JP2005059062A - 押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム合金からなる長尺な形材から押し潰し部を有し且つ表面処理された短尺な形材を複数個得るに際し、表面処理された表面に割れなどが確実に生じず、且つ効率良く製造できる押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材製造方法を提供する。
【解決手段】長尺なアルミニウム合金の形材Pに対し、その中空部2の一部が隙間Sとして残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の中間形材mPに対して、表面処理を施す第2工程と、表面処理された長尺なアルミニウム合金の中間形材mPに対して、中間押し潰し部7に最終押し潰し加工を行うと同時に切断加工を行って複数の短尺な形材sPに分離する第3工程と、を含む、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
【選択図】 図3
【解決手段】長尺なアルミニウム合金の形材Pに対し、その中空部2の一部が隙間Sとして残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の中間形材mPに対して、表面処理を施す第2工程と、表面処理された長尺なアルミニウム合金の中間形材mPに対して、中間押し潰し部7に最終押し潰し加工を行うと同時に切断加工を行って複数の短尺な形材sPに分離する第3工程と、を含む、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
【選択図】 図3
Description
本発明は、アルミニウム合金からなり且つ表面処理された長尺な形材を押し潰し加工し、係る押し潰し部を有する複数の短尺な形材の製造方法に関する。
ドームや階段などのトラス構造物を構築するため、アルミニウム合金からなり且つ表面処理されたパイプにより形成されるトラス構成用のフレーム材(以下トラス用フレームとする)が用いられている。係るトラス用フレームは、その両端の偏平な押し潰し部に凸条が設られ、この凸条付き押し潰し部をトラス構造物の節点部を形成するハブの凹溝に挿入・係止して固定することで、上記トラス構造物を構築している。
上記トラス用フレームは、図22に示すように、予め全表面が陽極酸化皮膜などの表面処理を施された円筒形の本体1からなり且つ中空部2を内蔵する長尺な素材パイプPを、複数の位置で押し潰し加工することにより形成される。尚、素材パイプPとなる長尺な形材は、押出成形または引き抜き成形で形成される。
上記トラス用フレームは、図22に示すように、予め全表面が陽極酸化皮膜などの表面処理を施された円筒形の本体1からなり且つ中空部2を内蔵する長尺な素材パイプPを、複数の位置で押し潰し加工することにより形成される。尚、素材パイプPとなる長尺な形材は、押出成形または引き抜き成形で形成される。
即ち、素材パイプPを図示しないプレス装置にセットし、図22に示すように、係るプレスに装着した上ダイス40および下ダイス41の間に配置する。上・下ダイス40,41は、左右対称のテーパ部42,42、これらの間に交互で且つ左右対称に位置する凸条44,46,48、およびこれらに隣接する凹溝43,45,47を下向きまたは上向きに有し、且つ中央の長い凸条48は、その先端面同士が当接可能な切断刃である。上記テーパ部42、凸条44など、および凹溝43などは、図22の紙面奥行き方向に沿って連続している。
図22中の矢印で示すように、上ダイス40を下ダイス41上にセットされる素材パイプPに対して接近させる。その結果、図23に示すように、左右のテーパ部42と、これらの間に位置する凸条44,46,48とは、素材パイプPの本体1に食い込み、これを偏平に塑性変形させる。また、上記パイプPは、先端面同士が当接する上下一対の凸条48の位置で切断される。
その結果、図24に示すように、両端に上下対称のテーパ面54と偏平な押し潰し部50とを有する短尺なトラス用フレームsPが複数個得られる。押し潰し部50の上・下面には、凸条51と凹溝52が交互に複数形成され、端部に略く字形の端面53を有する。
その結果、図24に示すように、両端に上下対称のテーパ面54と偏平な押し潰し部50とを有する短尺なトラス用フレームsPが複数個得られる。押し潰し部50の上・下面には、凸条51と凹溝52が交互に複数形成され、端部に略く字形の端面53を有する。
しかし、前記図22〜図24の製造方法で得られたトラス用フレームsPは、その両端に成形されるテーパ面54の陽極酸化皮膜層に微細な割れが生じることがある。係る割れは、前記素材パイプPを上・下ダイス40,41により最終形状に成形するため、予め被覆された上記皮膜層などが破損して生じ、例えばトラス構造の室内階段に用いた場合、デザイン性を低下させる問題があった。
上記割れを防ぐため、表面処理していない前記素材パイプを上・下ダイス40,41により、複数のトラス用フレームsPに成形した後、これらを表面処理する製造方法が考えられる。しかし、係る製造方法では、短尺な複数のトラス用フレームsPを表面処理するために、電極治具への取り付けおよび取り外す工数が飛躍的に増えると共に、電極が接触した部分の未表面処理部分の跡が除去できずに残るため、デザイン性を低下させる、という問題があった。
また、トラス用フレームに関しては、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)が、その表面処理方法については、全く開示されていなかった。
上記割れを防ぐため、表面処理していない前記素材パイプを上・下ダイス40,41により、複数のトラス用フレームsPに成形した後、これらを表面処理する製造方法が考えられる。しかし、係る製造方法では、短尺な複数のトラス用フレームsPを表面処理するために、電極治具への取り付けおよび取り外す工数が飛躍的に増えると共に、電極が接触した部分の未表面処理部分の跡が除去できずに残るため、デザイン性を低下させる、という問題があった。
また、トラス用フレームに関しては、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)が、その表面処理方法については、全く開示されていなかった。
本発明は、以上にて説明した背景技術における問題点を解決し、アルミニウム合金からなる長尺な形材から押し潰し部を有し且つ表面処理された短尺な形材を複数個得るに際し、表面処理された表面に割れなどが確実に生じず、且つ効率良く製造できる押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材製造方法を提供する、ことを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、長尺な素材パイプを中空部が残るように偏平加工または縮径加工し、係る状態で表面処理した後に、最終形状になるよう仕上成形する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項1)は、中空部を有する長尺なアルミニウム合金の形材から、塑性加工による押し潰し部が形成され且つ表面処理が施された短尺な形材を製造する方法であって、上記長尺なアルミニウム合金の形材に対し、上記中空部が一部残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、係る中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、表面処理を施す第2工程と、係る表面処理された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行うと同時に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、または、上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行った後に形成された押し潰し部に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、あるいは、中間押し潰し加工したままで切断加工を行って複数の短尺な形材に分離する、の何れかである第3工程と、を含む、ことを特徴とする。
即ち、本発明の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項1)は、中空部を有する長尺なアルミニウム合金の形材から、塑性加工による押し潰し部が形成され且つ表面処理が施された短尺な形材を製造する方法であって、上記長尺なアルミニウム合金の形材に対し、上記中空部が一部残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、係る中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、表面処理を施す第2工程と、係る表面処理された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行うと同時に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、または、上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行った後に形成された押し潰し部に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、あるいは、中間押し潰し加工したままで切断加工を行って複数の短尺な形材に分離する、の何れかである第3工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、中空部を有する長尺な上記形材に、該中空部が一部残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、係る中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、表面処理を施す第2工程とを行った後に、最終押し潰し加工および切断加工する第3加工が行われて、複数の短尺な形材が得られる。しかも、中間押し潰し加工された長尺な中空形材の状態で表面処理した後で、最終押し潰し加工するため、表面処理により形成された皮膜などに割れなどが生じにくくなり、デザイン性を保つことができる。また、中間押し潰し加工された長尺な中空形材の中空部は、一部が残っているため、表面処理時の表面処理液が確実に排出でき、表面処理工程の処理槽の維持管理も容易となる。
尚、前記形材には、アルミニウム合金からなり中空部を有する押出形材の他、上記合金からなり中空部を有する引き抜き加工した形材も含まれる。また、前記押し潰し部には、例えば中空形材を相対する2方向から押し潰す偏平形や、中空形材を4方向などとから押し潰す求心状に縮径する縮径形などが含まれる。更に、前第3工程で前記中間押し潰し加工したままで切断加工する形態は、係る中間押し潰し加工により、所望の押し潰し部が既に得られている場合に適用される。
尚、前記形材には、アルミニウム合金からなり中空部を有する押出形材の他、上記合金からなり中空部を有する引き抜き加工した形材も含まれる。また、前記押し潰し部には、例えば中空形材を相対する2方向から押し潰す偏平形や、中空形材を4方向などとから押し潰す求心状に縮径する縮径形などが含まれる。更に、前第3工程で前記中間押し潰し加工したままで切断加工する形態は、係る中間押し潰し加工により、所望の押し潰し部が既に得られている場合に適用される。
また、本発明には、前記第1工程の中間押し潰し加工において、前記長尺なアルミニウム合金の形材に残る中空部は前記第2工程での表面処理液が通過できる大きさである、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項2)も含まれる。これによれば、前記表面処理時の表面処理液が確実に外部に排水できるため、表面処理工程の各処理槽の維持管理を容易とすることができる。
更に、本発明には、前記第1工程の中間押し潰し加工にて前記形材に成形される前記押し潰し部の内側に残る中空部は、押し潰し方向で少なくとも2mm以上である、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項3)も含まれる。これらによれば、上記表面処理液を重力によって確実に外部に確実に排出できる。
更に、本発明には、前記第1工程の中間押し潰し加工にて前記形材に成形される前記押し潰し部の内側に残る中空部は、押し潰し方向で少なくとも2mm以上である、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項3)も含まれる。これらによれば、上記表面処理液を重力によって確実に外部に確実に排出できる。
また、本発明には、前記第2工程で行う表面処理は、陽極酸化皮膜処理と電着塗装との組み合わせ、または、陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理との組み合わせ、あるいは、陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理と電着塗装との組み合わせの何れかである、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項4)も含まれる。これによれば、耐食性に優れた陽極酸化皮膜と、透明な光沢や任意の彩色とした2次電解発色処理層および電着塗膜の少なくとも一方と、が割れを生じることなく、上記形材の表面に所望の厚みをもって被覆できる。
更に、本発明には、前記第2工程の表面処理の前または後の前記長尺な形材、あるいは前記第3工程後の短尺な形材に対して、人工時効処理が施される、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項5)も含まれる。
これによれば、前記第3工程で中間押し潰し加工のまま切断加工することが予定されている上記長尺な形材、あるいは第3工程後の短尺な形材を、時効硬化させることにより、その強度を高められる。このため、例えば後述するトラス状構造物を形成するトラス用フレーム材などの用途に一層適した短尺な形材を提供することができる。尚、上記人工時効処理には、例えばT5処理が含まれる。
これによれば、前記第3工程で中間押し潰し加工のまま切断加工することが予定されている上記長尺な形材、あるいは第3工程後の短尺な形材を、時効硬化させることにより、その強度を高められる。このため、例えば後述するトラス状構造物を形成するトラス用フレーム材などの用途に一層適した短尺な形材を提供することができる。尚、上記人工時効処理には、例えばT5処理が含まれる。
また、本発明には、前記人工時効処理は、200℃以下の温度域で行われる、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、6000系のアルミニウム合金からなる前記形材に対し、時効硬化を確実に施すことが可能となる。例えば、上記合金からなる形材の場合、約200℃×1時間、または約180℃×4時間の条件により時効処理を施し得る。
更に、本発明には、前記長尺なアルミニウム合金の形材は、断面円形のパイプである、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項7)も含まれる。これによれば、一端、両端、あるいは中間に偏平または任意の断面形状に縮径された押し潰し部を有する複数の短尺なパイプが効率良く製造でき、例えば、次述するフレーム材の他、フェンスや門扉などの装飾付き格子に容易に適用することが可能となる。尚、上記形材は、断面角形の中空材であっても良い。
これによれば、6000系のアルミニウム合金からなる前記形材に対し、時効硬化を確実に施すことが可能となる。例えば、上記合金からなる形材の場合、約200℃×1時間、または約180℃×4時間の条件により時効処理を施し得る。
更に、本発明には、前記長尺なアルミニウム合金の形材は、断面円形のパイプである、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項7)も含まれる。これによれば、一端、両端、あるいは中間に偏平または任意の断面形状に縮径された押し潰し部を有する複数の短尺なパイプが効率良く製造でき、例えば、次述するフレーム材の他、フェンスや門扉などの装飾付き格子に容易に適用することが可能となる。尚、上記形材は、断面角形の中空材であっても良い。
加えて、本発明には、前記短尺なアルミニウム合金の形材は、トラス状構造物を形成するフレーム材であって、その切断部付近には凹凸状の係合部を有する偏平な前記押し潰し部が形成されている、押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法(請求項8)も含まれる。
これによれば、一端または両端に凹凸状の係合部を有する偏平な押し潰し部が形成されたトラス用フレーム材を精度および効率良く製造できる共に、複数の当該フレーム材を、放射方向に沿って上記係合部と係合する凹溝を有するハブを介して連結することで、例えばドーム形構造物、または構造部分をトラス構造とする階段などのトラス状構造物を強固且つ容易に組み立てることが可能となる。
これによれば、一端または両端に凹凸状の係合部を有する偏平な押し潰し部が形成されたトラス用フレーム材を精度および効率良く製造できる共に、複数の当該フレーム材を、放射方向に沿って上記係合部と係合する凹溝を有するハブを介して連結することで、例えばドーム形構造物、または構造部分をトラス構造とする階段などのトラス状構造物を強固且つ容易に組み立てることが可能となる。
図1は、本発明の適用対象であって、軸方向に沿って中空部2を内蔵する断面円形のパイプ1からなる長尺なアルミニウム合金(例えば、JIS:6000系)の形材Pを示す。係る形材Pは、上記アルミニウム合金の素材を押出または引き抜き加工したままの材料で、例えば外径:20mm×内径:16mmである。
先ず、上記形材Pに複数の位置で中間押し潰し加工を施すため、図2に示すように、中間押し潰し加工専用で一対の対称な上・下ダイス3,4を用意する。この上ダイス3と下ダイス4は、図2で左右対称のテーパ面6,6と、その間の浅い凹面5と、係る凹面5の中央付近から突出する凸条5aとを、図示の紙面奥行き方向に沿って連続して有する。
尚、パイプ1に対する中間押し潰し加工は、当該パイプ1の複数箇所に順次行うほか、複数組の上・下ダイス3,4を図示しないプレス装置に所定の間隔を置いて予めセットしておくことで、パイプ1の複数箇所を同時に加工しても良い。
先ず、上記形材Pに複数の位置で中間押し潰し加工を施すため、図2に示すように、中間押し潰し加工専用で一対の対称な上・下ダイス3,4を用意する。この上ダイス3と下ダイス4は、図2で左右対称のテーパ面6,6と、その間の浅い凹面5と、係る凹面5の中央付近から突出する凸条5aとを、図示の紙面奥行き方向に沿って連続して有する。
尚、パイプ1に対する中間押し潰し加工は、当該パイプ1の複数箇所に順次行うほか、複数組の上・下ダイス3,4を図示しないプレス装置に所定の間隔を置いて予めセットしておくことで、パイプ1の複数箇所を同時に加工しても良い。
予め、長尺な上記形材Pを複数の下ダイス4上に載置し、上ダイス3と下ダイス4との間に長尺な形材Pを拘束した状態で、図2中の矢印で示すように、係る上ダイス3を下ダイス4および形材Pに向けて移動させる(第1工程の中間押し潰し加工)。
その結果、図3に示すように、上記形材Pには、上・下ダイス3,4の各テーパ面6および凸条5aによる塑性加工によって、当初の外径の約1/2〜1/4の厚みである中間押し潰し部7が複数の位置に成形される。係る中間押し潰し部7は、左右の対称な傾斜部8,8と、これらの間に位置する偏平部9とからなり、係る偏平部9の内側には中空部2の一部である偏平な隙間Sが残っている。係る隙間Sの図3で上下(径)方向の短い寸法dは、2mm以上となるように、予め中間押し潰し加工の条件が設定されている。尚、凸条5aは、形材Pに小さな凹みを生じさせ、第3工程での最終押し潰し加工の目印を付けるものである。
その結果、図3に示すように、上記形材Pには、上・下ダイス3,4の各テーパ面6および凸条5aによる塑性加工によって、当初の外径の約1/2〜1/4の厚みである中間押し潰し部7が複数の位置に成形される。係る中間押し潰し部7は、左右の対称な傾斜部8,8と、これらの間に位置する偏平部9とからなり、係る偏平部9の内側には中空部2の一部である偏平な隙間Sが残っている。係る隙間Sの図3で上下(径)方向の短い寸法dは、2mm以上となるように、予め中間押し潰し加工の条件が設定されている。尚、凸条5aは、形材Pに小さな凹みを生じさせ、第3工程での最終押し潰し加工の目印を付けるものである。
図4は、複数の前記中間押し潰し部7が形成された中間形材mPを示す。
次に、中間押し潰し加工によって中間押し潰し部7が形成された長尺な中間形材mPに対して、表面処理を施す(第2工程の表面処理)。
長尺な中間形材mPの一端を図示しない電極に吊り下げ、公知の水洗および脱脂処理などを経た後、公知の電解液が充填された陽極酸化処理槽に浸漬して陽極酸化被膜処理を施す。その結果、図5,6に示すように、中間形材mPのパイプ1および中間押し潰し部7の表面に、厚みが約5〜20μmの陽極酸化被膜12が形成される。更に、係る陽極酸化被膜12が被覆された長尺な中間形材mPを、前記電極ビームと共に図示しない電着処理槽に浸漬して、透明または所望の彩色の電着塗装を施す。
次に、中間押し潰し加工によって中間押し潰し部7が形成された長尺な中間形材mPに対して、表面処理を施す(第2工程の表面処理)。
長尺な中間形材mPの一端を図示しない電極に吊り下げ、公知の水洗および脱脂処理などを経た後、公知の電解液が充填された陽極酸化処理槽に浸漬して陽極酸化被膜処理を施す。その結果、図5,6に示すように、中間形材mPのパイプ1および中間押し潰し部7の表面に、厚みが約5〜20μmの陽極酸化被膜12が形成される。更に、係る陽極酸化被膜12が被覆された長尺な中間形材mPを、前記電極ビームと共に図示しない電着処理槽に浸漬して、透明または所望の彩色の電着塗装を施す。
その結果、図5,6に示すように、前記陽極酸化被膜12の上に厚さ約7μmの電着塗膜14が形成され、係る被膜12と塗膜14とからなる表面処理層10が形成される。この間において、中間形材mPの中間押し潰し部7には、前記隙間Sが位置しているため、電解液などの表面処理液が中空部2に残留せず外部に排出されるため、異なる処理槽に持ち出しても表面処理工程の処理作用を低下させない。
尚、陽極酸化被膜12を形成した長尺な中間形材mPに対し、これを無機金属塩水溶液中に浸漬して電気化学的に着色する公知の2次電解発色処理を施したり、更にこれらに電着塗装を組み合わせて施しても良い。また、第2工程の表面処理の前において、人工時効処理(T5)を施しても良い。若しくは、第2工程の表面処理後の上記形材mPに対し、約200℃×1時間または約180℃×4時間などの加熱を行う人工時効処理(T5)を施して、時効硬化させても良い。これらの場合において、200℃乃至それ以下で加熱を行う人工時効処理であると、前記表面処理層10に不具合を生じることがない。
尚、陽極酸化被膜12を形成した長尺な中間形材mPに対し、これを無機金属塩水溶液中に浸漬して電気化学的に着色する公知の2次電解発色処理を施したり、更にこれらに電着塗装を組み合わせて施しても良い。また、第2工程の表面処理の前において、人工時効処理(T5)を施しても良い。若しくは、第2工程の表面処理後の上記形材mPに対し、約200℃×1時間または約180℃×4時間などの加熱を行う人工時効処理(T5)を施して、時効硬化させても良い。これらの場合において、200℃乃至それ以下で加熱を行う人工時効処理であると、前記表面処理層10に不具合を生じることがない。
次に、複数の中間押し潰し部7が形成され且つ表面処理層10が被覆された長尺な中間形材mPに対して、最終押し潰し加工と切断加工とを同時に施す第3工程を行う。図7に示すように、一対の対称な上・下ダイス15,16を用意する。最終押し潰し加工用の上ダイス15と下ダイス16は、図7で左右対称のテーパ面17,17と、その間に交互に位置する左右対称で且つ断面台形の凹溝18,20,22および断面台形の凸条19,21と、図示で中央に位置する切断加工用の長い凸条24とを、図7の紙面奥行き方向に沿って連続して形成したものである。尚、複数組の上・下ダイス15,16を間隔を置いてプレス装置に予め配置し、最終押し粒加工と切断加工とを同時に複数箇所に対し行っても良い。
予め、長尺な前記形材mPを下ダイス16上に載置し、上ダイス15と下ダイス16との間に長尺な形材mPを拘束した状態で、図7中の矢印で示すように、凸条24,24の先端面同士が互いに当接する位置まで係る上ダイス15を下ダイス16に向けて移動させる(第3工程の最終押し潰し加工および切断加工)。
その結果、図8に示すように、上下に対向する凸条19,21同士が接近する塑性加工により、前記中間押し潰し部7の偏平部9は前記隙間Sが閉塞された偏平部9aとなり、その上下面には、3個の凸条9bを含む凹凸状の係合部が形成される。同時に、先端面同士が当接する長い凸条24,24によって、上記偏平部9aは、図8に示すように、その中央で切断加工を受けて、断面く字形の切断面9cを形成して左右に分離される。尚、テーパ面17,17は、前記中間押し潰し部7の傾斜部8,8に接触しない角度であるため、係る傾斜部8に形成された表面処理層10は、上・下ダイス15,16に接触しない。
その結果、図8に示すように、上下に対向する凸条19,21同士が接近する塑性加工により、前記中間押し潰し部7の偏平部9は前記隙間Sが閉塞された偏平部9aとなり、その上下面には、3個の凸条9bを含む凹凸状の係合部が形成される。同時に、先端面同士が当接する長い凸条24,24によって、上記偏平部9aは、図8に示すように、その中央で切断加工を受けて、断面く字形の切断面9cを形成して左右に分離される。尚、テーパ面17,17は、前記中間押し潰し部7の傾斜部8,8に接触しない角度であるため、係る傾斜部8に形成された表面処理層10は、上・下ダイス15,16に接触しない。
この間において、前記表面処理層10は、最終押し潰し加工のみを受けるため、傾斜部8などの目立つ部分において割れを生じない。また、前記焼き入れ処理を、この工程の前後において施すことも可能である。
その結果、図9に示すように、パイプ1の両端に偏平部9aと傾斜部8とからなる押し潰し部Xが対称に形成された短尺な形材sPを複数個製造することができる。係る形材sPは、両端に偏平部9aの両面に複数の凸条9bを含む凹凸状の係合部を有しているため、例えば、放射方向に偏平部9aを挿入し且つ係合可能な係合溝を複数有する図示しないハブを介して、ドーム形や階段などのトラス状構造物を形成するトラス用フレームとして、活用することができる。
その結果、図9に示すように、パイプ1の両端に偏平部9aと傾斜部8とからなる押し潰し部Xが対称に形成された短尺な形材sPを複数個製造することができる。係る形材sPは、両端に偏平部9aの両面に複数の凸条9bを含む凹凸状の係合部を有しているため、例えば、放射方向に偏平部9aを挿入し且つ係合可能な係合溝を複数有する図示しないハブを介して、ドーム形や階段などのトラス状構造物を形成するトラス用フレームとして、活用することができる。
尚、前記ダイス15,16の凹溝18,20,22や凸条19,21,24を、前記中間形材mPの軸方向に対し、斜めに交叉する配置で前記最終押し潰し加工および切断加工を施すことにより、図10の平面図で示すように、パイプ1の軸方向に対し、両端の3個の凸条9bとこれらの間の凹溝とを有する偏平部9aおよび傾斜部8aを斜めに成形した最終押し潰し部X′,X′を有する短尺な形材sP′を複数個製造することもできる。係る形材sP′を前記ハブを介して用いることにより、各種のトラス状構造物を形成するトラス用フレーム材として活用することができる。
また、前記ダイス15,16の長い凸条24を低い凸条19,21と同じとするか、または省略して、最終押し潰し加工のみを先に行い、その後に偏平部9aの中間で、丸鋸などの公知の切断工具により切断加工を行って、複数の短尺な形材sP,sP′を得る第3工程も可能である。
また、前記ダイス15,16の長い凸条24を低い凸条19,21と同じとするか、または省略して、最終押し潰し加工のみを先に行い、その後に偏平部9aの中間で、丸鋸などの公知の切断工具により切断加工を行って、複数の短尺な形材sP,sP′を得る第3工程も可能である。
更に、前記中間押し潰し加工により得られる中間押し潰し部7が最終目的形状である場合には、第3工程では切断加工のみを前記中間形材mPに行うこととしても良い。
加えて、複数の中間押し潰し部7を有する前記中間形材mPや、最終押し潰し加工のみを行って複数の偏平部9aにより繋がった長尺な形材のパイプ1の中間における任意の位置で、第3工程の切断加工を行っても良く、これによりフェンスや門扉などの装飾付き格子を複数本製造することが可能となる。
加えて、複数の中間押し潰し部7を有する前記中間形材mPや、最終押し潰し加工のみを行って複数の偏平部9aにより繋がった長尺な形材のパイプ1の中間における任意の位置で、第3工程の切断加工を行っても良く、これによりフェンスや門扉などの装飾付き格子を複数本製造することが可能となる。
ここで、本発明の具体的な実施例について説明する。
予め、JIS:A6063のアルミニウム合金からなり、外径:20mm×内径:16mm×長さ:4メートルで中空部2を有するパイプ1の長尺な押出形材Pを複数本用意した。また、2つのプレス装置に、前記中間押し潰し加工用の上・下ダイス3,4と、最終押し潰し加工用の上・下ダイス15,16とをそれぞれセットした。
因みに、上・下ダイス3,4における前記テーパ面6,6の水平線に対する傾斜は10°、凹部5の幅は16mm、凸条5aの高さは0.5mmである。また、上・下ダイス15,16における前記テーパ面17,17の水平線に対する傾斜は15°、長い凸条24の先端面と凸条19,21の先端面との差は1mm、前記凸条24の先端面と凹溝18,20,22の底面との差は2mm、左右の凹溝18,18間の外幅は16.5mmである。
予め、JIS:A6063のアルミニウム合金からなり、外径:20mm×内径:16mm×長さ:4メートルで中空部2を有するパイプ1の長尺な押出形材Pを複数本用意した。また、2つのプレス装置に、前記中間押し潰し加工用の上・下ダイス3,4と、最終押し潰し加工用の上・下ダイス15,16とをそれぞれセットした。
因みに、上・下ダイス3,4における前記テーパ面6,6の水平線に対する傾斜は10°、凹部5の幅は16mm、凸条5aの高さは0.5mmである。また、上・下ダイス15,16における前記テーパ面17,17の水平線に対する傾斜は15°、長い凸条24の先端面と凸条19,21の先端面との差は1mm、前記凸条24の先端面と凹溝18,20,22の底面との差は2mm、左右の凹溝18,18間の外幅は16.5mmである。
表1に示すように、実施例1〜9の各形材Pに対し、前記ダイス3,4を用いる中間押し潰し加工(第1工程)、表1に示す組合せの表面処理(第2工程)、および前記ダイス15,16を用いる最終押し潰し加工と同時の切断加工(第3工程)を行った。また、200℃×1時間のT5処理(人工時効処理)を、第1工程と第2工程の間、第2工程と第3工程の間、あるいは第3工程終了後に行ったかで、それぞれを区分し、実施例1〜9ごとに長さ270mmの短尺な形材sPを3本ずつ得た。
尚、実施例1〜9の中間押し潰し部7における中空部2の隙間Sは、短手方向(押し潰し方向)で2.0〜2.2mmであった。また、表面処理における各処理はそれぞれ同じ条件とし、陽極酸化皮膜の膜厚は平均9μm、電着塗膜の膜厚は平均7μmであった。更に、切断加工では、表面処理時における端部の電極の接触痕がある部分を、端材として切除した。
尚、実施例1〜9の中間押し潰し部7における中空部2の隙間Sは、短手方向(押し潰し方向)で2.0〜2.2mmであった。また、表面処理における各処理はそれぞれ同じ条件とし、陽極酸化皮膜の膜厚は平均9μm、電着塗膜の膜厚は平均7μmであった。更に、切断加工では、表面処理時における端部の電極の接触痕がある部分を、端材として切除した。
一方、表1に示すように、比較例1〜6の各形材Pに対し、予め表1に示す組合せの表面処理を施した後、前記ダイス15,16を用いる最終押し潰し加工およびこれと同時の切断加工を行った。また、比較例1〜6は、200℃×1時間のT5処理を第2工程および第3工程の前後何れで行った否かで、それぞれを区分し、比較例1〜6ごとに長さ270mmの短尺な形材sPを3本ずつ得た。
各例における3本ずつの形材sPを目視で観察し、表面処理層10に割れがあったか否かを観察した。1本でも割れが観察された例は「あり」とし、割れが3本共になかったものを「なし」として表1に示した。
各例における3本ずつの形材sPを目視で観察し、表面処理層10に割れがあったか否かを観察した。1本でも割れが観察された例は「あり」とし、割れが3本共になかったものを「なし」として表1に示した。
表1によれば、実施例1〜9の全ての短尺な形材sPにおける押し潰し部Xの傾斜部8aや偏平部9aの表面処理層10には、ザラザラとした触感の微細な割れが全く発生していなかった。
一方、比較1〜6の短尺な形材sPでは、それらの傾斜部8や偏平部9aにおける表面処理層10において、光沢のない縞状の割れが確認された。これは、比較例1〜6では、表面処理した形材Pを直ちにまたは人工時効処理した後、前記ダイス15,16による最終押し潰し加工を施したため、それらの傾斜部8などにおける表面処理層10に過大な変形が作用したため、と推定される。
係る結果から、実施例1〜9では、中空部2の一部が残る範囲の中間押し潰し加工を行った後、表面処理および最終押し潰し加工を行ったため、表面に形成された表面処理層10に塑性加工に伴う過大な変形や応力が作用せず、割れを誘発しなかったことが確認された。係る結果により、本発明の効果が裏付けられた。
尚、前記T5処理を第3工程の前に行った実施例2,3,5,6,8,9や比較例2,4,6では、第3工程の最終押し潰し加工および切断加工で大きな加工力が必要となったが、それらの表面処理層10における光沢のない縞状の微細な割れの発生頻度には、差異はなかった。
一方、比較1〜6の短尺な形材sPでは、それらの傾斜部8や偏平部9aにおける表面処理層10において、光沢のない縞状の割れが確認された。これは、比較例1〜6では、表面処理した形材Pを直ちにまたは人工時効処理した後、前記ダイス15,16による最終押し潰し加工を施したため、それらの傾斜部8などにおける表面処理層10に過大な変形が作用したため、と推定される。
係る結果から、実施例1〜9では、中空部2の一部が残る範囲の中間押し潰し加工を行った後、表面処理および最終押し潰し加工を行ったため、表面に形成された表面処理層10に塑性加工に伴う過大な変形や応力が作用せず、割れを誘発しなかったことが確認された。係る結果により、本発明の効果が裏付けられた。
尚、前記T5処理を第3工程の前に行った実施例2,3,5,6,8,9や比較例2,4,6では、第3工程の最終押し潰し加工および切断加工で大きな加工力が必要となったが、それらの表面処理層10における光沢のない縞状の微細な割れの発生頻度には、差異はなかった。
図11〜図15は、本発明の製造方法における異なる形態に関する。
図11,図12に示すように、前記同様の中空部2を有する長尺なパイプ1からなるアルミニウム合金の形材Pに対し、上下・左右の4方向から互いに対称な中間押し潰し加工用のダイス25a〜25dを用意する。ダイス25a〜25dは、長方形の先端面26と、その周囲に位置する長短のテーパ面27,28とからなるほぼ四角錐形の成形部をそれぞれ有する。
予め、ダイス25a〜25dを図示しないプレス装置にセットし、図11中の矢印で示すように、それらの先端面26を上記形材Pに対し、求心状に接近させる(第1工程の中間押し潰し加工)。この工程を上記形材Pにおける所定間隔ごとに複数回繰り返す。
図11,図12に示すように、前記同様の中空部2を有する長尺なパイプ1からなるアルミニウム合金の形材Pに対し、上下・左右の4方向から互いに対称な中間押し潰し加工用のダイス25a〜25dを用意する。ダイス25a〜25dは、長方形の先端面26と、その周囲に位置する長短のテーパ面27,28とからなるほぼ四角錐形の成形部をそれぞれ有する。
予め、ダイス25a〜25dを図示しないプレス装置にセットし、図11中の矢印で示すように、それらの先端面26を上記形材Pに対し、求心状に接近させる(第1工程の中間押し潰し加工)。この工程を上記形材Pにおける所定間隔ごとに複数回繰り返す。
その結果、図12,図13に示すように、一辺の長さが前記形材Pの外径と等しい縮径された断面正方形の中間押し潰し部30を複数有する中間形材mPが成形される。係る中間押し潰し部30は、断面正方形で4つ側面視が長方形の平坦面31とこれらの両側に対称に隣接するほぼ半円形の傾斜部32とからなる。4つの平坦面31に囲まれた中空部2の一部である隙間Sの径方向の寸法dは、2mm以上となるように、予め塑性加工(中間押し潰し加工)の条件が設定される。
次に、上記中間形材mPに対して、前記同様の陽極酸化皮膜処理および電着塗装、または陽極酸化皮膜処理および2次電解発色処理、あるいは陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理と電着塗装との組合せを行う表面処理を施す(第2工程)。
次に、上記中間形材mPに対して、前記同様の陽極酸化皮膜処理および電着塗装、または陽極酸化皮膜処理および2次電解発色処理、あるいは陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理と電着塗装との組合せを行う表面処理を施す(第2工程)。
次いで、表面処理を施された長尺な中間形材mPの各中間押し潰し部30に対して、図14に示す最終押し潰し用加工のダイス33a〜33dを用いる最終押し潰し加工を施す(第3工程の最終押し潰し加工)。尚、これに先だって、中間形材mPに対して、前記同様の人工時効処理を予め行っても良い。
ダイス33a〜33dは、図14に示すように、全体の形状が前記ダイス25a〜25dとほぼ相似形で且つ小さく、長方形の先端面34と、その周囲に位置する長短のテーパ面35,36とからなる四角錐形の成形部をそれぞれ有する。係るダイス33a〜33dを図示しないプレス装置にセットし、中間形材mPに対して求心状に接近させる(第3工程の最終押し潰し加工)。
ダイス33a〜33dは、図14に示すように、全体の形状が前記ダイス25a〜25dとほぼ相似形で且つ小さく、長方形の先端面34と、その周囲に位置する長短のテーパ面35,36とからなる四角錐形の成形部をそれぞれ有する。係るダイス33a〜33dを図示しないプレス装置にセットし、中間形材mPに対して求心状に接近させる(第3工程の最終押し潰し加工)。
その結果、図15に示すように、一辺の長さが前記形材Pの外径の約半分に縮径された押し潰し部37を複数有する形材sPが成形される。押し潰し部37は、断面正方形で側面視が長方形の4つの平坦面38と、これらの両側に対称に隣接するほぼ半円形の傾斜部39からなる。そして、押し潰し部37の中央付近あるいはパイプ1の任意の位置で丸鋸などにより切断する(第3工程の切断加工)。
これにより、両端または中間に目標とする押し潰し部37を有する短尺な形材sPを複数個製造することができる。
尚、少なくともダイス33a〜33dの各先端面34を緩い円弧形の断面形状として、ほぼ円筒形の縮径部を成形することも可能である。
これにより、両端または中間に目標とする押し潰し部37を有する短尺な形材sPを複数個製造することができる。
尚、少なくともダイス33a〜33dの各先端面34を緩い円弧形の断面形状として、ほぼ円筒形の縮径部を成形することも可能である。
図16〜図21は、本発明の製造方法における更に異なる形態に関する。
図16は、前記同様のアルミニウム合金製で断面正方形の角形パイプ1からなり、断面正方形の中空部2を有する長尺な形材Pを示す。この形材Pも、アルミニウム合金の素材を押出成形または引き抜き加工したものである。
先ず、図17の断面図で示すように、角形パイプ1の両側壁の中間付近に対して、図示しない所要長さの治具を押し当てて圧力Phを加えることにより、アール形断面の一対の側壁1Rを左右対称に複数の箇所で形成する。この際、一対の側壁1Rの上下の上壁および底壁は、平坦面fのままに保たれている。
次に、図18に示すように、係る一対の側壁1Rの部分に対し、それぞれ上壁および底壁の平坦面fに対して、上下から図示しない所要長さで平坦な先端面を含む治具を押し当てて圧力Pvを加える(第1工程の中間押し潰し加工)。
図16は、前記同様のアルミニウム合金製で断面正方形の角形パイプ1からなり、断面正方形の中空部2を有する長尺な形材Pを示す。この形材Pも、アルミニウム合金の素材を押出成形または引き抜き加工したものである。
先ず、図17の断面図で示すように、角形パイプ1の両側壁の中間付近に対して、図示しない所要長さの治具を押し当てて圧力Phを加えることにより、アール形断面の一対の側壁1Rを左右対称に複数の箇所で形成する。この際、一対の側壁1Rの上下の上壁および底壁は、平坦面fのままに保たれている。
次に、図18に示すように、係る一対の側壁1Rの部分に対し、それぞれ上壁および底壁の平坦面fに対して、上下から図示しない所要長さで平坦な先端面を含む治具を押し当てて圧力Pvを加える(第1工程の中間押し潰し加工)。
その結果、図18,図19に示すように、一対の側壁1Rは上下一対の円弧部1rを含む断面ほぼ横向きのW字形で且つ対称に塑性変形し、断面全体がほぼ横向きのH字形となった中間押し潰し部H1が形成される。係る中間押し潰し部H1の内側には、中空部2の一部が残った隙間Sが位置し、図18中央の矢印で示すように、その垂直方向の寸法は2mm以上になるように設定されている。同時に、上壁と底壁の平坦面fの両側には、傾斜面1kが左右対称に形成される。
次いで、係る中間押し潰し部H1を複数箇所に形成された長尺な中間形材mPに対し、前記同様の表面処理を施す(第2工程)。
そして、中間形材mPの各中間押し潰し部H1における上壁と底壁の平坦面f対し、図20に示すように、上下から図示しない所要長さで平坦な先端面を含む治具を押し当てて圧力Pvを加える(第3工程の最終押し潰し加工)。
次いで、係る中間押し潰し部H1を複数箇所に形成された長尺な中間形材mPに対し、前記同様の表面処理を施す(第2工程)。
そして、中間形材mPの各中間押し潰し部H1における上壁と底壁の平坦面f対し、図20に示すように、上下から図示しない所要長さで平坦な先端面を含む治具を押し当てて圧力Pvを加える(第3工程の最終押し潰し加工)。
その結果、図20,図21に示すように、複数の中間押し潰し部H1における左右の側壁が上下一対のほぼ横向きU字形部1hとなってそれぞれ密着し、且つ全体偏平となった目的形状の押し潰し部H2が形成される。同時に、上壁および底壁の平坦面fの両側には、更に傾斜した傾斜面1Kが左右対称に形成され、且つ前記隙間Sは極小となる。
そして、押し潰し部H2の中央付近あるいは角形パイプ1の任意の位置で丸鋸などにより切断する(第3工程の切断加工)。これにより、両端または中間に目標とする押し潰し部H2を有する短尺な形材sPを複数個製造することができる。
尚、中間押し潰し部H1が目標とする形状である場合には、第3工程の最終押し潰し加工を省き、切断加工のみを行って複数の短尺な形材sPを得ても良い。
付言すると、本発明は、以上に説明した各実施の形態や実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲にて適宜変更することが可能である。
そして、押し潰し部H2の中央付近あるいは角形パイプ1の任意の位置で丸鋸などにより切断する(第3工程の切断加工)。これにより、両端または中間に目標とする押し潰し部H2を有する短尺な形材sPを複数個製造することができる。
尚、中間押し潰し部H1が目標とする形状である場合には、第3工程の最終押し潰し加工を省き、切断加工のみを行って複数の短尺な形材sPを得ても良い。
付言すると、本発明は、以上に説明した各実施の形態や実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲にて適宜変更することが可能である。
2…………中空部
37………押し潰し部
S…………隙間(中空部の一部)
X,X′…押し潰し部
H2………押し潰し部
P…………長尺な形材
sP………短尺な形材/トラス用フレーム
mP………中間形材(中間押し潰し加工された長尺な形材)
37………押し潰し部
S…………隙間(中空部の一部)
X,X′…押し潰し部
H2………押し潰し部
P…………長尺な形材
sP………短尺な形材/トラス用フレーム
mP………中間形材(中間押し潰し加工された長尺な形材)
Claims (8)
- 中空部を有する長尺なアルミニウム合金の形材から、塑性加工による押し潰し部が形成され且つ表面処理が施された短尺な形材を製造する方法であって、
上記長尺なアルミニウム合金の形材に対し、上記中空部が一部残る範囲までの中間押し潰し加工を行う第1工程と、
上記中間押し潰し加工が施された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、表面処理を施す第2工程と、
上記表面処理された長尺なアルミニウム合金の形材に対して、
上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行うと同時に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、
または、上記中間押し潰し部に最終押し潰し加工を行った後に形成された押し潰し部に切断加工を行って複数の短尺な形材に分離し、
あるいは、中間押し潰し加工したままで切断加工を行って複数の短尺な形材に分離する、の何れかである第3工程と、を含む、
ことを特徴とする押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。 - 前記第1工程の中間押し潰し加工において、前記長尺なアルミニウム合金の形材に残る中空部は前記第2工程での表面処理液が通過できる大きさである、
請求項1に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。 - 前記第1工程の中間押し潰し加工にて前記形材に成形される前記押し潰し部の内側に残る中空部は、押し潰し方向で少なくとも2mm以上である、請求項1または2に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
- 前記第2工程で行う表面処理は、陽極酸化皮膜処理と電着塗装との組み合わせ、または、陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理との組み合わせ、あるいは、陽極酸化皮膜処理と2次電解発色処理と電着塗装との組み合わせの何れかである、請求項1乃至3の何れか一項に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
- 前記第2工程の表面処理の前または後の前記長尺な形材、あるいは前第3工程後の短尺な形材に対して、人工時効処理が施される、請求項1〜4の何れか一項に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
- 前記人工時効処理は、200℃以下の温度域で行われる、
請求項5に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。 - 前記長尺なアルミニウム合金の形材は、断面円形のパイプである、請求項1〜6の何れか一項に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
- 前記短尺なアルミニウム合金の形材は、トラス状構造物を形成するフレーム材であって、その切断部付近には凹凸状の係合部を有する偏平な前記押し潰し部が形成されている、請求項1〜7の何れか一項に記載の押し潰し部付きで表面処理済みの短尺な形材の製造方法。
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