JP2005059118A - 電動ハンド - Google Patents

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謙 澤田
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Abstract

【課題】 ハンド部材への推力がカム部材の回転角に関係なく常に一定で、カム部材の位置に拘わらずワークへの把持力を一定にでき、しかも減速比を大きく確保できる電動ハンドを提供する。
【解決手段】 カム部材3のカム溝11の曲線形状を、その一端が回転中心Oに近いところから始まってアルキメデスの渦巻き曲線を描きながら回転中心Oに近づくことなく遠ざかり、他端が回転中心Oより最も遠いところで終わる曲線とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、モータの回転をカム機構で直線運動に変換してハンド部材(爪やフィンガやチャック等)を開閉させる電動ハンドに関する。
この種の電動ハンドとして、例えば特許文献1(特許第3320671号公報)に記載のものがある。この従来の電動ハンドでは、モータにて回転されるカム部材に形成された一対のカム溝に、ハンド部材である一対のフィンガの駆動ピン(カムフォロア)が摺動自在に嵌合され、カム部材の回転により駆動ピンがカム溝に沿って摺動することにより、一対のフィンガに直線運動推力が与えられて開閉する構造となっている。
しかし、この従来例では、カム部材に設けられた一対のカム溝がほぼ半円状で、これらのカム溝は、各半円の中心を、カム部材の回転中心Oからそのカム溝の両端を結ぶ直線の方向に若干偏倚させ、且つそれらの一対のカム溝が回転中心Oの周りに点対称に配置されるようにして設けられていて、各カム溝の両端部がカム部材の回転中心Oを中心とする円弧に近くなるように形成されている。つまり、各カム溝の曲線形状は、その一端が回転中心Oに近いところから始まって遠ざかり、他端が再び回転中心Oに近いところで終わる半円の曲線となっている。そのため、一対のフィンガに与えられる直線運動推力がモータの回転角により変化し、モータの軸トルクと一対のフィンガの推力が、フィンガの位置により変動し、フィンガによるワーク把持力がその位置で違うことになる。
以下にその理由を図1(A)・(B)を参照して解説する。
図1において、原点O(0,0)を中心に回転する円形のカム部材101に、半径r,中心O’(d,0),O”(−d,0)の半円状のカム溝102が形成されているとき、駆動ピンP(x,y)の軌跡により発生する推力、ベクトルPO,ベクトルP’Oと回転トルクの関係を求める。
Οを中心に回転トルクは、直線OPを半径とする円弧の接線上に発生する接線力ベクトルPQとΟ’を中心とする半径rの直線PO’上に発生するベクトルPRの合成力として、直線OP上に発生するベクトルPFが求める推力となる。
従って、ベクトルPQはベクトルPFと垂直となり、ベクトルPRはO’を中心とする円弧の垂線上に働く。
ベクトルPFの大きさは次の式(1)及び(2)で与えられる。
Figure 2005059118
Figure 2005059118
ベクトルPQの大きさgは回転トルクをτとすると、次の(3)式で与えられる。
Figure 2005059118
τは、円形のカム部材の回転トルクで、カム溝が2個ある場合は2分される。
ここでは1個のカム溝について考察する。
直線OPは
Figure 2005059118
であるので、直線O'Pは次の(5)式で与えられる。
Figure 2005059118
また、点P(x,y)を通り直線OPに垂直な直線PQは、次の(6)式で与えられる。
Figure 2005059118
更に、点Q(x,y)を通り直線O’Pに平行な直線FQは、次の(7)式で与えられる。
Figure 2005059118
直線OPと直線FQの交点F(x,y)を式(4)、(7)より求める。
Figure 2005059118
直線OPから点Q(x,y)に下ろした垂線の長さをqとすると、
Figure 2005059118
となり、この式(9)と上記の式(3)とにより、次の式(10)が与えられる。
Figure 2005059118
Q(x,y)は直線PQ上の点であるから、式(6)、(10)より次の式(11)にてx,yを求める。
Figure 2005059118
tanθ−yに式(11)を代入して、
Figure 2005059118
式(12)を(8)に代入して次のようにx−x,y−yを求める。
Figure 2005059118
式(1)と(13)より、推力fは次の式(14)が成り立つ。
Figure 2005059118
従って、推力fはθによって変化する。
特許第3320671号公報(第3頁、図4)
上述のように特許文献1に記載のものでは、カム部材の回転角によりハンド部材であるフィンガへの推力が変化し、それによるワークへの挟持力がフィンガの位置により変動するため、本発明の課題はこれを解消すること、すなわち、ハンド部材への推力がカム部材の回転角に関係なく常に一定で、カム部材の位置に拘わらずワークへの把持力を一定にでき、しかも減速比を大きく確保できる電動ハンドを提供することにある。
本発明者らは、このような課題を解決するため、カム部材のカム溝の曲線形状について次のような解析を行い、本発明に到達した。
<解析の目的>
モータの回転する出力トルクと、その回転により直線運動するハンド部材の推力の関係を一定とするため、力制御がハンド部材の位置に関係なく一定となるカム溝の曲線(以下、「カム曲線」と言う)を求める。求めたカム曲線は減速機構となり、ハンド部材の位置と回転角との関係が線形となることを数値解析で確認する。
図2において、次のように条件を設定する。
τ:モータトルク
F:ハンド部材の推力
r:初期カム曲線半径
Δθ:角度刻み幅
接線力は次の(15)式で与えられる。
Figure 2005059118
合成力Fを得るための分力Cの傾きは、次の(16)式で与えられる。
Figure 2005059118
分力Cを発生させるための効力Rの傾きは分力Cの法線と同じ傾きになる。従って、抗力Rの傾きαは次の(17)式で与えられる。
Figure 2005059118
原点O(0,0)を通り、傾きtan(Δθ)の直線は次の(18)式で与えられる。
Figure 2005059118
また、点(r,0)を通り、傾きαの直線は次の(19)式で与えられる。
Figure 2005059118

式(18),(19)を解くと、次式(20)及び(21)のようになる。
Figure 2005059118
Figure 2005059118
n+1を求めると、次式(22)のようになる。
Figure 2005059118
これから、次の(23)のように絶対座標に座標変換する。
Figure 2005059118
数値解析したカム曲線の軌跡と、モータ軸の回転角とハンド部材の位置関係を図3(A)及び図4(A)に示す。
以上の結果より、この数値解析で求められた曲線は渦巻き線となり、回転あたりの進み量が線形となり、減速機構を持つことが分かる。
一般に渦巻き線は
Figure 2005059118
Figure 2005059118
で表されるが、θとrが線形となるためには、
Figure 2005059118
となり、数値解析で求めた軌跡は式(24)となることが分かる。
この式(24)の解析解から得られる軌跡を図3(B)、θとrの関係を図4(B)にそれぞれグラフにして示す。
従って、数値解析で求めた軌跡と、渦巻き線r=aθの軌跡が一致することが分かる。
このことにより、目的とする軌跡は渦巻き線r=aθで求めても同じ結果となる。
以上の結果により、求めた軌跡はモータ軸の回転トルクとハンド部材の推力との関係が線形であり、回転角とハンド部材の位置関係が線形であることが分かり、この求められた曲線がアルキメデスの渦巻き線と一致することが示唆された。
よって、制御システムのモデルは一般の運動方程式である次式(27)
Figure 2005059118
となり、線型モデルとして扱うことができる。
そこで、本発明は、以上のような解析結果に基づき、カム部材のカム溝が、カム部材の回転中心Oを中心とするアルキメデスの渦巻き曲線に沿って形成されていることを特徴とする。
具体的には、カム溝の曲線形状は、その一端が回転中心Oに近いところから始まってアルキメデスの渦巻き曲線を描きながら回転中心Oに近づくことなく遠ざかり、他端が回転中心Oより最も遠いところで終わる曲線となっている。
ハンド部材が2以上の場合、カム溝も2以上となるが、その場合には、2以上のカム溝のそれぞれが、カム部材の回転中心を中心とするアルキメデスの渦巻き線に沿って分離形成される。
カム部材は円板状でよい。
カム部材は、通常はモータにて直接回転させるが、カム部材を、モータにて回転される駆動ギアーと噛み合い、該駆動ギアーを介して回転される従動ギアーとすることにより、減速比を大きくすることができる。
また、1個の駆動ギアーに複数のカム部材が従動ギアーとして噛み合い、これらが駆動ギアーの回転により同時に回転される多連構造にすることも可能である。
カムフォロアは、カム部材に突設されたピンとし、ハンド部材は、その両側の平行なガイドレールの間を直線摺動する構造とすればよい。
本発明によれば、上述した解析結果から明らかなように、モータの回転角とハンド部材の位置関係が線形となり、モータの回転トルクによって生ずるハンド部材の推力が回転角によって変化せず、どの位置でも一定の推力が得られる。
ラック・ピニオンにて回転運動を直線運動に変換する場合には、ピニオンの径で減速比が制限されるが、本発明によるとカム部材が減速機能を有するため、減速比を大きく確保できる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図5〜図18は、2個(一対)のハンド部材でワークをハンドする電動ハンドに適用した実施例を示す。図5の分解斜視図に示すように、この実施例1の電動ハンドは、正逆反転可能なモータ1と、ほぼ矩形のブロックであるモータ台2と、本発明を適用した円板状のカム部材3と、レール台4と、一対のガイドレール5と、一対のハンド部材6とからなる。
モータ1は、図6に示すように、そのモータ軸7をモータ台2の中央に設けられたモータ軸挿通孔8に挿通させて、モータ台2の裏面に固定される。モータ軸7の先端部7aは角形になっており、モータ軸挿通孔8からモータ台2の表面へ突出する。
モータ台2の表面には、モータ軸挿通孔8の軸線を中心とする円形のカム囲い壁9が突出形成されている。
円板状のカム部材3には、その中央に角形の軸孔10が設けられているとともに、これから離れた位置に一対のカム溝11が対称に設けられている。このカム部材3は、図7、図10及び図11に示すように、その軸孔10をモータ軸7の先端部7aに嵌合させてモータ軸7に固定され、モータ台2のカム囲い壁9の内側でモータ1により回転される。
一対のカム溝11は、図9に示すように、軸孔10の中心、つまりカム部材3の回転中心Oから見て互いに点対称になっているとともに、個々には、その一端11aが回転中心Oに近いところから始まってアルキメデスの渦巻き曲線を描きながら回転中心Oに近づくことなく遠ざかり、他端11bが回転中心Oより最も遠いところで終わる曲線形状となっている。
レール台4は、その裏面がモータ台2の表面と合致する形状になっているのに対し、その表面には、両側縁に沿って側壁12が立ち上がり形成され、またこれら側壁12の中間において、円形の一対のピン挿通孔13が所定の間隔で設けられている。
一対のガイドレール5は角棒状で、その一側面にガイド溝14を形成している。これらガイドレール5は、図7、及び図12〜図15に示すように、互いのガイド溝14を内側に向けてレール台4の両側の側壁12にそれぞれ添えた状態でレール台4に平行に固定される。
一対のハンド部材6は小ブロック状で、それぞれがカムフォロアとなる駆動ピン15を貫通させて固定し、また両側面にベアリング溝16を形成している。そして、これらハンド部材6は、その両側面のベアリング溝16と両側のガイドレール5のガイド溝14との間にそれぞれスラストベアリング17を介在させることにより、これらガイドレール5に図6及び図7に示すように摺動自在に支持される。
このようにレール台4と一対のガイドレール5と一対のハンド部材6とを組み立て、またモータ1とモータ台2とカム部材3とを上記のように組み立てて、図8に示すようにレール台4をモータ台2の表面に固定し、一対のハンド部材6の駆動ピン15を、それぞれレール台4の一対のピン挿通孔13を通じてカム部材3の一対のカム溝11へそれぞれ突入させ、モータ台2のカム囲い壁9の内側に位置しているカム部材3をレール台4で覆うと、本電動ハンドが完成する。
このような構造の実施例1の電動ハンドにおいて、モータ1の正転によりカム部材3が図16において反時計方向に回転されると、その2つカム溝11も同方向に回転するので、図17に示すようにこれらカム溝11のそれぞれにおいて、各ハンド部材6の駆動ピン15が回転中心の方向へ直線移動される。すなわち、各ハンド部材6の駆動ピン15が、カム溝11に対しては、その回転中心より最も遠い一端側から、回転中心より最も近い他端側へとカム溝11のカム曲線に沿って摺動する。この動作は両側のハンド部材6で同時に起こるので、これらハンド部材6は、図16の状態から図17の状態へ、更に図18の状態へと両側のレール5に沿って互いに接近し、それらの間のワーク(図示せず)をハンドできるようになる。
このとき(カム部材3の反時計方向への回転時)のカム溝11のカム曲線を見ると、回転中心より最も遠い一端側から、回転中心より最も近い他端側へとアルキメデスの渦巻き曲線を描いているので、カム部材3の回転角とハンド部材6の位置関係が線形となり、モータ1の回転トルクによって生ずる2個のハンド部材6の推力が回転角によって変化せず、どの位置でも一定の推力でワークをハンドできることになる。
モータ1の逆転によりカム部材3が図16において時計方向に回転されると、上記とは逆の動きになる。
図19〜図31は、実施例1より1個多い3個のハンド部材でワークをハンドする電動ハンドに適用した実施例を示す。
この実施例2の電動ハンドでは、円板状のカム部材3に、3個のカム溝11が図26に示すように、軸孔10の中心、つまりカム部材3の回転中心Oから見て120度の位相差で設けられている。これらのカム曲線は、同じ周方向に、一端11aが回転中心Oに近いところから始まってアルキメデスの渦巻き曲線を描きながら回転中心Oに近づくことなく遠ざかり、他端11bが回転中心Oより最も遠いところで終わる曲線形状となっている。
レール台4上には、図22及び図24に示すような平面く字形の3個の側壁12が、120度の位相差をもって立ち上がり形成され、これらの内側に3組のレール5が各組平行に設置され、各組のレール5のそれぞれに、ハンド部材6が実施例1の場合と同様に摺動自在に支持されている。
モータ台2は円形で、その表面の周縁に円形のカム囲い壁9が突出形成されている。
実施例2は、実施例1と上記のような点が相違しているが、その他については実施例1と同様で、図20、図24、図27、図28に示すように実施例1の場合と同じように組み立てられ、完成状態は図21、図22、図23に示すようになっている。
このような構造の実施例2の電動ハンドにおいて、モータ1の正転によりカム部材3が図29において反時計方向に回転されると、その3つカム溝11も同方向に回転するので、図30に示すようにこれらカム溝11のそれぞれにおいて、各ハンド部材6の駆動ピン15が回転中心の方向へ直線移動される。すなわち、各ハンド部材6の駆動ピン15が、カム溝11に対しては、その回転中心より最も遠い一端側から、回転中心より最も近い他端側へとカム溝11のカム曲線に沿って摺動する。この動作は3個のハンド部材6で同時に起こるので、これらハンド部材6は、図29の状態から図30の状態へ、更に図31の状態へと両側のレール5に沿って互いに接近し、それらの間のワーク(図示せず)をハンドできるようになる。
このとき(カム部材3の反時計方向への回転時)のカム溝11のカム曲線を見ると、実施例1の場合と同様に、回転中心より最も遠い一端側から、回転中心より最も近い他端側へとアルキメデスの渦巻き曲線を描いているので、カム部材3の回転角とハンド部材6の位置関係が線形となり、モータ1の回転トルクによって生ずる3個のハンド部材6の推力が回転角によって変化せず、どの位置でも一定の推力でワークをハンドできることになる。
本発明の変形例についてその概要を説明すると、図32は、モータ1のモータ軸7に駆動ギアー18を固定し、この駆動ギアー18に噛み合う歯を上述のような構成のカム部材3の外周に設けることで、カム部材3を、駆動ギアー18を介してモータ1の回転を伝達される従動ギアーとしても機能させるようにしたものである。このようにすると、減速比を大きくすることができる。
図33は、1個の駆動ギアー18に対して2つのカム部材3を噛み合わせた場合、図34は、1個の駆動ギアー18に対して3つのカム部材3を噛み合わせた場合で、このようにすると、1個のモータ1で複数の電動ハンドを同時に駆動させることができる。
従来例におけるカム部材の解説図で、(A)はその平面図、(B)は幾何学解説図である。 本発明を解析するための幾何学解説図である。 (A)は数値解析によるカム曲線の軌跡図、(B)は求められた式の解析解によるカム曲線である。 同じく(A)は数値解析による回転角と軌跡の関係グラフ、(B)は求められた式による同様のグラフである。 本発明の実施例1を示す分解斜視図である。 その一部を組み立てた斜視図である。 一部を更に組み立てた斜視図である。 その完成斜視図である。 実施例1におけるカム部材を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。 実施例1の一部を断面にした分解図である。 その組み立て完成状態の一部を簡略した断面図である。 実施例1のハンド部材案内部の分解平面図である。 同じく端面図である。 ハンド部材案内部の組み立て状態平面図である。 同じく端面図である。 実施例1の動作を示す平面図で、一対のハンド部材が開いた状態である。 同じく一対のハンド部材が途中まで閉じた状態である。 同じく一対のハンド部材が更に閉じた状態である。 本発明の実施例2を示す分解斜視図である。 その一部を組み立てた斜視図である。 その完成斜視図である。 同じく平面図である。 同じく側面図である。 その一部の平面図である。 同じく側面図である。 実施例2におけるカム部材を示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。 実施例1の一部を断面にした分解図である。 その組み立て完成状態の一部を簡略した断面図である。 実施例2の動作を示す平面図で、3個のハンド部材が開いた状態である。 同じく3個のハンド部材が途中まで閉じた状態である。 同じく3個のハンド部材が更に閉じた状態である。 本発明の変形例の概念斜視図である。 別の変形例の概念斜視図である。 更に別の変形例の概念斜視図である。
符号の説明
1 モータ
2 モータ台
3 カム部材
4 レール台
5 ガイドレール
6 ハンド部材
7 モータ軸
7a 先端部
8 モータ軸挿通孔
9 カム囲い壁
10 軸孔
11 カム溝
11a 一端
11b 他端
12 側壁
13 ピン挿通孔
14 ガイド溝
15 駆動ピン(カムフォロア)
16 ベアリング溝
17 スラストベアリング
18 駆動ギアー

Claims (7)

  1. モータにて回転されるカム部材に形成されたカム溝に、ハンド部材側のカムフォロアが摺動自在に嵌合され、カム部材の回転によりカムフォロアがカム溝に沿って摺動することにより、ハンド部材に直線運動推力が与えられる電動ハンドにおいて、前記カム溝が、前記カム部材の回転中心Oを中心とするアルキメデスの渦巻き曲線に沿って形成されていることを特徴とする電動ハンド。
  2. カム溝の曲線形状は、その一端が回転中心Oに近いところから始まってアルキメデスの渦巻き曲線を描きながら回転中心Oに近づくことなく遠ざかり、他端が回転中心Oより最も遠いところで終わる曲線であることを特徴とする請求項1に記載の電動ハンド。
  3. 2以上のカム溝のそれぞれが、カム部材の回転中心を中心とするアルキメデスの渦巻き線に沿って分離形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ハンド。
  4. カム部材が円板状であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の電動ハンド。
  5. カム部材が、モータにて回転される駆動ギアーと噛み合い、該駆動ギアーを介して回転される従動ギアーにもなっていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の電動ハンド。
  6. 1個の駆動ギアーに複数のカム部材が従動ギアーとして噛み合い、駆動ギアーの回転により同時に回転されることを特徴とする請求項5に記載の電動ハンド。
  7. カムフォロアがカム部材に突設されたピンで、ハンド部材がその両側の平行なガイドレールの間を直線摺動することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の電動ハンド。
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