JP2005055068A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

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Abstract


【課題】 冷凍能力を向上させて正規に冷却できるようにする。
【解決手段】 共通の冷凍装置に対して2個の冷却器4A,4Bを備え、それぞれを冷蔵室5Aと冷凍室5Bとに配したものにおいて、周囲温度が低いと特に冷凍室5B側が良く冷えないことがあり得る。そこで周囲温度が低いことが凝縮器2の出口に設けられた目詰まり検知サーミスタ20によって検知されると、停止中にある冷蔵室5A側の除霜ヒータ17Aが間欠運転され、例えば30秒ずつのオンオフ運転が繰り返される。除霜ヒータ17Aが運転されると、冷蔵室5A側の冷却器4A内に滞留している冷媒の圧力が上昇し、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力も上昇することによって冷凍能力が上昇し、冷凍室5B側も正規に冷却されるようになる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、共通の冷凍装置に対して複数の冷却器を備えて各貯蔵室を独立して冷却制御する形式の冷却貯蔵庫に関する。
従来、冷凍冷蔵庫の一例として、共通の冷凍装置に対して2個の冷却器を備え、それぞれを冷蔵室と冷凍室とに配したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、図13に示すような冷凍回路を備えており、凝縮器2の出口側と圧縮機1の低圧側との間に、キャピラリチューブ3A,3Bと冷却器4A,4Bとを直列接続した組が2組並列に接続され、一方の冷却器4Aが冷蔵室5Aに、他方の冷却器4Bが冷凍室5Bにそれぞれ配されており、電磁弁6A,6Bによって、各冷却器4A,4Bへの冷媒の流通とその停止とが制御されるようになっている。
冷蔵室5Aと冷凍室5Bとでは、それぞれに装備された庫内サーミスタ7A,7Bで検知された庫内温度が設定温度よりも高くなると、対応する冷却器4A,4Bと庫内ファン8A,8Bが稼働して冷却サイクルに入り、逆に設定温度よりも低くなると、それらの稼働が停止することで温度上昇のサイクルに入り、その繰り返しによって、各室5A,5B内がほぼ設定温度に維持されるようになっている。
なお、冷蔵側と冷凍側のいずれか一方でも冷却サイクルに入ると、圧縮機1は運転される。また、冷蔵室5Aが温度上昇のサイクルに入ると、庫内温度の上昇を防ぐために、庫内ファン8Aが例えば15秒間オンと150秒間のオフとを繰り返す間欠駆動されるようになっている(図14参照)。
特開平10−288453号公報
ところでこの種の冷凍冷蔵庫では、周囲温度が低くなると、図14に示すように、冷蔵室5A側では正規に温度制御がなされているのに対して、冷凍室5B側では、冷却サイクルに入っているにも拘わらず、冷却されるのは冷蔵室5A側も冷却サイクルに入っている場合に限られるといった現象を呈し、設定温度まで至らないことがあった。
すなわち周囲温度が低くなると、庫内の温度上昇も緩やかになるため、冷蔵室5Aの温度上昇サイクルの時間は、周囲温度が高いときに比べて長くなる。また、冷凍回路では、低温時には凝縮しやすくなるために、凝縮器2内に冷媒が溜まった状態となる。さらに周囲温度が低いと、冷媒が圧縮機1の油内に溶け込みやすくなる。このようなことから、冷凍回路内を循環する冷媒の量が減少して高圧側圧力が上昇せず、冷凍室5A側の冷却能力が低下して冷え難いという問題が生じていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、冷凍能力を向上させて正規に冷却できるようにするところにある。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、圧縮機、凝縮器等を有する共通の冷凍装置に対し複数の冷却器が接続されてそれぞれ独立した貯蔵室に配設され、各冷却器への冷媒の流通と停止とを制御することにより対応する各貯蔵室がそれぞれ設定された温度に冷却されるようにした冷却貯蔵庫において、稼働中の一の貯蔵室が正規に冷却されていないと見なすべく所定条件を満たしたときに、停止中の他の貯蔵室の冷却器に装備された除霜ヒータを作動する手段が具備されている構成としたところに特徴を有する。
また請求項2の発明は、圧縮機、凝縮器等を有する共通の冷凍装置に対し複数の冷却器が接続されてそれぞれ独立した貯蔵室に配設され、各冷却器への冷媒の流通と停止とを制御することにより対応する各貯蔵室がそれぞれ設定された温度に冷却されるようにした冷却貯蔵庫において、稼働中の一の貯蔵室が正規に冷却されていないと見なすべく所定条件を満たしたときに、前記冷凍装置の前記凝縮器に付設された凝縮器ファンを間欠的に停止する手段が具備されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記所定条件のうちで周囲温度が所定値以下であることを検知する手段として、前記凝縮器の出口温度を検知する目詰まり検知サーミスタの検知温度を利用しているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
一の貯蔵室が稼働中であるにも拘わらず、周囲温度が低い等により正規に冷却されていない事態が起きていると見なされると、停止中の他の貯蔵室の冷却器に装備された除霜ヒータが作動される。これにより、停止中の貯蔵室の冷却器内に滞留している冷媒の圧力が上昇し、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力も上昇して、冷凍能力が上昇回復されることにより、一の貯蔵室も正規に冷却することが可能となる。
<請求項2の発明>
一の貯蔵室が稼働中であるにも拘わらず、周囲温度が低い等により正規に冷却されていない事態が起きていると見なされると、凝縮器を冷却すべく付設された凝縮器ファンが間欠的に停止される。これにより凝縮温度が適当に上昇するから、凝縮器に溜まる冷媒量が減って逆に冷凍回路内を循環する冷媒量が増加し、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力が上昇して冷凍能力も上昇回復されることにより、一の貯蔵室も正規に冷却することが可能となる。
<請求項3の発明>
周囲温度の検知を、既設の目詰まり検知サーミスタの検知温度によって賄うようにしたから、周囲温度の検知のために別途検知用部品を設ける必要がない。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
この実施形態1では冷凍冷蔵庫を例示しており、図1に示す冷凍回路を備え、図2に示す制御機構にしたがって作動されるようになっており、基本的な部分は従来例と同様であるが、改めて説明する。なお、従来例と同一機能を有する部位については、同一符号が付されている。
冷凍回路は、圧縮機1の出口側(高圧側)に凝縮器2が接続され、その下流側には、電磁弁6A,6Bとキャピラリチューブ3A,3Bと冷却器4A,4B(蒸発器)とを直列接続した2本の冷媒流通配管10A,10Bが並列に設けられ、圧縮機1の入口側(低圧側)に接続されることで構成されている。このうち一方の冷却器4Aが冷蔵室5Aに、他方の冷却器4Bが冷凍室5Bに、それぞれ庫内ファン8A,8Bとともに配設されている。凝縮器2の前面側にはフィルタ11が、後面側には凝縮器ファン12が設けられている。
冷却運転に際して、制御手段15(図2)により以下のような制御がなされる。冷蔵室5Aでは、庫内サーミスタ7Aで検知された庫内温度が、設定入力部16により入力された設定温度よりも高くなると、冷蔵室5A側の電磁弁6Aが開くことで同側の冷却器4Aが稼働するとともに庫内ファン8Aが駆動して冷却サイクルに入り、逆に庫内温度が設定温度よりも低くなると、電磁弁6Aが閉じて、冷却器4Aと庫内ファン8Aの稼働が停止することで温度上昇のサイクルに入る。
一方の冷凍室5B側でも、庫内サーミスタ7Bによる庫内温度が設定温度よりも高くなると、冷凍室5B側の電磁弁6Bが開くことに伴い同側の冷却器4Bと庫内ファン8Bが稼働して冷却サイクルに入り、逆に庫内温度が設定温度よりも低くなると、電磁弁6Bが閉じることに伴いそれらが停止して温度上昇のサイクルに入る。
両室5A,5Bとも上記の制御運転が繰り返されることで、それぞれ庫内がほぼ設定温度に維持される。
なお、冷蔵側と冷凍側のいずれか一方でも冷却サイクルに入ると、圧縮機1は運転される。また、冷蔵室5Aが温度上昇のサイクルに入ると、庫内温度の上昇を防ぐために、庫内ファン8Aが例えば15秒間オンと150秒間のオフとを繰り返す間欠駆動されるようになっている。
また、この実施形態では、オールデイタイマ等が利用されて適宜に除霜運転が行われる。除霜運転開始の信号が入力されると、冷却運転が停止されるとともに、各冷却器4A,4Bに装備された除霜ヒータ17A,17Bに通電されて除霜が行われる。そして、除霜サーミスタ18A,18Bによって各冷却器4A,4Bの温度が所定以上に上がったことが検出されると、除霜が完了したと見なされて、除霜ヒータ17A,17Bへの通電が解除され、所定の水切り時間を経たのち冷却運転が再開されるようになっている。
さらにこの実施形態では、本機に各種不具合が生じた場合にこれを検知し、かつ警報を発して表示部19で表示するようになっている。以下に、これらを簡単に説明する。
[高温警報:E1]
図3に示すように、庫内温度が高温警報温度(設定温度+8.0K)以上になると、高温警報タイマ(120分)がスタートし、タイムアップしたときに『E1』を表示する。タイムアップする前に庫内温度が高温警報温度以下になると、タイマはリセットされる。電源をオンしてから、一度庫内温度が、電磁弁OFF温度以下になるまで高温警報を検知しない。除霜運転中も高温警報を検知する。庫内温度が電磁弁OFF温度以下になると、警報が解除される。
[低温警報:E2]
図4に示すように、庫内温度が低温警報温度(設定温度−5.0K)以下になると、低温警報タイマ(60分)がスタートし、タイムアップしたときに『E2』を表示する。タイムアップする前に庫内温度が低温警報温度以上になると、タイマはリセットされる。電源をオンしたとき、庫内温度が低温警報温度よりも低い場合は、タイマはスタートする。除霜運転中も低温警報を検知する。庫内温度が電磁弁ON温度以上になると、警報が解除される。
[除霜異常警報:E3]
除霜開始から60分経過しても、除霜サーミスタ18A,18Bがオフしないときに、『E3』を表示する。『E3』が発生したら、次の工程(水切り→庫内ファン遅延→除霜表示遅延)へ進む。電源をオフするまで、警報は解除されない。
[凝縮器目詰まり警報:E7]
凝縮器2の出口に目詰まり検知サーミスタ20(図1参照)が取り付けられ、図5に示すように、その温度が、目詰まり設定値(58℃)以上の状態を2分間継続したとき、『E7』を表示する。サーミスタ20の温度が目詰まり設定値(58℃)以下になると、警報が解除される。
[除霜サーミスタ異常警報:E8]
図6に示すように、除霜サーミスタ18A,18Bからの入力が、同サーミスタ断線検知点(−55℃相当)以下のときに『E8』を表示する。また、同サーミスタの短絡検知点(50℃相当)以上の状態を10分間継続したとき『E8』を表示する。ただし、電源をオンしてから1時間は短絡検知は機能しない。
断線検知のときは、サーミスタ18A,18Bからの入力が断線検知点(−55℃相当)以上になると、警報が解除される。
短絡検知のときは、サーミスタ18A,18Bからの入力が短絡検知点(50℃相当)以下になると、警報が解除される。
[目詰まり検知サーミスタ異常警報:E9]
図7に示すように、目詰まり検知サーミスタ20からの入力が、同サーミスタ断線検知点(−22℃相当)以下のときに『E9』を表示する。また、同検知サーミスタ20の短絡検知点(86℃相当)以上の状態を10分間継続したとき『E9』を表示する。
断線検知のときは、サーミスタ20からの入力が断線検知点(−22℃相当)以上になると、警報が解除される。
短絡検知のときは、サーミスタ20からの入力が短絡検知点(86℃相当)以下になると、警報が解除される。
さて、この実施形態では、解決課題の項でも述べたとおりに、周囲温度が低いと冷凍室5B側が良く冷えないことがある点に鑑み、これを解決すべく対策が講じられており、端的には、周囲温度が低い等の所定条件を満たしたときに、冷蔵室5Aの冷却器4Aに装備された除霜ヒータ17Aを間欠運転するようにしている。
これを、図8及び図9に基づいて説明する。
周囲温度が5℃程度の低温の環境では、圧縮機1が運転されていても凝縮器2の温度が上昇し難いため、圧縮機1の運転中における凝縮器2の温度(目詰まり検知サーミスタ20の検知温度)が15℃以下のとき、周囲温度が低いと判断して、上記した冷蔵側の除霜ヒータ17Aを間欠運転する。
より詳細には、(a)冷凍側のみ冷却運転中、(b)冷凍室5Bの庫内温度が、「設定温度+3.0K」(冷却サイクルに入る温度よりも少し高い温度)よりも高いとき、(c)目詰まり検知サーミスタ20の検知温度が15℃以下である状態が10分以上継続したとき、の3条件が満たされたとき、冷蔵室5A側の除霜ヒータ17Aが間欠運転され、例えば30秒ずつのオンオフ運転が繰り返される。
間欠運転としたのは、冷蔵室5A内の温度上昇を極力抑えるためである。ただ、冷蔵室5Aの庫内温度はやむを得ず若干は上昇するため、庫内温度は『−1.5K』補正して表示し、ユーザーへ配慮している。この補正温度値は、適宜に選択できる。
上記のように冷蔵室5A側の除霜ヒータ17Aが運転されると、冷蔵室5A側の冷却器4A内に滞留している冷媒の圧力が上昇し、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力も上昇することによって冷凍能力が上昇し、図9に示すように、冷凍室5B側も正規に冷却されるようになる。
除霜ヒータ17Aの間欠運転の制御中に、以下のいずれかの条件になると、制御が終了する。
まず、(a)冷凍室5B内が正規に冷却されたとき、すなわち冷凍室5Bの庫内温度が、「設定温度−3.0K」(冷却サイクルを終了する温度)以下になったとき。また、冷蔵室5A内が高温になり過ぎた場合で、(b)冷蔵室5A側の除霜サーミスタ18Aが30℃以上を検知したとき、あるいは(c)冷蔵室5Aの庫内温度が、「設定温度+8.0K」(高温警報検知温度)以上になったとき。その他、(d)上記した各警報が発生したときと、(e)除霜運転に入ったとき。
以上のように本実施形態によれば、周囲温度が低くて冷凍室5B側で十分に冷却機能が発揮されない事態となり、これが検知されると、停止状態にある冷蔵室5A側の冷却器4Aに装備された除霜ヒータ17Aが間欠的に運転される。これにより、冷蔵室5A側の冷却器4A内に滞留している冷媒の圧力が上昇して、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力も上昇し、冷凍能力が上昇回復されることによって、冷凍室5B側も正規に冷却することが可能となる。
しかも上記制御を行うにあっては、新たな制御用部品が不要であり、ソフトウェアの変更のみで対応できるから、コストの上昇も最小限に抑えることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10及び図11によって説明する。
この実施形態2では、周囲温度が低い場合における冷凍室5B側の冷却不足を解消するために、凝縮器ファン12を停止制御するようにしている。
凝縮器ファン12の制御を開始する条件は、上記実施形態1における除霜ヒータ17Aの制御を開始する条件と同じであり、改めると、(a)冷凍側のみ冷却運転中、(b)冷凍室5Bの庫内温度が、「設定温度+3.0K」よりも高いとき、(c)目詰まり検知サーミスタ20の検知温度が15℃以下である状態が10分以上継続したとき、の3条件が満たされたとき、凝縮器ファン12の制御が行われる。
詳細には、制御が開始されると、凝縮器ファン12が2分間停止され、その後10分間運転されることが、後記する制御終了条件を満たすまで繰り返され、すなわち間欠的に停止制御される。凝縮器ファン12が停止すると、凝縮能力が低下することで凝縮温度が急上昇し、凝縮器2で溜まる冷媒の量が減って逆に冷凍回路内を循環する冷媒の量が増加する。それに伴い、冷凍回路の高圧側圧力も上昇することによって冷凍能力が上昇し、冷凍室5B側も正規に冷却されるようになる。
ここで、凝縮器ファン12が停止された場合、凝縮器2は80℃程度まで急激に上昇するという事情がある。そのため凝縮器ファン12は、その停止動作が間欠的に行われるようにしており、それにより凝縮器2の急激な温度上昇が抑えられ、通常運転に戻ったときに凝縮器2の温度が直ちに元に戻りやすく、また機械室内の他の部品への影響も最小限に抑えられる。この間、冷凍室5Bの温度低下は、図11に示すように、段階的となって多少時間は掛かるものの、正規に冷却されるようになる。
凝縮器ファン12の制御中に以下のいずれかの条件になると、制御が終了する。まず、(a)冷凍室5B内が正規に冷却されたとき、すなわち冷凍室5Bの庫内温度が、「設定温度−3.0K」以下になったとき。また、(b)目詰まり検知サーミスタ20が58℃(目詰まり温度)以上を検知したとき。その他、(c)除霜運転に入ったとき、(d)冷蔵側が冷却サイクルに入ったとき。
本実施形態では、周囲温度が低くて冷凍室5B側で十分に冷却機能が発揮されない事態となり、これが検知されると、凝縮器ファン12が間欠的に停止制御される。凝縮器ファン12の停止中には凝縮温度が上昇することにより、凝縮器2で溜まる冷媒量が減って逆に冷凍回路内を循環する冷媒量が増加し、それに伴い冷凍回路の高圧側圧力が上昇して冷凍能力も上昇回復されることによって、冷凍室5B側も正規に冷却することが可能となる。
この実施形態では、凝縮器ファン12が圧縮機1とは別に制御されることになるため、圧縮機1とリレーを共用して使用していたものについては、凝縮器ファン12専用のリレーを追加することが必要であるが、予め専用のリレーを持っているものについては、実施形態1と同じくソフトウェアの変更のみで対応可能である。
<関連技術>
図12によって関連技術を説明する。図1に示す冷凍回路のように、電磁弁6A,6Bによって冷却器4A,4Bを独立して稼働させるものにおいて、例えば冷凍回路中に異物が混入していて、それを電磁弁6A,6Bが閉じるときに噛み込むことにより、完全に閉弁しないことがある。そうすると、圧縮機1の運転中には冷却器4A,4Bに冷媒が流れ続けるために、冷却が過剰となり、特に冷蔵室5A側の場合には、食材が凍結してしまうことがあった。
そこでこの関連技術では、例えば冷蔵室5A側において、庫内サーミスタ7Aが「設定温度−5.0K」以下を検知したら、電磁弁6Aと接続されたリレーが1秒ずつ2度オンオフされる。これにより、開いたままであった電磁弁6Aに閉じるきっかけが与えられ、以後正常に動作する。15分経過しても未だ、「設定温度−5.0K」以下であったら、再度リレーのオンオフが行われ、以降これが繰り返される。
リレーのオンオフ動作が5回目となったら、低温警報を示す『E2』が表示部19に表示される。その間も、リレーのオンオフ動作は行われ、電磁弁6Aが修復されたら低温警報がリセットされる。長時間低温警報がリセットされなかったら、修理等に委ねられる。
なお電磁弁の修復制御は、冷凍室5B側の電磁弁6Bにも適用可能である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態において、除霜ヒータ若しくは凝縮器ファンの制御を開始する条件に挙げたところの、冷凍室の庫内温度、目詰まり検知サーミスタの検知温度と継続時間の各数値はあくまでも一例であって、各種状況等に応じて他の数値に変更してもよい。
(2)実施形態1において、除霜ヒータのオンオフ制御は30秒ずつに限らず、他の時間に設定してもよい。
(3)同実施形態1において、除霜ヒータの制御を終了する条件に挙げたところの、冷凍室の庫内温度、冷蔵室側の除霜サーミスタの検知温度、あるいは冷蔵室の庫内温度の各数値は一例であって、他の数値に変更してもよい。
(4)実施形態2において、凝縮器ファンの停止時間、並びに次の停止時間を採るまでの間隔は、別の時間に設定してもよい。
(5)同実施形態2において、凝縮器ファンの制御を終了する条件に挙げたところの、冷凍室の庫内温度、あるいは目詰まり検知サーミスタの検知温度の各数値は一例であって、他の数値に変更してもよい。
(6)本発明は、共通の冷凍装置に対して冷却器を3以上備えた形式のものにも同様に適用することができる。
本発明の実施形態1に係る冷凍回路の回路構成図 運転制御系統のブロック図 高温警報のタイミングチャート 低温警報のタイミングチャート 凝縮器目詰まり警報のタイミングチャート 除霜サーミスタ異常警報のタイミングチャート 目詰まり検知サーミスタ異常警報のタイミングチャート 除霜ヒータ制御に係るブロック図 そのタイミングチャート 実施形態2の凝縮器ファン制御に係るブロック図 そのタイミングチャート 関連技術のタイミングチャート 従来例に係る冷凍回路の回路構成図 その運転制御のタイミングチャート
符号の説明
1…圧縮機(冷凍装置) 2…凝縮器(冷凍装置) 4A,4B…冷却器 5A…冷蔵室 5B…冷凍室 6A,6B…電磁弁 7A,7B…庫内サーミスタ 8A,8B…庫内ファン 12…凝縮器ファン 15…制御手段 17A,17B…除霜ヒータ 18A,18B…除霜サーミスタ 20…目詰まりサーミスタ

Claims (3)

  1. 圧縮機、凝縮器等を有する共通の冷凍装置に対し複数の冷却器が接続されてそれぞれ独立した貯蔵室に配設され、各冷却器への冷媒の流通と停止とを制御することにより対応する各貯蔵室がそれぞれ設定された温度に冷却されるようにした冷却貯蔵庫において、
    稼働中の一の貯蔵室が正規に冷却されていないと見なすべく所定条件を満たしたときに、停止中の他の貯蔵室の冷却器に装備された除霜ヒータを作動する手段が具備されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。
  2. 圧縮機、凝縮器等を有する共通の冷凍装置に対し複数の冷却器が接続されてそれぞれ独立した貯蔵室に配設され、各冷却器への冷媒の流通と停止とを制御することにより対応する各貯蔵室がそれぞれ設定された温度に冷却されるようにした冷却貯蔵庫において、
    稼働中の一の貯蔵室が正規に冷却されていないと見なすべく所定条件を満たしたときに、前記冷凍装置の前記凝縮器に付設された凝縮器ファンを間欠的に停止する手段が具備されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。
  3. 前記所定条件のうちで周囲温度が所定値以下であることを検知する手段として、前記凝縮器の出口温度を検知する目詰まり検知サーミスタの検知温度を利用していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
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