JP2005056911A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】早いスループットを実現することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置10は、第1の処理炉28と第2の処理炉30とを有する。第1の処理炉28は例えばプラズマ処理炉であり、第2の処理炉30は例えばノンプラズマ処理炉である。第1の処理炉28で例えば予備加熱を行い、第2の処理炉30で熱処理を行い、第1の処理炉28で冷却を行う。処理炉28,30への基板搬送と処理炉28,30の加熱は、制御装置34により制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】基板処理装置10は、第1の処理炉28と第2の処理炉30とを有する。第1の処理炉28は例えばプラズマ処理炉であり、第2の処理炉30は例えばノンプラズマ処理炉である。第1の処理炉28で例えば予備加熱を行い、第2の処理炉30で熱処理を行い、第1の処理炉28で冷却を行う。処理炉28,30への基板搬送と処理炉28,30の加熱は、制御装置34により制御される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置(半導体デバイス)を製造するための基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この主の基板処理装置として、複数の処理炉を用いるものは公知である。
【0003】図5において、従来の基板処理装置200は、平面形状が五角形である気密な搬送室202を有する。この搬送室202には、基板搬送装置204が設けられている。搬送室202の前面には、カセット室206a,206bとの設けられ、該カセット室206a,206bは、ゲートバルブ208a,208bを介して搬送室202に気密に連結されている。また、該カセット室206a,206bの前面には、カセットドア210a,210bが設けられ、該カセットドア210a,210bに対向してカセットローダ212が配置されており、該カセットローダ212によりカセット室206a,206bへシリコンウェハ等の基板214が収められたカセット216を投入し、又はカセット室206a,206bからカセット216を取り出すようになっている。
【0004】前記搬送室202の前面に隣接する2面には、それぞれ気密な冷却室218a,218bが相対向するように設けられ、該冷却室218a,218bは、それぞれゲートバルブ220a,220bを介して搬送室202に気密に連結されている。又、搬送室202の前面に対向する2面には、それぞれ処理炉222a,222bが設けられ、該処理炉222a,222bは、それぞれゲートバルブ224a,224bを介して搬送室202に気密に連結されている。
【0005】処理炉222a,222bにおいては、搬入された基板214に対して成膜処理が行われる。成膜処理が完了すると、基板搬送装置204は、処理済の基板214を冷却室218a,218bに移載し、該冷却室218a,218bに窒素ガスを流通させ所定温度まで基板214を冷却した後、カセット室206a,206bのカセットに払戻す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、基板214を処理炉222a,222bにより処理した後、冷却室218a,218bに搬送し、該冷却室218a,218bで冷却した後、カセット216に戻すようにしているので、スループットが遅いという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、上記従来の技術の問題点を解消し、より早いスループットを実現することができる基板処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、基板搬送装置を内部に有する気密な搬送室と、この搬送室に気密に連結され、所望の処理ガスが供給され、基板に所望の膜を形成する複数の処理炉と、前記処理炉の数よりも多い基板処理工程を前記複数の処理炉にて実行するよう前記基板搬送装置及び前記処理炉を制御する制御手段と、を有する基板処理装置にある。
【0009】処理炉は、例えば2つであり、基板処理工程は例えば3つである。2つの処理炉の1つをプラズマ処理炉とし、他をノンプラズマ処理炉とすることが好ましい。第1の処理温度で基板を処理する工程、例えば予備加熱を兼ねて窒化処理工程をプラズマ処理炉により実行し、第2の温度で基板を処理する工程、例えば熱処理工程をノンプラズマ処理炉により実行し、第3の温度で基板を処理する工程、例えば冷却を兼ねてプラズマによる酸化工程をプラズマ処理炉により実行することができる。本発明に係る熱処理装置は、例えば基板上に五酸化タンタル(Ta2O5)の薄膜を形成する場合に用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、基板処理装置10は、平面形状が五角形である気密な搬送室12を有する。この搬送室12には、基板搬送装置(基板移載機)14が設けられている。搬送室12の前面には、カセット室16a,16bとの設けられ、該カセット室16a,16bは、ゲートバルブ18a,18bを介して搬送室12に気密に連結されている。また、該カセット室16a,16bの前面には、カセットドア20a,20bが設けられ、該カセットドア20a,20bに対向してカセットローダ22が配置されており、該カセットローダ22によりカセット室16a,16bへシリコンウェハ等の基板24が収められたカセット26を投入し、又はカセット室16a,16bからカセット26を取り出すようになっている。
【0011】搬送室12の前面に対向する2面には、第1の処理炉28と第2の処理炉30が設けられ、該第1の処理炉28と第2の処理炉30は、それぞれゲートバルブ32a,32bを介して搬送室12に気密に連結されている。
【0012】後述するように、第1の処理炉28は、低温で基板24を窒化処理又は酸化処理するためのプラズマ処理炉であり、また、第2の処理炉30は、高温で基板を熱処理するためのノンプラズマ処理炉である。
【0013】制御手段を構成する例えばコンピュータからなる制御装置34は、前述した基板搬送装置14、第1の処理炉28及び第2の処理炉30を制御する。
【0014】第1の処理炉28は、電界と磁界とにより高密度プラズマを生成できる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いて基板をプラズマ処理する基板処理炉(以下、MMT装置と称する)である。このMMT装置は、気密性を確保した処理室に基板を設置し、シャワープレートを介して反応ガスを処理室に導入し、処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成するとともに磁界をかけてマグネトロン放電を起こす。放電用電極から放出された電子がドリフトしながらサイクロイド運動を続けて周回することにより長寿命となって電離生成率を高めるので高密度プラズマを生成できる。このように反応ガスを励起分解させて基板表面を酸化または窒化等の拡散処理、または基板表面に薄膜を形成する、または基板表面をエッチングする等、基板へ各種のプラズマ処理を施すことができる。
【0015】図2において、第1の処理装置28の具体例が示され、第1の処理装置28は、第2の容器である下側容器36と、該下側容器36の上に被せられる第1の容器である上側容器38とから処理室40が形成されている。上側容器38は、ドーム型の酸化アルミニウム又は石英で形成されており、下側容器36は、アルミニウムで形成されている。また後述するヒータ一体型の基板保持手段であるサセプタ42を窒化アルミニウム石英等のセラミックスから構成することによって、処理の際に膜中に取り込まれる金属汚染を低減することができる。
【0016】上側容器38の上部には、ガス分散空間であるバッファ室44を形成するシャワーヘッド46が設けられ、このシャワーヘッド46の上壁にはガス導入用の導入口であるガス導入口48が設けられている。シャワーヘッド46の下壁は、ガスを噴出する噴出孔であるガス噴出孔50を有するシャワープレート52からなっている。前述したガス導入口48は、ガスを供給する供給管であるガス供給管54により、開閉弁であるバルブ56及び流量制御手段であるマスフローコントローラ58を介して、反応ガス60が貯蔵されたガスボンベ(図示せず)に繋がっている。シャワーヘッド46から反応ガス60が処理室40に供給され、また、サセプタ42の周囲から処理室40の底方向へ基板処理後のガスが流れるように下側容器36側壁にガスを排出する排気口であるガス排気口62が設けられている。ガス排気口62は、ガスを排気する排気管であるガス排気管64により、圧力調整器であるAPC66及び開閉弁であるバルブ68を介して、排気装置である真空ポンプ70に接続されている。
【0017】供給される反応ガス60を励起させる放電手段として断面が筒状であり、好適には円筒状の第1の電極である筒状電極72が設けられている。
この筒状電極72は、処理室40の外周に設置されて処理室40内のプラズマ生成領域74を囲んでいる。この筒状電極72には、インピーダンスの整合を行う整合器76を介して、高周波電力を印加する高周波電源78が接続されている。
【0018】また、断面が筒状であり、好適には円筒状の磁界発生手段である筒状磁石80は永久磁石となっている。この筒状磁石80は、筒状電極72の外表面の上下端近傍に配置されている。上下の筒状磁石80,80は、処理室40の半径方向に沿った両端(内周端と外周端)に磁極を持ち、上下の筒状磁石80,80の磁極の向きが逆向きに設定されている。従って、内周部の磁極同士が異極となっており、これにより、筒状電極72の内周面に沿って円筒軸方向に磁力線を形成するようになっている。
【0019】処理室40の底側中央には、基板24を保持するための基板保持手段としてサセプタ42が配置されている。このサセプタ42は、基板24を加熱できるようになっている。サセプタ42は、例えば窒化アルミニウムで構成され、内部に過熱手段としてのヒータ(図中省略)が一体的に埋め込まれている。ヒータは、高周波電力が印加されて基板24を例えば500°C程度まで加熱できるようになっている。
【0020】また、サセプタ42の内部には、さらにインピーダンスを可変するための電極である第2の電極も装備されており、この第2の電極がインピーダンス可変機構82を介して接地されている。インピーダンス可変機構82は、コイルや可変コンデンサから構成され、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することによって、上記電極及びサセプタ42を介して基板24の電位を制御できるようになっている。
【0021】基板24をマグネトロン型プラズマ源でのマグネトロン放電により処理するための第1の処理炉28は、少なくとも前述した処理室40、サセプタ42、筒状電極72、筒状磁石80、シャワーヘッド46、及び排気口62から構成されており、処理室40で基板24をプラズマ処理することが可能となっている。
【0022】筒状電極72及び筒状磁石80の周囲には、この筒状電極72及び筒状磁石80で形成される電界や磁界を外部環境や他の処理炉等の装置に悪影響を及ぼさないように、電界や磁界を有効に遮蔽する遮蔽板84が設けられている。
【0023】サセプタ42は下側容器36と絶縁され、サセプタ42を昇降させる昇降手段であるサセプタ昇降機構86が設けられている。またサセプタ42は貫通孔88を有し、下側容器36底面には、基板24を突上げるための基板突上手段である基板突上げピン90が少なくとも3箇所に設けられている。そして、サセプタ昇降機構86によりサセプタ42が下降させられたときには基板突上げピン90がサセプタ42と非接触な状態で貫通孔88を突き抜けるような位置関係となるよう、貫通孔88及び基板突上げピン90が設けられている。
【0024】また、下側容器36の側壁には仕切弁となるゲートバルブ32aが設けられ、このゲートバルブ32aが開いているときには、前述した基板搬送装置により処理室42へ基板24が搬入、または搬出され、閉まっているときには、処理室42を気密に閉じることができる。
【0025】また、前述した制御装置34は、高周波電源78、整合器76、バルブ56、マスフローコントローラ58、APC66、バルブ68、真空ポンプ70、サセプタ昇降機構86、ゲートバルブ32a、サセプタ42に埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源と接続され、それぞれを制御するようになっている。
【0026】上記のような構成において、基板24の表面を、又は基板24上に形成された下地膜の表面に対して所定のプラズマ処理を施す方法について説明する。
【0027】基板24は、第1の処理炉28を構成する処理室42の外部から基板24を搬送する基板搬送装置によって処理室42に搬入され、サセプタ42上に搬送される。この搬送動作の詳細を説明すると、まずサセプタ42が下がった状態となっており、基板突上げピン90の先端がサセプタ42の貫通孔88を通過してサセプタ42表面よりも所定の高さ分だけ突き出された状態で、下側容器36に設けられたゲートバルブ32aが開き、基板搬送装置によって基板24を基板突上げピン90の先端に載置し、基板搬送装置が処理室42外へ退避すると、ゲートバルブ32aが閉まり、サセプタ42がサセプタ昇降機構86により上昇すると、サセプタ42上面に基板24を載置することができ、更に基板24を処理する位置まで上昇する。
【0028】サセプタ42に埋め込まれたヒータは予め加熱されており、搬入された基板24を室温〜500°Cの範囲内で基板処理温度に加熱する。真空ポンプ70、及びAPC66を用いて処理室42の圧力を0.1〜100Paの範囲内に維持する。
【0029】基板24を加熱温度に加熱したら、ガス導入口48からシャワープレート52のガス噴出孔50を介して、反応ガスを処理室42に配置されている基板24の上面に向けてシャワー状に導入する。同時に筒状電極72に高周波電源78から整合器76を介して高周波電力を印加する。印加する電力は、150〜200Wの範囲内の出力値で投入する。このときインピーダンス可変機構82は予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
【0030】筒状磁石80,80の磁界の影響を受けてマグネトロン放電が発生し、基板24の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域74に高密度プラズマが生成される。そして、生成された高密度プラズマにより、サセプタ42上の基板24の表面にプラズマ処理がなされる。表面処理が終わった基板24は、基板搬送装置を用いて基板搬入と逆の手順で処理室42外へ搬送される。
【0031】なお、制御装置34により、高周波電源78の電力ON・OFF、整合器76の調整、バルブ56の開閉、マスフローコントローラ58の流量、APC66の開弁度、バルブ68の開閉、真空ポンプ70の起動・停止、サセプタ昇降機構86の昇降動作、ゲートバルブ32aの開閉、サセプタ42に埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源への電力ON・OFFをそれぞれ制御している。
【0032】第2の処理炉30は、例えば枚葉式ホットウオール減圧CVD装置からなる。第2の処理炉30の具体例が図3に示されている。図3において、石英製、炭化珪素製又はアルミナ製の反応容器としての反応管94は、水平方向に扁平な空間を有しており、内部に基板24を収容する。反応管94の内部には、基板24を支持する基板保持手段としての基板支持台96が設けられ、反応管94の両端には気密にマニホールドとしてのガス導入フランジ98a,98bが設けられ、一方のガス導入フランジ98bには更に仕切弁としてのゲートバルブ32bを介して前述した搬送室が連結されている。
【0033】ガス導入フランジ98a,98bには、それぞれ供給管としてのガス導入ライン102a,102b、排気管としての排気ライン104a,104bが連通している。ガス導入ライン102a,102bには、反応管94内に導入するガスの流量を制御する流量制御手段106a,106bがそれぞれ設けられている。また、排気ライン104a,104bには、反応管94内の圧力を制御する圧力制御手段108a,108bが設けられている。
【0034】反応管94の上下には、それぞれ加熱手段としての上ヒータ110、下ヒータ112が設けられ、反応管94内部を均一に、又は所定の温度勾配を生じさせて加熱するようになっている。また、上ヒータ110、下ヒータ112には、それぞれのヒータ温度を制御する温度制御手段114が接続されている。また、上ヒータ110、下ヒータ112及び反応管94を覆うように断熱部材としての断熱材116が設けられている。
【0035】反応管94内の温度、反応管94内の圧力、反応管94に供給するガスの流量は、それぞれ温度制御手段114、圧力制御手段108a,108b、流量制御手段106a,106bにより、所定の温度、圧力、流量となるように制御される。また、温度制御手段114、圧力制御手段108a,108b、流量制御手段106a,106bは、前述した制御装置34により制御される。
【0036】上記のような構成において、基板24の表面を、又は基板24上に形成された下地膜の表面に対して所定の処理を施す方法について説明する。
【0037】反応管94内の温度がヒータ110,112により処理温度に維持された状態で、ゲートバルブ32bが開かれ、前述した基板搬送装置により図中左方より反応管94内に基板24が搬入され、基板支持台96に載置される。基板24が反応管94内に搬入されると同時に基板24の処理温度まで昇温するように昇温が開始される。
【0038】基板搬送装置が後退してゲートバルブ32bが閉じられた後、反応管94内の圧力は処理圧力となるよう圧料制御手段108a,108bにより制御され(圧力安定化)、反応管94内の温度は基板温度が処理温度となるよう温度制御手段114により制御される(温度安定化)。この反応管94内の圧力安定化、基板24の温度安定化の際、反応管94にはガス導入ライン102a,102bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン104a,104bより排気され、反応管94内は、不活性ガス雰囲気とされる。
【0039】反応管94内の圧力が処理圧力に安定化し、基板24の温度が処理温度に安定化した後、反応管94内にガス導入ライン102a,102bより処理ガスが導入され、排気ライン104a,104bより排気されることにより、基板24が処理される。この際、処理の均一性を確保するため、処理ガスは対角に向かって交互に流すことが好ましい。すなわち、例えば、まず処理ガスをガス導入ライン102aから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流し、その後、それとは反対向きに、すなわちガス導入ライン102bから排気ライン104aに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流し、所要時間毎に流れの向きを変更することが好ましい。なお、処理の均一性が処理ガスの流れの向きに依存しないような場合は、処理ガスは一定方向に向かって流れるようにしてもよい。すなわち、例えばガス導入ライン102aから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に、或いはガス導入ライン102bから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流れるようにしてもよい。
【0040】基板24の処理が終了すると、反応管94内の残留ガスを除去するために、反応管94内には、ガス導入ライン102a,102bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン104a,104bより排気され、反応管94内がパージされる。なお、基板処理時の処理ガスの供給流量、基板処理前または後の不活性ガスの供給流量は流量制御手段106a,106bにより制御される。
【0041】反応管94内のパージ後、反応管94内の圧力を圧力制御手段108a,108bにより、基板搬送圧力になるよう調整される。反応管94内の圧力が搬送圧力となった後、ゲートバルブ32bが開かれ、基板24は、基板搬送装置により反応管94より搬送室へ搬送される。
【0042】なお、上述の圧力制御手段108a,108bによる反応管94内の圧力制御、温度制御手段114による反応管94内の温度制御、流量制御手段106a,106bによる反応管94へのガス流量制御は、前述した制御装置34が各制御手段を制御することにより行われる。
【0043】次に上記実施形態に係る基板処理装置10を用いてシリコン基板上に五酸化タンタル膜を成膜処理する場合について説明する。
【0044】まず図4(a)に示すように、第1の処理炉28において、シリコン基板24をプラズマ窒化処理して窒化シリコン膜118を形成する。この場合、筒状電極72に高周波電源78から整合器76を介して印加する高周波電力は、0〜1200Wである。また、この場合の反応ガスは窒素であり、ガス流量は、それぞれ0〜5slmで、時間は1〜60秒である。窒化シリコン膜118の膜厚は例えば2nmである。処理温度は約400°Cとする。プラズマによる処理であるため、処理温度は常温であってもよいが、後述するTa2O5成膜処理に対する予備加熱を兼ねるために400°C前後で実施する。
【0045】次にシリコン基板24を第2の処理炉30に搬送し、第2の処理炉30において、窒化シリコン膜118上にTa2O5膜120を形成する。
この場合の反応ガスはペンタエトキシタンタル(Ta(OC2H5)5)であり、ガス流量は1〜5ccmであり、時間は1〜60秒である。窒素ガス、酸素ガス及びヘリウムガスを併せて供給することがあり、それぞれのガス流量は0〜5slm、時間は1〜60秒である。処理温度は約480°Cとする。
【0046】次にTa2O5膜120が形成されたシリコン基板24を再び第1の処理炉28に搬送し、第1の処理炉28において、プラズマによる酸化処理を行う。この場合の高周波電力は0〜3000Wである。また、この場合の反応ガスは酸素とクリプトンであり、ガス流量はそれぞれ0〜10slmであり、時間は1〜60秒である。これにより基板24のTa2O5膜120は膜質が改善され、リーク電流を低減することができる。また、常温で行うこともできるが、処理レートが落ちるので、上記のように400°C前後で行うことが好ましい。そして、この第1の処理炉28において、基板24を冷却することができるものである。
【0047】以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)請求項1記載の基板処理装置において、前記複数の処理炉での処理は、第1の処理温度で行う第1の工程と、第1の処理温度よりも高い第2の処理温度で行う第2の工程と、第2の処理温度よりも低い第3の処理温度で行う第3の工程とを有することを特徴とする基板処理装置。
(2)(1)記載の基板処理装置において、前記第1の工程と第3の工程とは第1の処理炉で実行し、第2の工程は第2の処理炉で実行することを特徴とする基板処理装置。
(3)(2)記載の基板処理装置において、前記第1の処理炉はプラズマ処理炉であり、第2の処理炉はノンプラズマ処理炉である基板処理装置。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、複数の処理炉を用いて予備加熱や冷却等を行うようにしたので、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置における第1の処理炉を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置における第1の処理炉を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置を用いて処理される基板の側面図である。
【図5】従来の基板処理装置を示す平面図である。
10 基板処理装置
12 搬送室
14 基板搬送装置
24 基板
28 第1の処理炉
30 第2の処理炉
34 制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置(半導体デバイス)を製造するための基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この主の基板処理装置として、複数の処理炉を用いるものは公知である。
【0003】図5において、従来の基板処理装置200は、平面形状が五角形である気密な搬送室202を有する。この搬送室202には、基板搬送装置204が設けられている。搬送室202の前面には、カセット室206a,206bとの設けられ、該カセット室206a,206bは、ゲートバルブ208a,208bを介して搬送室202に気密に連結されている。また、該カセット室206a,206bの前面には、カセットドア210a,210bが設けられ、該カセットドア210a,210bに対向してカセットローダ212が配置されており、該カセットローダ212によりカセット室206a,206bへシリコンウェハ等の基板214が収められたカセット216を投入し、又はカセット室206a,206bからカセット216を取り出すようになっている。
【0004】前記搬送室202の前面に隣接する2面には、それぞれ気密な冷却室218a,218bが相対向するように設けられ、該冷却室218a,218bは、それぞれゲートバルブ220a,220bを介して搬送室202に気密に連結されている。又、搬送室202の前面に対向する2面には、それぞれ処理炉222a,222bが設けられ、該処理炉222a,222bは、それぞれゲートバルブ224a,224bを介して搬送室202に気密に連結されている。
【0005】処理炉222a,222bにおいては、搬入された基板214に対して成膜処理が行われる。成膜処理が完了すると、基板搬送装置204は、処理済の基板214を冷却室218a,218bに移載し、該冷却室218a,218bに窒素ガスを流通させ所定温度まで基板214を冷却した後、カセット室206a,206bのカセットに払戻す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、基板214を処理炉222a,222bにより処理した後、冷却室218a,218bに搬送し、該冷却室218a,218bで冷却した後、カセット216に戻すようにしているので、スループットが遅いという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、上記従来の技術の問題点を解消し、より早いスループットを実現することができる基板処理装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、基板搬送装置を内部に有する気密な搬送室と、この搬送室に気密に連結され、所望の処理ガスが供給され、基板に所望の膜を形成する複数の処理炉と、前記処理炉の数よりも多い基板処理工程を前記複数の処理炉にて実行するよう前記基板搬送装置及び前記処理炉を制御する制御手段と、を有する基板処理装置にある。
【0009】処理炉は、例えば2つであり、基板処理工程は例えば3つである。2つの処理炉の1つをプラズマ処理炉とし、他をノンプラズマ処理炉とすることが好ましい。第1の処理温度で基板を処理する工程、例えば予備加熱を兼ねて窒化処理工程をプラズマ処理炉により実行し、第2の温度で基板を処理する工程、例えば熱処理工程をノンプラズマ処理炉により実行し、第3の温度で基板を処理する工程、例えば冷却を兼ねてプラズマによる酸化工程をプラズマ処理炉により実行することができる。本発明に係る熱処理装置は、例えば基板上に五酸化タンタル(Ta2O5)の薄膜を形成する場合に用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、基板処理装置10は、平面形状が五角形である気密な搬送室12を有する。この搬送室12には、基板搬送装置(基板移載機)14が設けられている。搬送室12の前面には、カセット室16a,16bとの設けられ、該カセット室16a,16bは、ゲートバルブ18a,18bを介して搬送室12に気密に連結されている。また、該カセット室16a,16bの前面には、カセットドア20a,20bが設けられ、該カセットドア20a,20bに対向してカセットローダ22が配置されており、該カセットローダ22によりカセット室16a,16bへシリコンウェハ等の基板24が収められたカセット26を投入し、又はカセット室16a,16bからカセット26を取り出すようになっている。
【0011】搬送室12の前面に対向する2面には、第1の処理炉28と第2の処理炉30が設けられ、該第1の処理炉28と第2の処理炉30は、それぞれゲートバルブ32a,32bを介して搬送室12に気密に連結されている。
【0012】後述するように、第1の処理炉28は、低温で基板24を窒化処理又は酸化処理するためのプラズマ処理炉であり、また、第2の処理炉30は、高温で基板を熱処理するためのノンプラズマ処理炉である。
【0013】制御手段を構成する例えばコンピュータからなる制御装置34は、前述した基板搬送装置14、第1の処理炉28及び第2の処理炉30を制御する。
【0014】第1の処理炉28は、電界と磁界とにより高密度プラズマを生成できる変形マグネトロン型プラズマ源(Modified Magnetron Typed Plasma Source)を用いて基板をプラズマ処理する基板処理炉(以下、MMT装置と称する)である。このMMT装置は、気密性を確保した処理室に基板を設置し、シャワープレートを介して反応ガスを処理室に導入し、処理室をある一定の圧力に保ち、放電用電極に高周波電力を供給して電界を形成するとともに磁界をかけてマグネトロン放電を起こす。放電用電極から放出された電子がドリフトしながらサイクロイド運動を続けて周回することにより長寿命となって電離生成率を高めるので高密度プラズマを生成できる。このように反応ガスを励起分解させて基板表面を酸化または窒化等の拡散処理、または基板表面に薄膜を形成する、または基板表面をエッチングする等、基板へ各種のプラズマ処理を施すことができる。
【0015】図2において、第1の処理装置28の具体例が示され、第1の処理装置28は、第2の容器である下側容器36と、該下側容器36の上に被せられる第1の容器である上側容器38とから処理室40が形成されている。上側容器38は、ドーム型の酸化アルミニウム又は石英で形成されており、下側容器36は、アルミニウムで形成されている。また後述するヒータ一体型の基板保持手段であるサセプタ42を窒化アルミニウム石英等のセラミックスから構成することによって、処理の際に膜中に取り込まれる金属汚染を低減することができる。
【0016】上側容器38の上部には、ガス分散空間であるバッファ室44を形成するシャワーヘッド46が設けられ、このシャワーヘッド46の上壁にはガス導入用の導入口であるガス導入口48が設けられている。シャワーヘッド46の下壁は、ガスを噴出する噴出孔であるガス噴出孔50を有するシャワープレート52からなっている。前述したガス導入口48は、ガスを供給する供給管であるガス供給管54により、開閉弁であるバルブ56及び流量制御手段であるマスフローコントローラ58を介して、反応ガス60が貯蔵されたガスボンベ(図示せず)に繋がっている。シャワーヘッド46から反応ガス60が処理室40に供給され、また、サセプタ42の周囲から処理室40の底方向へ基板処理後のガスが流れるように下側容器36側壁にガスを排出する排気口であるガス排気口62が設けられている。ガス排気口62は、ガスを排気する排気管であるガス排気管64により、圧力調整器であるAPC66及び開閉弁であるバルブ68を介して、排気装置である真空ポンプ70に接続されている。
【0017】供給される反応ガス60を励起させる放電手段として断面が筒状であり、好適には円筒状の第1の電極である筒状電極72が設けられている。
この筒状電極72は、処理室40の外周に設置されて処理室40内のプラズマ生成領域74を囲んでいる。この筒状電極72には、インピーダンスの整合を行う整合器76を介して、高周波電力を印加する高周波電源78が接続されている。
【0018】また、断面が筒状であり、好適には円筒状の磁界発生手段である筒状磁石80は永久磁石となっている。この筒状磁石80は、筒状電極72の外表面の上下端近傍に配置されている。上下の筒状磁石80,80は、処理室40の半径方向に沿った両端(内周端と外周端)に磁極を持ち、上下の筒状磁石80,80の磁極の向きが逆向きに設定されている。従って、内周部の磁極同士が異極となっており、これにより、筒状電極72の内周面に沿って円筒軸方向に磁力線を形成するようになっている。
【0019】処理室40の底側中央には、基板24を保持するための基板保持手段としてサセプタ42が配置されている。このサセプタ42は、基板24を加熱できるようになっている。サセプタ42は、例えば窒化アルミニウムで構成され、内部に過熱手段としてのヒータ(図中省略)が一体的に埋め込まれている。ヒータは、高周波電力が印加されて基板24を例えば500°C程度まで加熱できるようになっている。
【0020】また、サセプタ42の内部には、さらにインピーダンスを可変するための電極である第2の電極も装備されており、この第2の電極がインピーダンス可変機構82を介して接地されている。インピーダンス可変機構82は、コイルや可変コンデンサから構成され、コイルのパターン数や可変コンデンサの容量値を制御することによって、上記電極及びサセプタ42を介して基板24の電位を制御できるようになっている。
【0021】基板24をマグネトロン型プラズマ源でのマグネトロン放電により処理するための第1の処理炉28は、少なくとも前述した処理室40、サセプタ42、筒状電極72、筒状磁石80、シャワーヘッド46、及び排気口62から構成されており、処理室40で基板24をプラズマ処理することが可能となっている。
【0022】筒状電極72及び筒状磁石80の周囲には、この筒状電極72及び筒状磁石80で形成される電界や磁界を外部環境や他の処理炉等の装置に悪影響を及ぼさないように、電界や磁界を有効に遮蔽する遮蔽板84が設けられている。
【0023】サセプタ42は下側容器36と絶縁され、サセプタ42を昇降させる昇降手段であるサセプタ昇降機構86が設けられている。またサセプタ42は貫通孔88を有し、下側容器36底面には、基板24を突上げるための基板突上手段である基板突上げピン90が少なくとも3箇所に設けられている。そして、サセプタ昇降機構86によりサセプタ42が下降させられたときには基板突上げピン90がサセプタ42と非接触な状態で貫通孔88を突き抜けるような位置関係となるよう、貫通孔88及び基板突上げピン90が設けられている。
【0024】また、下側容器36の側壁には仕切弁となるゲートバルブ32aが設けられ、このゲートバルブ32aが開いているときには、前述した基板搬送装置により処理室42へ基板24が搬入、または搬出され、閉まっているときには、処理室42を気密に閉じることができる。
【0025】また、前述した制御装置34は、高周波電源78、整合器76、バルブ56、マスフローコントローラ58、APC66、バルブ68、真空ポンプ70、サセプタ昇降機構86、ゲートバルブ32a、サセプタ42に埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源と接続され、それぞれを制御するようになっている。
【0026】上記のような構成において、基板24の表面を、又は基板24上に形成された下地膜の表面に対して所定のプラズマ処理を施す方法について説明する。
【0027】基板24は、第1の処理炉28を構成する処理室42の外部から基板24を搬送する基板搬送装置によって処理室42に搬入され、サセプタ42上に搬送される。この搬送動作の詳細を説明すると、まずサセプタ42が下がった状態となっており、基板突上げピン90の先端がサセプタ42の貫通孔88を通過してサセプタ42表面よりも所定の高さ分だけ突き出された状態で、下側容器36に設けられたゲートバルブ32aが開き、基板搬送装置によって基板24を基板突上げピン90の先端に載置し、基板搬送装置が処理室42外へ退避すると、ゲートバルブ32aが閉まり、サセプタ42がサセプタ昇降機構86により上昇すると、サセプタ42上面に基板24を載置することができ、更に基板24を処理する位置まで上昇する。
【0028】サセプタ42に埋め込まれたヒータは予め加熱されており、搬入された基板24を室温〜500°Cの範囲内で基板処理温度に加熱する。真空ポンプ70、及びAPC66を用いて処理室42の圧力を0.1〜100Paの範囲内に維持する。
【0029】基板24を加熱温度に加熱したら、ガス導入口48からシャワープレート52のガス噴出孔50を介して、反応ガスを処理室42に配置されている基板24の上面に向けてシャワー状に導入する。同時に筒状電極72に高周波電源78から整合器76を介して高周波電力を印加する。印加する電力は、150〜200Wの範囲内の出力値で投入する。このときインピーダンス可変機構82は予め所望のインピーダンス値に制御しておく。
【0030】筒状磁石80,80の磁界の影響を受けてマグネトロン放電が発生し、基板24の上方空間に電荷をトラップしてプラズマ生成領域74に高密度プラズマが生成される。そして、生成された高密度プラズマにより、サセプタ42上の基板24の表面にプラズマ処理がなされる。表面処理が終わった基板24は、基板搬送装置を用いて基板搬入と逆の手順で処理室42外へ搬送される。
【0031】なお、制御装置34により、高周波電源78の電力ON・OFF、整合器76の調整、バルブ56の開閉、マスフローコントローラ58の流量、APC66の開弁度、バルブ68の開閉、真空ポンプ70の起動・停止、サセプタ昇降機構86の昇降動作、ゲートバルブ32aの開閉、サセプタ42に埋め込まれたヒータに高周波電力を印加する高周波電源への電力ON・OFFをそれぞれ制御している。
【0032】第2の処理炉30は、例えば枚葉式ホットウオール減圧CVD装置からなる。第2の処理炉30の具体例が図3に示されている。図3において、石英製、炭化珪素製又はアルミナ製の反応容器としての反応管94は、水平方向に扁平な空間を有しており、内部に基板24を収容する。反応管94の内部には、基板24を支持する基板保持手段としての基板支持台96が設けられ、反応管94の両端には気密にマニホールドとしてのガス導入フランジ98a,98bが設けられ、一方のガス導入フランジ98bには更に仕切弁としてのゲートバルブ32bを介して前述した搬送室が連結されている。
【0033】ガス導入フランジ98a,98bには、それぞれ供給管としてのガス導入ライン102a,102b、排気管としての排気ライン104a,104bが連通している。ガス導入ライン102a,102bには、反応管94内に導入するガスの流量を制御する流量制御手段106a,106bがそれぞれ設けられている。また、排気ライン104a,104bには、反応管94内の圧力を制御する圧力制御手段108a,108bが設けられている。
【0034】反応管94の上下には、それぞれ加熱手段としての上ヒータ110、下ヒータ112が設けられ、反応管94内部を均一に、又は所定の温度勾配を生じさせて加熱するようになっている。また、上ヒータ110、下ヒータ112には、それぞれのヒータ温度を制御する温度制御手段114が接続されている。また、上ヒータ110、下ヒータ112及び反応管94を覆うように断熱部材としての断熱材116が設けられている。
【0035】反応管94内の温度、反応管94内の圧力、反応管94に供給するガスの流量は、それぞれ温度制御手段114、圧力制御手段108a,108b、流量制御手段106a,106bにより、所定の温度、圧力、流量となるように制御される。また、温度制御手段114、圧力制御手段108a,108b、流量制御手段106a,106bは、前述した制御装置34により制御される。
【0036】上記のような構成において、基板24の表面を、又は基板24上に形成された下地膜の表面に対して所定の処理を施す方法について説明する。
【0037】反応管94内の温度がヒータ110,112により処理温度に維持された状態で、ゲートバルブ32bが開かれ、前述した基板搬送装置により図中左方より反応管94内に基板24が搬入され、基板支持台96に載置される。基板24が反応管94内に搬入されると同時に基板24の処理温度まで昇温するように昇温が開始される。
【0038】基板搬送装置が後退してゲートバルブ32bが閉じられた後、反応管94内の圧力は処理圧力となるよう圧料制御手段108a,108bにより制御され(圧力安定化)、反応管94内の温度は基板温度が処理温度となるよう温度制御手段114により制御される(温度安定化)。この反応管94内の圧力安定化、基板24の温度安定化の際、反応管94にはガス導入ライン102a,102bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン104a,104bより排気され、反応管94内は、不活性ガス雰囲気とされる。
【0039】反応管94内の圧力が処理圧力に安定化し、基板24の温度が処理温度に安定化した後、反応管94内にガス導入ライン102a,102bより処理ガスが導入され、排気ライン104a,104bより排気されることにより、基板24が処理される。この際、処理の均一性を確保するため、処理ガスは対角に向かって交互に流すことが好ましい。すなわち、例えば、まず処理ガスをガス導入ライン102aから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流し、その後、それとは反対向きに、すなわちガス導入ライン102bから排気ライン104aに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流し、所要時間毎に流れの向きを変更することが好ましい。なお、処理の均一性が処理ガスの流れの向きに依存しないような場合は、処理ガスは一定方向に向かって流れるようにしてもよい。すなわち、例えばガス導入ライン102aから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に、或いはガス導入ライン102bから排気ライン104bに向かって基板24の表面に対して略水平な方向に流れるようにしてもよい。
【0040】基板24の処理が終了すると、反応管94内の残留ガスを除去するために、反応管94内には、ガス導入ライン102a,102bより不活性ガスが導入されつつ、排気ライン104a,104bより排気され、反応管94内がパージされる。なお、基板処理時の処理ガスの供給流量、基板処理前または後の不活性ガスの供給流量は流量制御手段106a,106bにより制御される。
【0041】反応管94内のパージ後、反応管94内の圧力を圧力制御手段108a,108bにより、基板搬送圧力になるよう調整される。反応管94内の圧力が搬送圧力となった後、ゲートバルブ32bが開かれ、基板24は、基板搬送装置により反応管94より搬送室へ搬送される。
【0042】なお、上述の圧力制御手段108a,108bによる反応管94内の圧力制御、温度制御手段114による反応管94内の温度制御、流量制御手段106a,106bによる反応管94へのガス流量制御は、前述した制御装置34が各制御手段を制御することにより行われる。
【0043】次に上記実施形態に係る基板処理装置10を用いてシリコン基板上に五酸化タンタル膜を成膜処理する場合について説明する。
【0044】まず図4(a)に示すように、第1の処理炉28において、シリコン基板24をプラズマ窒化処理して窒化シリコン膜118を形成する。この場合、筒状電極72に高周波電源78から整合器76を介して印加する高周波電力は、0〜1200Wである。また、この場合の反応ガスは窒素であり、ガス流量は、それぞれ0〜5slmで、時間は1〜60秒である。窒化シリコン膜118の膜厚は例えば2nmである。処理温度は約400°Cとする。プラズマによる処理であるため、処理温度は常温であってもよいが、後述するTa2O5成膜処理に対する予備加熱を兼ねるために400°C前後で実施する。
【0045】次にシリコン基板24を第2の処理炉30に搬送し、第2の処理炉30において、窒化シリコン膜118上にTa2O5膜120を形成する。
この場合の反応ガスはペンタエトキシタンタル(Ta(OC2H5)5)であり、ガス流量は1〜5ccmであり、時間は1〜60秒である。窒素ガス、酸素ガス及びヘリウムガスを併せて供給することがあり、それぞれのガス流量は0〜5slm、時間は1〜60秒である。処理温度は約480°Cとする。
【0046】次にTa2O5膜120が形成されたシリコン基板24を再び第1の処理炉28に搬送し、第1の処理炉28において、プラズマによる酸化処理を行う。この場合の高周波電力は0〜3000Wである。また、この場合の反応ガスは酸素とクリプトンであり、ガス流量はそれぞれ0〜10slmであり、時間は1〜60秒である。これにより基板24のTa2O5膜120は膜質が改善され、リーク電流を低減することができる。また、常温で行うこともできるが、処理レートが落ちるので、上記のように400°C前後で行うことが好ましい。そして、この第1の処理炉28において、基板24を冷却することができるものである。
【0047】以上のように、本発明は、特許請求の範囲に記載した事項を特徴とするが、さらに次のような実施形態が含まれる。
(1)請求項1記載の基板処理装置において、前記複数の処理炉での処理は、第1の処理温度で行う第1の工程と、第1の処理温度よりも高い第2の処理温度で行う第2の工程と、第2の処理温度よりも低い第3の処理温度で行う第3の工程とを有することを特徴とする基板処理装置。
(2)(1)記載の基板処理装置において、前記第1の工程と第3の工程とは第1の処理炉で実行し、第2の工程は第2の処理炉で実行することを特徴とする基板処理装置。
(3)(2)記載の基板処理装置において、前記第1の処理炉はプラズマ処理炉であり、第2の処理炉はノンプラズマ処理炉である基板処理装置。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、複数の処理炉を用いて予備加熱や冷却等を行うようにしたので、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置における第1の処理炉を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置における第1の処理炉を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置を用いて処理される基板の側面図である。
【図5】従来の基板処理装置を示す平面図である。
10 基板処理装置
12 搬送室
14 基板搬送装置
24 基板
28 第1の処理炉
30 第2の処理炉
34 制御装置
Claims (1)
- 基板搬送装置を内部に有する気密な搬送室と、
この搬送室に気密に連結され、所望の処理ガスが供給され、基板に所望の膜を形成する複数の処理炉と、
前記処理炉の数よりも多い基板処理工程を前記複数の処理炉にて実行するよう前記基板搬送装置及び前記処理炉を制御する制御手段と、を有することを特徴とする基板処理装置。
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