JP2005054091A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

【課題】 従来から一般的な洗浄剤には、洗浄力や泡立ちの面から直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が用いられている。これらの洗浄剤は、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩などとくらべて、手荒れなどの皮膚障害を起こすという課題がある。
【解決手段】 ヨウ素含有化合物を配合することによって、皮膚刺激性を軽減することができることを見いだし、刺激を抑制した直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩系洗浄剤組成物が提供できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、ヨウ素含有化合物を配合することによって、皮膚刺激性を軽減することができる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩系洗浄剤組成物に関する。

家庭用や業務用を問わず、一般的な洗浄剤には洗浄力や泡立ちの面から直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が用いられている。これらの洗浄剤は手荒れなどの皮膚障害を起こすという問題が生じている。この問題に対し、第三級アミンオキシド、アルカノールアミドなどを配合したもの（特開平１１−８０７８４号公報等）が種々提案されている。また、皮膚刺激性が低いアニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が挙げられるが、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩と比較して洗浄力が劣るという問題があった。
このように洗浄力及び皮膚刺激性共に満足される洗浄剤はいまだ開発されていない。

特開平１１−８０７８４号公報

本発明は、皮膚刺激性を軽減する洗浄剤を提供しようとするものである。

本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ヨウ素含有化合物を配合することにより、皮膚刺激性を軽減する洗浄剤組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。

本発明によれば、皮膚刺激性を軽減することができる洗浄剤を提供することが可能である。

本発明は、ヨウ素含有化合物と直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を配合する洗浄剤組成物であり、本発明に用いる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は特に限定されるものではなく、一般的には炭素数１０〜１３の直鎖のアルキル基を有するものであり、例えば、ライポンＬＳ−２５０（ライオン社製）、ネオペレックスＧ−６５（花王社製）、テイカパワーＬＮ−２０６５（テイカ社製）などとして商業的に入手できる。
またライポンＬＨ−２００（ライオン社製）、ネオペレックスＧＳ（花王社製）、テイカパワーＬ−１２１（テイカ社製）などの直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウム等で中和し、所望の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を得ることもできる。

本発明では組成物全量に対して直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が０．５〜２５重量％配合でき、特に５〜２０重量％が好ましい。配合量が０．５重量％に満たないと充分な洗浄性が得られず、２５重量％を超えると低温で分離や沈澱物、またペースト状となり安定性に問題が生じる。
本発明に用いるヨウ素含有化合物は、特に限定されるものではないが、例えばポピドンヨード、シクロデキストリンヨード、ヨウ素等が挙げられ、ポビドンヨードとしては、例えば、ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６（ＢＡＳＦ社製）、メチル化βシクロデキストリンヨードとしては、例えば、ＭＣＤＩ−６（日宝化学製）等が、また、ヨウ素としては、よう素（合同資源製、あるいは関東天然瓦斯開発製）等が好適に用いられる。

本発明ではヨウ素含有化合物は、組成物全量に対して有効ヨウ素濃度１０ｐｐｍ〜１０００ｐｐｍ、好ましくは２０ｐｐｍ〜５００ｐｐｍの割合で配合される。有効ヨウ素濃度が１０ｐｐｍより少ないと皮膚刺激性の軽減の効果が低く、１０００ｐｐｍより多いと組成物の色が濃すぎたり、対象洗浄物が変色するなどの問題が生じる。

本発明の洗浄剤組成物は、液体、粉体などの形態で提供でき、衣料、毛髪、身体、硬質表面などの用途に用いることができるが、特に台所用の洗浄剤として好適に用いられる。
また、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲で塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどの無機塩；塩酸、硫酸、クエン酸、リンゴ酸などの酸；直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩以外のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、両性界面活性剤などの界面活性剤；シリカ、アルミナ、珪藻土などの研磨剤；低級アルコール、グリコールなどの溶剤；及び香料などを適宜配合できる。

つぎに、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。表中の配合量は、「重量％」である。
「皮膚の刺激性の評価」表１の実施例１〜１０、表２の比較例１〜５及び表３のＡ〜Ｃの洗浄剤組成物４０％水溶液を用いてモルモット５匹に対し閉塞貼付により評価した。すなわち、検体０．１ｍｌを塗布し、２４時間閉塞貼付し、検体除去２４時間後の皮膚荒れの程度を以下の評価基準で視覚判定した。

評価基準：０点：肉眼的に変化なし、０．５点：軽度の紅斑、
１点：中度の紅斑、２点：強度の紅斑及び浮腫
評価点を平均し、皮膚刺激スコアーとした。
この皮膚刺激スコアーを下記の式１の式から刺激軽減率（％）を求めた。

尚、実施例１〜１０は表３のＡ、比較例１〜２は表３のＢ、また比較例３〜４は表３のＣによってそれぞれ刺激軽減率（％）を算出した。

有効性を式１によって得られた皮膚刺激軽減率（％）が３０％以上を効果あり（○）、３０％未満を効果なし（×）とした。結果を表１と表２に示す。

表１の結果から、ヨウ素含有化合物としてポビドンヨード（ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６）を配合している実施例１〜５、ヨウ素含有化合物としてメチル化βシクロデキストリンヨード（ＭＣＤＩ−６）を配合している実施例６〜９及び、ヨウ素含有化合物としてヨウ素を配合した実施例１０は皮膚刺激性が軽減されていることが認められた。

表２の結果から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩に置き換え、ヨウ素含有化合物としてポビドンヨード（ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６）を配合した比較例１及びメチル化βシクロデキストリンヨード（ＭＣＤＩ−６）を配合した比較例２、また直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩をアルキル硫酸エステル塩に置き換え、ヨウ素含有化合物としてポビドンヨード（ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６）を配合した比較例３及びメチル化βシクロデキストリンヨード（ＭＣＤＩ−６）を配合した比較例４は、皮膚刺激性が軽減されていないことが認められた。

以上説明したように、ヨード配合洗浄剤組成物のアニオン界面活性剤が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である時にのみ、ヨウ素含有化合物の種類に拠らず、特異的に皮膚刺激性が軽減されていることが認められた。

以下常法により実施例１１〜１５を製造した。
実施例１１
成分 重量％
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム ２５
ヤシアルキルジメチルアミンオキシド ３
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド ２
ＰＯＥ（９）アルキルエーテル １
エタノール ５
クエン酸 ２
ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６ ０．３
イオン交換水 残部
合計 １００．０

実施例１２
成分 重量％
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム ２０
ヤシアルキルジメチルアミンオキシド ３
ＰＯＥ（１２）アルキルエーテル １
シリカ ５
クエン酸 ２
ＰＶＰ−ＩＯＤＩＮＥ３０／０６ ０．０５
イオン交換水 残部
合計 １００．０

実施例１３
成分 重量％
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム １
ＰＯＥ（１２）アルキルエーテル ２０
ヨウ素 ０．１
イオン交換水 残部
合計 １００．０

実施例１４
成分 重量％
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム ５
ＰＯＥ（３）アルキルエーテル硫酸ナトリウム １５
ヤシアルキルジメチルアミンオキシド ３
クエン酸 ２
ＭＣＤＩ−６ １
イオン交換水 残部
合計 １００．０

実施例１５
成分 重量％
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム １５
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン ５
ヤシアルキルジメチルアミンオキシド ３
ＰＯＥ（９）アルキルエーテル １
クエン酸 ２
ＭＣＤＩ−６ ０．３
イオン交換水 残部
合計 １００．０
実施例１１〜１５で製造した洗浄剤も、刺激低減効果に優れたものであった。

本発明は、ヨウ素含有化合物を配合することによって、皮膚刺激性を軽減することができる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩系洗浄剤組成物に関する。

Claims (3)

1. ヨウ素含有化合物、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を配合したことを特徴とする洗浄剤組成物。
2. ヨウ素含有化合物の有効ヨウ素濃度が１０〜１０００ｐｐｍであることを特徴とする請求項１記載の洗浄剤組成物。
3. 洗浄剤組成物が台所用洗浄剤である請求項１、２項の何れか１項に記載の洗浄剤組成物。