JP2005056603A - コンタクト及び該コンタクトを使用したコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は安定した接触圧が得られ、少ない挿抜で弾性変形することがく、コネクタ30の小型化・低背位化が可能なコンタクト10を提供する。
【解決手段】本目的は複数枚の金属材料を重ね合わせることにより達成できる。複数枚の金属材料を重ねたものの少なくとも一方端側を固着した方がよく、同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせてもよい。0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。コンタクト10の接触部12と固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようなコンタクト10を使用することで、小型化・低背位化が可能なコネクタを提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本目的は複数枚の金属材料を重ね合わせることにより達成できる。複数枚の金属材料を重ねたものの少なくとも一方端側を固着した方がよく、同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせてもよい。0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。コンタクト10の接触部12と固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようなコンタクト10を使用することで、小型化・低背位化が可能なコネクタを提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯やパソコン(PC)等の電子機器や電気機器に配設されるコネクタに使用するコンタクト及び該コンタクトを使用するコネクタに関するものであり、特にコンタクトの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンタクトは主に相手物と接触する接触部と絶縁体に固定する固定部と基板等に接続する接続部とを備えている。従来のコネクタは、主に前記コンタクトと該コンタクトが保持・固定される絶縁体とを備えている。
前記コンタクトには、その性格上から高いバネ性と高い導電性とが要求されているが、2つの要件を同時に満足させるような金属材料がないため、次に示すような提案がなされている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−19080号には、異種(バネ性の良い材料と導電性のよい材料)の金属材料間にプラスチック層を介在させたコンタクト(端子)が記載されている。異種金属材料を直接接合すると、経時と共に拡散が進んで金属の組成や状態が変化する結果初期の特性の維持が困難であって、性能が低下するため、異種の金属材料間にプラスチック層を介在させている。
【0004】
【特許文献2】
特開昭61−284075号には、文献1のように積層したコンタクトの接触部に凸出部を設けたものや接触部は接着しないようにしたものが記載されている。所定の接触圧を確保するためにこのような構造にしている。
【0005】
【特許文献3】
実開昭62−157074号は、文献1を改良したもので、一部に各層の非一体化部分を設けたものが記載されている。
電流容量の大きい接触子を得る場合には、導電性付与金属層の断面積を大にすることが要求され、例えば、接触子の幅が制限されている場合には導電性付与金属層とばね付与性金属層またはばね性を与える絶縁層の厚みを大にしなければならない。接触子の全長において各層が接着されている場合には、導電性付与金属層や絶縁層がばね性付与金属層のばね力に影響を与えて所要の接触圧を実現できなかったりすることから、一部を非一体化構造にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、機器の小型化が進むにつれ、コネクタの小型化・低背位化が進んできている。コネクタの小型化・低背位化が進むと必然的にコンタクトも小型化せざるおえない。コンタクトが小型化すると、十分な弾性長(変位量)をとることができず、十分な接触信頼性を得ることが出来ないと言った課題があった。
例えば、コネクタの高さを1mmにし、接触圧を30gfにするためには、コンタクトの弾性長が1.2mm必要になり、応力(約160Kgf/mm2)が大きくなり、1回程度の挿抜で弾性変形に達してしまいコンタクトとしての役割、ひいてはコネクタとしての役割を果たせなくなる。
特許文献1から特許文献3の構造では、異種金属材料間にプラスチック層を介在させているので、スペース的に大きくなってしまい、コネクタの小型化や低背位化に繋がらない。また、プラスチック層では弾性変形にも限度がり、かつ、十分な接触圧を得ることが出来ない。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、安定した接触圧が得られ、少ない挿抜で弾性変形することがく、コネクタの小型化・低背位化が可能なコンタクトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本目的は、複数枚の金属材料を重ね合わせることにより達成できる。
(1)複数枚の金属材料を重ねたものの少なくとも一方端側を固着した方がよい。このようにすることで、加工時に金属材料がバラバラになることなく、かつ、コネクタ30装着にも便利である。
(2)同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせる。
(3)0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。厚さが0.05mm以下では加工性が困難になり、1.0mm以上では高バネ性を得られなくなってしまう。
(4)相手物と接触する接触部12と前記絶縁体(ハウジング32)に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に形成する。このようにすることで、コネクタ30に取り付ける所定の構造を得ることができる。
(5)前記接触部12と前記固定部16との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようにすることで、十分な弾性長を確保でき、より安定した接触圧を得られるようになる。
【0009】
絶縁体(前記ハウジング32)と該絶縁体に固定・配列されるコンタクト10を備えるコネクタ30において、複数枚の金属材料を重ね合わせて形成した前記コンタクト10を使用する。
上述した(1)から(4)のいずれか1つの構造のコンタクト10を使用してコネクタ30を作成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図に基づいて、本発明のコンタクト10及び該コンタクト10を使用したコネクタ30について説明する。
図1(A)は本発明のコンタクトの斜視図であり、(B)はコンタクトを幅中央で断面した断面図である。図2(A)は本発明のコンタクトを使用したコネクタの斜視図であり、(B)は相手コネクタの斜視図である。図3は、図2(A)のA−A断面図である。
本発明のコンタクト10も従来と同様に相手物と接触する接触部12と絶縁体に固定される固定部14と基板等に接続される接続部16とを備えており、コネクタ30は本発明のコンタクト10とハウジング32とを備えている。
【0011】
本発明の前記コンタクト10の最も特徴とする部分は、図1のように複数枚の金属材料を重ね合わせたことである。前記コンタクト10の大きさは、コネクタ30の大きさや該コネクタ30に要求される仕様によって適宜設計される。
例えば、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度要求される場合には、厚みが0.05mmで、銅合金の材料を6枚程度重ね合わせると、接触圧が30gfのものが得られる。この際に、接触圧は厚みと幅と長さと変位量等の影響を受けるので、それぞれを厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmのようにした。この場合の応力は72Kgf/mm2になる。
【0012】
上述のような条件で材料を代えると、厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mm、金属材料がベリリウム銅という条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度を得ようとすると、厚さが0.05mmのものを5枚重ね合わせる必要がある。応力としては、81Kgf/mm2 になる
【0013】
複数の金属材料を重ね合わせるにあたっては、取扱性や加工性を考えると、少なくとも一方端側を固着した方がよい。このようにすると、加工時に金属材料がバラバラになることなく、かつ、コネクタ装着にも便利になる。固着は接着や溶着などによって行っている。本願の最も重要なポイントは、複数枚の金属材料を重ね合わせることにより、応力の低下を図った点にあるので、固着部分はできる限り少なく、変位する部分を避けるようにする。そのため、固着部分は接続部16側にした方がよい。
接続部16側の一部を固着した場合に、例えば、上述のような条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度要求される場合には、厚みが0.05mmで、銅合金の材料を6枚程度重ね合わせると、接触圧が30gfのものが得られる。この際に、接触圧は厚みと幅と長さと変位量等の影響を受けるので、それぞれを厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmのようにした。この場合の応力は72Kgf/mm2になる。
【0014】
同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせる。前記コンタクト10の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。同一材料としては、上述したように重ねる。
異種材料としては、ベリリウム銅とリン青銅とを、上述のような同一条件で、厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmという条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度を得ようとすると、厚さが0.05mmのものをベリリウム銅が3枚程度で、リン青銅が2枚程度重ね合わせることになる。
【0015】
金属材料にもよるが、0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。厚さが0.05mm以下では加工性が困難になり、1.0mm以上では高バネ性を得られなくなってしまう。
【0016】
重ね合わせた材料を、少なくとも相手物と接触する接触部12と前記ハウジング32に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に、公知技術のプレス加工やレーザー加工等によって形成する。
また、図1のように、前記接触部12と前記固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようにすることで、十分なバネ長を確保することができ、より安定した接触圧を得られるようになる。
【0017】
次に、上述したコンタクト10を使用したコネクタ30について説明する。主に前記コネクタ30は、複数のコンタクト10とハウジング32とを備えている。
前記コンタクト10としては、詳述したものをその仕様によって適宜選択して、使用する。
前記ハウジング32は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0018】
前記ハウジング32には相手コネクタ40の凸部46が嵌入される嵌合口34が設けられ、本コネクタ30と相手コネクタ40とが嵌合した際に、前記コンタクト10と相手コネクタ40の凸部46にある相手コンタクト44とが接触し、導通することになる。
また、前記ハウジング32には、所要数のコンタクト10が装着される挿入溝若しくは挿入孔36が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。
前記コンタクト10が前記ハウジング32に固定された際に、前記コンタクト10の接触部12が前記ハウジング32の嵌合口34内に突出するようになっている
【0019】
表1(従来との比較)
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ30によると、次のような優れた効果が得られる。
(1)複数枚の導電性のある金属材料を重ね合わせたコンタクト10にしているので、弾性に優れ、安定した接触圧を得ることができ、かつ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
(2)前記コンタクト10の少なくとも一方端側を固着しているので、取扱性がよく、かつ、弾性に優れ、安定した接触圧をも得ることができる。
(3)同一材料若しくは異種材料を重ね合わせるだけで、従来に比べて応力を半分にすることができる。
(4)0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚程度重ね合わせたコンタクト10を使用しているので、弾性に優れ、安定した接触圧を得ることができ、かつ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
(5)前記コンタクト10を、相手物と接触する接触部12と前記絶縁体(ハウジング32)に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に形成することで、低背位化に適したコンタクト10を提供でき、コネクタ30にも容易に使用できる。
(6)前記コンタクト10の前記接触部12と前記固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設けているので、十分なバネ長を確保でき、より安定した接触圧を得ることができ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明のコンタクトの斜視図である。
(B)本発明のコンタクトを幅中央で断面した断面図である。
【図2】(A)本発明のコンタクトを使用したコネクタの斜視図である。
(B)相手コネクタの斜視図である。
【図3】図2(A)のA−A断面図である。
【符号の説明】
10 コンタクト
12、48 接触部
14 固定部
16、49 接続部
18 弾性部
19 引掛り部
30 コネクタ
32 ハウジング
34 嵌合口
36 挿入孔
40 相手コネクタ
42 ブロック
44 相手コンタクト
46 凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯やパソコン(PC)等の電子機器や電気機器に配設されるコネクタに使用するコンタクト及び該コンタクトを使用するコネクタに関するものであり、特にコンタクトの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンタクトは主に相手物と接触する接触部と絶縁体に固定する固定部と基板等に接続する接続部とを備えている。従来のコネクタは、主に前記コンタクトと該コンタクトが保持・固定される絶縁体とを備えている。
前記コンタクトには、その性格上から高いバネ性と高い導電性とが要求されているが、2つの要件を同時に満足させるような金属材料がないため、次に示すような提案がなされている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭61−19080号には、異種(バネ性の良い材料と導電性のよい材料)の金属材料間にプラスチック層を介在させたコンタクト(端子)が記載されている。異種金属材料を直接接合すると、経時と共に拡散が進んで金属の組成や状態が変化する結果初期の特性の維持が困難であって、性能が低下するため、異種の金属材料間にプラスチック層を介在させている。
【0004】
【特許文献2】
特開昭61−284075号には、文献1のように積層したコンタクトの接触部に凸出部を設けたものや接触部は接着しないようにしたものが記載されている。所定の接触圧を確保するためにこのような構造にしている。
【0005】
【特許文献3】
実開昭62−157074号は、文献1を改良したもので、一部に各層の非一体化部分を設けたものが記載されている。
電流容量の大きい接触子を得る場合には、導電性付与金属層の断面積を大にすることが要求され、例えば、接触子の幅が制限されている場合には導電性付与金属層とばね付与性金属層またはばね性を与える絶縁層の厚みを大にしなければならない。接触子の全長において各層が接着されている場合には、導電性付与金属層や絶縁層がばね性付与金属層のばね力に影響を与えて所要の接触圧を実現できなかったりすることから、一部を非一体化構造にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、機器の小型化が進むにつれ、コネクタの小型化・低背位化が進んできている。コネクタの小型化・低背位化が進むと必然的にコンタクトも小型化せざるおえない。コンタクトが小型化すると、十分な弾性長(変位量)をとることができず、十分な接触信頼性を得ることが出来ないと言った課題があった。
例えば、コネクタの高さを1mmにし、接触圧を30gfにするためには、コンタクトの弾性長が1.2mm必要になり、応力(約160Kgf/mm2)が大きくなり、1回程度の挿抜で弾性変形に達してしまいコンタクトとしての役割、ひいてはコネクタとしての役割を果たせなくなる。
特許文献1から特許文献3の構造では、異種金属材料間にプラスチック層を介在させているので、スペース的に大きくなってしまい、コネクタの小型化や低背位化に繋がらない。また、プラスチック層では弾性変形にも限度がり、かつ、十分な接触圧を得ることが出来ない。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、安定した接触圧が得られ、少ない挿抜で弾性変形することがく、コネクタの小型化・低背位化が可能なコンタクトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本目的は、複数枚の金属材料を重ね合わせることにより達成できる。
(1)複数枚の金属材料を重ねたものの少なくとも一方端側を固着した方がよい。このようにすることで、加工時に金属材料がバラバラになることなく、かつ、コネクタ30装着にも便利である。
(2)同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせる。
(3)0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。厚さが0.05mm以下では加工性が困難になり、1.0mm以上では高バネ性を得られなくなってしまう。
(4)相手物と接触する接触部12と前記絶縁体(ハウジング32)に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に形成する。このようにすることで、コネクタ30に取り付ける所定の構造を得ることができる。
(5)前記接触部12と前記固定部16との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようにすることで、十分な弾性長を確保でき、より安定した接触圧を得られるようになる。
【0009】
絶縁体(前記ハウジング32)と該絶縁体に固定・配列されるコンタクト10を備えるコネクタ30において、複数枚の金属材料を重ね合わせて形成した前記コンタクト10を使用する。
上述した(1)から(4)のいずれか1つの構造のコンタクト10を使用してコネクタ30を作成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
図に基づいて、本発明のコンタクト10及び該コンタクト10を使用したコネクタ30について説明する。
図1(A)は本発明のコンタクトの斜視図であり、(B)はコンタクトを幅中央で断面した断面図である。図2(A)は本発明のコンタクトを使用したコネクタの斜視図であり、(B)は相手コネクタの斜視図である。図3は、図2(A)のA−A断面図である。
本発明のコンタクト10も従来と同様に相手物と接触する接触部12と絶縁体に固定される固定部14と基板等に接続される接続部16とを備えており、コネクタ30は本発明のコンタクト10とハウジング32とを備えている。
【0011】
本発明の前記コンタクト10の最も特徴とする部分は、図1のように複数枚の金属材料を重ね合わせたことである。前記コンタクト10の大きさは、コネクタ30の大きさや該コネクタ30に要求される仕様によって適宜設計される。
例えば、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度要求される場合には、厚みが0.05mmで、銅合金の材料を6枚程度重ね合わせると、接触圧が30gfのものが得られる。この際に、接触圧は厚みと幅と長さと変位量等の影響を受けるので、それぞれを厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmのようにした。この場合の応力は72Kgf/mm2になる。
【0012】
上述のような条件で材料を代えると、厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mm、金属材料がベリリウム銅という条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度を得ようとすると、厚さが0.05mmのものを5枚重ね合わせる必要がある。応力としては、81Kgf/mm2 になる
【0013】
複数の金属材料を重ね合わせるにあたっては、取扱性や加工性を考えると、少なくとも一方端側を固着した方がよい。このようにすると、加工時に金属材料がバラバラになることなく、かつ、コネクタ装着にも便利になる。固着は接着や溶着などによって行っている。本願の最も重要なポイントは、複数枚の金属材料を重ね合わせることにより、応力の低下を図った点にあるので、固着部分はできる限り少なく、変位する部分を避けるようにする。そのため、固着部分は接続部16側にした方がよい。
接続部16側の一部を固着した場合に、例えば、上述のような条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度要求される場合には、厚みが0.05mmで、銅合金の材料を6枚程度重ね合わせると、接触圧が30gfのものが得られる。この際に、接触圧は厚みと幅と長さと変位量等の影響を受けるので、それぞれを厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmのようにした。この場合の応力は72Kgf/mm2になる。
【0014】
同一材料若しくは異種材料の金属材料を重ね合わせる。前記コンタクト10の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。同一材料としては、上述したように重ねる。
異種材料としては、ベリリウム銅とリン青銅とを、上述のような同一条件で、厚みが0.3mmで、幅が0.2mmで、長さが1.2mmで、変位量が0.15mmという条件で、コネクタ30の高さが1mmで、接触圧が30gf程度を得ようとすると、厚さが0.05mmのものをベリリウム銅が3枚程度で、リン青銅が2枚程度重ね合わせることになる。
【0015】
金属材料にもよるが、0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせる。厚さが0.05mm以下では加工性が困難になり、1.0mm以上では高バネ性を得られなくなってしまう。
【0016】
重ね合わせた材料を、少なくとも相手物と接触する接触部12と前記ハウジング32に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に、公知技術のプレス加工やレーザー加工等によって形成する。
また、図1のように、前記接触部12と前記固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設ける。このようにすることで、十分なバネ長を確保することができ、より安定した接触圧を得られるようになる。
【0017】
次に、上述したコンタクト10を使用したコネクタ30について説明する。主に前記コネクタ30は、複数のコンタクト10とハウジング32とを備えている。
前記コンタクト10としては、詳述したものをその仕様によって適宜選択して、使用する。
前記ハウジング32は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。
【0018】
前記ハウジング32には相手コネクタ40の凸部46が嵌入される嵌合口34が設けられ、本コネクタ30と相手コネクタ40とが嵌合した際に、前記コンタクト10と相手コネクタ40の凸部46にある相手コンタクト44とが接触し、導通することになる。
また、前記ハウジング32には、所要数のコンタクト10が装着される挿入溝若しくは挿入孔36が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。
前記コンタクト10が前記ハウジング32に固定された際に、前記コンタクト10の接触部12が前記ハウジング32の嵌合口34内に突出するようになっている
【0019】
表1(従来との比較)
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のコネクタ30によると、次のような優れた効果が得られる。
(1)複数枚の導電性のある金属材料を重ね合わせたコンタクト10にしているので、弾性に優れ、安定した接触圧を得ることができ、かつ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
(2)前記コンタクト10の少なくとも一方端側を固着しているので、取扱性がよく、かつ、弾性に優れ、安定した接触圧をも得ることができる。
(3)同一材料若しくは異種材料を重ね合わせるだけで、従来に比べて応力を半分にすることができる。
(4)0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚程度重ね合わせたコンタクト10を使用しているので、弾性に優れ、安定した接触圧を得ることができ、かつ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
(5)前記コンタクト10を、相手物と接触する接触部12と前記絶縁体(ハウジング32)に固定する固定部14と基板等に接続する接続部16とを備える所定の形状に形成することで、低背位化に適したコンタクト10を提供でき、コネクタ30にも容易に使用できる。
(6)前記コンタクト10の前記接触部12と前記固定部14との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部18を設けているので、十分なバネ長を確保でき、より安定した接触圧を得ることができ、コネクタ30の低背位化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明のコンタクトの斜視図である。
(B)本発明のコンタクトを幅中央で断面した断面図である。
【図2】(A)本発明のコンタクトを使用したコネクタの斜視図である。
(B)相手コネクタの斜視図である。
【図3】図2(A)のA−A断面図である。
【符号の説明】
10 コンタクト
12、48 接触部
14 固定部
16、49 接続部
18 弾性部
19 引掛り部
30 コネクタ
32 ハウジング
34 嵌合口
36 挿入孔
40 相手コネクタ
42 ブロック
44 相手コンタクト
46 凸部
Claims (8)
- 複数枚の導電性のある金属材料を重ね合わせたことを特徴とするコンタクト。
- 少なくとも一方端側を固着したことを特徴とする請求項1記載のコンタクト。
- 同一材料若しくは異種材料を重ね合わせたことを特徴とする請求項1記載のコンタクト。
- 0.05〜1.0mmの厚さの金属材料を2〜10枚重ね合わせたことを特徴とする請求項1記載のコンタクト。
- 相手物と接触する接触部と前記絶縁体に固定する固定部と基板等に接続する接続部とを備える所定の形状に形成したことを特徴とする請求項1記載のコンタクト。
- 前記接触部と前記固定部との間に、少なくとも1回以上湾曲した弾性部を設けたことを特徴とする請求項5記載のコンタクト。
- 絶縁体と該絶縁体に固定・配列されるコンタクトを備えるコネクタにおいて、
複数枚の導電性のある金属材料を重ね合わせて形成した前記コンタクトを使用したことを特徴とするコネクタ。 - 請求項2から6項のいずれか1項のコンタクトを使用することを特徴とする請求項7記載のコネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206233A JP2005056603A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | コンタクト及び該コンタクトを使用したコネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003206233A JP2005056603A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | コンタクト及び該コンタクトを使用したコネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=34363158
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006044863B4 (de) * | 2006-09-22 | 2008-08-07 | Siemens Home And Office Communication Devices Gmbh & Co. Kg | Kontaktfeder |
US10317290B2 (en) | 2016-07-19 | 2019-06-11 | Tyco Electronics Japan G.K. | Contact |
-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003206233A patent/JP2005056603A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102006044863B4 (de) * | 2006-09-22 | 2008-08-07 | Siemens Home And Office Communication Devices Gmbh & Co. Kg | Kontaktfeder |
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