JP2005055523A - 加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱体とガイド部材を一体成型したフィルム方式の加熱装置において、立ち上げ時間を短縮する。
【解決手段】加熱体とガイド部材の接触面積を長方形や楕円形にする、或いは複数本のヒータを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱体とガイド部材の接触面積を長方形や楕円形にする、或いは複数本のヒータを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ加熱体と耐熱性フィルムとを相対移動させて加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与えるフィルム加熱方式の加熱装置に関する。
【0002】
また、該加熱装置を像加熱装置として備える画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
(従来例1)
上記のようなフィルム加熱方式の加熱装置は、例えば特開昭63−313182号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980号公報等に提案されており、複写機・レーザービームプリンター・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンター・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成るトナーを用いて画像支持体としての被記録材(エレクトロファックスシート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像(被定着像)を該画像を担持している被記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する画像加熱定置装置として活用できる。
【0004】
また、定着装置に限らず、例えば画像を担持した被記録材を加熱して表面性を改質する装置、仮定着する装置等、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0005】
フィルム加熱方式の加熱装置は、他に知られている熱ローラー方式・熱板方式・ベルト加熱方式・フラッシュ加熱方式・オープン加熱方式等の加熱装置ないしは画像加熱定着装置との対比において、▲1▼.加熱体として低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるため、省電力化・ウェイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能になり、また本機内昇温を抑えることができ、▲2▼.画像加熱定着装置にあっては定着点と分離点が別に設定できるためオフセットを防止できる、その他、他の方式装置の種々の欠点を解決できるなどの利点を有し、効果的なものである。
【0006】
図4の(a)はフィルム加熱方式の加熱装置の一例(像加熱装置)の横断面模型図、(b)は加熱体の途中部省略・一部切欠き平面模型図である。本例の装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示の所謂テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置であり、耐熱性フィルムとして円筒状のエンドレスフィルムを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧回転部材としての加圧ローラの回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
【0007】
10は後述する加熱体30を断熱支持するホルダーであり、横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材で、フィルム内面のガイド部材と装置の補強部材としてのステー(以下、ステーと記す)を兼ねている。
【0008】
加熱体30は横長の低熱容量の線状加熱体であり、上記ステー10の外側下面に長手に沿って設けた溝10aに嵌め込んで接着して固定支持させてある。
【0009】
2は加熱体30を含むステー10に外嵌させた円筒状の耐熱性フィルムである。この円筒状耐熱性フィルム2の内周長と、加熱体30を含むステー10の外周長は、フィルム2の方を例えば3mm程大きくしてあり、従ってフィルム2は加熱体30を含むステー10に対し周長が余裕をもってルーズに外嵌している。
【0010】
7はフィルムの寄り移動規制手段として、ステー10の左右両端部に配設したフィルム端部を受け止めるフランジ部材である。
【0011】
8は加熱体30との間にフィルム2を挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成し、且つフィルム2を回転駆動させる加圧回転体としての加圧ローラであり、金属軸8aと、シリコンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層8bよりなり、不図示の軸受手段・付勢手段により所定の押圧力をもってフィルム2を挟ませて加熱体30の表面に圧接させて配設してある。そして駆動手段Mにより不図示の動力伝達系を介して回転駆動力が伝達され矢示の反時計方向に回転駆動される。
【0012】
この加圧ローラ8の回転駆動による該ローラとフィルム外面との摩擦力でフィルム2に回転力が作用し(被記録材Pが圧接ニップ部Nに導入されたときは該被加熱材Pを介してフィルム2に回転力が間接的に作用)、該フィルム2が加熱体30の表面に圧接摺動しつつ矢示の時計方向aに回転駆動される。フィルム内面ガイド部材を兼ねるステー10はこのフィルム2の回転を容易にする。またフィルム2の内面と加熱体30の表面との摺動抵抗を低減するために両者の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を少量介在させるのがよい。
【0013】
ステー10はPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料などで構成できる。
【0014】
加熱体30は、耐熱性フィルム2もしくは被加熱材としての被記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・高熱伝導性のヒーター基板31、該基板の表面側の短手方向中央部に基板長手に沿って形成具備させた通電発熱抵抗体4、通電発熱抵抗体の長手両端部の給電用電極41・41、通電発熱抵抗体を形成した加熱体表面を保護させた耐熱性オーバーコート層5、基板裏面側に具備させた、加熱体温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子6等からなる全体に低熱容量の線状加熱体(セラミックヒータ)である。
【0015】
この加熱体30を通電発熱抵抗体4を形成具備させた表面側を下向きに露呈させて前記のように耐熱性・断熱性のステー10の下面に固定配設してある。
【0016】
ヒーター基板31は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等の厚み1mm・幅10mm・長さ240mmのセラミック等である。
【0017】
通電発熱抵抗体4は、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により、厚み約10μm、幅1〜3mmの線状もしくは細帯状に塗工して形成したものである。
【0018】
給電用電極41・41はAg等のスクリーン印刷パターン層である。
【0019】
オーバーコート層5は、例えば、約10μm厚の耐熱性ガラス層である。
【0020】
加熱体30は、通電発熱抵抗体4の両端部電極41・41に対する給電により該通電発熱抵抗体4が長手全長にわたって発熱することで速やかに昇温し、その昇温が温度検知素子6で検知されて不図示の制御系にフィードバックされて、像加熱時、この温度検知素子6の温度が所定の設定温度に維持されるように発熱抵抗体4への通電がコントロールされる。
【0021】
フィルム2は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐久性・可撓性のある単層、あるいは複合層フィルムを使用できる。例えば、PTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルム等である。
【0022】
而して、複写機等本機のコピーボタンの押下もしくはプリント命令信号に基づいて、あるいは不図示の作像プロセス手段部から該像加熱装置へ搬送された画像定着すべき未定着顕画像(トナー像)Tを支持した被記録材Pの先端が該装置の手前側に配設したセンサ(不図示)に検知されたときの信号に基づいて、加圧ローラ8の回転駆動が開始され、また加熱体30のヒートアップが開始される。
【0023】
加圧ローラ8の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化し、加熱体30の温度が所定に立ち上がった状態において、フィルム2を挟んで加熱体30と加圧ローラ8とで形成される定着ニップ部Nのフィルム2と加圧ローラ8との間に被加熱材としての画像定着すべき被記録材Pが導入されてフィルム2一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体30の熱がフィルム2を介して被記録材Pに付与され被記録材P上の未定着顕像Tが被記録材P面に加熱定着されるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
【0024】
本例のテンションレスタイプのフィルム加熱方式の装置は、フィルム回転駆動状態時に定着ニップ部Nと、この定着ニップ部Nよりもフィルム回転方向上流側のステー外面部分とフィルムとの接触部領域のフィルム部分のみにテンションが作用し、残余の大部分のフィルム部分にはテンションが作用しない。そのため、フィルム回転駆動状態時におけるフィルム2のステー長手に沿う寄り移動力が小さく、フィルムの寄り移動規制手段ないしはフィルム寄り制御手段を簡単化することができる。例えばフィルムの寄り移動規制手段としてはフィルム端部を受け止めるフランジ部材7のような簡単なものにすることができ、フィルム寄り制御手段は省略して装置のコストダウンや小型化を図ることができる。
【0025】
(従来例2)
特開平6−337602では、従来例1にあるような加熱体とフィルムガイド部材とを接着組立する手間を省くことを目的として、ガイド部材を例えばアルミナ、窒化アルミ、窒化ケイ素等の高耐久性を有するセラミックで形成し、該ガイド部材上に例えばAg/Pd等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により塗工して形成具備させ、さらに絶縁保護を目的として、該電気抵抗材料の上に耐久ガラス等のオーバーコート層を形成具備させてある。
【0026】
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−44076号公報
【特許文献5】
特開平4−44077号公報
【特許文献6】
特開平4−44078号公報
【特許文献7】
特開平4−44079号公報
【特許文献8】
特開平4−44080号公報
【特許文献9】
特開平4−44081号公報
【特許文献10】
特開平4−44082号公報
【特許文献11】
特開平4−44083号公報
【特許文献12】
特開平4−204980号公報
【特許文献13】
特開平4−204981号公報
【特許文献14】
特開平4−204982号公報
【特許文献15】
特開平4−204983号公報
【特許文献16】
特開平4−204984号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1においては、加熱体30と該加熱体30を支持するフィルムガイド部材兼用のステー10とが別部材となっていたため次のような欠点があった。
【0028】
(a)加熱体30とステー10の接着組立が必要なため、製造工程に手間がかかる。
(b)接着強度が足りず、加熱体30がステー10から剥れることがある。
【0029】
また、従来例2においては、フィルムガイド部材に複雑な工程を経て、電気抵抗材料やガラス等のオーバーコート層をスクリーン印刷するため、製造工程に手間がかかる。
【0030】
また、加熱体にニクロム線等の線状の発熱抵抗体を用い、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂のガイド部材と一体成型した場合には、温度立上げを速くするために電力を大きくすると、加熱体とガイド部材の境界面の温度が耐熱性樹脂の耐熱温度を超えてしまい、逆に電力を小さくすると温度立上げに非常に時間がかかるという問題が生ずる。
【0031】
本発明はフィルム加熱方式の加熱装置の上記のような問題点を解消することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0033】
(1)被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与える方式の加熱装置であり、耐熱樹脂からなる前記耐熱性フィルムのガイド部材を有し、前記加熱体と前記ガイド部材が一体化している加熱ガイド部材を有し、
前記加熱体は線状の発熱抵抗体であり、該発熱体はガイド部材の内部に配置されている加熱定着装置において、
前記加熱装置の加熱動作中に、前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるように前記加熱体を構成していることを特徴とする加熱装置。
【0034】
(2)前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体の横断面形状が略長方形または略楕円形であることを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0035】
(3)前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体を並列に複数本設けることを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0036】
(4)被加熱材に画像を形成する画像形成手段と、(1)乃至(3)の何れかに記載の像加熱装置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0037】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本実施例の加熱装置(像加熱装置)の横断面模型図である。前述図5の装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0038】
1は加熱体とフィルムガイド部材を一体化して構成した、それ自体が加熱体であり、フィルムガイド部材でもある加熱ガイド部材であり、装置の基材ともなる。以下これを定着ステーと記す。この定着ステー1は、ステー主体1Aと、このステー主体1Aに直接に形成具備させた通電発熱抵抗体5を基本構成体としている。
【0039】
ステー主体1Aは前述図5の装置のステー10と同様に横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材であり、フィルム2の内面ガイド部材、装置の補強部材として機能させると共に、加熱体として機能させるために、該ステー主体1AはPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂をその材料として用いて形成してある。
【0040】
通電発熱抵抗体5は、このステー主体1Aの内部に長手に沿って、例えばニクロム等の電気抵抗材料を内封して形成具備させたものである。
【0041】
本実施例においては、通電発熱抵抗体5を図のように横断面が長方形となるように構成してある。このように構成することで、通常のニクロム線のように横断面が円形あるいは正方形の場合に比べて、同一材料を用いて抵抗値が同じときの通電発熱抵抗体の表面積を増やすことが可能となる。このため、通電発熱抵抗体とステー主体の間の接触面積が増加して伝熱量が増加する。そして、通電発熱抵抗体とステー主体の界面温度をステー主体の耐熱温度より低い温度に維持しつつフィルム温度を急速に立上げることが可能となる。
【0042】
また、通電発熱抵抗体5を横断面が例えば楕円形となるように構成しても表面積を増やすことが可能であり、同様の効果が得られる。
【0043】
ステー1のフィルム摺動面にはその上にフィルム内面との摩擦を低減するためにPFA、PTFE等の低摩擦層をコート処理しても良い。
【0044】
上記の通電発熱抵抗体5の形成位置に対応するステー主体の定着ニップと反対の位置に温度検知素子6を配設してある。
【0045】
この定着ステー1に対して円筒状の耐熱性フィルム2をルーズに外嵌し、該定着ステー1の外側下面部分に対してフィルム2を挟ませて加圧ローラ8を圧接させて配設してある。この加圧ローラ8が回転駆動されることにより、フィルム2が定着ステー1の外側下面部分に対して圧接摺動しつつ矢示の時計方向aに回転駆動される。フィルム内面ガイド部材を兼ねるステー主体1Aがこのフィルム2の回転を容易にする。
【0046】
定着ステー1は、通電発熱抵抗体5の両端間に通電がなされることにより該抵抗体5が長手全体にわたって発熱し、その発熱でステー主体1Aも昇温して加熱体として機能する。
【0047】
温度検知素子6の検知温度が不図示の制御回路へフィードバックされて、像加熱時、温度検知素子6の検知温度が所定の設定温度に維持されるように通電発熱抵抗体5への通電がコントロールされる。
【0048】
而して、加圧ローラ8の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化し、加熱体としての定着ステー1の温度が所定に立ち上がった状態において、フィルム2を挟んで定着ステー1と加圧ローラ8とで形成される定着ニップ部Nのフィルム2と加圧ローラ8との間に被加熱材としての画像定着すべき被記録材Pが導入されてフィルム2と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体としての定着ステー1の熱がフィルム2を介して被記録材Pに与えられ、前記図5の装置の場合と同様に被記録材P上の未定着顕像Tが被記録材P面に加熱定着されるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
【0049】
上記のように発熱体をフィルムガイド部材に内封し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化した兼用構造体(加熱ガイド部材)1とすることにより、装置の部品点数を減らし、装置構成を簡略化でき、またガイド部材に複雑な発熱パターンをスクリーン印刷するといった工程をなくし、加熱体の製造を容易にすることが可能となり、更にフィルム温度を急速に立上げることが可能となる。
【0050】
(実施例2)
図2は第2の実施例における定着ステーの断面図である。
【0051】
本実施例においては、通電発熱抵抗体5を並列に複数本配置している点が実施例1と異なっている。
【0052】
この場合においても通電発熱抵抗体5が1本である場合に比べて、同一材料を用いて抵抗値が同じときの通電発熱抵抗体の表面積を増やすことが可能となり実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0053】
(実施例3)
図3は例えば前述した実施例1に示したような本発明に従うフィルム加熱方式の加熱装置としての像加熱装置Aを組み込んだ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本例の画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転写式・プロセスカートリッジ着脱方式の電子写真複写装置である。
【0054】
100は装置機筺、101はその装置機筺の上面板102上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往復動型の原稿載置台であり、機筺上面板101上を図面上右方a、左方a´に夫々所定の速度で往復移動駆動される。
【0055】
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして原稿載置台101の上面に所定の載置基準に従って載置し、その上に原稿圧着板103をかぶせて押え込むことによりセットされる。
【0056】
104は機筺上面板102面に原稿載置台101の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開口された原稿照明部としてのスリット開口部である。
【0057】
原稿載置台101上に載置セットした原稿Gの下向き画像面は原稿載置台101の右方aへの往動移動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開口部104の位置を通過していき、その通過過程でランプ105の光Lをスリット開口部104、透明な原稿載置台101を通して受けて照明走査され、その照明走査光の原稿面反射光が像素子アレイ106によって感光ドラム107面に結像露光される。
【0058】
感光ドラム107は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸108を中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動され、その回転過程で帯電器109により正極性又は負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受けることにより感光ドラム107面には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0059】
この静電潜像は現像器110により加熱で軟化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器111の配設部位へ移行していく。
【0060】
Sは被記録材としての転写材シートPを積載収納したカセットであり、該カセット内のシートが給送ローラ112の回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストローラ113により、ドラム107上のトナー画像形成部の先端が転写放電器111の部位に到達したとき転写材シートPの先端も転写放電器111と感光ドラム107との間位置に丁度到達して両者一致するようにタイミングどりされて同期給送される。
【0061】
そしてその給送シートの面に対して転写放電器111により感光ドラム107側のトナー画像が順次に転写されていく。
【0062】
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分離手段で感光ドラム107面から順次に分離されて搬送装置114によって前述の定着装置Aに導かれて担持している未定着トナー画像の加熱定着を受け、画像形成物(コピー)として排出ローラ116を通って機外の排紙トレイ117上に排出される。
【0063】
画像転写後の感光ドラム107の面はクリーニング装置118により転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
【0064】
PCは装置本体100内のカートリッジ着脱部120に着脱されるプロセスカートリッジであり、本例の場合は、像担持体としての感光ドラム107、帯電器109、現像器110、クリーニング装置118の4つのプロセス機器を包含させて一括して装置本体100に対して着脱交換自在としてある。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明に依れば、フィルム加熱方式の加熱装置について、発熱体をフィルムガイド部材に内封し製造し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化構造体としたから、両部材の接着組み立て工程がなく、また複雑な発熱体形成の工程もなく、製造が容易となるという効果を得ることができ所期の目的がよく達成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の加熱装置の断面図
【図2】実施例2の定着ステーの断面図
【図3】実施例3の画像形成装置の概略図
【図4】(a)フィルム加熱方式の加熱装置の従来例装置の断面図、(b)加熱体の途中部省略・一部切欠き平面図
【符号の説明】
A 像加熱装置(加熱装置)の総括符号
1 加熱ガイド部材
2 耐熱性フィルム
5 通電発熱体
6 温度検知素子
7 フィルム端部規制フランジ
8 加圧ローラ
10 ステー
30 加熱体
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ加熱体と耐熱性フィルムとを相対移動させて加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与えるフィルム加熱方式の加熱装置に関する。
【0002】
また、該加熱装置を像加熱装置として備える画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
(従来例1)
上記のようなフィルム加熱方式の加熱装置は、例えば特開昭63−313182号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980号公報等に提案されており、複写機・レーザービームプリンター・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンター・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成るトナーを用いて画像支持体としての被記録材(エレクトロファックスシート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像(被定着像)を該画像を担持している被記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する画像加熱定置装置として活用できる。
【0004】
また、定着装置に限らず、例えば画像を担持した被記録材を加熱して表面性を改質する装置、仮定着する装置等、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0005】
フィルム加熱方式の加熱装置は、他に知られている熱ローラー方式・熱板方式・ベルト加熱方式・フラッシュ加熱方式・オープン加熱方式等の加熱装置ないしは画像加熱定着装置との対比において、▲1▼.加熱体として低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるため、省電力化・ウェイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能になり、また本機内昇温を抑えることができ、▲2▼.画像加熱定着装置にあっては定着点と分離点が別に設定できるためオフセットを防止できる、その他、他の方式装置の種々の欠点を解決できるなどの利点を有し、効果的なものである。
【0006】
図4の(a)はフィルム加熱方式の加熱装置の一例(像加熱装置)の横断面模型図、(b)は加熱体の途中部省略・一部切欠き平面模型図である。本例の装置は特開平4−44075〜44083号公報、同4−204980〜204984号公報等に開示の所謂テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置であり、耐熱性フィルムとして円筒状のエンドレスフィルムを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧回転部材としての加圧ローラの回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
【0007】
10は後述する加熱体30を断熱支持するホルダーであり、横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材で、フィルム内面のガイド部材と装置の補強部材としてのステー(以下、ステーと記す)を兼ねている。
【0008】
加熱体30は横長の低熱容量の線状加熱体であり、上記ステー10の外側下面に長手に沿って設けた溝10aに嵌め込んで接着して固定支持させてある。
【0009】
2は加熱体30を含むステー10に外嵌させた円筒状の耐熱性フィルムである。この円筒状耐熱性フィルム2の内周長と、加熱体30を含むステー10の外周長は、フィルム2の方を例えば3mm程大きくしてあり、従ってフィルム2は加熱体30を含むステー10に対し周長が余裕をもってルーズに外嵌している。
【0010】
7はフィルムの寄り移動規制手段として、ステー10の左右両端部に配設したフィルム端部を受け止めるフランジ部材である。
【0011】
8は加熱体30との間にフィルム2を挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成し、且つフィルム2を回転駆動させる加圧回転体としての加圧ローラであり、金属軸8aと、シリコンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層8bよりなり、不図示の軸受手段・付勢手段により所定の押圧力をもってフィルム2を挟ませて加熱体30の表面に圧接させて配設してある。そして駆動手段Mにより不図示の動力伝達系を介して回転駆動力が伝達され矢示の反時計方向に回転駆動される。
【0012】
この加圧ローラ8の回転駆動による該ローラとフィルム外面との摩擦力でフィルム2に回転力が作用し(被記録材Pが圧接ニップ部Nに導入されたときは該被加熱材Pを介してフィルム2に回転力が間接的に作用)、該フィルム2が加熱体30の表面に圧接摺動しつつ矢示の時計方向aに回転駆動される。フィルム内面ガイド部材を兼ねるステー10はこのフィルム2の回転を容易にする。またフィルム2の内面と加熱体30の表面との摺動抵抗を低減するために両者の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を少量介在させるのがよい。
【0013】
ステー10はPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料などで構成できる。
【0014】
加熱体30は、耐熱性フィルム2もしくは被加熱材としての被記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・高熱伝導性のヒーター基板31、該基板の表面側の短手方向中央部に基板長手に沿って形成具備させた通電発熱抵抗体4、通電発熱抵抗体の長手両端部の給電用電極41・41、通電発熱抵抗体を形成した加熱体表面を保護させた耐熱性オーバーコート層5、基板裏面側に具備させた、加熱体温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子6等からなる全体に低熱容量の線状加熱体(セラミックヒータ)である。
【0015】
この加熱体30を通電発熱抵抗体4を形成具備させた表面側を下向きに露呈させて前記のように耐熱性・断熱性のステー10の下面に固定配設してある。
【0016】
ヒーター基板31は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等の厚み1mm・幅10mm・長さ240mmのセラミック等である。
【0017】
通電発熱抵抗体4は、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により、厚み約10μm、幅1〜3mmの線状もしくは細帯状に塗工して形成したものである。
【0018】
給電用電極41・41はAg等のスクリーン印刷パターン層である。
【0019】
オーバーコート層5は、例えば、約10μm厚の耐熱性ガラス層である。
【0020】
加熱体30は、通電発熱抵抗体4の両端部電極41・41に対する給電により該通電発熱抵抗体4が長手全長にわたって発熱することで速やかに昇温し、その昇温が温度検知素子6で検知されて不図示の制御系にフィードバックされて、像加熱時、この温度検知素子6の温度が所定の設定温度に維持されるように発熱抵抗体4への通電がコントロールされる。
【0021】
フィルム2は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐久性・可撓性のある単層、あるいは複合層フィルムを使用できる。例えば、PTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルム等である。
【0022】
而して、複写機等本機のコピーボタンの押下もしくはプリント命令信号に基づいて、あるいは不図示の作像プロセス手段部から該像加熱装置へ搬送された画像定着すべき未定着顕画像(トナー像)Tを支持した被記録材Pの先端が該装置の手前側に配設したセンサ(不図示)に検知されたときの信号に基づいて、加圧ローラ8の回転駆動が開始され、また加熱体30のヒートアップが開始される。
【0023】
加圧ローラ8の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化し、加熱体30の温度が所定に立ち上がった状態において、フィルム2を挟んで加熱体30と加圧ローラ8とで形成される定着ニップ部Nのフィルム2と加圧ローラ8との間に被加熱材としての画像定着すべき被記録材Pが導入されてフィルム2一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体30の熱がフィルム2を介して被記録材Pに付与され被記録材P上の未定着顕像Tが被記録材P面に加熱定着されるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
【0024】
本例のテンションレスタイプのフィルム加熱方式の装置は、フィルム回転駆動状態時に定着ニップ部Nと、この定着ニップ部Nよりもフィルム回転方向上流側のステー外面部分とフィルムとの接触部領域のフィルム部分のみにテンションが作用し、残余の大部分のフィルム部分にはテンションが作用しない。そのため、フィルム回転駆動状態時におけるフィルム2のステー長手に沿う寄り移動力が小さく、フィルムの寄り移動規制手段ないしはフィルム寄り制御手段を簡単化することができる。例えばフィルムの寄り移動規制手段としてはフィルム端部を受け止めるフランジ部材7のような簡単なものにすることができ、フィルム寄り制御手段は省略して装置のコストダウンや小型化を図ることができる。
【0025】
(従来例2)
特開平6−337602では、従来例1にあるような加熱体とフィルムガイド部材とを接着組立する手間を省くことを目的として、ガイド部材を例えばアルミナ、窒化アルミ、窒化ケイ素等の高耐久性を有するセラミックで形成し、該ガイド部材上に例えばAg/Pd等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により塗工して形成具備させ、さらに絶縁保護を目的として、該電気抵抗材料の上に耐久ガラス等のオーバーコート層を形成具備させてある。
【0026】
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−44076号公報
【特許文献5】
特開平4−44077号公報
【特許文献6】
特開平4−44078号公報
【特許文献7】
特開平4−44079号公報
【特許文献8】
特開平4−44080号公報
【特許文献9】
特開平4−44081号公報
【特許文献10】
特開平4−44082号公報
【特許文献11】
特開平4−44083号公報
【特許文献12】
特開平4−204980号公報
【特許文献13】
特開平4−204981号公報
【特許文献14】
特開平4−204982号公報
【特許文献15】
特開平4−204983号公報
【特許文献16】
特開平4−204984号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例1においては、加熱体30と該加熱体30を支持するフィルムガイド部材兼用のステー10とが別部材となっていたため次のような欠点があった。
【0028】
(a)加熱体30とステー10の接着組立が必要なため、製造工程に手間がかかる。
(b)接着強度が足りず、加熱体30がステー10から剥れることがある。
【0029】
また、従来例2においては、フィルムガイド部材に複雑な工程を経て、電気抵抗材料やガラス等のオーバーコート層をスクリーン印刷するため、製造工程に手間がかかる。
【0030】
また、加熱体にニクロム線等の線状の発熱抵抗体を用い、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂のガイド部材と一体成型した場合には、温度立上げを速くするために電力を大きくすると、加熱体とガイド部材の境界面の温度が耐熱性樹脂の耐熱温度を超えてしまい、逆に電力を小さくすると温度立上げに非常に時間がかかるという問題が生ずる。
【0031】
本発明はフィルム加熱方式の加熱装置の上記のような問題点を解消することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0033】
(1)被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与える方式の加熱装置であり、耐熱樹脂からなる前記耐熱性フィルムのガイド部材を有し、前記加熱体と前記ガイド部材が一体化している加熱ガイド部材を有し、
前記加熱体は線状の発熱抵抗体であり、該発熱体はガイド部材の内部に配置されている加熱定着装置において、
前記加熱装置の加熱動作中に、前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるように前記加熱体を構成していることを特徴とする加熱装置。
【0034】
(2)前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体の横断面形状が略長方形または略楕円形であることを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0035】
(3)前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体を並列に複数本設けることを特徴とする(1)記載の加熱装置。
【0036】
(4)被加熱材に画像を形成する画像形成手段と、(1)乃至(3)の何れかに記載の像加熱装置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0037】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本実施例の加熱装置(像加熱装置)の横断面模型図である。前述図5の装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0038】
1は加熱体とフィルムガイド部材を一体化して構成した、それ自体が加熱体であり、フィルムガイド部材でもある加熱ガイド部材であり、装置の基材ともなる。以下これを定着ステーと記す。この定着ステー1は、ステー主体1Aと、このステー主体1Aに直接に形成具備させた通電発熱抵抗体5を基本構成体としている。
【0039】
ステー主体1Aは前述図5の装置のステー10と同様に横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材であり、フィルム2の内面ガイド部材、装置の補強部材として機能させると共に、加熱体として機能させるために、該ステー主体1AはPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂をその材料として用いて形成してある。
【0040】
通電発熱抵抗体5は、このステー主体1Aの内部に長手に沿って、例えばニクロム等の電気抵抗材料を内封して形成具備させたものである。
【0041】
本実施例においては、通電発熱抵抗体5を図のように横断面が長方形となるように構成してある。このように構成することで、通常のニクロム線のように横断面が円形あるいは正方形の場合に比べて、同一材料を用いて抵抗値が同じときの通電発熱抵抗体の表面積を増やすことが可能となる。このため、通電発熱抵抗体とステー主体の間の接触面積が増加して伝熱量が増加する。そして、通電発熱抵抗体とステー主体の界面温度をステー主体の耐熱温度より低い温度に維持しつつフィルム温度を急速に立上げることが可能となる。
【0042】
また、通電発熱抵抗体5を横断面が例えば楕円形となるように構成しても表面積を増やすことが可能であり、同様の効果が得られる。
【0043】
ステー1のフィルム摺動面にはその上にフィルム内面との摩擦を低減するためにPFA、PTFE等の低摩擦層をコート処理しても良い。
【0044】
上記の通電発熱抵抗体5の形成位置に対応するステー主体の定着ニップと反対の位置に温度検知素子6を配設してある。
【0045】
この定着ステー1に対して円筒状の耐熱性フィルム2をルーズに外嵌し、該定着ステー1の外側下面部分に対してフィルム2を挟ませて加圧ローラ8を圧接させて配設してある。この加圧ローラ8が回転駆動されることにより、フィルム2が定着ステー1の外側下面部分に対して圧接摺動しつつ矢示の時計方向aに回転駆動される。フィルム内面ガイド部材を兼ねるステー主体1Aがこのフィルム2の回転を容易にする。
【0046】
定着ステー1は、通電発熱抵抗体5の両端間に通電がなされることにより該抵抗体5が長手全体にわたって発熱し、その発熱でステー主体1Aも昇温して加熱体として機能する。
【0047】
温度検知素子6の検知温度が不図示の制御回路へフィードバックされて、像加熱時、温度検知素子6の検知温度が所定の設定温度に維持されるように通電発熱抵抗体5への通電がコントロールされる。
【0048】
而して、加圧ローラ8の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化し、加熱体としての定着ステー1の温度が所定に立ち上がった状態において、フィルム2を挟んで定着ステー1と加圧ローラ8とで形成される定着ニップ部Nのフィルム2と加圧ローラ8との間に被加熱材としての画像定着すべき被記録材Pが導入されてフィルム2と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体としての定着ステー1の熱がフィルム2を介して被記録材Pに与えられ、前記図5の装置の場合と同様に被記録材P上の未定着顕像Tが被記録材P面に加熱定着されるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
【0049】
上記のように発熱体をフィルムガイド部材に内封し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化した兼用構造体(加熱ガイド部材)1とすることにより、装置の部品点数を減らし、装置構成を簡略化でき、またガイド部材に複雑な発熱パターンをスクリーン印刷するといった工程をなくし、加熱体の製造を容易にすることが可能となり、更にフィルム温度を急速に立上げることが可能となる。
【0050】
(実施例2)
図2は第2の実施例における定着ステーの断面図である。
【0051】
本実施例においては、通電発熱抵抗体5を並列に複数本配置している点が実施例1と異なっている。
【0052】
この場合においても通電発熱抵抗体5が1本である場合に比べて、同一材料を用いて抵抗値が同じときの通電発熱抵抗体の表面積を増やすことが可能となり実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
【0053】
(実施例3)
図3は例えば前述した実施例1に示したような本発明に従うフィルム加熱方式の加熱装置としての像加熱装置Aを組み込んだ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本例の画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転写式・プロセスカートリッジ着脱方式の電子写真複写装置である。
【0054】
100は装置機筺、101はその装置機筺の上面板102上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往復動型の原稿載置台であり、機筺上面板101上を図面上右方a、左方a´に夫々所定の速度で往復移動駆動される。
【0055】
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして原稿載置台101の上面に所定の載置基準に従って載置し、その上に原稿圧着板103をかぶせて押え込むことによりセットされる。
【0056】
104は機筺上面板102面に原稿載置台101の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開口された原稿照明部としてのスリット開口部である。
【0057】
原稿載置台101上に載置セットした原稿Gの下向き画像面は原稿載置台101の右方aへの往動移動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開口部104の位置を通過していき、その通過過程でランプ105の光Lをスリット開口部104、透明な原稿載置台101を通して受けて照明走査され、その照明走査光の原稿面反射光が像素子アレイ106によって感光ドラム107面に結像露光される。
【0058】
感光ドラム107は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸108を中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動され、その回転過程で帯電器109により正極性又は負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受けることにより感光ドラム107面には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0059】
この静電潜像は現像器110により加熱で軟化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器111の配設部位へ移行していく。
【0060】
Sは被記録材としての転写材シートPを積載収納したカセットであり、該カセット内のシートが給送ローラ112の回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストローラ113により、ドラム107上のトナー画像形成部の先端が転写放電器111の部位に到達したとき転写材シートPの先端も転写放電器111と感光ドラム107との間位置に丁度到達して両者一致するようにタイミングどりされて同期給送される。
【0061】
そしてその給送シートの面に対して転写放電器111により感光ドラム107側のトナー画像が順次に転写されていく。
【0062】
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分離手段で感光ドラム107面から順次に分離されて搬送装置114によって前述の定着装置Aに導かれて担持している未定着トナー画像の加熱定着を受け、画像形成物(コピー)として排出ローラ116を通って機外の排紙トレイ117上に排出される。
【0063】
画像転写後の感光ドラム107の面はクリーニング装置118により転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
【0064】
PCは装置本体100内のカートリッジ着脱部120に着脱されるプロセスカートリッジであり、本例の場合は、像担持体としての感光ドラム107、帯電器109、現像器110、クリーニング装置118の4つのプロセス機器を包含させて一括して装置本体100に対して着脱交換自在としてある。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明に依れば、フィルム加熱方式の加熱装置について、発熱体をフィルムガイド部材に内封し製造し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化構造体としたから、両部材の接着組み立て工程がなく、また複雑な発熱体形成の工程もなく、製造が容易となるという効果を得ることができ所期の目的がよく達成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の加熱装置の断面図
【図2】実施例2の定着ステーの断面図
【図3】実施例3の画像形成装置の概略図
【図4】(a)フィルム加熱方式の加熱装置の従来例装置の断面図、(b)加熱体の途中部省略・一部切欠き平面図
【符号の説明】
A 像加熱装置(加熱装置)の総括符号
1 加熱ガイド部材
2 耐熱性フィルム
5 通電発熱体
6 温度検知素子
7 フィルム端部規制フランジ
8 加圧ローラ
10 ステー
30 加熱体
Claims (4)
- 被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与える方式の加熱装置であり、耐熱樹脂からなる前記耐熱性フィルムのガイド部材を有し、前記加熱体と前記ガイド部材が一体化している加熱ガイド部材を有し、
前記加熱体は線状の発熱抵抗体であり、該発熱体はガイド部材の内部に配置されている加熱定着装置において、
前記加熱装置の加熱動作中に、前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるように前記加熱体を構成していることを特徴とする加熱装置。 - 前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体の横断面形状が略長方形または略楕円形であることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
- 前記加熱体と前記ガイド部材の境界面の温度が前記耐熱樹脂の耐熱温度以下となるような前記加熱体の構成が、前記加熱体を並列に複数本設けることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
- 被加熱材に画像を形成する画像形成手段と、請求項1乃至3の何れかに記載の像加熱装置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
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-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003206280A patent/JP2005055523A/ja not_active Withdrawn
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WO2007138912A1 (ja) | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Canon Kabushiki Kaisha | トナー |
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