以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の毛髪用化粧料は、毛髪用化粧料の有効成分と、(A)多価アルコールと水の共存下で加熱によりゲル状物を形成する多糖類と(B)多価アルコールと(C)水を配合してなる毛髪用化粧料であり、該毛髪化粧料を毛髪に塗布あるいは付着させた後、加熱により(A)多価アルコールと水の共存下で加熱によりゲル状物を形成する多糖類と(B)多価アルコールと(C)水をを特定の混合比率にすることにより、該毛髪化粧料がゲル状物となり、該毛髪化粧料中の有効成分の歩留まりを向上させ、有効成分の持つ機能・効果の改善・向上が得られる毛髪用化粧料である。
本発明における毛髪用化粧料は、毛髪に塗布あるいは付着させて、ドライヤー等で加熱を行ない、配合されている有効成分の効果、機能を発揮させる毛髪用化粧料であり、具体的にはヘアトニック、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンデショナー、ヘアリキッド、ヘアダイ、セットローション、カラーローション、ヘアスタイリング剤、ヘアパック、ヘアクリーム、ヘアミスト、ヘアローション、ヘアフォーム、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアワックス、ヘアポマード、育毛剤や養毛剤、枝毛コート剤、損傷した毛髪の回復を図る毛髪補修剤、マスカラ等がある。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分は、毛髪のぱさつき感をなくし、毛髪になめらかさ、しっとり感を付与し、さらに毛髪の損傷を抑える等の機能、効果を有する成分として配合されるものであり、具体的には毛髪を軟らかく、しなやかにするための界面活性剤;脂肪分の補給やなめらかさ・光沢の付与および毛髪表面の保護コーティングと整髪のための油脂;整髪や有効成分の分散安定化のための高分子化合物;毛髪の水分を維持する保湿剤;損傷した毛髪を補修するためのタンパク質あるいはタンパク質加水分解物;ふけ防止剤;栄養補給の養毛育毛成分等があり、これらの1種又は2種以上を組合せて用いられる。さらに適宜、有効成分の乳化・分散に用いる界面活性剤、殺菌剤、清涼剤、低温安定化剤、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、香料、色素、乾燥促進剤等の機能を付加する成分等を配合しても良い。
本発明の毛髪用化粧料に使用される(A)多価アルコールと水の共存下で加熱によりゲル状物を形成する多糖類(以下、「(A)成分」とする)は、(B)多価アルコール(以下、「(B)成分」とする)と、(C)水(以下、「(C)成分」とする)が共存する環境下で加熱されることにより、(A)成分と(B)成分と(C)成分が特定の範囲の比率になった時にゲル状物を形成する多糖類である。また、(A)成分と(B)成分と(C)成分が特定範囲比率でゲル状物を形成する温度は、40℃以上、120℃未満である。
具体的には、微生物産生多糖類の少なくともフコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類等がある。該多糖類としては、下記式(1)に示されるようなグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返し構造の主鎖からなり、主鎖中の1つのグルコースに1つのフコースが分岐した構造を有する多糖類が挙げられる。
該多糖類は、微生物の産生多糖類として得られるもので、例えば、アルカリゲネス レータスB−16株細菌(FERM BP−2015号)の産生物として得ることができる。アルカリゲネス レータスB−16株細菌の場合、次のように製造される。アルカリゲネス レータスB−16株細菌は、通常の微生物の培養方法で培養され、例えば、炭素源にフラクトース、グルコース、シュークロースなどの単糖類、ヘミセルロース、デンプン、コーンスターチなどの天然高分子、オリーブ油脂などの油類を、窒素源に尿素、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機態窒素源、トリプトン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、麦芽エキスなどの有機態窒素源を、その他リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩類を加えた培地を用いて、初発pHが4〜10、培養温度が15〜40℃で通気攪拌液体培養を3〜10日間行なう。培養後、該培養液に約2倍量(容量)以上のアセトン、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を入れ、培養産生物を不溶性の凝集物として回収する。
アルカリゲネス レータスB−16株細菌の生産する多糖類(以下、「B−16多糖類」とする。)には、少なくとも2種の多糖類が含まれていることが確かめられており、一つは前記式(1)に示すようなグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返し構造の主鎖中にある1つのグルコースに1つのフコースが分岐した構造を有する多糖類であり、その分子量は109程度の高分子成分である〔1998年度日本農芸化学会大会要旨集、371頁参照〕。他の一つは、実質的にフコースとマンノースを構成単糖とする構造の繰り返しの多糖類であり、分子量が103〜107の低分子成分である〔Y.Nohata,J.Azuma,R.Kurane,Carbohydrate Research 293,(1996)213〜222参照〕。
このB−16多糖類は、アルカシーラン〔商標、INCIname:Alcaligenes Polysaccharides、伯東(株)製〕として市販されている。この培養産生物は少なくとも前述の2種類の多糖類からなっており、式(1)で示される高分子量多糖類に低分子量多糖類が含まれていてもその効果を妨げないため、低分子量多糖類を除去することなく、B−16多糖類を使用することができ、より好適である。
本発明の毛髪用化粧料に用いる(B)多価アルコール〔(B)成分〕としては、炭素数1〜10の飽和あるいは不飽和、直鎖あるいは分岐鎖の多価アルコールおよびその重合体が用いられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール;キシリトール等の5価アルコール;ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度5〜20)、ジプロピレングリール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(重合度5〜20)、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン(重合度5〜20)等の多価アルコール重合体;キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリスリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、グリコシドなどがある。
また、多価アルコールのエチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加物、例えばトリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、ポリオキシエチレン(POE)グリセリンエーテル、ポリオキシプロピレン(POP)グリセリンエーテル、ポリオキシエチレン(POE)グリセリンエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(POE)グリセリンエーテルリン酸、POP・POEペンタエリスリトールエーテル等が挙げられる。これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。その中でも、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコールが好適である。
本発明の毛髪用化粧料で用いる(C)水〔(C)成分〕は、特に限定されるものではなく、従来から化粧料に使用されてきた水が使用できる。具体的には市水、地下水、蒸留水、イオン交換水、精製水、温泉水、鉱泉水、深層水、湧き水等があり、これらの1種以上が用いられる。
本発明の毛髪用化粧料が加熱によりゲル状物を形成する(A)成分の割合は、(B)成分と(C)成分の合計量に対して0.01%〜10%、かつ(B)成分と(C)成分の重量比は、1:0.05〜1:20である。さらに、本発明の毛髪用化粧料が加熱によりゲル状物を形成する(A)成分の割合は、好ましくは0.05%〜7%、より好ましくは0.1%〜5%の範囲である。(A)成分の合計量に対して0.01%未満では、ゲル状物の形成が不十分で本発明の毛髪用化粧料の効果が得られない場合があり、(A)成分の割合が10%を超えても(A)成分の増加に見合う効果の増大は少なく、経済的メリットが少ない場合がある。また、本発明の毛髪用化粧料が加熱によりゲル状物を形成する(B)成分と(C)成分の重量比は、好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.5〜1:2の範囲である。(B)成分と(C)成分の重量比がこの範囲外では、得られるゲル状物の保水性や弾力性が十分では無く、本発明の毛髪用化粧料の効果が得られない場合があり、好ましくない。
本発明の毛髪用化粧料における(A)成分の配合割合は、0.01〜10%(毛髪用化粧料に対して)であり、好ましくは0.02〜5%、より好ましくは0.03〜3%である。(A)成分の配合量が0.01%未満では、本発明の毛髪用化粧料を毛髪に塗布あるいは付着されて加熱する際に、加熱に時間を要するようになり実用的ではなく、好ましくない。(A)成分の配合量が10%を超えて配合すると、毛髪用化粧料の粘度が高くなり取扱難くなる上に、配合量の増加に見合う効果の増大は少なく、経済的メリットが少ない。
本発明の毛髪用化粧料における(B)成分の配合量は、通常、毛髪用化粧料全体の1〜50%であり、好ましくは5〜30%であり、(C)成分の配合量は、通常、毛髪用化粧料全体の30〜95%であり、好ましくは50〜80%である。
(B)成分と(C)成分の配合割合は、重量比で1:0.5〜1:100であり、好ましくは1:2〜1:20である。この(B)成分と(C)成分の配合割合は、製造して得られた本発明の毛髪用化粧料の取り扱い易さおよび効果を発揮する範囲として見出されたものであり、この範囲外では本発明の毛髪化粧料を毛髪に塗布あるいは付着させた後、本発明の効果を発揮するまでに加熱に時間を要するようになり実用的ではなく、好ましくない。
本発明の毛髪用化粧料は、特定比率の(A)成分と(B)成分と(C)成分の均一混合分散物に熱を加えることにより、(A)成分と(B)成分と(C)成分が特定比率の混合物組成に達した時にゲル状物を形成し、該毛髪用化粧料中の有効成分を含んだ特異的ゲル状物となる。該ゲル状物は、粘着性を有するが、剥がれ易く、しかも付着した面にはべたつくほどの水分の残留・付着が無く、サラリとした感触を維持する。また、該ゲル状物は含有する水分の揮発(蒸発)が非常に遅く、時間を経ても表面の乾燥、硬化が無く保水性が高く、潤いのある感触が維持され、さらにゲル状物は弾力性に富み、容易に切断されること無い等の特徴がある。その結果、該毛髪用化粧料を毛髪表面に長期間付着することにより、有効成分の機能・効果が毛髪に長期間作用し、有効成分の効果が十分に発揮される。
本発明の毛髪用化粧料中の(A)成分と(B)成分と(C)成分の組成は、予めゲル状物になる(A)成分と(B)成分と(C)成分の組成比率の範囲で毛髪用化粧料に配合する方法、あるいはゲル状物になる(A)成分と(B)成分と(C)成分の組成比率の範囲外で配合し、毛髪に塗布あるいは付着させて後に加熱により、水分を除去して(A)成分と(B)成分と(C)成分の組成比率がゲル状物になる組成範囲内になるようにする方法があり、いずれの方法も使用できる。
本発明の毛髪用化粧料を毛髪に塗布あるいは付着させて加熱処理を行うときの温度は、通常、毛髪用化粧料として使用し、ドライヤー等の乾燥器で乾燥させる温度であれば良く、特に限定されるものでは無く、適宜、選択決定すれば良い。次いで、上記のゲル状物を形成する(A)成分と(B)成分と(C)成分の混合比率範囲に達したならば、40℃以上〜120℃未満に加熱し、冷却して毛髪用化粧料のゲル状物が得られる。
本発明の毛髪化粧料の有効成分として用いられる界面活性剤は、毛髪を軟らかく、しなやかにするために配合する成分であり、通常、カチオン性界面活性剤である第4級アンモニウム塩である。具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(C12−C18)ジメチルアンモニウム、塩化ココイルジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレンオレイルメチルアンモニウム、また、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等があげられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
界面活性剤の配合量は、界面活性剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.1〜40%、好ましくは1〜20%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分として用いられる油脂は、脂肪分補給やなめらかさ・光沢の付与や毛髪表面を保護、整髪のために配合される成分であり、通常、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、一価アルコール類、脂肪酸エステル類、有機酸エステル、グリセライド類、フッ化炭化水素類等がある。
具体的には、炭化水素としてはスクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等があり、ロウ類としてはミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等があり、動物油類としては牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等があり、ラノリン誘導体としてはラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等がある。
脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等があり、1価高級アルコール類としてはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等があり、脂肪酸エステル類としてはアジピン酸ジイソブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル等がある。
アミノ酸エステルとしては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル等があり、有機酸エステル類としてはリンゴ酸ジイソステアリル等があり、グリセライド類としてはアセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等がある。
フッ素化炭化水素類としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等があげられる。
ポリシロキサン類としては、ジメチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体などのようなポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン−アルコキシ(炭素数4〜12)メチルシロキサン共重合体、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどのような環状ジメチルポリシロキサン、フルオロメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などのフッ素変性オルガノポリシロキサン、フルオロメチルシロキサン・ポリオキシエチレンメチルシロキサン共重合体やフルオロメチルメチルシロキサン・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルシロキサン共重合体などのフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、末端に水酸基を導入したジメチルポリシロキサン変性物や側鎖に部分的に水酸基を導入したヒドロキシメチルシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体等の末端あるいは側鎖変性オルガノポリシロキサン、側鎖にジアルキルアミノアルキル基を持つジメチルアミノブチルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン重合体などの変性アミノオルガノポリシロキサンがあげられる。これらのポリシロキサン類は、通常、粘度が100,000(mPa・s:25℃)以下のものが選ばれる。その配合量は0.1〜80%(対全量)、好ましくは0.5〜50%である。
これらの油脂類の1種あるいは2種以上が用いられ、その配合量は、配合する種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.1〜40%、好ましくは1〜20%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分として用いられる高分子化合物は、整髪や有効成分の分散安定化のために配合されるもので、通常、水溶性高分子のアラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン(カッパー,ラムダ,アイオタ)、ペクチン、寒天、アルゲコロイド、フコイダン、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子;キサンタンガム、カードラン、ジェランガム、フコゲル、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、β−1、4−グルカン、スクレロチウムガム、ウエランガム、ダイユータンガム等の微生物系高分子;キトサン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子;デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれ、適宜選択してこれらの1種あるいは2種以上を配合される。
高分子の配合量は、配合する種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分として用いられる保湿剤は、毛髪の水分を維持するために配合されるもので、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトース、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩、D−パンテノール、植物抽出液類が上げられる。植物抽出液類としては、更にアボカド抽出物、アーモンド油、イナゴマメ抽出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、オリーブ油、オドリコソウ抽出物、カカオ脂、カラスムギ抽出物、キズタ抽出物、クマザサ抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゴボウ抽出物、コボタンヅル抽出物、ゴマ抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、ショウガ抽出物、ジオウ抽出物、シア脂、シモツケ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウモロコシ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、トルメンチラ抽出物、ドクダミ抽出物、バクモンドウ抽出物、ハウチマメ抽出物、ハマメリス抽出物、ハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、セイヨウハッカ抽出物、パセリ抽出物、バラ抽出物、ヒマワリ抽出物、ヒノキ抽出物、ヘチマ抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ボラージ油、ボタン抽出物、ホホバ油、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナッツ油、マルメロ抽出物、ムラサキ抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユリ抽出物、ユズ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンドウ抽出物、ワレモコウ抽出物及びリンゴ抽出物等が挙げられる。酵母代謝物,酵母菌抽出エキス,米発酵エキス,米糠発酵エキス,ユーグレナ抽出物,生乳・脱脂粉乳の乳酸発酵物やトレハロース又はその誘導体などアルコール類・多価アルコール類として、エタノール,イソピロパノール,ラウリルアルコール,セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール,ラノリンアルコール,コレステロール,フィトステロールなどの天然アルコール,2−ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール。酸化エチレン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ポリエチレングリコール,酸化プロピレン,プロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,グリセリン,ペンタエリトリトール,ソルビトール,マンニトール等が挙げられ、1種または2種以上を適宜選択して配合される。
保湿剤の配合量は、保湿剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.1〜20%、好ましくは1〜10%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分として用いられるタンパク質およびタンパク質加水分解物は、損傷により失われた毛髪のタンパク質を補うために配合されるもので、コラーゲン、コラーゲン加水分解物、カチオン化加水分解コラーゲン、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カチオン化加水分解ケラチン、エラスチン、エラスチン加水分解物、カゼイン、カゼイン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、その他大豆蛋白、小麦蛋白、グルテリン、ホエー粉末、フィブロイン、グルカゴン、卵白、非熱凝固卵白、卵白リゾチーム、アルブミンフィブリノーゲン、ヘモグロビン、グロブリン、小麦由来のタンパクおよびこれらの加水分解物等が挙げられ、1種又は2種以上を適宜選択して配合される。
タンパク質およびタンパク質加水分解物の毛髪用化粧料への配合量は、タンパク質およびタンパク質加水分解物の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.01〜20%、好ましくは0.1〜10%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分に用いられるふけ防止剤成分としては、イオウ、硫化セレン、硫化カドミウム、コロイド硫黄、ジンクピリジニウム−1−チオール−N−オキサイド(Zpt;ピリチオン亜鉛)、マグネシウムピリチオン、ヒドロキシテトラミン、ω−(アミノチオカルボニルメルカプト)−アルカン酸、ヒドロキシメタンスルフォン酸亜鉛、ビタミンEアミノ酸エステル、トリクロロカルバニリドとビタミンE酢酸エステルの組合せ、ハロカルバン、アラントイン、ピロクトンオラミン、トリクロサン、メントール類、サリチル酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。
これらのふけ防止剤成分は、1種又は2種以上を適宜選択して配合することができ、その含有量は、ふけ防止剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
本発明の毛髪用化粧料の有効成分に用いられる養毛剤は、毛髪の栄養補給を目的とし、具体的にはパントテン酸カルシウム、ビタミンAアセテート、パントテニルアルコール、塩酸ピリドキシン等のビタミン類、メチオニン、セリン等のアミノ酸類、エチニルエストラジオール、ジプロピオン酸エストラジオール等のホルモン、甘草エキス、センブリエキス等の植物抽出液等があり、1種又は2種以上を適宜選択して配合することができ、その含有量は、養毛剤成分の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
その他に毛髪用化粧料の有効成分の乳化・分散に界面活性剤が用いられる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等がある。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体類などがあげられる。
上記非イオン性界面活性剤におけるポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレン(POE)、ポリオキシプロピレン(POP)、ポリオキシブチレン(POB)の1種以上からなるものであり、POE、POP、POBの重合モル数は目的とする界面活性剤の乳化特性により適宜、決定されるものであるが、通常、3〜200である。また、POE、POP、POBの重合モル比も目的とする界面活性剤の乳化特性により適宜、決定される。好ましくは、ポリオキシアルキレンがPOEとPOPからなり、POEが25モル%以上を占めるものである。
炭素数2〜4のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類は、炭素数8〜30の直鎖あるいは分岐、飽和あるいは不飽和のアルコールにポリアルキレンオキシドを付加したものである。具体的には、POE(3モル)オクチルエーテル、POE(5モル)ドデシルエーテル、POE(10モル)オレイルエーテル、POE(15モル)ステアリルエーテル、POE(20モル)ベヘニルエーテル、POE(10モル)POP(10モル)デシルエーテル、POE(15モル)POP(2モル)イソステリルエーテル、POE(10モル)コレスタノールエーテル、POE(15モル)POP(10モル)水添ラノリン類等がある。
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類は、炭素数1〜22の直鎖あるいは分岐のアルキルフェノール、アルケニルフェノールにポリアルキレンオキシドを付加したものであり、具体的にはポリオキシエチレン(3モル)メチルフェニルエーテル、POE(5モル)オクチルフェニルエーテル、POE(10モル)ノニルフェニルエーテル、POE(15モル)ドデシルフェニルエーテル等がある。
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類は、炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸にポリアルキレンオキシドを付加したものであり、具体的にはPOE(3モル)オクタン酸エステル、POE(5モル)デカン酸エステル、POE(10モル)ドデカン酸エステル、POE(15モル)ステアリン酸エステル、POE(20モル)ベヘニル酸エステル、POE(15モル)イソステアリン酸エステル、POE(15モル)POP(5モル)オレイン酸エステル等がある。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類は、ソルビトールと炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸とポリアルキレンオキシドを付加したものであり、具体的にはPOE(5モル)ソルビタンモノラウレート、POE(20モル)ソルビタントリラウレート、POE(20モル)ソルビタンモノステアレート、POE(20モル)ソルビタンセスキステアレート、POE(20モル)ソルビタントリステアレート、POE(20モル)ソルビタンモノオレエート等がある。
ソルビタン脂肪酸エステル類は、ソルビトールと炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸とのエステルであり、具体的にはソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エルチヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等がある。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類は、グリセリンと炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸およびポリアルキレンオキシドの付加エステルである。具体的には、POE(5モル)グリセリンモノラウリレート、POE(10モル)グリセリンモノステアレート、POE(15モル)グリセリンジステアレート、POE(20モル)POP(5モル)グリセリンジオレエート等がある。
グリセリン脂肪酸エステル類は、グリセリンと炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のエステルであり、具体的にはモノラウリン酸グリセリン、セスキラウリン酸グリセリン、トリラウリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキステアリン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、α、α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、炭素数8〜12の飽和脂肪酸混合物とグリセリンのエステル、ステアリン酸とリンゴ酸とグリセリンのエステル等がある。
ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、縮合ヒドロキシステアリン酸ポリグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステル等があり、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類としては、POE(10モル)ヒマシ油、POE(15モル)硬化ヒマシ油、POE(15モル)硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE(20モル)硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE(20モル)硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE(20モル)硬化ヒマシ油マレイン酸等がある。
ショ糖脂肪酸エステル類は、ショ糖と炭素数8〜22の直鎖あるいは分岐の飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のエステルであり、具体的にはショ糖べへニン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等がある。
リオキシアルキレンアルキルアミン類は、炭素数3〜22の1級ないし2級アミンとポリアルキレンオキシドを付加したものであり、具体的にはPOE(5モル)ジドデシルアミン、ジPOE(10)POP(3)ドデシルアミン、POE(10モル)ジステアリルアミン、ジPOE(10モル)ステアリルアミン、ジPOE(15モル)オレイルアミン、ジPOE(17モル)ベヘニルアミン等がある。
エチレンオキシド・プロピレンオキシド共重合体類は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドをモル比で1:9〜9:1の範囲で、分子量約500〜50,000として重合して得られた共重合体である。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸塩類及びアルケニル硫酸塩類、アルキルフェニル硫酸塩類及びアルケニルフェニル硫酸塩類、アルキルフェニルポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩類及びアルキルフェニルポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩類、(ジ)アルキルスルホコハク酸塩類、N−アシルアミノ酸塩類(アシル−N−メチルタウリン類)、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物類等が挙げられる。金属塩はナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
脂肪酸塩類は、炭素数8〜30で直鎖あるいは分岐鎖、更には飽和あるいは不飽和の脂肪酸の金属塩類であり、具体的にはオクチル酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、テトラデカン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等がある。
アルキル硫酸塩類及びアルケニル硫酸塩類は、炭素数8〜30で直鎖あるいは分岐鎖、更には飽和あるいは不飽和のアルキル硫酸塩類、アルケニル硫酸塩類であり、具体的にはオクチル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ヤシアルキル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、イソステアリル硫酸カリウム、オレイル硫酸アンモニウム、ベヘニル硫酸アンモニウム等がある。
アルキルフェニルポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩類及びアルキルフェニルポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩類は、炭素数1〜22で直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を持ったフェニル基と炭素数2〜4のポリオキシアルキレングリコールの付加物との硫酸エステル塩類である。具体的には、トシルPOE(3モル)硫酸ナトリウム、オクチルフェニルPOE(5モル)硫酸ナトリウム、ノニルフェニルPOE(10モル)硫酸カリウム、デシルフェニルPOE(10モル)硫酸ナトリウム、オクタデシルフェニルPOE(15モル)硫酸カリウム、オクタデセニルフェニルPOE(15モル)硫酸カリウム、イソオクタデシルフェニルPOE(15モル)POP(5モル)硫酸カリウム等がある。
(ジ)アルキルスルホコハク酸塩類としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジー2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等がある。
N−アシルアミノ酸塩類は、アシル−N−メチルタウリン類であり、具体的にはラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩等がある。アルキルベンゼンスルホン酸塩類としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム等がある。これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カチオン性界面活性剤としては、アミノ酸類、アルキルアミン塩類、4級アンモニウム塩類、ピリジニウム塩類等が挙げられる。
アミノ酸類としては、卵黄あるいは大豆由来のレシチン、あるいはこれを水素添加した水添レシチンや水酸化レシチン等のレシチン誘導体等がある。
アルキルアミン塩類としては、炭素数3〜22の1級ないし2級アミンと炭素数1〜22のカルボン酸の塩、無機鉱酸の塩であり、具体的にはドデシルアミン酢酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミンステアリン酸塩、ジメチルアミンステアリン酸塩等がある。
ピリジニウム塩類としては、塩化ポリ(N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等がある。
その他のカチオン性界面活性剤として、ドデシルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド類、アクリル酸β−N−Nジメチル−N−エチルアンモニオエチル酸ビニルピロリドン共重合体等のカチオン性ポリマーなども使用できる。
両性界面活性剤としては、ベタイン類、ホスホベタイン類およびスルホベタイン類、グリシン系ベタイン類、イミダゾリウム系ベタイン類、アミンオキシド類等がある。具体的には、ベタイン類としてはドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチル酢酸ベタイン、ドデカン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等があり、ホスホベタイン類としては2−(ジメチルドデシルアンモニオ)プロピオホスフェート、2−(ジメチルドデシルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロピオホスフェート等があり、スルホベタイン類としてはドデシルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート等があり、グリシン系ベタイン類としてはドデシルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリウム系ベタイン類としては2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等がある。
これらの中で好ましくは、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチンおよびその誘導体でありより好ましくはショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、モノステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、縮合ヒドロキシステアリン酸ポリグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリンエステル、レシチン、水添レシチン、水酸化レシチンが挙げられる。これらの中より1種又は2種以上を適宜選択して配合される。
これらの乳化用界面活性剤の配合量は、乳化用界面活性剤の種類により異なり、一律に決められないが、通常、0.01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。
また、殺菌剤としては、イルガサンDP−300、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール等があげられ、清涼剤としては、メントール等、低温安定化剤としてはHLB値が10以下のノニオン性界面活性剤やポリビニルピロリドン、さらには炭素数8〜30のアルキル基を有する脂肪酸グリセリンエステル等が挙げられ、pH調整剤としてはクエン酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、ぎ酸、レブリン酸等の有機酸やリン酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。
キレート剤としてはヒドロキシエタンジホスホン酸塩類、フェナセチン、EDTA及びその塩、防腐剤としてはパラベン類、スズ酸塩類等がある。また、香料としては、天然香料や合成香料があり、天然香料の代表例は、バラ油、ジャスミン油、ネロリ油、ラベンダー油、チュベローズ油、イランイラン油、クラリセージ油、クローブ油、ペパーミント油、ゼラニウム油、パッチュリー油、サンダルウッド油、シンナモン油、コリアンダー油、ナツメグ油、パイン油、バニラ油、ペルーバルサム油、バナナ油、アップル油、フェンネル油、トンカビーンズ油、ペパー油、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、オポポナックス油、ベチバー油、オリス油、オークモス油、アニス油、ボアドローズ油などの植物性香料、ムスク油、シベット油、カストリウム油、アンバーグリス油などの動物性香料である。
合成香料の代表例は、リモネン、β−カリオフィリンなどの炭化水素類、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ファルネソール、β−フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、ターピネオール、メントール、サンタロール、バクダノール、ブラマノールなどのアルコール類、リラノール、リリアール、2,6−ノナジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒドなどのアルデヒド類、β−イオノン、l−カルボン、シクロペンタデカノン、ダマスコン、メチルイオノン、イロン、イソイースーパー、アセチルセドレン、ムスコンなどのケトン類、ベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、リナリルアセテート、ベンジルベンゾエートなどのエステル類、γ−ウンデカラクトン、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノリッド、エチレンブラシレートなどのラクトン類、ガラクソリッド、アンブロキサン、ローズオキサイドなどのオキサイド類、オイゲノールなどのフェノール類、インドールなどの含窒素化合物、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタールなどのアセタール類、オーランチオールなどのシッフ塩基類などである。香料は一般的に一種類単独で使用することは少なく、目的に応じて複数種を組み合わせた調合香料として用いられる。
色素等の機能を付加する成分として、有機顔料のアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料があり、無機顔料のベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック等があり、レーキ顔料としては赤色202号、204号、206号、207号、220号等、アルミニウムレーキ等の染料レーキが挙げられる。
また、本発明の毛髪用化粧料の毛髪保護特性を損なわずに、スタイリング時の使用性を改善するためには、微粒子粉末の配合が有効である。微粒子粉末を配合すると、スタイリング時に髪が櫛等に適度に引っかかり、くせ毛のばしや、ストレートブロー、クセづけブロー等の操作が非常にしやすくなって、使用性が格段に向上する。微粒子粉末は平均粒子径が0.001〜0.15μmであることがスタイリングのしやすさ、仕上がり感等の点で好ましい。0.2μm以上の顔料級の粒径の粉末は、スタイリング時の使用性を向上させることはできるものの、毛髪保護特性を損なう恐れがある。微粒子粉末としては、無機、有機何れの粉末も用いることができ、また、2種以上を併用することもできる。無機粉末としては、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、シリカ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、焼きセッコウ、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸、酸化亜鉛等が挙げられる。有機粉末としては、ナイロン粉末、ポリエチレン粉末、セルロース粉末、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリスチレン粉末等が挙げられる。これらの微粒子粉末は、金属石鹸、シリコーン、カチオン、デキストリン、脂肪酸、アルミナ、シリカ、フッ素化合物等による公知の表面処理が施されていてもよい。微粒子粉末の配合量は、毛髪用化粧料中、0.01〜5%、好ましくは0.05〜2%である。少なすぎる場合にはスタイリング時の使用性が改善されず、毛髪保護特性を損なうことがある。
また、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、多の成分、例えば分散安定化あるいは増粘を目的とした高分子物質、低温安定化剤、香料、着色剤、紫外線吸収剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物等の通常化粧品に用いられる原料を配合することができる。
本発明の毛髪用化粧料の製造方法に特に制限はなく、従来から公知の方法を使用することができる。例えば、(C)成分に(A)成分、(B)成分を入れて、撹拌し、均一にし、さらに塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、グリセリン等の保湿剤、色素等の親水性成分を加え70℃に保ち、必要に応じて界面活性剤等の乳化剤、pH調成剤等を加えた後、過熱溶解し70℃に保つ(水相)。他方、油脂類や保湿剤等の有効成分を加えて混合し、加熱、溶解し70℃に保つ(油相)。水相をホモミキサーで撹拌下、油相を添加して乳化した後、さらに撹拌しながら冷却し、本発明の毛髪用化粧料が得られる。さらに必要に応じて、他の薬効成分や機能性成分を添加しても良い。
本発明の毛髪用化粧料の使用方法は、特に限定されるものではなく、ヘアクリーム、ヘアジェル、ヘアローション等を手のひらに取り毛髪につける方法、ヘアスプレーやヘアミスト等のようにスプレーにて毛髪に塗布・噴霧する方法等があり、適宜選択して、毛髪に塗布あるいは付着させる。毛髪に塗布あるいは付着させた毛髪用化粧料をドライヤー等で40℃以上〜120℃未満の温度で温風乾燥し、該毛髪化粧料中の水分を除去する。さらに水分を除去して、(A)成分が(B)成分と(C)成分の混合物に対して重量比で0.01〜10%、かつ、(B)成分と(C)成分の混合比率が、重量比で1:0.05〜1:20の範囲に達することでゲル状物となった毛髪用化粧料が得られ、このゲル状物となった毛髪用化粧料が毛髪に定着し、有効成分の損失を抑制・防止することにより、該毛髪化粧料中の有効成分の持っている機能・効果が十分に発揮される。
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
〔試験に用いた多糖類〕
・A−1:アルカリゲネス レータスB−16株細菌の産出多糖類(粗製品)
グルコース〔和光純薬工業(株)製、試薬〕40.0g、リン酸水素二カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕4.0g、リン酸二水素カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕2.0g、塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕0.1g、硫酸マグネシウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕0.2g、硝酸カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕1.0g、イーストエキストラクト〔オキソイド(OXOID)社製〕1.5gをイオン交換水に溶解し、水酸化ナトリウムあるいは硫酸を用いpH6.5に調整し、全量を1リットルとした。この水溶液150mLを500mLの三角フラスコに取り、オートクレーブにより加熱滅菌(121℃、15分間)した後、室温まで戻し、アルカリゲネスレータスB−16株(FERM BP−2015号)を1白金耳接種し、30℃にて6日間振とう培養(180rpm)した。培養終了後、培養物に約3倍容量のイソプロピルアルコールを加えて攪拌混合し、析出した凝集物を濾過、回収、減圧下にて乾燥してアルカリゲネス レータスB−16株細菌の産出多糖類(A−1)を得た。この多糖類は、フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースをモル比1:2:1:1で構成される多糖類を主成分とし、この他フコースとマンノースをモル比1:1で構成される多糖類を含み、その存在比は7:1(重量比)である。尚、構成単糖類は、多糖類を硫酸で加水分解した後高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。
・A−2:上記A−1の精製品
多糖類:A−1の0.5重量%水溶液を調製し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを12とした。この水溶液をイオン交換樹脂「ダイヤイオンHPA−75(OH−)(商品名)」(日本錬水(株)製)のカラムを用いて8Ru以下で処理し、さらに濾過助剤「ラジオライトRL700」と5μmメンブランフイルターで濾過し、タンパク質、核酸、微生物類を除去した。濾液を希塩酸にてpHが7にしてから減圧濃縮し、アセトンを投入して多糖類を沈澱させ、さらに10倍量のアセトンで洗浄し、フコース:グルコース:グルクロン酸:ラムノース=1:2:1:1で構成され、分子量が5,000万の多糖類(A−2)を得た。
・A−3:B−16多糖類(商標;アルカシーラン〔「Alcasealan」(商標)、伯東(株)製〕
〔多価アルコール〕
・B−1:ジグリセリン〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−2:グリセリン〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−3:ペンチレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−4:ソルビトール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−5:1,3−ブチレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−6:エチレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−7:ジエチレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−8:トリエチレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−9:トリグリセリン〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−10:プロピレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
・B−11:ジプロピレングリコール〔関東化学(株)製、試薬〕
〔水〕
・C−1:精製水
・C−2:イオン交換水。
〔試験で用いた多糖類および高分子重合体〕
・D−1:(比較例で使用)キサンタンガム〔三晶(株)製、「ケルザンT」(商品名)〕
・D−2:(比較例で使用)カードラン〔関東化学(株)製、試薬〕
・D−3:(比較例で使用)ポリアクリル酸〔「カーボポール980」(商品名)、日光ケミカルズ(株)製〕
・D−4:(比較例で使用)カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製)
・D−5:(比較例で使用)ポリビニルピロリドン〔「PVP K30」(商標)、アイエスビー・ジャパン株式会社製〕。
〔毛髪に対する効果試験〕
以下の配合でヘア化粧料、ヘアトリートメント、ヘアトリートメントクリーム、クリーム化粧料、ヘアトリートメントパック、ふけ防止化粧料等の毛髪用化粧料類を調製し、なめらかさ、しっとりさ、くし通り性、水分保持性等の評価を行なった。結果を表1に示す。
〔実施例1:ヘア化粧料1〕
No.1〜5を混合してA液とし、No.6〜11を混合してB液とした。それぞれを75℃に加温した後、この温度を維持しながら4枚羽根のプロペラ型撹拌翼を持った攪拌機でB液を攪拌しながら、A液を徐々に投入し、エマルションを調製した。その後、撹拌、冷却して「実施例1:ヘア化粧料1」を得た。
(No) (原料名) (重量%)
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
2.セタノール 3.0
3.メチルポリシロキサン 1.0
4.ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0
5.プロピレングリコール(B−10) 5.0
6.B−16多糖類(A−1) 0.1
7.メチルパラベン 0.1
8.塩化カリウム 0.3
9.クエン酸 0.2
10.香料 適量
11.精製水(C−1) 残量
〔比較例1:ヘア化粧料1〕
「実施例1:ヘア化粧料1」において、No.6:B−16多糖類(A−1)を精製水に置き換えて、同様な方法で調製し、「比較例1:ヘア化粧料1」を得た。
〔実施例2:ヘア化粧料2〕
No.1〜8を混合してA液とし、No.9〜13を混合してB液とし、「実施例1:ヘア化粧料1」と同様にして「実施例2:ヘア化粧料2」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 3.00
2.スフィンゴミエリン 0.20
3.非熱凝固卵白 0.20
4.カゼイン加水分解物 0.02
5.第4級窒素含有セルロースエーテル 0.10
6.2−オクチルドデカノール 10.00
7.セトステアリルアルコール 2.00
8.トリエチレングリコール(B−8) 10.00
9.B−16多糖類(A−2) 0.10
10.クエン酸 0.20
11.塩化カリウム 0.30
12.香料 適量
13.イオン交換水(C−2) 残量
〔比較例2:ヘア化粧料1〕
「実施例2:ヘア化粧料2」において、No.9:B−16多糖類(A−2)0.01wt%をキサンタンガム(D−1)0.01wt%に置き換えて、同様な方法で「比較例2:ヘア化粧料2」を調製した。
〔実施例3:ヘアトリートメント−1〕
No.1〜5を混合してA液とし、No.6〜14を混合してB液とし、「実施例1:ヘア化粧料1」と同様にして、「実施例3:ヘアトリートメント−1」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.液状ラノリン 20.0
2.流動パラフィン 10.0
3.ミリスチン酸イソプロピル 8.0
4.セタノール 5.0
5.モノステアリン酸ソルビタン 1.5
6.ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン 2.0
7.グリセリン(B−2) 5.0
8.B−16多糖類(A−3) 0.2
9.加水分解コラーゲン 0.5
10.メチルパラベン 0.1
11.クエン酸 0.1
12.青色1号 適量
13.香料 適量
14.精製水(C−1) 残量
〔比較例3:ヘアトリートメント−1〕
「実施例3:ヘアトリートメント−1」において、No.8:B−16多糖類(A−3)0.2%と精製水0.3%をキサンタンガム(D−1)0.5%に置き換えて同様な方法で「比較例3:ヘアトリートメント−1」を調製した。
〔実施例4:ヘアトリートメント−2〕
No.1〜6を混合してA液とし、No.7〜14を混合してB液とし、「実施例1:ヘア化粧料1」と同様にして「実施例4:ヘアトリートメント−2」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.50
2.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.50
3.種子油 2.50
4.セタノール 4.50
5.液状ラノリン 2.00
6.ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.50
7.B−16多糖類(A−3) 0.05
8.ソルビトール(B−4) 7.00
9.加水分解ケラチン 1.00
10.メチルパラベン 0.10
11.香料 適量
12.EDTA−3Na(キレート剤) 適量
13.エタノール 20.00
14.精製水(C−1) 残量
〔比較例4:ヘアトリートメント−2〕
「実施例4:ヘアトリートメント−2」のNo.7:B−16多糖類(A−3)0.05%をカルボキシメチルセルロース(D−4)に置き換えて、同様な方法で「比較例4:ヘアトリートメント−2」を調製した。
〔実施例5:ヘアトリートメントクリーム〕
No.1〜8を混合してA液とし、No.9〜16を混合してB液とし、「実施例1:ヘア化粧料1」と同様にして、「実施例5:ヘアトリートメントクリーム」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0%
2.セトステアリルアルコール 6.5
3.ベヘニルアルコール 2.0
4.ジメチルポリシロキサン(5cs) 20.0
5.アンモニウム変性高分子シリコーン 6.0
6.2−オクチルドデカノール 2.0
7.ポリオキシエチレン(60モル付加)硬化ヒマシ油誘導体 0.3
8.ポリオキシエチレン(4モル付加)ステアリルエーテル 1.0
9.B−16多糖類(A−3) 0.05
10.ジグリセリン(B−1) 10.0
11.ジプロピレングリコール(B−11) 5.0
12.色素 適量
13.香料 適量
14.メチルパラベン 適量
15.EDTA−3Na(キレート剤) 適量
16.イオン交換水(C−2) 残量
〔比較例5:ヘアトリートメントクリーム〕
「実施例5:ヘアトリートメントクリーム」において、No.9:B−16多糖類(A−3)0.05%をイオン交換水(C−2)0.05%に置き換え、同様な方法で「比較例5:ヘアトリートメントクリーム」を調製した。
〔実施例6:クリーム化粧料1〕
No.1〜5を混合してA液とし、No.7〜13を混合してB液とし、「実施例1:ヘア化粧料1」と同様にしてエマルションを調製し、撹拌冷却しながら約40℃でNo.6を加え、混合して「実施例6:クリーム化粧料1」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド 3.0
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
4.セタノール 8.0
5.ジメチルシリコン乳化物 2.0
6.カチオン化シルク 0.5
7.B−16多糖類(A−3) 0.1
8.1,3−ブチレングリコール(B−5) 3.0
9.リン酸 0.8
10.プロピルパラベン 0.1
11.香料 適量
12.エタノール 20.00
13.精製水(C−1) 残量
〔比較例6:クリーム化粧料1〕
「実施例6:クリーム化粧料1」において、No.7:B−16多糖類(A−3)0.1%をポリビニルピロリドン(D−5)0.1%に置き換えて、同様な方法で「比較例6:クリーム化粧料1」を調製した。
〔実施例7:クリーム化粧料2〕
No.1〜5を混合してA液とし、No.6〜9、11、12を混合してB液とし、「実施例6:クリーム化粧料1」と同様にして約40℃で、No.10を加え、混合して、「実施例7:クリーム化粧料2」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.セトステアリルアルコール 8.00
2.ポリオキシエチレン(20モル付加)セチルエーテル 2.00
3.オクチルドデカノール 4.00
4.酢酸トコフェロール 2.00
5.塩化セチルトリメチルアンモニウム 2.00
6.ペンチレングリコール(B−3) 2.00
7.エチレングリコール(B−6) 2.00
8.B−16多糖類(A−3) 0.15
9.フェノキシエタノール 0.10
10.香料 適量
11.エタノール 10.00
12.精製水(C−1) 残量
〔比較例7:クリーム化粧料2〕
「実施例7:クリーム化粧料2」において、No.7:B−16多糖類(A−3)0.15%を精製水(C−1)0.15%に置き換え、同様な方法で「比較例7:クリーム化粧料2」を調製した。
〔実施例8:ふけ防止化粧料〕
No.1〜5を混合してA液とし、No.6、7、9〜12を混合してB液とし、「実施例6:クリーム化粧料1」と同様にして約40℃で、No.8を加え、混合して「実施例8:ふけ防止化粧料」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
2.セタノール 3.0
3.メチルポリシロキサン 1.0
4.ポリオキシエチレンステアリルエーテル 1.0
5.ジエチレングリコール(B−7) 5.0
6.B−16多糖類(A−3) 0.1
7.キサンタンガム(D−1) 0.5
8.ジンクピリジニウム−1−チオール−N−オキサイド 0.5
9.メチルパラベン 0.1
10.クエン酸 0.2
11.香料 適量
12.精製水(C−1) 残量
〔比較例8:ふけ防止化粧料〕
「実施例8:ふけ防止化粧料」において、No.6:B−16多糖類(A−3)0.1%と精製水0.4%をカードラン(D−2)0.5%に置き換え、同様な方法で「比較例8:ふけ防止化粧料」を調製した。
〔実施例9:ヘアトリートメントパック〕
No.1〜11を混合してA液とし、No.12〜16を混合してB液とし、「実施例3:ヘアトリートメント−1」と同様にして「実施例9:ヘアトリートメントパック」を調製した。
(No.) (原料名) (重量%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0
2.塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.0
3.大豆水添レシチン 0.1
4.コレステロ−ル 0.1
5.トリグリセリン(B−9) 5.0
6.グリセロールモノステアレート 1.5
7.2−オクチルドデカノール 3.0
8.セチル2−エチルヘキサノエート 1.0
9.ジメチルポリシロキサン 1.5
10.ポリオキシエチレン(6モル付加)ステアリルエーテル 0.4
11.ポリオキシエチレン(60モル付加)硬化ヒマシ油誘導体 0.6
12.B−16多糖類(A−3) 0.2
13.カードラン(D−2) 0.5
14.エチルパラベン 0.4
15.香料 適量
16.イオン交換水(C−2) 残量
〔比較例9:ヘアトリートメントパック〕
「実施例9:ヘアトリートメントパック」において、No.12:B−16多糖類(A−1)0.2%とイオン交換水(C−1)0.8%をポリアクリル酸(D−3)1.0重量%に置き換え、同様な方法で「比較例9:ヘアトリートメントパック」を調製した。
〔なめらかさ、しっとりさの官能試験〕
ハーフヘッド法により、15人の被験者が市販ヘアーシャンプー(通常のアルキル硫酸エステル塩系シャンプー)で洗髪後、ドライヤーにて十分に乾燥させた後、頭髪を左右半々に分け、本発明の毛髪用化粧料と従来の毛髪用化粧料をそれぞれ5gずつ塗布し、ドライヤーにて加熱乾燥した後、毛髪の「なめらかさ」、「しっとりさ」の感触を以下のようにして評価した。
・「なめらかさ」の評価
○:なめらかさを感じた被験者数が15名中、10名以上。
×:なめらかさを感じた被験者数が15名中、9名以下。
・「しっとりさ」の評価
○:しっとりさを感じた被験者数が15名中、10名以上。
×:しっとりさを感じた被験者数が15名中、9名以下。
〔くし通り性の評価〕
毛髪ストランド(4g)に毛髪用化粧料(2g)を塗布し、温湯ですすぎ洗いし、1時間乾燥後、くし通りやすさを以下のように評価した。
○:ひっかかりがない
×:ひっかかりがある。
〔成分保持性〕
毛髪ストランド(4g)に毛髪用化粧料(2g)を塗布し、直後の毛髪ストランドの重量(含水量+化粧料):W1を測定した。更に80℃温風乾燥機にて1分間風乾した後、毛髪ストランドの重量(含水量+化粧料):W2を測定した。さらに湿度40%の恒湿槽に保持し、3時間後の毛髪ストランドの重量(含水量+化粧料):W3を測定した。3時間の含水率の変化率を下式で求めた。有効成分保持率(%)が高いほど、毛髪用化粧料の有効成分の歩留まりが高く好ましい。また、含水率の変化率(%)が低いほど、毛髪用化粧料の有効成分による水分保持性(保湿性)が高く、好ましい。いずれの項目も50%を基準として、「○:良好」、「×:不良」と評価した。
有効成分保持率(%)=(W1−W2)×100/W1
含水率の変化率(%)=(W2−W3)×100/W2
ここで、
W1:頭髪化粧料塗布直後の毛髪の重量(g)
W2:温風乾燥機にて乾燥後の毛髪の重量(g)
W3:湿度40%に3時間保持した後の毛髪重量(g)
評価は以下の2段階評価で行なった。
本発明の毛髪用化粧料のヘア化粧料、ヘアトリートメント、ヘアトリートメントクリーム、クリーム化粧料、ヘアトリートメントパック、ふけ防止化粧料は、毛髪になめらかさ、しっとりさを付与し、くし通りが良くなり、有効成分及び水分保持性も高い。