JP2005060677A - 吸水性樹脂組成物およびその製造方法、並びに、それらを用いた吸収体、吸収性物品 - Google Patents

吸水性樹脂組成物およびその製造方法、並びに、それらを用いた吸収体、吸収性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸水性樹脂に添加剤を含む吸水性樹脂組成物において、添加剤の吸水性樹脂からの脱落(分離)が少なく(低分離率)、吸湿した後の粉体の流動性、および消臭性能に優れ、さらに吸収性能に優れる、吸水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物とを含む吸水性樹脂組成物であって、前記複合含水酸化物は金属の主成分として亜鉛を含有し、亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が50/50〜99/1であり、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である、吸水性樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸水性樹脂組成物、吸収体、および吸収性物品、ならびに吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、紙オムツ、生理用ナプキン、および失禁パット等の衛生材料に用いた場合に、優れた吸湿流動性、低分離性、消臭性能、ゲル強度、吸収性能を示す、吸水性樹脂組成物、吸収体、および吸収性物品に関する。また本発明は、このような特徴を有する吸水性樹脂組成物の製造方法に関する。
吸水性樹脂は、尿や血液などの体液等を吸収させることを目的として、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料に広く用いられており、これらの衛生材料の主要な構成材料となっている。
近年、特に社会の高齢化に伴う大人用の紙おむつの需要増大に伴い、吸水性樹脂に対して、消臭性能の付与、特に硫化水素やメルカプタン類などのイオウ系化合物に由来する悪臭を除去できる消臭性能の付与に関する要求が高まっている。
吸水性樹脂に消臭性能を付与する手法としては、吸水性樹脂と各種の消臭剤や抗菌剤との組み合わせが提案されている。例えば、吸水性樹脂とツバキ科植物の葉抽出物とからなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)、針葉樹木抽出エキスと特定の性能を有する吸水性樹脂とを含む吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照)、吸水性樹脂の内部にゼオライト粒子が分散された消臭性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)、吸水性樹脂と、チタンまたはジルコニウムから選ばれる1種以上と、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、および珪素から選ばれる少なくとも1種以上とからなる金属含水酸化物からなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)、吸水性樹脂と、シュウ酸塩化合物と、複合ケイ酸塩化合物とからなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)、吸水性樹脂と、タンニン酸塩と、複合ケイ酸塩化合物とからなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献6参照)、吸水性樹脂と、グリシン型両イオン性界面活性剤と、複合ケイ酸塩化合物とからなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献7参照)、吸水性樹脂と、硫黄含有還元剤と、複合ケイ酸塩化合物とからなる吸水性樹脂組成物(例えば、特許文献8参照)などが知られている。
吸水性樹脂を用いた吸収性物品に消臭性能を付与する手法も検討されており、例えば、製茶、および吸水性樹脂からなる吸収性物品(例えば、特許文献9参照)、吸水性樹脂と、塩化ベンザルコニウムおよび/またはグルコン酸クロルヘキシジンとからなる樹脂を含む使い捨ておむつ(例えば、特許文献10参照)、吸水性樹脂と、アルミノケイ酸亜鉛とを組み合わせた衛生用品(例えば、特許文献11参照)などが知られている。
さらに、吸水性樹脂に、消臭性能および粉体ハンドリング性の双方を付与する検討もなされている。例えば、吸水性樹脂と、アンモニア産生菌に対して抗菌機能を有する化合物と、アンモニアに対して中和能、または中和能および吸着能を有する薬剤とからなる吸水剤(例えば、特許文献12参照)が知られている。吸水性樹脂に関しては、上記した吸水性樹脂への消臭性能や抗菌性の付与以外に、吸湿流動性の改善(アンチ・ケーキング向上)が大きな課題である。即ち、吸水性樹脂が吸湿時に粉末として流動性を失い、ブロッキングが生じる問題がある。特許文献12には、この問題を処理するために、各種の添加剤を添加する技術も開示されている。
しかしながら、従来報告されている上記の方法における消臭性能は十分ではなく、実使用において発揮させる消臭性能としては満足できるレベルには到達していなかった。また、高い消臭性能を発揮させるために吸収性能を犠牲にしたのでは、尿や血液などの体液等を吸収させるという吸水性樹脂本来の目的が達成できない。
したがって、高い消臭性能を発揮させるとともに、吸収性能をも十分に満足できるレベルとすることが重要である。
また、消臭性能や吸湿流動性の改善のために、吸水性樹脂に添加剤を含ませた場合、添加剤が粉体であると、分離や脱落が生じることがある。添加剤の分離または脱落が生じると、発塵が生じる上、添加剤として十分な性能を発揮できない。
特開昭60−158861号公報 特開平11−241030号公報 特開平8−176338号公報 特開平10−147724号公報 特開平10−298442号公報 特開平11−116829号公報 特開平11−49971号公報 特開平11−148023号公報 特開平2−41155号公報 特開昭63−135501号公報 特開昭64−5546号公報 国際公開第00/01479号パンフレット
本発明の目的は、添加剤の吸水性樹脂からの脱落が少なく、吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物が吸湿した後の粉体の流動性に優れ、硫化水素やメルカプタン類などのイオウ系化合物などに由来する悪臭を十分に除去できる消臭性能を有し、さらに吸収性能に優れる、吸水性樹脂組成物、吸収体、および吸収性物品を提供することである。つまり、本発明の目的は、添加剤の分離率が低く、吸湿流動性および消臭性能に優れ、吸収性能にも優れる、吸水性樹脂組成物、吸収体、および吸収性物品を提供することである。また本発明の他の目的は、このような特徴を有する吸水性樹脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、吸水性樹脂と亜鉛との組み合わせが消臭性能の発現に有効であることに着目した。そして、消臭性能を向上させ、優れた吸収性能および優れた吸湿流動性を発現させる条件を詳細に検討した結果、所定の吸収性能を有する吸水性樹脂と、亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを、所定の比率で含む複合含水酸化物とを組み合わせることによって、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物とを含む吸水性樹脂組成物であって、前記複合含水酸化物は金属の主成分として亜鉛を含有し、亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が50/50〜99/1であり、前記吸水性樹脂組成物の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である、吸水性樹脂組成物である。
また本発明は、前記吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含む、衛生材料用吸収体である。
また本発明は、酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂と、親水性繊維と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物とを含む衛生材料用吸収体であって、前記複合含水酸化物は金属の主成分として亜鉛を含み、亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が50/50〜99/1であり、前記吸水性樹脂の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上であることを特徴とする、衛生材料用吸収体である。
また本発明は、前記吸収体、液透過性を有する表面シート、液不透過性を示す背面シートを備えた、吸収性物品である。
また本発明は、酸基を含有する不飽和単量体を重合する重合工程を経て、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である吸水性樹脂を得る工程と、前記吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物との混合工程とを含むことを特徴とする、吸水性樹脂組成物の製造方法である。
本発明の吸水性樹脂組成物、吸収体、および吸収性物品は、吸水性樹脂からの添加剤の分離率が低く、吸湿流動性および消臭性能に優れ、ゲル強度および吸収性能にも優れる。また本発明の製造方法によって、このような特徴を有する吸水性樹脂組成物が得られる。
(1)吸水性樹脂(A)
本発明において用いられる吸水性樹脂(A)とは、ヒドロゲルを形成しうる、水膨潤性および水不溶性の架橋重合体のことである。水膨潤性とは、イオン交換水中において自重の5倍以上、好ましくは、50倍から1000倍という多量の水を吸収する性能をいう。水不溶性とは、吸水性樹脂中(A)の未架橋の水可溶性成分(水溶性高分子)の含有量が、好ましくは50質量%以下(下限は0質量%)、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下であることをいう。なお、この水可溶性成分の測定方法は、EUROPEAN DISPOSABLES AND NONWOVENS ASSOCIATIONのEDANA RECOMMENDED TEST METHODS 470,1−99 EXTRACTABLESに記載されている。
本発明の説明において吸水性樹脂基準の含有割合を述べる場合は、吸水性樹脂の固形分を基準としたものである。例えば、吸水性樹脂1gを用い、180℃で3時間乾燥させて、含水率を10質量%以下とした場合の含有割合として算出される。
本発明では吸水性樹脂(A)として、消臭性能および吸収性能の面から、酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる、架橋構造を有する吸水性樹脂が用いられる。
吸水性樹脂(A)としては、ポリアクリル酸部分中和物重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。好ましくは、吸水性樹脂(A)として、アクリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とする単量体成分を重合・架橋することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体が用いられる。
吸水性樹脂(A)は、酸基および/またはその塩を有する。好ましくは、吸水性樹脂(A)は、酸基含有不飽和単量体を主成分とする単量体成分を重合して得られる。酸基含有不飽和単量体としては、アクリロニトリルなどのように、重合後に加水分解を行うことによって酸基となる単量体も含まれるが、好ましくは、重合時に酸基を含有する酸基含有不飽和単量体が用いられる。
本発明においては、単量体成分としてアクリル酸および/またはその塩を主成分とすることが好ましい。
単量体成分としてアクリル酸および/またはその塩を主成分とする場合、その他の単量体を併用してもよい。併用できる単量体としては、併用によっても本発明の効果を発揮できるものであれば特に限定されないが、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性不飽和単量体が挙げられる。
アクリル酸および/またはその塩以外の単量体を用いる場合には、そのアクリル酸および/またはその塩以外の単量体の割合は、主成分として用いるアクリル酸および/またはその塩の合計量に対して、好ましくは0〜30モル%、より好ましくは0〜10モル%である。このような割合で用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸収性能がより一層向上する。また、吸水性樹脂をより一層安価に得ることができる。また、本発明の効果が十分に発現しうる。
吸水性樹脂(A)は架橋構造を有する。架橋構造は、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよい。好ましくは、吸水性樹脂(A)は、一分子中に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を用いた共重合または反応によって形成された架橋構造を有する。
内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。内部架橋剤は、反応系に一括添加されてもよく、分割添加されてもよい。内部架橋剤を使用する場合には、本発明の効果を十分に発揮させるために、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に用いることが好ましい。
内部架橋剤の使用量は、架橋剤を除く単量体成分に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましくは0.03〜0.15モル%である。内部架橋剤の使用量が0.001モル%よりも少ない場合、または、2モル%よりも多い場合には、得られる吸水性樹脂が十分な吸収特性を発揮できないおそれがある。また、本発明の効果が十分に発現しないおそれがある。
内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、内部架橋剤を、単量体成分の重合前、重合中、重合後、または中和後に反応系に添加すればよい。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂(A)の中和率は特に限定されないが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、好ましくは30〜90モル%、より好ましくは30〜75モル%、さらに好ましくは30〜70モル%、より一層好ましくは50モル%以上70モル%未満である。
吸水性樹脂(A)を得るために単量体成分を重合する方法としては、特に限定されないが、例えば、水溶液重合、逆相懸濁重合、バルク重合、沈殿重合などが挙げられる。性能面、重合の制御の容易さ、膨潤ゲルの吸収特性の観点などから、単量体成分を含む水溶液における水溶液重合や逆相懸濁重合が好ましい。
単量体成分を含む水溶液(以下、「単量体水溶液」とも称する)中の単量体成分の濃度は、水溶液の温度や単量体成分の種類によって決まり、特に限定されない。単量体成分の濃度は、好ましくは10〜70質量%の範囲内であり、より好ましくは20〜60質量%の範囲内である。水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよい。併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されない。
逆相懸濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させる重合法である。逆相懸濁重合は、例えば、米国特許第4093776号、米国特許第4367323号、米国特許第4446261号、米国特許第4683274号、米国特許第5244735号に記載されている。水溶液重合とは、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法である。水溶液重合は、例えば、米国特許第4625001号、米国特許第4873299号、米国特許第4286082号、米国特許第4973632号、米国特許第4985518号、米国特許第5124416号、米国特許第5250640号、米国特許第5264495号、米国特許第5145906号、米国特許第5380808号などの米国特許や、欧州特許第0811636号、欧州特許第0955086号、欧州特許第0922717号などの欧州特許に記載されている。これら重合法に例示の単量体成分や開始剤などを本発明に適用することもできる。
重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤が用いられうる。重合開始剤の使用量は、得られる吸水性樹脂の物性面などを考えると、好ましくは全単量体成分に対して0.001〜2モル%、より好ましくは全単量体成分に対して0.01〜0.1モル%である。
重合を行うことにより、通常、含水ゲル状架橋重合体が得られる。この含水ゲル状架橋重合体を必要に応じて細分化した後、さらに乾燥し、乾燥の前および/または後で好ましくは粉砕し、吸水性樹脂とする。
乾燥は、好ましくは60℃〜250℃の温度範囲、より好ましくは100℃〜220℃の温度範囲、さらに好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、乾燥機の種類などに依存し、目的とする含水率になるよう選択される。
吸水性樹脂(A)の含水率は特に限定されないが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、室温でも流動性を示す粉末であることが好ましい。吸水性樹脂(A)の含水率は、好ましくは0.2〜30質量%、より好ましくは0.3〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%であり、好ましくは粉末状態である。吸水性樹脂の含水率は、吸水性樹脂中に含まれる水分量として規定される。例えば、吸水性樹脂1gを用い、180℃で3時間乾燥した際の、減量として測定されうる。
吸水性樹脂の含水率をゼロにすることは困難であるため、例えば、0.5〜10質量%程度の少量の水を含む、粉末状の吸水性樹脂が用いられてもよい。また、市販の吸水性樹脂および吸水性樹脂組成物やオムツ中の吸水性樹脂および吸水性樹脂組成物について、本明細書において規定される物性を測定する場合、例えば乾燥することで、含水率を10質量%以下、好ましくは5±2質量%に調整して、物性が測定される。含水率を調整するための乾燥条件としては、吸水性樹脂や吸水性樹脂組成物の分解や変性が生じない条件ならば特に限定されないが、好ましくは70℃以下での減圧乾燥が良い。
吸水性樹脂(A)の粒子形状は、特に限定されず、例えば、球状、破砕状、不定形状などが挙げられる。粉砕工程を経て得られた不定形破砕状のものが好ましい。また、JIS K−3362で規定される吸水性樹脂(A)の嵩比重は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、好ましくは0.40〜0.80g/mlの範囲内、より好ましくは0.50〜0.75g/mlの範囲内、さらに好ましくは0.60〜0.73g/mlの範囲内である。
本発明で用いることができる吸水性樹脂(A)は、さらに、表面架橋(二次架橋)されたものが好ましい。
表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、種々のものがあり、特に限定されない。得られる吸水性樹脂の物性向上などの観点からは、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ,ジ,またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物などが好ましい。
表面架橋剤は、特に限定されないが、例えば、米国特許第6228930号、米国特許第6071976号、米国特許第6254990号などに例示されている表面架橋剤を用いることができる。表面架橋剤の具体例としては、モノ,ジ,トリ,テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物;2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノン化合物;エチレンカボネートなどのアルキレンカーボネート化合物等が挙げられる。これらの1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用してもよい。本発明の効果を十分に発現させるためには、表面架橋剤として多価アルコールを用いることが好ましい。多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、炭素数3〜8のものがより好ましい。
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂(A)に対して、好ましくは0.001〜10質量%の範囲内であり、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲内である。
表面架橋を行う場合には、水を用いることが好ましい。使用される水の量は、使用する吸水性樹脂(A)の含水率にもよるが、吸水性樹脂(A)に対して、好ましくは0.5〜20質量%の範囲内であり、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲内である。水以外に親水性有機溶媒が用いられてもよい。親水性有機溶媒を用いる場合、その使用量は、吸水性樹脂(A)に対して、好ましくは0〜10質量%の範囲内であり、より好ましくは0〜5質量%の範囲内、さらに好ましくは0〜3質量%の範囲内である。
表面架橋を行う場合には、水及び/または親水性有機溶媒と表面架橋剤とを予め混合した後、次いで、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧または滴下混合する方法が好ましい。より好ましくは、噴霧する方法が用いられる。噴霧される液滴の平均粒子径は、好ましくは0.1〜300μmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜200μmである。水及び/または親水性有機溶媒と表面架橋剤とを混合する場合には、本発明の効果を妨げない範囲で、水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
表面架橋剤を混合した後の吸水性樹脂は、好ましくは加熱処理される。熱媒温度または材料温度として測定される加熱温度は、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜250℃の範囲内である。加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲内である。加熱温度と加熱時間の組み合わせの好適例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。
以上の手順で製造される、好ましくは表面架橋された吸水性樹脂は、本発明の効果を十分に発揮するように、好ましくは特定の粒度に調整される。粒度の調整は、表面処理前であっても、表面処理後であってもよい。粒度調整の手段としては、粉砕、分級、造粒などが挙げられ、これらを適宜制御するのがよい。本発明の吸水性樹脂は、カルボキシル基などの酸基および/またはその塩を有しているため、例えば、アンモニアなどの塩基性悪臭物質を有効に中和することができる。吸水性樹脂の表面積は、粒子径が細かいものほど大きく、表面積が大きいほど塩基性悪臭物質を中和するには有利であると思われるが、紙おむつなどの尿のゲル化剤など実際の使用においては、特定の粒度に制御した方が優れることが判った。
特定の粒度に調整することによる効果の発現の機構については明らかでないが、例えば、吸水性樹脂のゲル状態が影響していると推測される。粒子径が細かすぎる場合、吸水速度が速すぎるためにゲルブロックをおこし、使用した吸水性樹脂もしくはそれを含む吸水性樹脂組成物に悪臭成分を含んだ液体が到達しにくいと考えられる。また、粒子径が大きすぎる場合、吸水速度が遅いため、悪臭成分を含んだ液体から悪臭成分が揮発してしまうと考えられる。
具体的には、好ましくは、150μm以上850μm未満の粒子が全体の90質量%以上(上限100質量%)であり、かつ、300μm以上の粒子が全体の60質量%以上(上限100質量%)である。150μm以上850μm未満の粒子は多いほど好ましい。すなわち、より好ましくは95〜100質量%であり、さらに好ましくは98〜100質量%である。300μm以上の粒子は、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは75質量%以上である。この量の上限は特になく、高いほど、すなわち100質量%であることが好ましいが、100質量%にするには大幅なコストアップを伴う場合があり、上限は99質量%以下でもよい。
吸水性樹脂(A)の質量平均粒子径は、好ましくは200〜700μm、さらに好ましくは300〜600μm、特に好ましくは400〜500μmである。質量平均粒子径は後述の吸水性樹脂組成物にも適用され、吸水性樹脂(A)ないし吸水性樹脂組成物の質量平均粒子径は必要により造粒などで調整されてもよい。
吸水性樹脂(A)は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が、好ましくは26g/g以上であり、より好ましくは28g/g以上であり、さらに好ましくは30g/g以上であり、特に好ましくは32g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発現しないおそれがある。無加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、無加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性(例えば、水可溶分)の低下を招く虞があり、その場合、無加圧下吸収倍率は100g/g以下、好ましくは90g/g以下でもよい。
吸水性樹脂(A)は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が、好ましくは20g/g以上であり、より好ましくは22g/g以上、さらに好ましくは24g/g以上、特に好ましくは26g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発現しないおそれがある。加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性の低下を招く虞があり、その場合、加圧下吸収倍率は60g/g以下、好ましくは50g/g以下でもよい。
本発明の効果を最大限に発揮させるためには、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/g以上で、かつ、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/g以上である吸水性樹脂を用いることが特に好ましい。
(2)複合含水酸化物(B)
複合含水酸化物(B)は、金属成分の全質量を基準として、主成分として亜鉛を含み、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む含水酸化物である。金属成分中で主成分である亜鉛元素の割合は、全金属成分中で、50〜99.9質量%、好ましくは60〜95質量%、さらに好ましくは70〜95質量%の範囲である。「含水酸化物」とは、水和酸化物ともいい、いわゆる水酸化物を含んだ、金属酸化物の水和物をいう。複合含水酸化物(B)は、(b1)の場合、亜鉛(Zn)および珪素(Si)に関して、−Zn−O−Si−の結合を少なくとも一部に有する含水酸化物であり、Znの含水酸化物とSiの含水酸化物との単純な混合物とは異なる。同様に、(b2)の場合、亜鉛(Zn)とアルミニウム(Al)に関して、−Zn−O−Al−の結合を少なくとも一部に有する含水酸化物であり、Znの含水酸化物とAlの含水酸化物との単純な混合物とは異なる。つまり、複合含水酸化物(B)は、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物であり、例えば、ゼオライト、酸化亜鉛と二酸化珪素との単純混合物、酸化亜鉛と酸化アルミニウムとの単純混合物などは複合含水酸化物(B)には含まれない。これらの化合物は、吸水性樹脂の表面からの脱落が生じやすい。また、本発明の効果を発揮できない。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)が吸水性樹脂の表面に存在する場合、吸水性樹脂が水性液体を吸収してゲル化しても、吸水性樹脂表面から分離や脱落しにくい。これは、本発明における(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物は、金属成分中の亜鉛の含有質量比が高いためと考えられる。例えば後述する比較例に例示されるような、チタンおよびアルミニウム、またはチタンおよび珪素を含む複合含水酸化物などの場合は、吸水性樹脂が水性液体を吸収してゲル化した際に、吸水性樹脂表面から分離または脱落しやすい。オムツ等の実施用において、消臭効果を高めるためには、吸水性樹脂表面からの分離または脱落が少ない方が好ましい。
さらに、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、各金属元素の酸化物の単純混合物を用いた場合よりも効果が高い。亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムの異なった金属が互いに近接して存在するため、各金属元素の酸化物の単純混合物に比べて、膨潤ゲルからの分離が低減され、消臭効果がより増大すると考えられる。また、粉体の吸水性樹脂と粉体の複合含水酸化物とを混合し、本発明の吸水性樹脂組成物を得る際も、吸水性樹脂表面に複合含水酸化物が均一に付着し、単純混合物において確認されるような分離を著しく抑えられる。
複合含水酸化物(B)は、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを、後述する本発明の質量比で含んでいれば、その他の金属成分を含んでいても良い。しかしながら、効果のより一層の向上と価格の面から、(b1)亜鉛と珪素の2種類のみ、または、(b2)亜鉛とアルミニウムの2種類のみであることが好ましい。金属成分が3種類以上の場合、全金属成分における第3金属成分の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。また、金属成分で亜鉛が必須主成分であれば、マグネシウム、カルシウム、銀、銅、ニッケル、鉄、マンガン、チタン、バリウム、ジルコニウムを含んでいてもよい。
(b1)亜鉛と珪素を含む複合含水酸化物(B)における亜鉛の含有量と珪素の含有量との質量比は、好ましくは50/50〜99/1であり、より好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは65/35〜95/5、特に好ましくは70/30〜95/5である。上記質量比が上記範囲を外れると、本発明の効果を充分に発揮できない虞がある。
(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)における亜鉛の含有量とアルミニウムの含有量との質量比は、好ましくは50/50〜99/1であり、より好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは65/35〜95/5、特に好ましくは70/30〜95/5である。上記質量比が上記範囲を外れると、本発明の効果を充分に発揮できない虞がある。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)における金属成分の含有量の質量比は、既知でない場合は、蛍光X線分析や元素分析等の手法により算出できる。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、非金属成分の全質量に関する主成分として酸素を含みうる。他の非金属成分としては、水素なども含まれ、また反応副生成物等の不純物成分も微量含まれることがある。非金属成分中で主成分とされる酸素元素の割合は、全金属元素成分中で通常50質量%〜99.9質量%、好ましくは60〜95質量%、さらに好ましくは70〜95質量%の範囲である。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の吸水性樹脂(A)100質量部に対する含有量は、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.05〜4質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。含有量が0.001質量部未満の場合は消臭性能が不十分となる虞があり、5質量部を超える場合は吸水性樹脂本来の吸収性能が低下する虞がある。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の粒子径は、好ましくは0.001〜1000μmの範囲内であり、より好ましくは0.01〜600μmの範囲内である。質量平均粒子径は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下である。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、特定の方法により得られることが好ましい。(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、液相法、気相法、固相法等、種々の方法によって得ることが出来るが、設備及び製造コストの面から、好ましくは液相法によって作製され、より好ましくは共沈法によって作製される。一般的に、「共沈法」とは、2種又はそれ以上のイオンを同時に沈殿させる手法を意味する。本発明においては、共沈法により、具体的には、2種またはそれ以上のイオンを含有する混合溶液の、濃度、pH、温度、溶媒等を変化させることによって、2種又はそれ以上のイオンを同時に共沈殿させ、所定の組成の共沈殿物を得る。そして、共沈殿物を分離後、乾燥することによって、所望の化合物を得る。共沈法は、それぞれの金属について、個別に沈殿物を生成させ、該沈殿物を分離後、乾燥することによって得られた粉末を単に混合する方法とは異なる。
共沈法により上記(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)を得る方法において、共沈殿を起こさせる方法としては、特に制限されず種々の方法が挙げられる。例えば、亜鉛の塩及び珪素の塩を含有する混合溶液、または亜鉛の塩及びアルミニウムの塩を含有する混合溶液に、アンモニア水や尿素を加え、必要に応じて加熱する方法;亜鉛の塩及びアルミニウムの塩を含有する混合溶液に、アンモニア水や尿素を加え、必要に応じて加熱する方法等が挙げられる。
亜鉛の塩、珪素の塩、アルミニウムの塩の例としては、特に制限されない。例えば亜鉛、珪素、およびアルミニウムそれぞれの、硫酸塩、オキシ硫酸塩、塩化物、オキシ塩化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、カルボン酸塩等が挙げられる。中でも、硫酸塩、オキシ硫酸塩、塩化物、オキシ塩化物が好適に用いられる。
沈殿を起こさせる方法としては、塩を原料とするほかに、亜鉛のアルコキシドと珪素のアルコキシドを含有する混合溶液から、同時加水分解によって共沈殿を起こさせる方法;亜鉛のアルコキシドとアルミニウムのアルコキシドを含有する混合溶液から、同時加水分解によって共沈殿を起こさせる方法も好適に用いられる。亜鉛のアルコキシド、珪素のアルコキシド、アルミニウムのアルコキシドの例としては、特に制限されず、例えば、亜鉛、珪素、アルミニウムの、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。
共沈殿を起こさせる時の沈殿条件は、沈殿速度、共沈殿物の形状等に影響を及ぼすので重要であるが、出発原料、混合溶液の組成、濃度、及び沈殿物質の種類、沈殿を起こさせる方法等によって異なるので、それぞれに応じた沈殿条件が採用される。
共沈殿により生成した共沈殿物は、場合により、濾過、洗浄した後、乾燥する。この際、乾燥温度は、比較的低温が好ましく、例えば100℃〜200℃が好ましい。乾燥温度が600℃を超える場合には、消臭性能が低下する虞がある。
(3)植物成分(C)
植物成分(C)としては、好ましくはポリフェノール、フラボンおよびその類、カフェインから選ばれる少なくとも1種の化合物が、植物成分(C)の全質量を基準として0を超えて100質量%以下含まれる。好ましくは、タンニン、タンニン酸、五倍子、没食子および没食子酸から選ばれる少なくとも一種の化合物が、植物成分(C)として用いられる。
植物成分(C)を含む植物としては、例えば、ツバキ科の植物ではツバキ、ヒサカキ、モッコクなどが挙げられ、イネ科の植物ではイネ、ササ、竹、トウモロコシ、麦などが挙げられ、アカネ科の植物ではコーヒーなどが挙げられる。
植物成分(C)の形態としては、植物から抽出したエキス(精油)、植物自体(植物粉末)、植物加工業や食物加工業における製造工程で副生する植物滓および抽出滓などが挙げられるが、特に限定されない。
植物成分(C)の使用量は、目的とする消臭機能によっても異なるが、吸水性樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部の範囲内であり、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内である。0.001質量部より少ないと十分な効果が得られない虞があり、10質量部を超える場合は、添加量に見合った効果が得られない虞がある。
植物成分(C)は、それ自身が粉末の場合、および/または、植物から抽出した植物成分(C)を含んだエキス(精油)を担持させた粉体の場合、および/または、植物から抽出した植物成分(C)を含んだエキス(精油)を亜鉛と珪素、または亜鉛とアルミニウムを含む金属含水酸化物の集合体からなる微粉末(B)に担持させた粉体の場合、90質量%以上の粒子の粒子径が、好ましくは0.001〜1000μmの範囲内であり、より好ましくは0.01〜600μmの範囲内である。質量平均粒子径は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下である。質量平均粒子径が500μmより大きい場合には、尿などと接触した場合、植物成分(C)に含まれる有効成分の作用が不十分となり、安定した消臭性能が付与できないおそれがある。また、吸水性樹脂の質量平均粒子径に対して、植物成分(C)を含んだ粉末の質量平均粒子径が小さい方が、優れた消臭性能および安定性が付与できるため好ましい。
植物成分(C)は、常温で液体および/または水溶液であることが好ましい。
(4)吸水性樹脂組成物
本発明の吸水性樹脂組成物は、前述の吸水性樹脂(A)と前述の(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)とを含む。すなわち、本発明の吸水性樹脂組成物は、酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂(A)と、(b1)亜鉛および珪素、または(b2)亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物(B)とを含む吸水性樹脂組成物である。
吸水性樹脂組成物中の(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)中の亜鉛と珪素の含有量の質量比、または、亜鉛とアルミニウムの含有量の質量比は、好ましくは50/50〜99/1であり、より好ましくは60/40〜99/1、さらに好ましくは65/35〜90/10、特に好ましくは70/30〜90/10である。亜鉛、珪素およびアルミニウムの3成分を含む複合含水酸化物を用いる場合には、少なくとも一方について、前述の質量比を満たすことが好ましく、両者について前述の質量比を満たすことが好ましい。亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)において、亜鉛の珪素に対する質量比、または、亜鉛のアルミニウムに対する質量比が1/99〜49/51の場合は、硫化水素やメルカプタン類などのイオウ系化合物に由来する悪臭を十分に除去できる消臭性能を発揮できない。
吸水性樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは、酸基を含有する不飽和単量体を重合して、吸水性樹脂を得る重合工程と、前記吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物との混合工程とを含む。これにより、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である吸水性樹脂組成物を得る。
重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)とは、重合工程を終えた吸水性樹脂を意味し、例えば、重合によって得られた表面架橋されていない吸水性樹脂や、重合後にさらに表面架橋された吸水性樹脂などが含まれる。
酸基含有不飽和単量体を主成分とする単量体成分を重合して吸水性樹脂(A)を得る重合工程については、前述した通りである。
重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が、好ましくは26g/g以上であり、より好ましくは28g/g以上であり、さらに好ましくは30g/g以上であり、特に好ましくは32g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。なお、無加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、無加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性(例えば、水可溶分)の低下を招く虞があり、その場合、無加圧下吸収倍率は100g/g以下、好ましくは90g/g以下でもよい。
重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が、好ましくは20g/g以上であり、より好ましくは24g/g以上であり、さらに好ましくは26g/g以上であり、特に好ましくは28g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。なお、加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性の低下を招く虞があり、その場合、加圧下吸収倍率は60g/g以下、好ましくは50g/g以下でもよい。
本発明の効果を最大限に発揮させるためには、重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/g以上で、かつ、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/g以上であることが特に好ましい。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)に添加されることが好ましい。重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)に複合含水酸化物(B)を添加することにより、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)が吸水性樹脂(A)の表面により多く存在することになり、本発明の効果がより十分に発現する。重合工程を経て得られた吸水性樹脂に複合含水酸化物(B)を添加する形態としては、例えば、重合、乾燥後に添加する形態や、表面架橋処理時に添加する形態や、造粒時に添加する形態などが挙げられるが、特に限定されない。なお、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)は、重合後に得られた吸水性樹脂(A)のみならず、重合前の単量体成分や、前記重合中の反応物に添加してもよい。
(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の添加量は、吸水性樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.05〜4質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。添加量が0.001質量部未満の場合は、硫化水素やメルカプタン類などのイオウ系化合物に由来する悪臭を十分に除去できる消臭性能が不十分となる虞がある。5質量部を超える場合は、吸水性樹脂本来の吸収性能を低下させる虞がある。
重合工程を経て得られた吸水性樹脂(A)に複合含水酸化物(B)を添加する態様としては、例えば、吸水性樹脂に所望の量が添加されるように吸水性樹脂に直接混合させる方法(例えば粉体同士を混合する場合は、ドライブレンド法);かかる方法によって吸水性樹脂に直接混合したものに、水、水性液や各種有機溶剤などを噴霧若しくは滴下混合させる方法;添加剤を水性液や各種有機溶剤などに分散させてスラリー状態にして吸水性樹脂に添加する方法などが挙げられる。また、水性液や各種有機溶剤を混合した場合、必要により乾燥してもよい。
吸水性樹脂と、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)とを混合する場合、必要により用いる水、水蒸気、親水性有機溶媒などの水性液や各種有機溶剤の添加量は、吸水性樹脂(A)の種類や粒度によってその最適量は異なる。水を用いる場合は、添加量は、吸水性樹脂(A)に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは1〜5質量%の範囲である。親水性有機溶媒を用いる場合は、添加量は、吸水性樹脂(A)に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
吸水性樹脂と、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)とを混合する場合に使用する装置は、通常の装置でよい。例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、高速攪拌型混合機(例えば、タービュライザーなど)、ナウター型混合機、V型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機、スキ型(鋤型)ショベル羽根式混合機(例えば、レディゲミキサーなど)などを挙げることができ、混合の際の速度は高速、低速を問わない。
本発明の吸水性樹脂組成物の製造方法は、さらに、必要に応じて、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔料、染料、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールやポリエリレンイミンなどの親水性高分子、パラフィンなどの疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加する工程を含んでもよい。これらの添加剤は、吸水性樹脂に対して、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%添加される。
吸水性樹脂組成物中の吸水性樹脂の含有量は特に限定されないが、本発明の効果を十分に発揮させるため、好ましくは70〜99質量%の範囲、より好ましくは80〜99質量%の範囲、特に好ましくは90〜99質量%の範囲である。
本発明に係る吸水性樹脂組成物においては、さらに、必要に応じて各種の無機粉末を添加してもよい。無機粉末としては、具体的には二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。
本発明の吸水性樹脂組成物は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が、好ましくは26g/g以上であり、より好ましくは28g/g以上、さらに好ましくは30g/g以上、特に好ましくは32g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。無加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、無加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性(例えば、水可溶分)の低下を招く虞があり、その場合、無加圧下吸収倍率は100g/g以下、好ましくは90g/g以下でもよい。
本発明の吸水性樹脂組成物は、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が、好ましくは20g/g以上、より好ましくは24g/g以上、さらに好ましくは26g/g以上、特に好ましくは28g/g以上である。0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/gよりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。加圧下吸収倍率は、高ければ高いほど好ましいが、加圧下吸収倍率を一定以上に高めるには、大幅なコストアップや他の物性の低下を招く虞があり、その場合、加圧下吸収倍率は60g/g以下、好ましくは50g/g以下でもよい。
本発明の効果を最大限に発揮させるためには、本発明の吸水性樹脂組成物の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する無加圧下吸収倍率が26g/g以上で、かつ、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/g以上であることが特に好ましい。本発明の吸水性樹脂組成物がこのような特定の優れた吸収性能を有することによって、本発明の効果の一つである消臭性能がより十分に発揮できるようになる。
吸水性樹脂組成物の形状は、特に限定されず、例えば、球状、球の凝集体、不定形破砕状の粉末(粒子)などが挙げられるが、繊維への固定性の高さなどから不定形破砕状の粉末(粒子)が好ましく使用できる。さらに、JIS K−3362で規定される嵩比重は、本発明の効果を十分に発揮させるためには、好ましくは0.40〜0.80g/mlの範囲内、より好ましくは0.50〜0.75g/mlの範囲内、さらに好ましくは0.60〜0.73g/mlの範囲内である。
吸水性樹脂組成物の含水率は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、室温でも流動性を示す粉末であることが好ましい。具体的には、含水率は、好ましくは0.2〜30質量%、より好ましくは0.3〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。含水率は、吸水性樹脂組成物中に含まれる水分量として規定され、例えば、吸水性樹脂1gを用い、180℃で3時間乾燥した際の減量を用いて算出される。
吸水性樹脂組成物の水可溶分量は、特に限定されないが、本発明の効果を十分に発揮させるためには、低いほどよく、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜25質量%、さらに好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0〜15質量%、最も好ましくは0〜10質量%である。水可溶分量の下限は特になく、低いほど、すなわち0質量%であることが好ましい。水可溶分量の低減には大きなコストアップや吸収倍率の低下を伴う場合があり、下限は0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上でもよい。
吸水性樹脂組成物の着色状態は、YI値(Yellow Index:欧州特許第942014号および欧州特許第1108745号参照)として、好ましくは0〜15、より好ましくは0〜13、さらに好ましくは0〜10、最も好ましくは0〜5である。吸水性樹脂組成物中の残存モノマー量は、好ましくは1000ppm以下(下限0ppm)、より好ましくは500ppm以下(下限0ppm)である。
吸水性樹脂組成物の粒度は、好ましくは、850μm未満で150μm以上の粒子が全体の90質量%以上で且つ300μm以上の粒子が全体の60質量%以上である。850μm未満で150μm以上の粒子は、多いほど好ましい。すなわち、粒子の全質量に対して、好ましくは95〜100質量%、より好ましくは98〜100質量%である。また、300μm以上の粒子は、粒子の全質量に対して、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは75質量%以上である。この量の上限は特になく、高いほど、すなわち100質量%であることが好ましいが、100質量%にするには大幅なコストアップを伴う場合があり、上限は99質量%以下でもよい。
300μm以上の粒子が60質量%より少ない場合、本発明の消臭効果の達成が困難となるおそれがある。粒子径を大きくすると被表面面積が減少するにも拘らず、驚くべきことに、吸水性樹脂組成物の粒子径を大きくその比表面積を減少させるほど消臭効果が向上する。
吸水性樹脂組成物の質量平均粒子径は、好ましくは200〜700μm、さらに好ましくは300〜600μm、特に好ましくは400〜500μmである。吸水性樹脂組成物の質量平均粒子径は必要により造粒などで調整してもよい。
吸水性樹脂組成物は、実使用で優れた消臭性能を有するため、湿式硫化水素残存量の3時間後の値が低いほどよく、好ましくは0〜5ppmであり、より好ましくは0〜3ppmであり、さらに好ましくは0〜2ppmであり、特に好ましくは0〜1ppmである。さらに、湿式硫化水素残存量の1時間後の値が低いほどよく、好ましくは0〜7ppmであり、より好ましくは0〜5ppmであり、特に好ましくは0〜3ppmである。さらに、湿式硫化水素残存量の30分後の値が、好ましくは0〜9ppmであり、より好ましくは0〜7ppmであり、特に好ましくは0〜5ppmである。
本発明の吸水性樹脂組成物は、実使用で優れた消臭性能を有するため、湿式アンモニア残存量の60分後の値が、好ましくは0〜50ppmであり、より好ましくは0〜40ppmであり、特に好ましくは0〜30ppmである。さらに、湿式アンモニア残存量の30分後の値が、好ましくは0〜100ppmであり、より好ましくは0〜80ppmであり、特に好ましくは0〜60ppmである。さらに、湿式アンモニア残存量の10分後の値が、好ましくは0〜300ppmであり、より好ましくは0〜250ppmであり、特に好ましくは0〜220ppmである。これらを満たさない場合、実際のおむつに使用した場合でも、実使用で消臭性能が不十分であり、人間に不快感を与える虞がある。吸収性樹脂組成物を上記のパラメータを満たすように制御することで、おむつなどの実使用でも十分な効果が発現しうる。
吸水性樹脂組成物は、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の分離率が低いため、消臭性能を有効に発現する(分離率の詳細は、実施例参照)。亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の分離率は低いほどよく、好ましくは0〜20%であり、より好ましくは0〜15%であり、さらに好ましくは0〜10%であり、特に好ましくは0〜5%である。亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)の分離率が20%より大きい場合は、吸水性樹脂組成物が、尿などの吸収液を吸収して膨潤する際に、吸水性樹脂と亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)とが分離し、亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)のもつ消臭効果を有効に発揮できない虞がある。
吸水性樹脂組成物は、後述の実施例に記載する吸湿ブロッキング率が低いため、粉体取り扱い性に優れる。吸湿ブロッキング率は低いほどよく、好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%であり、特に好ましくは0〜5質量%である。吸湿ブロッキング率が30質量%より大きい場合は、例えばオムツなどを製造する場合、粉体の流動性が悪くなるためオムツの製造が困難になるなどの弊害が生じる虞がある。
(5)吸収体
本発明の吸水性樹脂組成物は、吸水性樹脂(A)を主成分とし、その形状は通常、粉末である。かかる粉末状の吸水性樹脂組成物を任意の他の吸収材料とともに成形することで吸収体が得られる。吸収体の形状は、特に限定されないが、好ましくは、シート状(別称ウェッブ状)、筒状、フィルム状、繊維状であり、特に好ましくはシート状である。水性樹脂組成物がシート状で得られる場合、そのまま吸収体としても良い。
吸収体は、本発明の効果を発揮するために、酸基および/またはその塩と架橋構造を有する吸水性樹脂(A)を主成分とし、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)、および親水性繊維を含んでなる吸収体である。
親水性繊維としては、特に限定されないが、例えば、粉砕された木材パルプ、コットンリンター、架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等が挙げられる。好ましくはそれらをエアレイドしたものが用いられる。
本発明の吸収体は、前述した吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを用いて製造されてもよいし、酸基および/またはその塩と架橋構造を有する吸水性樹脂(A)、(b1)亜鉛と珪素、または(b2)亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B)、および親水性繊維を用いて製造されてもよい。
本発明の吸収体が吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを含む吸収体である場合、コア濃度と呼ばれる吸水性樹脂組成物と親水性繊維との合計質量に対する吸水性樹脂組成物の含有量が、好ましくは20〜100%質量%の範囲、さらに好ましくは25〜90質量%の範囲、より好ましくは30〜80質量%の範囲である。コア濃度が20質量%未満の場合は、吸水性樹脂組成物の使用量が少なく、例えば、オムツ全体への消臭性能の付与が不十分となる虞がある。
本発明の吸収体を吸水性樹脂組成物と親水性繊維とから製造する場合、その製造方法は特に限定されない。例えば、吸水性樹脂組成物と親水性繊維とを、上述のコア濃度となる割合でミキサー等の混合機を用いて乾式混合する。得られた混合物を例えば空気抄造などによってウェブ状に成形する。その後、必要により圧縮成形することにより、吸収体が製造される。かかる吸収体は、密度0.001〜0.50g/cc、坪量0.01〜0.20g/cmの範囲に圧縮成形されることが好ましい。
本発明の吸収体が、吸水性樹脂(A)または吸水性樹脂組成物、複合含水酸化物(B)、および親水性繊維を用いて製造される場合、吸水性樹脂(A)の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率が20g/g以上であることが好ましい。また、複合含水酸化物(B)における亜鉛と珪素、または、亜鉛とアルミニウムの質量比が、50/50〜99/1であることが好ましい。また、吸水性樹脂の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率(60分値)が上述の範囲であることが好ましい。複合含水酸化物(B)における亜鉛と珪素、または亜鉛とアルミニウムの質量比が上記範囲を外れると、吸収体として本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。
本発明の吸収体が、吸水性樹脂(A)、複合含水酸化物(B)、および親水性繊維を用いて製造される場合、その製造方法は特に限定されない。例えば、吸水性樹脂(A)と複合含水酸化物(B)と親水性繊維とを、上述のコア濃度となる割合でミキサー等の混合機を用いて乾式混合する方法;かかる方法によって乾式混合したものに、水、水性液や、各種有機溶剤などを噴霧もしくは滴下混合させる方法;複合含水酸化物(B)を水性液や各種有機溶剤などに分散させたスラリーと吸水性樹脂と親水性繊維を、上述のコア濃度となる割合でミキサー等の混合機を用いて混合する方法などが挙げられる。
(6)吸収性物品
本発明の吸収性物品は、上記した本発明の吸収体、液透過性の表面シート、液不透過性の背面シートを備える。
吸収性物品の製造方法は、特に限定されない。例えば、表面シートとして機能する吸収体を液透過性を有する基材と、背面シートとして機能する液不透過性を有する基材で、吸収体をサンドイッチする。必要に応じて、弾性部材、拡散層、粘着テープ等が配置され、吸収性物品、例えば、大人用紙オムツや生理用ナプキンが製造される。
本発明の吸水性樹脂組成物や吸収体は、吸収性物品に消臭機能を付与でき、長時間にわたり、優れた消臭性能と吸収特性を示す。用途としては、具体的には、近年成長の著しい大人用紙オムツ、子供用オムツ、生理用ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料等が挙げられるが、これらに特に限定されない。本発明の吸収性物品は、吸水性樹脂組成物や吸収体が非常に優れた消臭性を有し、かつ、戻り量も少なく、ドライ感が著しい。このたえ、装着している本人、介護の人々の負担を大きく低減することができる。
以下に本発明の実施例と比較例を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、吸水性樹脂、吸水性樹脂組成物、吸収性物品の諸性能は以下の方法で測定した。また実施例において使用される電気機器はすべて100V、60Hzの条件で使用した。さらに、吸水性樹脂、吸水性樹脂組成物、および吸収性物品は、特に指定がない限り、25℃±2℃、RH50%の条件下で使用した。
(a)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する無加圧下吸収倍率
吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)0.20gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、25±2℃に調温した0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の質量W2(g)を測定した。また、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量W1(g)を測定した。そして、これら質量W1、W2から、次式に従って、吸収倍率(g/g)を算出した。
0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する無加圧下吸収倍率(g/g)=((質量W2(g)−質量W1(g))/吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)の質量(g))−1
(b)0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率
400メッシュのステンレス製金網(目の大きさ38μm)を円筒断面の一辺(底)に溶着させた内径60mmのプラスチック製支持円筒の底の金網上に、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)0.90gを均一に散布した。その上に外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との壁面に隙間が生じずかつ上下の動きは妨げられないピストン(cover plate)を載置し、支持円筒と吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)とピストンの質量W3(g)を測定した。このピストン上に、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)に対して、ピストンを含め1.9kPaの荷重を均一に加えることができるように調整された荷重を載置し、測定装置一式を完成させた。直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mm、厚さ5mmのガラスフィルターを置き、25±2℃に調温した0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)をガラスフィルターの上部面と同レベルになるように加えた。その上に直径9cmの濾紙(トーヨー濾紙株式会社製、No.2)を1枚載せて表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を上記湿った濾紙上にのせ、液を荷重下で吸収させた。液面がガラスフィルターの上部から低下したら液を追加し、液面レベルを一定に保った。1時間後に測定装置一式を持ち上げ、荷重を取り除いた質量W4(g)(支持円筒と膨潤した吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)とピストンの質量)を再測定した。そして、これら質量W3、W4から、次式に従って、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対する1.9kPaでの加圧下吸収倍率(g/g)=(質量W4(g)−質量W3(g))/吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)の質量(g)
(c)質量平均粒子径
吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を、850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率を対数確率紙にプロットした。これにより、質量平均粒子径(D50)を読み取った。
篩い分けは吸水性樹脂粉末(または吸水性樹脂組成物粉末)の10.00gを目開き850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)に仕込み、ロータップ型ふるい振盪機(株式会社飯田製作所製、ES−65型ふるい振盪機)により10分間分級した。なお、質量平均粒子径(D50)とは、米国特許第5051259号公報などにあるように一定目開きの標準ふるいで粒子全体の50質量%に対応する標準ふるいの粒子径のことである。
(d)消臭テスト(吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物の評価)
成人20人より集めた人尿50mlを蓋付きの120mlのポリプロピレンカップに加え、そこに後述する実施例または比較例で得られた吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)2.0gを添加することにより膨潤ゲルを形成させた。人尿は排泄後2時間以内のものを用いた。この容器に蓋をし、膨潤ゲルを37℃に保った。液吸収から6時間後に蓋を開け、カップの上部から約3cmの位置で成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。判定は、下記の判定基準を用いて各人6段階で得点を記載し平均値を求めた。なお吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を添加せず人尿だけで、同様の操作を行ったものを標準品とし、その臭いを5として消臭効果を評価した。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:感知できるが許容できる臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
(e)消臭テスト(吸収性物品の評価)
後述する実施例または比較例で得られた吸収性物品を円形(直径80mm)に切断し、蓋付きの500mlのポリプロピレンカップの底に、液透過性シートを上面にして入れた。この吸収性物品の中心部に、成人20人より集めた人尿20gを入れ、蓋をして容器全体を37℃に保った。6時間後に蓋を開け、カップの上部から約3cmの位置で成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。判定は、下記の判定基準を用いて各人6段階で得点を記載し平均値を求めた。なお吸収性物品を入れず人尿だけで、同様の操作を行ったものを標準品とし、その臭いを5として消臭効果を評価した。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:感知できるが許容できる臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
(f)湿式硫化水素残存量(硫化水素消臭能試験)
ガラスシャーレ(株式会社相互理化学硝子製作所発行のGENERAL CATALOGUE A−8000(2002年発行)に記載、コード:305−08、外径×高さ=150mm×28mm)に、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)5.00gを均一に撒布した。次いで、円形(直径147mm)に切った通気性で通液性のヒートロンペーパー(南国パルプ工業株式会社、品種:GSP−22)1枚で吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を覆い、ヒートロンペーパーの円周3箇所をガラスシャーレ内壁にテープ(10mm×10mm)で固定した。ヒートロンペーパーでない場合は不織布で代用した。3Lの臭い袋(近江オドエアーサービス株式会社製)の一辺を開口し、吸水性樹脂樹脂(または吸水性樹脂組成物)を撒布したガラスシャーレを入れた後、臭い袋の開口部分を隙間がないように閉じた。臭い袋に備えられたガラス管部から、臭い袋内を一旦減圧にした後、所定量の無臭空気を注入した。無臭空気の供給量は、後で注入する硫化水素標準ガスとの合計量が2.5Lとなるように設定した。すなわち、無臭空気量(L)=2.5−硫化水素標準ガスの注入量(L)に従って設定した。続いて、外気の混入を防ぎながら臭い袋内のシャーレにポリテトラフルオロエチレンチューブを備えたガラス漏斗を用いて、25±2℃に調温した0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)80mlを一気に注ぎ、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を均一に膨潤させ、シリコンゴム栓で密栓した。膨潤させて30分後、この臭い袋内に、1.0ml硫化水素標準ガス(硫化水素濃度:5.06(体積%)、臭い袋内の硫化水素濃度:20ppm)を、注射針を有したシリンジで注入し、25℃にて放置した。標準ガス濃度や注入量は、袋内濃度が20ppmとなるように、適宜変更した。30分後、1時間後、3時間後にそれぞれシリコンゴム栓をはずし、外気の混入を防ぎながら、ガス採取器(株式会社ガステック製、GV−100S)およびガス検知管(株式会社ガステック製、No.4LK)を用いて雰囲気濃度を測定した。そして、この雰囲気濃度を湿式硫化水素残存量とした。
(g)湿式アンモニア残存量
ガラスシャーレ(株式会社相互理化学硝子製作所発行のGENERAL CATALOGUE A−8000(2002年発行)に記載、コード:305−08、外径×高さ=150mm×28mm)に、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)5.00gを均一に撒布した。次いで、円形(直径147mm)に切った通気性および通液性を有するヒートロンペーパー(南国パルプ工業株式会社、品種:GSP−22)1枚で吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を覆い、ヒートロンペーパーの円周3箇所をガラスシャーレ内壁にテープ(10mm×10mm)で固定した。ヒートロンペーパーでない場合は不織布で代用した。3Lの臭い袋(近江オドエアーサービス株式会社製)の一辺を開口し、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を撒布したガラスシャーレを入れた後、臭い袋の開口部分を隙間がないように閉じた。臭い袋に備えられたガラス管部から、臭い袋内を一旦減圧にした後、所定量の無臭空気2.5Lを注入し、続いて、外気の混入を防ぎながら臭い袋内のシャーレに、ポリテトラフルオロエチレンチューブを備えたガラス漏斗を用いて、25±2℃に調温し0.0132molのアンモニアを溶解させた0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)80mlを一気に注ぎ、吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を均一に膨潤させ、シリコンゴム栓で密栓し、25℃にて放置した。10分後、30分後、60分後にそれぞれ、シリコンゴム栓をはずし、外気の混入を防ぎ、ガス採取器(株式会社ガステック製、GV−100S)およびガス検知管(株式会社ガステック製、No.3L、No.3La、No.3M)を用いて雰囲気濃度を測定した。そして、この雰囲気濃度を湿式アンモニア残存量とした。
(h)分離率:(吸水性樹脂に添加した添加剤が、膨潤時に吸水性樹脂より脱落してしまう割合を示す指標)
容量200mlの透明なガラス製の三角フラスコ(相互理化学硝子製作所社製)に、吸水性樹脂組成物0.50質量部と、25±2℃に調温した0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)50mlを投入した。さらに攪拌子(相互理化学硝子製作所社製、スタンダード型、長さ3cm)を投入し、シリコンゴム栓で密栓し、マグネチックスターラーを用いて、300rpmで10分間攪拌した。攪拌終了後、超音波洗浄器(製造元:新日星電子株式会社、販売元:株式会社バリバ、商品名:ULTRA−SONIC CLEANER 7500baliba)に配置し、三角フラスコ内の液面と同じ高さになる純水を超音波洗浄器の浴槽に入れ、超音波洗浄器を20分間作動させた。その後、液全体を均一にするために再度300rpmで1分間攪拌を行い、1分後直ぐに吸引濾過(ろ紙はADVANTEC社製、No.2を使用)を行い、ろ液をすべて回収し、ろ液の質量W5(g)計量した。得られたろ液のヘイズ値を、DEGITAL HAZEMETER(日本電色工業株式会社製、AUTOMATIC DIGITAL HAZEMETER NDH−20D)により測定し、ヘイズ値とカオリン濁度との関係からカオリン濁度を算出し、さらに後述する方法により得られた検量線から、ろ液中の添加剤の濃度X1(ppm)、すなわち、添加剤が0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に吸水性樹脂から分離した量を算出した。
それぞれの添加剤の添加量とカオリン濁度との検量線については、以下の様に作成した。所定量(20ppm、50ppm、100ppm、300ppmに相当する量)の添加剤を含む25±2℃に調温した0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)50mlを、容量200mlの透明なガラス製の三角フラスコ(相互理化学硝子製作所社製)において調製した。さらに攪拌子(相互理化学硝子製作所社製、スタンダード型、長さ3cm)を投入し、シリコンゴム栓で密栓し、マグネチックスターラーを用いて300rpmで10分間攪拌した。攪拌終了後、超音波洗浄器(製造元:新日星電子株式会社、販売元:株式会社バリバ、商品名:ULTRA−SONIC CLEANER 7500baliba)に配置し、三角フラスコ内の液面と同じ高さになる純水を超音波洗浄器の浴槽に入れ、超音波洗浄器を20分間作動させた。その後、液全体を均一にするために再度マグネチックスターラーを用いて、300rpmで1分間攪拌を行い、1分後直ぐに吸引濾過(ろ紙はADVANTEC社製、No.2を使用)を行い、ろ液をすべて回収した。得られたろ液のヘイズ値を、DEGITAL HAZEMETER(日本電色工業株式会社製、AUTOMATIC DIGITAL HAZEMETER NDH−20D)により測定し、ヘイズ値とカオリン濁度との関係からカオリン濁度を算出し、既知の添加剤量とカオリン濁度の関係を、最小二乗法により直線近似を行い、それぞれの添加剤における検量線を作成した。
分離率については以下の式を用いて算出した。
分離率(%)=X1/Y1×100
X1(ppm):実験により算出されたろ液中の添加剤の濃度
Y1(ppm):添加剤がすべて吸水性樹脂より分離し、ろ液中に分散した場合のろ液の濃度
Y1(ppm)=0.50×A1/100/W5×1000000
A1(質量%):添加剤の添加量(対吸水性樹脂)
W5(g):ろ液の量
分離率の値が小さい方が、吸水性樹脂からの添加剤の脱落が少なく、添加剤の効果が有効に発揮されることを示す。
(i)吸湿ブロッキング率(質量%)
吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)2gを底面の直径52mm、高さ22mmのアルミニウムカップの底に均一に散布し、あらかじめ25℃、相対湿度90%に調整した恒温恒湿器(タバイエスペック製PLATIOOUS LUCIFER PL−2G)にすばやく入れ、60分間放置した。その後、吸湿した吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を直径7.5cm、目開き2000μmのJIS標準ふるいに移した。この時、吸湿した吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)がアルミカップに強固に付着し、ふるいに移せない場合は、吸湿しブロッキングを起こした状態の吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)を、できるだけ崩さないように注意しながら剥がし取ってふるいに移した。これをすぐに、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により8秒間ふるい、ふるい上に残存した吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)の重量W6(g)およびふるいを通過した吸水性樹脂(または吸水性樹脂組成物)の重量W7(g)を測定した。
吸湿ブロッキング率(質量%)=重量W6(g)/(重量W6(g)+重量W7(g))×100
により吸湿ブロッキング率(質量%)を算出した。吸湿ブロッキング率が低いほど、吸湿流動性に優れており、粉体の取り扱い性等が向上する。
(j)ゲル強度
0.005質量%のL−アスコルビン酸を含む人工尿(人工尿組成:尿素95g、塩化ナトリウム40g、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、イオン交換水4855g)を用いて、10mlの蓋付プラスチック容器中で各吸水性樹脂組成物2gを25倍に膨張させ、温度37℃相対湿度90%の雰囲気下に所定時間放置した。24時間後、容器を90度傾けた時の流動化したゲルの先端部が2cm移動する時間(秒)の大小で吸水性樹脂の尿劣化度を数値化し、さらに膨潤ゲルの様子を触感(○:良い、△:ふつう、×:悪い)で観察した。なお、時間(秒)が大きいほど、耐尿性および耐久性が高い。
〔参考例1〕
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)3.4gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム 2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜90℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(a)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(a)100質量部に、プロピレングリコール0.5質量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03質量部、1,4−ブタンジオール0.3質量部と、水3質量部とからなる表面架橋剤3.83質量部を混合した。上記の混合物を210℃で55分間加熱処理することにより吸水性樹脂(1)を得た。この吸水性樹脂(1)の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、粒度分布を表1に示す。
〔参考例2〕
65モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)5.9gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜90℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を参考例1と同様に乾燥・粉砕しさらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(b)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(b)100質量部に、プロピレングリコール0.5質量部と、1,4−ブタンジオール0.3質量部と、水3重量部とからなる表面架橋剤3.8質量部をを混合した。上記の混合物を200℃で45分間加熱処理することにより吸水性樹脂(2)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例3〕
60モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度33質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)3.6gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜85℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を参考例1と同様に乾燥・粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(c)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(c)100質量部に、参考例1と同じ組成の表面架橋剤3.83質量部を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂(3)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例4〕
55モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度30質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)3.3gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜85℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を参考例1と同様に乾燥・粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(d)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(d)100質量部に、参考例2と同じ組成の表面架橋剤3.8質量部を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂(4)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例5〕
68モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液6600g(単量体濃度35.5質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)5.3gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム3.23g及びL−アスコルビン酸0.016gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜90℃で重合を行い、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、170℃で40分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(e)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(e)100質量部に、プロピレングリコール0.51質量部と、1,4−ブタンジオール0.31質量部と、水2.73質量部とからなる表面架橋剤3.55質量部を混合した。上記の混合物を200℃で40分間加熱処理することにより吸水性樹脂(5)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例6〕
72モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液6600g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)5.6gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム3.42g及びL−アスコルビン酸0.017gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜90℃で重合を行い、重合を開始して40分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、参考例1と同様に乾燥・粉砕し、20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(f)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(f)100質量部に、参考例5と同じ組成の表面架橋剤3.55質量部を混合した。上記の混合物を200℃で50分間加熱処理することにより吸水性樹脂(6)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例7〕
65モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度33質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)3.1gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜85℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、参考例1と同様に乾燥・粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(g)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(g)100質量部に、参考例1と同じ組成の表面架橋剤3.83質量部を混合した。上記の混合物を195℃で60分間加熱処理することにより吸水性樹脂(7)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例8〕
30モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度20質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)6.8gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、参考例1と同様に乾燥・粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(h)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(h)100質量部に、参考例2と同じ組成の表面架橋剤3.8質量部を混合した。上記の混合物を210℃で50分間加熱処理することにより吸水性樹脂(8)を得た。結果を表1に示す。
〔参考例9〕
参考例1と同様の方法で不定形破片状の吸水性樹脂粉末(i)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(i)をそのまま吸水性樹脂(9)とした。結果を表1に示す。
〔参考例10〕
5Lビーカーに純水1Lを分取し、攪拌しながら温度60℃に加熱保持した。ついで、別途用意した硫酸亜鉛(和光純薬株式会社製)を114.5質量部、ケイ酸ナトリウム粉末(和光純薬株式会社製)を17.6質量部とを混合した水溶液2Lとアンモニア水溶液を、前記純水中にpHが7.5を維持するように注意しながら滴下した。生成した沈殿をろ過洗浄後、120℃で6時間乾燥し、亜鉛と珪素を含む複合含水酸化物(B1)(亜鉛と珪素の質量比:85/15)を得た。
〔参考例11〕
5Lビーカーに純水1Lを分取し、攪拌しながら温度60℃に加熱保持した。ついで、別途用意した硫酸亜鉛(和光純薬株式会社製)を132.9質量部、硫酸アルミニウム・14〜18水和物(和光純薬株式会社製)を110.1質量部とを混合した水溶液2Lとアンモニア水溶液を、前記純水中にpHが7.5を維持するように注意しながら滴下した。生成した沈殿をろ過洗浄後、120℃で6時間乾燥し、亜鉛とアルミニウムを含む複合含水酸化物(B2)(亜鉛とアルミニウムの質量比:85/15)を得た。
〔参考例12〕
5Lビーカーに純水1Lを分取し、攪拌しながら温度60℃に加熱保持した。ついで、別途用意した塩化チタン(和光純薬株式会社製)を161.2質量部、ケイ酸ナトリウム粉末(和光純薬株式会社製)を9.1質量部とを混合した水溶液2Lとアンモニア水溶液を、前記純水中にpHが7.5を維持するように注意しながら滴下した。生成した沈殿をろ過洗浄後、120℃で6時間乾燥し、チタンと珪素を含む複合含水酸化物(B3)(チタンと珪素の質量比:91/9)を得た。
〔参考例13〕
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38質量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)2.3gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を参考例1と同様に脱気したのち、参考例1の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.83g及びL−アスコルビン酸0.024gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜100℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は約1〜4mmの粒子に細分化されていた。この含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、参考例1と同様に乾燥・粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(j)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(j)100質量部に、参考例1と同じ組成の表面架橋剤3.8質量部を混合した。上記の混合物を195℃で30分間加熱処理することにより吸水性樹脂(10)を得た。結果を表1に示す。
〔実施例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100質量部に、亜鉛と珪素の複合含水酸化物(商品名:CERATIOX SZ−100S、チタン工業株式会社製、亜鉛と珪素の含有質量比:82/18、平均粒子径:0.36μm)を0.50質量部添加混合(ドライブレンド)することによって、吸水性樹脂組成物(1)を得た。
得られた吸水性樹脂組成物(1)の無加圧下吸水倍率、1.9kPaでの加圧下吸水倍率、硫化水素消臭能試験、アンモニア消臭能試験、消臭テスト、分離率、吸湿ブロッキング率の結果を表2、表3、表4に示した。
〔実施例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例2で得られた吸水性樹脂(2)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(2)を得た。吸水性樹脂組成物(2)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例3で得られた吸水性樹脂(3)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(3)を得た。吸水性樹脂組成物(3)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例4で得られた吸水性樹脂(4)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(4)を得た。吸水性樹脂組成物(4)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例5〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例5で得られた吸水性樹脂(5)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(5)を得た。吸水性樹脂組成物(5)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例6〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例6で得られた吸水性樹脂(6)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(6)を得た。吸水性樹脂組成物(6)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例7〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例5で得られた吸水性樹脂(5)に変え、さらに植物成分としてツバキ科植物の葉抽出物の15質量%水溶液(製品名:FS−80MO、販売者:白井松新薬株式会社(所在地:滋賀県甲賀郡水口町宇川37−1))を0.5質量部添加混合した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(7)を得た。吸水性樹脂組成物(7)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔実施例8〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、参考例10で得られた亜鉛と珪素の複合含水酸化物(B1)(亜鉛と珪素の質量比:90/10)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(8)を得た。吸水性樹脂組成物(8)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示した。
〔実施例9〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、参考例11で得られた亜鉛とアルミニウムの複合含水酸化物(B2)(亜鉛とアルミニウムの質量比:90/10)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(9)を得た。吸水性樹脂組成物(9)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示した。
〔実施例10〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物の添加量を0.10質量部に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(10)を得た。吸水性樹脂組成物(10)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示した。
〔実施例11〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例13で得られた吸水性樹脂(10)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂組成物(11)を得た。吸水性樹脂組成物(11)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔比較例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例7で得られた吸水性樹脂(7)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(1)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(1)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示した。
〔比較例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例8で得られた吸水性樹脂(8)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(2)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(2)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示す。
〔比較例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を参考例9で得られた吸水性樹脂(9)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(3)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(3)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3に示す。
〔比較例4〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を添加しない以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(4)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(4)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例5〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、亜鉛と珪素の含有質量比、および粒子径が異なる複合含水酸化物(亜鉛と珪素との含有質量比:40/60,粒子径:250μm以下,商品名:シュークレンズ KD−211S、ラサ工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(5)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(5)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例6〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、亜鉛と珪素の含有質量比、および粒子径が異なる複合含水酸化物(亜鉛と珪素との含有質量比:40/60,粒子径:1μm以下,商品名:シュークレンズ KD−211G、ラサ工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(6)を得た。得られた比較用吸水性樹脂組成物(6)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例7〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、金属元素の組み合わせが異なるチタンと亜鉛との複合含水酸化物(チタンと亜鉛との含有質量比:50/50,平均粒子径:0.50μm,商品名:CERATIOX TZ−100、チタン工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(7)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(7)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例8〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、亜鉛化合物である塩基性炭酸亜鉛(和光純薬株式会社製)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(8)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(8)を実施例8と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例9〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、亜鉛単独の酸化物である酸化亜鉛(商品名:NANOTEC ZnO、シーアイ化成株式会社製、平均粒子径:31nm)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(9)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(9)を実施例1と同様に評価し表2、表3、表4に示す。
〔比較例10〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、珪素単独の酸化物である二酸化珪素(商品名:NANOTEC SiO、シーアイ化成株式会社製、平均粒子径:26nm)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(10)を得た。得られた比較用比較用吸水性樹脂組成物(11)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例11〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、チタン単独の酸化物である二酸化チタン(商品名:NANOTEC TiO、シーアイ化成株式会社製、平均粒子径:30nm)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(11)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(11)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例12〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、参考例12で得られたチタンと珪素の複合含水酸化物(B3)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(12)を得た。比較用吸水性樹脂組成物(12)を実施例1と同様に評価し、結果を表2、表3、表4に示す。
〔比較例13〕
亜鉛と珪素の複合含水酸化物を、前記酸化亜鉛と前記二酸化珪素の混合物(前記酸化亜鉛と前記二酸化珪素を1/1の比率で混合したもの)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較用吸水性樹脂組成物(12)を得た。得られた比較用吸水性樹脂組成物(12)の無加圧下吸水倍率、1.9kPaでの加圧下吸水倍率、硫化水素消臭能試験、アンモニア消臭能試験、消臭テストの結果を表2、表3に示した。
〔実施例11〕
実施例1で得られた吸水性樹脂組成物(1)37質量部と、木材粉砕パルプ63質量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、130mm×400mmの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPaで5秒間プレスすることにより、坪量が約0.05g/cmの吸収体を得た。
続いて、液不透過性のポリプロピレンからなる、液不透過性の背面シート、上記吸収体、および、液透過性のポリプロピレンからなる不織布の表面シートを、両面テープを用いてこの順に互いに貼着することにより、吸収性物品である大人用の紙オムツのパッドタイプを得た。この吸収性物品(1)の質量は50gであった。
得られた吸収性物品(1)の消臭テスト結果を表5にまとめた。
〔実施例12〜14〕
実施例11で用いた吸水性樹脂組成物(1)を、実施例8、9、10で得られた吸水性樹脂組成物(8)、(9)、(10)に変更することにより、吸収性物品(2)、(3)、(4)をそれぞれ得た。
得られた吸収性物品(2)、(3)、(4)の消臭テスト結果を表5にまとめた。
〔比較例14〜17〕
実施例10で用いた吸水性樹脂組成物(1)を、比較例4、5、7、13で得られた比較用吸水性樹脂組成物(4)、(5)、(7)、(13)に変更することにより、比較用吸収性物品(1)、(2)、(3)、(4)をそれぞれ得た。
得られた比較用吸収性物品(1)、(2)、(3)、(4)消臭テスト結果を表5にまとめた。
〔実施例15〕
実施例1、8、9で得られた吸水性樹脂組成物(1)、(8)、(9)、および比較例4で得られた比較吸水性樹脂組成物(4)について、(j)耐尿性および耐久性を評価した。その結果、実施例1:○(60秒以上)、実施例8:○(60秒以上)、実施例9:○(60秒以上)に対して、比較例4:×(10秒)であった。

Claims (10)

  1. 酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物とを含む吸水性樹脂組成物であって、
    前記複合含水酸化物は金属の主成分として亜鉛を含有し、
    亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が50/50〜99/1であり、
    且つ、前記吸水性樹脂組成物の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である、吸水性樹脂組成物。
  2. 前記複合含水酸化物が、水溶性亜鉛化合物および水溶性珪素化合物を含む溶液、または水溶性亜鉛化合物および水溶性アルミニウム化合物を含む溶液において、共沈法によって得られるものである、請求項1に記載の吸水性樹脂組成物。
  3. 膨潤状態における、前記吸水性樹脂からの前記複合含水酸化物の分離率が20%以下である、請求項1または2に記載の吸水性樹脂組成物。
  4. 前記吸水性樹脂組成物は、粒子状であり、150μm以上850μm未満の粒子が全体の90質量%以上で、かつ、300μm以上の粒子が全体の60質量%以上含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  5. 亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が60/40〜99/1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  6. 植物成分をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂組成物と、親水性繊維とを含む、衛生材料用吸収体。
  8. 酸基および/またはその塩を含有する不飽和単量体を重合して得られる吸水性樹脂と、親水性繊維と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物とを含む衛生材料用吸収体であって、
    前記複合含水酸化物は金属の主成分として亜鉛を含み、
    亜鉛の含有量と珪素またはアルミニウムの含有量との質量比が50/50〜99/1であり、
    且つ、前記吸水性樹脂の0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上であることを特徴とする、衛生材料用吸収体。
  9. 請求項7または8に記載の吸収体、液透過性を有する表面シート、液不透過性を示す背面シートを備えた、吸収性物品。
  10. 酸基を含有する不飽和単量体を重合する重合工程を経て、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液に対する1.9kPaでの加圧下吸水倍率(60分値)が20g/g以上である吸水性樹脂を得る工程と、
    前記吸水性樹脂と、亜鉛および珪素、または亜鉛およびアルミニウムを含有する複合含水酸化物との混合工程とを含む、
    吸水性樹脂組成物の製造方法。
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