【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タデ科植物であるソバ由来の血液粘性改善用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血液の粘性は、健康な体を維持するためのバロメータとして注目されている。健康な人の血液は、粘度の低い“サラサラ”の状態であるため、酸素や栄養素が体の隅々まで行き渡り、血液中の赤血球や白血球が毛細血管の内部でしなやかに変形して血管内を通り抜ける。
一方、血液中の中性脂肪やコレステロールが多くなったり、強いストレスを受けたりすると、血液の粘度が高まって“ドロドロ”の状態になり、酸素や栄養素が細胞に取り込まれにくくなる。そして、血液粘度の高い状態が続くと、血管の老化が進みやすくなる他、血栓症や高脂血症といった疾病を引き起こすおそれもある。
【0003】
従来、血液の循環機能を高める植物由来の組成物としては、種々の植物抽出物が知られている。例えばムラサキサツマイモの抽出物を有効成分とするもの(特許文献1)、銀杏葉等の抽出物を有効成分とするもの(特許文献2)等が開示されている。なお、これらの植物抽出物の有効成分と血液の粘性改善との因果関係については十分に解明されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−145471号公報
【特許文献2】
特開2002−233331号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソバ(蕎麦)は、古来より日本人にとって身近な作物として親しまれおり、その種子や葉が食品素材として用いられている。ソバに含まれるルチンは、その毛細血管強化作用によって高血圧や糖尿病などの疾病に有効であるといわれており、その類縁体のtroxerutinが医薬品としても認められている。
このような背景の下、本発明者らは、ソバ抽出物について各種実験を行い、その生理活性について研究を行った。その結果、ソバの葉や茎の溶媒抽出物に極めて強い血液粘性の改善作用があることを知見し、本発明の完成に至ったものである。
【0006】
本発明の目的は、血液を粘度の低い“サラサラ”の状態に保ち、健康の維持および回復に役立つソバ由来の血液粘性改善用組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ソバ由来の血液粘性改善用組成物を含有する飲食品および薬品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の血液粘性改善用組成物は、ソバ(蕎麦)の葉部、茎部または花部のいずれか一種以上を含む地上部の溶媒抽出物を含有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、血液の粘性改善作用のある有効成分をソバ由来の抽出物として摂取することにより、健康な“サラサラ”の血液状態を維持することができる。これにより、血栓症、高脂血症等の疾病や冷え性、肩こりを予防し、または、治療することができる。
【0009】
また、本発明では、ソバ(蕎麦)の葉部、茎部または花部のいずれか一種以上含む地上部、特に、葉部および茎部を主体として含む地上部を選択的に使用することで、血液の粘性改善に有効な成分をその抽出物中に高濃度に濃縮することができ、血液の粘性を効率よく改善することができる。
また、ソバの葉部、茎部および花部は、周緑肥や青刈飼料として利用される他、十分な利用法が確立されていない植物資源であるため、このような資源から付加価値の高い有効成分を抽出し、血液粘性改善用組成物として利用を図るのは極めて有意義である。
【0010】
【発明の実施の形態】
ソバ(蕎麦)は、タデ科の一年草で、その種実は“そば粉”の原料として知られている。三角形の葉を互生し,葉柄基部に茎を取り囲むサヤ状の托葉をもつ。茎は片側にくぼみをもつ円筒形であり、茎の先端数節に、総状花序で多数の花をつける。
本発明の血液粘性改善用組成物を抽出するための原料としては、主に、ソバの葉部、茎部および花部のいずれか一種以上含む地上部を用いる。葉部、茎部、花部の混合物を使用してもよいし、葉部、茎部、花部のいずれかを単独で使用してもよい。また、根部や種子部等を混合したものを抽出原料として使用してもよい。
【0011】
ソバの品種は、作期に応じて夏ソバ、秋ソバあるいは両者の中間型などに分けられており、また、栽培種としては、本種:Fagopyrum esculentum Moenchの他、耐冷性のダッタンソバ:F.tataricum Gaertn.(ニガソバともいう。)、多年生のシャクチリソバ:F.cymosum Meisn.(シュッコンソバともいう。) などがある。
本発明の血液粘性改善用組成物を抽出するための原料としては、本種を用いるのが望ましいが、上記のいずれの品種であっても使用することができる。また、産地等も限定されない。
【0012】
ソバの葉部、茎部、花部等の抽出原料は、生のままで使用することもできるが、望ましくは、乾燥物を使用する。乾燥方法としては、天日で行う方法の他、陰干し、風乾、熱風乾燥、冷凍乾燥など公知の方法で乾燥することができる。
また、抽出原料は、粉砕機等により数mm以下のサイズに裁断または粉砕した粉砕物を用いるとよい。このような粉砕物を使用することにより、有効成分が抽出されやすくなる。
【0013】
本発明の血液粘性改善用組成物を抽出するための溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸エチル等の溶媒を使用するとよい。これらの溶媒を2種以上混合したものを用いることもできる。望ましくは、水または含水エタノールを抽出溶媒として用いると、有効成分が効率よく抽出される。特に、含水エタノールは、抽出の際に有効成分の活性を保ちやすく、抽出物の食品使用における安全面の上でも好ましい抽出溶媒である。
【0014】
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、望ましくは80〜100℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくいためである。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。望ましくは、抽出溶媒として、深層水(海洋深層水)を使用するとよい。深層水には、マグネシウム等の豊富なミネラル成分が含まれるため、これらの成分により血液の粘性改善作用をより向上させることができるためである。
【0015】
抽出溶媒として含水エタノールを使用する場合、エタノール濃度30〜90%(容量比)であることが望ましい。30%(容量比)程度よりも少ないか、90%(容量比)を超えると、有効成分の抽出量が低下しやすくなるからである。また、抽出温度は、20〜80℃、望ましくは50〜80℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
【0016】
本発明の血液粘性改善用組成物の抽出方法としては、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0017】
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水エタノールを用いる場合には、抽出原料の5〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、30分〜2時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、血液粘性改善用組成物とする。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられるが、食品等に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままで使用してもよい。
【0018】
本発明の血液粘性改善用組成物は、飲食品に含有させることができる。例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)等が挙げられる。
【0019】
インスタント食品に本発明の血液粘性改善用組成物を添加してもよい。例えば、血液粘性改善用組成物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥したものを、粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品に含有させることができる。
また、本発明の血液粘性改善用組成物を、例えば、油脂、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。さらに、必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
【0020】
本発明の血液粘性改善用組成物を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が目的であるので、飲食品に対して血液粘性改善用組成物の含量が合計1〜20重量%であるのが好ましい。
【0021】
本発明の血液粘性改善用組成物は、薬品の有効成分として使用してもよい。本発明による「薬品」は、医薬品および医薬部外品のいずれであってもよい。
薬品としての血液粘性改善用組成物の投与方法は、経口投与することが望ましい。一般的には錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態とすることができる。
また、本発明による薬品を非経口投与してもよい。非経口剤として投与する場合、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、注射剤、坐剤などの形態とすることができる。
【0022】
血液粘性改善作用組成物の投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人あたり、1回に1mg〜1000mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または、1回に100μg〜100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与される。
なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
(a) ソバ由来の抽出物を摂取することにより、血液を粘性の低い“サラサラ”の状態に保ちやすいため、血行不良による各種の疾病を予防し、また、回復させることができる。
(b) 血液粘性改善用組成物はソバ由来の安全な抽出物であるため、飲食品や薬品の素材として安心して使用することができる。
(c) ソバの葉部や茎部から付加価値の高い血液粘性改善用組成物を得ることができ、資源の有効利用に役立つ。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、血液の粘性改善作用の確認のために説明するもので、これらに限定されるものではない。
【0025】
[血液粘性改善用組成物の製造]
ソバの葉部と茎部とからなる乾燥物(花部もわずかに含まれる。)を入手し、粉砕機により粉砕した。この粉砕物5kgを抽出用の原料として使用した。
原料粉砕物にエタノール濃度90%(容量比)の含水エタノールを約10倍量加え、2時間加熱還流して抽出を行った。その後、含水エタノール抽出液をろ過して残渣を除き、ろ液の溶媒を除去してソバ抽出物(ソバエキス400g)を得た。
【0026】
[血液粘性改善作用の評価]
得られたソバ抽出物(ソバエキス)の血液粘性改善作用を確認するため、毛細血管モデルによる流動性測定法(以下、MC−FAN法という。)による試験を行った。MC−FAN法では、採血した血液をヒトの毛細血管の太さ程度のシリコンの溝に流し込み、このときの血液の流れ方を顕微鏡映像に撮りながら全血通過時間を調べる。評価試験では、ソバ抽出物(ソバエキス)の摂取前後における全血通過時間を測定し、これらの通過時間を比較することで、血液粘性改善作用を評価した。
【0027】
MC−FAN法による全血通過時間の測定は以下の手順で行った。
まず、被験者の肘静脈よりヘパリン5%採血し、採血後遅滞なく、全血試料のうちの約200μlを幅7μl、長さ30μm、深さ4.5μm、8736本並列のマイクロチャネルアレイ(Bloody6−7日立原町電子工業(株))にMC−FAN(日立原町電子工業(株))を用いて20cm水柱差で流した。
次いで、全血試料100μlの通過時間(試料通過時間T1)を測定し、同様な条件で直前に測定された生理食塩水100μlの通過時間(生理食塩水通過時間T2)との相対関係において全血通過時間を求めた。すなわち、全血通過時間T3は、次式により、生理食塩水の通過時間を12秒としたときの試料通過時間の換算値として算出した。
全血通過時間T3=試料通過時間T1×12秒/生理食塩水通過時間T2
【0028】
(1)ソバエキス摂取前の測定
被験者A〜Kとして、年齢26歳〜60歳の11名(男性8名、女性3名)を選び、ソバエキス摂取前の血液粘性を検査した。検査当日、各被験者は、朝食(ロールパン3個、水200ml)を摂り、その2時間後に水100mlを飲用し、その1時間後に採血し、全血通過時間を測定した。ソバエキス摂取前の被験者A〜Kの全血通過時間を図1に示す。なお、全血通過時間は、年齢とともに長くなる傾向が見られた。
【0029】
(2)ソバエキス摂取後の測定:被験者A〜I
被験者A〜Iの9名は、ソバエキス120mgを水100mlにて摂取し、その1時間後に採血して全血通過時間を測定した。
また、被験者A〜Iの9名は、検査日の翌日から毎日一回、ソバエキス120mgを継続的に摂取し、1週間後(7日目)に再検査を行った。再検査の当日、各被験者は、ソバエキスを摂取せずに、朝食(ロールパン3個、水200ml)を摂り、その2時間後に水100mlを飲用し、その1時間後に採血し、全血通過時間を測定した。
【0030】
ソバエキス摂取による被験者A〜Iの全血通過時間の変化を図2に示した。被験者A〜Iの全血通過時間の分布は、ソバエキス摂取前には55秒〜103秒、ソバエキス摂取1時間後には42秒〜100秒となり、被験者9名中、被験者AC、D、E、F、HおよびIの7名の血液に粘性改善が見られた。また、ソバエキス摂取1週間後には、全血通過時間の分布は、48秒〜71秒となり、被験者9名中、被験者A〜Hの8名の血液に粘性改善が見られた。特に、試験前に血液の粘性が大きかった被験者AおよびBは、ソバエキス摂取により血液の粘性が大幅に改善された。
【0031】
図3に被験者9名の全血通過時間の平均値を示した。ソバエキス摂取前後の全血通過時間の平均値を比較すると、ソバエキス摂取1時間後においては摂取前に比べ平均4.7%の全血通過時間の短縮がみられた。また、ソバエキス継続摂取1週間後においては、摂取前に比べ平均22.4%の全血通過時間の短縮がみられた(有意差:P<0.05)。
このように被験者9名の試験結果より、ソバの葉部および茎部より抽出されたソバエキスには、摂取後短時間で血液の粘性を改善する即効性があり、かつ、継続摂取により血液の粘性を良好な状態のまま維持する持続性があることが判る。
【0032】
(3)ソバエキス摂取後の測定:被験者JおよびK
被験者JおよびKの2名については、ソバエキスの摂取量を半分にして同様な検査を行った。すなわち、ソバエキス60mgを水100mlにて摂取し、その1時間後に採血して全血通過時間を測定した。図4に示すように、被験者JおよびKの全血通過時間についても、ソバエキス摂取後1時間でともに全血通過時間が短縮し、血液の粘性改善がみられた。
【0033】
(4)顕微鏡観察
毛細血管モデルによる血液の流れを顕微鏡観察した結果、元々視覚的に血小板凝集がほとんど見られない血流速度が速い被験者においても、ソバエキス摂取により血流速度の上昇がみられた。これにより、ソバエキスには、血小板凝集の抑制作用に加えて赤血球の変形能の向上作用もあるものと考えられる。
なお、血液粘性改善作用については、ソバエキスの主成分であるルチンのみでは十分な粘性改善がみられないことから、ソバエキス中の各種のポリフェノール混合物が相乗的に関与して血液の粘性改善作用を発揮しているものと考えられる。
【0034】
[配合例]
本発明による血液粘性改善用組成物(ソバエキス)の配合例を示す。以下の配合例において、「ソバエキス」としては、ソバの葉部および茎部の溶媒抽出物を用いることができる。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】被験者11名の全血通過時間を比較したグラフである。
【図2】被験者9名のソバエキス摂取による全血通過時間の変化を示すグラフである。
【図3】被験者9名のソバエキス摂取による全血通過時間の平均値の変化を示すグラフである。
【図4】被験者2名のソバエキス摂取による全血通過時間の変化を示すグラフである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a composition for improving blood viscosity derived from buckwheat, which is a Polygonaceae plant.
[0002]
[Prior art]
Blood viscosity has attracted attention as a barometer for maintaining a healthy body. Since the blood of healthy people is in a low-viscosity “smooth” state, oxygen and nutrients spread to all corners of the body, and the red blood cells and white blood cells in the blood are deformed flexibly inside the capillaries and pass through the blood vessels. Go through.
On the other hand, when the amount of neutral fats and cholesterol in the blood increases, or when a strong stress is applied, the viscosity of the blood increases and the blood becomes in a muddy state, and oxygen and nutrients are hardly taken up by cells. If the blood viscosity continues to be high, aging of the blood vessels is likely to progress, and there is also a risk of causing diseases such as thrombosis and hyperlipidemia.
[0003]
Conventionally, various plant extracts have been known as a plant-derived composition that enhances the blood circulation function. For example, those using an extract of purple sweet potato as an active ingredient (Patent Document 1) and those using an extract such as ginkgo biloba as an active ingredient (Patent Document 2) are disclosed. The causal relationship between the active ingredients of these plant extracts and the improvement of blood viscosity has not been sufficiently elucidated.
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2001-145471 A [Patent Document 2]
JP-A-2002-233331.
[Problems to be solved by the invention]
By the way, buckwheat (soba) has been a familiar crop for Japanese since ancient times, and its seeds and leaves have been used as food materials. It is said that rutin contained in buckwheat is effective for diseases such as hypertension and diabetes due to its capillary strengthening action, and its analog, troxerutin, has been recognized as a pharmaceutical.
Against this background, the present inventors conducted various experiments on buckwheat extract and studied the physiological activity thereof. As a result, they have found that a solvent extract of buckwheat leaves and stems has an extremely strong blood viscosity improving action, and have completed the present invention.
[0006]
An object of the present invention is to provide a composition for improving blood viscosity derived from buckwheat, which keeps blood in a "slimy" state with low viscosity and is useful for maintaining and restoring health.
Another object of the present invention is to provide a food and drink and a medicine containing the composition for improving blood viscosity derived from buckwheat.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The composition for improving blood viscosity according to the present invention for solving the above-mentioned problems contains a solvent extract of an above-ground part containing at least one of the leaves, stems and flowers of buckwheat (buckwheat). And
[0008]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, a healthy "smooth" blood state can be maintained by ingesting the active ingredient which has the blood viscosity improving effect as an extract derived from buckwheat. This can prevent or treat diseases such as thrombosis and hyperlipidemia, chilliness, and stiff shoulders.
[0009]
Further, in the present invention, by selectively using the above-ground portion containing one or more of the leaves, stems or flowers of buckwheat (buckwheat), in particular, the above-ground portion mainly containing leaves and stems, The components effective for improving the viscosity of blood can be concentrated in the extract to a high concentration, and the viscosity of blood can be efficiently improved.
In addition, the leaves, stems and flowers of buckwheat are used as perennial fertilizer and green harvest, and are plant resources for which sufficient use has not been established. It is extremely significant to extract the components and use them as a composition for improving blood viscosity.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Buckwheat (buckwheat) is an annual plant of the Polygonaceae family, and its seeds are known as the raw material for "buckwheat flour." Alternating triangular leaves, with stalk-shaped stipules surrounding the stem at the base of petiole. The stem has a cylindrical shape with a hollow on one side, and a number of flowers at the tip of the stem in a form of inflorescence.
As a raw material for extracting the composition for improving blood viscosity of the present invention, an above-ground part mainly containing at least one of a leaf part, a stem part and a flower part of buckwheat is used. A mixture of leaves, stems, and flowers may be used, or any of the leaves, stems, and flowers may be used alone. Further, a mixture of a root portion, a seed portion and the like may be used as an extraction raw material.
[0011]
The varieties of buckwheat are classified into summer buckwheat, autumn buckwheat or an intermediate type of both, depending on the cropping season. As cultivated species, besides this species: Fagopyrum esculentum Moench, and cold-resistant dutch buckwheat: F. tataricum Gaertn. (Also referred to as buckwheat), perennial shachiri-soba: F. cymosum Meisn. (Also called shukkonsoba).
As a raw material for extracting the composition for improving blood viscosity of the present invention, it is desirable to use this species, but any of the above varieties can be used. The place of production is not limited.
[0012]
Extraction raw materials such as buckwheat leaves, stems, and flowers can be used as they are, but desirably, dried products are used. As a drying method, in addition to a method performed in the sun, drying can be performed by a known method such as shade drying, air drying, hot air drying, and freeze drying.
As the extraction raw material, a pulverized material cut or pulverized to a size of several mm or less by a pulverizer or the like may be used. By using such a pulverized product, the active ingredient is easily extracted.
[0013]
As a solvent for extracting the composition for improving blood viscosity of the present invention, solvents such as water, methanol, ethanol, isopropyl alcohol, acetone, 1,3-butylene glycol, ethylene glycol, propylene glycol, glycerin, and ethyl acetate are used. Good to use. A mixture of two or more of these solvents can also be used. Desirably, when water or hydrous ethanol is used as the extraction solvent, the active ingredient is efficiently extracted. In particular, aqueous ethanol is a preferable extraction solvent from the viewpoint of maintaining the activity of the active ingredient at the time of extraction, and also from the viewpoint of safety in use of the extract in food.
[0014]
When water is used as the extraction solvent, the extraction may be performed at a temperature of 20 to 100 ° C, preferably about 80 to 100 ° C. This is because if the extraction temperature is too low, it is difficult to extract the active ingredient. The type of water for extraction is not particularly limited, and tap water, distilled water, mineral water, alkaline ionized water, and the like can be used. Desirably, deep water (ocean deep water) is used as the extraction solvent. This is because deep water contains abundant mineral components such as magnesium, and these components can further improve the viscosity improving action of blood.
[0015]
When aqueous ethanol is used as the extraction solvent, the ethanol concentration is desirably 30 to 90% (volume ratio). If the amount is less than about 30% (volume ratio) or exceeds 90% (volume ratio), the extraction amount of the active ingredient tends to decrease. Further, the extraction temperature is preferably from 20 to 80 ° C, more preferably from about 50 to 80 ° C. The aqueous ethanol extraction may be repeated at various concentrations in order to improve the content of the active ingredient.
[0016]
As a method for extracting the composition for improving blood viscosity of the present invention, any method such as continuous extraction, immersion extraction, countercurrent extraction, and supercritical extraction can be employed, and any device can be used at room temperature or under reflux heating. can do.
[0017]
As a specific method, an extraction raw material is charged into a treatment tank filled with an extraction solvent, and the active ingredient is eluted with stirring. For example, when water or hydrated ethanol is used as the extraction solvent, extraction is performed for about 30 minutes to 2 hours using a polar solvent of about 5 to 100 times (weight ratio) the extraction raw material. After the active ingredient is eluted in the solvent, the extract is filtered to remove the extraction residue, thereby obtaining an extract. Thereafter, the extract is subjected to treatments such as dilution, concentration, drying, and purification according to a conventional method to obtain a composition for improving blood viscosity.
Examples of the purification method include activated carbon treatment, resin adsorption treatment, ion exchange resin, liquid-liquid countercurrent distribution, and the like. And may be used as is without purification.
[0018]
The composition for improving blood viscosity of the present invention can be contained in foods and drinks. For example, confectionery (gum, candy, caramel, chocolate, cookies, snacks, jellies, gummy, tablet confections, etc.), noodles (soba, udon, ramen, etc.), dairy products (milk, ice cream, yogurt, etc.), seasonings (Miso, soy sauce, etc.), general foods including soups, beverages (juice, coffee, tea, tea, carbonated beverages, sports drinks, etc.), health foods (tablets, capsules, etc.), nutritional supplements (nutrition drinks) Etc.).
[0019]
The composition for improving blood viscosity of the present invention may be added to an instant food. For example, a composition for improving blood viscosity, which is spray-dried or freeze-dried together with powdered cellulose, can be easily incorporated into foods and drinks by forming into powder, granules, tablets or solutions.
In addition, the composition for improving blood viscosity of the present invention can be, for example, dissolved in fats and oils, ethanol, propylene glycol, glycerin or a mixture thereof to make a liquid, and added to a beverage or a solid food. . Further, if necessary, it may be mixed with a binder such as gum arabic or dextrin to form a powder or granules, and added to a beverage or a solid food.
[0020]
When the composition for improving blood viscosity of the present invention is applied to food or drink, the amount of the composition for improving blood viscosity relative to the food or drink is 1 to 1 because the purpose is to prevent disease and maintain health. Preferably it is 20% by weight.
[0021]
The composition for improving blood viscosity of the present invention may be used as an active ingredient of a drug. The “drug” according to the present invention may be any of a drug and a quasi drug.
As a method of administering the composition for improving blood viscosity as a drug, oral administration is desirable. Generally, it can be in the form of tablets, pills, soft and hard capsules, fine granules, powders, granules, liquids and the like.
The drug according to the present invention may also be administered parenterally. When administered as a parenteral preparation, it can be made into injections, suppositories and the like in the form of a solution or with added dispersants, suspensions, stabilizers and the like.
[0022]
The dose of the composition for improving blood viscosity varies depending on age, body weight, symptom, therapeutic effect, administration method, treatment time, etc., but it is usually from 1 mg to 1000 mg per adult per day, from once a day. It is administered orally several times, or parenterally once to several times a day in the range of 100 μg to 100 mg at a time.
Since the dose varies depending on various conditions, a dose smaller than the above-mentioned dose may be sufficient in some cases, or it may be necessary to administer a dose beyond the range.
[0023]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the following excellent effects are exhibited.
(A) By ingesting the buckwheat-derived extract, the blood is easily kept in a low-viscosity “smooth” state, so that various diseases caused by poor blood circulation can be prevented and recovered.
(B) Since the composition for improving blood viscosity is a safe extract derived from buckwheat, it can be safely used as a raw material for foods and drinks and medicines.
(C) A high value-added composition for improving blood viscosity can be obtained from the leaves and stems of buckwheat, which contributes to effective use of resources.
[0024]
【Example】
Hereinafter, examples of the present invention will be described. The following examples are described for confirming the action of improving the viscosity of blood, and the present invention is not limited to these examples.
[0025]
[Production of composition for improving blood viscosity]
A dried product consisting of buckwheat leaves and stems (including flowers only slightly) was obtained and pulverized by a pulverizer. 5 kg of this pulverized material was used as a raw material for extraction.
About 10 times the volume of aqueous ethanol having an ethanol concentration of 90% (volume ratio) was added to the ground material, and the mixture was heated under reflux for 2 hours to perform extraction. Thereafter, the aqueous ethanol extract was filtered to remove residues, and the solvent of the filtrate was removed to obtain buckwheat extract (400 g of buckwheat extract).
[0026]
[Evaluation of blood viscosity improving effect]
In order to confirm the blood viscosity improving effect of the obtained buckwheat extract (buckwheat extract), a test was performed by a fluidity measurement method using a capillary model (hereinafter, referred to as MC-FAN method). In the MC-FAN method, the collected blood is poured into a silicon groove of about the thickness of a human capillary, and the whole blood passage time is examined while taking a microscopic image of the blood flow at this time. In the evaluation test, the whole blood passage time before and after ingestion of buckwheat extract (buckwheat extract) was measured, and by comparing these passage times, the blood viscosity improving effect was evaluated.
[0027]
The measurement of the whole blood passage time by the MC-FAN method was performed in the following procedure.
First, heparin 5% blood was collected from the subject's elbow vein, and without delay after blood collection, about 200 μl of the whole blood sample was 7 μl wide, 30 μm long, 4.5 μm deep, and 8736 parallel microchannel arrays (Blood6- (7) Using a MC-FAN (Hitachi Haramachi Electronics Co., Ltd.), a 20 cm water column flow was applied to Hitachi Haramachi Electronics Co., Ltd.
Next, the transit time (sample transit time T1) of 100 μl of the whole blood sample was measured, and the whole blood was measured in a relative relationship with the transit time (physiological saline transit time T2) of 100 μl of physiological saline measured immediately before under the same conditions. The transit time was determined. That is, the whole blood passage time T3 was calculated by the following equation as a converted value of the sample passage time when the passage time of the physiological saline was 12 seconds.
Whole blood passage time T3 = sample passage time T1 × 12 seconds / saline passage time T2
[0028]
(1) Measurement before ingestion of buckwheat extract As subjects A to K, 11 persons (age: 8 men, 3 women) ages 26 to 60 years old were examined for blood viscosity before ingestion of buckwheat extract. On the day of the test, each subject ate breakfast (three rolls, 200 ml of water), drank 100 ml of water two hours later, collected blood one hour later, and measured the whole blood transit time. FIG. 1 shows the whole blood passage time of subjects A to K before ingestion of buckwheat extract. In addition, the whole blood passage time tended to increase with age.
[0029]
(2) Measurement after buckwheat extract ingestion: Subjects A to I
Nine subjects A to I ingested 120 mg of buckwheat extract in 100 ml of water, collected blood one hour later, and measured the passage time of whole blood.
Nine subjects A to I continuously ingested 120 mg of buckwheat extract once a day from the day after the test day, and retested one week later (day 7). On the day of the retest, each subject consumed breakfast (3 rolls, 200 ml of water) without ingesting buckwheat extract, 2 hours later, drank 100 ml of water, and 1 hour later, blood was collected. It was measured.
[0030]
FIG. 2 shows the change in the whole blood passage time of subjects A to I due to the ingestion of buckwheat extract. The distribution of the whole blood passage time of subjects A to I was 55 seconds to 103 seconds before ingestion of buckwheat extract, and 42 seconds to 100 seconds after ingestion of buckwheat extract. Of the nine subjects, subjects AC, D, E, F , H and I showed improved viscosity in blood. One week after ingestion of the buckwheat extract, the distribution of the whole blood passage time was 48 seconds to 71 seconds, and among the nine subjects, the blood of eight subjects A to H showed improved viscosity. In particular, subjects A and B, whose blood viscosities were large before the test, significantly improved their blood viscosities by buckwheat extract ingestion.
[0031]
FIG. 3 shows the average values of the whole blood passage times of nine subjects. Comparing the average values of the whole blood transit time before and after the ingestion of buckwheat extract, an average of 4.7% of the whole blood transit time was found 1 hour after ingestion of the buckwheat extract as compared to before the ingestion. One week after continuous ingestion of buckwheat extract, the whole blood transit time was reduced by an average of 22.4% compared to before ingestion (significant difference: P <0.05).
Thus, from the test results of 9 subjects, the buckwheat extract extracted from the leaves and stems of buckwheat has an immediate effect of improving the viscosity of blood in a short time after ingestion, and the viscosity of blood by continuous ingestion. It can be seen that there is a sustainability of maintaining a good condition.
[0032]
(3) Measurement after ingestion of buckwheat extract: subjects J and K
The same test was performed on two subjects J and K, with the intake of buckwheat extract being halved. That is, 60 mg of buckwheat extract was taken in 100 ml of water, and one hour after that, blood was collected and the passage time of whole blood was measured. As shown in FIG. 4, the whole blood passage time of subjects J and K was reduced one hour after ingestion of buckwheat extract, and the blood viscosity was improved.
[0033]
(4) Microscopic Observation Microscopic observation of blood flow using a capillary model showed that even in subjects with a high blood flow rate where platelet aggregation was not visually observed originally, the blood flow rate was increased by ingesting buckwheat extract. . Thus, buckwheat extract is considered to have an effect of improving the deformability of erythrocytes in addition to an effect of suppressing platelet aggregation.
Regarding the blood viscosity improving effect, since rutin, which is the main component of buckwheat extract, does not provide sufficient viscosity improvement, various polyphenol mixtures in buckwheat extract are synergistically involved to exert blood viscosity improving effect. It is thought that it is doing.
[0034]
[Formulation example]
The composition example of the composition for improving blood viscosity (buckwheat extract) according to the present invention is shown. In the following formulation examples, as "buckwheat extract", a solvent extract of the leaves and stems of buckwheat can be used.
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[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph comparing whole blood passage times of 11 subjects.
FIG. 2 is a graph showing changes in whole blood transit time due to ingestion of buckwheat extract by nine subjects.
FIG. 3 is a graph showing a change in an average value of a whole blood passage time due to ingestion of buckwheat extract by nine subjects.
FIG. 4 is a graph showing a change in whole blood passage time due to two subjects ingesting buckwheat extract.