JP2005056599A - 超高圧水銀ランプ装置および超高圧水銀ランプ点灯装置 - Google Patents

超高圧水銀ランプ装置および超高圧水銀ランプ点灯装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブが失透することが抑制され、従って、高い照度維持率が得られると共に気密シール部に対する高い信頼性が得られ、長い使用寿命を有する超高圧水銀ランプ装置および超高圧水銀ランプ点灯装置を提供すること。
【解決手段】ランプ装置は、発光管部とその両端に連続する側管部とを有する石英ガラス製のバルブを備え、当該側管部の各々に金属箔が気密に埋設されて気密シール部が形成されており、当該発光管部内には、一対の電極が対向配置されると共に、ハロゲン化物、並びに、所定量の水銀が封入されてなる超高圧水銀ランプを備え、当該ランプにおける少なくとも一方の側管部の外周には、電圧印加手段が接続された導電部材が設けられており、ランプの点灯時には、導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されるよう制御された大きさの電圧が導電部材に印加される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高圧水銀ランプ装置および超高圧水銀ランプ点灯装置に関し、例えば、液晶ディスプレイ装置などの光源として好適に用いられるショートアーク型の超高圧水銀ランプを備えた超高圧水銀ランプ装置および超高圧水銀ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、投写型プロジェクター装置の光源としては、例えば、水銀や金属ハロゲン化物が石英ガラスよりなるバルブ内に封入されてなるメタルハライドランプ等の放電ランプが使われている。
このような放電ランプにおいては、長期間の使用により、バルブの失透が生じ、その結果、ランプの照度が低下するばかりか、気密漏洩、更には破裂に到ることがあることが知られている。この理由は、バルブを構成する石英ガラスが、アルカリ金属イオンと反応して結晶化するためである。
【0003】
このような問題に対して、例えば特許文献1の特開平09−231945号公報には、石英ガラスからなる気密容器(バルブ)の陰極の位置外周に導電体を配置して、導電体と陰極とを導通させると共に、該導電体に流れる電流を規制することにより、導電体を陰極と同電位にして、陽イオンを誘引させて陽イオンが気密容器に誘引されるのを抑制して石英ガラスの反応を軽減する、という技術が開示されている。この技術によれば、大気中に存在する陽イオン、例えば、放電ランプに口金や反射板を固定するためのセラミック接着剤に含まれるナトリウムなどの陽イオンが導電体に誘引されて、気密容器を構成する石英ガラスに付着しにくくなるため、石英ガラスと陽イオンとの反応を軽減させることができ、その結果、バルブの失透や破損等の発生を抑制できるようになる、とされている。
【0004】
しかしながら、上記特開平09−231945号公報に開示されている技術では、陽イオン(アルカリ金属イオン)が金属箔の周囲に局在することを抑制しようとしているが十分ではないので、バルブの結晶化現象を完全に防止することができない。即ち、バルブを構成する石英ガラスに不可避的に含まれる僅少のアルカリ金属イオンを核とし、石英ガラスが結晶化するという現象を防止することが困難である。
特に、直流点灯型の放電ランプにおいては、アルカリ金属イオンはマイナスの電位側に誘引されるため、陰極側の側管部にアルカリ金属イオンが高濃度で存在する部分が形成されて、酸素を介した石英ガラスと金属箔(例えばモリブデン)との結合が切れ、これにより、側管部の耐圧強度を低下させ、気密漏洩、バルブの破損が発生することがある、という問題がある。
【0005】
近時、例えば、プロジェクター装置における光源用のランプにおいては、より一層の小型化、点光源化が進められ、電極間距離も極めて小さいものが実用化されてきており、最近では、メタルハライドランプに代わって、極めて高い水銀蒸気圧、例えば200バール(約20MPa)以上の圧力をもつランプが利用されるようになってきた(例えば特許文献2、特許文献3等参照。)。
一方、最近は、DMD(マイクロミラーデバイス)を使ったDLP(デジタルライトプロセッサ)方式が採用された、一層小型のプロジェクター装置が注目されてきている。つまり、プロジェクター装置における光源用の放電ランプとしては、高い光出力を有するものであることや高い照度維持率を有するものであることが要求される反面、プロジェクター装置それ自体の小型化に伴って、放電ランプも小型なものであることが求められ、その点灯条件は厳しいものとなってきている。
【0006】
例えば、プロジェクター装置における光源用のランプにおいては、バルブの内容積(放電空間の容積)が極めて小さいものであって、バルブ内の封入水銀量が0.15mg/mm以上である放電ランプが用いられており、このような放電ランプは、その点灯時には15MPa以上もの極めて高圧な状態となり、一般の高圧水銀ランプからは比較できないほど異質な点灯状態を有するものである。
このような過酷な点灯条件を強いられるランプでは、アルカリ金属の介在に由来して石英ガラスと金属箔との結合が切れると、気密漏洩、破裂等の原因となってしまうことから、アルカリ金属の誘引を確実に防止することが必要とされる。
【0007】
以上のような問題に対して、バルブを構成する石英ガラスそのものの純度を高くすればよいが、実際上、石英ガラスから不純物を完全に除去することは困難である。
また、電極材料であるタングステンに含まれるアルカリ金属の存在により、例えば電極が蒸発して発光管内壁に付着することによって石英ガラスが結晶化して、これにより、発光管が早期に失透することがある。
【0008】
【特許文献1】
特開平09−231945号公報
【特許文献2】
特許2829339号公報
【特許文献3】
特許3390047号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、バルブを構成する石英ガラスが結晶化する現象を確実に防止することができ、従って、高い照度が長期にわたって維持されると共に、石英ガラスと金属箔との結合が切断されることを抑制することができて、バルブの破損等が生ずることが確実に防止され、高い信頼性を有し、長い使用寿命を有する超高圧水銀ランプ装置、およびこのような超高圧水銀ランプ装置を利用した超高圧水銀ランプ点灯装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の超高圧水銀ランプ装置は、石英ガラスからなり、発光管部と当該発光管部の両端に連続する側管部とを有するバルブを備え、当該側管部の各々に金属箔が気密に埋設されて気密シール部が形成されており、当該発光管部内には、一対の電極が互いに対向して配置されると共に、ハロゲン化物、並びに、0.15mg/mm以上の水銀が封入されてなる超高圧水銀ランプと、当該超高圧水銀ランプにおける少なくとも一方の側管部の外周に設けられた導電部材と、当該導電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなり、
超高圧水銀ランプの点灯時においては、導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されるよう制御された大きさの電圧が電圧印加手段によって導電部材に印加されることを特徴とする。
【0011】
本発明の超高圧水銀ランプ装置においては、超高圧水銀ランプは直流点灯型のものであり、導電部材が陰極側の側管部の外周に設けられてなる構成とすることができる。
また、本発明の超高圧水銀ランプ装置においては、導電部材がバルブにおける両方の側管部の外周に設けられており、一方の導電部材と他方の導電部材とが導電線によって互いに接続され、当該導電線が発光管部の表面に近接して配置されてなる構成とされていることが好ましい。
【0012】
本発明の超高圧水銀ランプ装置は、石英ガラスからなり、発光管部と当該発光管部の両端に連続する側管部とを有するバルブを備え、当該側管部の各々に金属箔が気密に埋設されて気密シール部が形成されており、当該発光管部内には、一対の電極が互いに対向して配置されると共に、ハロゲン化物、並びに、0.15mg/mm以上の水銀が封入されてなる交流点灯型の超高圧水銀ランプと、当該超高圧水銀ランプにおける両方の側管部の外周に設けられた導電部材と、当該導電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなり、
超高圧水銀ランプの点灯時においては、各々の導電部材の電位が電極の平均電位より低い電位状態に維持されるよう制御された大きさの電圧が電圧印加手段によって導電部材に印加されることを特徴とする。
【0013】
本発明の超高圧水銀ランプ点灯装置は、上記に記載の超高圧水銀ランプ装置と、超高圧水銀ランプを点灯させるためのランプ点灯用電源とを具備してなる超高圧水銀ランプ点灯装置であって、超高圧水銀ランプ点灯装置における電圧印加手段は、ランプ点灯用電源が駆動されるのと同時に、導電部材に対する電圧印加を開始することを特徴とする。
【0014】
本発明の超高圧水銀ランプ点灯装置においては、電圧印加手段は、ランプ点灯用電源が停止されて超高圧水銀ランプが消灯された後においても、導電部材に対する電圧印加を継続して行うものであることが好ましい。
【0015】
【作用】
上記構成の超高圧水銀ランプ装置によれば、少なくとも一方の側管部の外周に導電部材が設けられ、超高圧水銀ランプの点灯時において、導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されることにより、基本的には、大気中に存在する陽イオンは当該導電部材に誘引されるので、当該陽イオンの石英ガラスへの付着が抑制され、しかも、石英ガラスそれ自体に含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンは、最も電位の低い導電部材が位置される側管部の表面側に移動される。その結果、アルカリ金属イオンは、側管部の表面近傍に蓄積されて高濃度で存在することになるが、側管部の温度は発光管部の内部の温度に比較して格段に低いため、実際上、当該陽イオンと石英ガラスとが反応して結晶化することがなく、従って、バルブの失透が生ずることが確実に防止される。
しかも、陰極として動作する電極側の気密シール部においては、石英ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンが側管部の表面側に移動されるので、気密シール部において石英ガラスが結晶化することが抑制される結果、側管部の耐圧強度が低下して、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが確実に防止され、超高圧水銀ランプ装置は、高い照度維持率を有すると共に、高い信頼性を有し、長い使用寿命を有するものとなる。
【0016】
上記構成の超高圧水銀ランプ点灯装置によれば、超高圧水銀ランプの点灯時においては、適正な大きさに制御された電圧が電圧印加手段により導電部材に印加されて当該導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されるので、大気中に存在する陽イオン、石英ガラスに含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンと、石英ガラスとが反応して結晶化することが抑制される結果、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが確実に防止され、超高圧水銀ランプを長期にわたって安定して点灯させることができる。
【0017】
また、ランプ点灯用電源が停止されて超高圧水銀ランプが消灯された後においても、導電部材への電圧印加が、所定時間の間、継続して行われる、すなわち、ランプ点灯用電源が停止されてランプが消灯されるのと時間差をもって導電部材への電圧印加が停止されることにより、バルブの温度が所定温度以上の高温の状態のままであれば、バイアス電圧の印加を停止させることによって拡散されるアルカリ金属イオンがバルブに付着して石英ガラスが結晶化する、という問題が生ずることが確実に抑制され、その結果、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが防止され、超高圧水銀ランプを長期にわたって安定して点灯させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の超高圧水銀ランプ装置の一例における構成の概略を示す縦断断面図である。
この超高圧水銀ランプ装置10は、以下に詳述する超高圧水銀ランプを備えてなる。
超高圧水銀ランプは、石英ガラスからなるバルブ11を備えており、このバルブ11は、大略楕円球形状の放電空間を形成する発光管部12と、この発光管部12の両端に連続して外方に伸びるロッド状の側管部13A、13Bとを有する。
【0019】
バルブ11の発光管部12内には、陽極14および陰極15が互いに対向して配置されており、各々、陽極14または陰極15が先端に形成された、例えばタングステンからなる内部リード棒16A、16Bが、それぞれ、各々の側管部13A、13B内に気密に埋設された、例えばモリブデンよりなる金属箔17A、17Bを介して、外部リード棒18A、18Bに接続され、これにより、気密シール部が形成されている。図1において、19A、19Bは、内部リード棒16A、16Bに巻回された金属コイルである。
【0020】
バルブ11の発光管部12内には、水銀およびハロゲン化物が封入されており、希ガスが必要に応じて適宜に封入される。
水銀の封入量は、0.15mg/mm以上とされており、より好ましくは0.25mg/mm以上とされる。これにより、必要な可視光波長、例えば波長360〜830nmの光が得られると共に、温度条件によっても異なるが、点灯時の水銀蒸気圧を極めて高い状態、例えば10MPa以上とすることができる。
また、水銀をより多く封入することにより、点灯時の水銀蒸気圧を20MPa以上、あるいは30MPa以上という高い水銀蒸気圧の高圧水銀ランプを得ることができ、より一層、プロジェクター装置に適した光源を実現することができる。
【0021】
発光管部12内に封入されるハロゲン化物としては、例えば沃素ガス、臭素ガス、塩素ガス等を例示することができる。
ハロゲン化物の封入量は、例えば10−7〜10−2μmol/mmの範囲内から選択することができる。ハロゲン化物が所定の封入量で発光管部12内に封入されることにより、ハロゲンサイクルを利用したタングステン製電極の長寿命化を図ることができる。
【0022】
発光管部12内に封入される希ガスとしては、例えばアルゴン、クリプトン、キセノンおよびこれらの混合物を例示することができ、例えばアルゴンガスが約13kPa封入される。希ガスが所定の封入量で発光管部12内に封入されることにより、点灯始動性を向上させることができる。
【0023】
バルブ11における各々の側管部13A、13Bの端部には、口金(図示せず)が例えばセラミック接着剤によって固着されて設けられており、例えば、陽極側の側管部13Aにおける口金が、投影装置等におけるランプホルダーに装着されて保持される。
【0024】
上記の超高圧水銀ランプにおいては、陰極側の側管部13Bの外周には、例えば、内部リード棒16Bと金属箔17Bとの接続部を含む発光管部12に近接する領域に対応する位置に、例えば金属からなるワイヤー(線材)がコイル状に巻回されてなる導電部材20が設けられている。
【0025】
導電部材20は、陰極側の内部リード棒16Bと金属箔17Bとの接続部に対応する側管部13Bの表面位置を基準位置として、少なくとも当該基準位置から発光管部12の陰極側の端縁位置までの領域に配設されていることが好ましく、当該領域に加えて当該基準位置から5mm外方側の位置まで配設されていることがより好ましい。
【0026】
導電部材20には、例えば直流電源からなるバイアス電源25が接続されている。
具体的には、バイアス電源25におけるマイナス側の配線26が導電部材20に接続されると共にプラス側の配線27が陰極15側の外部リード棒18Bに接続されており、ランプ点灯時において、導電部材20の電位が陰極15の電位よりも低い電位状態に維持されるよう適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源25によって導電部材20に印加される。ここに、ランプ点灯時における導電部材20の電位は、内部リード棒16Bおよび金属箔17Bの電位より低い。
このようなバイアス電源25は、例えば交流を整流した安定化電源、電池などによって構成することができる。また例えば、熱起電力や光電効果を利用した電位差の発生手段によってバイアス電圧を印加してもよい。
超高圧水銀ランプ点灯時における導電部材20と陰極15との電位差は、例えば5〜100Vであることが好ましい。
【0027】
上記の超高圧水銀ランプの一数値例を示すと、例えば発光管部12の最大外径が11.3mm、発光管部12の内容積が116mm、側管部13A、13Bの最大外径が6mm、側管部13A、13Bの長さが18mm、バルブ11の肉厚が4.9mm、電極間距離が1.2mm、導電部材20の配設領域の大きさが10mm、管壁負荷が1.5W/mm、定格電圧が80V、定格電力が200W、バイアス電圧が10Vである。
【0028】
上記構成の超高圧水銀ランプ装置10は、例えば直流電源よりなるランプ点灯用電源30に接続され、ランプ点灯用電源30によって適正な大きさに制御された点灯電力が供給されて超高圧水銀ランプが点灯されると共に、適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源25によって導電部材20に印加されて、導電部材20の電位が陰極15の電位より低い電位状態に維持される。
【0029】
而して、上記構成の超高圧水銀ランプ装置10においては、超高圧水銀ランプの点灯時において、バルブ11が高温、例えば300℃以上になると、バルブ11を構成する石英ガラスの肉厚中に含まれるアルカリ金属イオンは、マイナスの電位側、すなわち陰極15が位置される方向に移動するため、陰極側の側管部13Bを構成する石英ガラス中のアルカリ金属のイオン濃度は、他の部位に比較して高くなる傾向にある。
【0030】
然るに、上記構成の超高圧水銀ランプ装置10によれば、陰極側の側管部13Bの外周に導電部材20が設けられると共に、超高圧水銀ランプの点灯時において、当該導電部材20の電位が陰極15の電位より低い電位状態に維持されることにより、基本的には、大気中に存在する陽イオン、例えば口金を接合するに際して用いられる接着剤に含まれるナトリウムイオン等は導電部材20に誘引されるので、当該陽イオンがバルブ11に付着することが抑制され、しかも、バルブ11を構成する石英ガラスそれ自体に含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンは、最も電位の低い導電部材20が位置される側管部13Bの表面側に移動されるので、発光管部12におけるアルカリ金属イオン濃度が低減されて、陰極側の側管部13Bの表面において、アルカリ金属イオンが高濃度で存在する部分が形成されることになるが、側管部13Bの温度は発光管部12の内部の温度に比較して格段に低いため、実際上、アルカリ金属イオンと石英ガラスとが反応して結晶化することがなく、従って、バルブ11の失透が生ずることが確実に防止される。
【0031】
しかも、陰極側の気密シール部においては、石英ガラスに含まれるアルカリ金属イオンが内部リード棒16Bおよび金属箔17Bより電位が低い側管部13Bの表面側に移動されるので、石英ガラスと金属箔17Bとの結合が切断されることが抑制される結果、側管部13Bを長期にわたって所期の耐圧強度を有する状態に維持することができ、従って、ランプの気密漏洩、バルブ11の破損が生ずることが確実に防止され、高い照度維持率が得られると共に高い信頼性が得られ、超高圧水銀ランプ装置10を長い使用寿命を有するものとして構成することができる。
【0032】
<第2実施形態>
図2は、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置の他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
この超高圧水銀ランプ装置10は、バルブ11における両方の側管部13A、13Bの外周面に導電部材40、20が設けられていることの他は第1実施形態における超高圧水銀ランプ装置と同様の構成を有するものである。
【0033】
具体的には、陽極側の側管部13Aの表面に、例えば金属からなるワイヤー (線材)を巻回してなる導電部材40が設けられており、陰極側の導電部材20および陽極側の導電部材40が導電線41によって互いに電気的に接続されている。
そして、バイアス電源25におけるマイナス側の配線26が導電部材20に接続されると共にプラス側の配線27が陰極側の外部リード棒18Bに接続されており、ランプ点灯時においては、適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源25によって導電部材20および導電部材40の各々に印加され、導電部材20の電位および導電部材40の電位が、いずれも、陰極15の電位よりも低い電位状態に維持される。
【0034】
上記構成の超高圧水銀ランプ装置10によれば、バルブ11における両方の側管部13A、13Bの外周に導電部材40、20が配設されると共に、ランプ点灯時において、当該導電部材40、20の各々が、陰極15より低い電位状態に維持されることにより、バルブ11を構成する石英ガラスの肉厚中並びに放電空間内に存在するアルカリ金属イオンが陰極側の導電部材20および陽極側の導電部材40のうちの近接する導電部材に誘引されるので、アルカリ金属イオンの移動距離が小さくなり、石英ガラスの結晶化が生じやすい発光管部12におけるアルカリ金属イオン濃度を一層効果的に低減させること、換言すれば、アルカリ金属イオンを、ランプ点灯時において比較的低温である側管部の表面側に確実に局在させることができ、従って、バルブ11の失透が生ずることを確実に防止することができる。
また、陰極側の導電部材20および陽極側の導電部材40の各々に、共通のバイアス電源25によってバイアス電圧が印加される構成とされていることにより、超高圧水銀ランプ装置10が大型化することを回避することができる。
【0035】
<第3実施形態>
図3は、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置の更に他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
この超高圧水銀ランプ装置10は、ランプ始動用電極が設けられていることの他は第1実施形態に係るものと同様の構成を有するものである。
【0036】
具体的には、例えば、金属ワイヤー(線材)よりなる導電部材50がバルブ11における陽極側の側管部13Aの外周面に巻回されて設けられており、この導電部材50は、金属よりなる導電線51を介して陰極側の側管部13Bに設けられた導電部材20に接続されている。
導電線51は、例えば発光管部12の表面に沿うように近接して配置されており、この導電線51には、図示しないランプ点灯用回路から出力される無負荷開放電圧が印加され、これにより、導電線51がランプ始動用電極(トリガーワイヤー)として機能する。
ここに、図示した例の超高圧水銀ランプ装置10においては、金属ワイヤーが陽極側の側管部13Aの外周面に1回のみ巻回された構成とされているが、金属ワイヤーが多数回巻回されていてもよい。
【0037】
上記構成の超高圧水銀ランプ装置10によれば、基本的には、第1実施形態における超高圧水銀ランプ装置と同様に、バルブ11を構成する石英ガラス中のアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンが陰極側の側管部13Bに設けられた導電部材20に静電的に誘引されるので、当該アルカリ金属イオンと石英ガラスとが反応して結晶化することが抑制され、バルブ11の失透が生ずることが確実に防止されると共に、陰極側の気密シール部において、アルカリ金属イオンに起因する石英ガラスの結晶化による、金属箔17Bと石英ガラスとの酸素を介した結合が切れることが抑制されるので、ランプの気密漏洩、バルブ11の破損が生ずることが確実に防止される。
しかも、陽極側の側管部13Aに設けられた導電部材50と、陰極側の側管部13Bに設けられた導電部材20とを接続する導電線51が、発光管部12の表面に沿うように近接して配置されていることにより、当該導電線51がトリガワイヤーとして機能して点灯始動性を向上させることができる結果、ランプの点灯始動を容易に行うことができると共に、このような導電線(トリガワイヤ)51を有さない構成のものに比して、より低い高圧パルスによって電極間の絶縁破壊を生じさせることができる。
【0038】
<第4実施形態>
図4は、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置の更に他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
この超高圧水銀ランプ装置10は、交流点灯型の超高圧水銀ランプを備えており、超高圧水銀ランプが、バルブ11における両方の側管部13A、13Bの外周に導電部材40A、20Aが配設されてなるものである。
【0039】
具体的には、超高圧水銀ランプは、一方の側管部13Aの表面に、例えば金属からなるワイヤー(線材)を巻回してなる第1の導電部材40Aが設けられていると共に、他方の側管部13Bの外周面に、第1の導電部材40Aと同様の構成を有する第2の導電部材20Aが設けられており、第1の導電部材40Aおよび第2の導電部材20Aが導電線41によって互いに電気的に接続されている。
そして、バイアス電源25におけるマイナス側の配線26が第2の導電部材20Aに接続されると共にプラス側の配線27が例えば他方の外部リード棒18Bに接続されており、ランプ点灯時においては、適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源25によって第1の導電部材40Aおよび第2の導電部材20Aの各々に印加されて、第1の導電部材40Aの電位および第2の導電部材20Aの電位が、いずれも、電極14A、15Aの平均電位より常に低い電位状態に維持される。ここに、電極14Aの平均電位および電極15Aの平均電位は、例えば、交流一周期分の電位の平均値である。
【0040】
以上の超高圧水銀ランプ装置10においては、バイアス電源25におけるプラス側の配線27は、電極14A、15Aが陰極動作および陽極動作を交互に繰り返すので、いずれか一方の外部リード棒に接続すればよい。
【0041】
この超高圧水銀ランプ装置10は、例えば交流電源よりなるランプ点灯用電源30Aに接続されており、ランプ点灯用電源30Aによって適正な大きさに制御された点灯電力が供給されて超高圧水銀ランプが点灯されると共に、適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源25によって第1の導電部材40Aおよび第2の導電部材20Aに印加されて、第1の導電部材40Aの電位および第2の導電部材20Aの電位は、電極14A、15Aの平均電位より常に低い電位状態に維持される。
【0042】
上記構成の超高圧水銀ランプ装置10によれば、バルブ11における一方の側管部13Aの表面に第1の導電部材40Aが設けられ、他方の側管部13Bの表面に第2の導電部材20Aが設けられると共に、超高圧水銀ランプの点灯時において、第1の導電部材40Aの電位および第2の導電部材20Aの電位が電極14A、15Aの電位より低い電位状態に維持されることにより、基本的には、大気中に存在する陽イオンが第1の導電部材40Aおよび第2の導電部材20Aに誘引されるので、当該陽イオンがバルブ11に付着することが抑制され、しかも、バルブ11を構成する石英ガラスそれ自体に含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンが、比較的温度が低い側管部13A、13Bの表面側に移動されて蓄積されるので、実際上、当該アルカリ金属イオンと石英ガラスとが反応して結晶化することがなく、従って、バルブ11の失透が生ずることを確実に防止することができる。
【0043】
しかも、各々の側管部13A、13Bにおける気密シール部においては、石英ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンが側管部13A、13Bの表面側に移動されるので、石英ガラスの結晶化による金属箔と石英ガラスとの結合が切れることが抑制される結果、側管部13A、13Bを長期にわたって所期の耐圧強度を有する状態に維持することができ、従って、ランプの気密漏洩、バルブ10の破損が生ずることが確実に防止され、高い照度維持率が得られると共に高い信頼性が得られ、超高圧水銀ランプ装置10を長い使用寿命を有するものとして構成することができる。
【0044】
以上のように、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置によれば、ランプ点灯時において、大気中に存在するアルカリ金属イオン(陽イオン)、並びに、バルブ11を構成する石英ガラス中に不可避的に存在するアルカリ金属イオンが、比較的温度が低い側管部の外周面に設けられた導電部材に誘引され、ランプ点灯時に高温となる例えば発光管部およびその近傍においてアルカリ金属イオンが長時間の間滞留することが確実に防止されるので、バルブ11全体において石英ガラスが結晶化することが抑制される。
従って、バルブ11を構成する石英ガラスとして純度の高いものを用いる必要がなく、材料の選択の自由度を大きくすることができ、所期の機能を有する超高圧水銀ランプ装置10を有利に製造することができる。
【0045】
また、ランプ点灯時において、バルブ11内における水銀蒸気圧が例えば20Mpa以上という極めて高く、バルブ11の上部温度が1000℃近くにもなるような厳しい点灯条件が要求された場合であっても、バルブ11の失透による気密漏洩、バルブ11の破損が生ずることが確実に防止されるので、小型のプロジェクター装置における光源用ランプとして好適に使用することができる。
【0046】
以下に、以上のような超高圧水銀ランプ装置10を駆動させるために好適に用いられるランプ点灯装置について説明する。
【0047】
図5は、本発明の超高圧水銀ランプ点灯装置における回路の一構成例を示すブロック図、図6(a)〜(c)は、それぞれ、図5に示すランプ点灯装置の、 (a)ランプ電力WLと時間tとの関係を示す特性図、(b)発光管外表面温度Tと時間tとの関係を示す特性図、(c)導電部材電位Eと時間tとの関係を示す特性図を示す。
この超高圧水銀ランプ点灯装置は、上述した特定の超高圧水銀ランプ装置10と、ランプ点灯用電源60に接続されたランプ点灯用回路61と、このランプ点灯用回路61に接続されたバイアス電圧印加用回路62とを備えている。
【0048】
ランプ点灯用回路61は、例えば交流電源よりなるランプ点灯用電源60からの交流出力を直流出力に変換して、所定の大きさに制御された点灯電力を超高圧水銀ランプ装置10に供給すると共に当該直流出力から必要な大きさに分圧された電力をバイアス電源25に供給する機能を有する。
【0049】
バイアス電圧印加用回路62は、ランプ点灯用回路61に接続されたバイアス電源63と、超高圧水銀ランプ装置10における導電部材20に印加すべきバイアス電圧の大きさを制御するバイアス制御回路64とを備えており、バイアス制御回路64は、例えば、超高圧水銀ランプの発光管部12に近接して設けられた温度検知手段65によって検知される発光管部12の外表面の温度に基づいて導電部材20へのバイアス電圧印加を停止させる機能を有する。
【0050】
この超高圧水銀ランプ点灯装置においては、図6に示されているように、ランプ点灯用電源60が駆動されると(t0)、ランプ点灯用回路61により点灯電力が超高圧水銀ランプ装置10に供給されて超高圧水銀ランプが点灯されると共に所定の大きさに分圧された電力がバイアス電源63に供給されて、バイアス制御回路64により一定の大きさに制御されたバイアス電圧Eb0がバイアス電源63によって導電部材20に印加される(図6(c)参照。)。これにより、ランプ電力が時間経過と共に上昇して一定の大きさWL0で安定した点灯状態に至る(図6(a)参照。)。また、発光管部12の外表面の温度についても、時間経過と共に上昇して一定の大きさT0で安定した状態となる(図6(b)参照。)。
【0051】
また、超高圧水銀ランプを消灯させるに際しては、ランプ点灯用電源60を停止させて超高圧水銀ランプ装置10への点灯電力の供給を停止させた後においても、バイアス電圧を、所定時間の間、継続して導電部材20に印加し続けて、導電部材20が所定の電位状態に維持される、換言すれば、ランプ点灯用電源60の駆動停止時(t1)と時間差をもってバイアス電源63の駆動が停止される(t2)。
具体的には、例えば、温度検知手段65によって検知される発光管部12の外表面の温度が、設定された基準温度T1より低下したことが検知されたときに、バイアス制御回路64により停止信号がバイアス電源63に出力されて導電部材20へのバイアス電圧の印加が停止される。
基準温度T1は、例えば300℃に設定される。この理由は、例えばナトリウムイオンの移動度は、300℃以上で始まり、温度上昇と共に正の増加率で急激に大きくなる傾向にあり、上記温度に設定することによりアルカリ金属イオンの移動が抑制されて側管部13Bの表面側に蓄積されたアルカリ金属イオンがバルブ11の肉厚中に再び拡散することを確実に防止することができるからである。
【0052】
上記構成の超高圧水銀ランプ点灯装置によれば、超高圧水銀ランプの点灯時においては、適正な大きさに制御されたバイアス電圧がバイアス電源63により導電部材20に印加されて当該導電部材20の電位が陰極15の電位より低い電位状態に維持されるので、バルブ11を構成する石英ガラス中に不可避的に含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンが導電部材20に静電的に誘引されて、大気中に存在する陽イオン、石英ガラスに含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンと、石英ガラスとが反応して結晶化することが抑制される結果、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが確実に防止され、超高圧水銀ランプ装置10を長期にわたって安定した点灯状態で駆動させることができる。
【0053】
また、ランプ点灯用電源60が停止されて超高圧水銀ランプ装置10への点灯電力の供給が停止された後においても、バイアス電源63によって、導電部材20へのバイアス電圧の印加が、所定時間の間、継続して行われることにより、バルブ11の温度が所定温度以上の高温の状態のままであれば、バイアス電圧の印加を停止させることによって拡散されるアルカリ金属イオンが石英ガラスと反応して結晶化する、という問題が生ずることが確実に抑制され、その結果、ランプの気密漏洩、バルブ11の破損が生ずることが確実に防止され、超高圧水銀ランプ装置10を長期にわたって安定して点灯状態で駆動させることができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、導電部材は金属ワイヤーが巻回されてなるものに限定されず、例えばスリーブ状のものであってもよい。
また、側管部の表面の全周にわたって設けられている必要はないが、アルカリ金属イオンを高い効率で誘引するという観点から、側管部の表面の全周にわたって設けられていることが好ましい。
【0055】
また、上述した例のランプ点灯装置においては、温度検知手段によって検知される発光管部の外表面の温度に基づいて、導電部材へのバイアス電圧の印加が停止されるよう制御された構成とされているが、超高圧水銀ランプ装置の仕様および冷却条件などによっても異なるが、例えば、超高圧水銀ランプ装置への点灯電力の供給を停止させた時点からの経過時間に基づいて、導電部材へのバイアス電圧の印加が停止されるよう制御された構成とされていてもよい。この場合には、超高圧水銀ランプ装置への点灯電力の供給を停止させた時点から所定時間が経過した後、ランプ点灯用回路よりランプ消灯信号がバイアス電源に出力される。
【0056】
例えば、発光管部の最大外径が11.3mmの超高圧水銀ランプ(定格電力が200W)を備えた超高圧水銀ランプ装置を無風状態の環境(温度25℃)下にて単独で点灯させた場合(点灯時におけるバルブの最高温度が1150℃程度)において、点灯電力の供給を停止させた時点から、バルブの温度が300℃にまで低下するのに要する時間は約100秒程度である。
また、発光管部の最大外径が11.3mmの超高圧水銀ランプ(定格電力が200W)を備えた超高圧水銀ランプ装置をリフレクターに組み込み、例えば25℃の冷却風を15リットル/minの送風量で供給しながら点灯させた場合(点灯時におけるバルブの最高温度が960℃程度)において、点灯電力の供給を停止させた時点から、バルブの温度が300℃にまで低下するのに要する時間は約70秒程度である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置およびランプ点灯装置の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
<実施例1>
図3の構成に従い、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置を作製した。以下に、超高圧水銀ランプ装置の仕様と点灯条件を示す。
バルブ(11);材質:石英ガラス、発光管部の最大外径:9.4mm、側管部の外径:6mm、側管部の長さ:18mm、発光管部の内容積:75mm
陰極(14);材質:タングステン、
陽極(15);材質:タングステン、
電極間距離:1.3mm、
金属箔(17A、17B);材質:モリブデン、長さ11mm、幅1.5mm、厚み20μm、
封入物;水銀:0.25mg/mm、臭素ガス(ハロゲン化物):10−4μmol/mm
導電部材(20);鉄クロム合金からなる、線径が0.3mmのワイヤーをコイル状に巻回、長さ;8mm、配設位置;一端が内部リード棒と金属箔との接続個所に対応する位置より4mm内方側に位置される状態で配設、
導電部材(50);鉄クロム合金からなる、線径が0.3mmのワイヤーを1回巻回、
導電線(51);材質:鉄クロム合金、バルブとの最接近距離:1mm、
管壁負荷:1.5W/mm、定格電圧:79V、定格電力:150W
【0059】
このような超高圧水銀ランプ装置5個について、各々の超高圧水銀ランプ装置をリフレクタに組み込んで光照射装置を構成し、図5に示す構成を有するランプ点灯装置によって、以下のように制御して500時間連続して点灯し、下記に示す方法による照度測定を行い、ランプ点灯初期の光の照度を100%とした場合の時間経過に伴う照度維持率の変化を調べた。結果を図7に示す。
また、上記のような超高圧水銀ランプ装置10個について、超高圧水銀ランプの点灯開始から100時間経過した時点、および300時間経過した時点において超高圧水銀ランプを消灯させて、バルブの失透の発生有無、並びに、陰極側の気密シール部における箔浮きの発生有無を顕微鏡によって観察し、下記評価基準に基づいて評価を行った。バルブの失透についての評価結果を下記表1に、箔浮きについての評価結果を下記表2に示す。
【0060】
超高圧水銀ランプを点灯させるに際しては、超高圧水銀ランプへの点灯電力の供給の開始と同時に、導電部材へのバイアス電圧の印加を開始し、ランプ点灯時において、導電部材を陰極より10V低い電位状態とした。
また、超高圧水銀ランプを消灯させるに際しては、超高圧水銀ランプへの点灯電力の供給を停止した後、バルブの温度が300℃以下に低下したことが検知されたときに、導電部材へのバイアス電圧の印加を停止した。
【0061】
〔照度測定〕
照度測定は、リフレクタに組み込まれた超高圧水銀ランプ装置を所定の光学系にセットし、結像レンズを介してスクリーン上に、8120×6100mmの四角形に投影された像における任意に選ばれた9個所の照度を測定し、これらの平均照度を求めた。
【0062】
〔評価基準〕
(イ)バルブの失透;
バルブの失透については、バルブの失透が生じていない場合を「○」、バルブの失透が軽微に生じている場合を「△」、バルブの失透が顕著に生じている場合を「×」とした。
(ロ)箔浮き;
箔浮きについては、箔浮きが全く生じていない場合を「○」、箔浮きが軽微に生じている場合を「△」、箔浮きが顕著に生じている場合を「×」とした。
【0063】
<比較例1>
バイアス電源が具備されていないことの他は、実施例1において作製したものと同様の構成を有する比較用の超高圧水銀ランプ装置を作製した。
このような比較用の超高圧水銀ランプ装置5個について、図8に示す構成を有するランプ点灯装置によって、以下のように制御して500時間連続して点灯し、ランプ点灯時における照度測定を行うと共に、超高圧水銀ランプ装置10個について、超高圧水銀ランプの点灯開始から100時間経過した時点、および300時間経過した時点において超高圧水銀ランプを消灯させ、バルブの失透の発生有無、並びに、陰極側の気密シール部における箔浮きの発生有無を顕微鏡によって観察した。
照度測定の結果を図7に、バルブの失透についての評価結果を下記表1に、箔浮きについての評価結果を下記表2に、それぞれ、示す。
【0064】
超高圧水銀ランプを点灯させるに際しては、超高圧水銀ランプへの点灯電力の供給の開始と同時に、導電部材へのバイアス電圧の印加を開始し、ランプ点灯時において、導電部材を陰極と同一の電位状態とした。
また、超高圧水銀ランプを消灯させるに際しては、超高圧水銀ランプへの点灯電力の供給の停止と同時に、導電部材へのバイアス電圧の印加を停止した。
【0065】
【表1】
Figure 2005056599
【0066】
【表2】
Figure 2005056599
【0067】
以上の結果から明らかなように、本発明に係る超高圧水銀ランプ装置によれば、いずれのものも、バルブ全体にわたって失透現象が発生することが抑制され、長期にわたって高い照度を維持することができ、しかも、箔浮き現象に伴うランプの気密漏洩、およびバルブの破損が生ずることがなく、十分に高い信頼性が得られ、長い使用寿命を有することが確認された。
また、ランプ点灯初期において、アーク中心付近の分光スペクトルにナトリウム(Na)の発光、およびリチウム(Li)の発光が観測され、このナトリウム(Na)の発光およびリチウム(Li)の発光は時間経過と共に徐々に減少し、点灯後数十分間が経過すると観測されなくなった。この理由は、バルブを構成する石英ガラス中に不可避的に存在していた、ナトリウムやリチウムなどのアルカリ金属が放電空間内に取り込まれ、イオン化したアルカリ金属が導電部材に誘引されて放電空間を泳動し、側管部の表面側に移動したものと推察される。
一方、比較用の超高圧水銀ランプについては、いずれのものも、バルブの失透が時間経過に伴って顕著に生じるようになり、長期にわたって安定した点灯状態を維持することができず、しかも、気密シール部における箔浮き現象に起因してバルブが破損するものがあることが確認された。
【0068】
また、図4に示す構成に従って、交流点灯型の超高圧水銀ランプを備えた超高圧水銀ランプ装置を作製し、点灯電力の供給開始と同時に、バイアス電圧を導電部材に印加して電極の平均電位より低い電位状態に維持した状態としたことの他は実施例1と同様の点灯実験を行ったところ、バルブ全体にわたって失透現象が発生することが抑制され、長期にわたって高い照度を維持することができ、しかも、箔浮き現象に伴うランプの気密漏洩、およびバルブの破損が生ずることがなく、十分に高い信頼性が得られ、長い使用寿命を有することが確認された。
【0069】
【発明の効果】
本発明の超高圧水銀ランプ装置によれば、少なくとも一方の側管部の外周に導電部材が設けられ、超高圧水銀ランプの点灯時において、当該導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されることにより、基本的には、大気中に存在する陽イオンは当該導電部材に誘引されるので、当該陽イオンのバルブへの付着が抑制され、しかも、石英ガラスそれ自体に含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンは、最も電位の低い導電部材が位置される側管部の表面側に移動されて、バルブにおける高温となる個所のアルカリ金属のイオン濃度が低減されるので、実際上、アルカリ金属イオンと石英ガラスとが反応して結晶化することがなく、従って、バルブの失透が生ずることが確実に防止される。
しかも、陰極として動作する電極側の気密シール部においては、石英ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンが最も電位が低い側管部の表面側に移動されるので、石英ガラスと金属箔との結合が切断されることが抑制される結果、側管部を所期の耐圧強度を有する状態に長期にわたって維持することができ、従って、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが確実に防止され、石英ガラスが結晶化することが抑制される結果、高い照度維持率が得られると共に高い信頼性が得られ、超高圧水銀ランプ装置を長い使用寿命を有するものとして構成することができる。
【0070】
本発明の超高圧水銀ランプ点灯装置によれば、超高圧水銀ランプの点灯時においては、適正な大きさに制御された電圧が電圧印加手段により導電部材に印加されて当該導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されるので、大気中に存在する陽イオン、石英ガラスに含まれるアルカリ金属イオン、およびランプ点灯により電極が蒸発することにより発光管内に放出されるアルカリ金属イオンと、石英ガラスとが反応して結晶化することが抑制される結果、ランプの気密漏洩、バルブの破損が生ずることが確実に防止され、超高圧水銀ランプ装置を長期にわたって安定した点灯状態で駆動させることができる。
【0071】
また、超高圧水銀ランプ装置への点灯電力の供給が停止された後においても、導電部材への電圧印加が、所定時間の間、継続して行われることにより、バルブの温度が所定温度以上の高温の状態のままであれば、電圧の印加を停止させることによって拡散されるアルカリ金属イオンがバルブに付着して石英ガラスが結晶化する、という問題が生ずることが確実に抑制され、超高圧水銀ランプ装置を長期にわたって安定した点灯状態で駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超高圧水銀ランプ装置の一例における構成の概略を示す縦断断面図である。
【図2】本発明の超高圧水銀ランプ装置の他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
【図3】本発明の超高圧水銀ランプ装置の更に他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
【図4】本発明の超高圧水銀ランプ装置の更に他の例における構成の概略を示す縦断断面図である。
【図5】本発明の超高圧水銀ランプ点灯装置における回路の一構成例を示すブロック図である。
【図6】(a)図5に示すランプ点灯装置におけるランプ電力と時間との関係を示す特性図、(b)図5に示すランプ点灯装置における発光管外表面温度と時間との関係を示す特性図、(c)図5に示すランプ点灯装置における導電部材電位と時間との関係を示す特性図である。
【図7】ランプ点灯初期の光の照度を100%とした場合の、時間経過に伴う照度維持率の変化を示すグラフである。
【図8】実施例において用いた比較用の超高圧水銀ランプ装置の点灯装置の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 超高圧水銀ランプ装置
11 バルブ
12 発光管部
13A、13B 側管部
14 陽極
15 陰極
14A、15A 電極
16A、16B 内部リード棒
17A、17B 金属箔
18A、18B 外部リード棒
19A、19B 金属コイル
20 導電部材
20A 第2の導電部材
25 バイアス電源
26 マイナス側の配線
27 プラス側の配線
30 ランプ点灯用光源
30A ランプ点灯用光源
40 導電部材
40A 第1の導電部材
41 導電線
50 導電部材
51 導電線
60 ランプ点灯用電源
61 ランプ点灯用回路
62 バイアス電圧印加用回路
63 バイアス電源
64 バイアス制御回路
65 温度検知手段

Claims (6)

  1. 石英ガラスからなり、発光管部と当該発光管部の両端に連続する側管部とを有するバルブを備え、当該側管部の各々に金属箔が気密に埋設されて気密シール部が形成されており、当該発光管部内には、一対の電極が互いに対向して配置されると共に、ハロゲン化物、並びに、0.15mg/mm以上の水銀が封入されてなる超高圧水銀ランプと、当該超高圧水銀ランプにおける少なくとも一方の側管部の外周に設けられた導電部材と、当該導電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなり、
    超高圧水銀ランプの点灯時においては、導電部材の電位が陰極として動作する電極の電位より低い電位状態に維持されるよう制御された大きさの電圧が電圧印加手段によって導電部材に印加されることを特徴とする超高圧水銀ランプ装置。
  2. 超高圧水銀ランプは直流点灯型のものであり、
    導電部材が陰極側の側管部の外周に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の超高圧水銀ランプ装置。
  3. 導電部材がバルブにおける両方の側管部の外周に設けられており、
    一方の導電部材と他方の導電部材とが導電線によって互いに接続され、当該導電線が発光管部の表面に近接して配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超高圧水銀ランプ装置。
  4. 石英ガラスからなり、発光管部と当該発光管部の両端に連続する側管部とを有するバルブを備え、当該側管部の各々に金属箔が気密に埋設されて気密シール部が形成されており、当該発光管部内には、一対の電極が互いに対向して配置されると共に、ハロゲン化物、並びに、0.15mg/mm以上の水銀が封入されてなる交流点灯型の超高圧水銀ランプと、当該超高圧水銀ランプにおける両方の側管部の外周に設けられた導電部材と、当該導電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備してなり、
    超高圧水銀ランプの点灯時においては、各々の導電部材の電位が電極の平均電位より低い電位状態に維持されるよう制御された大きさの電圧が電圧印加手段によって導電部材に印加されることを特徴とする超高圧水銀ランプ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超高圧水銀ランプ装置と、超高圧水銀ランプを点灯させるためのランプ点灯用電源とを具備してなる超高圧水銀ランプ点灯装置であって、
    超高圧水銀ランプ点灯装置における電圧印加手段は、ランプ点灯用電源が駆動されるのと同時に、導電部材に対する電圧印加を開始することを特徴とする超高圧水銀ランプ点灯装置。
  6. 電圧印加手段は、ランプ点灯用電源が停止されて超高圧水銀ランプが消灯された後においても、導電部材に対する電圧印加を継続して行うことを特徴とする請求項5に記載の超高圧水銀ランプ点灯装置。
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