JP2005059485A - 印刷装置および除電部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被印刷物12に帯電した電荷を確実に除去する。
【解決手段】 被印刷物12に印刷を行う印刷装置10であって、静電気により被印刷物12に帯電した電荷を除去すべく、被印刷物12の搬送経路上に設けられる除電部材100であって、導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材120が被印刷物12の搬送方向に複数重ねて配された除電部材100を備え、除電部材100における複数の可撓性部材120の各々において、搬送経路上に配された場合の被印刷物12と近接する一辺が打ち抜きにより櫛型に形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】 被印刷物12に印刷を行う印刷装置10であって、静電気により被印刷物12に帯電した電荷を除去すべく、被印刷物12の搬送経路上に設けられる除電部材100であって、導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材120が被印刷物12の搬送方向に複数重ねて配された除電部材100を備え、除電部材100における複数の可撓性部材120の各々において、搬送経路上に配された場合の被印刷物12と近接する一辺が打ち抜きにより櫛型に形成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、印刷装置および除電部材に関する。特に本発明は、被印刷物の静電気を除去する除電部材を備える印刷装置および除電部材に関する。
例えば、プリンタ等の印刷装置において、印刷が行われる被印刷物は、搬送ローラ等により搬送される間に静電気により帯電する。印刷装置には、被印刷物に帯電した電荷を取り除くため、可撓性を有する導電性材料を薄いシート状に形成した除電部材が設けられる場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−301877号公報(図1および図2参照)
しかしながら、上記シート状の除電部材では、被印刷物の電荷を十分に取り除くことができないという課題があった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、被印刷物に印刷を行う印刷装置であって、静電気により被印刷物に帯電した電荷を除去すべく、被印刷物が搬送される搬送経路上に設けられる除電部材であって、導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材が被印刷物の搬送方向に複数重ねて配された除電部材を備え、除電部材における複数の可撓性部材の各々において、搬送経路上に配された場合の被印刷物と近接する一辺が、打ち抜きにより櫛型に形成されている。これにより、帯電した被印刷物と除電部材との接触点を多くして、被印刷物に帯電した電荷を確実に除去することができる。
上記印刷装置において、除電部材の複数の可撓性部材は、櫛型の歯同士が被印刷物の搬送方向に互いに重なって配されてもよい。これにより、複数の可撓性部材において重ねられた歯同士が電気的に導通するので、被印刷物に帯電した電荷をより確実に除去することができる。
上記印刷装置は、除電部材を印刷装置の印刷装置本体に取り付ける割ピンリベットをさらに備え、除電部材における複数の可撓性部材の各々は、割ピンリベットが貫通される取付穴を有し、複数の可撓性部材の取付穴が重なって配され、割ピンリベットが複数の可撓性部材の取付穴を貫通して印刷装置本体に係合することにより、除電部材が印刷装置本体に付勢されて取り付けられてもよい。これにより、除電部材がねじを用いて印刷装置本体に取り付けられる場合に比べて、除電部材の複数の可撓性性部材に回転やねじれを生じることなく、簡便な構成で、複数の可撓性性部材を重ねて印刷装置本体に取り付けることができる。
上記印刷装置において、除電部材は、被印刷物が帯電していない通常の排紙状態で、複数の可撓性部材における複数の歯の先端が被印刷物に対して間隙を有する高さに配されてもよい。これにより、通常の排紙状態においては除電部材が被印刷物に接触しないので、被印刷物の排紙の負荷が増えることを防ぐことができる。
本発明の第2の形態によると、印刷装置により印刷が行われる被印刷物の静電気を除去する除電部材であって、導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材が被印刷物の搬送方向に重ねて配され、印刷装置における被印刷物の搬送経路上に設けられ、複数の可撓性部材の各々は、搬送経路上に配された場合の被印刷物と近接する一辺が、打ち抜きにより櫛型に形成されている。これにより、第1の形態と同様の効果を有する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態による印刷装置10を示す断面図である。図2は、図1における除電部材100周囲(鎖線の領域A)の拡大図である。図1に示す印刷装置10は、被印刷物12を給紙する給紙部20、給紙された被印刷物12を印刷領域へ搬送する搬送部30、印刷領域において被印刷物12に印刷を行う印刷部40、および、印刷が行われた被印刷物12を排出する排紙部50を備える。搬送部30は、被印刷物12の搬送経路を挟んで上下に配された搬送ローラ34および搬送従動ローラ32を有する。これら、搬送ローラ34および搬送従動ローラ32は、給紙部20から給紙された被印刷物12を挟んで回転することにより、被印刷物12を印刷部40の下方の印刷領域に搬送する。印刷部40は、被印刷物12の搬送方向に水平面内で直交する方向に往復運動する印刷ヘッド42と、この印刷ヘッド42が往復運動する領域において搬送経路の下方に配されるプラテン44を有する。プラテン44の上に搬送された被印刷物12に印刷ヘッド42が記録を行う。図1において、被印刷物12の搬送経路を破線で示した。
排紙部50は、図示しないモータにより回転駆動される排紙ローラ54と、この排紙ローラ54との間で被印刷物12を挟み、排紙ローラ54に従動回転する排紙従動ローラ52と、排紙ローラ54および排紙従動ローラ52により挟まれて排出される被印刷物12を重ねて載置する排紙トレイ58とを有する。ここで、被印刷物12は、例えば印刷用紙であり、印刷用紙の例として、普通紙、感圧紙、光沢紙、OHPシートなどがある。光沢紙、OHPシートなど、表面が平坦な被印刷物12は、搬送部30および排紙部50により搬送される間に、静電気により帯電しやすい。
被印刷物12の搬送経路上における排紙ローラ54および排紙従動ローラ52の下流において、排紙部50の排紙フレーム56に除電部材100が取り付けられる。排紙フレーム56は、導電性を有する金属により形成され、除電部材100と電気的に導通される。
図2に示すように、除電部材100は、複数の板状の可撓性部材120を有し、これら可撓性部材120は、互いに略同一の形状および大きさを有し、被印刷物12が搬送される搬送方向に重ねて配される。例えば、本実施形態において2枚の可撓性部材120a、120bが重ねて配される。以下、可撓性部材120が2枚の例で説明するが、可撓性部材120を重ねる枚数は2枚に限られず、3枚以上でもよい。除電部材100は、被印刷物12が帯電していない通常の排紙状態で、除電部材100の先端が被印刷物12に対して間隙Hを有する高さに配される。例えば、この間隙Hは約10mmに設定される。これにより、搬送経路上を搬送された被印刷物12が約10kV以上に帯電した場合に、除電部材100は、被印刷物12と接触しなくても放電により被印刷物12に帯電した電荷を取り除くことができる。よって、被印刷物12が排紙される場合の負荷を増やすことなく、被印刷物12の電荷を取り除くことができる。
図3は、除電部材100の可撓性部材130を示す斜視図である。図3に示すように、可撓性部材120は、基材としてのゴム材に導電繊維が練り込まれ、薄い長方形の板状に形成される。可撓性部材120の基材として、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共重合体)、SBR(スチレン・ブタジエン系重合体)またはNBR(アクリロニトリル・ブタジエン系重合体)が用いられる。可撓性部材120は、被印刷物12が接触した場合に被印刷物12の形状に沿って変形することができるように薄いことが好ましく、本実施形態において可撓性部材120の厚さは0.5mmである。可撓性部材120の導電繊維として、例えば、カーボン繊維またはステンレス繊維が用いられる。可撓性部材120は、部材本体122と、搬送経路上に配された場合の被印刷物12と近接する一辺(図3における底辺)から、他辺(図3における上辺)に向けて部材本体122まで平行に打ち抜かれて形成された、複数の互いに平行な櫛歯124を含む櫛型を有する。可撓性部材120の部材本体122には、丸穴の取付穴126と、部材本体122の長手方向に長い取付穴127とが設けられる。
図4および図5は、印刷装置10を排紙部50の側から見た斜視図およびその分解斜視図である。図4および図5において、説明のため印刷装置10のカバーおよび排紙トレイ58を取り外した状態が示されている。図4および図5に示すように、2枚の可撓性部材120a、120bが、割ピンリベット140により印刷装置10の排紙フレーム56に取り付けられる。図2に示すように、割ピンリベット140は、大径の頭部142と、頭部142から延伸する軸部146とを有する。割ピンリベット140の軸部146の先端には、軸部146よりも大径の先端部144が設けられており、先端部144から長手方向に沿って軸部146が割れている。
図5に示すように、排紙フレーム56には、排紙フレーム56を貫通する取付穴60、62が設けられる。ここで、排紙フレーム56の取付穴60および取付穴62の径は、割ピンリベット140の先端部144の径よりも小さく設けられるとともに、頭部142から先端部144の付根までの軸部146の長さは、可撓性部材120a、120bおよび排紙フレーム56の合計の厚みよりもわずかに短く設けられる。この割ピンリベット140の先端部144が、櫛型の櫛歯124同士が被印刷物12の搬送方向に互いに重ねられた可撓性部材120a、120bの取付穴126および取付穴127のそれぞれを貫通して、排紙フレーム56の取付穴60および取付穴62に押し込まれる。押し込まれた割ピンリベット140の先端部144は、排紙フレーム56を貫通することにより、排紙フレーム56と係合する。これにより、割ピンリベット140の先端部144と頭部142との間に可撓性部材120a、120bが挟まれるので、可撓性部材120a、120bが排紙フレーム56に付勢されて取り付けられる。これにより、ねじを用いて排紙フレーム56に取り付けられる場合に比べて、除電部材100の2枚の可撓性部材120a、120bに回転やねじれを生じることなく、簡便な構成で、これらの可撓性部材120a、120bを重ねて印刷装置10の本体に取り付けることができる。
図6は、排紙部50および除電部材100の動作を説明する概略図である。被印刷物12は、排紙ローラ54と排紙従動ローラ52に挟まれて、排紙トレイ58へ向けて排出される。この場合に、被印刷物12が帯電していない状態では、被印刷物12は、図6の実線で示すように、排紙ローラ54および排紙従動ローラ52に挟まれる点から排紙トレイ58まで搬送経路上を直線的に移動する。除電部材100は、被印刷物12が帯電していない通常の排紙状態で、除電部材100の先端が被印刷物12に対して間隙を有する高さに配されるので、通常の排紙状態においては除電部材100が被印刷物12に接触しない。よって、被印刷物12の排紙の負荷が増えるのを防ぐことができる。
一方、被印刷物12は、印刷装置10の搬送部30等により搬送されて来る間に、摩擦により静電気が生じ、帯電する場合が多い。帯電している被印刷物12が排紙ローラ54および排紙従動ローラ52により排出される場合に、新たに排出される被印刷物14が排紙トレイ58と接すると、排紙トレイ58と被印刷物14の先端とが静電気により引き合って貼り付く。同様に、帯電している被印刷物12が排紙ローラ54および排紙従動ローラ52により排出される場合に、新たに排出される被印刷物14がすでに排紙トレイ58に載置されている被印刷物12と接すると、すでに載置された被印刷物12と新たに搬送された被印刷物14の先端とが静電気により引き合って貼り付く。この状態で、さらに被印刷物14が排紙ローラ54により搬送されると、この被印刷物14の先端は搬送されずに、被印刷物14が湾曲して、搬送経路から浮き上がる。被印刷物14が搬送経路から浮き上がった状態の一例を、図6に破線で示した。被印刷物14の搬送経路の上に除電部材100が配されているので、搬送経路から浮き上がった被印刷物14は、除電部材100と接触する。この場合に、除電部材100は櫛歯124を有するので、被印刷物14と接触して搬送方向へ曲がりやすく、被印刷物14との接触点が多くなる。本実施形態において、除電部材100の2枚の板状の可撓性部材120a、120bが被印刷物14の搬送方向に重ねて配されているので、除電部材100と被印刷物14との接触点がさらに多くなり、除電部材100は被印刷物14に帯電した電荷をより確実に除去することができる。また、2枚の板状の可撓性部材120a、120bの櫛歯124同士が重ねられているので、これらの櫛歯124同士が接触して電気的に導通し、被印刷物14に帯電した電荷をより確実に除去することができる。
図1から図6に示す実施形態において、除電部材100の可撓性部材120は、互いに平行な櫛歯124を有する櫛型に形成される。しかしながら、可撓性部材120の形状は櫛型に限られない。図7は、除電部材100の他の可撓性部材130を示す斜視図である。可撓性部材130は、可撓性部材120と同様に、基材としてのゴム材に導電繊維が練り込まれ、薄い長方形の板状に形成される。可撓性部材130は、部材本体132と、部材本体132から搬送経路上に配された場合に被印刷物12と近接する一辺(図7における底辺)に向けて次第に幅が狭くなる複数の鋸歯134とを有する。可撓性部材130の部材本体132には、可撓性部材120と同様に、丸穴の取付穴136と、部材本体132の長手方向に長い取付穴137とが設けられる。この可撓性部材130が被印刷物12の搬送方向に複数重ねられて印刷装置10の排紙フレーム56に取り付けられる。
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、除電部材100が被印刷物12に帯電した電荷を確実に除去することができる。
なお、上記実施形態における印刷装置10は、複写機、転写型印刷機、インクジェット式記録装置、ドットインパクト式記録装置を含む。本実施形態における除電部材100は、上記印刷装置10を含み、被印刷物12に記録を行う場合に被印刷物12が帯電する可能性のある記録装置に適用することができる。
なお、上記実施形態における印刷装置10は、複写機、転写型印刷機、インクジェット式記録装置、ドットインパクト式記録装置を含む。本実施形態における除電部材100は、上記印刷装置10を含み、被印刷物12に記録を行う場合に被印刷物12が帯電する可能性のある記録装置に適用することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 印刷装置、12 被印刷物、14 被印刷物、20 給紙部、30 搬送部、32 搬送従動ローラ、34 搬送ローラ、40 印刷部、42 印刷ヘッド、44 プラテン、50 排紙部、52 排紙従動ローラ、54 排紙ローラ、56 排紙フレーム、58 排紙トレイ、60 取付穴、62 取付穴、100 除電部材、120 可撓性部材、120a 可撓性部材、120b 可撓性部材、122 部材本体、124 櫛歯、126 取付穴、127 取付穴、130 可撓性部材、132 部材本体、134 鋸歯、136 取付穴、137 取付穴、140 割ピンリベット、142 頭部、144 先端部、146 軸部
Claims (5)
- 被印刷物に印刷を行う印刷装置であって、
静電気により前記被印刷物に帯電した電荷を除去すべく、前記被印刷物が搬送される搬送経路上に設けられる除電部材であって、導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材が前記被印刷物の搬送方向に複数重ねて配された除電部材を備え、
前記除電部材における前記複数の可撓性部材の各々において、前記被印刷物と近接する一辺が、打ち抜きにより櫛型に形成されている印刷装置。 - 前記除電部材の前記複数の可撓性部材は、前記櫛型の歯同士が前記被印刷物の前記搬送方向に互いに重なって配される請求項1に記載の印刷装置。
- 前記除電部材を前記印刷装置の印刷装置本体に取り付ける割ピンリベットをさらに備え、
前記除電部材における前記複数の可撓性部材の各々は、前記割ピンリベットが貫通される取付穴を有し、
前記複数の可撓性部材の前記取付穴が重なって配され、前記割ピンリベットが前記複数の可撓性部材の前記取付穴を貫通して前記印刷装置本体に係合することにより、前記除電部材が前記印刷装置本体に付勢されて取り付けられる請求項1に記載の印刷装置。 - 前記除電部材は、前記被印刷物が帯電していない通常の排紙状態で、前記複数の可撓性部材における前記複数の歯の先端が前記被印刷物に対して間隙を有する高さに配される請求項1に記載の印刷装置。
- 印刷装置により印刷が行われる被印刷物の静電気を除去する除電部材であって、
導電繊維が練り込まれた板状の可撓性部材が前記被印刷物の搬送方向に重ねて配され、前記印刷装置における前記被印刷物の搬送経路上に設けられ、
前記複数の可撓性部材の各々において、前記被印刷物と近接する一辺が、打ち抜きにより櫛型に形成されている除電部材。
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JP2007147709A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2017159670A (ja) * | 2013-03-15 | 2017-09-14 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット記録装置 |
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2003
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