JP2006275932A - 試薬の塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる試薬の塗布方法を提供する。
【解決手段】フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、塗布用治具を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、塗布用治具に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を複数回に分けて分注する。また、分注操作を少なくとも塗布用治具が膜部材に当接する前に1回行い、当接後に1回行う。これによって、塗布用治具に設けられた貫通穴に存在する気泡(空気)を貫通穴から外へ逃がすことができるので貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。
【選択図】図4
【解決手段】フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、塗布用治具を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、塗布用治具に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を複数回に分けて分注する。また、分注操作を少なくとも塗布用治具が膜部材に当接する前に1回行い、当接後に1回行う。これによって、塗布用治具に設けられた貫通穴に存在する気泡(空気)を貫通穴から外へ逃がすことができるので貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、検体試料中の被測定物を捕捉するための捕捉試薬が固定された膜部材を備えたフロースルー型アッセイ装置の製造において膜部材に試薬を塗布する試薬の塗布方法に関する。
従来、特殊な設備,器具や技術を用いることなく目標のリガンドを簡便かつ正確に検出するために、免疫測定法が利用されている。免疫測定法という用語は免疫反応の特異性を利用して試料中の分析対象物を免疫学的手法により検出または定量する分析方法の総称として用いられ、具体的には免疫拡散法,酵素免疫測定法などの種々の方法が実用化されている。このような免疫測定法の中で、フロースルー式アッセイ法はラテラルフロー式,タンジェンタルフロー式などと並ぶメンブランを使用したイムノクロマトグラフィー法の一種であり、操作が簡便であるため一般的な検査の場に普及している。フロースルー式アッセイ法による免疫測定法についての詳細は、例えば非特許文献1及び特許文献1などに記載されている。
このフロースルー式アッセイ法を用いたフロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、捕捉試薬を塗布する方法として、試薬が充填されたシリンジを挿通するための貫通穴を中心軸に沿って備えている塗布用治具を用いた塗布方法がある。この塗布用治具を用いた塗布方法は、まず昇降手段によって支持された塗布用治具を膜部材に当接するまで降下させ、塗布用治具と膜部材を当接させた状態で、シリンジを塗布用治具の貫通穴に挿入し、試薬を分注することによって膜部材に塗布する方法である。
特公平7−34016号公報
Guide to Diagnostic Rapid Test Device Components", 2nd edition, published by Schleicher & Schuell company, January 2000, Edited by Lisa Vickers, p6-8
しかしながら、上述の方法では、塗布用治具と膜部材を当接させた状態で、塗布用治具の貫通穴を通して試薬を分注しているため、試薬液に気泡(空気)が混ざった場合、気泡が外へ逃げることができず貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まり所望の塗布スポット面積に確実に塗布されず、装置の不良品個数の増加を招いていた。
本発明にかかる課題に鑑みてなされたものであり、貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる試薬の塗布方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の試薬の塗布方法は、フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、塗布用治具を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、前記塗布用治具に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を、前記塗布用治具を前記膜部材に当接させる前と当接後に複数回に分けて行うことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の試薬の塗布方法は、前記分注操作を、前記塗布用治具を前記膜部材に当接させる前に1回行い、当接後に1回行うことを特徴とする。
本発明の請求項1記載の試薬の塗布方法によれば、所定量の試薬の一部を塗布用治具を膜部材に当接させる前に分注することにより貫通穴の気泡(空気)を外に逃がすことができ、貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。さらに、装置の不良品の個数を減らすことができ、生産性を向上させることができる。
本発明の請求項2記載の試薬の塗布方法によれば、所定量の試薬の一部を塗布用治具を膜部材に当接させる前に分注することにより貫通穴の気泡(空気)を外に逃がすことができ、貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。
以下本発明について詳細に説明する。
本明細書でいう被測定物を捕捉するための捕捉試薬(液)とは、被測定物と抗原抗体反応のような特異的反応により結合して、被測定物と複合体を形成するものである。従って、被測定物により使用する捕捉試薬が異なることは当然であるが、一般には被測定物が細菌、ウイルス、ホルモン、その他臨床マーカー等の場合には、これらに対し特異的に反応して結合するポリクローナル抗体、モノクローナル抗体等が挙げられる。その他、ウイルス抗原、ウイルス中空粒子、遺伝子組換え大腸菌発現タンパク質、遺伝子組換え酵母発現タンパク質等が挙げられる。
次に、本発明の試薬の塗布方法の実施に使用する塗布用治具の一実施例を図1に示す。塗布用治具20は、略円柱形状に形成されており、その長手方向の一端面の中央部に捕捉試薬を塗布するための突出部21を有し、シリンジの先端に設けられた針を挿通するための貫通穴22をその中心軸に沿って備えている。そして、シリンジの先端に設けられた針を貫通穴22に通過させ、突出部21の位置まで挿入し、捕捉試薬を突出部21に分注することによって膜部材に塗布できるようになっている。
また、突出部21は貫通穴22を囲うように突出して形成された任意の形状の枠体からなり、突出部21の形状は菱形に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば円、楕円、多角形、長方形、正方形、台形等の任意の形状に成形してもよい。また、塗布用治具の材質としては、ある程度の強度を有し、非吸水性および保形性があり、洗浄後も使用可能であればいかなる材質であってもよく、好ましくはプラスチック又は金属が挙げられる。プラスチックであれば、例えばポリアセタール樹脂(デルリン(登録商標)など)、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)など)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、6ポリアミド樹脂等が挙げられる。金属であれば、例えばステンレス、銅、アルミニウム等が挙げられる。
次に、本発明の試薬の塗布方法の実施に使用する装置はフロースルー型アッセイ装置の一実施例について添付した図2〜3を参照しながら説明する。
1は装置の下部外郭をなす下部デバイスであり、2は装置の上部外郭をなす上部デバイスである。下部デバイス1は、略長方形の底面1aとこの底面1aの周縁部から略垂直に上方へ延設された側壁1bとを有する容器状に形成されている。この下部デバイス1の中には、フィルター部材3が収容,支持されている。このフィルター部材3は、ニトロセルロースを含有するメンブランフィルターからなる膜部材3aと、この膜部材3aの下部に配置されガラス孔フィルターからなるスペーサー3bと、このスペーサー3bの下部に配置され液体吸収能力に優れた吸収部材3cとから構成されている。なお、スペーサー3bは、吸収体3cからの色戻りをなくし膜部材3aの着色による判定を正確に行うために設けられるものであって、省略してもよい。
一方、上部デバイス2は、下部デバイス1の形状に対応して上面2aとこの上面2aから略垂直に下方へ延設された側壁2bとを有する蓋状に形成されている。そして、上部デバイス2には水平方向の断面が略円形の開口部4が設けられており、この開口部4には検体を導入するためのアダプター開口部5と孔部6を有するアダプター7が載置されている。また、開口部4には内壁8が上部デバイス2と一体に形成されており、アダプター7はこの開口部4の形状に対応した形状に形成され、開口部4に取り外し自在に設けられている。また、アダプター7の底部9には、孔部6が設けられている。また、アダプター開口部5について1つの孔部6が設けられている。また、アダプター開口部5へ着脱自在に、検体中の異物などを取り除くためのゴミ取りフィルター10を支持する固定リング11が備えられている。
そして、下部デバイス1の側壁1bの上端と上部デバイス2の側壁2bの下端とを嵌合させることで、下部デバイス1と上部デバイス2とで装置の外郭をなすように構成されている。また、下部デバイス1と上部デバイス2とを組み合わせたときに開口部4がフィルター部材3のほぼ中央部に位置するように構成され、開口部4の内壁8の下端はフィルター部材3の上面を下方に向かって押さえ込むようになっており、アダプター7の下端はフィルター部材3の上面に接している。また、12はリガンドの検出に用いられる金コロイドパッドであり、アダプター開口部5に設けられた挿入ガイド13に金コロイドパッド12を挿入することにより設置される。
次に、上記装置および塗布用治具20を用いた場合を例にとって、本発明の試薬の塗布方法の一実施例について説明する。なお、本発明の塗布方法を適用する際のフロースルー型アッセイ装置としては、最終的に組立てられた装置ではなく、膜部材3aを含むフィルター部材3が収納され下部デバイス1と上部デバイス2とが組み合わされたものである。すなわち、アダプター7が載置される前工程の状態のものである。
本発明の塗布方法は、フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、塗布用治具を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、塗布用治具に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を複数回に分けて分注することによって、膜部材に試薬を塗布する方法であり、具体的には分注操作を少なくとも塗布用治具が膜部材に当接する前に1回行い、当接後に1回行う方法である。塗布用治具が膜部材に当接する前に分注操作を行うことによって、塗布用治具に設けられた貫通穴に存在する気泡(空気)を貫通穴から外へ逃がすことができるので貫通穴の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。さらに、装置の不良品の個数を減らすことができ、生産性を向上させることができる。なお、塗布用治具が膜部材に当接する前に分注される試薬液の量は、塗布用治具から液垂れを起こすことのない量が望ましく、すなわち液体の表面張力によって液垂れを防止できる量である。
以下、本発明の実施例を添付図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試薬の塗布方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、本発明の試薬の塗布方法の一実施例である塗布用治具を備えた自動塗布装置を用いた場合の工程を示す図である。なお、本実施例に使用するフロースルー型アッセイ装置は図2〜3に示すものを使用し、その詳細な説明を省略する。
工程1では、アダプター7が載置されておらず、膜部材3aと、スペーサー3bと、吸収体3cとが収納されているデバイスXを一列に多数配列し、塗布ライン方向へ間欠的に移送する。
工程2では、デバイスXの開口部4と塗布用治具20とが対向する所定の位置でデバイスXを停止する。
工程3では、塗布用治具20の上方に位置するシリンジ31を下降させることにより、シリンジ31の先端に設けられた針30を塗布用治具20の中心軸に沿って設けられた貫通穴22に通過させ、突出部21の位置まで挿入し、1回目の分注操作を行う。この1回目の分注操作を行うことによって、貫通穴22の中にある空気を外へ逃がすことができる。ここで1つのデバイスX当りの試薬液の所定量が12μLである場合、1回目の分注量は7μLであり、突出部21から液垂れを起こさない量である。なお、シリンジ31は、昇降手段たる可動アーム(図示せず)に保持されており、可動アームの昇降動作に伴って下降及び上昇が可能である。
工程4では、塗布用治具20の突出部21を、デバイスXに収納された膜部材3aに当接する所定の位置まで下降させ、1回目に分注された試薬液を膜部材3aに塗布するとともに、2回目の分注操作により試薬液の所定量12μL中の残りの5μLを分注して塗布が完了する。捕捉試薬が塗布された面積Aは、図5に示すように、塗布用治具20の突出部21の菱形をなしている。なお、塗布用治具20は、昇降手段たる可動アーム(図示せず)に保持されており、可動アームの昇降動作に伴って下降及び上昇が可能である。このように2回に分けて分注することにより、1回目の分注操作で貫通穴22および突出部21の中に存在する気泡(空気)を外へ逃がすことができ、貫通穴22の下層に気泡(空気)が溜まることなく、2回目の分注操作にて試薬の所定量の全量を分注するので、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。
工程5では、塗布用治具20およびシリンジ31が上昇し、元の位置に戻る。
以上のように、本実施例では請求項1に対応して、フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材3aに対し、塗布用治具20を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、前記塗布用治具20に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を、前記塗布用治具20を前記膜部材3aに当接させる前と当接後に複数回に分けて行うことを特徴とする試薬の塗布方法である。
この構成によれば、塗布用治具20に設けられた貫通穴22に存在する気泡(空気)を貫通穴22から外へ逃がすことができるので貫通穴22の下層に気泡(空気)が溜まることなく、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。さらに、装置の不良品の個数を減らすことができ、生産性を向上させることができる。
また、本実施例では請求項2に対応して、前記分注操作を、前記塗布用治具を前記膜部材に当接させる前に1回行い、当接後に1回行うことを特徴とする試薬の塗布方法である。
この構成によれば、1回目の分注操作で塗布用治具20に設けられた貫通穴22に存在する気泡(空気)を貫通穴22から外へ逃がすことができ、貫通穴22の下層に気泡(空気)が溜まることなく、2回目の分注操作にて試薬の所定量の全量を分注するので、所望の塗布スポット面積に確実に塗布でき、試薬塗布を効率よく行うことができる。さらに、装置の不良品の個数を減らすことができ、生産性を向上させることができる。
次に、上記フロースルー型アッセイ装置を用いたリガンド検出方法について、免疫測定法を用いたインフルエンザウイルスの検出を例にとり説明する。
(1)金コロイド標識用抗A型インンフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(マウス)の作製及び精製
精製A型インフルエンザウイルス抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol.256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、A型インフルエンザウイルスNP抗原固相プレートを用いてインキュベーター中で37℃に維持した。その後、ELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からアフィニティクロマトグラフィー法によってIgGを精製した(クローン名8D2)。
精製A型インフルエンザウイルス抗原を免疫し、一定期間維持したBALB/cマウスから脾臓を摘出し、ケラーらの方法(Kohler et al., Nature, vol.256, p495-497(1975))によりマウスミエローマ細胞(P3×63)と融合した。得られた融合細胞(ハイブリドーマ)を、A型インフルエンザウイルスNP抗原固相プレートを用いてインキュベーター中で37℃に維持した。その後、ELISAにより上清の抗体活性を確認しながら細胞の純化(単クローン化)を行った。取得した該細胞株をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔投与し、約2週間後、抗体含有腹水を採取した。得られた腹水からアフィニティクロマトグラフィー法によってIgGを精製した(クローン名8D2)。
(2)固相用A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(マウス)の作製及び精製
上記(1)の方法と同様にして作製した(クローン名B40)。
上記(1)の方法と同様にして作製した(クローン名B40)。
(3)金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体の作製
9mLの金コロイド溶液(BBI社、濃度0.01(W/V)%の水溶液、pH7.1)に対して、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)を1mL加えpHを8.5に合わせた。上記(1)で精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名8D2)を2mMホウ酸緩衝液(pH9.1)で透析後、蒸留水で希釈し0.1mg/mLに調製した。この抗体1mLを上記金コロイド溶液に撹拌しながら滴下し5分間静置し結合させた。その後10%BSAを1mL加え10分間穏やかに攪拌した。つぎに遠心管へ全量移し5000gで30分間遠心し上清を吸引廃棄した。沈渣を5%のシュークロースを含む2mMホウ酸緩衝液(pH8.7)0.9mLで浮遊させた。
9mLの金コロイド溶液(BBI社、濃度0.01(W/V)%の水溶液、pH7.1)に対して、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)を1mL加えpHを8.5に合わせた。上記(1)で精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名8D2)を2mMホウ酸緩衝液(pH9.1)で透析後、蒸留水で希釈し0.1mg/mLに調製した。この抗体1mLを上記金コロイド溶液に撹拌しながら滴下し5分間静置し結合させた。その後10%BSAを1mL加え10分間穏やかに攪拌した。つぎに遠心管へ全量移し5000gで30分間遠心し上清を吸引廃棄した。沈渣を5%のシュークロースを含む2mMホウ酸緩衝液(pH8.7)0.9mLで浮遊させた。
(4)金コロイド含有乾燥パッドの作成
(3)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を蒸留水で10倍に希釈し、BioDot社XYZPlatfom Dispensing Systemを用いて、1.0cm2のパッドに10μLの金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を含浸させ、真空乾燥機にて30分間乾燥させた。その後、1cm×0.6cmに切断した。
(3)で作製した金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を蒸留水で10倍に希釈し、BioDot社XYZPlatfom Dispensing Systemを用いて、1.0cm2のパッドに10μLの金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体を含浸させ、真空乾燥機にて30分間乾燥させた。その後、1cm×0.6cmに切断した。
(5)フロースルー型アッセイ装置の組み立て
膜部材3aとしてSchleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブラン(孔径0.45μm)、スペーサー3bとしてワットマン社製F075−14、吸収体3cとしてワットマン社製CD427−07を重ね合わせ、下部デバイス1に設置し、上部デバイス2で閉じた。
膜部材3aとしてSchleicher&Schuell社製ニトロセルローストランスファーメンブラン(孔径0.45μm)、スペーサー3bとしてワットマン社製F075−14、吸収体3cとしてワットマン社製CD427−07を重ね合わせ、下部デバイス1に設置し、上部デバイス2で閉じた。
(6)膜部材3aへの固相
上記(5)で組み立てたフロースルー型アッセイ装置を上記実施例1に示した試薬の塗布方法により、(2)で作製・精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名B40)をクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.7)で希釈した液12μLを膜部材3aに塗布し、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行った。
上記(5)で組み立てたフロースルー型アッセイ装置を上記実施例1に示した試薬の塗布方法により、(2)で作製・精製した抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体(クローン名B40)をクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.7)で希釈した液12μLを膜部材3aに塗布し、45℃の乾燥室で40分間乾燥を行った。
(7)フロースルー型アッセイ装置の最終作製
サンプル(検体)と金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッドとの非特異的な凝集物を取りの除く為のゴミ取りフィルター10を、固定リング11を用いてアダプター7のアダプター開口部5に固定し、(6)で抗体を塗布済みのフロースルー型アッセイ装置の上部デバイス2へ装着した。その後、このフロースルー型アッセイ装置のアダプター開口部5へ金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッド(金コロイドパッド12)を挿入ガイド13に沿って挿入し1枚入れた。
サンプル(検体)と金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッドとの非特異的な凝集物を取りの除く為のゴミ取りフィルター10を、固定リング11を用いてアダプター7のアダプター開口部5に固定し、(6)で抗体を塗布済みのフロースルー型アッセイ装置の上部デバイス2へ装着した。その後、このフロースルー型アッセイ装置のアダプター開口部5へ金コロイド標識抗A型インフルエンザウイルスNPモノクローナル抗体パッド(金コロイドパッド12)を挿入ガイド13に沿って挿入し1枚入れた。
(8)検出方法
A型インフルエンザウイルスを含むと思われるサンプル(検体)を1%BSA,5%Triton−X100,150mMNaClを含む20mMホウ酸緩衝液(pH8.5)緩衝液0.5mLに浮遊させ、0.22μmのフィルターで濾過した後、フロースルー型アッセイ装置の上部アダプター7へ全量滴下した。サンプルが吸収体3cに全量吸収されたらアダプター7を上部デバイス2から外し膜部材3aへの着色の有無を判定した。膜部材3aが金コロイドの色(赤色)に着色していたら、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていた事になる。膜部材3aの色が白色のままであれば、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていなかった事になる。
A型インフルエンザウイルスを含むと思われるサンプル(検体)を1%BSA,5%Triton−X100,150mMNaClを含む20mMホウ酸緩衝液(pH8.5)緩衝液0.5mLに浮遊させ、0.22μmのフィルターで濾過した後、フロースルー型アッセイ装置の上部アダプター7へ全量滴下した。サンプルが吸収体3cに全量吸収されたらアダプター7を上部デバイス2から外し膜部材3aへの着色の有無を判定した。膜部材3aが金コロイドの色(赤色)に着色していたら、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていた事になる。膜部材3aの色が白色のままであれば、サンプル中にA型インフルエンザウイルスが含まれていなかった事になる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、開口部4を複数設けたフロースロー型アッセイ装置においては、開口部4の個数に合わせて塗布用治具20を複数個設け塗布するようにしてもよい。
3a 膜部材
20 塗布用治具
21 突出部
22 貫通穴
20 塗布用治具
21 突出部
22 貫通穴
Claims (2)
- フロースルー型アッセイ装置に備えられる検体試料中の被測定物を捕捉するための膜部材に対し、塗布用治具を用いて捕捉試薬を塗布する試薬の塗布方法において、前記塗布用治具に対して所定量の試薬を吐出する分注操作を、前記塗布用治具を前記膜部材に当接させる前と当接後に複数回に分けて行うことを特徴とする試薬の塗布方法。
- 前記分注操作を、前記塗布用治具を前記膜部材に当接させる前に1回行い、当接後に1回行うことを特徴とする請求項1記載の試薬の塗布方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022097627A1 (ja) * | 2020-11-05 | 2022-05-12 | 国立大学法人浜松医科大学 | イムノクロマト検査キットの製造方法 |
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WO2022097627A1 (ja) * | 2020-11-05 | 2022-05-12 | 国立大学法人浜松医科大学 | イムノクロマト検査キットの製造方法 |
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