・精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名B40)を1%トレハロースを含むクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.7)で希釈した液12μLを膜部材3aに塗布し、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行なう。
上記(5)で組み立てたフロースルー型リガンド検出装置のアダプター7の孔部6を通して(2)で作製・精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名B40)を1%トレハロースを含むクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.7)で希釈した液12μLを膜部材3aに塗布し、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行なう。
(7)フロースルー型リガンド検出装置の最終作製
上記(6)で組立てたフロースルー型リガンド検出装置のアダプター7を一度取り外し、サンプル(検体)とパッド21との反応中に生じる非特異的な凝集物を取りの除く為のフィルター10をアダプター7の下部に設置し、固定リング11を用いて固定する。再度上部デバイス2へアダプター7を装着し、その後、(4)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッド(パッド21)を、アダプター7のガイド13に挿入する。
上記(6)で組立てたフロースルー型リガンド検出装置のアダプター7を一度取り外し、サンプル(検体)とパッド21との反応中に生じる非特異的な凝集物を取りの除く為のフィルター10をアダプター7の下部に設置し、固定リング11を用いて固定する。再度上部デバイス2へアダプター7を装着し、その後、(4)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッド(パッド21)を、アダプター7のガイド13に挿入する。
つぎに、上記のように製造されたフロースルー型リガンド検出装置を用いたリガンド検出方法について、免疫測定法を用いたA型インフルエンザウイルスの検出を例に取り説明する。
(8)検出方法
A型インフルエンザウイルスを含むと思われるサンプル(検体)を1%BSA,5%Triton−X100,150mMNaClを含む20mMホウ酸緩衝液(pH8.5)緩衝液0.5mLに浮遊させ、0.22μmのフィルターで濾過した後、フロースルー型リガンド検出装置のアダプター7の孔部6へ全量滴下する。サンプルが吸収体3cに全量吸収されたらアダプター7を上部デバイス2から外し膜部材3aへの着色の有無を判定する。孔部6下部の膜部材3aが金コロイドの色(赤色)に着色していたら、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていた事になる。膜部材3aの色が白色のままであれば、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていなかった事になる。
A型インフルエンザウイルスを含むと思われるサンプル(検体)を1%BSA,5%Triton−X100,150mMNaClを含む20mMホウ酸緩衝液(pH8.5)緩衝液0.5mLに浮遊させ、0.22μmのフィルターで濾過した後、フロースルー型リガンド検出装置のアダプター7の孔部6へ全量滴下する。サンプルが吸収体3cに全量吸収されたらアダプター7を上部デバイス2から外し膜部材3aへの着色の有無を判定する。孔部6下部の膜部材3aが金コロイドの色(赤色)に着色していたら、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていた事になる。膜部材3aの色が白色のままであれば、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていなかった事になる。
以上のように、本実施例のフロースルー型リガンド検出装置によれば、フィルター部材3と、このフィルター部材3の上面に開口部4を有する外郭部材たる上部デバイス2と、試料を前記開口部4へ導く容器状のアダプター開口部5を有するアダプター7と、前記アダプター開口部5に立設され標識抗体を含有するパッド21とを備えたフロースルー型リガンド検出装置において、前記パッド21は保持体22を一体に備えている。
この構成によれば、パッド21を保持体22によって保持させて硬くすることができ、パッド21の取り扱いを容易にし、パッド21をアダプター開口部5へ設置しやすくなり、パッド21をアダプター開口部5へ設置する際の作業効率を大幅に向上させることができる。
また、前記保持体22は窓孔33を有する枠状のプラスチック板32からなり、前記パッド21は前記保持体22により挟まれている。
この構成によれば、窓孔33の部分から標識抗体を溶出できるので標識抗体の溶出を妨げることがなく、枠状の保持体22によってパッド21の周縁部を保持させてパッド21を確実に硬くすることができる。
さらに、前記パッド21は、複数の前記窓孔33を一定間隔で有する2枚のプラスチック板32に挟まれて接着された後、一定間隔に切断されて形成されている。
この構成によれば、保持体22を一体に備えたパッドを効率よく大量に製造することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、保持体22の形状は窓孔33を有する枠状に限らず、パッド21の1辺のみ、または2辺のみに設けるようにしてもよい。また、2枚の保持体22でパッド21の両側を挟むのではなく、1枚の保持体22をパッド21の片側に接着することによって保持体22を一体に設けたパッド21としてもよい。また、場合によっては、ごみ取りフィルターとしてのフィルター10を設けなくともよい。また、開口部4を2つ以上設けて、2種以上のリガンドを同時に検出できるようにしてもよい。さらに、検出対象となるリガンドはA型インフルエンザウイルスに限らず、それ以外のリガンドの検出に用いてもよいなど種々の変形が可能である。
2 上部デバイス(外郭部材)
3 フィルター部材
4 開口部
5 アダプター開口部
7 アダプター
21 パッド
22 保持体
32 プラスチック板
33 窓孔
3 フィルター部材
4 開口部
5 アダプター開口部
7 アダプター
21 パッド
22 保持体
32 プラスチック板
33 窓孔
Claims (3)
- フィルター部材と、このフィルター部材の上面に開口部を有する外郭部材と、試料を前記開口部へ導く容器状のアダプター開口部を有するアダプターと、前記アダプター開口部に立設され標識抗体を含有するパッドとを備えたフロースルー型リガンド検出装置において、前記パッドは保持体を一体に備えていることを特徴とするフロースルー型リガンド検出装置。
- 前記保持体は窓孔を有する枠状のプラスチック板からなり、前記パッドは前記保持体により挟まれていることを特徴とする請求項1記載のフロースルー型リガンド検出装置。
- 前記パッドは、複数の前記窓孔を一定間隔で有する2枚のプラスチック板に挟まれて接着された後、一定間隔に切断されて形成されたことを特徴とする請求項2記載のフロースルー型リガンド検出装置。
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JP2011095161A (ja) * | 2009-10-30 | 2011-05-12 | Tdk Corp | 捕集器具、検出装置、及び、捕集方法 |
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2003
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