JP2005059223A - 袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的に製造することができるようにした袋の製造方法を提供する。
【解決手段】裏面11がヒートシール性を有し、表面12がヒートシール性を有しないシート10を折り曲げることにより、離隔可能に重ね合わされる正面部1および背面部2と一対の折襞状の側面部3,3とからなる両端開口封筒状体20を形成する。この側面部3,3を引き出し、重なり合う側面部3の裏面11,11同士および正面部1と背面部2の裏面11,11同士の端縁部22をヒートシールする。そして、この端縁部22側の正面部1および背面部2を離隔する方向に折り曲げるとともに、引き出された側面部3,3を内方に折り曲げることによって底面部4を形成すると、この底面部4の両側に突出部7,7が突出した状態となる。そして、底面部4を二つ折りにし、底面部4の外周縁部6、側面部3と正面部1および背面部2とが重なり合っている側縁部5,5をヒートシールし、突出部7,7を切除する。
【選択図】 図2
【解決手段】裏面11がヒートシール性を有し、表面12がヒートシール性を有しないシート10を折り曲げることにより、離隔可能に重ね合わされる正面部1および背面部2と一対の折襞状の側面部3,3とからなる両端開口封筒状体20を形成する。この側面部3,3を引き出し、重なり合う側面部3の裏面11,11同士および正面部1と背面部2の裏面11,11同士の端縁部22をヒートシールする。そして、この端縁部22側の正面部1および背面部2を離隔する方向に折り曲げるとともに、引き出された側面部3,3を内方に折り曲げることによって底面部4を形成すると、この底面部4の両側に突出部7,7が突出した状態となる。そして、底面部4を二つ折りにし、底面部4の外周縁部6、側面部3と正面部1および背面部2とが重なり合っている側縁部5,5をヒートシールし、突出部7,7を切除する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有底角筒状の袋を製造するための袋の製造方法に関し、詳しくは、包材を折り曲げ、またヒートシールすることによって容易に製造することができるようにした袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムから製造される有底筒状の袋が各種提案されている。例えば特許文献1に記載された自立袋は、図9に示すように、角筒状の袋本体部110と、この袋本体部110の底側の開口部を封止する四角形状の底部形成シート120とから構成されている。
【0003】
このような自立袋を製造するには、まず一対の平面部111,111と側面部112,112とを有する角筒状の袋本体部110を形成する。そして、この側面部112,112を折襞状に内方に折り込むことにより、折り線113,113を形成する。次に、袋本体部110の底部となる側の四隅に所定の長さの切込みを入れる。
【0004】
その後、図10に示すように、この袋本体部110の切込みを入れられた側の平面部111,111と側面部112,112を外向きに折り曲げ、それぞれの内面を開き面114,114…とする。側面部112,112の開き面114,114はV字形に折り曲げられており、この開き面114,114と、平面部111,111の開き面114,114の上に、V字形に折り曲げられた四角形状の底部形成シート120を重ね合わせてヒートシールする。最後に、底部形成シート120から食み出している平面部111,111および側面部112,112の部分を切除すると、自立袋が完成する。
【0005】
この自立袋は、天地が反転され、Λ字形に折り曲げられている底部形成シート120が平坦な状態に展開され、底側に拡大した張出し部130,130が形成される。すると、自立袋は図9に示すように、内部が広がり、被包装物を収容することができるようになる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−221451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された自立袋は、角筒状の袋本体部110の四隅に切込みを入れることによって開き面114,114…を形成し、この開き面114,114…上に底部形成シート120を重ね合わせて両者をヒートシールすることによって製造される。したがて、袋本体部110と底部形成シート120とを別々に製造し、さらに、正確に位置が合うように重ね合わさなければならず、製造工程が複雑であり、作業効率が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、袋を効率的に製造することができるようにした袋の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る袋の製造方法は、裏面にヒートシール性を有するシート状の包材を折り曲げることにより、離隔可能に重ね合わされる正面部および背面部と一対の折襞状の側面部とからなる両端開口封筒状体を形成する工程と、前記両端開口封筒状体の開口している一方の端縁部側の側面部を外側に引き出すことにより、重なり合う側面部の裏面同士および正面部と背面部の裏面同士の各端縁部をヒートシールする工程と、該ヒートシールされた端縁部側の正面部および裏面部を離隔する方向に折り曲げ、かつ、引き出された側面部を内方に折り込むことにより、両側に三角形状の突出部が突出した状態となる四角形状の底面部を形成する工程と、該底面部の表面が重なり合うように二つ折りにし、底面部の外周縁部をヒートシールする工程と、前記底面部を形成する工程後のいずれかの時点において、前記突出部を切除する工程とを有していることを特徴としている。
【0010】
この袋の製造方法によれば、包材を折り曲げ、重なり合っている裏面同士をヒートシールするという一連の流れ作業によって袋を製造することができる。すなわち、まず、包材が折り曲げられて形成される両端開口封筒状体の一方の端縁部側の両側部を外側に引き出し、重なり合う側面部の裏面同士および正面部と背面部の裏面同士をヒートシールする。次に、このヒートシールされた端縁部側の正面部および裏面部を離隔する方向に折り曲げ、かつ、引き出された側面部を内方に折り込むことにより、四角形状の底面部を形成する。この底面部の両側には、三角形状の突出部が突出するが、この突出部は、邪魔であるため、底面部を形成する工程後いずれかの時点において切除する。
【0011】
そして、四角形状に形成された底面部は、二つ折りにされ、表面同士が重なり合い、かつ、底面部の裏面と正面部および背面部の各裏面同士が重なり合う状態となる。このように重なり合っている底面部の外周縁部と正面部および背面部とがヒートシールされることにより、底面部の外周縁部に口字形の鍔部が形成される。二つ折りにされた底面部は、表面同士がシールされないため、平坦な状態に展開することができる。
【0012】
また、前記袋の製造方法であって、前記両端開口封筒状体を形成する工程または以後のいずれかの時点において、前記側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部をヒートシールする工程を有していることが好ましい。
【0013】
この袋の製造方法によれば、折襞状に折り込まれた側面部の両側縁部と正面部の両側縁部および背面部の両側縁部とが重なり合っている裏面同士がヒートシールされることにより、この側縁部が柱のようになって補強される。ただし、前記のように、底面部の外周縁部に鍔部が形成されるときに、側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部の底面部側に、二つ折りにされた底面部の幅、すなわち底面部の幅の半部の長さだけ、側面部と正面部および背面部との各側縁部の裏面同士もヒートシールされ、柱のようになって補強されている。
【0014】
したがって、この袋の製造方法においてヒートシールする側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部は、厳密には、底面部の外周縁部をヒートシールするときにヒートシールされた部位を除いた部位である。このようにして、側縁部の全長がヒートシールされ、側縁部の全長が連続した1本の柱のようになるため、底面部の外周縁部をヒートシールして形成される柱が段差とならないようにすることができる。なお、側面部は表面同士が重なり合っても、ヒートシールされないため、平坦な状態に展開することができる。
【0015】
また、前記袋の製造方法であって、前記包材は、ヒートシール性を有しないベース層の裏面にヒートシール性を有する樹脂層を積層したシートを備えているようにしてもよい。
【0016】
この袋の製造方法によれば、包材の全部または一部がシートによって構成され、このシートがヒートシール性を有しないベース層の裏面にヒートシール性を有する樹脂層を積層したものとされることにより、包材が多層に重ね合わされても、重なり合っている表面同士はヒートシールされず、裏面同士のみヒートシールされる。
【0017】
また、前記袋の製造方法であって、前記包材は、前記1枚のシートからなり、前記両端開口封筒状体は、該シートの両端縁部の裏面同士が接合するようにシートを折り曲げ、該端縁部同士をヒートシールすることによって形成されるようにしてもよい。
【0018】
この袋の製造方法によれば、袋はベース層の裏面に樹脂層を積層した1枚のシートから製造される。シートの両端縁部は、正面部または背面部の中間部分で接合し、あるいは、正面部または背面部と側面部との境界部分で接合し、その接合部分の裏面同士がヒートシールされることによって両端開口封筒状体が形成される。
【0019】
また、前記袋の製造方法において、前記包材は、一部または全部が透明ないし半透明のフィルムによって構成されていてもよい。
【0020】
この袋の製造方法によれば、透明ないし半透明のフィルムが正面部、背面部または側面部の全部またはいずれかに備えられることにより、袋に包装された物を目視することができるようになる。このフィルムが全部に備えられるときは、包材はこのフィルムのみで構成され、このフィルムがいずれかに備えられるときは、包材はこのフィルムと前記シートとを継ぎ合わせて構成される。なお、包材が前記シートとこのフィルムとをヒートシールによって継ぎ合わせたものとし、各端縁部を側面部と正面部および背面部との側縁部と一致させることにより、シートとこのフィルムとをヒートシールする作業を、柱部を形成する作業と兼ねるようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る袋の製造方法の第1の実施形態について図1ないし図6を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態の袋の製造方法は、まずシート状の包材Aを折り曲げることにより、図1の仮想線に示すような両端開口封筒状体20を形成する。この包材Aは、ヒートシール性を有しないベース層の裏面11にヒートシール性を有する樹脂層を積層した1枚のシート10によって成形されている。このようなシート10は、ヒートシール性を有しない層を表面12とし、ヒートシール性を有する層を裏面11として使用される。
【0023】
このようなシート10は具体的には、ヒートシール性を有しないクラフト紙やレーヨン紙などの薄い紙などをベース層とし、このベース層の裏面11にヒートシール性を有するポリプロピレンやポリエチレンなどの食品包装用プラスチックを積層したものが使用される。あるいは、シート10は、透明ないし半透明とするため、ヒートシール性のないペットフィルムをベース層とし、このベース層にヒートシール性のあるポリプロピレンを積層し、全体をプラスチック製とすることもできる。さらに、シート10は遮光性を確保するためのアルミ層などを積層し、3層または4層以上とすることもできる。
【0024】
このようなシート10は、両端縁部13,13の裏面11,11同士が接合するように折り曲げられ、ヒートシールされることにより、離隔可能に重なり合った正面部1と背面部2とを有する両端開口封筒状体20が形成される。シート10は例えば平行な2ラインで折り曲げられ、シート10の両端縁部13,13の裏面11,11同士が合掌した状態に接合し、この両端縁部13,13同士を図示しないヒータ(以下同じ)などによってヒートシールする。この両端縁部13,13が配置される側の面を、ここでは背面部2とする。両端縁部13,13は、背面部2のどこに位置してもよいが、バランス的に中心線上に位置することが好ましい。
【0025】
そして、このようにして形成された両端開口封筒状体20の両側縁21,21を、図1の実線に示すように内方に折り込むことにより、折襞状の一対の側面部3,3を形成する。なお、ここでは、この側面部3,3を形成した状態も両端開口封筒状体20という。
【0026】
次に図2に示すように、両端開口封筒状体20の開口している一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出す。すなわち、側面部3の中心線は引き出された一方の端縁部22側が山折線3aとなり、他方の側が谷折線3bとなる。そして、両端開口封筒状体20の一方の端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分は、平坦な状態に展開し、側面部3の裏面11,11同士と正面部1と背面部2の裏面11,11同士が重なり合い、この重なり合った各裏面11,11同士の端縁部22をヒータよってヒートシールする。
【0027】
次に図3に示すように、四角形状の底面部4を形成する。この底面部4は、前工程においてヒートシールされた端縁部22側の正面部1および背面部2を離隔し、直角方向に折り曲げるとともに、引き出された側面部3の山折線3aを内方に折り込むことによって形成する。この底面部4の両側には、三角形状の突出部7,7が突出する。この底面部4および突出部7,7の中心線の部分は、ヒートシールされた端縁部22であり、封止された状態となっている。
【0028】
次に図4に示すように、底面部4および突出部7,7の中心線が谷折線となるように底面部4および突出部7,7を二つ折りにし、底面部4および突出部7,7の各表面12,12,12が重なり合うようにする。なお、図3に示すように底面部4を形成し、この底面部4の両側から突出部7,7が突出する工程と、図4に示すような底面部4および突出部7,7を二つ折りにする工程とは別々に行わず、一つの複合工程とすることができることはいうまでもない。
【0029】
次に図4示すように、この二つ折りにされた底面部4の外周縁部6と、重なり合っている側面部3と正面部1、そして、側面部3と背面部2の各側縁部5,5…をヒータによってヒートシールする。このヒートシールによって、底面部4の外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、各側縁部5,5…の全長にわたって4本の柱が形成され、補強される。このとき、二つ折りにされた底面部4の表面12、および折襞状に折り込まれた側面部3の表面12は重なり合っているが、表面12はヒートシール性を有しないため、これらの表面12はヒートシールされない。
【0030】
なお、底面部4の外周縁部6、側面部3と正面部1および背面部2との各側縁部5,5…とは全て同時にヒートシールせず、別の工程でヒートシールすることもできる。例えば、側面部3と正面部1および背面部2との各側縁部5,5は、両端開口封筒状体20に折襞状の側面部3,3を形成した後にヒートシールしてもよい。ただし、この状態でヒートシールすると、一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を平坦な状態に展開しにくくならないように、ヒートシールの幅を狭くすることが好ましい。
【0031】
最後に図5に示すように、突出部7,7を切除すると、袋が完成する。ただし、突出部7,7の切除は、底面部4を形成し、突出部7,7が底面部4の両側に突出した状態となった後、あるいは底面部4とともに二つ折りされた後、あるいは底面部4の外周縁部6をヒートシールした後に行うなど任意の工程で行うことができる。
【0032】
そして、二つ折りにされた底面部4と折襞状に折られた側面部3とを平坦な状態に展開すると、図6に示すような有底角筒状の袋となる。この袋は、底面部4の外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、側面部3と正面部1および背面部2の各側縁部5,5…が柱のように補強されているため、この外周縁部6や側縁部5,5…が破れたり、切り裂かれたりしにくい丈夫な構造とされ、また、袋が折れ曲がりにくいようにされている。
【0033】
このような袋には、例えばフライドポテトやホットドッグのような食品や、食品以外の小物その他の被包装物が包装される。この袋は、開口部が封止されるときは、倒した状態で包装物を収容することができる。なお、包材Aの全体が透明ないし半透明のプラスチック製のシート10によって構成されているときは、袋に包装された被包装物を外部から目視することができる。
【0034】
次に、本発明に係る袋の製造方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における両端開口封筒状体20は、図7に示すように、包材Aが第1の実施形態と同じ1枚のシート10からなり、このシート10の両端縁部13,13が、側面部3の側縁部5と背面部2(または正面部1)の側縁部5とが一致するようにしてヒートシールされる。したがって、この両端開口封筒状体20は、シート10の両端縁部13,13が合掌貼りされないことから、正面部1と背面部2の区別がないものとなる。
【0035】
また、この両端縁部13,13がヒートシールされることにより、側縁部5は柱のように補強される。したがって、両端縁部13,13と重なり合う側面部3と背面部2との側縁部5、および反対の辺側で内襞状に折り曲げられる側面部3,3と正面部1および背面部2との両側縁部5,5を、両端縁部13,13のヒートシールと同時にヒートシールすることにより、各側縁部5,5…に4本の柱を同時に形成することができる。
【0036】
このような各側縁部5,5…をヒートシールした両端開口封筒状体20は、前記の第1の実施形態と同様、開口している一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を、平坦な状態に展開し、重なり合っている側面部3の裏面11,11同士と正面部1と背面部2の裏面11,11同士の端縁部22をヒートシールする(図2参照)。なお、境界部を平坦な状態に展開しやすいようにするため、各側縁部5,5…をヒートシールする幅は狭い方が好ましい。
【0037】
そして、底面部4を形成し、この底面部4の両側から突出部7,7が突出し(図3参照)、底面部4の外周縁部6をヒートシールし(図4参照)、突出部7,7を切除することにより(図5参照)、袋が完成する。底面部4の外周縁部6をヒートシールすることにより、この外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、各側縁部5,5…が4本の柱のように補強される。
【0038】
次に、本発明に係る袋の製造方法の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における包材Aは、裏面11となるプラスチックと表面12となる薄い紙とを貼り合わせたシート10と、裏面11のみヒートシール性を有する透明ないし半透明のフィルム(以下、「透明フィルム」という。)30をヒートシールすることによって継ぎ合わせたものである。透明フィルム30は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチックフィルムによって形成される。
【0039】
このような包材Aは、例えば図8に示すように、透明フィルム30が正面部1の全面および底面部4の一部を構成し、シート10が背面部2、両側面部3および底面部4の一部を構成するように折り曲げられ、両端開口封筒状体20を形成する。
【0040】
この場合は、シート10の両端縁部13,13間に離間部14を設けるようにシート10を折り曲げ、この離間部14に裏面11がヒートシール性を有する透明フィルム30を配置し、シート10の各端縁部13,13の裏面11,11と、透明フィルム30の各端縁部31,31の裏面11,11とを接合して、ヒートシールする。離間部14の幅を正面部1の幅と一致させると、透明フィルム30とシート10とがヒートシールされた部分は、正面部1と側面部3の各側縁部5,5に形成される柱のようになり、各側縁部5,5が補強される。
【0041】
このヒートシールされる側縁部5,5は、シート10を折襞状に折り込んで形成される側面部3と背面部2の側縁部5,5とも重なり合っている。したがって、折襞状の側面部3,3を形成した状態で透明フィルム3の両端縁31,31をヒートシールすると同時に、この側面部3と背面部2の側縁部5,5を同時にヒートシールすることにより、4本の柱を同時に形成し、側縁部5,5を補強することができる。
【0042】
なお、仮に、シート10の両端縁部13,13を折り込まない状態でシート10の両端縁部13,13と透明フィルム30の両端縁部31,31とをヒートシールすると、正面部1の裏面11と背面部2の裏面11とがヒートシールされてしまい、シート10の両端縁部13,13を内方に折り込むことができなくなる。ただし、正面部1と背面部2との間に断熱プレート(図示せず)を介在させることによって、正面部1の裏面11と背面部の2裏面11とがヒートシールされないようにすることは可能である。
【0043】
また、シート10の各端縁部13,13と透明フィルム30の各端縁部31,31と、側面部3と背面部2の各側縁部5,5を同時にヒートシールする場合は、後工程において形成される底面部4の外周縁部6(図4参照)のみヒートシールする。
【0044】
そして、シート10の両端縁部13,13と透明フィルム30の両端縁部31,31とをヒートシールすることにより形成された両端開口封筒状態20は、第1の実施形態と同様、一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を平坦な状態に展開する。この境界部分が平坦となるように、側縁部5,5をヒートシールする幅は狭い方が好ましい。
【0045】
そして、前記の第1の実施形態で説明したような工程を経て、袋が製造される。この袋の包材Aは、シート10がプラスチックと薄い紙とを貼り合わせたものであっても、正面部1が透明フィルム30によって構成されていることにより、袋内の被包装物を目視することができる。
【0046】
なお、第3の実施形態において、図示しないが、裏面11にヒートシール性を有する透明フィルム30が正面部1および両方の側面部3,3または片方の側面部3を構成し、シート10が背面部2と底面部4または片方の側面部3を構成するようにすることもできる。
【0047】
本発明は、前記3つの実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、正面部1、背面部2、側面部3および底面部4は、便宜的に使用した名称であり、袋の使用態様によっては、底面部4が側面に位置することがあることはいうまでもない。
【0048】
さらに、側面部3と正面部1および背面部2とが重なり合っている側縁部5は、ヒートシールしないようにすることもできる。また、シート10は、表面の全面がヒートシール性を有しない場合だけでなく、ヒートシールする部分のみヒートシール性を有さず、他の部分はヒートシール性を有するものとすることもできる。そして、包材Aは、ヒートシールに加え、接着剤を併用して裏面11,11同士をシールするようにすることもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、包材を折り曲げ、重なり合っている裏面同士をシールするという一連の流れ作業によって、正面部、背面部、側面部および底面部を形成するため、効率的に袋を製造することができる。したがって、本願発明によって製造された袋は、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図2】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図3】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図4】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図5】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図6】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、使用状態を示す概略斜視図
【図7】本発明に係る袋の製造方法の前記と異なる実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図8】本発明に係る袋の製造方法の前記と異なる実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図9】従来の袋の使用状態を示す概略斜視図
【図10】従来の袋の製造方法であって、製造途中を示す概略斜視図
【符号の説明】
A…包材
1…正面部
2…背面部
3…側面部
4…底面部
5…側縁部
6…外周縁部
7…突出部
10…シート
13…端縁部
20…両端開口封筒状体
22…端縁部
30…透明フィルム
31…端縁部
【発明の属する技術分野】
本発明は、有底角筒状の袋を製造するための袋の製造方法に関し、詳しくは、包材を折り曲げ、またヒートシールすることによって容易に製造することができるようにした袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムから製造される有底筒状の袋が各種提案されている。例えば特許文献1に記載された自立袋は、図9に示すように、角筒状の袋本体部110と、この袋本体部110の底側の開口部を封止する四角形状の底部形成シート120とから構成されている。
【0003】
このような自立袋を製造するには、まず一対の平面部111,111と側面部112,112とを有する角筒状の袋本体部110を形成する。そして、この側面部112,112を折襞状に内方に折り込むことにより、折り線113,113を形成する。次に、袋本体部110の底部となる側の四隅に所定の長さの切込みを入れる。
【0004】
その後、図10に示すように、この袋本体部110の切込みを入れられた側の平面部111,111と側面部112,112を外向きに折り曲げ、それぞれの内面を開き面114,114…とする。側面部112,112の開き面114,114はV字形に折り曲げられており、この開き面114,114と、平面部111,111の開き面114,114の上に、V字形に折り曲げられた四角形状の底部形成シート120を重ね合わせてヒートシールする。最後に、底部形成シート120から食み出している平面部111,111および側面部112,112の部分を切除すると、自立袋が完成する。
【0005】
この自立袋は、天地が反転され、Λ字形に折り曲げられている底部形成シート120が平坦な状態に展開され、底側に拡大した張出し部130,130が形成される。すると、自立袋は図9に示すように、内部が広がり、被包装物を収容することができるようになる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−221451号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された自立袋は、角筒状の袋本体部110の四隅に切込みを入れることによって開き面114,114…を形成し、この開き面114,114…上に底部形成シート120を重ね合わせて両者をヒートシールすることによって製造される。したがて、袋本体部110と底部形成シート120とを別々に製造し、さらに、正確に位置が合うように重ね合わさなければならず、製造工程が複雑であり、作業効率が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、袋を効率的に製造することができるようにした袋の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る袋の製造方法は、裏面にヒートシール性を有するシート状の包材を折り曲げることにより、離隔可能に重ね合わされる正面部および背面部と一対の折襞状の側面部とからなる両端開口封筒状体を形成する工程と、前記両端開口封筒状体の開口している一方の端縁部側の側面部を外側に引き出すことにより、重なり合う側面部の裏面同士および正面部と背面部の裏面同士の各端縁部をヒートシールする工程と、該ヒートシールされた端縁部側の正面部および裏面部を離隔する方向に折り曲げ、かつ、引き出された側面部を内方に折り込むことにより、両側に三角形状の突出部が突出した状態となる四角形状の底面部を形成する工程と、該底面部の表面が重なり合うように二つ折りにし、底面部の外周縁部をヒートシールする工程と、前記底面部を形成する工程後のいずれかの時点において、前記突出部を切除する工程とを有していることを特徴としている。
【0010】
この袋の製造方法によれば、包材を折り曲げ、重なり合っている裏面同士をヒートシールするという一連の流れ作業によって袋を製造することができる。すなわち、まず、包材が折り曲げられて形成される両端開口封筒状体の一方の端縁部側の両側部を外側に引き出し、重なり合う側面部の裏面同士および正面部と背面部の裏面同士をヒートシールする。次に、このヒートシールされた端縁部側の正面部および裏面部を離隔する方向に折り曲げ、かつ、引き出された側面部を内方に折り込むことにより、四角形状の底面部を形成する。この底面部の両側には、三角形状の突出部が突出するが、この突出部は、邪魔であるため、底面部を形成する工程後いずれかの時点において切除する。
【0011】
そして、四角形状に形成された底面部は、二つ折りにされ、表面同士が重なり合い、かつ、底面部の裏面と正面部および背面部の各裏面同士が重なり合う状態となる。このように重なり合っている底面部の外周縁部と正面部および背面部とがヒートシールされることにより、底面部の外周縁部に口字形の鍔部が形成される。二つ折りにされた底面部は、表面同士がシールされないため、平坦な状態に展開することができる。
【0012】
また、前記袋の製造方法であって、前記両端開口封筒状体を形成する工程または以後のいずれかの時点において、前記側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部をヒートシールする工程を有していることが好ましい。
【0013】
この袋の製造方法によれば、折襞状に折り込まれた側面部の両側縁部と正面部の両側縁部および背面部の両側縁部とが重なり合っている裏面同士がヒートシールされることにより、この側縁部が柱のようになって補強される。ただし、前記のように、底面部の外周縁部に鍔部が形成されるときに、側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部の底面部側に、二つ折りにされた底面部の幅、すなわち底面部の幅の半部の長さだけ、側面部と正面部および背面部との各側縁部の裏面同士もヒートシールされ、柱のようになって補強されている。
【0014】
したがって、この袋の製造方法においてヒートシールする側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部は、厳密には、底面部の外周縁部をヒートシールするときにヒートシールされた部位を除いた部位である。このようにして、側縁部の全長がヒートシールされ、側縁部の全長が連続した1本の柱のようになるため、底面部の外周縁部をヒートシールして形成される柱が段差とならないようにすることができる。なお、側面部は表面同士が重なり合っても、ヒートシールされないため、平坦な状態に展開することができる。
【0015】
また、前記袋の製造方法であって、前記包材は、ヒートシール性を有しないベース層の裏面にヒートシール性を有する樹脂層を積層したシートを備えているようにしてもよい。
【0016】
この袋の製造方法によれば、包材の全部または一部がシートによって構成され、このシートがヒートシール性を有しないベース層の裏面にヒートシール性を有する樹脂層を積層したものとされることにより、包材が多層に重ね合わされても、重なり合っている表面同士はヒートシールされず、裏面同士のみヒートシールされる。
【0017】
また、前記袋の製造方法であって、前記包材は、前記1枚のシートからなり、前記両端開口封筒状体は、該シートの両端縁部の裏面同士が接合するようにシートを折り曲げ、該端縁部同士をヒートシールすることによって形成されるようにしてもよい。
【0018】
この袋の製造方法によれば、袋はベース層の裏面に樹脂層を積層した1枚のシートから製造される。シートの両端縁部は、正面部または背面部の中間部分で接合し、あるいは、正面部または背面部と側面部との境界部分で接合し、その接合部分の裏面同士がヒートシールされることによって両端開口封筒状体が形成される。
【0019】
また、前記袋の製造方法において、前記包材は、一部または全部が透明ないし半透明のフィルムによって構成されていてもよい。
【0020】
この袋の製造方法によれば、透明ないし半透明のフィルムが正面部、背面部または側面部の全部またはいずれかに備えられることにより、袋に包装された物を目視することができるようになる。このフィルムが全部に備えられるときは、包材はこのフィルムのみで構成され、このフィルムがいずれかに備えられるときは、包材はこのフィルムと前記シートとを継ぎ合わせて構成される。なお、包材が前記シートとこのフィルムとをヒートシールによって継ぎ合わせたものとし、各端縁部を側面部と正面部および背面部との側縁部と一致させることにより、シートとこのフィルムとをヒートシールする作業を、柱部を形成する作業と兼ねるようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る袋の製造方法の第1の実施形態について図1ないし図6を参照しながら説明する。
【0022】
本実施形態の袋の製造方法は、まずシート状の包材Aを折り曲げることにより、図1の仮想線に示すような両端開口封筒状体20を形成する。この包材Aは、ヒートシール性を有しないベース層の裏面11にヒートシール性を有する樹脂層を積層した1枚のシート10によって成形されている。このようなシート10は、ヒートシール性を有しない層を表面12とし、ヒートシール性を有する層を裏面11として使用される。
【0023】
このようなシート10は具体的には、ヒートシール性を有しないクラフト紙やレーヨン紙などの薄い紙などをベース層とし、このベース層の裏面11にヒートシール性を有するポリプロピレンやポリエチレンなどの食品包装用プラスチックを積層したものが使用される。あるいは、シート10は、透明ないし半透明とするため、ヒートシール性のないペットフィルムをベース層とし、このベース層にヒートシール性のあるポリプロピレンを積層し、全体をプラスチック製とすることもできる。さらに、シート10は遮光性を確保するためのアルミ層などを積層し、3層または4層以上とすることもできる。
【0024】
このようなシート10は、両端縁部13,13の裏面11,11同士が接合するように折り曲げられ、ヒートシールされることにより、離隔可能に重なり合った正面部1と背面部2とを有する両端開口封筒状体20が形成される。シート10は例えば平行な2ラインで折り曲げられ、シート10の両端縁部13,13の裏面11,11同士が合掌した状態に接合し、この両端縁部13,13同士を図示しないヒータ(以下同じ)などによってヒートシールする。この両端縁部13,13が配置される側の面を、ここでは背面部2とする。両端縁部13,13は、背面部2のどこに位置してもよいが、バランス的に中心線上に位置することが好ましい。
【0025】
そして、このようにして形成された両端開口封筒状体20の両側縁21,21を、図1の実線に示すように内方に折り込むことにより、折襞状の一対の側面部3,3を形成する。なお、ここでは、この側面部3,3を形成した状態も両端開口封筒状体20という。
【0026】
次に図2に示すように、両端開口封筒状体20の開口している一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出す。すなわち、側面部3の中心線は引き出された一方の端縁部22側が山折線3aとなり、他方の側が谷折線3bとなる。そして、両端開口封筒状体20の一方の端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分は、平坦な状態に展開し、側面部3の裏面11,11同士と正面部1と背面部2の裏面11,11同士が重なり合い、この重なり合った各裏面11,11同士の端縁部22をヒータよってヒートシールする。
【0027】
次に図3に示すように、四角形状の底面部4を形成する。この底面部4は、前工程においてヒートシールされた端縁部22側の正面部1および背面部2を離隔し、直角方向に折り曲げるとともに、引き出された側面部3の山折線3aを内方に折り込むことによって形成する。この底面部4の両側には、三角形状の突出部7,7が突出する。この底面部4および突出部7,7の中心線の部分は、ヒートシールされた端縁部22であり、封止された状態となっている。
【0028】
次に図4に示すように、底面部4および突出部7,7の中心線が谷折線となるように底面部4および突出部7,7を二つ折りにし、底面部4および突出部7,7の各表面12,12,12が重なり合うようにする。なお、図3に示すように底面部4を形成し、この底面部4の両側から突出部7,7が突出する工程と、図4に示すような底面部4および突出部7,7を二つ折りにする工程とは別々に行わず、一つの複合工程とすることができることはいうまでもない。
【0029】
次に図4示すように、この二つ折りにされた底面部4の外周縁部6と、重なり合っている側面部3と正面部1、そして、側面部3と背面部2の各側縁部5,5…をヒータによってヒートシールする。このヒートシールによって、底面部4の外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、各側縁部5,5…の全長にわたって4本の柱が形成され、補強される。このとき、二つ折りにされた底面部4の表面12、および折襞状に折り込まれた側面部3の表面12は重なり合っているが、表面12はヒートシール性を有しないため、これらの表面12はヒートシールされない。
【0030】
なお、底面部4の外周縁部6、側面部3と正面部1および背面部2との各側縁部5,5…とは全て同時にヒートシールせず、別の工程でヒートシールすることもできる。例えば、側面部3と正面部1および背面部2との各側縁部5,5は、両端開口封筒状体20に折襞状の側面部3,3を形成した後にヒートシールしてもよい。ただし、この状態でヒートシールすると、一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を平坦な状態に展開しにくくならないように、ヒートシールの幅を狭くすることが好ましい。
【0031】
最後に図5に示すように、突出部7,7を切除すると、袋が完成する。ただし、突出部7,7の切除は、底面部4を形成し、突出部7,7が底面部4の両側に突出した状態となった後、あるいは底面部4とともに二つ折りされた後、あるいは底面部4の外周縁部6をヒートシールした後に行うなど任意の工程で行うことができる。
【0032】
そして、二つ折りにされた底面部4と折襞状に折られた側面部3とを平坦な状態に展開すると、図6に示すような有底角筒状の袋となる。この袋は、底面部4の外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、側面部3と正面部1および背面部2の各側縁部5,5…が柱のように補強されているため、この外周縁部6や側縁部5,5…が破れたり、切り裂かれたりしにくい丈夫な構造とされ、また、袋が折れ曲がりにくいようにされている。
【0033】
このような袋には、例えばフライドポテトやホットドッグのような食品や、食品以外の小物その他の被包装物が包装される。この袋は、開口部が封止されるときは、倒した状態で包装物を収容することができる。なお、包材Aの全体が透明ないし半透明のプラスチック製のシート10によって構成されているときは、袋に包装された被包装物を外部から目視することができる。
【0034】
次に、本発明に係る袋の製造方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における両端開口封筒状体20は、図7に示すように、包材Aが第1の実施形態と同じ1枚のシート10からなり、このシート10の両端縁部13,13が、側面部3の側縁部5と背面部2(または正面部1)の側縁部5とが一致するようにしてヒートシールされる。したがって、この両端開口封筒状体20は、シート10の両端縁部13,13が合掌貼りされないことから、正面部1と背面部2の区別がないものとなる。
【0035】
また、この両端縁部13,13がヒートシールされることにより、側縁部5は柱のように補強される。したがって、両端縁部13,13と重なり合う側面部3と背面部2との側縁部5、および反対の辺側で内襞状に折り曲げられる側面部3,3と正面部1および背面部2との両側縁部5,5を、両端縁部13,13のヒートシールと同時にヒートシールすることにより、各側縁部5,5…に4本の柱を同時に形成することができる。
【0036】
このような各側縁部5,5…をヒートシールした両端開口封筒状体20は、前記の第1の実施形態と同様、開口している一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を、平坦な状態に展開し、重なり合っている側面部3の裏面11,11同士と正面部1と背面部2の裏面11,11同士の端縁部22をヒートシールする(図2参照)。なお、境界部を平坦な状態に展開しやすいようにするため、各側縁部5,5…をヒートシールする幅は狭い方が好ましい。
【0037】
そして、底面部4を形成し、この底面部4の両側から突出部7,7が突出し(図3参照)、底面部4の外周縁部6をヒートシールし(図4参照)、突出部7,7を切除することにより(図5参照)、袋が完成する。底面部4の外周縁部6をヒートシールすることにより、この外周縁部6に口字形の鍔部が形成され、また、各側縁部5,5…が4本の柱のように補強される。
【0038】
次に、本発明に係る袋の製造方法の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における包材Aは、裏面11となるプラスチックと表面12となる薄い紙とを貼り合わせたシート10と、裏面11のみヒートシール性を有する透明ないし半透明のフィルム(以下、「透明フィルム」という。)30をヒートシールすることによって継ぎ合わせたものである。透明フィルム30は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチックフィルムによって形成される。
【0039】
このような包材Aは、例えば図8に示すように、透明フィルム30が正面部1の全面および底面部4の一部を構成し、シート10が背面部2、両側面部3および底面部4の一部を構成するように折り曲げられ、両端開口封筒状体20を形成する。
【0040】
この場合は、シート10の両端縁部13,13間に離間部14を設けるようにシート10を折り曲げ、この離間部14に裏面11がヒートシール性を有する透明フィルム30を配置し、シート10の各端縁部13,13の裏面11,11と、透明フィルム30の各端縁部31,31の裏面11,11とを接合して、ヒートシールする。離間部14の幅を正面部1の幅と一致させると、透明フィルム30とシート10とがヒートシールされた部分は、正面部1と側面部3の各側縁部5,5に形成される柱のようになり、各側縁部5,5が補強される。
【0041】
このヒートシールされる側縁部5,5は、シート10を折襞状に折り込んで形成される側面部3と背面部2の側縁部5,5とも重なり合っている。したがって、折襞状の側面部3,3を形成した状態で透明フィルム3の両端縁31,31をヒートシールすると同時に、この側面部3と背面部2の側縁部5,5を同時にヒートシールすることにより、4本の柱を同時に形成し、側縁部5,5を補強することができる。
【0042】
なお、仮に、シート10の両端縁部13,13を折り込まない状態でシート10の両端縁部13,13と透明フィルム30の両端縁部31,31とをヒートシールすると、正面部1の裏面11と背面部2の裏面11とがヒートシールされてしまい、シート10の両端縁部13,13を内方に折り込むことができなくなる。ただし、正面部1と背面部2との間に断熱プレート(図示せず)を介在させることによって、正面部1の裏面11と背面部の2裏面11とがヒートシールされないようにすることは可能である。
【0043】
また、シート10の各端縁部13,13と透明フィルム30の各端縁部31,31と、側面部3と背面部2の各側縁部5,5を同時にヒートシールする場合は、後工程において形成される底面部4の外周縁部6(図4参照)のみヒートシールする。
【0044】
そして、シート10の両端縁部13,13と透明フィルム30の両端縁部31,31とをヒートシールすることにより形成された両端開口封筒状態20は、第1の実施形態と同様、一方の端縁部22側の側面部3を外側に引き出し、この端縁部22側の側面部3と正面部1および背面部2との境界部分を平坦な状態に展開する。この境界部分が平坦となるように、側縁部5,5をヒートシールする幅は狭い方が好ましい。
【0045】
そして、前記の第1の実施形態で説明したような工程を経て、袋が製造される。この袋の包材Aは、シート10がプラスチックと薄い紙とを貼り合わせたものであっても、正面部1が透明フィルム30によって構成されていることにより、袋内の被包装物を目視することができる。
【0046】
なお、第3の実施形態において、図示しないが、裏面11にヒートシール性を有する透明フィルム30が正面部1および両方の側面部3,3または片方の側面部3を構成し、シート10が背面部2と底面部4または片方の側面部3を構成するようにすることもできる。
【0047】
本発明は、前記3つの実施形態に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、正面部1、背面部2、側面部3および底面部4は、便宜的に使用した名称であり、袋の使用態様によっては、底面部4が側面に位置することがあることはいうまでもない。
【0048】
さらに、側面部3と正面部1および背面部2とが重なり合っている側縁部5は、ヒートシールしないようにすることもできる。また、シート10は、表面の全面がヒートシール性を有しない場合だけでなく、ヒートシールする部分のみヒートシール性を有さず、他の部分はヒートシール性を有するものとすることもできる。そして、包材Aは、ヒートシールに加え、接着剤を併用して裏面11,11同士をシールするようにすることもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、包材を折り曲げ、重なり合っている裏面同士をシールするという一連の流れ作業によって、正面部、背面部、側面部および底面部を形成するため、効率的に袋を製造することができる。したがって、本願発明によって製造された袋は、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図2】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図3】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図4】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図5】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、製造途中の状態を示す概略斜視図
【図6】本発明に係る袋の製造方法の一実施形態であって、使用状態を示す概略斜視図
【図7】本発明に係る袋の製造方法の前記と異なる実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図8】本発明に係る袋の製造方法の前記と異なる実施形態であって、最初の状態を示す概略斜視図
【図9】従来の袋の使用状態を示す概略斜視図
【図10】従来の袋の製造方法であって、製造途中を示す概略斜視図
【符号の説明】
A…包材
1…正面部
2…背面部
3…側面部
4…底面部
5…側縁部
6…外周縁部
7…突出部
10…シート
13…端縁部
20…両端開口封筒状体
22…端縁部
30…透明フィルム
31…端縁部
Claims (5)
- 裏面にヒートシール性を有するシート状の包材を折り曲げることにより、離隔可能に重ね合わされる正面部および背面部と一対の折襞状の側面部とからなる両端開口封筒状体を形成する工程と、
前記両端開口封筒状体の開口している一方の端縁部側の側面部を外側に引き出すことにより、重なり合う側面部の裏面同士および正面部と背面部の裏面同士の各端縁部をヒートシールする工程と、
該ヒートシールされた端縁部側の正面部および裏面部を離隔する方向に折り曲げ、かつ、引き出された側面部を内方に折り込むことにより、両側に三角形状の突出部が突出した状態となる四角形状の底面部を形成する工程と、
該底面部の表面が重なり合うように二つ折りにし、底面部の外周縁部をヒートシールする工程と、
前記底面部を形成する工程後のいずれかの時点において、前記突出部を切除する工程とを有していることを特徴とする袋の製造方法。 - 前記両端開口封筒状体を形成する工程または以後のいずれかの時点において、前記側面部と正面部および背面部とが重なり合っている側縁部をヒートシールする工程を有していることを特徴とする請求項1に記載の袋の製造方法。
- 前記包材は、ヒートシール性を有しないベース層の裏面にヒートシール性を有する樹脂層を積層したシートを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の袋の製造方法。
- 前記包材は、前記1枚のシートからなり、
前記両端開口封筒状体は、該シートの両端縁部の裏面同士が接合するようにシートを折り曲げ、該端縁部同士をヒートシールすることによって形成されることを特徴とする請求項3に記載の袋の製造方法。 - 前記包材は、一部または全部が透明ないし半透明のフィルムによって構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の袋の製造方法。
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