JP2005055219A - マイクロプレートリーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロプレートリーダにおいて、種々のマイクロプレートに対応した測定を可能とするとともに、より短い測定時間を実現する。
【解決手段】マイクロプレートリーダ(100)において、光源部(2)が出力する光からフィルタ(4a)が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部(5)が導光し、その光をラインジェネレータレンズ(7)がマイクロプレート(11)のウエル(11a)が配列される所定の方向に拡散するとともに、その拡散した光を、シリンドリカルレンズ(8)がマイクロプレートへ向けるように角度調整する。そして、試料室(1)に配置されるマイクロプレートの複数のウエルを透過した光を検出部(10)が検出することにより、ウエルに収容される試料の測定を行う構成にした。
【選択図】 図1
【解決手段】マイクロプレートリーダ(100)において、光源部(2)が出力する光からフィルタ(4a)が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部(5)が導光し、その光をラインジェネレータレンズ(7)がマイクロプレート(11)のウエル(11a)が配列される所定の方向に拡散するとともに、その拡散した光を、シリンドリカルレンズ(8)がマイクロプレートへ向けるように角度調整する。そして、試料室(1)に配置されるマイクロプレートの複数のウエルを透過した光を検出部(10)が検出することにより、ウエルに収容される試料の測定を行う構成にした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検物質と試薬との反応の観測を行うマイクロプレートリーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生化学的試薬、免疫学的試薬、細菌学的試薬などの試薬による臨床検査の分野等で、被検物質と試薬との反応の観測を光吸収(吸光)、光散乱、蛍光、発光等によって行う分析装置として、測定にマイクロプレートを用いるマイクロプレートリーダが知られている。
このようなマイクロプレートリーダとしては、図7に示されるように、光源部12が出力する光を複数のライトガイド15・・・が導光して、マイクロプレート11にマトリックス(行列)状に形成された複数のウエル11a(試料(被検物質や試薬)を入れるくぼみ)の一列分に対応するように照射し、そのウエル11a部分を通過した光を検出部50(例えば、フォトダイオードアレイ)の複数の受光部50a・・・で検出し、所定の測定を行うマイクロプレートリーダ500が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このマイクロプレートリーダ500は、一列分のウエル11aの検出、測定を行うことを繰り返し、全てのウエル11aの検出、測定を行うようになっている。
【0003】
また、マイクロプレートリーダとしては、図8に示されるように、光源部12が出力する光を1本のライトガイド15が導光して、マイクロプレート11のウエル11aに対応するように照射し、そのウエル11a部分を通過した光を検出部60の受光部60aで検出する。そして、図示しないマイクロプレート移動機構部がマイクロプレート11を行方向と列方向の2軸方向ににそれぞれ移動させて、各ウエル11aにおける検出、測定を行うマイクロプレートリーダ600が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−249650号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、マイクロプレートリーダ500におけるライトガイド15・・・の数に対応したウエル11aを有するマイクロプレート11でないと、所定の検出、測定を行うことができないので、使用するマイクロプレート11は限定されてしまう問題があった。
【0006】
また、マイクロプレートリーダ600の場合、一対のライトガイド15と受光部60aの間を、マイクロプレート11をマイクロプレート移動機構部(図示省略)が行方向と列方向の2軸方向にそれぞれ移動させることにより、ウエル11aの数が異なるような種々のマイクロプレート11に対応することは可能となるが、ウエル11aを1つ1つ検出するため、マイクロプレート1つ当りの測定時間が長くなる問題があった。
【0007】
本発明の課題は、種々のマイクロプレートに対応した測定を可能とするとともに、より短い測定時間を実現するマイクロプレートリーダを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、マイクロプレートリーダ(例えば、マクロプレートリーダ100)において、試料が収容される複数の収容凹部(例えば、ウエル11a)を有する試料容器(例えば、マイクロプレート11)が配置される試料室(1)と、所定の光を出力する光源部(2)と、光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部(例えば、フィルタホイール4、フィルタ4a)と、波長選択部により取り出された光を導光する導光部(5)と、導光部により導光された光を、試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に拡散する光拡散光学部(例えば、ラインジェネレータレンズ7)と、光拡散光学部が拡散した光を、試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部(例えば、シリンドリカルレンズ8)と、角度調整光学部により試料容器へ向けられ、試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部(10)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力する光から波長選択部が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部が導光する。そして、導光部が導光した光を光拡散光学部が試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に拡散するとともに、その拡散した光を、角度調整光学部が試料容器へ向けるように角度調整する。そして、試料室に配置される試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出部が検出することにより、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
つまり、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に拡散し、その拡散した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎まとめて検出することができる。そして、まとめて検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のマイクロプレートリーダにおいて、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズ(7)であることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズであるので、所定の入射位置から入射された光を、所定の出射位置から所定の一方向に広げるように拡散し、より広く所定の対象物(例えば、試料容器に配列された収容凹部の1列分)に光を好適に照射することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、マイクロプレートリーダ(例えば、マクロプレートリーダ200)において、試料が収容される複数の収容凹部(例えば、ウエル11a)を有する試料容器(例えば、マイクロプレート11)が配置される試料室(1)と、所定の光を出力する光源部(2)と、光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部(例えば、フィルタホイール4、フィルタ4a)と、波長選択部により取り出された光を導光する導光部(5)と、導光部により導光された光を反射する光反射部(例えば、揺動ミラー71)と、光反射部を揺動し、光反射部が反射する光を、試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に走査する揺動部(72)と、光反射部が反射して揺動部が走査する光を、試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部(例えば、fθレンズ8a)と、角度調整光学部により試料容器へ向けられ、試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部(10)と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載に発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力する光から波長選択部が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部が導光する。そして、導光部が導光した光を光反射部が反射するとともに、揺動部が光反射部を揺動して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に走査し、その走査される光を、角度調整光学部が試料容器へ向けるように角度調整する。そして、試料室に配置される試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出部が検出することにより、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
つまり、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に走査し、その走査した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎順次検出することができる。そして、順次検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて順次検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のマイクロプレートリーダにおいて、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することができる。
つまり、揺動部が揺動する光反射部の角度と、その光反射部の角度に対応して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部を透過するタイミングを同期させることにより、検出部は、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光を特定し、選択的に検出することができる。よって、試料容器の収容凹部に収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
また、光反射部の角度と、検出部が光を検出するタイミングを同期させることで、光反射部が反射する光が試料容器の複数の収容凹部を透過した光のみを検出部が特定して検出することができるので、それら光を検出部の同一箇所において検出して、それら光を区別して特定することができる。それにより、検出部を小型化することができ、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のマイクロプレートリーダにおいて、試料容器を透過した光を収束させる光収束光学部を備え、光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、マイクロプレートリーダに備えられた光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することとなるので、試料容器を透過した光を検出する検出部を小型化することができる。そして、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図であり、図2は、同マイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【0019】
図1、図2に示されるように、マイクロプレートリーダ100は、試料が収容される複数の収容凹部としてのウエル11aを有する試料容器としてのマイクロプレート11が配置される試料室1と、所定の近紫外から近赤外の領域の光を出力する光源部2と、光源部2が出力した光を集光する第1集光レンズ3と、第1集光レンズ3が集光した光のうち特定波長の光のみを通過させる複数のフィルタ4aが備えられる波長選択部としてのフィルタホイール4と、フィルタ4aを通過した光を導光する導光部5と、導光部5により導光された光を集光する第2集光レンズ6と、第2集光レンズ6により集光された光を所定の1方向に広げるように拡散する光拡散光学部としてのラインジェネレータレンズ7と、ラインジェネレータレンズ7が拡散した光をマイクロプレート11に垂直に向かうように光の角度を調整する角度調整光学部としてのシリンドリカルレンズ8と、マイクロプレート11を透過した光を収束させる光収束光学部としての収束レンズ9と、収束レンズ9が収束させた光を検出する検出部10と、各種データ等の表示を行う表示部21と、各種データ等の入力を行う入力部22と、上記各部の動作制御を行う制御部20等を有している。
【0020】
試料室1は、被検物質や試薬などが混合された試料が収容される複数のウエル11aが形成された光透過性を有するマイクロプレート11が配置される空間を有する収容部である。
試料室1には、図示しないプレート移動機構部が備えられており、そのプレート移動機構部は、試料室1に配置されたマイクロプレート11を所定の方向に移動させるようになっている。プレート移動機構部(図示省略)は、例えば、マイクロプレート11にマトリックス状に形成された複数のウエル11aが配列される列毎に、後述するラインジェネレータレンズ7が放出するライン光が照射されるように、その配列される列に垂直な方向(行方向)に、その列の間隔(ピッチ)に応じてマイクロプレート11を移動させる。
【0021】
なお、マイクロプレートリーダ100において使用されるマイクロプレート11には、様々な種類、タイプのものがある。それらマイクロプレート11の外形形状(大きさ)は何れも同じサイズであるが、各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、間隔(ピッチ)等が異なる。例えば、一般的なマイクロプレート11であると、8(行)×12(列)の96個のウエル11aが形成されており、より多くの試料の測定を行うタイプ(より少ない量の試料の測定を行うタイプ)であると、16(行)×24(列)の384個のウエル11aが形成されたものがある。
そして、試料や測定条件毎に応じて、適正なタイプのマイクロプレート11が使用される。
【0022】
光源部2は、近紫外から近赤外の領域の光を出力する発光部であり、例えば、水素放電管、重水素放電管、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等により構成される。
【0023】
第1集光レンズ3は、光源部2が出力した光をフィルタ4aに向け集光する凸レンズである。
【0024】
フィルタホイール4は、複数のフィルタ4aを備えており、各フィルタ4aはそれぞれ異なる特定波長の光のみを選択的に通過させるものである。
フィルタホイール4は、図示しないホイール駆動部により、ホイール軸4bを中心に回動されることにより、第1集光レンズ3が集光した光の光路に配置されるフィルタ4aを切り替えることができる。
例えば、DNA測定を行う場合であれば、260nm又は280nmの波長の光を透過させるフィルタ4aを光路に配置し、蛋白測定を行う場合であれば、230nm又は280nmの波長の光を透過させるフィルタ4aを光路に配置するように切り替える。
【0025】
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を導光して任意の方向に放出可能な部材であり、例えば、紫外線を透す石英ガラスや、メタクリル樹脂の材料により構成されている。
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を試料室1(第2集光レンズ6やラインジェネレータレンズ7側)側へ導光する。
【0026】
第2集光レンズ6は、導光部5により導光された光をラインジェネレータレンズ7の入射部7aに向け集光する凸レンズである。
【0027】
ラインジェネレータレンズ7は、所定の入射部7aから入射された光を、所定の1方向に広げるように拡散して、所定の出射部7bから放出するレンズである。
ラインジェネレータレンズ7は、例えば、入射部7aから入射されたスポット光を出射部7bから放出する際に、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される方向に引き伸ばしたライン光に変換する。
なお、出射部7bから放出されるライン光の長手方向に垂直な幅は、ウエル11aの内径より小さくされている。それにより、シリンドリカルレンズ8を介してマイクロプレート11に照射されるライン光が、配列される1列分の複数のウエル11aの内側に照射されるようになっている。そして、ライン光を照射する対象の列のウエル11a以外のウエルには、そのライン光が照射されないようになっている。
【0028】
シリンドリカルレンズ8は、ラインジェネレータレンズ7の出射部7bから放出されるライン光が、出射部7bからの距離に比例して広がることを抑えるとともに、ライン光がマイクロプレート11に垂直に向かうように、光の角度を調整するレンズである。
シリンドリカルレンズ8は、例えば、出射部7bから放出されて所定の方向に広がり拡散するライン光の長手方向の長さが、マイクロプレート11の幅とほぼ同じ長さとなってマイクロプレート11に垂直に向かうように調整する。そして、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に、そのライン光が照射されるようになっている。
【0029】
収束レンズ9は、シリンドリカルレンズ8から放出され、マイクロプレート11において配列された1列分の複数のウエル11aを透過したライン光を収束させるレンズである。
収束レンズ9は、例えば、マイクロプレート11を透過したライン光の長手方向の長さが短くなるように変換する。
【0030】
検出部10は、収束レンズ9が収束させたライン光を受光部10aで受光し、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を含むライン光を検出する。
検出部10は、例えば、複数の受光素子が並んだCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサにより構成されており、検出部10は、受光部10aが受光したライン光に関する信号を、制御部20に出力する。
なお、検出部10は、収束レンズ9が収束させてその長さが短くなったライン光を受光し検出するので、そのサイズをマイクロプレート11の幅より小さな幅のサイズの検出部10を用いることができる。それに伴い、マイクロプレートリーダ100を小型化することができる。
【0031】
表示部21は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されており、検出部10が検出した光の検出データや、後述する制御部20が算出した試料の成分の定量値や、試料の濃度に関する測定データ等を表示する。
【0032】
入力部22は、例えば、キーボードやマウス、或いは表示部21におけるタッチパネルなどにより構成されており、マイクロプレートリーダにおける検出、測定動作を行うための指示の入力や、設定値等の入力が行われる。
【0033】
制御部20は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを備えている。
制御部20のCPUは、制御部20のROMに格納されたマイクロプレートリーダ用の制御プログラムに従って、各種の制御動作を実行する。
【0034】
制御部20のROMには、マイクロプレートリーダ100を制御するための制御プログラムや制御データが書き込まれ、格納されている。
この制御データとしては、例えば、各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、間隔(ピッチ)等に関するデータが格納されている。
また、制御データとして、例えば、検出部10の受光部10aが受光するライン光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光の部分の位置情報に関するデータが格納されている。また、検出部10の受光部10aが受光するライン光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を検出するため、そのライン光の所定部分(ウエル11aを透過した光の部分)に対応した受光部10aの部分(位置)に関するデータが格納されている。
また、制御データとして、例えば、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11に収容された試料に対する測定の種類(例えば、DNA測定や蛋白測定)に応じて使用するフィルタ4aに関するデータ(例えば、フィルタホイール4における各フィルタ4aの位置情報や、各フィルタ4aが選択的に透過させる特定波長情報)が格納されている。
【0035】
制御部20のRAMには、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、制御部20のCPUが上記制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0036】
制御部20は、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11(のウエル11a部分)に対する測定動作に応じて光源部2に光を出力させる制御を行う。
また、制御部20は、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした測定条件(例えば、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11に収容された試料に対する測定の種類)に応じて、所定のフィルタ4aを光路に配置するようにフィルタホイール4を回動させる制御を行う。
【0037】
また、制御部20は、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした、マイクロプレート11のタイプに関する情報(ウエル11aの数、位置等に関する情報)と、ライン光の所定の部分の位置情報またはライン光が照射される検出部10の受光部10aにおける所定の部分の位置情報に基づき、検出部10が検出したライン光のうち、どの部分の光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する制御を行う。
また、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光に関する信号に基づき、ウエル11aに収容される試料中の所定の測定成分の含有量や濃度を所定の算出式により算出する制御を行う。
【0038】
次に、本第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダ100の動作について説明する。
マイクロプレートリーダ100において、各ウエル11a毎に様々な試料(被検物質と試薬)が収容されたマイクロプレート11が試料室1に配置され、それら試料の検出、測定を行うために、入力部22を介して、マイクロプレート11のタイプの情報や、試料の検出、測定動作の指示が入力されると、制御部20は、ホイール駆動部(図示省略)を駆動して、フィルタホイール4をフィルタホイールのホイール軸4bを中心に回動させ、その測定に応じたフィルタ4aが所定の光路に配置されるように切り替える。
次いで、制御部20は、光源部2に光を出力させる。
【0039】
光源部2から出力された光は、第1集光レンズ3を介してフィルタ4aを通過することにより、特定波長の光のみが導光部5により導光される。
導光部5により導光された光は、第2集光レンズ6を介して、ラインジェネレータレンズ7の入射部7aから入射される。そして、その光はラインジェネレータレンズ7の出射部7bから、試料室1に配置されたマイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に引き伸ばされたライン光として放出される。
【0040】
ラインジェネレータレンズ7の出射部7bから放出されたライン光は、シリンドリカルレンズ8を介して、マイクロプレート11に垂直に向かうように、その方向、角度が調整される。そして、そのライン光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に照射される。
この際、ウエル11a内に収容された試料部分に光(ライン光)が照射され、試料部分を透過した光には、試料の状態(例えば、発色、変色、懸濁状態など)が反映され、その光は試料を測定した測定光として、マイクロプレート11に照射される前の光と、その性状(例えば、明度、輝度)が異なった光となる。
そして、マイクロプレート11を透過したライン光は、収束レンズ9により収束されるように、検出部10の受光部10aに到達して検出される。
検出部10は、その検出した光(ライン光)に関する信号を制御部20に出力する。
そして、プレート移動機構部(図示省略)が、マイクロプレート11に形成されたウエル11aの1列分(1ピッチ分)マイクロプレート11を移動させ、次の列のウエル11aに対してライン光を照射するように、検出、測定動作を繰り返す。
【0041】
次いで、制御部20は、検出部10が検出したライン光のうち、どの部分の光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する。
そして、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11aに収容された試料を透過した光に関する信号に基づき、所定の算出式により、試料中の測定成分の含有量や濃度を算出する。また、制御部20は、その算出したデータに基づき、試料の状態の判断を行ってもよい。例えば、制御部20は、試料中の測定成分の含有量は適正範囲内であるので合格、また、試料中の測定成分の含有量は適正範囲外であるので不合格などとの判断を行う。
【0042】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダ100によれば、光源部2が出力した光をラインジェネレータレンズ7により、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列方向に引き伸ばしたライン光に変換するとともに、そのライン光を1列分のウエル11aにまとめて照射し、1列分の各ウエル11aにおける各試料にまとめて照射された測定光の検出を行うことができる。そして、検出部10により検出された測定光のうち、マイクロプレート11のウエル11a部分に対応した位置を透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0043】
つまり、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aにおける各試料に関する測定光を列毎にまとめて検出するとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプに応じたウエル11aの位置等に関する情報に基づき、マイクロプレート11のウエル11a部分のみを透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0044】
よって、マイクロプレート11におけるウエル11aを列毎にまとめた測定を行うことにより、測定時間の短縮を図ることができるとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(ウエル11aの位置情報)のデータに基づき、列毎にまとめられて測定されたウエル11aに対応する個々の測定データを作成することができるので、様々なマイクロプレート11に対応した検出、測定を行うことができる。
【0045】
なお、図1に示されるように、上記第1の実施の形態においては、マイクロプレート11を透過したライン光が、収束レンズ9により収束され、焦点を過ぎて再拡散し出した状態で、検出部10の受光部10aに到達して検出されるようにしたが、本発明はこれに限定されず、図3に示されるように、マイクロプレート11を透過したライン光が、収束レンズ9により収束されて、焦点に至る前に検出部10の受光部10aに到達して検出されるようにしてもよい。
【0046】
また、検出部10は、受光部10aが受光したライン光のうち、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどしたライン光の所定部分の光を選択的に検出することにより、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を選択的に検出するようになっていてもよい。
【0047】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明にかかるマイクロプレートリーダの第2の実施の形態を、図4から図6に基づき説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0048】
図4、図5に示されるように、マイクロプレートリーダ200は、試料が収容される複数の収容凹部としてのウエル11aを有する試料容器としてのマイクロプレート11が配置される試料室1と、所定の近紫外から近赤外の領域の光を出力する光源部2と、光源部2が出力した光を集光する第1集光レンズ3と、第1集光レンズ3が集光した光のうち特定波長の光のみを通過させる複数のフィルタ4aが備えられる波長選択部としてのフィルタホイール4と、フィルタ4aを通過した光を導光する導光部5と、導光部5により導光された光を集光する第2集光レンズ6と、第2集光レンズ6により集光された光を反射する光反射部としての揺動ミラー71と、揺動ミラー71を揺動して揺動ミラー71が反射する光を所定の1直線に沿って移動するように走査する揺動部72と、揺動ミラー71が反射した光をマイクロプレート11に垂直に向かうように光の角度を調整する角度調整光学部としてのfθレンズ8aと、マイクロプレート11を透過した光を収束させる光収束光学部としてのfθレンズ9aと、fθレンズ9aが収束させた光を検出する検出部10と、各種データ等の表示を行う表示部21と、各種データ等の入力を行う入力部22と、上記各部の動作制御を行う制御部20等を有している。
【0049】
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を第2集光レンズ6や揺動ミラー71側へ導光する。
【0050】
第2集光レンズ6は、導光部5により導光された光を揺動ミラー71の反射面に向け集光する凸レンズである。
【0051】
揺動ミラー71は、第2集光レンズ6により集光された光を、揺動ミラー71の反射面によりfθレンズ8a側に反射する。
揺動ミラー71は、後述する揺動部72により揺動され、反射面により反射する光を、所定の1直線に沿って移動させる。具体的には、揺動ミラー71は反射面により反射する反射光を、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に沿って移動させる。そして、その反射光は、fθレンズ8aに入射される。
【0052】
揺動部72は、例えば、サーボモータにより構成されており、揺動部72の揺動軸72aを回動させることにより、揺動軸72aに固定された揺動ミラー71を揺動させる。そして、揺動ミラー71が反射する光を所定の1直線(マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向)に沿って移動するように走査する。
【0053】
fθレンズ8aは、揺動ミラー71により反射される光がマイクロプレート11に垂直に向かうように、光の角度を調整するレンズである。
そして、fθレンズ8aを通過した光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査するように照射し、その光が各ウエル11aを照射されるようになっている。
【0054】
fθレンズ9aは、fθレンズ8aから放出され、マイクロプレート11において配列された1列分の複数のウエル11aを透過した光を検出部10に向け、所定の方向に収束させるレンズである。
【0055】
検出部10は、fθレンズ9aを介してマイクロプレート11の各ウエル11aを透過した光を受光部10aで受光し、検出する。
検出部10は、例えば、複数の受光素子が並んだCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサにより構成されており、検出部10は、受光部10aが受光した光に関する信号を、制御部20に出力する。
なお、検出部10は、fθレンズ9aが収束させた光を受光し検出するので、そのサイズをマイクロプレート11の幅より小さな幅のサイズの検出部10を用いることができる。それに伴い、マイクロプレートリーダ200を小型化することができる。
【0056】
制御部20は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを備えている。
制御部20のROMには、マイクロプレートリーダ200を制御するための制御プログラムや制御データが書き込まれ、格納されている。
この制御データとしては、例えば、検出部10の受光部10aが受光する光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を検出するため、そのウエル11aを透過した光に対応した受光部10aの部分(位置)に関するデータが格納されている。
【0057】
制御部20は、マイクロプレートリーダ200において、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした、マイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光が照射される検出部10の受光部10aにおける所定の部分の位置情報に基づき、検出部10が検出した光のうち、どの光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する制御を行う。
また、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光に関する信号に基づき、ウエル11aに収容される試料中の所定の測定成分の含有量や濃度を所定の算出式により算出する制御を行う。
【0058】
次に、本第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダ200の動作について説明する。
マイクロプレートリーダ200において、各ウエル11a毎に様々な試料(被検物質と試薬)が収容されたマイクロプレート11が試料室1に配置され、それら試料の検出、測定を行うために、入力部22を介して、マイクロプレート11のタイプの情報や、試料の検出、測定動作の指示が入力されると、制御部20は、ホイール駆動部(図示省略)を駆動して、フィルタホイール4をフィルタホイールのホイール軸4bを中心に回動させ、その測定に応じたフィルタ4aが所定の光路に配置されるように切り替える。
次いで、制御部20は、光源部2に光を出力させる。
【0059】
光源部2から出力された光は、第1集光レンズ3を介してフィルタ4aを通過することにより、特定波長の光のみが導光部5により導光される。
導光部5により導光された光は、第2集光レンズ6を介して、揺動ミラー71に照射される。そして、揺動部72により揺動される揺動ミラー71により反射された光は、試料室1に配置されたマイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に沿って、走査されるように移動される。
【0060】
揺動部72により揺動される揺動ミラー71により反射されて走査される光は、fθレンズ8aを介して、マイクロプレート11に垂直に向かうように、その方向、角度が調整される。そして、その光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に照射され、順次各ウエル11aを照射する。
この際、ウエル11a内に収容された試料部分に光が照射され、試料部分を透過した光には、試料の状態(例えば、発色、変色、懸濁状態など)が反映され、その光は試料を測定した測定光として、マイクロプレート11に照射される前の光と、その性状(例えば、明度、輝度)が異なった光となる。
そして、マイクロプレート11を透過した光は、fθレンズ9aにより収束されるように、検出部10の受光部10aに到達して検出される。
検出部10は、その検出した光に関する信号を制御部20に出力する。
そして、プレート移動機構部(図示省略)が、マイクロプレート11に形成されたウエル11aの1列分(1ピッチ分)マイクロプレート11を移動させ、次の列のウエル11aに対して光を照射するように、検出、測定動作を繰り返す。
【0061】
次いで、制御部20は、検出部10が検出した光のうち、どの光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する。
そして、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11aに収容された試料を透過した光に関する信号に基づき、所定の算出式により、試料中の測定成分の含有量や濃度を算出する。また、制御部20は、その算出したデータに基づき、試料の状態の判断を行ってもよい。例えば、制御部20は、試料中の測定成分の含有量は適正範囲内であるので合格、また、試料中の測定成分の含有量は適正範囲外であるので不合格などとの判断を行う。
【0062】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダ200によれば、光源部2が出力した光を揺動ミラー71と揺動部72により、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列方向に走査するように、揺動ミラー71が反射した光を1列分のウエル11aに順次照射し、1列分の各ウエル11aにおける各試料に順次照射された測定光の検出を行うことができる。そして、検出部10により検出された測定光のうち、マイクロプレート11のウエル11a部分に対応した位置を透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0063】
つまり、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aにおける各試料に関する測定光を列毎に続けざまに検出するとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプに応じたウエル11aの位置等に関する情報に基づき、マイクロプレート11のウエル11a部分のみを透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0064】
よって、マイクロプレート11におけるウエル11aを列毎にまとめた測定を行うことにより、測定時間の短縮を図ることができるとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(ウエル11aの位置情報)のデータに基づき、列毎にまとめられて測定されたウエル11aに対応する個々の測定データを作成することができるので、様々なマイクロプレート11に対応した検出、測定を行うことができる。
【0065】
また、上記第2の実施の形態のように、揺動ミラー71と揺動部72により、揺動ミラー71が反射する反射光を、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査するように照射し、マイクロプレート11を透過したその光を検出部10により検出する場合、マイクロプレート11に形成されたウエル11a部分を透過した光のみ、検出部10により検出することができる。
【0066】
この場合、制御部20のROMには、制御データとして、例えば、揺動部72が揺動する揺動ミラー71の角度と、その揺動ミラー71の角度に対応して揺動ミラー71が反射する光がマイクロプレート11のウエル11aを透過し、検出部10の受光部10aに到達するタイミングを特定するためのデータが格納されている。
そして、制御部20は、揺動部72が揺動する揺動ミラー71の角度と同期して、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を特定して、検出部10において検出する制御を行う。
【0067】
このような制御を行うマイクロプレートリーダ200であれば、光源部2から出力された光のうち、揺動ミラー71により反射され、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光が検出部10の受光部10aに到達するタイミングを特定することができるので、そのタイミングに受光部10aが受光した光(測定光)のみを検出部10が検出することにより、揺動ミラー71の角度と同期してウエル11aを透過した光のみを検出することができる。
よって、ウエル11aに収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
【0068】
特に、このような制御を行うマイクロプレートリーダ200の場合、揺動ミラー71が反射して照射し、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査した光の全てを検出部10で検出する必要はない。つまり、マイクロプレート11に形成されたウエル11aを透過した光のみを特定して検出すればよいので、例えば、図6に示されるように、より小型の検出部30を、fθレンズ9aが光を収束させる焦点付近に配置し、その受光部30aによりウエル11aを透過した光のみを検出することにより、所望する試料の測定を行うことができる。なお、検出部30(受光部30a)は、単一の受光素子であり、好ましくはフォトダイオードがあげられる。
そして、小型化した検出部30により、マイクロプレートリーダ200自体を小型化することができる。
【0069】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダによれば、種々のマイクロプレート11において、マイクロプレート11に形成されたウエル11aを、ウエル11aが配列される1列毎にまとめて検出し、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、ピッチ等の位置情報)に応じて、そのウエル11aに対応した部分の検出データ(光の検出データ)に基づき、ウエル11aに収容された試料の測定を行うことができる。
よって、本発明にかかるマイクロプレートリーダによれば、種々のマイクロプレートに対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0070】
なお、以上の実施の形態においては、光源部2が出力する光は、近紫外から近赤外の領域の光としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の波長領域の光であってもよい。つまり、光源部2は、マイクロプレートリーダにおける測定を行う際に必要な波長領域の光を出力することができればよく、測定対象物(試料)が決まっている専用機(マイクロプレートリーダ)であれば、試料の検出、測定に必要な特定波長の光を出力することができればよい。
【0071】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に拡散し、その拡散した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎まとめて検出することができる。そして、まとめて検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズであるので、所定の入射位置から入射された光を、所定の出射位置から所定の一方向に広げるように拡散し、より広く所定の対象物(例えば、試料容器に配列された収容凹部の1列分)に光を好適に照射することができる。
【0074】
請求項3記載に発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に走査し、その走査した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎順次検出することができる。そして、順次検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて順次検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することができる。
つまり、揺動部が揺動する光反射部の角度と、その光反射部の角度に対応して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部を透過するタイミングを同期させることにより、検出部は、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光を特定し、選択的に検出することができる。よって、試料容器の収容凹部に収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
また、光反射部の角度と、検出部が光を検出するタイミングを同期させることで、光反射部が反射する光が試料容器の複数の収容凹部を透過した光のみを検出部が特定して検出することができるので、それら光を検出部の同一箇所において検出して、それら光を区別して特定することができる。それにより、検出部を小型化することができ、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0076】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、マイクロプレートリーダに備えられた光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することとなるので、試料容器を透過した光を検出する検出部を小型化することができる。そして、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図2】本発明にかかる第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【図3】マイクロプレートリーダにおける検出部の配置位置の変形例を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図5】本発明にかかる第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの検出部の変形例を示す説明図である。
【図7】従来のマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図8】従来のマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 試料室
2 光源部
3 第1集光レンズ
4 フィルタホイール(波長選択部)
4a フィルタ(波長選択部)
4b ホイール軸
5 導光部
6 第2集光レンズ
7 ラインジェネレータレンズ(光拡散光学部)
7a 入射部
7b 出射部
8 シリンドリカルレンズ(角度調整光学部)
8a fθレンズ(角度調整光学部)
9 収束レンズ(光収束光学部)
9a fθレンズ(光収束光学部)
10 検出部
10a 受光部
11 マイクロプレート(試料容器)
11a ウエル(収容凹部)
20 制御部
21 表示部
22 入力部
71 揺動ミラー(光反射部)
72 揺動部
72a 揺動軸
100、200 マイクロプレートリーダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検物質と試薬との反応の観測を行うマイクロプレートリーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生化学的試薬、免疫学的試薬、細菌学的試薬などの試薬による臨床検査の分野等で、被検物質と試薬との反応の観測を光吸収(吸光)、光散乱、蛍光、発光等によって行う分析装置として、測定にマイクロプレートを用いるマイクロプレートリーダが知られている。
このようなマイクロプレートリーダとしては、図7に示されるように、光源部12が出力する光を複数のライトガイド15・・・が導光して、マイクロプレート11にマトリックス(行列)状に形成された複数のウエル11a(試料(被検物質や試薬)を入れるくぼみ)の一列分に対応するように照射し、そのウエル11a部分を通過した光を検出部50(例えば、フォトダイオードアレイ)の複数の受光部50a・・・で検出し、所定の測定を行うマイクロプレートリーダ500が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このマイクロプレートリーダ500は、一列分のウエル11aの検出、測定を行うことを繰り返し、全てのウエル11aの検出、測定を行うようになっている。
【0003】
また、マイクロプレートリーダとしては、図8に示されるように、光源部12が出力する光を1本のライトガイド15が導光して、マイクロプレート11のウエル11aに対応するように照射し、そのウエル11a部分を通過した光を検出部60の受光部60aで検出する。そして、図示しないマイクロプレート移動機構部がマイクロプレート11を行方向と列方向の2軸方向ににそれぞれ移動させて、各ウエル11aにおける検出、測定を行うマイクロプレートリーダ600が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−249650号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、マイクロプレートリーダ500におけるライトガイド15・・・の数に対応したウエル11aを有するマイクロプレート11でないと、所定の検出、測定を行うことができないので、使用するマイクロプレート11は限定されてしまう問題があった。
【0006】
また、マイクロプレートリーダ600の場合、一対のライトガイド15と受光部60aの間を、マイクロプレート11をマイクロプレート移動機構部(図示省略)が行方向と列方向の2軸方向にそれぞれ移動させることにより、ウエル11aの数が異なるような種々のマイクロプレート11に対応することは可能となるが、ウエル11aを1つ1つ検出するため、マイクロプレート1つ当りの測定時間が長くなる問題があった。
【0007】
本発明の課題は、種々のマイクロプレートに対応した測定を可能とするとともに、より短い測定時間を実現するマイクロプレートリーダを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、マイクロプレートリーダ(例えば、マクロプレートリーダ100)において、試料が収容される複数の収容凹部(例えば、ウエル11a)を有する試料容器(例えば、マイクロプレート11)が配置される試料室(1)と、所定の光を出力する光源部(2)と、光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部(例えば、フィルタホイール4、フィルタ4a)と、波長選択部により取り出された光を導光する導光部(5)と、導光部により導光された光を、試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に拡散する光拡散光学部(例えば、ラインジェネレータレンズ7)と、光拡散光学部が拡散した光を、試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部(例えば、シリンドリカルレンズ8)と、角度調整光学部により試料容器へ向けられ、試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部(10)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力する光から波長選択部が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部が導光する。そして、導光部が導光した光を光拡散光学部が試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に拡散するとともに、その拡散した光を、角度調整光学部が試料容器へ向けるように角度調整する。そして、試料室に配置される試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出部が検出することにより、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
つまり、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に拡散し、その拡散した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎まとめて検出することができる。そして、まとめて検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のマイクロプレートリーダにおいて、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズ(7)であることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズであるので、所定の入射位置から入射された光を、所定の出射位置から所定の一方向に広げるように拡散し、より広く所定の対象物(例えば、試料容器に配列された収容凹部の1列分)に光を好適に照射することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、マイクロプレートリーダ(例えば、マクロプレートリーダ200)において、試料が収容される複数の収容凹部(例えば、ウエル11a)を有する試料容器(例えば、マイクロプレート11)が配置される試料室(1)と、所定の光を出力する光源部(2)と、光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部(例えば、フィルタホイール4、フィルタ4a)と、波長選択部により取り出された光を導光する導光部(5)と、導光部により導光された光を反射する光反射部(例えば、揺動ミラー71)と、光反射部を揺動し、光反射部が反射する光を、試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に走査する揺動部(72)と、光反射部が反射して揺動部が走査する光を、試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部(例えば、fθレンズ8a)と、角度調整光学部により試料容器へ向けられ、試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部(10)と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載に発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力する光から波長選択部が特定波長の光を選択的に取り出し、その特定波長の光を導光部が導光する。そして、導光部が導光した光を光反射部が反射するとともに、揺動部が光反射部を揺動して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部が配列される所定の方向に走査し、その走査される光を、角度調整光学部が試料容器へ向けるように角度調整する。そして、試料室に配置される試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出部が検出することにより、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
つまり、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に走査し、その走査した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎順次検出することができる。そして、順次検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて順次検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のマイクロプレートリーダにおいて、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することができる。
つまり、揺動部が揺動する光反射部の角度と、その光反射部の角度に対応して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部を透過するタイミングを同期させることにより、検出部は、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光を特定し、選択的に検出することができる。よって、試料容器の収容凹部に収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
また、光反射部の角度と、検出部が光を検出するタイミングを同期させることで、光反射部が反射する光が試料容器の複数の収容凹部を透過した光のみを検出部が特定して検出することができるので、それら光を検出部の同一箇所において検出して、それら光を区別して特定することができる。それにより、検出部を小型化することができ、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のマイクロプレートリーダにおいて、試料容器を透過した光を収束させる光収束光学部を備え、光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、マイクロプレートリーダに備えられた光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することとなるので、試料容器を透過した光を検出する検出部を小型化することができる。そして、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図であり、図2は、同マイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【0019】
図1、図2に示されるように、マイクロプレートリーダ100は、試料が収容される複数の収容凹部としてのウエル11aを有する試料容器としてのマイクロプレート11が配置される試料室1と、所定の近紫外から近赤外の領域の光を出力する光源部2と、光源部2が出力した光を集光する第1集光レンズ3と、第1集光レンズ3が集光した光のうち特定波長の光のみを通過させる複数のフィルタ4aが備えられる波長選択部としてのフィルタホイール4と、フィルタ4aを通過した光を導光する導光部5と、導光部5により導光された光を集光する第2集光レンズ6と、第2集光レンズ6により集光された光を所定の1方向に広げるように拡散する光拡散光学部としてのラインジェネレータレンズ7と、ラインジェネレータレンズ7が拡散した光をマイクロプレート11に垂直に向かうように光の角度を調整する角度調整光学部としてのシリンドリカルレンズ8と、マイクロプレート11を透過した光を収束させる光収束光学部としての収束レンズ9と、収束レンズ9が収束させた光を検出する検出部10と、各種データ等の表示を行う表示部21と、各種データ等の入力を行う入力部22と、上記各部の動作制御を行う制御部20等を有している。
【0020】
試料室1は、被検物質や試薬などが混合された試料が収容される複数のウエル11aが形成された光透過性を有するマイクロプレート11が配置される空間を有する収容部である。
試料室1には、図示しないプレート移動機構部が備えられており、そのプレート移動機構部は、試料室1に配置されたマイクロプレート11を所定の方向に移動させるようになっている。プレート移動機構部(図示省略)は、例えば、マイクロプレート11にマトリックス状に形成された複数のウエル11aが配列される列毎に、後述するラインジェネレータレンズ7が放出するライン光が照射されるように、その配列される列に垂直な方向(行方向)に、その列の間隔(ピッチ)に応じてマイクロプレート11を移動させる。
【0021】
なお、マイクロプレートリーダ100において使用されるマイクロプレート11には、様々な種類、タイプのものがある。それらマイクロプレート11の外形形状(大きさ)は何れも同じサイズであるが、各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、間隔(ピッチ)等が異なる。例えば、一般的なマイクロプレート11であると、8(行)×12(列)の96個のウエル11aが形成されており、より多くの試料の測定を行うタイプ(より少ない量の試料の測定を行うタイプ)であると、16(行)×24(列)の384個のウエル11aが形成されたものがある。
そして、試料や測定条件毎に応じて、適正なタイプのマイクロプレート11が使用される。
【0022】
光源部2は、近紫外から近赤外の領域の光を出力する発光部であり、例えば、水素放電管、重水素放電管、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等により構成される。
【0023】
第1集光レンズ3は、光源部2が出力した光をフィルタ4aに向け集光する凸レンズである。
【0024】
フィルタホイール4は、複数のフィルタ4aを備えており、各フィルタ4aはそれぞれ異なる特定波長の光のみを選択的に通過させるものである。
フィルタホイール4は、図示しないホイール駆動部により、ホイール軸4bを中心に回動されることにより、第1集光レンズ3が集光した光の光路に配置されるフィルタ4aを切り替えることができる。
例えば、DNA測定を行う場合であれば、260nm又は280nmの波長の光を透過させるフィルタ4aを光路に配置し、蛋白測定を行う場合であれば、230nm又は280nmの波長の光を透過させるフィルタ4aを光路に配置するように切り替える。
【0025】
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を導光して任意の方向に放出可能な部材であり、例えば、紫外線を透す石英ガラスや、メタクリル樹脂の材料により構成されている。
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を試料室1(第2集光レンズ6やラインジェネレータレンズ7側)側へ導光する。
【0026】
第2集光レンズ6は、導光部5により導光された光をラインジェネレータレンズ7の入射部7aに向け集光する凸レンズである。
【0027】
ラインジェネレータレンズ7は、所定の入射部7aから入射された光を、所定の1方向に広げるように拡散して、所定の出射部7bから放出するレンズである。
ラインジェネレータレンズ7は、例えば、入射部7aから入射されたスポット光を出射部7bから放出する際に、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される方向に引き伸ばしたライン光に変換する。
なお、出射部7bから放出されるライン光の長手方向に垂直な幅は、ウエル11aの内径より小さくされている。それにより、シリンドリカルレンズ8を介してマイクロプレート11に照射されるライン光が、配列される1列分の複数のウエル11aの内側に照射されるようになっている。そして、ライン光を照射する対象の列のウエル11a以外のウエルには、そのライン光が照射されないようになっている。
【0028】
シリンドリカルレンズ8は、ラインジェネレータレンズ7の出射部7bから放出されるライン光が、出射部7bからの距離に比例して広がることを抑えるとともに、ライン光がマイクロプレート11に垂直に向かうように、光の角度を調整するレンズである。
シリンドリカルレンズ8は、例えば、出射部7bから放出されて所定の方向に広がり拡散するライン光の長手方向の長さが、マイクロプレート11の幅とほぼ同じ長さとなってマイクロプレート11に垂直に向かうように調整する。そして、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に、そのライン光が照射されるようになっている。
【0029】
収束レンズ9は、シリンドリカルレンズ8から放出され、マイクロプレート11において配列された1列分の複数のウエル11aを透過したライン光を収束させるレンズである。
収束レンズ9は、例えば、マイクロプレート11を透過したライン光の長手方向の長さが短くなるように変換する。
【0030】
検出部10は、収束レンズ9が収束させたライン光を受光部10aで受光し、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を含むライン光を検出する。
検出部10は、例えば、複数の受光素子が並んだCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサにより構成されており、検出部10は、受光部10aが受光したライン光に関する信号を、制御部20に出力する。
なお、検出部10は、収束レンズ9が収束させてその長さが短くなったライン光を受光し検出するので、そのサイズをマイクロプレート11の幅より小さな幅のサイズの検出部10を用いることができる。それに伴い、マイクロプレートリーダ100を小型化することができる。
【0031】
表示部21は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されており、検出部10が検出した光の検出データや、後述する制御部20が算出した試料の成分の定量値や、試料の濃度に関する測定データ等を表示する。
【0032】
入力部22は、例えば、キーボードやマウス、或いは表示部21におけるタッチパネルなどにより構成されており、マイクロプレートリーダにおける検出、測定動作を行うための指示の入力や、設定値等の入力が行われる。
【0033】
制御部20は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを備えている。
制御部20のCPUは、制御部20のROMに格納されたマイクロプレートリーダ用の制御プログラムに従って、各種の制御動作を実行する。
【0034】
制御部20のROMには、マイクロプレートリーダ100を制御するための制御プログラムや制御データが書き込まれ、格納されている。
この制御データとしては、例えば、各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、間隔(ピッチ)等に関するデータが格納されている。
また、制御データとして、例えば、検出部10の受光部10aが受光するライン光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光の部分の位置情報に関するデータが格納されている。また、検出部10の受光部10aが受光するライン光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を検出するため、そのライン光の所定部分(ウエル11aを透過した光の部分)に対応した受光部10aの部分(位置)に関するデータが格納されている。
また、制御データとして、例えば、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11に収容された試料に対する測定の種類(例えば、DNA測定や蛋白測定)に応じて使用するフィルタ4aに関するデータ(例えば、フィルタホイール4における各フィルタ4aの位置情報や、各フィルタ4aが選択的に透過させる特定波長情報)が格納されている。
【0035】
制御部20のRAMには、種々のワークメモリやカウンタなどが設けられており、制御部20のCPUが上記制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
【0036】
制御部20は、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11(のウエル11a部分)に対する測定動作に応じて光源部2に光を出力させる制御を行う。
また、制御部20は、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした測定条件(例えば、マイクロプレートリーダ100におけるマイクロプレート11に収容された試料に対する測定の種類)に応じて、所定のフィルタ4aを光路に配置するようにフィルタホイール4を回動させる制御を行う。
【0037】
また、制御部20は、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした、マイクロプレート11のタイプに関する情報(ウエル11aの数、位置等に関する情報)と、ライン光の所定の部分の位置情報またはライン光が照射される検出部10の受光部10aにおける所定の部分の位置情報に基づき、検出部10が検出したライン光のうち、どの部分の光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する制御を行う。
また、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光に関する信号に基づき、ウエル11aに収容される試料中の所定の測定成分の含有量や濃度を所定の算出式により算出する制御を行う。
【0038】
次に、本第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダ100の動作について説明する。
マイクロプレートリーダ100において、各ウエル11a毎に様々な試料(被検物質と試薬)が収容されたマイクロプレート11が試料室1に配置され、それら試料の検出、測定を行うために、入力部22を介して、マイクロプレート11のタイプの情報や、試料の検出、測定動作の指示が入力されると、制御部20は、ホイール駆動部(図示省略)を駆動して、フィルタホイール4をフィルタホイールのホイール軸4bを中心に回動させ、その測定に応じたフィルタ4aが所定の光路に配置されるように切り替える。
次いで、制御部20は、光源部2に光を出力させる。
【0039】
光源部2から出力された光は、第1集光レンズ3を介してフィルタ4aを通過することにより、特定波長の光のみが導光部5により導光される。
導光部5により導光された光は、第2集光レンズ6を介して、ラインジェネレータレンズ7の入射部7aから入射される。そして、その光はラインジェネレータレンズ7の出射部7bから、試料室1に配置されたマイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に引き伸ばされたライン光として放出される。
【0040】
ラインジェネレータレンズ7の出射部7bから放出されたライン光は、シリンドリカルレンズ8を介して、マイクロプレート11に垂直に向かうように、その方向、角度が調整される。そして、そのライン光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に照射される。
この際、ウエル11a内に収容された試料部分に光(ライン光)が照射され、試料部分を透過した光には、試料の状態(例えば、発色、変色、懸濁状態など)が反映され、その光は試料を測定した測定光として、マイクロプレート11に照射される前の光と、その性状(例えば、明度、輝度)が異なった光となる。
そして、マイクロプレート11を透過したライン光は、収束レンズ9により収束されるように、検出部10の受光部10aに到達して検出される。
検出部10は、その検出した光(ライン光)に関する信号を制御部20に出力する。
そして、プレート移動機構部(図示省略)が、マイクロプレート11に形成されたウエル11aの1列分(1ピッチ分)マイクロプレート11を移動させ、次の列のウエル11aに対してライン光を照射するように、検出、測定動作を繰り返す。
【0041】
次いで、制御部20は、検出部10が検出したライン光のうち、どの部分の光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する。
そして、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11aに収容された試料を透過した光に関する信号に基づき、所定の算出式により、試料中の測定成分の含有量や濃度を算出する。また、制御部20は、その算出したデータに基づき、試料の状態の判断を行ってもよい。例えば、制御部20は、試料中の測定成分の含有量は適正範囲内であるので合格、また、試料中の測定成分の含有量は適正範囲外であるので不合格などとの判断を行う。
【0042】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダ100によれば、光源部2が出力した光をラインジェネレータレンズ7により、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列方向に引き伸ばしたライン光に変換するとともに、そのライン光を1列分のウエル11aにまとめて照射し、1列分の各ウエル11aにおける各試料にまとめて照射された測定光の検出を行うことができる。そして、検出部10により検出された測定光のうち、マイクロプレート11のウエル11a部分に対応した位置を透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0043】
つまり、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aにおける各試料に関する測定光を列毎にまとめて検出するとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプに応じたウエル11aの位置等に関する情報に基づき、マイクロプレート11のウエル11a部分のみを透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0044】
よって、マイクロプレート11におけるウエル11aを列毎にまとめた測定を行うことにより、測定時間の短縮を図ることができるとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(ウエル11aの位置情報)のデータに基づき、列毎にまとめられて測定されたウエル11aに対応する個々の測定データを作成することができるので、様々なマイクロプレート11に対応した検出、測定を行うことができる。
【0045】
なお、図1に示されるように、上記第1の実施の形態においては、マイクロプレート11を透過したライン光が、収束レンズ9により収束され、焦点を過ぎて再拡散し出した状態で、検出部10の受光部10aに到達して検出されるようにしたが、本発明はこれに限定されず、図3に示されるように、マイクロプレート11を透過したライン光が、収束レンズ9により収束されて、焦点に至る前に検出部10の受光部10aに到達して検出されるようにしてもよい。
【0046】
また、検出部10は、受光部10aが受光したライン光のうち、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどしたライン光の所定部分の光を選択的に検出することにより、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を選択的に検出するようになっていてもよい。
【0047】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明にかかるマイクロプレートリーダの第2の実施の形態を、図4から図6に基づき説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0048】
図4、図5に示されるように、マイクロプレートリーダ200は、試料が収容される複数の収容凹部としてのウエル11aを有する試料容器としてのマイクロプレート11が配置される試料室1と、所定の近紫外から近赤外の領域の光を出力する光源部2と、光源部2が出力した光を集光する第1集光レンズ3と、第1集光レンズ3が集光した光のうち特定波長の光のみを通過させる複数のフィルタ4aが備えられる波長選択部としてのフィルタホイール4と、フィルタ4aを通過した光を導光する導光部5と、導光部5により導光された光を集光する第2集光レンズ6と、第2集光レンズ6により集光された光を反射する光反射部としての揺動ミラー71と、揺動ミラー71を揺動して揺動ミラー71が反射する光を所定の1直線に沿って移動するように走査する揺動部72と、揺動ミラー71が反射した光をマイクロプレート11に垂直に向かうように光の角度を調整する角度調整光学部としてのfθレンズ8aと、マイクロプレート11を透過した光を収束させる光収束光学部としてのfθレンズ9aと、fθレンズ9aが収束させた光を検出する検出部10と、各種データ等の表示を行う表示部21と、各種データ等の入力を行う入力部22と、上記各部の動作制御を行う制御部20等を有している。
【0049】
導光部5は、フィルタ4aを通過した光を第2集光レンズ6や揺動ミラー71側へ導光する。
【0050】
第2集光レンズ6は、導光部5により導光された光を揺動ミラー71の反射面に向け集光する凸レンズである。
【0051】
揺動ミラー71は、第2集光レンズ6により集光された光を、揺動ミラー71の反射面によりfθレンズ8a側に反射する。
揺動ミラー71は、後述する揺動部72により揺動され、反射面により反射する光を、所定の1直線に沿って移動させる。具体的には、揺動ミラー71は反射面により反射する反射光を、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に沿って移動させる。そして、その反射光は、fθレンズ8aに入射される。
【0052】
揺動部72は、例えば、サーボモータにより構成されており、揺動部72の揺動軸72aを回動させることにより、揺動軸72aに固定された揺動ミラー71を揺動させる。そして、揺動ミラー71が反射する光を所定の1直線(マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向)に沿って移動するように走査する。
【0053】
fθレンズ8aは、揺動ミラー71により反射される光がマイクロプレート11に垂直に向かうように、光の角度を調整するレンズである。
そして、fθレンズ8aを通過した光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査するように照射し、その光が各ウエル11aを照射されるようになっている。
【0054】
fθレンズ9aは、fθレンズ8aから放出され、マイクロプレート11において配列された1列分の複数のウエル11aを透過した光を検出部10に向け、所定の方向に収束させるレンズである。
【0055】
検出部10は、fθレンズ9aを介してマイクロプレート11の各ウエル11aを透過した光を受光部10aで受光し、検出する。
検出部10は、例えば、複数の受光素子が並んだCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサにより構成されており、検出部10は、受光部10aが受光した光に関する信号を、制御部20に出力する。
なお、検出部10は、fθレンズ9aが収束させた光を受光し検出するので、そのサイズをマイクロプレート11の幅より小さな幅のサイズの検出部10を用いることができる。それに伴い、マイクロプレートリーダ200を小型化することができる。
【0056】
制御部20は、例えば、図示しないCPU、ROM、RAMを備えている。
制御部20のROMには、マイクロプレートリーダ200を制御するための制御プログラムや制御データが書き込まれ、格納されている。
この制御データとしては、例えば、検出部10の受光部10aが受光する光のうち、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を検出するため、そのウエル11aを透過した光に対応した受光部10aの部分(位置)に関するデータが格納されている。
【0057】
制御部20は、マイクロプレートリーダ200において、予め記憶設定されたり、入力設定されたりなどした、マイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光が照射される検出部10の受光部10aにおける所定の部分の位置情報に基づき、検出部10が検出した光のうち、どの光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する制御を行う。
また、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11a部分を透過した光に関する信号に基づき、ウエル11aに収容される試料中の所定の測定成分の含有量や濃度を所定の算出式により算出する制御を行う。
【0058】
次に、本第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダ200の動作について説明する。
マイクロプレートリーダ200において、各ウエル11a毎に様々な試料(被検物質と試薬)が収容されたマイクロプレート11が試料室1に配置され、それら試料の検出、測定を行うために、入力部22を介して、マイクロプレート11のタイプの情報や、試料の検出、測定動作の指示が入力されると、制御部20は、ホイール駆動部(図示省略)を駆動して、フィルタホイール4をフィルタホイールのホイール軸4bを中心に回動させ、その測定に応じたフィルタ4aが所定の光路に配置されるように切り替える。
次いで、制御部20は、光源部2に光を出力させる。
【0059】
光源部2から出力された光は、第1集光レンズ3を介してフィルタ4aを通過することにより、特定波長の光のみが導光部5により導光される。
導光部5により導光された光は、第2集光レンズ6を介して、揺動ミラー71に照射される。そして、揺動部72により揺動される揺動ミラー71により反射された光は、試料室1に配置されたマイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列の方向に沿って、走査されるように移動される。
【0060】
揺動部72により揺動される揺動ミラー71により反射されて走査される光は、fθレンズ8aを介して、マイクロプレート11に垂直に向かうように、その方向、角度が調整される。そして、その光は、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分に照射され、順次各ウエル11aを照射する。
この際、ウエル11a内に収容された試料部分に光が照射され、試料部分を透過した光には、試料の状態(例えば、発色、変色、懸濁状態など)が反映され、その光は試料を測定した測定光として、マイクロプレート11に照射される前の光と、その性状(例えば、明度、輝度)が異なった光となる。
そして、マイクロプレート11を透過した光は、fθレンズ9aにより収束されるように、検出部10の受光部10aに到達して検出される。
検出部10は、その検出した光に関する信号を制御部20に出力する。
そして、プレート移動機構部(図示省略)が、マイクロプレート11に形成されたウエル11aの1列分(1ピッチ分)マイクロプレート11を移動させ、次の列のウエル11aに対して光を照射するように、検出、測定動作を繰り返す。
【0061】
次いで、制御部20は、検出部10が検出した光のうち、どの光がウエル11a部分(試料部分)を透過した光であるか判断する。
そして、制御部20は、検出部10が検出したマイクロプレート11のウエル11aに収容された試料を透過した光に関する信号に基づき、所定の算出式により、試料中の測定成分の含有量や濃度を算出する。また、制御部20は、その算出したデータに基づき、試料の状態の判断を行ってもよい。例えば、制御部20は、試料中の測定成分の含有量は適正範囲内であるので合格、また、試料中の測定成分の含有量は適正範囲外であるので不合格などとの判断を行う。
【0062】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダ200によれば、光源部2が出力した光を揺動ミラー71と揺動部72により、マイクロプレート11に形成されたウエル11aが配列される列方向に走査するように、揺動ミラー71が反射した光を1列分のウエル11aに順次照射し、1列分の各ウエル11aにおける各試料に順次照射された測定光の検出を行うことができる。そして、検出部10により検出された測定光のうち、マイクロプレート11のウエル11a部分に対応した位置を透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0063】
つまり、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aにおける各試料に関する測定光を列毎に続けざまに検出するとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプに応じたウエル11aの位置等に関する情報に基づき、マイクロプレート11のウエル11a部分のみを透過した光を特定し、その光に基づき、ウエル11aに収容される試料の測定、分析を行うことができる。
【0064】
よって、マイクロプレート11におけるウエル11aを列毎にまとめた測定を行うことにより、測定時間の短縮を図ることができるとともに、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(ウエル11aの位置情報)のデータに基づき、列毎にまとめられて測定されたウエル11aに対応する個々の測定データを作成することができるので、様々なマイクロプレート11に対応した検出、測定を行うことができる。
【0065】
また、上記第2の実施の形態のように、揺動ミラー71と揺動部72により、揺動ミラー71が反射する反射光を、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査するように照射し、マイクロプレート11を透過したその光を検出部10により検出する場合、マイクロプレート11に形成されたウエル11a部分を透過した光のみ、検出部10により検出することができる。
【0066】
この場合、制御部20のROMには、制御データとして、例えば、揺動部72が揺動する揺動ミラー71の角度と、その揺動ミラー71の角度に対応して揺動ミラー71が反射する光がマイクロプレート11のウエル11aを透過し、検出部10の受光部10aに到達するタイミングを特定するためのデータが格納されている。
そして、制御部20は、揺動部72が揺動する揺動ミラー71の角度と同期して、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光を特定して、検出部10において検出する制御を行う。
【0067】
このような制御を行うマイクロプレートリーダ200であれば、光源部2から出力された光のうち、揺動ミラー71により反射され、マイクロプレート11のウエル11aを透過した光が検出部10の受光部10aに到達するタイミングを特定することができるので、そのタイミングに受光部10aが受光した光(測定光)のみを検出部10が検出することにより、揺動ミラー71の角度と同期してウエル11aを透過した光のみを検出することができる。
よって、ウエル11aに収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
【0068】
特に、このような制御を行うマイクロプレートリーダ200の場合、揺動ミラー71が反射して照射し、マイクロプレート11に形成された複数のウエル11aの1列分を走査した光の全てを検出部10で検出する必要はない。つまり、マイクロプレート11に形成されたウエル11aを透過した光のみを特定して検出すればよいので、例えば、図6に示されるように、より小型の検出部30を、fθレンズ9aが光を収束させる焦点付近に配置し、その受光部30aによりウエル11aを透過した光のみを検出することにより、所望する試料の測定を行うことができる。なお、検出部30(受光部30a)は、単一の受光素子であり、好ましくはフォトダイオードがあげられる。
そして、小型化した検出部30により、マイクロプレートリーダ200自体を小型化することができる。
【0069】
このように、本発明にかかるマイクロプレートリーダによれば、種々のマイクロプレート11において、マイクロプレート11に形成されたウエル11aを、ウエル11aが配列される1列毎にまとめて検出し、予め設定されたマイクロプレート11のタイプ(各種マイクロプレート11におけるウエル11aの数、大きさ、配列、ピッチ等の位置情報)に応じて、そのウエル11aに対応した部分の検出データ(光の検出データ)に基づき、ウエル11aに収容された試料の測定を行うことができる。
よって、本発明にかかるマイクロプレートリーダによれば、種々のマイクロプレートに対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0070】
なお、以上の実施の形態においては、光源部2が出力する光は、近紫外から近赤外の領域の光としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の波長領域の光であってもよい。つまり、光源部2は、マイクロプレートリーダにおける測定を行う際に必要な波長領域の光を出力することができればよく、測定対象物(試料)が決まっている専用機(マイクロプレートリーダ)であれば、試料の検出、測定に必要な特定波長の光を出力することができればよい。
【0071】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に拡散し、その拡散した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎まとめて検出することができる。そして、まとめて検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。
よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0073】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズであるので、所定の入射位置から入射された光を、所定の出射位置から所定の一方向に広げるように拡散し、より広く所定の対象物(例えば、試料容器に配列された収容凹部の1列分)に光を好適に照射することができる。
【0074】
請求項3記載に発明によれば、マイクロプレートリーダは、光源部が出力した光に基づく特定波長の光を収容凹部が配列される所定の方向、例えば、列方向に走査し、その走査した光により試料容器に形成された複数の収容凹部を1列毎順次検出することができる。そして、順次検出した光のうち、試料容器の収容凹部を透過した光に基づき、収容凹部に収容される試料の測定を行うことができる。よって、収容容器に形成された収容凹部を、収容凹部が配列される1列毎にまとめて順次検出し、その収容凹部に対応した部分の検出データ(検出光)に基づき、収容凹部に収容された試料の測定を行うことができる。従って、種々の収容凹部に対応した測定を行うことができるとともに、より短い測定時間による試料の測定を行うことができる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、検出部は、揺動部が光反射部を揺動する角度に同期して、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光のみを検出することができる。
つまり、揺動部が揺動する光反射部の角度と、その光反射部の角度に対応して光反射部が反射する光が試料容器の収容凹部を透過するタイミングを同期させることにより、検出部は、光反射部が反射した光のうち試料容器の収容凹部を透過した光を特定し、選択的に検出することができる。よって、試料容器の収容凹部に収容された試料の検出、測定を効率的に行うことができる。
また、光反射部の角度と、検出部が光を検出するタイミングを同期させることで、光反射部が反射する光が試料容器の複数の収容凹部を透過した光のみを検出部が特定して検出することができるので、それら光を検出部の同一箇所において検出して、それら光を区別して特定することができる。それにより、検出部を小型化することができ、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【0076】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、マイクロプレートリーダに備えられた光収束光学部が収束した光を、検出部が検出することとなるので、試料容器を透過した光を検出する検出部を小型化することができる。そして、その検出部を備えるマイクロプレートリーダ自体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図2】本発明にかかる第1の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【図3】マイクロプレートリーダにおける検出部の配置位置の変形例を示す説明図である。
【図4】本発明にかかる第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図5】本発明にかかる第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの要部を示す斜視図である。
【図6】第2の実施の形態におけるマイクロプレートリーダの検出部の変形例を示す説明図である。
【図7】従来のマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【図8】従来のマイクロプレートリーダの要部構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 試料室
2 光源部
3 第1集光レンズ
4 フィルタホイール(波長選択部)
4a フィルタ(波長選択部)
4b ホイール軸
5 導光部
6 第2集光レンズ
7 ラインジェネレータレンズ(光拡散光学部)
7a 入射部
7b 出射部
8 シリンドリカルレンズ(角度調整光学部)
8a fθレンズ(角度調整光学部)
9 収束レンズ(光収束光学部)
9a fθレンズ(光収束光学部)
10 検出部
10a 受光部
11 マイクロプレート(試料容器)
11a ウエル(収容凹部)
20 制御部
21 表示部
22 入力部
71 揺動ミラー(光反射部)
72 揺動部
72a 揺動軸
100、200 マイクロプレートリーダ
Claims (5)
- 試料が収容される複数の収容凹部を有する試料容器が配置される試料室と、
所定の光を出力する光源部と、
前記光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部と、
前記波長選択部により取り出された光を導光する導光部と、
前記導光部により導光された光を、前記試料容器の前記収容凹部が配列される所定の方向に拡散する光拡散光学部と、
前記光拡散光学部が拡散した光を、前記試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部と、
前記角度調整光学部により前記試料容器へ向けられ、前記試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部と、を備えることを特徴とするマイクロプレートリーダ。 - 前記光拡散光学部は、ラインジェネレータレンズであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロプレートリーダ。
- 試料が収容される複数の収容凹部を有する試料容器が配置される試料室と、
所定の光を出力する光源部と、
前記光源部が出力する光から特定波長の光を選択的に取り出す波長選択部と、
前記波長選択部により取り出された光を導光する導光部と、
前記導光部により導光された光を反射する光反射部と、
前記光反射部を揺動し、前記光反射部が反射する光を、前記試料容器の前記収容凹部が配列される所定の方向に走査する揺動部と、
前記光反射部が反射して前記揺動部が走査する光を、前記試料容器へ向けるように角度調整する角度調整光学部と、
前記角度調整光学部により前記試料容器へ向けられ、前記試料容器の複数の収容凹部を透過した光を検出する検出部と、を備えることを特徴とするマイクロプレートリーダ。 - 前記検出部は、前記揺動部が前記光反射部を揺動する角度に同期して、前記光反射部が反射した光のうち前記試料容器の前記収容凹部を透過した光のみを検出することを特徴とする請求項3に記載のマイクロプレートリーダ。
- 前記試料容器を透過した光を収束させる光収束光学部を備え、
前記光収束光学部が収束した光を、前記検出部が検出することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のマイクロプレートリーダ。
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- 2003-08-07 JP JP2003206550A patent/JP2005055219A/ja active Pending
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