JP2005056919A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つ以上の高温プロセスを含む基板処理装置における、1バッチ目と2バッチ目以降との間に発生する成膜のばらつきを解消する。
【解決手段】1バッチ目において、上ツイーザ10が第1処理炉16から搬出したウエハ200を搬送室14内に置いたまま、2バッチ目以降に第2処理炉18にウエハ200が存在する際に、下ツイーザ12が第2処理炉18内にウエハ200を取りに行き、搬送室14内に搬出終了するまでの時間、第2処理炉18への搬入を待機させる。
【選択図】 図1
【解決手段】1バッチ目において、上ツイーザ10が第1処理炉16から搬出したウエハ200を搬送室14内に置いたまま、2バッチ目以降に第2処理炉18にウエハ200が存在する際に、下ツイーザ12が第2処理炉18内にウエハ200を取りに行き、搬送室14内に搬出終了するまでの時間、第2処理炉18への搬入を待機させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つ以上の処理炉にまたがって複数の基板を連続して処理する基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示されるように、従来の基板処理装置は、図示してない基板搬送手段を収容する搬送室50と、搬送室50に気密に連結される少なくとも2つの処理炉52及び54とを有しており、基板搬送手段により一方の第1処理炉52から基板を搬出し、他方の第2処理炉54に基板を搬入する搬送動作を複数の基板に対して連続して実行する。
【0003】
次に、1バッチ目の処理の流れについて説明する。
(1)図5(a)に示されるように、基板搬送手段により第1処理炉52の図示してないゲートバルブを開き、第1処理炉52から搬送室50内に基板を搬出する。
(2)図5(b)に示されるように、搬送室50内で、基板搬送手段の軸を第2処理炉54側に回転させる。
(3)図5(c)に示されるように、第2処理炉54の図示してないゲートバルブを開き、搬送室50から基板搬送手段により、基板を第2処理炉54に搬入する。
【0004】
次に、図6に従って、2バッチ目以降の処理の流れについて説明する。
(1)図6(a)に示されるように、基板搬送手段により第1処理炉52の図示してないゲートバルブを開き、第1処理炉52から搬送室50内に基板を搬出する。
(2)図6(b)に示されるように、搬送室50内で、基板搬送手段の軸を第2処理炉54側に回転させる。
(3)図6(c)に示されるように、第2処理炉54の図示してないゲートバルブを開き、第2処理炉54から基板を搬出する。
(4)図6(d)に示されるように、第1処理炉52から搬送室50内に搬出した基板を基板搬送手段により第2処理炉54内に搬入する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の基板処理装置では、1バッチ目は、第2処理炉54に基板が無いため、第1処理炉52から搬出された基板は、すぐに第2処理炉54に搬入される。一方、2バッチ目以降は、第2処理炉54に基板があるため、第1処理炉52から搬出された基板は、第2処理炉54から基板が搬出されるまでの間、第2処理炉54への搬入が待機させられる。このため、1バッチ目は、2バッチ目以降に比べて搬送時間が短くなるので、1バッチ目と2バッチ目以降とでは、第2処理炉54に搬入される基板の温度が異なり、1バッチ目のみ成膜が異なる場合があるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、1バッチ目の搬送時間と2バッチ目以降の搬送時間とを一致させることのできる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、基板搬送手段を収容する搬送室と、該搬送室に気密に連結される少なくとも2つの処理炉とを有する基板処理装置において、前記基板搬送手段により前記一方の処理炉から基板を搬出し、前記他方の処理炉に基板を搬入する搬送動作を複数の基板に対して連続して実行する際に、前記搬出から搬入までの搬送時間が各基板間で相違する場合は、長い搬送時間に一致させて搬入が実行されるように基板搬送手段を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は本発明を実施した基板処理装置の概略構成図、図2は第1処理炉の概略構成図、図3は第2処理炉の概略構成図である。
【0009】
図1に示すように、実施の形態の基板処理装置は、基板を搬送する上ツイーザ10及び下ツイーザ12(基板搬送手段)を収容する搬送室14と、搬送室14にそれぞれ気密に連結され、それぞれ基板を処理する第1処理炉16及び第2処理炉18とを有しており、搬送室14と第1処理炉16及び第2処理炉18とは、それぞれゲートバルブ20及び22により開放及び閉鎖される。
【0010】
次に、図2に基づいて第1処理炉16について説明する。第1処理炉16は、プラズマ処理炉であり、電界と磁界により高密度プラズマを生成できる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いてウエハ等の基板をプラズマ処理する基板処理炉(以下、MMT装置と称する)である。このMMT装置は、気密性を確保した処理室に基板を設置し、シャワープレートを介して反応ガスを処理室に導入し、処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成するとともに磁界をかけてマグネトロン放電を起こす。放電用電極から放出された電子がドリフトしながらサイクロイド運動を続けて周回することにより長寿命となって電離生成率を高めるので高密度プラズマを生成できる。このように、反応ガスを励起分解させて基板表面を酸化または窒化等の拡散処理、または基板表面に薄膜を形成する、または基板表面をエッチングする等、基板へ各種のプラズマ処理を施すことができる。
【0011】
MMT装置は、第2の容器である下側容器211と、下側容器211の上に被せられる第1の容器である上側容器210とから処理室201が形成されており、上側容器210はドーム型の酸化アルミニウムまたは石英で形成されている。
下側容器211はアルミニウムで形成されており、後述するヒータ体型の基板保持手段であるサセプタ217を窒化アルミニウムやセラミックス又は石英で構成することによって、処理の際に膜中に取り込まれる金属汚染を低減している。
【0012】
上側容器210の上部にはガス分散空間であるバッファ室237を形成するシャワーヘッド236が設けられ、シャワーヘッド236上壁にはガス導入用の導入口であるガス導入口234が設けられている。下壁はガスを噴出する噴出孔であるガス噴出孔234aを有するシャワープレート240からなっており、ガス導入口234は、ガスを供給する供給管であるガス供給管232により開閉弁であるバルブ234a、流量制御手段であるマスフローコントローラ241を介して図中省略の反応ガス230のガスボンベに繋がっている。シャワーヘッド236から反応ガス230が処理室201に供給され、また、サセプタ217の周囲から処理室201の底方向へ基板処理後のガスが流れるように下側容器211の側壁にガスを排気する排気口であるガス排気口235が設けられている。ガス排気口235はガスを排気する排気管であるガス排気管231により圧力調整器であるAPC242、開閉弁であるバルブ243bを介して排気装置である真空ポンプ246に接続されている。
【0013】
供給される反応ガス230を励起させる放電手段として断面が筒状であり、好適には円筒状の第1の電極である筒状電極215が設けられる。筒状電極215は処理室201の外周に設置されて処理室201内のプラズマ生成領域224を囲んでいる。筒状電極215にはインピーダンスの整合を行う整合器272を介して高周波電力を印加する高周波電源273が接続されている。
【0014】
また、断面が筒状であり、好適には円筒状の磁界形成手段である筒状磁石216は筒状の永久磁石となっており、筒状磁石216は、筒状電極215の外表面の上下端近傍に配置される。上下の筒状磁石216、216は、処理室201の半径方向に沿った両端(内周端と外周端)に電極を持ち、上下の筒状磁石216、216の電極の向きが逆向きに設定されている。従って、内周部の磁極同士が異極となっており、これにより、筒状電極215の内周面に沿って円筒軸方向に磁力線を形成するようになっている。
【0015】
処理室201の底側中央には、基板であるウエハ200を保持するための基板保持手段としてサセプタ217が配設されており、サセプタ217はウエハ200を加熱できるようになっている。サセプタ217は、例えば窒化アルミニウムで構成され、内部に加熱手段としての図示してないヒータが一体的に埋め込まれている。ヒータは高周波電力が印加されてウエハ200を500℃程度にまで加熱できるようになっている。
【0016】
また、サセプタ217の内部には、さらにインピーダンスを可変するための電極である第2の電極が装備されており、この第2の電極がインピーダンス可変機構274を介して接地されている。インピーダンス可変機構274は、コイルや可変コンデンサから構成され、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することによって、電極及びサセプタ217を介してウエハ200の電位を制御できるようになっている。
【0017】
ウエハ200をマグネトロン型プラズマ源でのマグネトロン放電により処理するための第1処理炉16は、少なくとも処理室201、サセプタ217、筒状電極215、筒状磁石216、シャワーヘッド236、及び排気口235から構成されており、処理室201でウエハ200をプラズマ処理することが可能となっている。
【0018】
筒状電極215及び筒状磁石216の周囲には、この筒状電極215及び筒状磁石216で形成される電界や磁界を外部環境や他処理炉等の装置に悪影響を及ぼさないように、電界や磁界を有効に遮蔽する遮蔽板223が設けられている。
【0019】
サセプタ217は下側容器211と絶縁され、サセプタ217を昇降させる昇降手段であるサセプタ昇降機構268が設けられている。また、サセプタ217は貫通孔217aを有し、下側容器211底面にはウエハ200を突上げるための基板突上げ手段であるウエハ突上げピン266が少なくとも3箇所に設けられている。そして、サセプタ昇降機構268によりサセプタ217が下降させられたときにはウエハ突上げピン266がサセプタ217と非接触な状態で貫通孔217aを突き抜けるような位置関係となるよう、貫通孔217a及び基板突上げピン266が設けられる。
【0020】
また、下側容器211の側壁には、仕切弁となるゲートバルブ20が設けられ、開いているときには図1中の上ツイーザ10又は下ツイーザ12により、処理室201へウエハ200が搬入、又は搬出され、閉まっているときには処理室201を気密に閉じることができる。
【0021】
また、制御手段であるコントローラ121は、高周波電源273、整合器272、バルブ243a、マスフローコントローラ241、APC242、バルブ243b、真空ポンプ246、サセプタ昇降機構268、ゲートバルブ20、サセプタに埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源と接続し、それぞれを制御している。また、コントローラ121は、本発明の基板搬送手段である上ツィーザ10,下ツィーザ12を制御する制御手段をも構成している。
【0022】
前述のような構成において、ウエハ200表面を、又はウエハ200上に形成された下地膜の表面を所定のプラズマ処理を施す方法について説明する。
【0023】
ウエハ200は第1処理炉16を構成する処理室201の外部からウエハを搬送する図1中上ツイーザ10又は下ツイーザ12によって処理室201に搬入され、サセプタ217上に搬送される。この搬送動作の詳細は、まずサセプタ217が下がった状態になっており、ウエハ突上げピン266の先端がサセプタ217の貫通孔217aを通過してサセプタ217表面よりも所定の高さ分だけ突き出された状態で、下側容器211に設けられたゲートバルブ20が開く。上ツイーザ10又は下ツイーザ12によってウエハ200をウエハ突上げピン266の先端に載置し、上ツイーザ10又は下ツイーザ12が処理室201外へ退避すると、ゲートバルブ20が閉まる。サセプタ217がサセプタ昇降機構268により上昇すると、サセプタ217上面にウエハ200を載置することができ、さらにウエハ200を処理する位置まで上昇する。
【0024】
サセプタ217に埋め込まれたヒータは予め加熱されており、搬入されたウエハ200を室温〜500℃の範囲内でウエハ処理温度に加熱する。真空ポンプ246、及びAPC242を用いて処理室201の圧力を0.1〜100Paの範囲内に維持する。
【0025】
ウエハ200を処理温度に加熱した後、ガス導入口234からシャワープレート240のガス噴出孔234aを介して、反応ガスを処理室201に配置されているウエハ200の上面(処理面)に向けてシャワー状に導入する。同時に筒状電極215に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加する。印加する電力は、150〜200Wの範囲内の出力値を投入し、このときのインピーダンス可変機構274は予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
【0026】
筒状磁石216、216の次回の影響を受けてマグネトロン放電が発生し、ウエハ200の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域224に高密度プラズマが生成される。生成された高密度プラズマにより、サセプタ217上のウエハ200の表面にプラズマ処理が施され、表面処理が終わったウエハ200は、上ツイーザ10又は下ツイーザ12により基板搬入と逆の手順で処理室201から搬送室14へ搬送される。
【0027】
なお、コントローラ121により高周波電源273の電力ON・OFF、整合器272の調整、バルブ243aの開閉、マスフローコントローラ241の流量、APC242の弁開度、バルブ243bの開閉、真空ポンプ246の起動・停止、サセプタ昇降機構268の昇降動作、ゲートバルブ20の開閉、サセプタに埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源への電力ON・OFFをそれぞれ制御している。
【0028】
次に、図3に基づいて第2処理炉18について説明する。石英製、炭化珪素製、又はアルミナ製の反応容器としての反応管203は、水平方向に扁平な空間を有しており、内部に基板としてのウエハ200を収容する。反応管203内部にはウエハ200を支持する基板保持手段としてのウエハ支持台217(なお、ウエハ支持台217は、第1処理炉16のサセプタ217と同様の働きを有する部材である。)が設けられ、反応管203の両端には、気密にマニホールドとしてのガス導入フランジ209a、209bがそれぞれ設けられている。一方のガス導入フランジ209aには更に仕切弁としてのゲートバルブ22を介して図1中搬送室14と連結されている。
【0029】
ガス導入フランジ209a、209bには、それぞれ供給管としてのガス導入ライン232a、232b、排気管としての排気ライン231a、231bが連通しており、ガス導入ライン232a、232bには、反応管203内に導入するガスの流量を制御する流量制御手段241a、241bがそれぞれ設けられている。また、排気ラインに231a、231bには、反応管203内の圧力を制御する圧力制御手段248a、248bがそれぞれ設けられている。
【0030】
反応管203の上下にはそれぞれ加熱手段としての上ヒータ207a、下ヒータ207bが設けられ、反応管203内部を均一にもしくは所定の温度勾配を生じさせて加熱するようになっている。また、上ヒータ207a、下ヒータ207bには、それぞれのヒータ温度を制御する温度制御手段247が接続されており、上ヒータ207a、下ヒータ207b及び反応管203を覆うように断熱部材としての断熱材208が設けられている。反応管203内の温度、反応管203内の圧力、反応管203内に供給するガスの流量は、それぞれ温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a、241bにより、所定の温度、圧力、流量となるよう制御される。また、温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a、241bは、主制御部249により制御される。
【0031】
次に、前記処理炉18を用いて基板を処理する方法について説明する。
【0032】
反応管203内の温度がヒータ207a、207bにより処理温度に維持された状態で、ゲートバルブ22が開かれ、図1中上ツイーザ10又は下ツイーザ12により図3中左方より反応管203内にウエハ200が搬入され、ウエハ支持台217に載置される。ウエハ200が反応管203内に搬入されると同時にウエハ200の処理温度までの昇温が開始される。
【0033】
上ツイーザ10又は下ツイーザ12が後退してゲートバルブ22が閉じられた後、反応管203内の圧力は処理圧力となるように圧力制御手段248a、248bにより制御され(圧力安定化)、反応管203内の温度はウエハ温度が処理温度となるよう温度制御手段247により制御される(温度安定化)。この反応管203内の圧力安定化、ウエハ200の温度安定化の際、反応管203内にはガス導入ライン232a、232bより不活性ガスが導入されつつ排気ライン231a、231bより排気され、反応管203内は、不活性ガス雰囲気とされる。
【0034】
反応管203内の圧力が処理圧力に安定化し、ウエハ200の温度が処理温度に安定化した後、反応管203内にガス導入ライン232a、232bより処理ガスが導入され、排気ライン231a、231bより排気されることにより、ウエハ200が処理される。この際、処理の均一性を確保するため、処理ガスは対角に向かって交互に流すのが好ましい。すなわち、例えば、まず処理ガスをガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウエハ200の表面に対して略水平な方向に流し、その後、それとは反対向きに、すなわち、ガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウエハ200の表面に対して略水平な方向に流し、所要時間毎に流れの向きを変更するのが好ましい。
【0035】
なお、処理の均一性が処理ガスの流れの向きに依存しないような場合は、処理ガスは一方向に向かって流れるようにしても良い。すなわち、例えば、ガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウエハ200表面に対して略水平な方向に、或いは、ガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウエハ200表面に対して略水平な方向に流れるようにしても良い。
【0036】
ウエハ200の処理が完了すると、反応管203内の残留ガスを除去するために、反応管203内には、ガス導入ライン232a、232bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン231a、231bより排気され、反応管203内がパージされる。なお、ウエハ処理時の処理ガスの供給流量、ウエハ処理前又は後の不活性ガスの供給流量は流量制御手段241a、241bにより制御される。
【0037】
反応管203内のパージ後、反応管203内の圧力を圧力制御手段248a、248bにより、ウエハ搬送圧力となるよう調整する。反応管203内の圧力が搬送圧力となった後、ゲートバルブ22が開かれ、ウエハ200は上ツイーザ10又は下ツイーザ12により反応管203より搬送室14へ搬出される。
【0038】
なお、前述の圧力制御手段248a、248bによる反応管203内の圧力制御、温度制御手段247による反応管203内の温度制御、流量制御手段241a、241bによる反応管203内へのガス流量制御は、主制御部249が各制御手段を制御することにより行われる。
【0039】
次に、図4に基づいて、第1処理炉16から、第2処理炉18へウエハ200を搬送する1バッチ目の搬送制御について説明する。
【0040】
(1)図4(a)に示されるように、第1処理炉16にて前記処理を行ったウエハ200を、例えば上ツイーザ10を用いて、前記第1処理炉16からのウエハ200の搬出の要領で搬送室14内に搬出する。
【0041】
(2)図4(b)に示されるように、搬送室14内で、図4中矢印で示すように、上ツイーザ10の軸を第2処理炉18側に回転させ、ウエハ200を第2処理炉18のゲートバルブ側に移動させる。
【0042】
(3)図4(c)に示されるように、第2処理炉18のゲートバルブ22を開き、ウエハ200を搬送室14内に置いたまま一定時間搬入を待機させる。この一定時間は、2バッチ目以降に第2処理炉18にウエハ200が存在する際に、下ツイーザ12が第2処理炉18内にウエハ200を取りに行き、搬送室14内に搬出終了するまでの時間に設定される。また、待機中にゲートバルブ22を開くのは、2バッチ目以降の第2処理炉18の動作とできるだけ同条件にするためである。
【0043】
(4)図4(d)に示されるように、一定時間終了後、搬送室14内のウエハ200を上ツイーザ10を用いて前記第2処理炉18への搬入の要領で搬入し、搬入終了後ゲートバルブ22を閉じ、前記第2処理炉における処理を行う。
【0044】
2バッチ目以降の第1処理炉16から第2処理炉18への搬送動作は、従来技術で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
このように、1バッチ目の搬送動作において、前記(3)に示されるように、第1処理炉16から搬出されたウエハ200を、2バッチ目以降でウエハ200が第2処理炉18に搬入されるまで、搬送室14内で待機する時間と同じ時間だけ待機させることができるので、1バッチ目と2バッチ目以降の搬送時間が同時間となる。
【0046】
また、前記実施の形態において、第1処理炉16のウエハ200を上ツイーザ10で搬送したがこれに限定されるものではなく、下ツイーザ12で搬送してもよい。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、第1処理炉からの搬出から第2処理炉への搬入までの搬送時間が各基板間で相違する場合は、長い側の搬送時間に一致させて第2処理炉への搬入が実行されるように、第2処理炉への基板の搬入を前記搬送室内で待機させるため、各バッチにおける搬送時間を同時間にすることができ、2つ以上の高温プロセスを含む基板処理装置における成膜を安定化させることができる。
【0048】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、1バッチ目の搬送時間と2バッチ目以降の搬送時間とを一致させることのできる基板処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した基板処理装置の概略構成図である。
【図2】第1処理炉の概略構成図である。
【図3】第2処理炉の概略構成図である。
【図4】本発明の1バッチ目の搬送動作を示す図である。
【図5】従来の1バッチ目の搬送動作を示す図である。
【図6】従来の2バッチ目以降の搬送動作を示す図である。
【符号の説明】
10 上ツイーザ(基板搬送手段)、12 下ツイーザ(基板搬送手段)、14 搬送室、16 第1処理炉、18 第2処理炉。
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つ以上の処理炉にまたがって複数の基板を連続して処理する基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示されるように、従来の基板処理装置は、図示してない基板搬送手段を収容する搬送室50と、搬送室50に気密に連結される少なくとも2つの処理炉52及び54とを有しており、基板搬送手段により一方の第1処理炉52から基板を搬出し、他方の第2処理炉54に基板を搬入する搬送動作を複数の基板に対して連続して実行する。
【0003】
次に、1バッチ目の処理の流れについて説明する。
(1)図5(a)に示されるように、基板搬送手段により第1処理炉52の図示してないゲートバルブを開き、第1処理炉52から搬送室50内に基板を搬出する。
(2)図5(b)に示されるように、搬送室50内で、基板搬送手段の軸を第2処理炉54側に回転させる。
(3)図5(c)に示されるように、第2処理炉54の図示してないゲートバルブを開き、搬送室50から基板搬送手段により、基板を第2処理炉54に搬入する。
【0004】
次に、図6に従って、2バッチ目以降の処理の流れについて説明する。
(1)図6(a)に示されるように、基板搬送手段により第1処理炉52の図示してないゲートバルブを開き、第1処理炉52から搬送室50内に基板を搬出する。
(2)図6(b)に示されるように、搬送室50内で、基板搬送手段の軸を第2処理炉54側に回転させる。
(3)図6(c)に示されるように、第2処理炉54の図示してないゲートバルブを開き、第2処理炉54から基板を搬出する。
(4)図6(d)に示されるように、第1処理炉52から搬送室50内に搬出した基板を基板搬送手段により第2処理炉54内に搬入する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の基板処理装置では、1バッチ目は、第2処理炉54に基板が無いため、第1処理炉52から搬出された基板は、すぐに第2処理炉54に搬入される。一方、2バッチ目以降は、第2処理炉54に基板があるため、第1処理炉52から搬出された基板は、第2処理炉54から基板が搬出されるまでの間、第2処理炉54への搬入が待機させられる。このため、1バッチ目は、2バッチ目以降に比べて搬送時間が短くなるので、1バッチ目と2バッチ目以降とでは、第2処理炉54に搬入される基板の温度が異なり、1バッチ目のみ成膜が異なる場合があるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためのものであり、1バッチ目の搬送時間と2バッチ目以降の搬送時間とを一致させることのできる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、基板搬送手段を収容する搬送室と、該搬送室に気密に連結される少なくとも2つの処理炉とを有する基板処理装置において、前記基板搬送手段により前記一方の処理炉から基板を搬出し、前記他方の処理炉に基板を搬入する搬送動作を複数の基板に対して連続して実行する際に、前記搬出から搬入までの搬送時間が各基板間で相違する場合は、長い搬送時間に一致させて搬入が実行されるように基板搬送手段を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は本発明を実施した基板処理装置の概略構成図、図2は第1処理炉の概略構成図、図3は第2処理炉の概略構成図である。
【0009】
図1に示すように、実施の形態の基板処理装置は、基板を搬送する上ツイーザ10及び下ツイーザ12(基板搬送手段)を収容する搬送室14と、搬送室14にそれぞれ気密に連結され、それぞれ基板を処理する第1処理炉16及び第2処理炉18とを有しており、搬送室14と第1処理炉16及び第2処理炉18とは、それぞれゲートバルブ20及び22により開放及び閉鎖される。
【0010】
次に、図2に基づいて第1処理炉16について説明する。第1処理炉16は、プラズマ処理炉であり、電界と磁界により高密度プラズマを生成できる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いてウエハ等の基板をプラズマ処理する基板処理炉(以下、MMT装置と称する)である。このMMT装置は、気密性を確保した処理室に基板を設置し、シャワープレートを介して反応ガスを処理室に導入し、処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成するとともに磁界をかけてマグネトロン放電を起こす。放電用電極から放出された電子がドリフトしながらサイクロイド運動を続けて周回することにより長寿命となって電離生成率を高めるので高密度プラズマを生成できる。このように、反応ガスを励起分解させて基板表面を酸化または窒化等の拡散処理、または基板表面に薄膜を形成する、または基板表面をエッチングする等、基板へ各種のプラズマ処理を施すことができる。
【0011】
MMT装置は、第2の容器である下側容器211と、下側容器211の上に被せられる第1の容器である上側容器210とから処理室201が形成されており、上側容器210はドーム型の酸化アルミニウムまたは石英で形成されている。
下側容器211はアルミニウムで形成されており、後述するヒータ体型の基板保持手段であるサセプタ217を窒化アルミニウムやセラミックス又は石英で構成することによって、処理の際に膜中に取り込まれる金属汚染を低減している。
【0012】
上側容器210の上部にはガス分散空間であるバッファ室237を形成するシャワーヘッド236が設けられ、シャワーヘッド236上壁にはガス導入用の導入口であるガス導入口234が設けられている。下壁はガスを噴出する噴出孔であるガス噴出孔234aを有するシャワープレート240からなっており、ガス導入口234は、ガスを供給する供給管であるガス供給管232により開閉弁であるバルブ234a、流量制御手段であるマスフローコントローラ241を介して図中省略の反応ガス230のガスボンベに繋がっている。シャワーヘッド236から反応ガス230が処理室201に供給され、また、サセプタ217の周囲から処理室201の底方向へ基板処理後のガスが流れるように下側容器211の側壁にガスを排気する排気口であるガス排気口235が設けられている。ガス排気口235はガスを排気する排気管であるガス排気管231により圧力調整器であるAPC242、開閉弁であるバルブ243bを介して排気装置である真空ポンプ246に接続されている。
【0013】
供給される反応ガス230を励起させる放電手段として断面が筒状であり、好適には円筒状の第1の電極である筒状電極215が設けられる。筒状電極215は処理室201の外周に設置されて処理室201内のプラズマ生成領域224を囲んでいる。筒状電極215にはインピーダンスの整合を行う整合器272を介して高周波電力を印加する高周波電源273が接続されている。
【0014】
また、断面が筒状であり、好適には円筒状の磁界形成手段である筒状磁石216は筒状の永久磁石となっており、筒状磁石216は、筒状電極215の外表面の上下端近傍に配置される。上下の筒状磁石216、216は、処理室201の半径方向に沿った両端(内周端と外周端)に電極を持ち、上下の筒状磁石216、216の電極の向きが逆向きに設定されている。従って、内周部の磁極同士が異極となっており、これにより、筒状電極215の内周面に沿って円筒軸方向に磁力線を形成するようになっている。
【0015】
処理室201の底側中央には、基板であるウエハ200を保持するための基板保持手段としてサセプタ217が配設されており、サセプタ217はウエハ200を加熱できるようになっている。サセプタ217は、例えば窒化アルミニウムで構成され、内部に加熱手段としての図示してないヒータが一体的に埋め込まれている。ヒータは高周波電力が印加されてウエハ200を500℃程度にまで加熱できるようになっている。
【0016】
また、サセプタ217の内部には、さらにインピーダンスを可変するための電極である第2の電極が装備されており、この第2の電極がインピーダンス可変機構274を介して接地されている。インピーダンス可変機構274は、コイルや可変コンデンサから構成され、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することによって、電極及びサセプタ217を介してウエハ200の電位を制御できるようになっている。
【0017】
ウエハ200をマグネトロン型プラズマ源でのマグネトロン放電により処理するための第1処理炉16は、少なくとも処理室201、サセプタ217、筒状電極215、筒状磁石216、シャワーヘッド236、及び排気口235から構成されており、処理室201でウエハ200をプラズマ処理することが可能となっている。
【0018】
筒状電極215及び筒状磁石216の周囲には、この筒状電極215及び筒状磁石216で形成される電界や磁界を外部環境や他処理炉等の装置に悪影響を及ぼさないように、電界や磁界を有効に遮蔽する遮蔽板223が設けられている。
【0019】
サセプタ217は下側容器211と絶縁され、サセプタ217を昇降させる昇降手段であるサセプタ昇降機構268が設けられている。また、サセプタ217は貫通孔217aを有し、下側容器211底面にはウエハ200を突上げるための基板突上げ手段であるウエハ突上げピン266が少なくとも3箇所に設けられている。そして、サセプタ昇降機構268によりサセプタ217が下降させられたときにはウエハ突上げピン266がサセプタ217と非接触な状態で貫通孔217aを突き抜けるような位置関係となるよう、貫通孔217a及び基板突上げピン266が設けられる。
【0020】
また、下側容器211の側壁には、仕切弁となるゲートバルブ20が設けられ、開いているときには図1中の上ツイーザ10又は下ツイーザ12により、処理室201へウエハ200が搬入、又は搬出され、閉まっているときには処理室201を気密に閉じることができる。
【0021】
また、制御手段であるコントローラ121は、高周波電源273、整合器272、バルブ243a、マスフローコントローラ241、APC242、バルブ243b、真空ポンプ246、サセプタ昇降機構268、ゲートバルブ20、サセプタに埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源と接続し、それぞれを制御している。また、コントローラ121は、本発明の基板搬送手段である上ツィーザ10,下ツィーザ12を制御する制御手段をも構成している。
【0022】
前述のような構成において、ウエハ200表面を、又はウエハ200上に形成された下地膜の表面を所定のプラズマ処理を施す方法について説明する。
【0023】
ウエハ200は第1処理炉16を構成する処理室201の外部からウエハを搬送する図1中上ツイーザ10又は下ツイーザ12によって処理室201に搬入され、サセプタ217上に搬送される。この搬送動作の詳細は、まずサセプタ217が下がった状態になっており、ウエハ突上げピン266の先端がサセプタ217の貫通孔217aを通過してサセプタ217表面よりも所定の高さ分だけ突き出された状態で、下側容器211に設けられたゲートバルブ20が開く。上ツイーザ10又は下ツイーザ12によってウエハ200をウエハ突上げピン266の先端に載置し、上ツイーザ10又は下ツイーザ12が処理室201外へ退避すると、ゲートバルブ20が閉まる。サセプタ217がサセプタ昇降機構268により上昇すると、サセプタ217上面にウエハ200を載置することができ、さらにウエハ200を処理する位置まで上昇する。
【0024】
サセプタ217に埋め込まれたヒータは予め加熱されており、搬入されたウエハ200を室温〜500℃の範囲内でウエハ処理温度に加熱する。真空ポンプ246、及びAPC242を用いて処理室201の圧力を0.1〜100Paの範囲内に維持する。
【0025】
ウエハ200を処理温度に加熱した後、ガス導入口234からシャワープレート240のガス噴出孔234aを介して、反応ガスを処理室201に配置されているウエハ200の上面(処理面)に向けてシャワー状に導入する。同時に筒状電極215に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加する。印加する電力は、150〜200Wの範囲内の出力値を投入し、このときのインピーダンス可変機構274は予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
【0026】
筒状磁石216、216の次回の影響を受けてマグネトロン放電が発生し、ウエハ200の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域224に高密度プラズマが生成される。生成された高密度プラズマにより、サセプタ217上のウエハ200の表面にプラズマ処理が施され、表面処理が終わったウエハ200は、上ツイーザ10又は下ツイーザ12により基板搬入と逆の手順で処理室201から搬送室14へ搬送される。
【0027】
なお、コントローラ121により高周波電源273の電力ON・OFF、整合器272の調整、バルブ243aの開閉、マスフローコントローラ241の流量、APC242の弁開度、バルブ243bの開閉、真空ポンプ246の起動・停止、サセプタ昇降機構268の昇降動作、ゲートバルブ20の開閉、サセプタに埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源への電力ON・OFFをそれぞれ制御している。
【0028】
次に、図3に基づいて第2処理炉18について説明する。石英製、炭化珪素製、又はアルミナ製の反応容器としての反応管203は、水平方向に扁平な空間を有しており、内部に基板としてのウエハ200を収容する。反応管203内部にはウエハ200を支持する基板保持手段としてのウエハ支持台217(なお、ウエハ支持台217は、第1処理炉16のサセプタ217と同様の働きを有する部材である。)が設けられ、反応管203の両端には、気密にマニホールドとしてのガス導入フランジ209a、209bがそれぞれ設けられている。一方のガス導入フランジ209aには更に仕切弁としてのゲートバルブ22を介して図1中搬送室14と連結されている。
【0029】
ガス導入フランジ209a、209bには、それぞれ供給管としてのガス導入ライン232a、232b、排気管としての排気ライン231a、231bが連通しており、ガス導入ライン232a、232bには、反応管203内に導入するガスの流量を制御する流量制御手段241a、241bがそれぞれ設けられている。また、排気ラインに231a、231bには、反応管203内の圧力を制御する圧力制御手段248a、248bがそれぞれ設けられている。
【0030】
反応管203の上下にはそれぞれ加熱手段としての上ヒータ207a、下ヒータ207bが設けられ、反応管203内部を均一にもしくは所定の温度勾配を生じさせて加熱するようになっている。また、上ヒータ207a、下ヒータ207bには、それぞれのヒータ温度を制御する温度制御手段247が接続されており、上ヒータ207a、下ヒータ207b及び反応管203を覆うように断熱部材としての断熱材208が設けられている。反応管203内の温度、反応管203内の圧力、反応管203内に供給するガスの流量は、それぞれ温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a、241bにより、所定の温度、圧力、流量となるよう制御される。また、温度制御手段247、圧力制御手段248a、248b、流量制御手段241a、241bは、主制御部249により制御される。
【0031】
次に、前記処理炉18を用いて基板を処理する方法について説明する。
【0032】
反応管203内の温度がヒータ207a、207bにより処理温度に維持された状態で、ゲートバルブ22が開かれ、図1中上ツイーザ10又は下ツイーザ12により図3中左方より反応管203内にウエハ200が搬入され、ウエハ支持台217に載置される。ウエハ200が反応管203内に搬入されると同時にウエハ200の処理温度までの昇温が開始される。
【0033】
上ツイーザ10又は下ツイーザ12が後退してゲートバルブ22が閉じられた後、反応管203内の圧力は処理圧力となるように圧力制御手段248a、248bにより制御され(圧力安定化)、反応管203内の温度はウエハ温度が処理温度となるよう温度制御手段247により制御される(温度安定化)。この反応管203内の圧力安定化、ウエハ200の温度安定化の際、反応管203内にはガス導入ライン232a、232bより不活性ガスが導入されつつ排気ライン231a、231bより排気され、反応管203内は、不活性ガス雰囲気とされる。
【0034】
反応管203内の圧力が処理圧力に安定化し、ウエハ200の温度が処理温度に安定化した後、反応管203内にガス導入ライン232a、232bより処理ガスが導入され、排気ライン231a、231bより排気されることにより、ウエハ200が処理される。この際、処理の均一性を確保するため、処理ガスは対角に向かって交互に流すのが好ましい。すなわち、例えば、まず処理ガスをガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウエハ200の表面に対して略水平な方向に流し、その後、それとは反対向きに、すなわち、ガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウエハ200の表面に対して略水平な方向に流し、所要時間毎に流れの向きを変更するのが好ましい。
【0035】
なお、処理の均一性が処理ガスの流れの向きに依存しないような場合は、処理ガスは一方向に向かって流れるようにしても良い。すなわち、例えば、ガス導入ライン232aから排気ライン231bに向かってウエハ200表面に対して略水平な方向に、或いは、ガス導入ライン232bから排気ライン231aに向かってウエハ200表面に対して略水平な方向に流れるようにしても良い。
【0036】
ウエハ200の処理が完了すると、反応管203内の残留ガスを除去するために、反応管203内には、ガス導入ライン232a、232bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン231a、231bより排気され、反応管203内がパージされる。なお、ウエハ処理時の処理ガスの供給流量、ウエハ処理前又は後の不活性ガスの供給流量は流量制御手段241a、241bにより制御される。
【0037】
反応管203内のパージ後、反応管203内の圧力を圧力制御手段248a、248bにより、ウエハ搬送圧力となるよう調整する。反応管203内の圧力が搬送圧力となった後、ゲートバルブ22が開かれ、ウエハ200は上ツイーザ10又は下ツイーザ12により反応管203より搬送室14へ搬出される。
【0038】
なお、前述の圧力制御手段248a、248bによる反応管203内の圧力制御、温度制御手段247による反応管203内の温度制御、流量制御手段241a、241bによる反応管203内へのガス流量制御は、主制御部249が各制御手段を制御することにより行われる。
【0039】
次に、図4に基づいて、第1処理炉16から、第2処理炉18へウエハ200を搬送する1バッチ目の搬送制御について説明する。
【0040】
(1)図4(a)に示されるように、第1処理炉16にて前記処理を行ったウエハ200を、例えば上ツイーザ10を用いて、前記第1処理炉16からのウエハ200の搬出の要領で搬送室14内に搬出する。
【0041】
(2)図4(b)に示されるように、搬送室14内で、図4中矢印で示すように、上ツイーザ10の軸を第2処理炉18側に回転させ、ウエハ200を第2処理炉18のゲートバルブ側に移動させる。
【0042】
(3)図4(c)に示されるように、第2処理炉18のゲートバルブ22を開き、ウエハ200を搬送室14内に置いたまま一定時間搬入を待機させる。この一定時間は、2バッチ目以降に第2処理炉18にウエハ200が存在する際に、下ツイーザ12が第2処理炉18内にウエハ200を取りに行き、搬送室14内に搬出終了するまでの時間に設定される。また、待機中にゲートバルブ22を開くのは、2バッチ目以降の第2処理炉18の動作とできるだけ同条件にするためである。
【0043】
(4)図4(d)に示されるように、一定時間終了後、搬送室14内のウエハ200を上ツイーザ10を用いて前記第2処理炉18への搬入の要領で搬入し、搬入終了後ゲートバルブ22を閉じ、前記第2処理炉における処理を行う。
【0044】
2バッチ目以降の第1処理炉16から第2処理炉18への搬送動作は、従来技術で説明した動作と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
このように、1バッチ目の搬送動作において、前記(3)に示されるように、第1処理炉16から搬出されたウエハ200を、2バッチ目以降でウエハ200が第2処理炉18に搬入されるまで、搬送室14内で待機する時間と同じ時間だけ待機させることができるので、1バッチ目と2バッチ目以降の搬送時間が同時間となる。
【0046】
また、前記実施の形態において、第1処理炉16のウエハ200を上ツイーザ10で搬送したがこれに限定されるものではなく、下ツイーザ12で搬送してもよい。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、第1処理炉からの搬出から第2処理炉への搬入までの搬送時間が各基板間で相違する場合は、長い側の搬送時間に一致させて第2処理炉への搬入が実行されるように、第2処理炉への基板の搬入を前記搬送室内で待機させるため、各バッチにおける搬送時間を同時間にすることができ、2つ以上の高温プロセスを含む基板処理装置における成膜を安定化させることができる。
【0048】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、1バッチ目の搬送時間と2バッチ目以降の搬送時間とを一致させることのできる基板処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した基板処理装置の概略構成図である。
【図2】第1処理炉の概略構成図である。
【図3】第2処理炉の概略構成図である。
【図4】本発明の1バッチ目の搬送動作を示す図である。
【図5】従来の1バッチ目の搬送動作を示す図である。
【図6】従来の2バッチ目以降の搬送動作を示す図である。
【符号の説明】
10 上ツイーザ(基板搬送手段)、12 下ツイーザ(基板搬送手段)、14 搬送室、16 第1処理炉、18 第2処理炉。
Claims (1)
- 基板搬送手段を収容する搬送室と、該搬送室に気密に連結される少なくとも2つの処理炉とを有する基板処理装置において、
前記基板搬送手段により前記一方の処理炉から基板を搬出し、前記他方の処理炉に基板を搬入する搬送動作を複数の基板に対して連続して実行する際に、
前記搬出から搬入までの搬送時間が各基板間で相違する場合は、長い搬送時間に一致させて搬入が実行されるように基板搬送手段を制御する制御手段を有することを特徴とする基板処理装置。
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