JP2005057054A - 半導体ウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
半導体ウェーハの銅汚染およびラッピング量の低減が可能な半導体ウェーハおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
Znメッキワイヤ11aが装着されたワイヤソー10によりインゴットIをスライスするので、得られたシリコンウェーハのCu汚染を低減することができる。これにより、ラップ工程での取り代を従来のブラスメッキワイヤの場合より減少できる。また、亜鉛メッキワイヤによれば、遊離砥粒のワイヤ表面への付着量(保持力)が増加し、被切断物の切断性能が高まって、その切断効率および切断精度が高まる。その結果、シリコンウェーハの厚さムラおよびシリコンウェーハの反りが抑制され、ワイヤの断線も抑えられる。
【選択図】図1

Description

この発明は半導体ウェーハおよびその製造方法、詳しくはスライス工程でワイヤ表面に亜鉛メッキまたはニッケルメッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用し、これによりラッピング量を片面20μm以下まで低減可能な半導体ウェーハおよびその製造方法に関する。
ワイヤソーは、ワイヤ繰出し用のボビンから導出されたインゴット切断用のワイヤを、複数本のグルーブローラにコイル状に巻き架け、これをワイヤ巻取り用のボビンに巻き取るように構成されている。
グルーブローラは、円筒形状の台金の外周面を所定厚さのライニング材(ウレタンゴム)で被覆し、このライニング材の外周面に多数条のワイヤ溝を刻設している。グルーブローラは、その軸線方向の両端部に配置された1対の軸受により回転自在に支持されている。
インゴット切断時には、ラッピングオイルに遊離砥粒を含ませたスラリー状の砥液を供給しながら、高速で往復走行中のワイヤ列に対して、単結晶シリコンインゴットを相対的に押し付ける。この砥粒の研削作用により、インゴットが多数枚のウェーハに切断される。
その後、特許文献1に記載されたように、シリコンウェーハに対して面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨の各工程が順次施される。
このうち、ラッピング工程では、シリコンウェーハを互いに平行なラップ定盤の間に配置し、遊離砥粒と分散剤と水の混合物であるラップ液を、ラップ定盤とシリコンウェーハとの間に流し込む。そして、加圧下で回転・すり合わせることにより、ウェーハの表裏両面をラッピングする。その結果、スライス加工により発生したウェーハ毎の厚さのばらつき、および、ウェーハ面内での厚さのばらつき(以下、ウェーハの厚さのばらつき)、さらに加工ダメージ層を除去することができる。
ラッピング量は、ウェーハ片面で30〜50μmとされる。そのため、ラッピング工程での生産性および研磨後の加工精度を考慮したとき、ラップ液に使用される遊離砥粒としては、#1000〜#1500のアルミナ砥粒となる。その結果、加工ダメージ層の厚さはウェーハ片面で6〜8μmとなる。
続くエッチング工程では、ラッピング後のシリコンウェーハ(ラップドウェーハ)を、KOHまたはNaOHなどのアルカリ性エッチング液に浸漬し、ラッピング工程で発生した加工ダメージ層を除去する。
特開平6−349795号公報
ところで、従来のワイヤソー用ワイヤは、鋼線の表面にブラス(Cu−Zn合金)をメッキして製造されていた。したがって、このワイヤを使用してシリコンインゴットを切断すると、シリコンウェーハにCu汚染を招来するおそれがあった。Cuは、Ni,Znに比較してシリコンウェーハ表面に付着しやすく、さらに内部に拡散しやすい。
その結果、ラッピング工程では、スライス加工時に発生したウェーハの厚さのばらつき、および、加工ダメージ層の除去だけでなく、高濃度のCuで汚染されたウェーハ表裏両層を除去するため、ウェーハ片面で30〜50μmというラッピング量が必要とされていた。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、ブラスメッキに替えて亜鉛メッキまたはニッケルメッキを施せば、銅汚染を完全に除去することができ、ラッピング量も低減可能になることを見出し、この発明を完成させた。
この発明は、半導体ウェーハの銅汚染を排除でき、ラッピング量を低減することができる半導体ウェーハおよびその製造方法を提供することを、その目的としている。
請求項1に記載の発明は、鋼線の表面に亜鉛メッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットをスライスし、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングした半導体ウェーハである。
請求項1の発明によれば、亜鉛メッキを施したワイヤを、ワイヤソーに装着すると、例えばシリコンインゴットをシリコンウェーハにスライスした場合、シリコンウェーハへの銅汚染が、従来のブラスメッキの場合に比べて大幅に低減される。亜鉛メッキしたワイヤは、例えばニッケルメッキしたワイヤよりも砥粒の巻き込みが強く、その切断性能が高くなる。なお、Znはアルカリ溶液中ではアンモニウム錯体が多く生成され、固体の水酸化物は金属濃度を増してもシリコンウェーハ表面への付着量が増加しない。ZnはCuに比べてその拡散レベルが低い。
その結果、ラッピング工程では、スライス時に発生したワイヤによるCu汚染部分の除去をほとんど考慮しなくてもよい。よって、ラッピング工程では、ウェーハ片面で20μm以下という少ない量でラッピングを完了することができる。
半導体インゴットとしては、例えばシリコン単結晶、化合物半導体単結晶などが挙げられる。
亜鉛メッキの厚さは、従来のブラスメッキと同程度である。好ましいラッピング量は、ウェーハ片面で5〜15μmである。20μmを超えるとコスト高になる。
請求項2に記載の発明は、鋼線の表面にニッケルメッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットをスライスし、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングした半導体ウェーハである。
請求項2の発明によれば、ニッケルメッキを施したワイヤを、ワイヤソーに装着すると、例えばシリコンインゴットをシリコンウェーハにスライスした場合、シリコンウェーハへの銅汚染が、従来のブラスメッキの場合に比べて大幅に低減される。Niはアルカリ溶液中ではアンモニウム錯体が多く生成され、固体の水酸化物は金属濃度を増してもシリコンウェーハ表面への付着量が増加しない。
その結果、ラッピング工程では、スライス時に発生したワイヤによるCu汚染部分の除去をほとんど考慮しなくてもよい。よって、ラッピング工程では、ウェーハ片面で20μm以下という少ない量でラッピングを完了することができる。
好ましいラッピング量は、ウェーハ片面で5〜15μmである。20μmを超えるとコスト高になる。
請求項3に記載の発明は、鋼線の表面に亜鉛メッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットを、多数枚の半導体ウェーハにスライスするスライス工程と、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングするラッピング工程とを備えた半導体ウェーハの製造方法である。
請求項3の発明によれば、亜鉛メッキを施したワイヤにより、例えばシリコンインゴットをシリコンウェーハにスライスした場合、シリコンウェーハへの銅汚染が、従来のブラスメッキの場合に比べて大幅に低減させることができる。亜鉛メッキしたワイヤは、例えばニッケルメッキしたワイヤよりも砥粒の巻き込みが強く、その切断性能が高くなる。なお、Znはアルカリ溶液中ではアンモニウム錯体が多く生成され、固体の水酸化物は金属濃度を増してもシリコンウェーハ表面への付着量が増加しない。
その結果、ラッピング工程では、スライス時に発生したワイヤによるCu汚染部分の除去をほとんど考慮しなくてもよい。よって、ラッピング工程では、ウェーハ片面で20μm以下という少ない量でラッピングを完了することができる。
ワイヤソーとしては、被切断物を動かしてワイヤ列に押圧、接触させて切断する構造のものを採用することができる。これとは反対に、ワイヤ列を動かして被切断物に押圧、接触させて切断するものでもよい。また、ワイヤ列の上部に被切断物の下面が当接するものでもよい。さらにワイヤ列の下部に被切断物上面が押し当てられる型式のものでもよい。
ワイヤソーに組み配置されるグルーブローラの本数は2本でもよいし、3本以上でもよい。
ワイヤソーにより切断される被切断物としては、例えばシリコン単結晶、化合物半導体単結晶などが挙げられる。
切断に使用される砥液としては、例えば平均粒径5〜50μmのSiCなどの遊離砥粒を含むものを採用することができる。
なお、グルーブローラは、円筒形状の台金の外周面に所定厚さのライニング材(ウレタンゴム)を被覆し、このライニング材の外周面にワイヤ溝を刻設したローラなどを採用することができる。
ワイヤとしては、例えば炭素を0.7〜0.8wt%含有したピアノ線(鋼線)などを採用することができる。
ワイヤの直径は、被切断物がシリコン単結晶の場合で50〜200μm、化合物半導体単結晶の場合で80〜120μmである。
また、亜鉛メッキの厚さは、従来のブラスメッキの場合と同等とする。さらに、そのメッキの手法は任意である。
亜鉛メッキが施されたワイヤソー用ワイヤの製法は、亜鉛メッキの工程後、そのメッキした鋼線を伸線ダイスの引抜き孔に通して伸線加工する。なお、伸線加工後の鋼線材をオーステナイト化させてからパーライト組成に変態させるパテンティング処理を施すなどの後工程、メッキ前処理工程などは公知の手法を適用することができる。
ワイヤの製造装置としては、汎用タイプを採用することができる。ただし、伸線加工装置に組み込まれた伸線ダイスは、その引抜き孔の内周面に、引抜き抵抗を抑える真鍮などがメッキされていないものとする。Cu汚染の可能性を有するからである。亜鉛メッキまたはニッケルメッキを引き抜き孔の内面に施すことが好ましい。
パテンティングとは、あらかじめ鋼線材を炉温約900℃でオーステナイト化させ、その後、約550〜600℃まで急冷し、パーライト組成に変態させる処理である。
鋼線材の伸線工程およびパテンティング工程は1回ずつでもよいし、複数回ずつ繰り返してもよい。また、最終パテンティング後のワイヤは、その表面に亜鉛メッキを施してもよい。このメッキ後のワイヤに、湿式伸線加工を施してもよい。この湿式伸線加工とは、伸線ダイスおよび鋼線材に潤滑油を供給しながら伸線加工を行うものである。
ラッピング時に使用されるラッピング装置としては、半導体ウェーハを1枚ずつラッピングする枚葉式のラッピング装置が挙げられる。その他、上下のラッピ定盤によりウェーハ保持板に形成された複数のウェーハ保持孔に保持された複数枚の半導体ウェーハを同時にラッピングするバッチ式のラッピング装置でもよい。
ラップ液に含まれる遊離砥粒としては、従来より粒度が小さい#2000〜#3000のものを採用することができる。その結果、ラッピング後の加工ダメージ層の厚さはウェーハ片面で1〜3μmとなる。よって、続くエッチング工程でのエッチング量が低減し、エッチング時間が短縮される。
請求項4に記載の発明は、鋼線の表面にニッケルメッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットを、多数枚の半導体ウェーハにスライスするスライス工程と、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングするラッピング工程とを備えた半導体ウェーハの製造方法である。
請求項4の発明によれば、ニッケルメッキを施したワイヤにより、例えばシリコンインゴットをシリコンウェーハにスライスした場合、シリコンウェーハへの銅汚染が、従来のブラスメッキの場合に比べて大幅に低減される。Niはアルカリ溶液中ではアンモニウム錯体が多く生成され、固体の水酸化物は金属濃度を増してもシリコンウェーハ表面への付着量が増加しない。
その結果、ラッピング工程では、スライス時に発生したワイヤによるCu汚染部分の除去をほとんど考慮しなくてもよい。よって、ラッピング工程では、ウェーハ片面で20μm以下という少ない量でラッピングを完了することができる。
また、ニッケルメッキの厚さは、従来のブラスメッキの場合と同等とする。さらに、そのメッキの手法は任意である。
この発明によれば、ワイヤソーを用いてスライスした半導体ウェーハのCu汚染を低減することができる。これにより、ラップ工程での取り代を従来のブラスメッキワイヤの場合より、減少させることができる。
また、亜鉛メッキワイヤによれば、遊離砥粒のワイヤ表面への付着量(保持力)が増加し、被切断物の切断性能が高まって、その切断効率および切断精度を高めることができる。その結果、半導体ウェーハの厚さムラおよび半導体ウェーハの反りが抑制され、ワイヤの断線も抑えることができる。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1に示すように、一実施例にあっては、スライス、面取り、ラッピング、エッチング、PCR、研磨、洗浄の各工程を経て、表面が鏡面仕上げされたシリコンウェーハが作製される。以下、各工程を詳細に説明する。
CZ法により引き上げられた単結晶シリコンインゴットは、スライス工程(S101)で、厚さ860μm程度の8インチのシリコンウェーハにスライスされる。スライス工程の詳細については後述する。
次に、このスライスドウェーハは、面取り工程(S102)で、その外周部が#600のメタル面取り用砥石により、所定の形状に面取りされる。その結果、シリコンウェーハの外周部は、所定の丸みを帯びた形状(例えばMOS型の面取り形状)に形成される。
続いて、面取り後のシリコンウェーハにラッピングが施される(S103)。
ラッピング装置としては、キャリアプレートにウェーハ保持孔を4個形成し、各ウェーハ保持孔内にシリコンウェーハを保持する。そして、その上方から#1500のアルミナ砥粒を含むラップ液をシリコンウェーハに供給し、各シリコンウェーハの表裏両面を同時にラップする。
すなわち、回転自在に設けた太陽ギヤとインターナルギヤとの間に、外ギヤを有するキャリアプレートを自転自在かつ公転自在に設け、キャリアプレートに保持されたシリコンウェーハの表裏両面(上下面)を、上定盤と下定盤とにより押圧・摺接することでラッピングする。
次いで、ラップ後、シリコンウェーハをエッチングする(S104)。具体的には、フッ酸と硝酸とを混合した混酸液(常温〜50℃)中に、シリコンウェーハを所定時間だけ浸漬する。これにより、シリコンウェーハの面取りおよびラッピングの各工程でのダメージが除去される。エッチング量は、ウェーハ片面で5〜10μmと、従来法による場合の10〜15μmよりも少ない。これは、上述したラッピング量が減少し、ラッピング時の加工ダメージが1〜3μmと低減したことによる。
その後、エッチングされたシリコンウェーハの外周部をPCR加工する(S105)。ここでは、公知のPCR加工装置が用いられる。すなわち、円筒形状の研磨布をモータ回転させる装置が採用される。モータによりこの研磨布を回転し、研磨剤の供給下、この回転中の研磨布の外周面にシリコンウェーハの外周面を接触させる。これにより、ウェーハ外周面が鏡面仕上げされる。その際、シリコンウェーハは、保持板にその片面だけが吸着・保持されている。吸着源は、この保持板にホースなどを介して接続される負圧発生装置である。
次いで、PCR加工されたシリコンウェーハの表面を片面研磨装置により鏡面研磨する(S106)。具体的には、研磨ヘッドに保持されたキャリアプレートの下面にシリコンウェーハをワックス貼着し、遊離砥粒を含むスラリーを供給しながら、研磨用の研磨布に押し付けて研磨する。研磨量は10〜15μmである。
そして、シリコンウェーハの仕上げ洗浄を行う(S107)。この洗浄は、SC−1洗浄液とSC−2洗浄液との2種類の洗浄液をベースとしたRCA洗浄である。
ここで、上述したスライス工程を詳細に説明する。
図2(a)において、10はワイヤソーで、このワイヤソー10は、CZ法により引き上げられた単結晶シリコン製の8インチウェーハ用のインゴットIを多数枚のシリコンウェーハにワイヤ切断する装置である。
ワイヤソー10は、図において正面視して逆三角形状に配置された3本のグルーブローラ12A,12B,12Cを有している。これらのグルーブローラ12A,12B,12C間には、1本のワイヤ11aが互いに平行かつ一定ピッチで巻き掛けられている。これによって、グルーブローラ12A,12B,12C間にワイヤ列11が現出される。ワイヤ列11は、3本のグルーブローラ12A,12B,12C間で駆動モータにより往復走行される。上側に配置された2本のグルーブローラ12A,12Bの中間が、インゴットIを切断するワイヤ列11のインゴット切断位置aとなっている。
インゴットIは、カーボンベッド19aを介して、インゴットIを昇降する昇降台19の下面に固定されている。インゴット切断位置aの両側の上方には、砥液をワイヤ列11上に連続供給する砥液供給部が、例えば一対配設されている。
これらのグルーブローラ12A,12B,12Cは円筒形状でそれらの外周面は、ウレタンゴムからなる所定厚さのライニング材12a,12b,12cで被覆されている。各ライニング材12a,12b,12cの外周面には、それぞれワイヤ溝12dが刻設されている(図1(b)に詳示する)。
ワイヤ11aは直径160μmのピアノ線でZnメッキが施されている。このワイヤ11aは、繰出し装置13のボビン20から導出され、供給側のガイドローラを介して、これらのグルーブローラ12A,12B,12Cに架け渡された後、導出側のガイドローラを介して、巻取り装置15のボビン21に巻き取られる。ボビン20,21の各回転軸は、駆動モータ16,17の対応する出力軸にそれぞれ連結されている。
各駆動モータ16,17を同期して駆動すると、一対の軸受18に軸支された各ボビン20,21が、その軸線を中心として図1(a)における時計回り方向または反時計回り方向に回転して、ワイヤ11aが往復走行する。
図1に示すように、ワイヤソー10では、砥液を砥液供給部よりワイヤ列11に供給しながら、駆動モータ16により繰出し装置13のボビン20を回転し、ワイヤ11aをグルーブローラ12A,12B,12Cに供給する。これと同時に、駆動モータ17により巻取り装置15のボビン21を回転し、グルーブローラ12A,12B,12Cを介してワイヤ11aを巻き取る。その際、一定の周期で各ボビン20,21の回転方向を変更し、ワイヤ11aを往復走行させる。
このワイヤ列11の往復走行中、上方からインゴットIをワイヤ列11へ押し付ける。これにより、インゴットIが多数枚のウェーハに切断される。ワイヤ列11の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒がワイヤ列11のワイヤ11aにより切断溝の底部に擦りつけられ、その底部が研削作用によって徐々に削り取られ、最終的に多数枚のシリコンウェーハに切断される。
ここで、図3のフローシートに基づき、この実施例に係るZnメッキが施されたワイヤ11aの製造方法を説明する。
まず、熱間圧延後に調整冷却された直径5〜6mmの鋼線材を用意し(S201)、これを冷間引抜き装置によって直径3〜4mmまで1次伸線加工する(S202)。
図4において、冷間引抜き装置30は鋼線材の引抜き側に伸線ダイス31が固定されている。伸線ダイス31には、鋼線材の入口から出口に向かって徐々に断面積が小さくなった引抜き孔31aが形成されている。伸線ダイス31の先方(下流)には、鋼線材の先部を挟持して引抜き孔31aから鋼線材を引き抜く、上下1対の引抜きローラ32,32が配設されている。この鋼線材の先部を挟持した状態で両引抜きローラ32,32を回転することで、鋼線材を引抜き孔31aから引き抜くことができる。
次に、1次伸線加工後の鋼線材に、パテンティング処理を施す(S203)。具体的には、あらかじめ鋼線材を炉温約900℃でオーステナイト化させ、その後、約550〜600℃まで急冷し、パーライト組成に変態させる。続いて、このパテンティングされた鋼線材を、冷間引抜き装置30により2次伸線加工し、直径1〜2mmの鋼線材を得る(S204)。
その後、2次伸線加工された鋼線材に対して、最終パテンティング処理を施す(S205)。それから、この最終パテンティングされた鋼線材の表面にZnメッキを施す(S206)。次に、このZnメッキ後の鋼線材に、最終湿式伸線加工を行う(S207)。具体的には、潤滑油を伸線ダイスおよび鋼線材などにスプレーしながら伸線加工する。
以下、この実施例に係るZnメッキワイヤ(またはNiメッキワイヤ)を使用した場合のCu汚染の度合いを、従来例であるブラスメッキワイヤの場合と比較して表1に示す。
なお、測定は、以下の方法で行った。
すなわち、フッ酸/硝酸によるエッチング回収を用い、ウェーハの表面0〜5μmを原子吸光分光光度計にて分析した。
Figure 2005057054
このように、Znメッキワイヤ(またはNiメッキワイヤ)を使用して単結晶シリコンインゴットをスライスすると、シリコンウェーハへの銅汚染が、従来のブラスメッキの場合に比べて大幅に低減する。特に、亜鉛メッキが施されたワイヤの場合には、ニッケルメッキが施されたワイヤの場合よりも砥粒の巻き込みが強く、その切断性能が高まる。なお、ZnとNiとはアルカリ溶液中ではアンモニウム錯体が多く生成され、固体の水酸化物は金属濃度を増してもシリコンウェーハ表面への付着量が増加しない。そのため、ZnはCuに比べてその拡散レベルが低い。
その結果、その後のラッピング工程では、スライス時に発生したワイヤによるCu汚染部分の除去をほとんど考慮する必要がない。よって、ラッピング工程では、ウェーハ片面で20μm以下という少ない量でラッピングを完了することが可能になる。
この発明の一実施例に係る半導体ウェーハの製造方法を示すフローシートである。 この発明の一実施例に係るワイヤソーの斜視図である。 この発明の一実施例に係るワイヤ製造方法を示すフローシートである。 この発明の一実施例に係るワイヤ製造方法における鋼線材の伸線工程を説明するための引き抜きダイスの要部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
10 ワイヤソー、
11a ワイヤ、
I インゴット。

Claims (4)

  1. 鋼線の表面に亜鉛メッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットをスライスし、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングした半導体ウェーハ。
  2. 鋼線の表面にニッケルメッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットをスライスし、得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングした半導体ウェーハ。
  3. 鋼線の表面に亜鉛メッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットを、多数枚の半導体ウェーハにスライスするスライス工程と、
    得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングするラッピング工程とを備えた半導体ウェーハの製造方法。
  4. 鋼線の表面にニッケルメッキが施されたワイヤソー用ワイヤを使用して半導体インゴットを、多数枚の半導体ウェーハにスライスするスライス工程と、
    得られた半導体ウェーハの表裏両面を、片面20μm以下のラッピング量でラッピングするラッピング工程とを備えた半導体ウェーハの製造方法。
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