JP2005053635A - エレベータ - Google Patents

エレベータ Download PDF

Info

Publication number
JP2005053635A
JP2005053635A JP2003285840A JP2003285840A JP2005053635A JP 2005053635 A JP2005053635 A JP 2005053635A JP 2003285840 A JP2003285840 A JP 2003285840A JP 2003285840 A JP2003285840 A JP 2003285840A JP 2005053635 A JP2005053635 A JP 2005053635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
counterweight
air conditioning
elevator
passing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003285840A
Other languages
English (en)
Inventor
Akimasa Kamimura
晃正 上村
Itsuki Nakajima
厳 中島
Akira Yamamoto
山本  明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Elevator and Building Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Elevator Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Elevator Co Ltd filed Critical Toshiba Elevator Co Ltd
Priority to JP2003285840A priority Critical patent/JP2005053635A/ja
Publication of JP2005053635A publication Critical patent/JP2005053635A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

【課題】 昇降路の広さ等に制約がある場合でも、高速走行時における乗りかごと釣り合い重り、または隣合う乗りかご同士のすれ違いで生じる振動を抑制し、乗り心地を向上すること。
【解決手段】 乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかご21および釣り合い重り2が相反する方向に昇降する。乗りかご21は、かご室3の上下部に、それぞれ乗り場側に鉛直面を有し、かつ乗り場側に直交する側の側面とかご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセル4,5が設けられている。この整風カプセル4,5の傾斜面のうち、釣り合い重り2に対向する側または隣合うエレベータ乗りかごに対向する側の傾斜面に、傾斜面と間隔を存して整風板10,11が設けられ、乗りかご21と釣り合い重り2とのすれ違い時、または乗りかご同士のすれ違い時に、整風板の存在により生じる圧力が、すれ違いにより生じる加振力と反対方向の力を生じさせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、昇降路内を昇降する乗りかごと、この乗りかごと重量の釣り合いを保つために設けられた釣り合い重りまたは隣合うエレベータの乗りかごとのすれ違い時に生じる加振力を低減するエレベータに関する。
乗りかごが高速で昇降するエレベータにおいては、かご室の上下部に風の抵抗を低減する整風カプセルが取付けられている。従来の整風カプセルを有するエレベータの乗りかごの状況を、図12を参照して説明する。図12は従来のエレベータにおける乗りかごと釣り合い重りの関係を示す斜視図である。乗りかご1は、かご室3の上下部に整風カプセル4,5が取付けられている。この整風カプセル4,5は、昇降路の乗り場(図示せず)側に対向する側面4a,5aに鉛直面を有し、乗り場側に対向する側面4a,5aに直交する側の両側面4b,5bとかご室3背面側の側面4c,5cの一方または両方に傾斜面を有している。
かご室3は、乗り場側に対向する側面3aにかごドア6を備え、乗り場側のドア(図示せず)と連動して開閉動作し、乗客の出入りを可能にしている。かご室3は、このかごドア6による隙間があるため、乗りかご1が走行中に空気を巻き込み、かご室3内の騒音の発生原因となる。そのため整風カプセル4,5は、このかごドア6の有る側の側面4a,5aを鉛直面とし、他の3つの側面4b,4cまたは5b,5cを傾斜面とした構造とすることで、かごドア6への空気の巻き込みを最小限に抑えている。
乗りかご1は、その頂部に乗りかご1を吊り上げるための吊りロープ(図示せず)の一端部が結合され、この吊りロープの他端部は、昇降路頂部の巻上機(図示せず)を介して釣り合い重り2と結合されている。乗りかご1と釣り合い重り2は、巻上機の動作により昇降路内を相反する方向に走行して昇降している。
乗りかご1と釣り合い重り2は、互いの走行によりすれ違う際に、空気力学的な加振力を互いに及ぼし合う。図13に乗りかご1と釣り合い重り2とのすれ違い時における乗りかご1に加わる加振力の時間データと加振力の向きを模式的に表した図を示す。この図13から、乗りかご1と釣り合い重り2とのすれ違いが始まる瞬間(図示左側)では、互いに逆方向の力を受け、乗りかご1と釣り合い重り2が重なるタイミング(図示中央)では、最大の力で互いが引き寄せられ、最後にすれ違いが終了する瞬間(図示右側)では、互いを引き付ける力が消滅して弾かれている様子が分かる。
この乗りかご1と釣り合い重り2とのすれ違い時における加振力の大きさを図13に示す加振力(最大値−最小値)の大きさと定義し、走行速度(V)と加振力(F)の大きさとの関係のグラフを図14に、加振力(F)と乗りかご−釣り合い重り間の距離(L)との関係のグラフを図15に示す。これら2図から、乗りかご1の走行速度が速いほど、また乗りかご1と釣り合い重り2の距離が狭いほど、乗りかご1に加わる加振力は大きくなり、かご室3内部の乗客に不快感をもたらすことが分かる。
一方、乗りかご1と釣り合い重り2とのすれ違いのほかに、1つの昇降路に複数台の乗りかごが存在する併設エレベータの場合、隣合うエレベータ乗りかごがすれ違う際にも同様の空気力学的な加振力が生じ、双方の乗りかご内部の乗客に不快感をもたらす。
従来、これらの対策として、乗りかご1と釣り合い重り2、または隣合う乗りかご同士の距離を拡大したり、整風カプセル4,5の形状をより滑らかにすること等により、発生する加振力の大きさを抑制する対策が取られている。
しかしながら、近年、高速エレベータにおいても、建屋側の制約により、十分な広さの昇降路が確保できないため、乗りかご1と釣り合い重り2、または隣合う複数の乗りかご同士の距離を拡大することが難しい状況にある。また整風カプセル4,5を滑らかな形状とするためには高さ寸法を拡大しなければならないが、上記のように建屋側の制約により、ある程度以上にはできない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、昇降路の広さ等に制約がある場合でも、高速走行時における乗りかごと釣り合い重り、または隣合う乗りかご同士のすれ違いで生じる振動を抑制し、乗り心地を向上することのできるエレベータを提供することを目的とする。
本発明の態様は次のとおりである。
(1)乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ乗り場側に鉛直面を有し、かつ乗り場側に直交する側の側面とかご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、この整風カプセルの傾斜面のうち、釣り合い重りに対向する側または隣合うエレベータ乗りかごに対向する側の傾斜面に、傾斜面と間隔を存して整風板が設けられていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時、または乗りかご同士のすれ違い時に、整風板の存在により生じる圧力が、すれ違いにより生じる加振力と反対方向の力を生じさせることで、高速走行時における乗りかごと釣り合い重り、または乗りかご同士のすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
(2)乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ乗り場側に鉛直面を有し、かつ乗り場側に直交する側の側面とかご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、かご室の側面または整風カプセルの側面のうち、釣り合い重りに対向する側面に対して直交する側面または隣合うエレベータ乗りかごに対向する側面に対して直交するかご室背面側の整風カプセルの側面に、釣り合い重りに対向する方向に対して直交する方向または隣合うエレベータ乗りかごに対向する方向に対して直交する方向に延びるように整風板が設けられていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時、または乗りかご同士のすれ違い時に生じる互いに対向する側面間の圧力変動に対して整風板が抵抗となるため、高速走行時における乗りかごと釣り合い重り、または乗りかご同士のすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
(3)上記(2)において、整風板は、整風カプセルの傾斜面の傾斜方向と反対方向に傾斜して設けられていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時、または乗りかご同士のすれ違い時に、整風板により整風カプセルに生じる反力と逆方向の反力が生じて乗りかごに作用するため、乗りかごと釣り合い重り、または乗りかご同士のすれ違いで生じる加振力を緩和することができる。
(4)上記において、整風板は断面形状が翼断面形状に構成されていることが好ましい。
上記のような構成とすることにより、整風板により偏向された空気により生じる整風板後端部からの乱流の発生を抑え、この乱流により生じる風切り音の発生を最小限に抑えることができる。
(5)上記(1)ないし(3)のいずれかにおいて、整風板は、表面にブラシ状の被覆が施こされていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、整風板により当る風が整風板表面のブラシ状の被覆により表面境界層内で風速が十分に減速されるため、風切り音の発生を最小限に抑えることができる。
(6)上記(1)ないし(3)のいずれかにおいて、釣り合い重りは、かご室と対向する面に貫通孔が形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、整風板を設けたことによる効果に加えて、釣り合い重りの貫通孔により、乗りかごと釣り合い重りとの空間が釣り合い重りの反対側の空間と繋がり、空間が事実上拡大されるため、発生する圧力変動を小さくすることができ、高速走行時における乗りかごと釣り合い重りのすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
(7)乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ乗り場側に鉛直面を有し、かつ乗り場側に直交する側の側面とかご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、釣り合い重りは、乗りかごと対向する面に貫通孔が形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、釣り合い重りの貫通孔により、乗りかごと釣り合い重りとの空間が釣り合い重りの反対側の空間と繋がり、空間が事実上拡大されるため、発生する圧力変動を小さくすることができ、高速走行時における乗りかごと釣り合い重りのすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
(8)上記(6)または(7)において、釣り合い重りの貫通孔は、少なくとも釣り合い重りの上部および下部の2ヶ所に設けられていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、乗りかごと釣り合い重りとの空間の時間的な変化が緩やかなものとなるため、高速走行時における乗りかごと釣り合い重りのすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
(9)上記(6)または(7)において、釣り合い重りの貫通孔は、釣り合い重りの幅方向中間部に位置して、その上部から下部まで連続して形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、乗りかごと釣り合い重りとの空間の時間的な変化を緩やかなものとし、乗りかごと釣り合い重りとの間の空間が釣り合い重りの反対側の空間と繋がり、空間が事実上拡大されるため、発生する圧力変動を小さくすることができ、高速走行時における乗りかごと釣り合い重りのすれ違いで生じる振動を小さくすることができる。
本発明によれば、建屋側の制約で十分な広さの昇降路が確保できないような場合でも、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い、または乗りかご同士のすれ違いなどで生じる加振力を低減することができるため、乗り心地のよいエレベータを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態にかかるエレベータを示す斜視図、図2は一般的な乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時における力の授受関係を模式的に示す説明図、図3(a)は図2の主要部を拡大して示す説明図、図3(b)は本発明の第1実施の形態における上部側整風カプセル部による加振力の低減効果を説明するための説明図である。
図1において、乗りかご21は、吊りロープ7の一端部に結合されて吊下げられ、昇降路頂部に設けられた巻上機(図示せず)を介して吊りロープ7の他端部に結合された釣り合い重り2とともに、乗り場(図示せず)が設けられた昇降路内を相反する方向に昇降するようになっている。乗りかご21は、かご室3の上下部に整風カプセル4,5が取付けられている。この整風カプセル4,5は、昇降路の乗り場側に対向する面(図示の奥行き側の面)には鉛直面を有し、乗り場側に対向する面に直交する側の両側面4b,5bおよびかご室3背面側の側面4c,5cには、少なくとも一方の側面に先細り形状となる傾斜面を有している。かご室3は、乗り場側に対向する面にかごドアを備え、乗り場側のドアと連動して開閉動作し、乗客の出入りを可能にしている。
整風カプセル4,5のうち、釣り合い重り2とすれ違う側である、かご室3の背面側の側面4c,5cには、ブラケット8,9に固定された整風板10,11が取付けられている。この整風板10,11は、傾斜面である側面4c,5cに対して間隔を存し、かつ傾斜面に沿うように配設されている。
次に上記第1実施の形態にかかるエレベータの作用効果について説明する。図2において、乗りかご1が下側から上側に走行する場合を考える。乗りかご1と釣り合い重り2の位置が離れている間、乗りかご1側から見ると、かご室3背面側に釣り合い重り2が通過する空間が空いているため、乗りかご1が走行する際に押しのける空気が、この空いた空間を通過している。しかし、乗りかご1と釣り合い重り2がすれ違う際には、この今まで空いていた空間が狭まり、その狭くなった空間を空気が通過しようとするために、乗りかご1および釣り合い重り2の双方に反力(加振力)が働く。この反力は乗りかご1の下面側に作用するため、乗りかご1には反時計方向の回転力が作用することになる。
すなわち、図3(a)に示すように、整風板のない従来の乗りかご1において、進行方向から風12aをほぼ垂直な向きで受けると、通常、整風カプセル4部でこの空気の流れをカプセル形状に沿う形で乗りかご1上部から下部へ逃している。しかし、この風12aは、釣り合い重りとすれ違いが始まる瞬間、空気の逃げ道が少なくなるため、風速が増大し、整風カプセル4の傾斜面にぶつかり、カプセル形状に沿わずにその向きを変える。向きの変わった風を符号12bで示している。この風12bにより整風カプセル4には反力13が加振力として発生する。
これに対し、上記第1実施の形態のように、整風カプセル4の傾斜面に整風板10を備えている場合には、図3(b)に示すように、乗りかご21は、進行方向から風12aを受けた場合、整風カプセル4の傾斜面部と整風板10により整流された風12cとして流れ、釣り合い重りとのすれ違い開始時には、より高速な一定した流れ場が形成される。この流れ場によりかご室3背面部には、負圧の発生による揚力が発生し反力14を生じさせる。この反力14は、反力13とは反対方向の力となるために、釣り合い重りとのすれ違いの際に生じる加振力を緩和することができ、乗り心地を向上することができる。
上記の説明は、乗りかご21の上昇方向の走行状態で説明したが、下降方向の走行状態においても同様であり、その際、下側の整風板11が同様の作用を発揮する。
なお、整風板10(および11)の断面形状を、図3(b)に示すように翼断面形状とすることにより、整風板10により偏向された風12cにより生じる整風板10後端部からの乱流の発生を抑えることができる。そのため、釣り合い重りとのすれ違いの際に生じる加振力を緩和すると同時に、乱流により生じる風切り音の発生を最小限に抑えることができる。
また整風板10(および11)の表面にブラシ状の被覆を施すこともできる。このような構成とすることにより、整風板10により当る風が整風板10表面のブラシ状の被覆により表面境界層内で風速が十分に減速されるため、風切り音の発生を最小限に抑えることができる。
上記の説明は、乗りかご21と釣り合い重り2のすれ違いで説明したが、1つの昇降路に2台以上併設されたエレベータ乗りかごが走行する場合は、隣合ったエレベータ乗りかごがすれ違う場合でも同様の現象が生じるので、この場合には、整風板10,11を隣のエレベータ乗りかごと向かい合う整風カプセルの傾斜面部に設けることで、同様の効果が発揮される。
次に本発明の第2実施の形態にかかるエレベータを説明する。図4は本発明の第2実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す斜視図、図5(a),(b)は、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時における力の授受関係を模式的に示す説明図である。
本実施の形態では、乗りかご31は、かご室3の上下部に整風カプセル4,5が設けられており、釣り合い重りと対向する側に直交するかご室3の両側面3bおよび整風カプセル4,5の両側面4b,5bには、それぞれかご室3および整風カプセル4,5に連続して整風板15,15が取付けられている。この整風板15,15は、釣り合い重りに対向する方向に対して直交する方向に延びるように配設されている。
上記のように構成したエレベータにおいて、乗りかご31が下側から上側に走行する場合を考える。図5(a)に示すように、乗りかご31と釣り合い重り2がすれ違いを開始する瞬間、乗りかご31側から見て、かご室3背面側の釣り合い重り2の占める空間が狭まるため、乗りかご31と釣り合い重り2が反発する方向に反力13が加振力として生じる。この反力13は、乗りかご31を図示右から左方向(出入り口方向)へ移動させようとする。乗りかご31の両側面部に設けられた整風板15から見ると、この左方向への移動は、整風板15の左側の空気を右側に押しのけるように作用する。このとき、整風板15と周りの空気との間に反力13への反力16を生じさせる。この反力16は反力13とは反対向きの力となるため、釣り合い重り2とのすれ違いの際に生じる加振力を緩和することになる。
次に乗りかご31と釣り合い重り2とのすれ違い現象が進み、乗りかご31と釣り合い重り2が横方向で重なる瞬間を考える。図5(b)に示すように、乗りかご31の背面側の空間が釣り合い重り2により大部分が塞がれてしまうため、残りの狭められた空間から空気が高速で移動する。そのため、乗りかご31の背面全体にわたって負圧の領域が生成される。この負圧により乗りかご31には吸引力17が作用する。この吸引力17は、乗りかご31を左から右方向(背面方向)へ移動させようとする。乗りかご31の両側面に設けられた整風板15から見ると、この右方向の移動は整風板15の右側の空気を左側に押しのけるように作用する。このとき、整風板15の周りの空気との間に吸引力17への反力18を生じさせる。この反力18は吸引力17とは反対向きの力となるため、釣り合い重りとのすれ違いの際に生じる加振力を緩和することになり、乗りかご31の乗り心地を向上させることになる。
なお、上記の説明は、乗りかご31が上昇方向に走行する場合を例にとって説明したが、下降方向に走行する場合でも同様の効果が得られる。
また上記の説明は、乗りかごと釣り合い重りのすれ違いに対処する構成について説明したが、1つの昇降路に2台以上の併設エレベータの乗りかごが走行し、隣合うエレベータ乗りかごがすれ違う構成の場合でも同様の現象が生じ、この場合には、乗りかごのかご室背面側に位置する整風カプセルの傾斜側面部に整風板を設けることで対処することができる。この場合の実施の形態を図6に示す。図6は本発明の第3実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す斜視図である。図6において、乗りかご41のかご室3背面側に位置する上下部の整風カプセル4,5の側面4c,5c部に、それぞれ隣合うエレベータ乗りかごに対向する方向に対して直交する方向に延びるように配設された整風板19,20を設けることにより、隣合うエレベータ乗りかご同士のすれ違いに対処することができる。この場合、かご室3背面側の側面3cには、整風板19,20を設けないようにすることが望ましい。これはかご室3背面側近傍を釣り合い重りが走行するため、ここに整風板を設けると、かご室3と釣り合い重り間の間隔を広げる必要が生じるからである。
図7は本発明の第4実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す説明図である。図7に示すように、乗りかご51の整風カプセル4の両側面部に設ける整風板21は、整風カプセル4の傾斜面と反対方向に傾斜させて設けることができる。すなわち、乗りかご51は、上昇運転時に進行方向から相対的に風22aを受けている。この風22aは、乗りかご51の整風カプセル4の傾斜面部に当り、風22bで示すようにその方向が乱される。特に釣り合い重りとのすれ違い時には、図3に示す第1実施の形態で説明した通り、風速は増大し、反力13が生じる。ここで、整風板21は乗りかご51の整風カプセル4の傾斜面部に、傾斜面とは反対方向に傾斜させて取付けられているため、乗りかご51の走行中は、常に風22cが整風板21にあたり、反力23を生成させる。また反力23は、釣り合い重りとのすれ違い時には風22cの風速の増大に伴い大きくなる。この反力23は、整風カプセル4で生じる反力13と逆方向の力として乗りかご51に作用するため、釣り合い重りとのすれ違い時に生じる加振力を緩和することが可能となる。
また整風板21は、乗りかご51の傾斜面部に取付けられているために、乗りかごと釣り合い重りが横方向で重なる瞬間には、図5(b)に示した実施の形態と同様に、釣り合い重りからの吸引力に対して反対方向の反力を生じさせるため、やはり加振力を緩和する効果を発揮し、乗り心地を向上することができる。
なお、上記第2ないし第4実施の形態において、整風板の断面形状を翼断面形状に形成したり、表面にブラシ状の被覆を施すこともできる。
次に本発明の第5実施の形態について図面を参照して説明する。図8は本発明の第5実施の形態にかかるエレベータに使用される釣り合い重りを示す斜視図、図9(a),(b)はその効果を説明するための乗りかごと釣り合い重りとの関係を説明する図である。本実施の形態では、図8に示すように、釣り合い重り24の乗りかごと対向する面に貫通孔25,25を形成したことを特徴とする。この貫通孔25,25は、少なくとも釣り合い重り24の上下部の2ヶ所に設けられている。
図9(a)は釣り合い重りに貫通孔を設けていない場合を示し、図9(b)は本実施の形態のように貫通孔を設けた場合を示している。
図9(a)に示すように、乗りかご1と釣り合い重り24がすれ違いをしている間、乗りかご1と釣り合い重り24の隙間26には加速された空気流27aが生じる。この空気流27aは、隙間26に負圧を生じさせ、乗りかご1と釣り合い重り24を近付けさせようとする吸引力28を生じさせる。吸引力28は、乗りかご1と釣り合い重り24のすれ違い時に生じる加振力の時間変化のシュミレーション(図2参照)によると、乗りかご1と釣り合い重り24が最大に重なる瞬間が一番大きくなる。
この吸引力28は、特に乗りかご1の形状が変化する整風カプセル4,5の近傍部29a,29bでは空気流がより速いため大きくなる。
これに対して図9(b)に示すように、釣り合い重り24の上下部に貫通孔25,25を有する場合、乗りかご1と釣り合い重り24とのすれ違い時に整風カプセル部4,5の近傍部29a,29bに流れ込む空気流27bの一部が貫通孔25,25を通して釣り合い重り24の背面側に流出する。このため、整風カプセル4,5の近傍部29a,29bでの空気流27bは、上記の空気流27aに対して抑えられ、その結果発生する負圧も貫通孔25がない場合に対し小さくなる。そのため、乗りかご1にとって、釣り合い重り24の貫通孔25は、釣り合い重り1とのすれ違い時に生じる加振力を緩和する効果を発揮する。
この場合、図10に示すように構成することもできる。図10は本発明の第6実施の形態にかかるエレベータに使用される釣り合い重りを示す斜視図である。図10において、本実施の形態では、釣り合い重り34の幅方向中間部に位置させて、その上部から下部まで連続して貫通孔35を設けたところに特徴を有する。このような構成とすることにより、釣り合い重り34と乗りかごがすれ違う間、連続して乗りかごと釣り合い重り34の間の空気流を釣り合い重り34の背面側に流すことができるので、乗りかごにとって、よりすれ違い時に生じる加振力を緩和する効果を発揮する。
上記の第5および第6実施の形態は、釣り合い重りに貫通孔を形成することにより、乗りかご1の制振効果を図ったものであるが、この第5および第6実施の形態における釣り合い重り24,34側に貫通孔25,35を設ける構成と、例えば図1の第1実施の形態における乗りかご21に整風板10,11を設ける構成を組合せることもできる。この各構成を組合せた場合に、乗りかご側への加振力に関するシュミレーションを行なった結果を図11に示す。図11は、横軸を乗りかご−釣り合い重り間の距離とし、縦軸を乗りかごと釣り合い重りのすれ違い時に乗りかご側に加わる加振力としたグラフである。
従来のエレベータの場合における特性を実線Aで示し、上記の組合せ構成を備えた場合の特性を矢印Bで示す。上記の組合せ構成を有する場合に、従来の構成と同じ乗りかご−釣り合い重り間の距離(L=L0)とした場合には、すれ違い時の加振力を約20%程度低減することができ、この低減後の値と同じ加振力に相当する乗りかご−釣り合い重り間の距離L1は、L0の約2倍に相当する。このことは、上記の組合せ構成を採用した場合、従来構成の場合に比較して、乗りかご−釣り合い重り間の距離を2倍にしたのと同程度の加振力の低減効果が期待できるため、昇降路を広げることなく、より一層乗り心地の改善に繋げられることになる。
本発明の第1実施の形態にかかるエレベータを示す斜視図である。 一般的な乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時における力の授受関係を模式的に示す説明図である。 (a)は図2の主要部を拡大して示す説明図、(b)は本発明の第1実施の形態における上部側整風カプセル部による加振力の低減効果を説明するための説明図である。 本発明の第2実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す斜視図である。 (a),(b)は、乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時における力の授受関係を模式的に示す説明図である。 本発明の第3実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す斜視図である。 本発明の第4実施の形態にかかるエレベータの乗りかごを示す説明図である。 本発明の第5実施の形態にかかるエレベータに使用される釣り合い重りを示す斜視図である。 乗りかごと釣り合い重りとの関係を説明する説明図で、(a)は釣り合い重りに貫通孔を設けていない場合を示す図、(b)は第5実施の形態のように貫通孔を設けた場合を示す図である。 本発明の第6実施の形態にかかるエレベータに使用される釣り合い重りを示す斜視図である。 横軸を乗りかご−釣り合い重り間の距離とし、縦軸を乗りかごと釣り合い重りのすれ違い時に乗りかご側に加わる加振力としたグラフである。 従来のエレベータにおける乗りかごと釣り合い重りの関係を示す斜視図である。 乗りかごと釣り合い重りとのすれ違い時における乗りかごに加わる加振力の時間データと加振力の向きを模式的に表した図である。 走行速度(V)と加振力(F)の大きさの関係を示すグラフである。 加振力(F)と乗りかご−釣り合い重り間の距離(L)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1,21,31,41,51…乗りかご
2,24,34…釣り合い重り
3…かご室
3a,3b,3c…側面
4,5…整風カプセル
4a,4b,4c,5a,5b,5c…側面
6…かごドア
7…吊りロープ
8,9…ブラケット
10,11,15、19,20,21…整風板
12a,12b,12c,22a,22b,22c…風
13,14,16,18,23…反力
17,28…吸引力
25,35…貫通孔
26…隙間
27a,27b…空気流
29a,29b…近傍部

Claims (9)

  1. 乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、前記乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ前記乗り場側に鉛直面を有し、かつ前記乗り場側に直交する側の側面と前記かご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、この整風カプセルの傾斜面のうち、前記釣り合い重りに対向する側または隣合うエレベータ乗りかごに対向する側の傾斜面に、前記傾斜面と間隔を存して整風板が設けられていることを特徴とするエレベータ。
  2. 乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、前記乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ前記乗り場側に鉛直面を有し、かつ前記乗り場側に直交する側の側面と前記かご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、前記かご室の側面または整風カプセルの側面のうち、前記釣り合い重りに対向する側面に対して直交する側面または隣合うエレベータ乗りかごに対向する側面に対して直交するかご室背面側の整風カプセルの側面に、前記釣り合い重りに対向する方向に対して直交する方向または隣合うエレベータ乗りかごに対向する方向に対して直交する方向に延びるように整風板が設けられていることを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項2に記載のエレベータにおいて、前記整風板は、前記整風カプセルの傾斜面の傾斜方向と反対方向に傾斜して設けられていることを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記整風板は、断面形状が翼断面形状に構成されていることを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記整風板は、表面にブラシ状の被覆が施されていることを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記釣り合い重りは、前記乗りかごと対向する面に貫通孔が形成されていることを特徴とするエレベータ。
  7. 乗り場が設けられた昇降路内を、乗りかごおよび釣り合い重りが相反する方向に昇降するエレベータにおいて、前記乗りかごは、かご室の上下部に、それぞれ前記乗り場側に鉛直面を有し、かつ前記乗り場側に直交する側の側面と前記かご室背面側の側面のうち、少なくとも一方の側面に傾斜面を有する整風カプセルが設けられ、前記釣り合い重りは、前記のりかごと対向する面に貫通孔が形成されていることを特徴とするエレベータ。
  8. 請求項6または7に記載のエレベータにおいて、前記釣り合い重りの貫通孔は、少なくとも釣り合い重りの上部および下部の2ヶ所に設けられていることを特徴とするエレベータ。
  9. 請求項6または7に記載のエレベータにおいて、前記釣り合い重りの貫通孔は、前記釣り合い重りの幅方向中間部に位置して、その上部から下部まで連続して形成されていることを特徴とするエレベータ。
JP2003285840A 2003-08-04 2003-08-04 エレベータ Pending JP2005053635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003285840A JP2005053635A (ja) 2003-08-04 2003-08-04 エレベータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003285840A JP2005053635A (ja) 2003-08-04 2003-08-04 エレベータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005053635A true JP2005053635A (ja) 2005-03-03

Family

ID=34365345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003285840A Pending JP2005053635A (ja) 2003-08-04 2003-08-04 エレベータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005053635A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1864938A1 (de) * 2006-06-09 2007-12-12 Inventio Ag Aufzugsanlage und Verwendung einer solchen Aufzugsanlage für Hochgeschwindigkeitsaufzüge
US7665583B2 (en) 2006-06-09 2010-02-23 Inventio Ag Elevator installation and use of such elevator installation for high-speed elevators
JP2012148855A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ装置
JP2013129496A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Mitsubishi Electric Corp エレベータのかご装置
CN104843563A (zh) * 2014-02-14 2015-08-19 株式会社日立制作所 电梯设备
US20160031677A1 (en) * 2013-02-04 2016-02-04 Kone Corporation Elevator
JP2016108082A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 株式会社日立製作所 エレベーター装置
KR20190001648A (ko) * 2017-06-27 2019-01-07 현대엘리베이터주식회사 윈드 디플렉터 및 이를 포함하는 승강기 카
CN110950214A (zh) * 2019-10-28 2020-04-03 林金雄 一种建筑施工物料提升机

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1864938A1 (de) * 2006-06-09 2007-12-12 Inventio Ag Aufzugsanlage und Verwendung einer solchen Aufzugsanlage für Hochgeschwindigkeitsaufzüge
US7665583B2 (en) 2006-06-09 2010-02-23 Inventio Ag Elevator installation and use of such elevator installation for high-speed elevators
TWI386360B (zh) * 2006-06-09 2013-02-21 Inventio Ag 升降設備及使用此種升降設備之高速升降機
JP2012148855A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ装置
JP2013129496A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Mitsubishi Electric Corp エレベータのかご装置
US20160031677A1 (en) * 2013-02-04 2016-02-04 Kone Corporation Elevator
US9725283B2 (en) * 2013-02-04 2017-08-08 Kone Corporation Elevator
CN104843563A (zh) * 2014-02-14 2015-08-19 株式会社日立制作所 电梯设备
JP2016108082A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 株式会社日立製作所 エレベーター装置
KR20190001648A (ko) * 2017-06-27 2019-01-07 현대엘리베이터주식회사 윈드 디플렉터 및 이를 포함하는 승강기 카
KR101955799B1 (ko) 2017-06-27 2019-03-11 현대엘리베이터주식회사 윈드 디플렉터 및 이를 포함하는 승강기 카
CN110950214A (zh) * 2019-10-28 2020-04-03 林金雄 一种建筑施工物料提升机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3100685B2 (ja) エレベ−タ装置
JP5031577B2 (ja) 昇降路内に複数のかごを有するエレベータシステム
WO2006011634A1 (en) Elevator system
JP2005053635A (ja) エレベータ
KR20070118028A (ko) 승강기 설비 및 고속 승강기용 승강기 설비의 사용
JPH07101651A (ja) エレベータカウンタウェイト装置
JP2007161421A (ja) エレベータの乗かご整風装置
CN104803256B (zh) 电梯装置
JP6193781B2 (ja) エレベータ装置
WO2005080250A1 (ja) 機械室レスエレベータ
JP6652883B2 (ja) エレベーター装置
CN104843563B (zh) 电梯设备
JP6397732B2 (ja) エレベータ装置
JP4348491B2 (ja) エレベーター装置
JP2000351556A (ja) エレベータ
JP2006124142A (ja) エレベータの騒音抑制装置
JP6268317B2 (ja) 釣合おもり及びエレベータ装置
WO2018110380A1 (ja) エレベーター装置
JP6326361B2 (ja) エレベーター装置
JPH0680356A (ja) エレベータの整風装置
JP7439992B2 (ja) エレベーター
JP4752268B2 (ja) エレベータ装置
JP7097269B2 (ja) エレベータ制御システムおよび制御方法
JP2015006931A (ja) 釣合おもり及びエレベータ装置
JP2021046306A (ja) エレベーター及び乗りかご

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060421

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20060508

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090319

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090721

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02