JP2005060774A - 表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法 - Google Patents

表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱延鋼帯の表面欠陥除去で生じた欠陥除去痕によって製品鋼帯の表面品質を低下させることなく、優れた表面品質を有する鋼帯を安定して製造する。
【解決手段】 酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、欠陥検出装置下流側の欠陥除去装置により表面欠陥部を除去し、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において液温80℃以上の酸洗液で酸洗する。この酸洗において、鋼帯面の欠陥除去痕の表面肌を、酸洗の溶解作用によって非欠陥除去部のそれに近づけることができ、このため非欠陥除去部との肌差による製品鋼帯の外観ムラの発生が効果的に抑制され、また、鋼帯面の加工屑も酸洗ラインを通過する過程でほぼ完全に除去される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱延鋼帯の表層部に存在する製鋼性の介在物や疵などの表面欠陥に起因して発生する、冷延鋼帯やめっき鋼帯の表面欠陥を低減させるための鋼帯の製造方法に関するものである。
スラブから冷延鋼帯が得られるまでの通常の薄板製造プロセスでは、鋳造されたスラブを熱間圧延工程にて減厚して所定の板厚の熱延鋼帯とし、次いで、各々バッチ式の酸洗ラインと冷間圧延ラインにおいて、若しくは酸洗工程と冷間圧延工程とが連続化された酸洗・冷延連続ラインにおいて、まず、熱延鋼帯表面の酸化スケール層を酸洗(塩酸等の強酸による酸洗)で溶解除去し、しかる後、冷間での複数回の圧延パスを経て所定の板厚の冷延鋼帯に減厚される。また、用途によっては、冷延鋼帯に亜鉛めっき、錫めっきなどのめっき処理が施される。
上記のようにして製造される冷延鋼帯やめっき鋼帯には、鋳造スラブ自体に起因するもの、熱間圧延工程に起因するもの、酸洗、冷間圧延、表面処理などの工程に起因するものなど、様々な要因に基づく様々な形態の表面欠陥が発生する。このように発生要因が種々多様である表面欠陥に対し、根本的にはその発生要因を断つことが重要であるが、一方において、一旦発生した表面欠陥を冷間圧延以前のプロセスにおいて除去することができれば、それも有効な欠陥防止対策になり得る。従来、この種の欠陥防止対策として、例えば、以下のような方法が提案されている。
(a) 冷間圧延ラインの入側において、鋼帯に生じている表面欠陥、特にヘゲと呼ばれるラップ状の欠陥を検出し、この検出情報にもとづいてヘゲ部分のみをインラインで切削除去する方法(例えば、特許文献1参照)。この方法では、切削手段として切削バイト、フライス形式の回転式切削装置、超音波切削装置などを用い、冷間圧延機群の直前にて冷延原板の表層を数十〜数百ミクロン除去する。また、切削装置はボールネジ等を用いて幅方向送りを行うことにより、鋼帯全面について欠陥除去が可能であるとしている。また、鋼帯表面上に部分的に生成された切削痕は、その直後の冷間圧延工程での減厚により完全に消去するとしている。
(b) バッチ式の酸洗ラインの酸洗槽出側において、鋼帯の表裏面の疵の位置と大きさを検出してその情報を記憶し、その後、バッチ式の冷間圧延ラインの圧延機入側において、前記検出疵情報に基づいて表面疵を除去する方法(例えば、特許文献2参照)。
(c) 冷間圧延機の入側において、前工程である酸洗工程で生成した変色部をセンサーで検出し、この検出情報に基づき、研削ロール等の研削装置を用いて変色部を研削除去する方法(例えば、特許文献3参照)。この方法では、変色部を研削除去するに当たって、健全部から変色部に向けての研削量と変色部から健全部に向けての研削量を、それぞれ漸増、漸減させることにより、研削部に起因した冷間圧延後の板厚変動はほとんどなくなるとしている。また、研削手段に付随してリンス槽、ドライヤー設備などの特別な処理設備を設け、研削によって生成した研削粉を鋼帯面から除去する処理を行っている。
特開2001−191206号公報 特開昭61−219403号公報 特開平6−15338号公報
しかし、本発明者らが検討したところによれば、上記の従来技術には次のような問題があることが判った。
(1) 欠陥除去により生じる切削或いは研削痕の問題
上記従来技術は、冷間圧延の直前で表面欠陥の除去を行うという点で共通しているが、これら従来技術では、欠陥除去部において切削や研削により生じた痕跡(以下、「欠陥除去痕」という)、すなわち微小な窪み状の痕跡は、冷間圧延における減厚により消滅することを前提としているものと考えられ(特許文献1,3にはその旨の記載がある)、欠陥除去痕が製品鋼帯の表面品質に何らかの影響を与える可能性については、何も考慮していない。
しかし、本発明者らが実験により確認したところによれば、従来技術の方法によって板厚方向の比較的深い位置にある欠陥を除去した際に生じる欠陥除去痕は、その後の冷間圧延でも完全には消失せず、冷間圧延した後も非欠陥除去部との表面肌の違い(板厚の微妙な違いによる肌差)となって残り、これが製品鋼帯の板面に外観ムラを生じさせることが判った。また、冷延鋼帯をめっき処理して得られるめっき鋼帯の場合も、めっき後に行われる調質圧延において、上記表面肌の違いにより圧下ムラが発生し、製品の外観ムラの発生が避けられないことが判った。
(2) 欠陥除去により生じる加工屑の問題
上述したように従来技術は、冷間圧延の直前で表面欠陥の除去を行うものであるが、これら従来技術のうち特許文献1、2は、表面欠陥部の切削や研削などにより生じる加工屑の除去については特段の配慮はしていない。一方、特許文献3には、変色部を研削処理した後の鋼帯をリンス槽に通すことによって、鋼帯面から研削粉を除去することが示されている。そこで、本発明者らは、従来技術のように冷間圧延の直前で表面欠陥の除去を行う方法において、鋼帯面からの加工屑の積極的な除去を行わない場合について、加工屑が製品の表面品質に及ぼす影響について検討を行った。その結果、鋼帯面から加工屑を完全に除去しないと、鋼帯面に残存した加工屑が製品の表面品質に大きな影響を与えることが確認できた。すなわち、鋼帯面に残存した加工屑は圧延ロールに噛み込まれ、その部分の鋼帯表面に表面疵を生じさせるだけでなく、圧延ロール面への押し込みや局所的な面圧上昇による焼き付き現象によってロール面に疵が生じ、このロール面の疵が鋼帯表面に転写されることにより、冷延鋼帯コイル全長に疵が発生して冷延鋼帯の表面品質を著しく低下させることが判った。したがって、冷間圧延の直前で表面欠陥の除去を行う従来技術の方法では、特許文献3のように、欠陥除去設備と冷間圧延設備の間に加工屑を鋼帯面から完全に除去するための特別な処理設備(洗浄槽など)を設置することが不可欠あり、このため設備コストの大幅な増加を余儀なくされるという問題がある。
(3) 欠陥除去対象の選択の問題
従来技術において全く考慮されていない課題として、除去対象とすべき表面欠陥の選択という問題があり、本発明者らはこの問題について検討を行い、以下のような結論を得た。本発明が除去対象とする主たる表面欠陥は、冷間圧延後或いはめっき処理後に品質上問題となるヘゲ疵やスリ疵等である。これらの表面欠陥のうち、軽微なものは冷間圧延時の減厚により消去されるが、深いもの或いは程度の悪いものは冷間圧延では消去されずに欠陥として残存することがある。このことから、冷間圧延において消滅するような軽微なスリ疵等は欠陥除去装置で除去する必要はなく、冷間圧延後にも残存してしまうような欠陥だけを除去すればよいことになる。
また、熱延鋼帯表面のスリ疵は、コイル搬送中の微小な振動により発生するものが多く、特に振動等により鋼帯面どうしのずれが生じ易いコイル先端部と尾端部にスリ疵が多発しやすい。しかし、このようにスリ疵が多発するコイル部分について、欠陥検出装置で検出された全ての表面欠陥を、その欠陥毎に部分的に除去することは事実上困難であり、このような観点からも除去すべき表面欠陥を適切に選択する必要がある。
また、ヘゲ疵は熱延鋼帯の表層下数十μm、深いものでは百μm以上の位置に、製鋼性の介在物や酸化スケール等の異物がラップ状に噛み込まれることにより生成しているものが多く、このような欠陥は、めっき処理鋼帯、特に亜鉛めっき鋼帯を合金化処理した際に線状のめっきムラとして顕在化する。しかしながら、深さ百μm以上の位置に存在する異物が合金化処理においてめっきムラとして顕在化するか否かは異物の量や質、形態などにも依存するため、必ずしも全ての異物を除去する必要がある訳ではない。
このように、熱延鋼帯の表面欠陥は、その全てを除去しなければならなものではなく、逆に、本来除去する必要がない表面欠陥を除去することは、欠陥除去手段の消耗を不必要に早めることになり、経済性を損なう結果となる。また、深さ百μm以上の位置に存在する異物を除去するためには、それ以上の深さの除去加工を行う必要があるが、このような深い位置に存在する異物を、上述したような除去する必要のないものまで含めて全て除去することは、加工深さの大きい欠陥除去部を無用に増大させることになり、そのような欠陥除去部自体が鋼帯の表面品質に悪影響を及ぼす恐れさえある。しかし、上記従来技術では、以上のような除去すべき表面欠陥の選択については全く考慮されていない。
したがって本発明の目的は、熱延鋼帯の表面欠陥を除去することにより生じる欠陥除去痕によって、製品鋼帯(冷延鋼帯またはめっき鋼帯)の表面品質が低下することがなく、かつ表面欠陥除去により生じた加工屑によって製品鋼帯の表面に疵などが生じることがなく、優れた表面品質を有する製品鋼帯を安定して製造することができる、鋼帯の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、製品鋼帯の表面品質を低下させる表面欠陥のみを選択的に除去することにより、欠陥除去部の無用な増加による製品鋼帯の表面品質の低下や欠陥除去手段の無用な消耗を防止し、優れた表面品質を有する製品鋼帯を安定して製造することができる、鋼帯の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来技術では考慮していない、或いは解決することができなかった上記(a)〜(c)の課題を解決するための手段について詳細な検討を行い、その結果、以下のような知見を得た。
まず、上記(a),(b)の点について、次のような知見を得た。熱延鋼帯を冷間圧延する場合、冷間圧延に先だって鋼帯表面の酸化スケール層を除去する必要があり、一般にそのための設備として、酸化スケール層を酸で溶解除去する酸洗設備が用いられている。本発明者らは、このような酸洗工程において鋼帯面に及ぼされる溶解・浄化作用に着目し、従来技術のように冷間圧延工程の直前で熱延鋼帯の表面欠陥除去を行うのではなく、その前工程である酸洗工程の入側で表面欠陥除去を行い、鋼帯面の欠陥除去痕の無害化と鋼帯面からの加工屑の除去を、酸洗自体の作用によってなさしめるという着想を得た。そして、このような着想に基づき検討を進めた結果、酸洗工程において特定の条件で酸洗処理を行うことにより、(1)鋼帯面に生じた欠陥除去痕の表面肌を、酸洗の溶解作用によって非欠陥除去部のそれに近づけることができ、非欠陥除去部との肌差による製品鋼帯の外観ムラの発生が効果的に抑制されること、また、(2)鋼帯面の加工屑も酸洗ラインを通過する過程でほぼ完全に除去されることが判った。
次に、上記(c)の点については、欠陥検出装置の出力に基づいて欠陥形態を判別することが可能であり、検出された表面欠陥のなかから、製品鋼帯の表面品質を確保するために除去が必要な表面欠陥だけを選別できることが判った。したがって、この選別に基づいて欠陥除去装置による表面欠陥除去を行うことにより、無用な表面欠陥除去を行うことなく、表面品質の優れた製品鋼帯を効率的且つ経済的に製造することができる。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 熱延鋼帯を酸洗ラインで酸洗した後、冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき処理鋼帯を製造する、鋼帯の製造方法において、
熱延鋼帯が連続通板する前記酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置により前記表面欠陥部を除去し、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において液温80℃以上の酸洗液で酸洗することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[2] 上記[1]の製造方法において、酸洗槽入側に設置されたブライドルロール装置を構成する入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(但し、入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[3] 上記[2]の製造方法において、酸洗槽入側に設置されたブライドルロール装置を構成するブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行うことを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[5] 熱延鋼帯を冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき鋼帯を製造する、鋼帯の製造方法において、
熱延鋼帯が連続通板する任意のラインにおいて、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置により前記表面欠陥部を除去するに際し、前記欠陥検出装置で検出された表面欠陥部のうち、欠陥検出装置の出力をもとに予め設定された欠陥除去判定レベル以上の表面欠陥部のみを選択的に除去することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[6] 上記[5]の製造方法において、欠陥除去装置による欠陥除去深さに上限を設定して表面欠陥部の除去を行うか、又は除去対象とする表面欠陥部の深さに上限を設定し、該上限を超える深さの表面欠陥部の除去を行わないことを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[7] 上記[5]又は[6]の製造方法において、欠陥除去判定レベルを、鋼種毎又は鋼種及び鋼帯品種毎に設定することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[8] 上記[5]〜[7]のいずれかの製造方法において、冷間圧延後、製品鋼帯コイルとなる前の段階の任意のラインにおいて、第2の欠陥検出装置により鋼帯の表面欠陥を検出し、この検出結果に基づき、欠陥除去判定レベルの更新を行うことを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[9] 上記[5]〜[8]のいずれかの製造方法において、熱延鋼帯が連続通板する酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置による表面欠陥検出と、その欠陥検出信号に基づく欠陥除去装置による表面欠陥除去を行い、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽で酸洗することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[10] 上記[9]の製造方法において、ブライドルロール装置を構成する入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(但し、入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[11] 上記[10]の製造方法において、ブライドルロール装置を構成するブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
[12] 上記[5]〜[11]のいずれかの製造方法において、鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行うことを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
上記[1]〜[4]に記載の本発明の第1の製造方法によれば、熱延鋼帯の表面欠陥を除去することにより生じる欠陥除去痕によって、製品鋼帯の表面品質が低下することがなく、かつ表面欠陥除去により生じた加工屑によって製品鋼帯の表面に疵などが生じることがなく、優れた表面品質を有する製品鋼帯を安定して製造することができる。
また、上記[5]〜[12]に記載の本発明の第2の製造方法によれば、製品鋼帯の表面品質を低下させる表面欠陥のみを選択的に除去することにより、欠陥除去部の無用な増加による製品鋼帯の表面品質の低下や欠陥除去手段の無用な消耗を防止し、優れた表面品質を有する製品鋼帯を安定して製造することができる。
本発明法では、鋼帯の地鉄表面に露出した欠陥部だけの検出及び除去を行う場合と、鋼帯の地鉄表面に露出した欠陥部だけでなく、鋼帯の地鉄表面に露出することなく地鉄表層部中に存在する欠陥部を含めた鋼帯地鉄表面−表層部に存在する欠陥部の検出及び除去を行う場合とがあり、したがって、本発明法において検出及び除去される熱延鋼帯の“表面欠陥部”とは、「鋼帯の地鉄表面に露出した欠陥部」又は「鋼帯の地鉄表面に露出した欠陥部と、鋼帯の地鉄表面に露出することなく地鉄表層部中に存在する欠陥部とを含めた鋼帯地鉄表面−表層部に存在する欠陥部」を意味するものとする。
まず、本発明の第1の鋼帯の製造方法について説明する。この製造方法では、熱延鋼帯を酸洗ラインで酸洗した後、冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき鋼帯を製造するに際し、熱延鋼帯が連続通板する前記酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を除去し、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において液温80℃以上の酸洗液で酸洗する。
すでに述べたように、従来技術のように酸洗後、冷間圧延の直前で熱延鋼帯の表面欠陥除去を行った場合には、比較的深い位置にある欠陥の除去により生じた欠陥除去痕は冷間圧延でも完全には消失せず、このため冷間圧延した後も非欠陥除去部との表面肌の違いとなって残り、これが製品鋼帯の板面に外観ムラを生じさせる。また、従来技術では、特別な設備を設けて鋼帯面から欠陥除去による加工屑を完全に除去しないと、鋼帯面に残存した加工屑が圧延ロールに噛み込まれて鋼帯表面に表面疵を生じさせたり、ロール面に疵を生じさせこの疵が鋼帯表面に転写されることにより鋼帯面に疵を生じさせる。
これに対して本発明では、酸洗ラインの酸洗槽入側において熱延鋼帯の表面欠陥除去が行われ、しかる後、この熱延鋼帯が酸洗槽で特定の条件で酸洗されることにより、欠陥除去痕の表面肌の改質(欠陥除去痕の無害化)と、欠陥除去により生じた加工屑の鋼帯面からの除去が確実になされ、この結果、欠陥除去痕の残存による外観ムラがなく、しかも加工屑に起因した疵などを生じない優れた表面品質の製品鋼帯を安定的に得ることができる。すなわち、鋼帯面の欠陥除去痕が酸洗の溶解作用を受けるため、その表面肌を非欠陥除去部とのそれに近づけることができ、非欠陥除去部との肌差による外観ムラの発生を抑制することができ、しかも、鋼帯面の加工屑も酸洗ラインを通過する過程でほぼ完全に除去することができ、また、欠陥除去の際に使用される冷却・潤滑剤なども、この酸洗ラインにおいて除去される。酸洗設備は、熱延鋼帯を冷間圧延する前に鋼帯面の酸化スケール層を溶解除去するために設置されるもので、熱延鋼帯を冷間圧延する設備ではほぼ必須の設備である。したがって、本発明は特別な設備を設置することなく、酸洗設備という既存の設備を用いて特定条件の酸洗処理を行うことにより、上記従来技術では解消できなかった課題(上述した(a),(b)の課題)を解決することができる。
本発明では、表面欠陥が除去された熱延鋼帯の酸洗を液温80℃以上の条件で行う必要がある。酸洗液の液温が80℃未満では、鋼帯面の欠陥除去痕に対する溶解作用が十分でなく、非欠陥除去部との肌差による外観ムラの発生抑制効果が十分に得られない。なお、液温の上限は特に限定しないが、液温を95℃より高くしても鋼帯面の欠陥除去痕に対する溶解作用は飽和するため、液温を高温に保持するための蒸気などの原単位の低減の観点から、液温は95℃以下とすることが好ましい。
酸洗は、一般に塩酸系の酸洗液を用い、複数の塩酸槽にて行われる。各塩酸槽の塩酸濃度は、酸洗液を循環させるために異なる場合が多いが、その最も濃度の高い槽の塩酸濃度が6%以上であることが好ましい。全ての塩酸槽の塩酸濃度が6%未満では、鋼帯面の欠陥除去痕に対する溶解作用が十分ではないためである。一方、塩酸濃度を11%より高くしても鋼帯面の欠陥除去痕に対する溶解作用は飽和するため、塩酸原単位低減の観点から、塩酸濃度は11%以下とすることがさらに好ましい。
なお、酸洗液としては、前記したように塩酸系の酸洗液が一般的であるが、硫酸系の酸洗液を用いることもできる。
本発明の製造方法は、熱延鋼帯を各々バッチ式の酸洗ラインと冷間圧延ラインにおいて酸洗及び冷間圧延する場合、酸洗工程と冷間圧延工程が連続化された酸洗・冷延連続ラインで酸洗及び冷間圧延する場合のいずれにも適用することができる。
図1は、本発明法の一実施形態を示すものであり、この例は、バッチ式の酸洗ラインにおいて、酸洗槽5の入側に、上流側から順に欠陥検出装置1と欠陥除去装置2を配置し、表面欠陥の検出と除去を行うようにしたものである。その他、図において、3は欠陥除去判定装置、4は欠陥除去装置の制御装置、8はペイオフリール、9は巻取リール、10はトラッキングロールである。
前記欠陥検出装置1の検出方式には特別な制限はなく、光学方式や画像処理方式でもよいが、熱延鋼帯の表層下に存在するヘゲ疵等を確実に検出するという面で、渦流方式、漏洩磁束方式などの磁気方式のセンサーが望ましい。この欠陥検出装置1は、鋼帯7の両面の表面欠陥を検出できるよう、連続通板する鋼帯両面に対向して配置される。
前記欠陥除去装置2の欠陥除去手段に特別な制限はなく、例えば、研削砥石、切削バイト、研削ブラシ、フライス形式の回転式切削刃、超音波切削装置、アブレシブジェット(金属粉などの微小固体粉を含む高速・高圧水の噴射による研削手段)など、任意の手段を用いることができ、また、異なる種類の欠陥除去手段を組み合わせて使用してもよいが、加工能率の面では研削砥石または切削バイトが有利である。
欠陥除去手段は、欠陥除去に必要な切り込み深さが確保でき、かつ欠陥除去部の表面粗さがなるべく小さいことが望ましい。このため、例えば、欠陥除去手段として研削砥石を用いる場合には、上記の観点から砥粒粒度、砥粒密度、結合材種、結合度などが適宜最適化されるが、一般に研削加工では研削深さを深くすると研削面粗さが粗くなる傾向があるので、最終製品に求められる仕様に応じ、異なる種類の研削砥石による多段研削や、研削砥石と他の欠陥除去手段による多段での欠陥除去を行ってもよい。また、欠陥除去深さの制御は、例えば研削砥石の場合は、予め求めてある除去深さと研削砥石の押付荷重(押付力)との関係にしたがい、押付荷重が一定となるような制御を行えばよい。
欠陥除去手段は、連続通板する鋼帯の表面に局部的に存在する表面欠陥部を研削又は切削により部分的に除去するものであるため、鋼帯面に対して接離可能(鋼帯面に直交する方向で移動可能)であるとともに鋼帯幅方向で移動可能であり、さらに好ましくは、表面欠陥の深さに対応するため、鋼帯厚さ方向での押し込み量の調整が可能となっている。
図1の実施形態では、ペイオフリール8から繰り出された熱延鋼帯7の表面欠陥部が欠陥検出装置1で検出され、その欠陥検出信号に基づき欠陥除去装置2において表面欠陥部の除去が行われる。この際、欠陥除去装置2の欠陥除去手段は、欠陥除去装置2からの表面欠陥部の位置情報(鋼帯幅方向での位置情報)に基づき、除去すべき表面欠陥部の鋼帯幅方向位置に応じて鋼帯幅方向で移動するとともに、トラッキングロール10により表面欠陥部の鋼帯搬送方向位置が検出されているので、トラッキングロール10の出力に基づく動作タイミングで鋼帯面に作用(研削、切削など)し、表面欠陥部の除去を行う。
なお、本実施形態では、上述したような欠陥検出装置1による欠陥検出から欠陥除去装置2による欠陥除去までの制御は、欠陥除去判定装置3と制御装置4を通じて行われるが、これについては、後述する本発明の第2の方法に関して詳しく説明する。
欠陥除去装置2により表面欠陥部が除去された熱延鋼帯7は、酸洗槽5に導入されて特定の条件で酸洗され、この工程において、先に述べたような欠陥除去部の表面肌の改質(欠陥除去痕の無害化)と加工屑の鋼帯面からの除去がなされる。酸洗層5から出た熱延鋼帯7は、コイラー9に巻き取られた後、次工程である冷間圧延ラインに送られ、そこで所定の厚さまで圧延され、冷延鋼帯が得られる。また、場合によって、この冷延鋼帯にはめっき処理が施され、めっき鋼帯が製造される。
図2は、本発明法の他の実施形態を示すものであり、この例は、酸洗設備と冷間圧延設備が連続して設けられた連続製造ライン(酸洗・冷延連続ライン)において、酸洗槽5の入側に、上流側から順に欠陥検出装置1と欠陥除去装置2を配置し、表面欠陥の検出と除去を行うようにしたものである。図において、6は酸洗槽5の下流側に設置された冷間圧延機群であり、その他の構成は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、この実施形態における欠陥検出装置1と欠陥除去装置2の構成及び機能、表面欠陥が除去された熱延鋼帯7が酸洗槽5で酸洗されることによる作用効果なども、図1の実施形態と同様である。この実施形態では、酸洗槽5を出た熱延鋼帯7はそのまま冷間圧延機群6で圧延され、冷延鋼帯が製造される。また、場合によって、この冷延鋼帯にはめっき処理が施され、めっき鋼帯が製造される。
欠陥検出装置による表面欠陥部を検出と、これに基づく欠陥除去装置による表面欠陥部の除去は、酸洗槽入側の任意の位置で行うことができるが、特に、鋼帯に張力を付与するためのブライドルロール装置を酸洗槽入側に有するラインにおいて行われることが好ましい。このようなブライドルロール装置が設けられたラインでは、鋼帯に適度な張力が付与されているため、板形状不良などによる板面の変動が小さく、表面欠陥の検出や除去を高精度に安定して行うことができる利点がある。
また、複数のブライドルロールからなるブライドルロール装置内の鋼帯部分は、板形状不良や振動などによる板面の変動が特に小さい。このためブライドルロール装置内で表面欠陥検出と表面欠陥除去を行うこと、すなわち、酸洗槽入側に設置されたブライドルロール装置の入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を実施することにより、板形状不良や振動などによる板面の変動の影響を受けることなく、表面欠陥検出と表面欠陥除去を高精度且つ安定的に行うことができる。
さらに、ブライドルロール装置内では、鋼帯はブライドルロール装置を構成する複数のブライドルロールに対して表裏面が交互に巻き付いた状態で通板するが、この各ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分は板形状不良や振動などによる板面の変動が最も小さく、したがって、この鋼帯部分に対して表面欠陥の検出と除去を実施することにより、それらを特に高精度且つ安定的に行うことができ、しかも、鋼帯表裏面に対して欠陥検出装置や欠陥除去装置の配置がしやすく、且つ加工屑の処理もしやすいなどの利点もある。
図3は、酸洗槽入側に設けられたブライドルロール装置11の位置に欠陥検出装置1と欠陥除去装置2を配置した場合の一実施形態を示している。なお、この実施形態は、欠陥除去装置2の欠陥除去手段として研削砥石12を用いたものである。
本実施形態のブライドルロール装置11は4ロール式であり、熱延鋼帯7は4本のブライドルロール110a〜110dに対して表裏面が交互に巻き付いた状態で通板する。鋼帯表裏面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1a,1b(検出センサ)は、上流側の2本のブライドルロール110a,110bに各々対向して配置され、ブライドルロール110a,110bに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯の表裏面)の表面欠陥を検出する。
一方、欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12a,12bは、下流側の2本のブライドルロール110c,110dの側方位置においてロールに各々対向して配置され、上記欠陥検出装置1a,1bによる欠陥検出に基づいて、ブライドルロール110c,110dに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯の表裏面)の表面欠陥部を研削除去する。この研削砥石12a,12bは、移動機構(押し込み機構)によりブライドルロール110c,110d方向に対して進退可能であり、除去すべき表面欠陥部がある鋼帯部分が通板してきた際にブライドルロール110c,110d方向に移動し、表面欠陥部の部分的な研削除去を行う。なお、研削砥石12a,12bの鋼帯幅方向での移動・位置調整機構については後述する(図8の説明)。
研削砥石12a,12bは、鋼帯7に接する研削部位が下向きの回転方向となるように回転駆動されるとともに、その研削部位の下方には加工屑(研削屑)を受けるための屑受15が設けられている。このようにすることにより、研削砥石12a,12bによる研削で発生する加工屑14は砥石研削部の下方に落下し、この加工屑14を屑受15で容易に回収することができ、加工屑14の鋼帯面や周辺設備への飛散、付着を防ぐことができる。
図4は、他の実施形態を示すもので、ブライドルロール装置11の位置に欠陥検出装置1と欠陥除去装置2を配置し、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行う点は図3の実施形態と同様であるが、欠陥除去手段として切削バイト13a,13bを用いたものである。この切削バイト13a,13bの配置を含めたその他の構成は、図3に示す実施形態と同様である。また、この実施形態でも切削バイト13a,13bによる切削位置の下方には屑受15が設置され、切削バイト13a,13bによる切削で発生した加工屑14が屑受15で回収され、加工屑14の鋼帯面や周辺設備への飛散、付着が防止されるようになっている。なお、切削バイト13a,13bには、加工屑14が細かいピッチで破断し、かつ一定の方向に飛散するようにチップブレーカーが付設されることが好ましい。
ブライドルロール装置において、ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行う形態は任意であり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図3及び図4に示すような4ロール式のブライドルロール装置11において、入側の2本のブライドルロール又は出側の2本のブライドルロールの位置で表面欠陥検出と表面欠陥除去を行ってもよい。図5はその一実施形態を示すもので、ブライドルロール装置11の入側の2本のブライドルロール110a,110bに巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行う場合を示している。
この実施形態では、鋼帯おもて面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1a(検出センサ)と欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12aが、ブライドルロール装置11の入側の第1のブライドルロール110aに各々対向して順次配置され、欠陥検出装置1aによりブライドルロール110aに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯のおもて面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、直ちに研削砥石12aが表面欠陥部を研削除去する。また、鋼帯裏面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1b(検出センサ)と欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12bが、第2のブライドルロール110bに各々対向して順次配置され、欠陥検出装置1bによりブライドルロール110bに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯の裏面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、直ちに研削砥石12bが表面欠陥部を研削除去する。
また、3ロール方式や2ロール方式のブライドルロール装置のロールに巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行ってもよい。
図6は、3ロール方式のブライドルロール装置11のロールに巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行う場合を示している。この実施形態では、鋼帯おもて面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1a(検出センサ)がブライドルロール装置11の第1のブライドルロール110aに、欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12aが第3のブライドルロール110cに各々対向して配置され、欠陥検出装置1aによりブライドルロール110aに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯のおもて面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、ブライドルロール110cに巻き付いた鋼帯部分について研削砥石12aが表面欠陥部を研削除去する。また、鋼帯裏面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1b(検出センサ)と欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12bが第2のブライドルロール110bに各々対向して順次配置され、欠陥検出装置1bによりブライドルロール110bに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯の裏面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、直ちに研削砥石12bが表面欠陥部を研削除去する。
図7は、2ロール方式のブライドルロール装置11のロールに巻き付いた鋼帯部分に対して表面欠陥検出と表面欠陥除去を行う場合を示している。この実施形態では、鋼帯おもて面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1a(検出センサ)と欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12aが、ブライドルロール装置11の第1のブライドルロール110aに各々対向して順次配置され、欠陥検出装置1aによりブライドルロール110aに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯のおもて面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、直ちに研削砥石12aが表面欠陥部を研削除去する。また、鋼帯裏面の表面欠陥を検出するための欠陥検出装置1b(検出センサ)と欠陥除去装置2の欠陥除去手段である研削砥石12bが、第2のブライドルロール110bに各々対向して順次配置され、欠陥検出装置1bによりブライドルロール110bに巻き付いた鋼帯部分(鋼帯の裏面)の表面欠陥を検出し、その検出に基づき、直ちに研削砥石12bが表面欠陥部を研削除去する。
図3〜図7は、表面欠陥検出と表面欠陥除去をブライドルロール装置11を構成するブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分に対して実施するものであり、この方法が表面欠陥検出と表面欠陥除去を最も高精度且つ安定的に行うことができるが、場合によっては、ブライドルロール装置を構成するブライドルロール間の鋼帯部分に対して表面欠陥検出及び/又は表面欠陥除去を行ってもよい。
なお、酸洗槽入側においてブライドルロール装置11が複数基設置されている場合には、ライン上流側のブライドルロール装置11内で欠陥検出装置1による表面欠陥の検出(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の検出)を行い、次いで、下流側のブライドルロール装置11内で欠陥除去装置2による表面欠陥の除去(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の除去)を行ってもよい。また、ライン上流側のブライドルロール装置11内で、熱延鋼帯のおもて面側又は裏面側について欠陥検出装置1による表面欠陥の検出(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の検出)と欠陥除去装置2による表面欠陥の除去(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の除去)を行い、次いで、下流側のブライドルロール装置11内で、熱延鋼帯の反対側の面について欠陥検出装置1による表面欠陥の検出(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の検出)と欠陥除去装置2による表面欠陥の除去(好ましくは、ブライドルロール110に巻き付いた鋼帯部分の表面欠陥の除去)を行ってもよい。これらの実施形態は、いずれも本発明法に含まれる。
図8は、図3〜図7の実施形態における欠陥除去装置2の平面図である。この欠陥除去装置2は、鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な研削砥石12又は切削バイト13(以下、ここでは「欠陥除去手段」という)を複数基備え、表面欠陥除去を鋼帯幅方向でこれら複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行えるようにしてある。この実施形態では、欠陥除去装置2は鋼帯幅方向で4つのセクションに分割され、各セクションに欠陥除去手段が備えられている。これら各欠陥除去手段は、各セクション内において鋼帯幅方向移動(横行移動)可能であり、駆動手段により移動する。このように鋼帯幅方向で複数基の欠陥除去手段を設け、各欠陥除去手段の鋼帯幅方向での移動距離を短くすることにより、連続通板する鋼帯面の表面欠陥の除去を確実かつ効率的に行うことができる。
通常、冷延鋼帯の板幅は最大でも2000mm程度であり、したがって、本実施形態のように欠陥除去装置2を鋼帯幅方向で4セクション程度に分割し、各々のセクションに欠陥除去手段を設置すれば、1つの欠陥除去手段は鋼帯幅方向で最大500mm程度の範囲で横行移動すればよく、効率的かつ確実な欠陥除去を行うことができる。欠陥除去装置2を鋼帯幅方向に幾つのセクションに分割するかは、表面欠陥の発生頻度、ライン速度、欠陥除去手段の鋼帯幅方向での送り速度、欠陥検出装置と欠陥除去装置間の距離などを勘案して決めればよい。
各欠陥除去手段の鋼帯幅方向での移動機構(横行機構)は任意であり、例えば、横行用ボールネジとこれを回転させるモータなどからなる公知の機構等、適宜な機構を用いることができる。また、欠陥除去手段を鋼帯面に対し接離(移動)させるための機構も任意であり、例えば、欠陥除去手段をその横行機構ごとシリンダ装置で保持し、このシリンダ装置を駆動手段として欠陥除去手段を鋼帯面に対して接離動作させるような機構等、適宜な機構を用いることができる。
上記複数基の欠陥除去手段の鋼帯幅方向での移動や、鋼帯面方向への移動は、制御装置4(図1及び図2)により各々独立して制御され、これにより鋼帯面のどの位置の表面欠陥部であっても容易に除去することができる。すなわち、欠陥検出装置1の欠陥検知信号に基づいて、鋼帯幅方向における欠陥位置に相当するセクションの欠陥除去手段を鋼帯幅方向で欠陥位置まで移動させ、次いで欠陥除去手段を鋼帯面方向に移動させることにより、表面欠陥部の除去を容易に行うことができる。
次に、本発明の第2の方法について説明する。この製造方法では、熱延鋼帯を冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき鋼帯を製造するに際し、熱延鋼帯が連続通板する任意のラインにおいて、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置により前記表面欠陥部を除去し、その際、前記欠陥検出装置で検出された表面欠陥部のうち、欠陥検出装置の出力をもとに予め設定された欠陥除去判定レベル以上の表面欠陥部のみを選択的に除去する。
表面欠陥部を検出した際の欠陥検出装置の出力は表面欠陥部の形状、密度(主に介在物系欠陥の密度)、大きさ、深さなどによって異なることから、その欠陥検出装置の出力に基づき、検出された表面欠陥部のなかから除去すべき欠陥を判別することができる。このため本発明では、欠陥検出装置の欠陥検出信号の出力について欠陥除去判定レベルを予め設定し、欠陥検出装置の出力が上記欠陥除去判定レベル以上である表面欠陥部のみを選択的に除去するようにしたものである。
図1及び図2の構成はすでに述べたとおりであるが、本発明法によれば、欠陥検出装置1の欠陥検出信号は欠陥除去判定装置3に取り込まれ、ここで予め設定された欠陥除去判定レベル(出力の基準値)と比較されて除去を行うか否かの判定がなされ、欠陥除去を行う場合には欠陥検出信号が制御装置4に送られ、欠陥除去装置2による欠陥除去が行われる。
欠陥除去装置2の欠陥除去手段は、欠陥検出装置1からの表面欠陥部の位置情報(鋼帯幅方向での位置情報)に基づき、除去すべき表面欠陥部の鋼帯幅方向位置に応じて鋼帯幅方向で移動するとともに、トラッキングロール10により表面欠陥部の鋼帯搬送方向位置が検出されているので、トラッキングロール10の出力に基づく動作タイミングで鋼帯面に作用(研削、切削など)し、表面欠陥部の除去を行う。
欠陥検出装置1の検出方式は特に限定しないが、熱延鋼帯の表層下に存在するヘゲ疵などを適切に検出し、かつ検出された表面欠陥部のなかから除去すべき欠陥を選別するという面で、渦流方式、漏洩磁束方式などの磁気方式のセンサーが望ましい。すなわち、これら磁気方式のセンサーを用いた場合には、欠陥の形状、密度、大きさ、深さなどに応じた検出出力が得られ、極表層近辺の軽微なスリ疵や表層から深い位置にある軽微な異物についても、適切な出力処理により判別が可能である。
欠陥検出装置1から出力された欠陥検出信号は欠陥除去判定装置3に取り込まれ、ここでフィルタリング、積分処理などの必要な出力処理がなされた後、欠陥除去判定レベル(出力の基準値)との比較が行われる。図9に欠陥検出装置1からの欠陥検出信号の信号波形の一例を示す。図9において、程度が悪いスリ疵又はヘゲ疵として示されている欠陥部は、欠陥がラップ状となっているものや、鋼帯表面に介在物が露出したものであり、これらの欠陥部は冷間圧延時の減厚によっても消去されず、製品鋼帯の表面品質を劣化させる。一方、程度の軽いスリ疵又はヘゲ疵として示されている欠陥部は、冷間圧延時の減厚によって消去されるような鋼帯表層に近い軽微なスリ疵、深い位置にあっても製品鋼帯の表面品質に影響しない軽微なヘゲ疵などである。図10に、欠陥除去判定装置3おいて積分処理等の出力処理(信号処理)された後の信号波形の一例を示す。欠陥除去判定装置3では、このような出力処理後の欠陥検出信号を欠陥除去判定レベル(基準値)と比較し、欠陥除去判定レベル以上の欠陥検出信号について除去を行うという判定がなされ、その欠陥検出信号が制御装置4に送られ、欠陥除去装置2による欠陥除去が実行される。
欠陥除去装置2による欠陥除去の方法は先に述べたとおりであるが、欠陥除去手段による欠陥除去深さは、(a)欠陥検知の出力に応じて欠陥除去深さを変えて欠陥除去を行う、(b)へゲ疵深さ、スリ疵深さを統計的に整理して大部分の欠陥を除去できる除去深さを予め設定しておき、この設定除去深さで欠陥除去を行う、のいずれでもよい。
本発明では、欠陥除去深さに上限を設定して表面欠陥部の除去を行うか、又は除去対象とする表面欠陥部の深さに上限を設定し、この上限を超える深さの表面欠陥部の除去を行わないようにすることもできる。欠陥除去深さがあまりに深すぎると、本発明においても欠陥除去痕を酸洗処理及び冷間圧延で完全に解消することができず、先に述べたような製品鋼帯の外観ムラを生じさせる恐れがある。さらに、極端な場合には、欠陥除去部の板厚と非欠陥除去部の板厚との差によって、冷間圧延中に欠陥除去部とその周辺の非欠陥除去部との間に伸び変形差が生じ、欠陥除去部に大きな引張り応力が作用して亀裂が発生し、この亀裂が圧延機間張力等により拡大して鋼帯破断を起こす恐れもある。このため、欠陥除去装置2による欠陥除去深さに予め上限を設定しておき、この設定値を超える深さの表面欠陥が検出された場合でも、その上限内の除去深さで欠陥除去を行うか(この場合は、欠陥の一部又は全部が除去されずに残る)、或いは除去対象とする表面欠陥部の深さに予め上限を設定しておき、この上限を超える深さの表面欠陥部が検出された場合には欠陥除去そのものを行わないようにすることができる。以上のような欠陥除去深さの上限や除去対象とする表面欠陥部の深さの上限の各設定値は、冷間圧延条件及び/又はめっき処理条件などに応じて決定すればよい。
図11は、図10に示す出力処理された欠陥検出信号に対し、除去対象とする表面欠陥部の深さに予め上限を設定した例を示しており、信号出力が同図に示す欠陥除去判定範囲内に入る表面欠陥部のみを除去の対象するものである。この場合も、欠陥除去判定装置3において出力処理後の欠陥検出信号を欠陥除去判定レベル及び欠陥深さ上限レベルと比較し、欠陥除去判定範囲内に入る欠陥検出信号について除去を行うという判定がなされ、その欠陥検出信号信号が制御装置4に送られ、欠陥除去装置2による欠陥除去が行われる。
また、本発明では、欠陥除去判定レベルを、鋼種毎又は鋼種及び鋼帯品種毎に設定することができる。これは、(a)製鋼性の介在物などのような異物を噛み込んでいるヘゲ疵等の欠陥(特に、合金化亜鉛めっき鋼帯で顕在化するヘゲ疵)は、鋼種毎にその発生率や異物の形態が異なること、(b)冷延鋼帯では表面品質に影響を及ぼさないような欠陥でも、例えば、亜鉛めっき鋼帯では表面品質に影響を与えるものがあること、(c)鋼帯製品別に表面品質に対する需要家ニーズが異なること、などの理由によるものであり、欠陥除去判定レベルを鋼種毎又は鋼種及び鋼帯品種毎に設定することにより、それらの問題に対処することができる。
さらに本発明では、冷間圧延後、製品鋼帯コイルとなる前の段階の任意のラインにおいて、第2の欠陥検出装置により鋼帯の表面欠陥を検出し、この検出結果に基づき、欠陥除去判定レベルの更新を行うこともできる。具体的には、例えば、上記第2の欠陥検出装置の欠陥検出結果から求められる製品鋼帯の不良率と目標不良率を比較し、その比較結果に基づき欠陥除去判定レベルを更新する。ここで、製品鋼帯の不良率については、例えば、上記第2の欠陥検出装置の検出結果に基づき、1コイル毎の表面欠陥の発生個数と長さをカウントし、全コイル長に対する総欠陥長さの割合を不良率とすることができる。また、目標不良率とは需要家のニーズにより定める目標値である。
第2の欠陥検出装置で欠陥検出を行う場所は、冷間圧延後、製品鋼帯コイルとなる前の段階であればどこでもよく、例えば、冷間圧延ラインの出側、連続焼鈍ライン、リコイルライン、めっき処理ライン(通常、その出側)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
究極的には製品鋼帯の不良率を零にすることが望ましいが、過度の欠陥除去を行うことは、欠陥除去手段(工具)の消耗を無用に早めてその原単位を悪化させ、また欠陥除去手段交換のためのライン休止による生産性の低下を招くため、需要家のニーズと最終製品での不良率を考慮し、必要最小限の頻度で欠陥除去を行うことが好ましい。このような観点から、欠陥除去判定レベルの更新は、例えば月毎に製品鋼帯の不良率を整理し、不良率が目標値に対して低い場合には欠陥除去判定レベルを引き上げて欠陥除去頻度を減少させ、不良率が目標値と同レベル以下で大きな変動がない場合には欠陥除去判定レベルを維持し、不良率が目標値に対して高い場合には欠陥除去判定レベルを引き下げて欠陥除去頻度を増加させる。このように、定期的な欠陥除去判定レベルの更新を行うことにより、操業条件の変更や変動に対し常に安定した表面品質を確保することが可能となる。
次に、本発明において使用する欠陥検出装置(熱延鋼帯の表面欠陥検出用の欠陥検出装置。以下同様)の好ましい実施形態について説明する。すでに述べたように、本発明で使用する欠陥検出装置は磁気方式のものが好ましいが、そのなかでも、検出精度などの面から以下のような装置が好ましい。
(1)鋼帯の交流励磁を行うと同時に、表面欠陥に起因して発生する交流磁束の変化を検出することで表面欠陥部を検出する欠陥検出装置
(2)上記(1)の欠陥検出装置において、鋼帯を交流磁化し、磁束を鋼帯の略幅方向に並べて設けられた2以上の磁気センサで検出し、検出信号の鋼帯幅方向の差分信号に基づき表面欠陥部の検出を行う欠陥検出装置
(3)上記(2)の欠陥検出装置において、E型形状の強磁性体の3本の脚部を、それぞれ鋼帯面に対向して略垂直に、且つ鋼帯の略幅方向に並べて配置し、中央の脚部に巻回された1次コイルに交流電流を印加して鋼帯を励磁し、外側の2つの脚部それぞれに巻回された2次コイルに誘起された電圧の差分を差分信号として表面欠陥部の検出を行う欠陥検出装置
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの欠陥検出装置において、鋼帯を交流磁化し、磁気センサを鋼帯幅方向に走査し、走査に伴って発生する磁気センサの信号の変化に基づいて表面欠陥部の検出を行う欠陥検出装置
(5)上記(4)の欠陥検出装置において、磁気センサを機械的に鋼帯幅方向に移動させることで鋼帯幅方向走査を行う欠陥検出装置
(6)上記(4)の欠陥検出装置において、磁気センサを鋼帯幅方向に複数個配置し、磁気センサを電子的に切り替えて選択することにより、鋼帯幅方向走査を行う欠陥検出装置
(7)上記(1)の欠陥検出装置において、脚部にコイルが巻回され櫛型形状の強磁性体の4本以上の脚部を鋼帯面に対向して略垂直に、且つ鋼帯の略幅方向に並べて配置し、隣り合う3本の脚部の組の選択を時間的に切り替えながら、選択された3本の脚部のうち、中央の脚部に巻回された1次コイルに交流電流を印加して鋼帯を励磁し、外側の2つの脚部それぞれに巻回された2次コイルに誘起された電圧の差分信号に基づき表面欠陥部の検出を行う欠陥検出装置
以上の欠陥検出装置は、鋼帯を交流磁束によって磁化するため、直流磁化を用いる場合に較べて表皮効果の影響により磁束の浸透深さが制限され、鋼帯の表層部近くに集中することになる。このため鋼帯の表面または表層部に存在する表面欠陥部のみを効率よく検出することができる。
上記(2)の欠陥検出装置では、差分信号を求めた後は、例えば、それを整流し、整流された直流成分の大きさが閾値を超えたときに欠陥ありとするような信号処理により表面欠陥部の検出を行うことができる。整流の方法も、単に整流する方法、交流磁化電流に同期しある位相差を有する信号により同期検波を行う方法など、従来の渦流探傷法に用いられている方法を適宜使用することができる。
上記(3)の欠陥検出装置は、E型形状の強磁性体(ヨーク)を有する磁化装置兼磁気センサを使用するものであり、このE型形状の強磁性体の3本の脚部を、それぞれ鋼帯面に対向して略垂直に、且つ鋼帯の略幅方向に並べて配置し、中央の脚部に巻回された1次コイルに交流電流を印加すると、中央の脚部で発生する交流磁束は、鋼帯の表面を通して両側の脚部に向かって集中的に流れ、両側の脚部を通って中央の脚部に戻る。すなわち、鋼帯の幅方向に向かう磁束が集中的に発生する。このため鋼帯の表面欠陥部によって磁路が遮断され、表面欠陥部が検出される。
上記(4)の欠陥検出装置では、磁気センサを鋼帯幅方向に走査させた際の鋼帯幅方向の磁束の変化を検出し、それに基づいて表面欠陥部の検出を行う。磁化の方向としては、鋼帯幅方向に強く磁化することが特に有効である。
上記(5)、(6)の欠陥検出装置では、それぞれ磁気センサの走査を機械的、電気的に行うが、いずれの方法でも同様の効果が得られる。特に、上記(6)の欠陥検出装置では電気的に走査するため、高速の走査が可能になり、走査間隔により生じる鋼帯長手方向の不検出領域を減らすことができる。
上記(7)の欠陥検出装置では、多数の脚部を有する櫛型形状の強磁性体(ヨーク)を使用し、その脚のうち隣り合う3本を順次選択してE型形状コイルとして使用する。このため上記(3)の欠陥検出装置と同様の作用効果を特することができ、且つ、電気的なコイルの切り替えで鋼帯幅方向の走査が行えるので、可動部分がなく、構造が簡単で故障の少ないものとすることができる。また、必要に応じて、センサの集積度を上げて、コンパクト化ができるとともに、多チャンネルのセンサを一体形成できるので、寸法精度を向上させることができる。
図12は、欠陥検出装置の一実施形態を示す説明図である。この装置では、磁化電源16から磁化器17のコイルに交流電流を供給し、鋼帯7の表面付近を集中的に磁化する。図では磁束が鋼帯7の幅方向に向かって形成されるような磁化を行っているが、なるべくこのような磁化を行うことが好ましい。そして、鋼帯7の外部に漏洩する磁束を2つの磁気センサ18a、18bで検出する。この場合、磁気センサ18aの下に表面欠陥部xが存在すると、この表面欠陥部xにより磁路が妨げられ、多くの磁束が鋼帯7の外部に漏洩する。このため磁気センサ18aで検出される磁束のほうが磁気センサ18bで検出される磁束よりも多くなり、磁気センサ18aの出力が磁気センサ18bの出力に較べて大きくなる。したがって、これらの出力を差動増幅器19に導き、その出力を位相検波器20に入力して、磁化電源16の波形に同期した(位相はずれていることあり)信号により位相検波すると、表面欠陥部xの大きさに応じた信号が得られる。この出力は欠陥除去判定装置3に導かれ、先に述べたような基準にしたがい除去すべき表面欠陥部かどうかの判定がなされる。
この欠陥検出装置では、2つのセンサの出力の差動信号で表面欠陥部の検出を行うので、鋼帯7に共通するノイズ(透磁率の変化など)や外部ノイズは相殺され、S/N比良く表面欠陥部の検出が可能である。
図13は、欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図である。この欠陥検出装置では、磁化器及び磁気センサとしてE型コイル21が用いられる。このE型コイル21のヨークは3つの脚部21a、21b、21cを有し、それぞれが鋼帯7の表面に略垂直に、且つ鋼帯7の幅方向に並ぶように、鋼帯7に対向して配置される。そして、中心の脚部21aに巻回されたコイルには、磁化電源16から交流電流が供給されて磁化される。両側の脚部21b、21cにもコイルが巻回され、磁気センサとして使用される。脚部21aのコイルで発生した磁束は鋼帯7の表面近傍を通り、両側の脚部21b、21cを通って脚部21aに戻る。
表面欠陥部xが図のような位置に存在すると、脚部21a、21bを通る磁束に対する磁気抵抗が、脚部21a、21cを通る磁束に対する磁気抵抗より大きくなり、これにより、脚部21bを通る磁束の磁束密度は脚部21cを通る磁束の磁束密度より小さくなる。このため脚部21bに巻回されたコイルに誘起される電圧は脚部21cに巻回されたコイルに誘起される電圧より小さくなり、両者を差動増幅器19に入力すると、両者の差に対応する電圧が出力される。それを、位相検波器20に導き、磁化電源16の波形に同期した(位相はずれていることあり)信号により位相検波すると、表面欠陥部xの大きさに応じた信号が得られる。この出力は欠陥除去判定装置3に導かれ、先に述べたような基準にしたがい除去すべき表面欠陥部かどうかの判定がなされる。
この欠陥検出装置も、2つのセンサの出力の差動信号で表面欠陥部の検出を行うので、鋼帯7に共通するノイズ(透磁率の変化等)や外部ノイズは相殺され、S/N比良く欠陥の検出が可能である。
図14は、欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図である。この欠陥検出装置では、図示しない磁化装置によって、鋼帯7が幅方向に交流磁化される。磁気センサ18を鋼帯幅方向に走査し、その出力の時間的な変化を観測する。表面欠陥部xが存在すると、その部分で検出される磁束が変化するため、磁気センサの出力が変化するので、磁気センサ18の出力を信号処理することにより表面欠陥部xを検出できる。鋼帯7が走行しているため検査範囲がジグザグの範囲になるが、磁気センサの数を増やして走査範囲を短くし、走査速度を早くすれば問題ない。
図15は、欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図である。この欠陥検出装置においても、図示しない磁化装置によって、鋼帯7が幅方向に交流磁化される。この欠陥検出装置では、鋼帯7の幅方向に多数の磁気センサ18が配置されている。磁気センサ18の出力はスキャナに接続され、順次選択された1つの磁気センサの出力が信号処理されるようになっている。このようにすれば、図14における機械的走査と同等の走査を電子的に行うことができる。この走査は高速で行うことができるので、検出できる欠陥の長さを短くすることができる。
この欠陥検出装置おいて、1つずつの磁気センサ18の出力を逐次処理してその時間的変化から欠陥を検出するのではなく、隣り合う2つずつの磁気センサ18の出力を逐次入力し、その2つずつの磁気センサの差分を演算し、前述のような処理により欠陥を検出するようにしてもよい。このようにすれば、信号そのものを時間的に処理して欠陥を検出する必要がなく、差分信号から直接欠陥を検出することが可能になる。
図16は、欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図である。なお、図16は、磁化装置と磁気センサの部分を中心に図示したもので、鋼帯や信号処理回路については、図示を省略してある。櫛型形状を有する櫛型強磁性体22の各脚部が、鋼帯の表面に略垂直に、且つ、鋼帯の略幅方向に並ぶように配置されている。各脚部には、コイルが巻回されている。
このような欠陥検出装置を使用して表面欠陥部の検出を行うには、まず、図16(a)に示すように図の左端の3つの脚部を使用し、その中央の脚部22bのコイルを磁化電源16に接続して交流磁束を発生させる。そして、その磁束をその両側に位置する脚部22a、22cに巻回されたコイルにより検出し、検出信号を差動増幅器19に導き、以下は図13の装置と同様の信号処理を行う。これは、櫛型状のヨークの左側の脚部3つを、図13に示したE型コイルとして使用して検出を行っていること相当するからである。
次に、電気経路を電子的または電気的に切り替えて、図16(b)に示すように、左端から2〜4個目の脚部を利用し、脚部22cに巻回されたコイルを励磁し、その左右の脚部22b、22dに巻回されたコイルにより磁束を検出する。さらに、図16(c)に示すように、さらに一つずつ右側の脚部3本を利用して同様の検出を行う。以下、これを繰り返せば、鋼帯幅方向に向けて検出器を走査していることと同じことになり、鋼帯幅方向を機械的手段を用いることなく走査することができる。励磁するコイル、検出コイルの切替は、電子的なスイッチを用いてもよいし、リレーなどにより切替を行ってもよい。
なお、図15、図16のようなセンサ列や櫛型形状の強磁性体を配置する場合には、複数組のセンサ列や櫛型形状の強磁性体を用い、これら複数組のセンサ列や櫛型形状の強磁性体を千鳥状に配置すれば、幅方向に隙間なく欠陥の検出を行うことができる。
本発明による表面欠陥の検出と除去は、熱延鋼帯が連続通板する任意のラインで行うことができる。すなわち、コイル検査ライン、酸洗ライン、冷間圧延ライン、酸洗工程と冷間圧延工程が連続した酸洗・冷延連続ラインなど、熱間圧延工程以降、冷間圧延工程以前の任意の段階で行うことができる。但し、先に本発明の第1の方法に関して述べた理由から、熱延鋼帯が連続通板する酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置による表面欠陥検出と、その欠陥検出信号に基づく欠陥除去装置による表面欠陥除去を行い、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において特定の条件で酸洗(少なくとも、液温80℃以上の酸洗液による酸洗)することが最も好ましい。このように、表面欠陥除去を行った後、特定の条件で酸洗を行うことによる作用効果やより好ましい酸洗条件などは、本発明の第1の方法において述べた通りである。
また、これも先に本発明の第1の方法に関して述べた理由から、以下のような実施形態を採用することが特に好ましく、これらについては図3〜図8に示したような具体的な実施形態を採ることができる。
(1) ブライドルロール装置を構成する入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(但し、入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施する。
(2) 上記(1)において、ブライドルロール装置を構成するブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施する。
(3) 鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行う。
(4) 上記(1)又は(2)において、鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行う。
また、上記(1)〜(4)の形態による表面欠陥の検出と除去を酸洗槽入側において行い、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において上述した特定の条件で酸洗することが特に好ましい。
図2に示す酸洗・冷延連続ラインにおいて、図3に示すようなブライドルロール装置11に欠陥検出装置1と欠陥除去装置2を設置し、インラインでの熱延鋼帯の表面欠陥除去を行った。欠陥検出装置2には渦流式センサーを用いた。対象とした熱延鋼帯は板厚3.2mm、板幅1500〜1800mmの自動車外板用のIF鋼であり、欠陥除去装置2では粒度番号36番の研削砥石を使用した。また、研削砥石による欠陥除去深さは50μmで一定とした。酸洗後に5パスの冷間圧延を施して巻き取り、次いで合金化溶融亜鉛めっき処理を行い、亜鉛めっき処理ラインの出側に設置した欠陥検出計の検出結果により不良率を算出した。
図17に、本発明を実施した場合の不良率の推移を示す。この不良率は1ヶ月の調査結果を平均して1データとしてある。本実施例では、月毎の不良率と目標不良率を比較し、適宜欠陥除去判定レベルを更新しつつ、操業を行った。図17に示されるように、4月度の不良率が目標不良率を大きく上回ったため、欠陥除去判定レベルを引き下げて欠陥除去頻度を増加させたことにより、5月度の不良率は大きく低下した。このため6月度以降の欠陥除去判定レベルを少し引き上げたが、不良率は低位で安定した。以上の結果から、欠陥除去判定レベルを適宜更新することにより、不良率の著しい増加を防ぐことができ、また、欠陥除去判定レベルの更新周期を短くすれば、より一層の表面品質の安定化が可能となることが確認できた。
本発明は、自動車、家電製品、建材などに用いられる表面品質が優れた冷延鋼帯やめっき鋼帯を製造するために利用することができる。
本発明の製造方法を酸洗ラインで実施する場合の一実施形態を示す説明図 本発明の製造方法を酸洗・冷延連続ラインで実施する場合の実施形態を示す説明図 本発明の製造方法において、酸洗槽の入側に設置される欠陥検出装置及び欠陥除去装置の実施形態の一例を示す説明図 本発明の製造方法において、酸洗槽の入側に設置される欠陥検出装置及び欠陥除去装置の実施形態の他の例を示す説明図 本発明の製造方法において、酸洗槽の入側に設置される欠陥検出装置及び欠陥除去装置の実施形態の他の例を示す説明図 本発明の製造方法において、酸洗槽の入側に設置される欠陥検出装置及び欠陥除去装置の実施形態の他の例を示す説明図 本発明の製造方法において、酸洗槽の入側に設置される欠陥検出装置及び欠陥除去装置の実施形態の他の例を示す説明図 図3〜図7に示す欠陥除去装置の平面図 本発明の製造方法において、欠陥検出装置で検出された欠陥検出信号を示す図面 出力処理した後の欠陥検出信号と欠陥除去判定レベルとの関係を示す図面 出力処理した後の欠陥検出信号と欠陥除去判定範囲との関係を示す図面 本発明で用いる欠陥検出装置の一実施形態を示す説明図 本発明で用いる欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図 本発明で用いる欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図 本発明で用いる欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図 本発明で用いる欠陥検出装置の他の実施形態を示す説明図 実施例における、欠陥除去判定レベルの設定値と製品鋼帯の不良率の推移を示す図面
符号の説明
1,1a,1b…欠陥検出装置
2…欠陥除去装置
3…欠陥除去判定装置
4…制御装置
5…酸洗槽
6…冷間圧延機群
7…鋼帯
8…アンコイラー
9…コイラー
10…トラッキングロール
11…ブライドルロール装置
12a,12b…研削砥石
13a,13b…切削バイト
14…加工屑
15…屑受
16…磁化電源
17…磁化器
18,18a,18b…磁気センサ
19…差動増幅器
20…位相検波器
21…E型コイル
21a,21b,21c…脚部
22…櫛型強磁性体
22a,22b,22c,22d,22e…脚部
110a〜110d…ブライドルロール

Claims (12)

  1. 熱延鋼帯を酸洗ラインで酸洗した後、冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき鋼帯を製造する、鋼帯の製造方法において、
    熱延鋼帯が連続通板する前記酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置により前記表面欠陥部を除去し、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽において液温80℃以上の酸洗液で酸洗することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  2. 酸洗槽入側に設置されたブライドルロール装置を構成する入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(但し、入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  3. 酸洗槽入側に設置されたブライドルロール装置を構成するブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする請求項2に記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  4. 鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  5. 熱延鋼帯を冷間圧延して冷延鋼帯を製造し、若しくは前記冷間圧延して得られた冷延鋼帯をめっき処理してめっき鋼帯を製造する、鋼帯の製造方法において、
    熱延鋼帯が連続通板する任意のラインにおいて、欠陥検出装置により熱延鋼帯の表面欠陥部を検出し、その欠陥検出信号に基づき、前記欠陥検出装置の下流側に設置された欠陥除去装置に前記表面欠陥部を除去するに際し、前記欠陥検出装置で検出された表面欠陥部のうち、欠陥検出装置の出力をもとに予め設定された欠陥除去判定レベル以上の表面欠陥部のみを選択的に除去することを特徴とする表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  6. 欠陥除去装置による欠陥除去深さに上限を設定して表面欠陥部の除去を行うか、又は除去対象とする表面欠陥部の深さに上限を設定し、該上限を超える深さの表面欠陥部の除去を行わないことを特徴とする請求項5に記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  7. 欠陥除去判定レベルを、鋼種毎又は鋼種及び鋼帯品種毎に設定することを特徴とする請求項5又は6に記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  8. 冷間圧延後、製品鋼帯コイルとなる前の段階の任意のラインにおいて、第2の欠陥検出装置により鋼帯の表面欠陥を検出し、この検出結果に基づき、欠陥除去判定レベルの更新を行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  9. 熱延鋼帯が連続通板する酸洗ラインの酸洗槽入側において、欠陥検出装置による表面欠陥検出と、その欠陥検出信号に基づく欠陥除去装置による表面欠陥除去を行い、しかる後、熱延鋼帯を酸洗槽で酸洗することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  10. ブライドルロール装置を構成する入側ブライドルロールと出側ブライドルロールとの間の鋼帯部分(但し、入側ブライドルロール及び出側ブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分を含む)に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  11. ブライドルロール装置を構成するブライドルロールに巻き付いた鋼帯部分に対して、欠陥検出装置による表面欠陥検出と欠陥除去装置による表面欠陥除去を実施することを特徴とする請求項10に記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
  12. 鋼帯幅方向の一部領域を移動可能な欠陥除去手段を鋼帯幅方向で複数基備えた欠陥除去装置を用い、表面欠陥除去を鋼帯幅方向で前記複数基の欠陥除去手段に分担させることにより、鋼帯全幅の表面欠陥除去を行うことを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の表面欠陥の少ない鋼帯の製造方法。
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