JP2005060551A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造する。
【解決手段】 HFCを発泡剤として使用し、触媒、整泡剤、及びその他助剤の存在下、2官能以上の活性水素化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、イソシアネート成分として、炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤の少なくとも1つの成分を予め混合するか、若しくは反応の開始と同時に混合することを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、面材又は施工面との接着性を改良した硬質ポリウレタンフォーム、特にポリウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは、製品密度が低く、断熱性が優れ、高い機械強度を有する為に、断熱材として、建築材料及び冷凍冷蔵機械用途で広く使用されている。
この硬質ポリウレタンフォームを製造するための発泡剤としては、従来からハイドロクロロフルオロカーボン(以下HCFCと称する)が用いられている。特に、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)が多く用いられてきた。
しかしこのHCFC発泡剤は、ハロゲンを含有している為に、成層圏においてオゾン層を破壊する可能性が懸念されている。従って、地球環境保護の目的の為に、HCFCの生産量、消費量が国際的に規制され、日本では、国内需要での発泡剤用途のHCFC141bは、2003年末で製造と輸入が禁止される。新規の代替フロン発泡剤としては、オゾン破壊係数がゼロのハイドロフルオロカーボン(以下HFCと称する)が用いられる。例えば、HFC245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−n−ブタン)が発泡剤として、導入され適用されつつある。
しかしながら、硬質ウレタンフォームの製造時、従来のHCFC発泡剤に替えて、代替フロンのHFCを使用した場合、フォーム温度が低下し易く、フォーム表面のスキン形成の不良、及びフライアビリティ性の悪化により、面材又は施工面との接着性が低下する。特に冬場、面材又は施工面の表面温度が低い場合、製造直後の接着性が、著しく低下するという問題がある。特に、蒸発潜熱及び比熱が大きいHFC245faおよびHFC356mfcについて、この問題が顕著である。
HFCを発泡剤とした発泡体に関する技術が種々提案されており、その中には接着性について部分的に記載されているのもある。
イソシアネート成分に特徴を有する技術は次のとおりである。
ポリメリックMDIと活性水素基非含有ポリエーテル及び/又は活性水素基非含有ポリシリロキサン−ポリエーテル共重合体を含有するものを特定の割合で混合して得られる硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−356530号公報);
ポリイソシアネートとアミノ基が2級である芳香族ポリアミンを反応させて得られる硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート(特開平11−322890号公報);
ポリイソシアネートに官能基数2〜3のポリオールを反応させてプレポリマー化したもの(特開2000−264945号公報);
活性水素基含有ポリシロキサンをポリイソシアネートに反応させた変性ポリイソシアネート組成物(特開2001−055427号公報);
シラノール基を有するポリシロキサンをポリイソシアネートに反応させた変性ポリイソシアネート組成物(特開2001−064349号公報);
ポリメリックMDIと水酸基及びエチレン性不飽和結合含有ポリエーテルを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−128850号公報);
ポリメリックMDIとオキシエチレン基が50モル%以上であるポリオキシアルキレン構造を有する活性水素基含有ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体とを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−241456号公報);
ポリメリックMDIと特定の水酸基含有ポリエーテルを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーからなる硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−322231号公報);
ポリメリックMDIと特定の活性水素基含有ポリシリロキサン−ポリエーテル共重合体を含有するものを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−356532号公報);
ポリメリックMDIと活性水素基含有ポリエーテル、活性水素基含有ポリシリロキサン−ポリエーテル共重合体を特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−356533号公報);
ポリメリックMDIと活性水素基含有炭化水素系化合物及び/又は活性水素基含有ハロゲン化炭化水素系化合物を含有するものを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−356534号公報);
ポリメリックMDIと活性水素基含有脂肪酸エステル及び/又は活性水素基含有脂肪酸アミド化合物を含有するものを特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを含有する硬質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物(特開2002−356535号公報)。
イソシアネート成分およびポリオール成分に特徴を有する技術は次のとおりである。
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートとオキシエチレン基を70質量%以上含有する活性水素含有ポリエーテル化合物を特定の割合で反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマー含有するポリイソシアネート及び特定のポリオールを用いた方法(特開2001−316443号公報)。
ポリオール成分に特徴を有する技術は次のとおりである。
ポリオールにフタル酸系ポリエステルポリオールを含み、原料中に反応活性基を持たない特定の化合物を使用する方法(特開2002−363241号公報);
添加剤に特徴を有する技術は次のとおりである。
硬質ウレタンフォームの製造するに際し、全ポリヒドロキシ化合物に対し、低粘度化剤、発泡剤を特定の割合で使用する方法(特開平6−279613号公報);
ポリオールに対して特定の割合の活性水素基が0又は1の主成分がリン酸エステル系化合物及び/又はアルキルフェノール系化合物を用いた方法(特開2000−281741号公報)。
触媒に特徴を有する技術は次のとおりである。
イソシアネート基に対して活性な水素をもつアミノ基及び/又はイミノ基を有する化合物をポリオール成分中に特定の割合で使用する方法(特開平6−228260号公報);
ポリオールに対して発泡剤として水、更にHFC及び/又はFCを特定の割合で使用し、炭酸ガス反応を促進する作用を持つ化合物を触媒として用いる方法(特開平7−179639号公報);
分子内に2個以上のヒドロキシル基を含有する第4級アンモニウム塩系触媒を用いる方法(特開平9−104734号公報);
触媒として亜硝酸アルカリ金属塩又は亜硝酸アルカリ土類金属塩を用いる方法(特開平9−132625号公報);
第3級アミン及びイミダゾール化合物を含有するポルウレタン製造用触媒を用いる方法(特開2002−179756号公報)。
ポリオール組成に特徴を有する技術は次のとおりである。
硬質ポリウレタンフォームにおいて芳香族アミノ基及び/又はイミノ基を有する化合物をポリオール成分中に特定の割合で使用する方法(特開平9−087352号公報);
硬質ポリウレタンフォームにおけるポリオール組成による方法(特開2001−247647号公報)。
しかしながら、これらの技術は、面材又は施工面との接着性、特に、低温雰囲気下にある冬場の接着性を改良するに十分なものではなかった。
本発明の目的は、HFCを発泡剤として製造された、接着性、特に冬場の接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを提供することにある。
かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤のいずれか少なくとも1つをポリイソシアネート化合物に予め混合するか、若しくは反応の開始と同時に混合することにより、HFCを発泡剤として使用したポリウレタンフォーム及びポリウレタン変性ポリイソシアヌレートフォーム、特にポリウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームにおいて、接着強度が高くなることを見出し本発明を完成するに至った。驚くことに、炭酸エステル、リン酸エステル類、及び/又は整泡剤の同量を事前にポリオール成分に混合しても同様の効果は、見出されなかった。
本発明は、ハイドロフルオロカーボンを発泡剤として使用した、2官能以上の活性水素化合物を含んでなるポリオール成分とイソシアネート成分を反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤からなる群から選ばれた少なくとも1つの成分を予めポリイソシアネート化合物に混合するか、若しくは反応の開始と同時に混合することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
本発明によれば、紙、ラミネート紙、金属等の面材、石膏ボード、コンクリート等の施工面との接着性に優れた硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
本発明において、炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤からなる群から選ばれた少なくとも1つの成分を、ポリイソシアネート化合物に予め混合してイソシアネート成分を形成させるか、若しくはポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応の開始と同時に混合する。「反応の開始と同時に混合」とは、例えば、機械発泡において、多成分ミキシングヘッドを使用して第三成分として混合することを意味する。
本発明に使用されるイソシアネート成分は、ポリイソシアネート化合物、必要により炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤からなる群から選ばれた少なくとも1つの成分を含んで成る。
ポリイソシアネート化合物の例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(モノメリックMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)及び/又はトリレンジイソシアネート(TDI)やそれらの変性イソシアネートが単独あるいは混合して用いられる。
変性イソシアネートは、ポリイソシアネート化合物の部分化学反応、例えば、尿素化、ビューレット化、アロファネート化、カルボジイミド化、イソシアヌレート化、及び/又はウレタン化で得られる製品である。ポリイソシアネート化合物として、ポリメリックMDIやモノメリックMDIを用いたものを総称して変性MDIと総称する。
ポリイソシアネート化合物として、好ましくは、ポリメリックMDI単独、又は変性MDIを含有するポリメリックMDIである。
ポリメリックMDIは、モノメリックMDIを25〜60重量%、特に好ましくは30〜55重量%含有するものが好ましい。
ポリメリックMDIを単独で使用した場合、ポリメリックMDI中のモノメリックMDI含有率が25重量%を下回ると粘度が高く取扱いが困難になることがあり、60重量%を超えるとフォーム強度が著しく低下することがある。
炭酸エステルの例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどである。炭酸エステルの使用量は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、0.5〜5.0重量部、好ましくは1.0〜3.0重量部である。炭酸エステルが、0.5重量部より少ないと接着性を改良する効果が僅かであり、5.0重量部より多くても効果の増加がない。
リン酸エステル類の例は、正リン酸エステルおよび亜リン酸エステルである。正リン酸エステルの例は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートなどである。亜リン酸エステルの例は、トリメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどである。
リン酸エステル類の使用量は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、0.5〜5.0重量部、好ましくは1.0〜3.0重量部である。リン酸エステル類が、0.5重量部より少ないと効果が僅かであり、5.0重量部より多くても効果の増加がない。
ポリイソシアネート化合物に混合される整泡剤としては、ジメチルポリシロキサンとポリオキシアルキレンの共重合体であり、好ましくは、ポリオキシアルキレン末端を封鎖したものである。整泡剤としては、例えば、日本ユニカー(株)製のSZ−1642、SZ−1649、SZ−1671等、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のBY10−540、SF2936F、SF2938F、SF2944F等、信越化学工業(株)製のF−341、F−350S等が使われる。
整泡剤の使用量は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、0.1〜1.0重量部、好ましくは0.2〜0.5重量部である。整泡剤が、0.1重量部より少ないと効果が僅かであり、1.0重量部より多くても効果の増加がない。
炭酸エステル、リン酸エステル類、及び/又は整泡剤は、予め所定量をポリイソシアネート化合物に混合するか、反応の開始と同時に混合しても良い。
尚、これらをポリオール成分に予め混合して用いた場合は、理由は定かでないが、効果が認められない。
HFCが発泡剤として使用される。HFCの例は、HFC134a(1,1,1,2,−テトラフルオロエタン)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン)、HFC245fa(1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン)、HFC365mfc(1,1,1,3,3,−ペンタフルオロ−n−ブタン)等である。HFC1種類若しくは2種類以上の混合系、又はそれらと水を、発泡剤として使用する。 好ましい発泡剤は、HFC245fa、HFC365mfcである。
HFCの量は、活性水素化合物100重量部に対して、5〜60重量部、例えば10〜50重量部であってよい。水の量は、活性水素化合100重量部に対して、10重量部以下、例えば0.5〜5重量部であってよい。
使用されるポリオール成分は、活性水素化合物、触媒、整泡剤とその他からなる。
活性水素化合物としては、2官能以上のポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールの1種類、あるいは2種類以上を組み合わせて使用される。
活性水素化合物は、2以上、好ましくは、3〜8、特に好ましくは3〜6の官能基数を有しており、水酸基価が200〜900mgKOH/g、例えば300〜800mgKOH/g、好ましくは350〜550mgKOH/gのものが良い。
ポリエステルポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールの1種類又は2種類以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、ピメリン酸、セバシン酸、シュウ酸、フタール酸、テレフタール酸、トリメリット酸、ポリカルボン酸等の2個以上のカルボキシル基を有する化合物の1種類又は2種類以上を使用して、公知の方法によって製造されるポリエステルポリオールが挙げられる。また、高分子量のポリアルキレンテレフタレートポリマーとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の低分子ジオールとのエステル交換により製造されるポリエステルポリオールも使用される。
ポリエーテルポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖などの水酸基含有化合物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミノ基と水酸基を含有する化合物、エチレンジアミン、ジアミノトルエンなどのアミノ基含有化合物、あるいはフェノール類とアルカノールアミンとホルムアルデヒドの反応により生成するマンニッヒ塩基化合物等にエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した分子中2個以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールが挙げられる。
触媒としては、アミン触媒や金属触媒が単独あるいは混合して用いられる。
アミン触媒の例としては、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’,−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N”,−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’,−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’,N”,−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、N−メチルモルホリン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等の第3級アミン、及び/又はN―ヒドロキシアルキル−N,N,N,−トリアルキルアンモニウムに代表される第4級アンモニウム塩が使われる。
金属触媒の例としては、スタナスオクトエート、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレート、オクチル酸鉛、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等の有機金属化合物が用いられる。
触媒の使用量は、活性水素化合物100重量部に対して0.1〜10重量部が適当である。
ポリオール成分に含有される整泡剤としては、通常の有機シリコーン系化合物(有機ポリシロキサン化合物)等が使用できる。例えば、日本ユニカー(株)製のL−5420、L−5440、SZ−1669等、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSF2937F、SH193、SRX295等、信越化学工業(株)製のF−305M、F−348、F−388、F−394、F−502等が使われる。
整泡剤の使用量は、活性水素化合物100重量部に対して0.1〜5重量部が適当である。
その他の成分として、充填剤、染料、顔料、難燃剤、加水分解防止剤等を適当量使用できる。
本発明の方法において、イソシアネート成分とポリオール成分は、イソシアネート基と活性水素の当量比が、0.6:1〜4:1、特に0.7:1〜3:1になるような量で使用する。
本発明の方法によって製造される硬質ポリウレタンフォームは、紙、ラミネート紙、金属等の面材、石膏ボード、コンクリート等の施工面との接着性に優れており、建築材料等に応用されるパネル、ボード、サイディング、パイプカバー及びスプレーフォームとして有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
イソシアネート成分の調製
製造例1〜6
表1に従って、ポリメリックMDIにプロピレンカーボネート、トリエチルホスフェート及び/又は整泡剤−1(SZ−1671、日本ユニカー(株)製)を混合してイソシアネート成分とし、その性状を示した。
Figure 2005060551
ポリメリックMDI:
住化バイエルウレタン(株)製、スミジュール44V10、NCO含量31.6%、粘度120mPa・s/25℃
比較例1〜3で使用するポリメリックMDIもスミジュール44V10である。
実施例1〜6
イソシアネート成分は、製造例1〜6で得られたものを使用した。
表2に従って、ポリオールA60重量部、ポリオールB30重量部、ポリオールC10重量部、難燃剤(トリエチルホスフェート(TEP))20重量部、整泡剤−2(L−5420、日本ユニカー(株)製)1重量部、アミン触媒(N,N’ ,N”,−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン)0.89重量部、金属触媒1(ニッカオクチックス鉛(Pb20%)、日本化学産業(株)製)0.25重量部、金属触媒2(PELCAT 9540、ペルロン社製)1.5重量部、水1.89重量部を混合することによりポリオール混合液を調製した。ポリオール混合液にHFC245fa、33.7重量部を混合し、液温10℃の最終のポリオール成分を調製し、イソシアネート成分も液温10℃とした。
雰囲気温度0℃の環境下で、ポリオール成分にイソシアネート成分を添加し、攪拌機を使用して混合したものを、表面温度0℃、サイズ300×300×60mmのコンクリート板上で発泡させた後、撹拌混合開始後1.5時間に100×100mmサイズの冶具を用いて、建研式接着力試験器により、接着強度を測定した。結果を表2に示す。
実施例7
表2に従って、実施例1〜6のポリオール成分中、水を1.95重量部に、HFC245faをHFC365mfcの38.3重量部に変更したものとイソシアネート成分を混合し発泡して、接着強度を測定した。
比較例1
イソシアネート成分は、ポリメリックMDI単独とし、ポリオール成分は、実施例1〜6のものと同じものを使用して混合発泡し、接着強度を測定した。
比較例1は、実施例3及び4におけるリン酸エステル類を予めポリオール成分のみに混合したものである。
比較例2
表2に従って、ポリオール成分は、実施例1のポリオール成分にさらにプロピレンカーボネート4.8重量部を加え、イソシアネート成分と混合し、接着強度を測定した。ポリオール成分中のプロピレンカーボネート4.8重量部は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、プロピレンカーボネート3.0重量部に相当する。
比較例2は、実施例1及び2におけるプロピレンカーボネートを予めポリオール成分のみに混合したものである。
比較例3
0表2に従って、実施例1のポリオール成分に、さらに、整泡剤−1(SZ−1671、日本ユニカー(株)製 )0.8重量部を加え、イソシアネート成分を混合し発泡して、接着強度を測定した。ポリオール成分中の整泡剤−1の0.8重量部は、ポリイソシアネート化合物100重量部に対して、整泡剤−1の0.5重量部に相当する。比較例3は、実施例5における整泡剤−1を予めポリオール成分のみに混合したものである。
比較例4
表2に従って、実施例1のポリオール成分中、水を1.95重量部に、HFC245faをHFC365mfcの38.3重量部に変更して、ポリオール成分とイソシアネート成分を混合し発泡して、接着強度を測定した。
実施例7、及び比較例1〜4も、実施例1〜6と同様に、雰囲気温度0℃の環境下でポリオール成分とイソシアネート成分を混合し発泡させた後、同一条件で接着強度を測定した。
Figure 2005060551
ポリメリックMDI:
住化バイエルウレタン(株)製、スミジュール44V10、NCO含量31.6%、粘度120mPa・s/25℃
ポリオールA:
大日本インキ化学工業(株)製、スピノドールRD−2541B、水酸基価250mgKOH/g、粘度2400mPa・s/25℃のポリエステルポリオール。
ポリオールB:
第一工業製薬(株)製、DKポリオール3776、水酸基価350mgKOH/g、粘度2500mPa・s/25℃のマンニッヒポリオール。
ポリオールC:
エチレンジアミンを出発原料としてプロピレンオキサイドを付加した水酸基価760mgKOH/gのポリエーテルポリオール。
難燃剤:
トリエチルホスフェート(TEP)
整泡剤:
SZ−1642、日本ユニカー(株)製
アミン触媒:
N,N’ ,N”,−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン
金属触媒1:
ニッカオクチックス鉛(Pb20%)、日本化学産業(株)製
金属触媒2:
PELCAT 9540、ペルロン社製

Claims (3)

  1. ハイドロフルオロカーボンを発泡剤として使用した、2官能以上の活性水素化合物を含んでなるポリオール成分とイソシアネート成分を反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、炭酸エステル、リン酸エステル類および整泡剤からなる群から選ばれた少なくとも1つの成分を予めポリイソシアネート化合物に混合するか、若しくは反応の開始と同時に混合することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. ハイドロフルオロカーボンとして、HFC245fa又はHFC365mfcを使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. ポリイソシアネート化合物として、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)単独、又は変性MDIを含有するポリメリックMDIを使用する請求項1又は2に記載の製造方法。
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