【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧上昇抑制作用を有する飲食品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
高血圧症は、腎疾患、糖尿病、心疾患、内分泌疾患による二次性高血圧症と、このような基礎疾患がみられない本態性高血圧症に大別される。本態性高血圧症は高血圧の約８０％を占める。そのリスクファクターとしては、遺伝的因子と、食習慣、ストレス、喫煙、飲酒、寒さなどの環境因子がある。このなかでもっとも大きく影響していると考えられているのは、肥満と塩分の過剰摂取である。
【０００３】
ファーストフードやインスタント食品、調理済み食品などが発達したことで、食生活は昔と比べて便利になった。しかしこうした加工食品には塩分が多く含まれており、塩分の過剰摂取が問題視されている。いまや若年齢で高血圧症と診断される人も多く、１０代で症状の現れる人もいる。高血圧症は、それ自体は死因にはならないが、命にかかわる生活習慣病を引き起こす要因になる。
【０００４】
高血圧症の予防も治療も、このようなリスクファクターを取り除き、生活習慣を改善していくことが第一である。ここでもっとも効果を発揮するのが、適度な運動と正しい食生活である。
【０００５】
血圧が高めの人や、血圧が気になる人に適する食品成分として、現在許可されているものには、血管の筋肉を弛緩させて血圧を下げる杜中葉配糖体、血圧を上昇させるアンジオテンシン変換酵素を阻害するペプチド類、といった成分が、特定保健用食品の有効成分として利用されている。
杜中の葉に含まれる配糖体は、副交感神経を刺激して動脈の筋肉を弛緩させ、その結果、血管を広げて血流をよくし、血圧の上昇を抑制する。ペプチド類は、現在、牛乳タンパク質から得られるカゼインドデカペプチド、ヨーグルトなどの発酵乳から得られるラクトトリペプチド、かつお節を酵素分解して得られるかつお節オリゴペプチド、およびいわしのタンパク質から得られるバリルチロシンを含むサーディンペプチドがある。これらのペプチドは、アンジオテンシンＩに作用して血管収縮作用をもつアンジオテンシンＩＩに変換するアンジオテンシン変換酵素（ＡＣＥ）を阻害し、その働きを抑制することにより、血圧低下に役立つとされている。
【０００６】
血圧が高めの人や、血圧が気になる人に適する食品成分として、特定保健用食品には現在まだ利用されてないが、アミノ酪酸（ＧＡＢＡ）は血圧降下作用を有することが知られている。そこで、柑橘系の中果皮またはじょうのう膜からＧＡＢＡを温水抽出後濾過、濃縮し、ＧＡＢＡを高濃度に含んだ濃縮原料および該濃縮原料を配合した高血圧患者用の栄養組成物が提供されている（例えば、特許文献１参照）。
また、レモン果汁のフラボノイド類には血圧上昇抑制効果があることが見出されている（例えば、非特許文献１参照）。
【０００７】
【特許文献１】
特許第３０６１５８５号（第４頁実施例１および２）
【非特許文献１】
第５１回日本栄養・食糧学会大会で発表、平成９年５月１７日
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、血圧上昇抑制作用（降圧作用）を有する柑橘果皮由来の抽出物を有効成分とする血圧上昇抑制剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記抽出物の有効量を含有する血圧上昇抑制に有効な飲食品、すなわち、「血圧が気になる人に適する飲食品」を提供することを目的とする。
さらにまた本発明は、上記飲食品の製造のための、上記抽出物の使用を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
古くから、東南アジア（タイ、カンボジア、ベトナムなど）の人達は、皮下脂肪、とくに腹部の皮下脂肪をとるために、現地産の柑橘の乾燥果皮を煎じて飲む習慣がある。医学系研究者らも、上記柑橘の水抽出物にはいろいろな薬効があると期待している。
そこで本発明者は、ベトナム産の柑橘類であるブイおよびタイ産柑橘類であるソンモーの乾燥果皮の熱水抽出物を人に摂取してもらい、いろいろな薬効を調べた、その結果、有効成分は現在のところ特定できてないが、該抽出物には高血圧症の人の血圧上昇を抑制する作用があることを見出した。ブイおよびソンモー果皮の水抽出物はヒトによる長年の食経験から、その安全性は検証されている。また、後述する毒性試験でもその安全性は確認されている。したがって、該抽出物の有効量を含有させた飲食品は「血圧高めの人や血圧が気になる人に適する飲食品」として期待される。
【００１０】
すなわち本発明は、
（１） ブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮の粉砕物、及び／又は該乾燥果皮の極性溶媒及び／又は非極性溶媒による抽出物を有効成分とする、血圧上昇抑制剤、
（２） 極性溶媒が水及び／又は低級アルコールである、（１）の血圧上昇抑制剤、
（３） 低級アルコールがエタノールである、（２）の血圧上昇抑制剤、
（４） 非極性溶媒がＣＯ２である、（１）の血圧上昇抑制剤、
（５） ブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮の粉砕物、及び／又は該乾燥果皮の極性溶媒抽出物及び／又は非極性溶媒による抽出物の有効量を含有する、血圧上昇抑制作用を有する飲食品、
（６） 極性溶媒が水及び／又は低級アルコールである、（５）の飲食品、
（７） 低級アルコールがエタノールである、（６）の飲食品、
（８） 非極性溶媒がＣＯ２である、（５）の飲食品、
（９） 飲食品が特定保健用食品である、（５）〜（８）のいずれか１つの飲食品、
（１０） 飲食品が病者用食品である、（５）〜（８）のいずれか１つの飲食品、
（１１） 飲食品が高齢者用食品である、（５）〜（８）のいずれか１つの飲食品、
（１２） 飲食品が経口・経腸栄養剤である、（５）〜（８）のいずれか１つの飲食品、
（１３） 飲食品がティーパック形態である、（５）〜（８）のいずれか１つの飲食品、
（１４） （５）〜（１３）のいずれか１つの飲食品を製造するための、ブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮の粉砕物、及び／又は該乾燥果皮の極性溶媒及び／又は非極性溶媒による抽出物の使用、
（１５） 極性溶媒が水及び／又は低級アルコールである、（１４）の使用、
（１６） 低級アルコールがエタノールである、（１５）の使用。
（１７） 非極性溶媒がＣＯ２である、（１４）の使用、
（１８） 飲食品が特定保健用食品である、（１４）〜（１７）のいずれか１つの使用、
（１９） 飲食品が病者用食品である、（１４）〜（１７）のいずれか１つの使用、
（２０） 飲食品が高齢者用食品である、（１４）〜（１７）のいずれか１つの使用、
（２１） 飲食品が経口・経腸栄養剤である、（１４）〜（１７）のいずれか１つの使用、
（２２） 飲食品がティーパック形態である、（１４）〜（１７）のいずれか１つの使用、
からなる。
【００１１】
本発明の抽出物の原料となるブイは、ベトナムで産出される。ブイの学名は「ＣＩＴＲＵＳ ＰＡＲＡＤＩＳＩ」であり、ラテン名は「ＣＩＴＲＵＳ−ＤＥＣＵＭＡＮＡ−ＭＥＲＲＹ」である。ブイにはいくつかの種類があり、例えば、ｂｏｕｉ Ｄｏａｎ Ｈｕｎｇ、ｂｕｏｉ Ｐｈｕｃ Ｔｒａｃｋ、ｂｕｏｉ Ｂｉｅｎ Ｈｏａ、およびｂｏｕｉ Ｔｈｕａｎ Ｈａｉ、などがあげられる。本発明は、血圧上昇抑制作用を有するベトナム産以外の同種のものがあれば、それらの種をも含む。
ソンモーは、「Ｃｉｔｒｕｓ Ｐｏｍｅｌｏ」といわれ、タイ、カンボジアで産出される。ブイ同様にその熱水抽出物は、肥満の防止や改善に効果があるといわれている。
【００１２】
本発明において、血圧上昇抑制作用を有する抽出物の原料は、ブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮である。
柑橘類の果実の構造は、表面の「果皮」、果皮の内壁にある白い部分の中果皮「アルベド」、「種子」、さのうを包む「じょうのう膜」および通常食される「さのう」からなる。
本発明の果皮は、果皮およびアルベドを含み、さらに、じょうのう膜や種子を含んでいてもよい。また、ジュースなどの製造時の副産物である果皮を主体とした搾汁粕を含んでいてもよい。本発明においては、果皮、アルベド、じょうのう膜や種子、または搾汁粕のそれぞれ、あるいはそれらのさまざまな組み合わせを、以後、一括して「果皮」と称する。果皮は天日あるいは人工的な加熱により乾燥したものを用いるが、生のままでもよい。
【００１３】
乾燥果皮は抽出効率をあげるために、適当な大きさ（例えば、長さ１０ｃｍ、幅２〜３ｃｍ）に細断する。
抽出に用いる極性溶媒は、生薬の抽出に用いられる一般的な溶媒、すなわち主として水が用いられる。水以外では低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、又はイソプロパノール等のアルコールやアセトン等が用いられ得る。低級アルコールではエタノールが好適である。
これらの溶媒はただ１種を用いてもよいし、２種以上を混合して用いてもよい。
以下にさまざまな抽出方法の態様を記載する。
【００１４】
乾燥果皮と極性溶媒の比率（重量）は、用いる溶媒により異なる。溶媒が水の場合は、一般生薬の抽出における比率が一つの目安となる。このなかで好適な果皮と水の比率は、当業者であれば血圧上昇抑制作用を指標として容易に決定することができる。血圧上昇抑制作用の評価方法は公知（例えば、続医薬品の開発第２巻、病態動物モデル、ｐｐ．３３−５０、廣川書店、平成５年８月１５日）である。したがって、このようにして決定された果皮と水の比率は本発明に包含される。しかし、水に対する果皮の比率があまりに高い場合は苦味が強くなり飲用に際してネックになる。果皮と水の比率は１：１０〜４０程度が目安と考えられるが、最適値は実験により決定できる。
溶媒が水の場合は、抽出は、５０〜１００℃、好ましくは８０〜１００℃の温度で、５〜６０分、好ましくは１〜２５分間行う。抽出終了後、抽出液は冷却し、遠心分離等によって分離し、果皮および不純物を除去する。かくして得られる抽出液は適当な濃度になるように濃縮又は希釈される。
溶媒がエタノールの場合は、例えば、９５％のエタノールを果皮の２〜３倍量ぐらい加え、当業者公知の溶媒移動抽出（１時間程度）、あるいは浸漬抽出（２〜時間程度を２〜３回程度）を行う。エタノール溶性成分が抽出される。エタノールは蒸留して回収し、当業者公知のＰＶ膜処理で脱水し、再利用することができる。エタノール溶性成分は蒸留残渣に濃縮される。一方、エタノール不溶性の残渣は、公知の、溶媒にＣＯ２を用いた超臨界抽出法により油溶成分を抽出する。
これらの抽出物を合体したものは本発明に包含される。また、超臨界抽出で得られた抽出残渣は、水溶性繊維および不溶性食物繊維に富むので、これらを配合した飲食品は、食物繊維の有する機能性、例えば整腸作用、あるいは高血圧症の予防や改善作用が期待される。
【００１５】
あるいは、果皮に対し、２〜３倍量の９５〜９９％エタノールを加え、よく撹拌後、圧搾する。この操作をもう一度繰り返し、抽出液を得る。この抽出液はセライト等で濾過し、エタノールを溜去する。残渣（乾物換算値）に対し、約２５倍量の０．０５Ｍ塩酸（０．２％リン酸を含む）を加え９０℃で３０分抽出する。常法により濾過する。また、残渣に５％の水酸化カルシウムを乳濁させた乳液を約２０倍量加え攪拌する。ついで液量の１／１０の１Ｍ水酸化ナトリウムを加え６０分抽出し、圧搾濾過する。一方、エタノール抽出濾液はヘキサンを加えヘキサンに抽出を転溶する。ヘキサンを溜去し抽出物を得る。これらの３つの抽出物を合わせる。
【００１６】
あるいはエタノールと果皮の混合物を２５〜８０℃で１〜１２時間抽出する。抽出物を濾過し、濾液を、たとえば、真空中で濃縮して濃縮された果皮抽出物を得る。他の方法としては、果皮１ｋｇに０．１〜２％水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウム水溶液５〜３０Ｌを加え、２５〜６０℃で１〜５時間抽出する。抽出物を濾過し、１Ｎ塩酸を加えて濾液をｐＨ４．０〜７．０に調整する。この濾液を１〜１０℃で１０〜４８時間置く。生成した沈殿物を回収し、乾燥して抽出物を得る。
【００１７】
あるいは、極性溶媒として水を用いた場合、抽出液は少し酸性側にかたむくので、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウ等てｐＨの調整を行う。なお、例えばこれらのアルカリを添加した水を用いて柑橘原料の抽出処理を行えば、抽出とｐＨ調整を同時に行うことができる。
【００１８】
あるいは、果皮を水やアルコールによって抽出する場合、前述の乾燥果皮１ｋｇに対し、１．５〜５．０Ｌの溶媒を加え、８０〜９０℃で２〜４時間）、あるいは１５〜２５℃で３〜５日間抽出する。４５℃以下で減圧下溶媒を完全に溜去して濃縮抽出物を得る。これを凍結乾燥あるいはスプレードライすることにより、粉末状の抽出物を得ることができる。
【００１９】
また一つの実施態様は以下の通りである。まず、果皮１に対し、１５〜２０倍量程度、好ましくは２０倍量程度の熱水を加え、１〜３時間程度抽出する。ここで、熱水の温度は、５５℃以上、好ましくは６０℃以上とする。また、熱水添加及び加熱の代わりに、果皮１に対し、１５〜２０倍量程度、好ましくは２０倍量程度の低沸点有機溶媒、例えば、エタノールなど、沸点が５０〜６５℃程度の有機溶媒を使用することができる。
次に、必要により、油圧プレス機などを用いて搾汁し、遠沈処理、フィルター濾過などの手段により、不溶物を除去した後、濾過液を減圧濃縮装置などにより、Ｂｘ１０〜２０程度まで濃縮する。その後、この溶液を凍結乾燥或いはスプレードライすることにより、抽出物粉末を得ることができる。なお、乾燥前の濃縮液に、予めデキストリンなどの賦形剤を添加してから乾燥させることにより、エキス散として製造することもできる。この場合、Ｂｘ１０程度（固形分１０％程度）まで濃縮した濃縮液に、デキストリンなどを加えてＢｘ２０程度（固形分２０％程度）まで濃縮し、これを凍結乾燥あるいはスプレードライすればよい。
【００２０】
以上に記載した抽出方法は例示であって、当業者であれば、これらの抽出方法を、血圧上昇抑制作用を指標として、さまざまに変更あるいは組み合わせすることができる。
【００２１】このようにして得られる抽出物には、必要に応じて、生薬成分、ビタミン類、安定化剤、防腐剤、抗酸化剤、糖類、着色料、香料、果汁等の常用の成分を混合することができる。
本発明においては、上記必要に応じて混合される成分を混合した粉末を、そのまま粉末状のものとして使用することができるし、あるいは、賦形剤を加えて錠剤化したり、水に溶かしてドリンクにするなど、様々な形態で使用することができる。さらには、必要に応じて、食品中に含有させたりすることもできる。
【００２２】
抽出物の苦味をマスキングするためにさまざまな香料を用いることができる。香料としては、オレンジ・レモン・ライム・グレープフルーツ・シトロンなどの柑橘系の香りからなるシトラス系、アップル・バナナ・グレープ・メロン・ピーチ・パイナップル・ストロベリー・チェリー・マスカット、マンゴなどの香りからなるソフトフルーツ系、ミルク・クリーム・バター・チーズ・ヨーグルトなどの香りからなる乳製品系、緑茶・紅茶・コーヒー・ココア・ウーロン茶などの香りからなる嗜好飲料系、バニラの香りからなるバニラ系、ペパーミント・スペアミントなどのハッカの香りからなるミント系、ペパー・シンナモン・クローブ・ナツメグ・ガラナ・ジンジャーなどのスパイスの香りからなるスパイス系、ピーナッツ・アーモンド・ヘッゼルナッツ・マカデミアナッツなどの香りからなるナッツ系、ビーフ・ポーク・チキン・カニ・エビなどの香りからなる畜肉・水産品系、スープ・ソース・マヨネーズ・ドレッシングなどの香りからなる調味料系、リキュール・カクテルなどの香りからなる酒類系、コーラフレーバー、サイダーフレーバー、ミックスフルーツフレーバー等であり、これらを単独又は組み合わせて用いることにより、より美味しく飲用することができる
【００２３】
本発明の別の実施態様として、濃縮抽出液とブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮を混合し、常法により乾燥する。この乾燥物を粉砕し、微粉化しものは繊維成分に富み、食品に配合することにより、血圧上昇抑制作用の他に、繊維成分の有する機能性（例えば整腸作用、血中コレステロール低下作用等）が付加された飲食品を得ることが期待できる。
また、ブイ及び／又はソンモーの乾燥果皮を粉砕して粉末とし、粉末５〜３０ｇを含むティーパック形態にして飲用することもできる。
【００２４】
本発明においては、さらに、アスコルビン酸またはその塩、アスコルビン酸ナトリウムを添加することができる。添加量は、一般飲料に添加されている量（０．０５〜２．０重量％）が目安となる。
【００２５】
本発明の抽出物は、血圧上昇抑制作用を有し、とりわけ、保健機能食品（平成１３年４月から施行）の表示許可品目「血圧が高目の人に適する食品の製造のために使用できる。また、病者用食品、高齢者用食品、経口・経腸栄養剤、いわゆる機能性食品や健康食品の分野にも利用できる。これらの食品の製造方法は、食品工業の技術常識の範囲にある。
抽出物の有効量は当業者であれば、高血圧症患者に経口摂取させ、血圧上昇抑制作用を指標に容易に決定することができる。したがって、決定された有効量は本発明に包含される。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例１〜９に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００２７】
【実施例１】
幅５ｍｍ程度に細切した乾燥ソンモー果皮３０ｇを抽出容器に入れた。水１Ｌを加え、加熱し１０分間沸騰させ有効成分を抽出した。果皮を除いた抽出液は、やや黄色を呈していた。味はやや苦味があった。
【００２８】
【実施例２】
幅５ｍｍ程度に細切した乾燥ブイ果皮１０ｇと、同様に細切した乾燥ソンモー果皮２０ｇとを抽出容器に入れた。水１．５Ｌおよび炭酸水素ナトリウム１ｇを加え、６０℃で約１０分間加熱した。抽出液は捨て、新たに水１Ｌおよびクエン酸１ｇを加え、加熱し、１０分間沸騰させ有効成分を抽出した。果皮を除いた後、アスコルビン酸ナトリウム５００ｍｇを添加した。得られた抽出液は実施例１の苦味が軽減された。
【００２９】
【実施例３】
実施例２の、新たに水１Ｌおよびクエン酸１ｇを加えたものを、過熱し８分間沸騰させた後、炒り玄米１０ｇを加えて、さらに２分間加熱した。この抽出液にアスコルビン酸ナトリウム５００ｍｇを添加した。得られた抽出液は実施例１の苦味が軽減された。
【００３０】
【実施例４】
実施例３の炒り玄米の代わりに甜茶葉２ｇを加えた以外は実施例３と同様に処理した。果皮を除き、冷却した後、甜茶葉を濾別して、甜茶の香りのする抽出液を得た。
【００３１】
【実施例５】
幅５ｍｍ程度に細切した乾燥ブイ果皮１０ｇと、同様に細切した乾燥ソンモー果皮２０ｇとを抽出容器に入れた。水１．５Ｌおよび炭酸水素ナトリウム１ｇを加え、６０℃で約１０分間加熱した。抽出液は捨て、新たに水１Ｌおよびクエン酸１ｇを加え、加熱し、１０分間沸騰させ有効成分を抽出した。果皮を除いた後、アスコルビン酸ナトリウム５００ｍｇを添加した。得られた抽出液は実施例１の苦味が軽減された。
【００３２】
【実施例６】
幅５ｍｍ程度に細切した乾燥ブイ果皮１０ｇと、同様に細切した乾燥ソンモー果皮２０ｇとを抽出容器に入れた。水１．５Ｌおよび炭酸水素ナトリウム１ｇを加え、６０℃で約１０分間加熱した。抽出液は捨て、新たに１Ｌおよびクエン酸１ｇを加え、加熱し、１０分間沸騰させ有効成分を抽出した。果皮を除いた後、抽出液を５００ｍＬになるまで加熱蒸発させた。濾過した後、液温を５０℃に保持しながら、ゼライス４ｇを加えてよく攪拌した。型に流し込んだ後、冷却しゼリーを得た。
【００３３】
【実施例７】
実施例５で得た抽出物の乾燥粉末と無水硫酸ナトリウム５０ｇ、炭酸水素ナトリウム５０ｇ、リンゴ酸１０ｇを混合して、固形入浴剤を得た。
【００３４】
【実施例８】
ブイの皮をおよそ長さ１０ｃｍ、幅２〜３ｃｍにサイズにスライスし数日天日で乾燥し、さらに加熱乾燥した。乾燥したブイの皮のうちきれいなものを選び出し容器に入れ、皮が水面下に浸漬されるまで水を入れた。加熱して沸騰させ、加えた水量のおよそ１／３になるまで蒸留させ、その蒸留液を集めた。容器中の皮を除き、集めた蒸留液と容器中の液を混合した。この混合液をソースパンに入れ加熱して、加えた水量のおよそ１／６になるまで濃縮した。保存料を含む濃縮ブイの液体に砂糖を加え精製し、濃縮液量と等しい液量になるまで加熱した（砂糖を添加する前）。
【００３５】
【実施例９】
ブイの皮をおよそ長さ１０ｃｍ、幅２〜３ｃｍにサイズにスライスし数日天日で乾燥し、さらに加熱乾燥した。乾燥したブイの皮のうちきれいなものを選び出しブイの皮をおよそ長さ１０ｃｍ、幅２〜３ｃｍにサイズにスライスし天日容器に入れ、皮が水面下に浸漬されるまで水を入れた。ブイの皮２ｋｇのうちおよそ１．５ｋｇを容器に入れ、沸騰させた。ボウル一杯の量の蒸留液を集め、この混合液をソースパンに入れ加熱して、半分の量まで濃縮した。この濃縮液と、残りのブイの皮０．５ｋｇを混合後、加熱して乾燥した。この乾燥物を粉砕し、篩にかけ、粉末を得た。この工程を再度実施し、完全な微粉末を得た。カビを防ぐため保存料を添加した。
加熱して沸騰させ、加えた水量のおよそ１／３になるまで蒸留させ、その蒸留液を集めた。容器中の皮を除き、集めた蒸留液と容器中の液を混合した。この混合液をソースパンに入れ加熱して、加えた水量のおよそ１／６になるまで濃縮した。保存料を含む濃縮ブイの液体に砂糖を加え精製し、濃縮液量と等しい液量になるまで加熱した（砂糖を添加する前）。
【００３６】
【試験例１】
ブイの果皮およびその熱水抽出物、ならびにソンモーの果皮およびその熱水抽出物のビタミンＣ、ヒドロキシクエン酸、シネフリンおよびγ−アミノ酪酸の含有量を測定した。結果を表１に示す。
ビタミンＣ、ヒドロキシクエン酸およびシネフリンは高速液体クロマトグラフィーで、γ−アミノ酪酸はアミノ酸自動分析法で測定した。−印は検出せず。
【００３７】
ヘスペリジンは、毛細血管強化、透過性減少、抗炎症、抗ウイルスおよび血圧およびコレステロール降下作用を有することが報告されている。
ヒドロキシクエン酸は脂肪合成を抑制する作用を有することから、脂肪の蓄積を抑制する効果が期待される。つまり、体内に吸収され消費されなかった余分な糖質は、クエン酸サイクルによりクエン酸に転換された後、さらに脂肪に合成されるが、クエン酸と構造が近似しているＨＣＡが存在すると、この脂肪合成がブロックされることによって、脂肪の蓄積を抑制する。
【００３８】
シネフリンは１９３０年代に交感神経作動薬として合成された物質であり、これが柑橘類に含まれていることが明らかになっている。
【試験例２】
抽出物の血圧降下作用を、飲用前、飲用１５分後、飲用３０分後のそれぞれについて、最高血圧、最低血圧および脈拍を測定することにより評価した。サンプルは、実施例１のものを使用した。用量は５０であった。結果を表２に示す。
検査日：２００３年３月２７日
被験者：男性
年齢： ６７歳
【００３９】
【表２】
【００４０】
サンプル提供者：Ｍｓ．Ｖｕ Ｔｈｉ Ｋｉｍ Ｎｈｕｎｇ
サンプル名：生ブーイ果皮
試験機関：ベトナムホーチミン市医科学薬科大学薬学部薬学科
試験期間：２０／０１／２００３−２１／０２／２００３
試験方法
ブーイ果皮の水抽出液は、健康な体重幅１８−２２ｇのマウス（ｄｄｙマウス、ホーチミン市にあるパスツール研究所由来）に経口的に単回投与された。試験物質を経口投与してから４８間後に処置マウスの異常症状と死亡率について観察した。
マウスは、次の４群に分けられた。
１群：１０匹、１投与量は体重を基準として１０ｇ／ｋｇを経口投与する。抽出液は、果皮１に対し水１で抽出したもの。
２群：１０匹、１投与量は体重を基準として２０ｇ／ｋｇを経口投与する。抽出液は、果皮１に対し水１で抽出したもの。
３群：２０匹、１投与量は体重を基準として４０ｇ／ｋｇを経口投与する。抽出液は、果皮２に対し水１で抽出したもの。
４群：２０匹、１投与量は体重を基準として８０ｇ／ｋｇを経口投与する。抽出液は、果皮４に対し水１で抽出したもの。
試験結果の評価試験物質を経口投与してから４８時間後に、マウスに異常症例は見られなかった。全ての処置マウスは、異常症例を示すことなく生存し、４８時間以内に死亡したマウスは一例もなかった。
結論
ブーイ果皮からの水抽出液には、今回の試験で体重当たり最も高濃度の８０ｇ／ｋｇを経口投与しても４８時間以内に特に毒性を示すようなことはなかった。
【００４１】
【発明の効果】
本発明により、高血圧症患者の血圧上昇抑制作用あるいは血圧降下作用を有するブイおよびソンモー果皮の抽出物が提供される。この抽出物は長年の食経験からその安全性が検証されており、また動物実験でもそれが実証された。この抽出物は「血圧が高めの人に適する食品」として特定保健用食品への利用が期待される。
【試験例３】
ブイ果皮の食品分析を行った。結果を表３に示す。
【００４２】
【表３】
【００４３】
【発明の効果】
本発明により、高血圧症患者の血圧上昇抑制作用あるいは血圧降下作用を有するブイあるいはソンモー果皮の抽出物が提供される。この抽出物は長年の食経験から、安全性が検証されているが、動物実験でもそれが実証された。この抽出物は「血圧が高めの人に適する食品」として特定保健用食品への利用が期待できる。また病者用食品、高齢者用食品、経口。経腸栄養剤、機能性食品、健康食品への利用が期待できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a food / beverage product having an antihypertensive effect.
[0002]
[Prior art]
Hypertension is roughly classified into secondary hypertension due to kidney disease, diabetes, heart disease, and endocrine disease, and essential hypertension in which such a basic disease is not observed. Essential hypertension accounts for about 80% of hypertension. Risk factors include genetic factors and environmental factors such as eating habits, stress, smoking, drinking, and coldness. Of these, obesity and excessive salt intake are considered to have the greatest impact.
[0003]
With the development of fast foods, instant foods, and cooked foods, the diet has become more convenient than in the past. However, these processed foods contain a lot of salt, and excessive intake of salt is regarded as a problem. Many people are now diagnosed with hypertension at a young age, and some people develop symptoms in their teens. Although hypertension is not a cause of death in itself, it causes life-threatening lifestyle-related diseases.
[0004]
The first step in preventing and treating hypertension is to eliminate these risk factors and improve lifestyle. Moderate exercise and correct eating habits are most effective here.
[0005]
Food ingredients suitable for people with high blood pressure and those who are concerned about blood pressure include those currently approved, such as sputum middle leaf glycosides that relax blood vessels and lower blood pressure, angiotensin conversion that increases blood pressure Ingredients such as peptides that inhibit enzymes are used as active ingredients in foods for specified health use.
Glycosides contained in the leaves of the buds stimulate parasympathetic nerves and relax arterial muscles. As a result, blood vessels are widened to improve blood flow and suppress an increase in blood pressure. Peptides currently include casein decapeptide obtained from milk protein, lactotripeptide obtained from fermented milk such as yogurt, bonito oligopeptide obtained by enzymatic degradation of bonito, and valyltyrosine obtained from sardine protein There are sardine peptides. These peptides are said to be useful for lowering blood pressure by inhibiting angiotensin converting enzyme (ACE) that acts on angiotensin I to convert it into angiotensin II having a vasoconstrictive action and suppresses its action.
[0006]
As a food ingredient suitable for people with high blood pressure and those who are concerned about blood pressure, aminobutyric acid (GABA) is known to have a blood pressure lowering effect although it is not yet used in foods for specified health use. . Thus, GABA is extracted from citrus mesocarp or carrot membrane with warm water, filtered and concentrated, and a concentrated raw material containing GABA in high concentration and a nutritional composition for hypertensive patients containing the concentrated raw material are provided. (For example, refer to Patent Document 1).
In addition, it has been found that flavonoids in lemon juice have an effect of suppressing blood pressure increase (see, for example, Non-Patent Document 1).
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3061585 (Page 4, Examples 1 and 2)
[Non-Patent Document 1]
Presented at the 51st Annual Meeting of the Japan Society of Nutrition and Food, May 17, 1997 [0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an antihypertensive agent comprising an extract derived from citrus peel having an antihypertensive action (hypertensive action) as an active ingredient.
Another object of the present invention is to provide a food and drink that contains an effective amount of the extract and is effective for suppressing blood pressure elevation, that is, “a food and drink suitable for people who are concerned about blood pressure”.
Furthermore, this invention aims at providing use of the said extract for manufacture of the said food-drinks.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Since ancient times, people in Southeast Asia (Thailand, Cambodia, Vietnam, etc.) have a custom of decocting and drinking locally dried citrus peel to take subcutaneous fat, especially subcutaneous fat in the abdomen. Medical researchers also expect the citrus water extract to have various medicinal effects.
Therefore, the present inventor asked humans to ingest a hot water extract of Vietnamese citrus buoy and Thai citrus Sung Mo dry skin, and examined various medicinal effects. However, although it has not been specified, it has been found that the extract has an action of suppressing an increase in blood pressure of a hypertensive person. The safety of buoy and Sung Mo peel water extracts has been verified by many years of human experience. In addition, its safety has been confirmed in toxicity tests described later. Therefore, foods and drinks containing an effective amount of the extract are expected as “foods and drinks suitable for people with high blood pressure and those who are concerned about blood pressure”.
[0010]
That is, the present invention
(1) An antihypertensive agent comprising, as an active ingredient, a pulverized dried buoy and / or sonmoe skin and / or an extract of the dried skin with a polar solvent and / or a nonpolar solvent,
(2) The blood pressure increase inhibitor according to (1), wherein the polar solvent is water and / or a lower alcohol,
(3) The blood pressure increase inhibitor according to (2), wherein the lower alcohol is ethanol,
(4) The antihypertensive agent according to (1), wherein the nonpolar solvent is CO 2 ,
(5) Food / beverage products having an antihypertensive effect, comprising an effective amount of a buoy and / or sungmor dried fruit peel and / or a polar solvent extract and / or a nonpolar solvent extract of the dried fruit peel ,
(6) The food or drink according to (5), wherein the polar solvent is water and / or a lower alcohol,
(7) The food or drink according to (6), wherein the lower alcohol is ethanol,
(8) The food or drink according to (5), wherein the nonpolar solvent is CO 2 ,
(9) The food or drink according to any one of (5) to (8), wherein the food or drink is a food for specified health use,
(10) The food or drink according to any one of (5) to (8), wherein the food or drink is a food for a sick person,
(11) The food or drink according to any one of (5) to (8), wherein the food or drink is a food for elderly people,
(12) The food or drink according to any one of (5) to (8), wherein the food or drink is an oral / enteral nutrient,
(13) The food or drink according to any one of (5) to (8), wherein the food or drink is in the form of a tea pack.
(14) A buoy and / or sung mo dried fruit skin pulverized product and / or a polar solvent and / or a non-polar solvent for producing the food or drink according to any one of (5) to (13) Use of extract by,
(15) Use of (14), wherein the polar solvent is water and / or a lower alcohol,
(16) Use of (15), wherein the lower alcohol is ethanol.
(17) Use of (14), wherein the nonpolar solvent is CO 2 ,
(18) Use of any one of (14) to (17), wherein the food or drink is a food for specified health use,
(19) Use of any one of (14) to (17), wherein the food or drink is a food for a sick person,
(20) Use of any one of (14) to (17), wherein the food or drink is a food for elderly people,
(21) Use of any one of (14) to (17), wherein the food or drink is an oral / enteral nutrient,
(22) Use of any one of (14) to (17), wherein the food or drink is in the form of a tea pack,
Consists of.
[0011]
The buoy that is the raw material of the extract of the present invention is produced in Vietnam. The scientific name of the buoy is “CITRUS PARADISI” and the Latin name is “CITRUS-DECUMANA-MERRY”. There are several types of buoys, such as boui Doan Hung, buoi Phu Track, buoi Bien Hoa, and boui Thuan Hai. The present invention includes those species of the same type other than those produced in Vietnam that have a blood pressure increase-inhibiting action.
Songmoe is called “Citrus Pomelo” and is produced in Thailand and Cambodia. Like the buoy, the hot water extract is said to be effective in preventing and improving obesity.
[0012]
In the present invention, the raw material of the extract having an antihypertensive action is buoy and / or sonmoe dried pericarp.
The structure of citrus fruits is the “fruit skin” on the surface, the mesocarp “albedo”, the “seed” on the inner wall of the peel, It consists of "".
The pericarp of the present invention includes pericarp and albedo, and may further include an agate capsule and seeds. Moreover, the squeezed rice cake which mainly has the fruit skin which is a by-product at the time of manufacture, such as juice may be included. In the present invention, each of the pericarp, albedo, pericardium or seed, or squeezed rice cake, or various combinations thereof, will be collectively referred to as “pericarp” hereinafter. The skin is dried by sunlight or artificial heating, but it may be raw.
[0013]
In order to increase the extraction efficiency, the dried peel is shredded to an appropriate size (for example, a length of 10 cm and a width of 2 to 3 cm).
As the polar solvent used for extraction, a general solvent used for extraction of crude drugs, that is, mainly water is used. Other than water, lower alcohols, for example, alcohols such as methanol, ethanol, propanol, or isopropanol, acetone, and the like can be used. Ethanol is preferred as the lower alcohol.
These solvents may be used alone or in combination of two or more.
Various aspects of the extraction method are described below.
[0014]
The ratio (weight) between the dried peel and the polar solvent varies depending on the solvent used. When the solvent is water, the ratio in the extraction of general herbal medicine is one standard. Among these, a suitable ratio of pericarp to water can be easily determined by those skilled in the art using the blood pressure increase inhibiting action as an index. The evaluation method of the blood pressure increase inhibitory action is publicly known (for example, development of the second series of pharmaceutical products, pathological animal model, pp. 33-50, Yodogawa Shoten, August 15, 1993). Therefore, the ratio of peel and water determined in this way is included in the present invention. However, if the ratio of peel to water is too high, the bitterness becomes strong and becomes a bottleneck when drinking. The ratio of the peel to water is considered to be about 1:10 to 40, but the optimum value can be determined by experiment.
When the solvent is water, the extraction is performed at a temperature of 50 to 100 ° C, preferably 80 to 100 ° C for 5 to 60 minutes, preferably 1 to 25 minutes. After completion of extraction, the extract is cooled and separated by centrifugation or the like to remove the skin and impurities. The extract thus obtained is concentrated or diluted to an appropriate concentration.
In the case where the solvent is ethanol, for example, 95% ethanol is added in an amount of 2 to 3 times the peel, and solvent transfer extraction (about 1 hour) or immersion extraction (about 2 to 2 times about 2 to 3 times) known to those skilled in the art. Degree). Ethanol-soluble components are extracted. Ethanol can be recovered by distillation, dehydrated by PV membrane processing known to those skilled in the art, and reused. The ethanol soluble component is concentrated to a distillation residue. On the other hand, for the ethanol-insoluble residue, oil-soluble components are extracted by a known supercritical extraction method using CO 2 as a solvent.
A combination of these extracts is included in the present invention. In addition, since the extraction residue obtained by supercritical extraction is rich in water-soluble fiber and insoluble dietary fiber, foods and drinks containing these are suitable for the functionality of dietary fiber, such as intestinal regulation or prevention of hypertension. An improvement effect is expected.
[0015]
Alternatively, 2-3 times the amount of 95-99% ethanol is added to the pericarp and, after stirring well, squeezed. This operation is repeated once more to obtain an extract. The extract is filtered through celite and the ethanol is distilled off. About 25 times the amount of 0.05M hydrochloric acid (including 0.2% phosphoric acid) is added to the residue (in terms of dry matter) and extracted at 90 ° C. for 30 minutes. Filter by conventional methods. Further, about 20 times the amount of an emulsion of 5% calcium hydroxide in the residue is added and stirred. Next, 1M sodium hydroxide of 1/10 of the liquid amount is added, extracted for 60 minutes, and squeezed and filtered. On the other hand, hexane is added to the ethanol extraction filtrate, and the extraction is dissolved in hexane. Distill off hexane to obtain an extract. Combine these three extracts.
[0016]
Alternatively, a mixture of ethanol and pericarp is extracted at 25-80 ° C. for 1-12 hours. The extract is filtered and the filtrate is concentrated, for example, in vacuo to obtain a concentrated peel extract. As another method, 0.1 to 2% calcium hydroxide or 5-30 L of sodium hydroxide aqueous solution is added to 1 kg of pericarp and extracted at 25 to 60 ° C. for 1 to 5 hours. The extract is filtered and 1N hydrochloric acid is added to adjust the filtrate to pH 4.0-7.0. The filtrate is placed at 1-10 ° C. for 10-48 hours. The formed precipitate is collected and dried to obtain an extract.
[0017]
Alternatively, when water is used as the polar solvent, the extract is slightly acidic and the pH is adjusted with calcium hydroxide, sodium hydroxide, or the like. In addition, if extraction processing of a citrus raw material is performed using the water which added these alkalis, for example, extraction and pH adjustment can be performed simultaneously.
[0018]
Alternatively, when the pericarp is extracted with water or alcohol, 1.5 to 5.0 L of solvent is added to 1 kg of the above-mentioned dry pericarp and 80 to 90 ° C. for 2 to 4 hours), or 15 to 25 ° C. for 3 hours. Extract for ~ 5 days. The solvent is completely distilled off under reduced pressure at 45 ° C. or lower to obtain a concentrated extract. A powdery extract can be obtained by freeze drying or spray drying.
[0019]
One embodiment is as follows. First, about 15 to 20 times, preferably about 20 times, hot water is added to the peel 1 and extracted for about 1 to 3 hours. Here, the temperature of the hot water is 55 ° C. or higher, preferably 60 ° C. or higher. Further, instead of adding hot water and heating, it is about 15 to 20 times, preferably about 20 times, a low boiling point organic solvent, for example, ethanol, etc., an organic solvent having a boiling point of about 50 to 65 ° C. Can be used.
Next, if necessary, the juice is squeezed using a hydraulic press, etc., and after removing the insoluble matter by means of centrifugation, filter filtration, etc., the filtrate is concentrated to about Bx10 to 20 using a vacuum concentrator. To do. Thereafter, this solution can be freeze-dried or spray-dried to obtain an extract powder. In addition, it can also manufacture as an extract powder by drying after adding excipients, such as dextrin, to the concentrate before drying. In this case, dextrin or the like may be added to the concentrated solution concentrated to about Bx10 (solid content of about 10%) to concentrate to about Bx20 (solid content of about 20%), and this may be freeze-dried or spray-dried.
[0020]
The extraction methods described above are merely examples, and those skilled in the art can variously change or combine these extraction methods using the blood pressure increase inhibiting action as an index.
The extract thus obtained contains, as necessary, conventional ingredients such as herbal ingredients, vitamins, stabilizers, preservatives, antioxidants, sugars, coloring agents, fragrances and fruit juices. Can be mixed.
In the present invention, the powder mixed with the components to be mixed as necessary can be used as a powder as it is, or it can be tableted by adding excipients or dissolved in water to drink It can be used in various forms such as. Furthermore, it can also be contained in food as needed.
[0022]
Various perfumes can be used to mask the bitter taste of the extract. Perfumes include citrus scents such as oranges, lemons, limes, grapefruits and citrons, soft fruits consisting of scents such as apples, bananas, grapes, melons, peaches, pineapples, strawberries, cherries, muscat, and mangos. Dairy products consisting of scents such as milk, cream, butter, cheese and yogurt, taste beverages consisting of scents such as green tea, black tea, coffee, cocoa and oolong tea, vanilla scents consisting of vanilla scents, peppermint spearmint, etc. Mint-based mint, spice-based pepper, cinnamon, clove, nutmeg, guarana, ginger and other spices, peanut, almond, hazelnut, macadamia nuts, beef Livestock and fishery products made from scents such as cucumber, chicken, crab and shrimp, seasonings made from scents such as soup, sauce, mayonnaise and dressing, alcoholic beverages made from scents such as liqueurs and cocktails, cola flavors, cider flavors, It is a mixed fruit flavor, etc., and can be drunk more deliciously by using these alone or in combination. [0023]
In another embodiment of the present invention, the concentrated extract and dried buoy and / or sonmoe skin are mixed and dried by a conventional method. The dried product is pulverized and pulverized, rich in fiber components, and blended in foods, in addition to the blood pressure elevation-inhibiting effect, the functionality of the fiber component (eg, intestinal regulation, blood cholesterol lowering, etc.) It can be expected to obtain food and drink with added.
Alternatively, the dried skin of buoys and / or sonmoe can be pulverized into a powder and taken in the form of a tea pack containing 5-30 g of powder.
[0024]
In the present invention, ascorbic acid or a salt thereof, and sodium ascorbate can be further added. The amount added (0.05 to 2.0% by weight) is a standard for the amount added.
[0025]
The extract of the present invention has a blood pressure increase-inhibiting action, and can be used especially for the production of foods suitable for people with high blood pressure, which are permitted to be labeled for health functional foods (enforced from April 2001). It can also be used in the fields of foods for the sick, foods for the elderly, oral and enteral nutrients, so-called functional foods and health foods. is there.
An effective amount of the extract can be easily determined by those skilled in the art by orally ingesting hypertensive patients and using the blood pressure increase inhibitory action as an index. Accordingly, the determined effective amount is encompassed by the present invention.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, although embodiment of this invention is described based on Examples 1-9, this invention is not limited to these Examples.
[0027]
[Example 1]
30 g of dried Son Mo skin peeled into a width of about 5 mm was placed in an extraction container. 1 L of water was added, heated and boiled for 10 minutes to extract the active ingredients. The extract excluding the peel was slightly yellow. The taste was slightly bitter.
[0028]
[Example 2]
10 g of dried buoy pericarp chopped to a width of about 5 mm and 20 g of dried Sung Mo pericarp chopped in the same manner were placed in an extraction container. 1.5 L of water and 1 g of sodium bicarbonate were added and heated at 60 ° C. for about 10 minutes. The extract was discarded, 1 L of water and 1 g of citric acid were newly added, heated and boiled for 10 minutes to extract the active ingredients. After removing the pericarp, 500 mg of sodium ascorbate was added. The bitter taste of Example 1 was reduced in the obtained extract.
[0029]
[Example 3]
In Example 2, 1 L of water and 1 g of citric acid newly added were heated and boiled for 8 minutes, and then 10 g of roasted brown rice was added and further heated for 2 minutes. To this extract, 500 mg of sodium ascorbate was added. The bitter taste of Example 1 was reduced in the obtained extract.
[0030]
[Example 4]
It processed like Example 3 except having added 2g of strawberry tea leaves instead of the roast brown rice of Example 3. FIG. After removing the peel and cooling, the tea leaves were filtered off to obtain an extract with the scent of tea tea.
[0031]
[Example 5]
10 g of dried buoy pericarp chopped to a width of about 5 mm and 20 g of dried Sung Mo pericarp chopped in the same manner were placed in an extraction container. 1.5 L of water and 1 g of sodium bicarbonate were added and heated at 60 ° C. for about 10 minutes. The extract was discarded, 1 L of water and 1 g of citric acid were newly added, heated and boiled for 10 minutes to extract the active ingredients. After removing the pericarp, 500 mg of sodium ascorbate was added. The bitter taste of Example 1 was reduced in the obtained extract.
[0032]
[Example 6]
10 g of dried buoy pericarp chopped to a width of about 5 mm and 20 g of dried sommo pericarp chopped in the same manner were placed in an extraction container. 1.5 L of water and 1 g of sodium bicarbonate were added and heated at 60 ° C. for about 10 minutes. The extract was discarded, 1 L and 1 g of citric acid were newly added, heated, and boiled for 10 minutes to extract the active ingredients. After removing the skin, the extract was evaporated by heating to 500 mL. After filtration, while maintaining the liquid temperature at 50 ° C., 4 g of zerice was added and stirred well. After pouring into a mold, it was cooled to obtain a jelly.
[0033]
[Example 7]
The dry powder of the extract obtained in Example 5, 50 g of anhydrous sodium sulfate, 50 g of sodium bicarbonate, and 10 g of malic acid were mixed to obtain a solid bath agent.
[0034]
[Example 8]
The buoy skin was sliced to a size of approximately 10 cm in length and 2 to 3 cm in width, dried for several days in the sun, and further dried by heating. A clean buoy skin was selected and placed in a container, and water was added until the skin was immersed under the surface of the water. It was boiled by heating and distilled until it was about 1/3 of the amount of water added, and the distillate was collected. The peel in the container was removed, and the collected distillate and the liquid in the container were mixed. This mixed solution was placed in a saucepan and heated, and concentrated until it became approximately 1/6 of the amount of water added. Sugar was added to the liquid of the concentrated buoy containing the preservative to purify and heated until the liquid volume was equal to the liquid volume (before adding the sugar).
[0035]
[Example 9]
The buoy skin was sliced to a size of approximately 10 cm in length and 2 to 3 cm in width, dried for several days in the sun, and further dried by heating. A clean buoy skin was selected, and the buoy skin was sliced to a size of about 10 cm in length and 2 to 3 cm in width, placed in a sun vessel, and water was added until the skin was immersed under the surface of the water. Approximately 1.5 kg of 2 kg of buoy skin was put in a container and boiled. A bowl full of distillate was collected and the mixture was placed in a saucepan and heated to concentrate to half volume. This concentrated solution and the remaining 0.5 kg of buoy skin were mixed and then heated to dry. The dried product was pulverized and sieved to obtain a powder. This process was performed again to obtain a complete fine powder. A preservative was added to prevent mold.
It was boiled by heating and distilled until it was approximately 1/3 of the amount of water added, and the distillate was collected. The peel in the container was removed, and the collected distillate and the liquid in the container were mixed. This mixed solution was placed in a saucepan and heated, and concentrated until it became approximately 1/6 of the amount of water added. Sugar was added to the liquid of the concentrated buoy containing the preservative to purify and heated until the liquid volume was equal to the liquid volume (before adding the sugar).
[0036]
[Test Example 1]
The contents of vitamin C, hydroxycitric acid, synephrine and γ-aminobutyric acid in buoy peel and its hot water extract, and Son Mo peel and its hot water extract were measured. The results are shown in Table 1.
Vitamin C, hydroxycitric acid and synephrine were measured by high performance liquid chromatography, and γ-aminobutyric acid was measured by automatic amino acid analysis. -Mark not detected.
[0037]
Hesperidin has been reported to have capillary strengthening, decreased permeability, anti-inflammatory, antiviral and blood pressure and cholesterol lowering effects.
Since hydroxycitric acid has an action of suppressing fat synthesis, an effect of suppressing fat accumulation is expected. In other words, excess carbohydrates that are absorbed into the body and not consumed are converted into citric acid by the citric acid cycle and then further synthesized into fat, but if there is HCA that is similar in structure to citric acid, By blocking this fat synthesis, fat accumulation is suppressed.
[0038]
Synephrine is a substance synthesized as a sympathomimetic drug in the 1930s, and it has been found that it is contained in citrus fruits.
[Test Example 2]
The blood pressure lowering effect of the extract was evaluated by measuring the systolic blood pressure, the diastolic blood pressure, and the pulse before and after drinking, 15 minutes after drinking, and 30 minutes after drinking. The sample used in Example 1 was used. The dose was 50. The results are shown in Table 2.
Date of examination: March 27, 2003 Subject: Male age: 67 years old
[Table 2]
[0040]
Sample provider: Ms. Vu Thi Kim Nhung
Sample name: Raw bouy peel test organization: Vietnam Ho Chi Minh City Medical Science and Pharmaceutical University Faculty of Pharmaceutical Sciences Pharmacy Test period: 20/01 / 2003-21 / 02/2003
Test Method A water extract of boo skin was orally administered to a healthy mouse having a weight range of 18-22 g (ddy mouse, from Pasteur Institute in Ho Chi Minh City). Abnormal symptoms and mortality of the treated mice were observed 48 weeks after the oral administration of the test substance.
The mice were divided into the following 4 groups.
Group 1: 10 animals, 1 dose is orally administered at 10 g / kg based on body weight. The extract was extracted with water 1 from the peel 1.
Group 2: 10 animals, 1 dose is orally administered at 20 g / kg based on body weight. The extract was extracted with water 1 from the peel 1.
3 groups: 20 animals, 1 dose is orally administered at 40 g / kg based on body weight. The extract was extracted from the peel 2 with water 1.
Group 4: 20 animals, 1 dose is orally administered at 80 g / kg based on body weight. The extract was extracted with water 1 from the peel 4.
Evaluation of Test Results No abnormal cases were observed in the mice 48 hours after the oral administration of the test substance. All treated mice survived without showing an abnormal case, and none of the mice died within 48 hours.
Conclusion The aqueous extract from bouy peel did not show any particular toxicity within 48 hours even when orally administered at the highest concentration of 80 g / kg per body weight in this study.
[0041]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, extracts of buoys and sonmoe peels that have a blood pressure increase suppressing action or a blood pressure lowering action for hypertensive patients are provided. The safety of this extract has been verified by many years of dietary experience, and animal experiments have demonstrated this. This extract is expected to be used as a food for specified health use as a “food suitable for people with high blood pressure”.
[Test Example 3]
Food analysis of buoy skin was conducted. The results are shown in Table 3.
[0042]
[Table 3]
[0043]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, there is provided an extract of a buoy or son moe skin having a blood pressure increase inhibitory action or a blood pressure lowering action for hypertensive patients. This extract has been verified to be safe from many years of dietary experience, but animal experiments have also demonstrated this. This extract can be expected to be used as a food for specified health use as a “food suitable for people with high blood pressure”. Food for the sick, food for the elderly, oral. Expected to be used for enteral nutrients, functional foods, and health foods.
