JP2005059113A - Xyテーブル装置 - Google Patents

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JP2005059113A
JP2005059113A JP2003208046A JP2003208046A JP2005059113A JP 2005059113 A JP2005059113 A JP 2005059113A JP 2003208046 A JP2003208046 A JP 2003208046A JP 2003208046 A JP2003208046 A JP 2003208046A JP 2005059113 A JP2005059113 A JP 2005059113A
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Yoichi Ishikawa
洋一 石川
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ISHIKAWA SEIKI KK
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ISHIKAWA SEIKI KK
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Abstract

【課題】デッドスペースの発生を抑制して、スペース効率のよい、したがって小型化の可能なXYテーブル装置を提供する。
【解決手段】カム部材12の回転は、第1変換機構13,第2変換機構14により、それぞれ左右方向(第1軸方向),前後方向(第2軸方向)の直線運動に変換され、合成機構15により合成されて平面運動(円運動)が生成される。第1変換機構13,第2変換機構14,合成機構15,テーブル部材16が、カム部材12の周縁部を囲繞するように配置されているので、全体としてコンパクトに構成することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に直交する第1軸方向と第2軸方向の、それぞれの直線運動を合成して平面運動を生成するXYテーブル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、平面内で相互に直交する2方向のそれぞれの直線運動を合成して、二次元的な平面運動を生成する装置として、XYプロッタ(例えば特許文献1)や工作機械のテーブルが知られている。
【0003】
このXYプロッタは、左右方向に長いアームを上下方向に移動させるとともに、アームに沿って印字部を左右方向に移動させる。つまり、アームの上下方向の運動と、アームに沿っての印字部の左右方向の運動とを合成して、印字部を二次元的に運動させるのである。駆動手段としては、アームはモータ及びボールねじを使用し、また印字部はモータ,駆動・従動プーリ,タイミングベルト等を使用している。
【0004】
一方、工作機械のテーブルは、上面にワーク(被工作物)がセットされた状態で、左右方向(X軸方向)及び前後方向(Y軸方向)に移動される。その駆動手段としては、一般にX軸・Y軸方向とも、モータとボールねじの組み合わせが使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−342601号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のXYプロッタ、工作機械のテーブルは、それぞれ印字部、ワークの高い位置決め精度が要求されるため、駆動手段はそれ自体が高精度に構成することはもちろん、その動作もコンピュータによって高精度に制御する必要がある。
【0007】
したがって、このような構成は、全体構成が大掛かりとなり、単純な平面運動を繰り返し行うような作業には、適していない。
【0008】
そこで、例えば携帯電話等の小型装置の製造において、接着剤を所定経路にて無端状に塗布したり、またはペイントで所定形状に描く等の、比較的単純な経路にて繰り返される作業に適するXYテーブル装置の現出が望まれている。
【0009】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、単純な平面運動の繰り返しに好適で、しかもコンパクトに構成することのできるXYテーブル装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、カム軸(38)を中心として回転するカム部材(12)と、
前記カム部材(12)を駆動回転する駆動手段(11)と、
前記カム部材(12)の回転運動を第1軸方向の直線運動に変換する第1変換機構(13)と、
前記カム部材(12)の回転運動を前記第1軸方向に直交する第2軸方向の直線運動に変換する第2変換機構(14)と、
前記第1変換機構(13)と前記第2変換機構(14)とに係合するとともに前記第1軸方向の直線運動と前記第2軸方向の直線運動とを合成して平面運動を生成する合成機構(15)と、
前記生成された平面運動が伝達されるテーブル部材(16)と、を備え、
前記第1変換機構(13)と前記第2変換機構(14)とは、前記カム部材(12)の周縁部近傍に共通の支点(P1)を有するとともに、前記カム部材(12)に対し前記カム軸(38)を基準として、前記支点(P1)と反対側に作用点(P4)を有し、
前記合成機構(15)は、前記作用点(P1)近傍に配置されている、ことを特徴とするXYテーブル装置(1)である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第1変換機構(13)と前記第2変換機構(14)とは、前記カム部材(12)に対し前記カム軸(38)を基準として、相互に反対側に配設されている、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のXYテーブル装置(1)において、前記カム部材(12)は、前記カム軸(38)に固定されて前記第1変換機構(13)を駆動する板状の第1カム(44)と、前記第1カム(44)に重なるように前記カム軸(38)に固定されて前記第2変換機構(14)を駆動する板状の第2カム(45)とを有する、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第1変換機構(13)は、基端側に配置された前記支点(P1)を基準として先端側が前記第1軸方向に揺動する第1アーム(53)と、前記第1アーム(53)の中間部に取り付けられるとともに前記第1カム(44)に当接されて力点(P2)を構成する第1カムフォロア(54)と、前記第1軸方向に移動可能な第1スライダ(55)と、前記第1アーム(53)の先端側と前記第1スライダ(55)の基端側とを連結する第1連結部材(56)と、前記第1アーム(53)を付勢して前記第1カムフォロア(54)を前記第1カム(44)に当接させる第1付勢部材(57)とを有し、
前記第2変換機構(14)は、基端側に配置された前記支点(P1)を基準として先端側が前記第2軸方向に揺動する第2アーム(70)と、前記第2アーム(70)の中間部に取り付けられるとともに前記第2カム(45)に当接されて力点(P3)を構成する第2カムフォロア(71)と、前記第2軸方向に移動可能な第2スライダ(72)と、前記第2アーム(70)の先端側と前記第2スライダ(72)の基端側とを連結する第2連結部材(73)と、前記第2アーム(70)を付勢して前記第2カムフォロア(71)を前記第2カム(45)に当接させる第2付勢部材(74)とを有する、ことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第1連結部材(56)は、前記第1アーム(53)及び前記第1スライダ(55)に対して、それぞれ相対回転自在に連結されたリンク(56)である、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第1連結部材(56)は、前記第1アーム(53)と前記第1スライダ(55)とのうちの一方に連結されためねじ部材(65)と他方に連結されるとともに前記めねじ部材(65)に螺合されたおねじ部材(66)とを有する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第2連結部材(73)は、前記第2アーム(70)に対して前記第2スライダ(72)を、前記第1軸方向移動可能でかつ相対回転可能に連結する第3スライダ(73)であり、
前記第3スライダ(73)は、前記第2アーム(70)と前記第2スライダ(72)とのうちの一方に固定されるとともに前記第1軸方向に向けたガイド溝(82)を有するホルダ(80)と、他方に取り付けられるとともに前記ガイド溝(82)に案内される回転自在なローラ(81)とを有する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項4ないし7のいずれか1項に記載のXYテーブル装置(1)において、前記合成機構(15)は、装置本体(10)に固定されるとともに前記第1スライダ(55)の前記第1軸方向の直線運動をガイドする第1ガイド(85)と、前記第1スライダ(55)に固定されるとともに前記第2スライダ(72)の前記第2軸方向の直線運動をガイドする第2ガイド(86)とを有し、
前記テーブル部材(16)は、前記第2スライダ(72)によって保持された状態で前記平面運動が伝達される、ことを特徴とする。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のXYテーブル装置(1)において、前記第1軸方向と前記第2軸方向との双方に直交する方向を第3軸方向としたときに、前記テーブル部材(16)の前記第3軸方向の移動を規制するとともに前記平面運動をガイドするテーブルガイド(100)と、前記テーブルガイド(100)を前記第3軸方向に移動させる移動機構(17)と、を備える、ことを特徴とする。
【0019】
なお、上述のカッコ内の符合は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0020】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、駆動手段によってカム部材を回転させると、この回転は、第1変換機構,第2変換機構により、それぞれ第1軸方向,第2軸方向の直線運動に変換される。そしてこれら直線運動は、合成機構により合成されて平面運動が生成される。この平面運動がテーブル部材に伝達される。このテーブル部材に伝達される平面運動は、カム部材の1回転に対応して1つの閉ループを形成するものである。すなわち、カム部材の1回転に対応して、テーブル部材上の任意の点が同形の閉ループ状の軌跡を描くことになる。なお、この閉ループは、カム部材の形状を適宜に形成することにより、円形、楕円形、直線(楕円の短径が0となったもの)、多角形(三角形,四角形……)等のほぼ任意の形状の閉ループとすることができる。このように請求項1の発明は、単純な機械的な構成(例えば、コンピュータ等が不要な構成)でありながら、上述のように多様な平面運動(閉ループ)を繰り返し、しかも精度よく生成することができる。
【0021】
さらに、請求項1の発明によると、小型化が可能である。すなわち、第1変換機構と第2変換機構とは、カム部材の周縁部近傍に共通の支点を有し、またカム部材に対しカム軸を基準としてこの支点と反対側に作用点を有しており、さらこの作用点近傍に合成機構が配置されているので、全体をカム部材の周縁部にまとめたコンパクトな構成とすることができる。すなわち、第1変換機構、第2変換機構、これらの支点及び作用点、そして合成機構が、カム部材の周縁部に配置されているので、デッドスペースの発生を抑制して、スペース効率のよい構成を構築することができる。
【0022】
請求項2の発明によると、第1変換機構と第2変換機構とが、カム部材に対して反対側に、つまり両者によってカム部材の周縁部を取り囲むように構成されているので、カム部材を中心として、バランスのよい構成とすることができる。
【0023】
請求項3の発明によると、それぞれ板状の第1カム,第2カムが共通のカム軸に対して重なるように取り付けられているので、スペース的に無駄がない。また、2個のカムが一体の場合に比して、それぞれを個別に交換することができるので、テーブル部材に所望の平面運動を行わせる際に、第1軸方向の直線運動と第2軸方向の直線運動とをそれぞれ個別に設計してこれらを合成すればよいので、カムの設計が容易である。
【0024】
請求項4の発明は、第1変換機構及び第2変換機構の構成を具体的に示したものである。第1カムの回転は、第1付勢部材に付勢された第1カムフォロア、第1アーム、第1連結部材を介して最終的に第1スライダの第1軸方向の直線運動に変換される。同様に、第2カムの回転は、第2付勢部材に付勢された第2カムフォロア、第2アーム、第2連結部材を介して最終的に第2スライダの第2軸方向の直線運動に変換される。そして、第1スライダ,第2スライダの直線運動に基づいて、合成機構により、平面運動が生成される。本発明の構成によると、後に実施の形態で詳述するように、第1変換機構及び第2変換機構をカム部材を囲繞するように、スペース効率よく配置することが可能となる。
【0025】
請求項5の発明によると、第1アームと第1スライダとは、それぞれに対して相対回転可能なリンク(第1連結部材)によって連結されているので、例えば、第1スライダが第2軸方向及び第3軸方向の移動が規制されて第1軸方向にのみ移動可能に配設されている場合であっても、第1アームの第1軸方向の揺動動作は、リンクを介して支障なく第1スライダの直線運動に変換されることになる。
【0026】
請求項6の発明によると、第1連結部材が、めねじ部材におねじ部材を螺合することで構成されているので、その螺合長さ(ねじ込み量)を調整することにより、第1アームに対する第1スライダの位置を微調整することが容易となる。
【0027】
請求項7の発明によると、第3スライダ(第2連結部材)は、第2アームに対して第2スライダが前記第1軸方向移動可能でかつ相対回転可能に連結されているので、例えば後述のように、第2スライダが第2軸方向にのみ直線運動をするように規制された場合であっても、第2アームの揺動動作が、支障なく第2スライダの第2軸方向の直線運動に変換される。さらに具体的には、第3スライダは、第1軸方向に向けたガイド溝を有するホルダとこのガイド溝にガイドされるローラとによって構成されている。したがって、第1スライダは、第1アームに対してローラを中心に揺動することが可能であり、またローラが第1軸方向のガイド溝に沿って移動可能であることに起因して、第1スライダは第1アームに対して平行移動可能となる。つまり、このようなホルダとローラとによって、第1アームに対して第1スライダが第1軸方向移動可能でかつ相対回転可能な具体的な構成とすることができる。
【0028】
請求項8の発明によると、第1スライダは、装置本体に固定された第1ガイドにガイドされることで、第1軸方向に直線運動することが可能となる。一方、第2スライダは、上述の第1軸方向に直線運動可能な第1スライダに固定された第2ガイドにガイドされて第2軸方向の直線運動が可能となる。したがって第2スライダは、第1スライダと一体の第2ガイドの第1軸方向の直線運動と、自身の第2軸方向の直線運動とが合成されて平面運動を行うことになる。そしてこの第2スライダに保持されたテーブル部材は、第2スライダの平面運動がそのまま伝達されることになる。このように、テーブル部材の平面運動は、第1カムの回転に基づく第1スライダの第1軸方向の直線運動と、第2カムの回転に基づく第2スライダの第2軸方向の直線運動との合成によって生成される。したがって、第1カム,第2カムの形状を適宜に設定することで、テーブル部材の、例えば、円運動、楕円運動(長軸の向きが第1軸方向、第2軸方向、あるいは任意の方向を向いた楕円運動)、楕円運動の短軸を0とした平面運動としての直線運動を可能とする。
【0029】
請求項9の発明によると、テーブル部材は、その平面運動がテーブルガイドによってガイドされるので、精度の高い平面運動を実現することができる。また、移動機構によってテーブルガイドを、第3軸方向に移動されることにより、テーブル部材を第3軸方向に移動させることができる。これにより、例えば、テーブル部材に載置された被加工物を第3軸方向(例えば上下方向に移動させることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、複数の図面に同一の部材等が図示されている場合であっても、符合は適宜省略してある。
【0031】
<実施の形態1>
図1〜図6に、本発明に係るXYテーブル装置の一例として、実施の形態1に係るXYテーブル装置1を示す。これらの図のうち、図1はXYテーブル装置1の上面図である。ただし、カバー部材26は取り外してある。また、図2,図3,図4,図5は、この順に、カバー部材26を取り付けた状態における図1のA−A線矢視図,B−B線矢視図,C−C線矢視図,D−D線矢視図である。ただし、図5は、カバー部材26の内側のみを図示している。図6は、図1中の第1アーム53を同図中の右方から見た図である。なお、これらの図では、運動を伴う可動部材(具体的には後述)は、いずれもホームポジションに配置されているものとする。
【0032】
ここで、以下の説明では、図1中における「下」,「上」,「左」,「右」を、この順にXYテーブル装置1の「前」,「後」,「左」,「右」とし、また図4中における「上」,「下」を、XYテーブル装置1における「上」,「下」として説明する。また、XYテーブル装置1の左右方向(X軸方向)が第1軸方向に、また前後方向(Y軸方向)が第2軸方向に、そして上下方向(Z軸方向)が第3軸方向に一致する場合を例に説明する。これに基づき、第1軸方向,第2軸方向,第3軸方向という代わりに、左右方向,前後方向,上下方向というものとする。なお、本発明は、これら第1軸方向,第2軸方向,第3軸方向が、左右方向,前後方向,上下方向に一致する場合に限定されるものではない。
【0033】
XYテーブル装置1は、これらの図に示すように、箱状のフレーム10と、フレーム10内に配設された駆動手段11と、この駆動手段11によって駆動回転されるカム部材12と、このカム部材12の回転運動を左右方向の運動に変換する第1変換機構13と、カム部材12の回転運動を前後方向の運動に変換する第2変換機構14と、これら左右方向の運動と前後方向の運動とを合成する合成機構15と、この合成機構15によって合成された運動が伝達されるテーブル部材16と、を備えている。なお、本実施の形態においては、さらにテーブル部材16を上下方向に移動させる昇降機構(移動機構)17を備えている。以下、フレーム10〜昇降機構17の順に説明する。
【0034】
フレーム10は、前後上下左右の計6枚のプレートによって箱状の装置本体を構成している。すなわち、前プレート20,後プレート21,上プレート22,下プレート23,左プレート24,右プレート25によってほぼ直方体状の装置本体を構成している。これら6枚のプレートのうち、前プレート20と後プレート21とは特に肉厚に構成され、またこれら前プレート20の上端と後プレート21の上端とを連結する上プレート22もやや肉厚に形成されている。これら3枚のプレート20,21,22はカバーとして作用する以外に、強度部材としても作用する。後述のモータ30、減速機31、ソレノイド103は、いずれもこれら強度部材となるプレート20〜22のいずれかに取り付けられる。これに対して残りの3枚のプレート、すなわち下プレート23,左プレート24,右プレート25は、肉薄に形成されていて、主にカバーとして作用する。このように、フレーム10は、XYテーブル装置1全体の強度部材として作用し、また次に説明する駆動手段11のカバーとしても作用するように構成されている。
【0035】
フレーム10の上プレート22の上方の空間は、開閉自在なカバー部材26によって覆われている。カバー部材26は、図5に示すように、上プレート22の右端に固定されたヒンジ27によって開閉自在に支持されており、また、図2に示すように、上面の後端側でかつ例えば左端側には、開閉用の把手28が取り付けられている。閉鎖時のカバー部材26は、上プレート22の上方の空間に配置されているカム部材12,第1変換機構13,第2変換機構14,合成機構15等の可動部材を上方及び前後左右から覆うとともに、磁石(不図示)によって閉鎖状態を維持するように構成されている。一方、把手28を握って開放された後のカバー部材26は、上述の可動部材を露出させて、その交換や調整やメンテナンスを容易にしている。なお、このカバー部材26には、テーブル部材16に対応する位置に透孔が形成されていて、閉鎖状態にあっては、テーブル部材16が上方に突出することを可能とする一方、開放時には、その開閉動作がテーブル部材16によって妨げられることを防止している。
【0036】
駆動手段11は、駆動原となるモータ30と、このモータ30の回転を減速する減速機31と、モータ30の動力を減速機31に伝達するタイミングベルト32とを有している。このうち、モータ30は、図2に示すように、上述のフレーム10の上プレート22の裏面(下面)に固定されたステー33に取り付けられている。モータ30は、その出力軸34を後方に向けた姿勢で取り付けられており、出力軸34には駆動プーリ35が固定されている。また、減速機31は、図3に示すように、フレーム10の上プレート22の裏面(下面)に直接固定されている。減速機31は、その入力軸36を後方に向けた姿勢で取り付けられており、入力軸36には従動プーリ37が固定されている。そして、モータ30側の駆動プーリ35と減速機31側の従動プーリ37との間には、タイミングベルト32が適宜な張力を持って掛け渡されている。減速機31としては、例えば入力軸36と一体のウォーム(不図示)とこれに噛合するウォームホイール(不図示)との組み合わせによって構成することができる。減速機31は、図3に示すように、ウォームホイールと一体の出力軸38が上下方向を向けて配置され、さらにこの出力軸38の上端部40は、フレーム10の上プレート22から上方に突出されている。この上端部40は、フランジ状のホルダ41に固定されたベアリング42によって回転自在に支持されている。この出力軸38の上端部40には、後述のカム部材12が固定される。つまり、出力軸38は、カム部材12の回転中心となる。そこで、以下では出力軸38という代わりにカム軸38というものとする。なお、減速機31全体は、このホルダ41を上プレート22の上面に固定するボルト43によって、前述のように上プレート22の裏面に固定されている。ここで、駆動手段11の配設位置についてみると、全体は前述のフレーム10内に収納されている。また、駆動手段11のモータ30及び減速機31は、図1における破線、また図4における二点鎖線で示すように、モータ30が左側に、また減速機31が右側に配置されている。以上のような構成の駆動手段11は、モータ30の回転が出力軸34、駆動プーリ35、タイミングベルト32、従動プーリ37、入力軸36を介して減速機31に入力され、入力された回転がウォーム及びウォームホイールによって減速されてカム軸38から出力されるようになっている。
【0037】
カム部材12は、上下方向に向けた回転中心を有するカム軸38と、このカム軸38に固定された板状の2枚のカム、すなわち第1カム44と第2カム45とを有している。カム軸38の上端部には、カラー46が嵌合されており、さらにこのカラー46には、キー47を介してカム保持部材48が嵌合されている。カム保持部材48は、上側と下側とが小径に形成され、中間部が大径に形成されている。この上側の小径部分に第1カム44が、また下側の小径部分に第2カム45が共通の複数のボルト50によって固定されている。第1カム44,第2カム45は、いずれもほぼ円形の板カムであり、それぞれ周縁部にはカム面51,52が形成されている。第1カム44は、後述の第1変換機構13を駆動するためのカムであり、そのカム面51の輪郭曲線は、従動節となる後述の第1アーム53に所望の揺動運動を付与することができるような形状に形成されている。これに対し、第2カム45は、後述の第2変換機構14を駆動するためのカムであり、そのカム面52の輪郭曲線は、従動節となる後述の第2アーム70に所望の揺動運動を付与することができるような形状に形成されている。このように本実施の形態では、第1変換機構13を駆動する第1カム44と、第2変換機構14を駆動する第2カム45とがそれぞれ個別に形成されているので、輪郭曲線の異なる他のカムに、それぞれを単独で、または双方同時に簡単に交換することによって、後述のテーブル部材16が描く軌跡の形状を容易に変更することができる。さらに、第1カム44と第2カム45は、共通のカム軸38に固定されているので、それぞれ個別のカム軸を有する場合に比して構成を簡略化することができ、また2枚が重なるように、つまりほぼ全体がオーバラップするように固定されているので、省スペース化に寄与することができる。
【0038】
つづいて第1変換機構13,第2変換機構14について説明する。
【0039】
第1変換機構13全体と第2変換機構14全体とは、図1に示すように、上面視においてそれぞれL字型に構成されており、双方があいまって、上述のカム部材12をほぼ正方形状に囲繞するように配置されている。
【0040】
第1変換機構13は、図1に示すように、カム部材12の右側において前後方向に向けて配設された第1アーム53と、この第1アーム53の中間部に取り付けられた第1カムフォロア54と、カム部材12の前側において左右方向に向けて配設された第1スライダ55と、この第1スライダ55と上述の第1アーム53とを連結するリンク(第1連結部材)56と、上述の第1カムフォロア54を前述の第1カム44に当接させる第1引っ張りばね(第1付勢部材)57とを備えている。このうち第1アーム53は、図1,図6に示すように、後側となる基端部に配置されたボス部58と、このボス部58から前方に向かって延びる板状のアーム部60とを有している。ボス部58は、上プレート22の上面に突設されたピン61の上側に、ベアリング62,63を介して回動自在に支持されている。このピン61は、その中心が支点(第1アーム53の揺動中心)P1となるものであり、裏面側からナット64によって固定されている。このように、第1アーム53は、ボス部58が回動自在に支持されていることに基づき、アーム部60の先端(前端)側が左右方向に揺動可能である。第1カムフォロア54は、図1,図6に示すように、第1アーム53のアーム部60の中間部に下方を向けて回転自在に取り付けられている。この第1カムフォロア54の前後方向の配設位置は、前述のカム軸38の中心と同じ位置となっている。第1カムフォロア54は、その外周面を第1カム44のカム面51に当接させている。この当接部が力点P2となる。第1スライダ55は、カム部材12の前側において左右方向に向けて配置された板状の部材によって構成されている。第1スライダ55は、長手方向に直交する方向の縦断面が図2に示すように、上側が幅狭の台形に形成されている。第1スライダ55は、上プレート22に固定された後述の第1ガイド85によって前後方向及び上下方向の移動が規制され、左右方向にのみ移動可能にガイドされている。リンク56は、基端側に配置されためねじ部材65の先端側におねじ部材66を螺合させて構成されており、全体としてはほぼ左右方向に長く構成されている。めねじ部材66の基端部は、上述の第1アーム53のアーム部60の先端側に相対回転自在に連結されている。一方、おねじ部材65の先端部は、上述の第1スライダ55の基端側に相対回転自在に連結されている。このように、リンク56全体としては、その基端側が第1アーム53に対し、またその基端側が第1スライダ55に対して相対回転自在に連結されているので、第1アーム53先端側の左右方向の揺動動作が、第1ガイド85にガイドされた第1スライダ55の左右方向の運動が支障なく円滑に行われるようになっている。またリンク56は、上述のようにめねじ部材65に対しておねじ部材66を螺合しているので、その螺合長さを調整することにより、上述の第1スライド55の左右方向の位置、ひいてはこの第1スライド55に固定された後述の第2ガイド86の位置を微調整することができるようになっている。第1引っ張りばね57は、図1,図6に示すように、第1アーム53のアーム部60の先端に下方を向けて螺合されたねじ67と、上プレート22に上方を向けて螺合されたねじ68との間に介装されている。第1引っ張りばね57は、左右方向に向けて配置されていて、アーム部60の先端側を左方に付勢し、これにより、アーム部材60の中間部の第1カムフォロア54を第1カム44のカム面51に当接させている。
このように構成された第1変換機構13は、第1カム44の回転運動を、第1カムフォロア54、第1アーム53,リンク56を介して、第1スライダ55の左右方向の運動に変換するものである。
【0041】
第2変換機構14は、図1に示すように、カム部材12の後側において左右方向に向けて配設された第2アーム70と、この第1アーム70の中間部に取り付けられた第2カムフォロア71と、カム部材12の左側において前後方向に向けて配設された第2スライダ72と、この第2スライダ72と上述の第2アーム70とを連結する第3スライダ(第2連結部材)73と、上述の第2カムフォロア71を前述の第2カム45に当接させる第2引っ張りばね(第2付勢部材)74とを備えている。
【0042】
このうち第2アーム70は、図1,図6に示すように、右側となる基端部に配置されたボス部75と、このボス部75から左方に向かって延びる板状のアーム部76とを有している。ボス部75は、上述の支点となるピン61の下側に、ベアリング77,78を介して回動自在に支持されている。これにより、第2アーム70は、アーム部76の先端(左端)側が前後方向に揺動可能である。第2カムフォロア71は、図1,図3に示すように、第2アーム70のアーム部76の中間部に上方を向けて回転自在に取り付けられている。この第2カムフォロア71の左右方向の配設位置は、前述のカム軸38の中心と同じ位置となっている。
第2カムフォロア71は、その外周面を第2カム45のカム面52に当接させている。この当接部が力点P3となる。第2スライダ72は、カム部材12の左側において前後方向に向けて配置された板状の部材によって構成されている。第2スライダ72は、長手方向に直交する方向の縦断面が図5に示すように、上側が幅狭の台形に形成されている。第2スライダ72は、上述の第1スライダ55に固定された後述の第2ガイド86によって前後方向にのみ移動可能にガイドされている。ただし、後述のように、この第2ガイド86自体が左右方向に移動するのに伴い、結果として、第2スライダ72は、前後方向及び左右方向に移動可能となっている。第3スライダ73は、図1,図2に示すように、ホルダ80と、ローラ81とを有している。ホルダ80は、図1の上面視において、フック形に形成されていて、その前端側が、上述の第2スライダ72の後端側(基端側)にボルト締めされるとともに、後端側の下面(裏面)には、左右方向のガイド溝82が形成されている。そして、このガイド溝82には、上述の第2アーム70のアーム部76の左端側に、上方を向けて回転自在に取り付けられたローラ81が係合されている。第3スライダ73がこのように構成されているので、第2スライダ72は、第2アーム70に対しては、左右方向及び回転方向に移動可能となっている。第2引っ張りばね74は、図1に示すように、第2アーム70のアーム部76の先端(左端)に穿設された透孔83と、上プレート22に上方を向けて螺合されたねじ84との間に介装されている。第2引っ張りばね74は、前後方向に向けて配置されていて、アーム部76の先端(左端)側を前方に付勢し、これにより、アーム部材76の中間部の第2カムフォロア71を第2カム45のカム面52に当接させている。このように構成された第2変換機構14は、第1カム45の回転運動を、第2カムフォロア71、第2アーム70,第3スライダ73を介して、第2スライダ72の前後方向の運動に変換するものである。
【0043】
図1における、第1変換機構13の第1スライダ55の幅方向の中心と、第2変換機構14の第2スライダ72の幅方向の中心とが交差する点が、作用点P4となる。作用点は、カム部材12に対し、カム軸38を基準として支点P1の反対側に設定されており、次に説明する合成機構15は、この作用点P4の近傍に配置されている。作用点P4については、前後方向に沿っての支点P1から作用点P4までの距離は、同じく支点P1から力点P2までの距離の2倍に設定されている。さらに、左右方向に沿っての支点P1から作用点P4までの距離は、同じく支点P1から力点P3までの距離の2倍に設定されている。したがって、第1カム44の回転に起因する力点P2の左右方向の移動が、作用点P4においては左右方向に2倍に増幅されて出力される。同様に、第1カム45の回転に起因する力点P3の前後方向の移動が、作用点P4においては前後方向に2倍に増幅されて出力される。これらの関係に基づいて、作用点P4の所望の平面運動(これはテーブル部材16の所望の平面運動とほぼ同じ)を実現するための、第1カム44,第2カム45の設計が容易になる。
【0044】
合成機構15は、上述の第1スライダ55の左右方向に運動をガイドする第1ガイド85と、第2スライダ72の前後方向の運動をガイドする第2ガイド86とを有している。このうち第1ガイド85は、図2に示すように、上部に第1スライダ55の断面形状とほぼ同形の、すなわち上側が幅狭の台形となる台形溝87を有している。この台形溝87は、左右方向に向けて形成されていて、第1スライダ55との隙間は、適宜な厚さのシム88を挟み込むことで調整するようにしている。この第1ガイド85は、フレーム10の一部を構成している上プレート22の上面に固定されている。このような第1ガイド85に対して第2ガイド86は、図5に示すように、上部に第2スライダ72の断面形状とほぼ同形の、すなわち上側が幅狭の台形となる台形溝90を有している。この台形溝90は、前後方向に向けて形成されていて、第2スライダ72との隙間は、適宜な厚さのシム91を挟み込むことで調整するようにしている。この第2ガイド86は、図5に示すように、上述の第1スライダ55の先端側にねじ止めされている。このように、合成機構15は、フレーム(装置本体)10の上プレート22に固定された第1ガイド85が、第1スライダ55の左右方向の直線運動のみを許容し、この第1スライダ55に固定された第2ガイド86が、第2スライダ72の前後方向の直線運動のみを許容する。つまり、第2スライダ72は、左右方向に直線運動可能な第2ガイド86によって前後方向の直線運動がガイドされるので、結果として、左右方向の直線運動と前後方向の直線運動とが合成された平面運動を生成することができる。この第2スライダ72の平面運動としては、前述の第1カム44,第2カム45の形状、すなわち原理的には、これらのカム面を適宜に選択することにより、円運動,楕円運動,直線運動等の任意の閉ループからなる平面運動を生成することが可能である。
【0045】
ここで、以上説明した、カム部材12、第1変換機構13、第2変換機構14、合成機構15等の可動部材は、フレーム10の上プレート22の上方に配設されており、いずれも、閉鎖状態のカバー部材26によって覆われるようになっている。
【0046】
テーブル部材16は、図1,図2,図4に示すように、ほぼ方形の板状の載置台92とその裏面の中央に下方に向けて取り付けられた棒状の支持部93とを有している。このうち載置台92は、その上面に、被加工物がセットされる載置面94を有している。載置台92は、前述のカム部材12、第1変換機構13、第2変換機構14、合成機構15等の駆動部材が、安全上、閉鎖状態のカバー部材26に覆われるのに対して、カバー部材26から上方に突出されて、作業性の向上が図られている。支持部93は、閉鎖状態のカバー部材26の内部を上下方向に貫通するように配置されていて、その先端部(上端部)には、上述の載置台92がねじ止めされている。また支持部93の中間部は、前述の第2スライダ72の先端(前端)にボルト締めされた保持部材94によって支持されている。保持部材94には、軸心を上下方向に向けた円筒部95が設けてあり、支持部93は、この円筒部95に遊嵌されている。つまり、テーブル部材16全体は、この円筒部95によって上下動可能に保持されている。テーブル部材16の支持部94の下端部は、フレーム10内(上プレート22の下方)にまで延長されていて、下端には球状の摺動部材96が固定されている。支持部93は、この摺動部材96の近傍に突出部97を有していて、この突出部97と上述の円筒部95の下端との間には、圧縮ばね98が介装されている。テーブル部材16全体は、この圧縮ばね98によって下方に付勢されており、上述の摺動部材96が、テーブルガイド100に軽く当接されている。テーブルガイド100は、図4に示すように、正面視が三角形状に形成されたガイドブロック101の上面に形成されている。テーブルガイド100は、平面状(水平面)に形成されている。上述のテーブル部材16は、圧縮ばね98によって摺動部材96をこのテーブルガイド100に軽く当接させた状態で、平面運動を行うので、精度の高い平面運動を行うことができる。ガイドブロック101の下面には、右上がりの傾斜面102が形成されている。この傾斜面102における前端部及び後端部には、それぞれ傾斜面に沿ってガイド凸条99が形成されている。後述の昇降ブロック104は、傾斜面107がこれらガイド凸条99の間にちょうど嵌まるようになっている。これによりガイドブロック101の前後方向の不要な移動が規制される。また、ガイドブロック101は、規制部材(不図示)によって左右方向の不要な移動が規制されており、上下方向にのみ移動可能となっている。
【0047】
昇降機構17は、図2,図3,図4に示すように、前述の駆動手段11と同様、フレーム10内に配設されていて、ソレノイド103と、昇降ブロック104とを有している。このうちソレノイド103は、前述のフレーム10の前プレート20に固定されたステー105上に固定されている。ソレノイド103は、そのプランジャ106が左右方向に伸縮(出入り)する向きに固定されている。プランジャ106は、通電(ON)により短縮され、またOFFにより図4に示すホームポジションに復帰するようになっている。昇降ブロック104は、下面が平面状に形成されるとともに、上面には上述のガイドブロック101の傾斜面102に対応した右上がりの傾斜面107が形成されている。この昇降ブロック104は、ソレノイド103のONによるプランジャ106の短縮に伴って、ステー105上を右方に移動し、これにより、ガイドブロック101が下降し、さらにテーブル部材16が加工する。一方、昇降ブロック104は、ソレノイド103のOFFによるプランジャ106の伸長に伴って、ステー105上を左方に移動し、これにより、ガイドブロック101及びテーブル部材16が上昇して、図4に示すホームポジションに復帰するようになっている。この昇降機構17によるテーブル部材16の昇降動作は、制御手段(不図示)によって自動的に行われる。例えば、テーブル部材16の1回の運動が終了したことを検知するセンサ(不図示)を配設しておく。制御手段は、センサからの検知信号が入力されると、ソレノイド103をONする。これにより、プランジャ106が短縮されて昇降ブロック104が右方に移動し、ガイドブロック101とともにテーブル部材16が下降する。制御手段は、センサからの検知信号が入力された時点から所定時間後に、ソレノイド103をOFFし、さらにXYテーブル装置1の電源をOFFする。これにより、プランジャ105が基の位置に復帰し、テーブル部材106が上昇して、元のホームポジションに復帰する。以上の動作を繰り返すことで、テーブル部材16の1回の運動、及びテーブル部材16の昇降動作を繰り返すことができる。
【0048】
以上説明したXYテーブル装置1、すなわち上述構成のフレーム10〜昇降機構17を備えたXYテーブル装置1は、以下のように作用する。
【0049】
なお、以下の説明では、第1カム44及び第2カム45の回転に基づいて最終的にテーブル部材16が円運動する場合、逆にいうと、最終的にはテーブル部材16が円運動をするように、第1カム44,第2カム45のカム面51,52が形成されている場合を例に説明する。そして、テーブル部材16の円運動を利用して、円板状の被加工物の周縁部から少し内側に入った部分に、全周にわたって接着剤を円状に塗布する場合を例に説明する。
【0050】
作業者は、テーブル部材16の載置台92に、円板状のワークをセットし、XYテーブル装置1の電源をONする。これにより、駆動手段11のモータ30が回転する。このモータ30の回転は、出力軸34、駆動プーリ35、タイミングベルト32、従動プーリ37を介して、減速機31の入力軸36に入力される。入力軸36に入力された回転は、ここで減速されてカム軸38の回転として出力される。このカム軸38の回転により、第1カム44及び第2カム45が回転される。この第1カム44の回転運動は、第1変換機構13により、第1スライダ55の左右方向に直線運動として出力される。一方、第2カム45の回転運動は、第2変換機構14により、第2スライダ72の前後方向の直線運動として出力される。そして、これら第1スライダ55の左右方向に直線運動と第2スライダ72の前後方向の直線運動とは、合成機構15によって合成されて、第2スライダ72を介して、テーブル部材16の回転運動として出力される。したがって、作業者は、円板状のワークの、周縁部よりも少し内側に入った位置に、連続して接着剤を供給しさえすれば、テーブル部材16の円運動に基づいて、周縁部近傍の全周にわたって接着剤を塗布することができる。そして、全周にわたっての接着剤の塗布が終了すると、ソレノイド103が作動してテーブル部材16が自動的に下降するので、全周にわたって塗布された接触剤がさらに塗布されるようなことはない。作業者がテーブル部材16の載置台92上のワークを除去すると、その後にソレノイド103がOFFされてテーブル部材16がホームポジションに復帰するとともに、XYテーブル装置1の電源もOFFされる。これにより1個のワークに対する接着剤の塗布が終了する。以下同様にして、順次、ワークの接着剤を塗布することができる。このように、本実施の形態に係るXYテーブル装置1は、テーブル部材15が回転するのではなく、同じ姿勢を保った状態で円運動することになるので、載置台92上の任意の点が同じ円運度をすることになる。したがって、作業者は、載置台92上の載置された円板状のワークに対し、はじめに接着剤を塗布し始める位置さえ適切に設定できれば、後は、その位置を保持して接着剤を供給しつづければ、全周にわたって、良好に接着剤を塗布することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態によると、駆動手段11によってカム部材12を回転させると、この回転は、第1変換機構13,第2変換機構14により、それぞれ左右方向(第1軸方向),前後方向(第2軸方向)の直線運動に変換される。そしてこれら直線運動は、合成機構15により合成されて平面運動が生成される。ここで、第1変換機構13と第2変換機構14とは、カム部材12の周縁部近傍に共通の支点P1を有し、またカム部材12に対しカム軸38を基準としてこの支点P1と反対側に作用点P4を有しており、さらこの作用点P4近傍に合成機構15が配置されているので、全体をコンパクトに構成することができる。すなわち、第1変換機構13、第2変換機構14、これらの支点P1及び作用点P4、そして合成機構15が、カム部材12の周縁部に配置されているので、デッドスペースの発生を抑制して、スペース効率のよい構成を構築することができる。
【0052】
図7に、テーブル部材110の他の例を示す。同図は、前述の図2の一部に相当する図である。テーブル部材110は、同図に示すように、板状の載置台111と、この載置台111に先端部(上端部)が固定された支持部112とを備えていて、支持部112の基端部(下端部)には、おねじ部113が設けてある。
一方、第2スライダ72の先端部には、保持部材114がボルト締めされていて、この保持部材114には、透孔115が穿設されている。上述のテーブル部材110の支持部112のおねじ部113は、この透孔115に上方から貫通されて、ナット116によって固定されている。本例は、前述のテーブル部材16とは異なり、テーブルガイド100や昇降機構17は有していないために、テーブル部材110をガイドしたり、昇降されたりすることはできないが、構成を簡略化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】XYテーブル装置の上面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】図1のB−B線矢視図である。
【図4】図1のC−C線矢視図である。
【図5】図1のD−D線矢視図である。
【図6】図1中の第1アームを同図中の右方から見た図である。
【図7】XYテーブル装置のテーブル部材の他の例を示す、図2の一部に相当する図である。
【符号の説明】
1 XYテーブル装置
10 装置本体(フレーム)
11 駆動手段
12 カム部材
13 第1変換機構
14 第2変換機構
15 合成機構
16,110テーブル部材
17 移動機構(昇降機構)
38 カム軸(出力軸)
44 第1カム
45 第2カム
53 第1アーム
54 第1カムフォロア
55 第1スライダ
56 第1連結部材(リンク)
57 第1付勢部材(第1引っ張りばね)
65 めねじ部材
66 おねじ部材
70 第2アーム
71 第2カムフォロア
72 第2スライダ
73 第2連結部材(第3スライダ)
74 第2付勢部材(第2引っ張りばね)
80 ホルダ
81 ローラ
82 ガイド溝
85 第1ガイド
86 第2ガイド
100 ガイドテーブル
P1 支点
P2,P3 力点
P4 作用点

Claims (9)

  1. カム軸を中心として回転するカム部材と、
    前記カム部材を駆動回転する駆動手段と、
    前記カム部材の回転運動を第1軸方向の直線運動に変換する第1変換機構と、前記カム部材の回転運動を前記第1軸方向に直交する第2軸方向の直線運動に変換する第2変換機構と、
    前記第1変換機構と前記第2変換機構とに係合するとともに前記第1軸方向の直線運動と前記第2軸方向の直線運動とを合成して平面運動を生成する合成機構と、
    前記生成された平面運動が伝達されるテーブル部材と、を備え、
    前記第1変換機構と前記第2変換機構とは、前記カム部材の周縁部近傍に共通の支点を有するとともに、前記カム部材に対し前記カム軸を基準として、前記支点と反対側に作用点を有し、
    前記合成機構は、前記作用点近傍に配置されている、ことを特徴とするXYテーブル装置。
  2. 前記第1変換機構と前記第2変換機構とは、前記カム部材に対し前記カム軸を基準として、相互に反対側に配設されている、ことを特徴とする請求項1に記載のXYテーブル装置。
  3. 前記カム部材は、前記カム軸に固定されて前記第1変換機構を駆動する板状の第1カムと、前記第1カムに重なるように前記カム軸に固定されて前記第2変換機構を駆動する板状の第2カムとを有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のXYテーブル装置。
  4. 前記第1変換機構は、基端側に配置された前記支点を基準として先端側が前記第1軸方向に揺動する第1アームと、前記第1アームの中間部に取り付けられるとともに前記第1カムに当接されて力点を構成する第1カムフォロアと、前記第1軸方向に移動可能な第1スライダと、前記第1アームの先端側と前記第1スライダの基端側とを連結する第1連結部材と、前記第1アームを付勢して前記第1カムフォロアを前記第1カムに当接させる第1付勢部材とを有し、
    前記第2変換機構は、基端側に配置された前記支点を基準として先端側が前記第2軸方向に揺動する第2アームと、前記第2アームの中間部に取り付けられるとともに前記第2カムに当接されて力点を構成する第2カムフォロアと、前記第2軸方向に移動可能な第2スライダと、前記第2アームの先端側と前記第2スライダの基端側とを連結する第2連結部材と、前記第2アームを付勢して前記第2カムフォロアを前記第2カムに当接させる第2付勢部材とを有する、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のXYテーブル装置。
  5. 前記第1連結部材は、前記第1アーム及び前記第1スライダに対して、それぞれ相対回転自在に連結されているリンクである、ことを特徴とする請求項4に記載のXYテーブル装置。
  6. 前記第1連結部材は、前記第1アームと前記第1スライダとのうちの一方に連結されためねじ部材と他方に連結されるとともに前記めねじ部材に螺合されたおねじ部材とを有する、ことを特徴とする請求項5に記載のXYテーブル装置。
  7. 前記第2連結部材は、前記第2アームに対して前記第2スライダを、前記第1軸方向移動可能でかつ相対回転可能に連結する第3スライダであり、
    前記第3スライダは、前記第2アームと前記第2スライダとのうちの一方に固定されるとともに前記第1軸方向に向けたガイド溝を有するホルダと、他方に取り付けられるとともに前記ガイド溝に案内される回転自在なローラとを有する、ことを特徴とする請求項6に記載のXYテーブル装置。
  8. 前記合成機構は、装置本体に固定されるとともに前記第1スライダの前記第1軸方向の直線運動をガイドする第1ガイドと、前記第1スライダに固定されるとともに前記第2スライダの前記第2軸方向の直線運動をガイドする第2ガイドとを有し、
    前記テーブル部材は、前記第2スライダによって保持された状態で前記平面運動が伝達される、ことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載のXYテーブル装置。
  9. 前記第1軸方向と前記第2軸方向との双方に直交する方向を第3軸方向としたときに、前記テーブル部材の前記第3軸方向の移動を規制するとともに前記平面運動をガイドするテーブルガイドと、
    前記テーブルガイドを前記第3軸方向に移動させる移動機構と、を備える、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のXYテーブル装置。
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