JP2005053634A - エレベータの冠水時運転装置 - Google Patents

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憲雄 牛腸
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Abstract

【課題】 中間の階床において発生する雨水の浸入に対してもエレベータの冠水被害を最小限に食い止めることができるようにする。
【解決手段】 昇降路1の各階床における乗り場2において、乗り場戸6を案内する敷居10の近傍に冠水センサ11を設ける。この各冠水センサ11は制御装置4に接続されており、制御装置4は、冠水センサ11からの検出信号に基づき、エレベータの乗りかご3に対し、冠水が検出された階床よりも上方の階床まで上昇させる退避運転を行なう。この制御装置4による運行制御状態は遠隔監視装置8により監視センタ9へ送信される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エレベータが冠水した際の被害を最小限に食い止めることのできるエレベータの冠水時運転装置に関するものである。
エレベータは、周知のように建物に設置され、複数の乗り場を有する昇降路内を乗りかごが昇降するように構成されている。昇降路の頂部には機械室が設けられ、この機械室内に巻上機や制御装置が設置されている。乗りかごは、巻上機のシーブに巻き掛けられた吊りロープの一端部に吊下げられ、吊りロープの他端部に吊下げられた釣り合い重りとの間でつるべ式に吊下げられて、巻上機が制御装置により駆動制御されることにより昇降路内を昇降するようになっている。
昇降路の各階床に設けられた乗り場には、昇降路に面する位置に、利用客の出入り口となる乗り場戸が設けられている。利用客は、乗り場に設けられた乗り場呼びボタンを操作して乗りかごを呼び、開閉する乗り場戸およびかご戸を介して乗りかご内に乗り込み、乗りかご内の操作盤を操作して行先階を指定することにより、乗りかごが制御装置により運行制御されて昇降路内を昇降し、行先階に移動できるようになっている。このようなエレベータの乗りかごの運行制御状態は、制御装置から遠隔監視装置を介して監視センターに送信されている。
昨今のエレベータは、一般のビルだけでなく、マンションやイベントホール等の多様な建物に数多く設置されている。建物のデザインや建築上の都合により、建物の中には屋内外の区画が構成できない場合も少なくなく、このような場合には中間の階床においても建物外部から雨水が浸入してエレベータが冠水被害を蒙るおそれがある。
すなわち、河川の氾濫等の水害が発生した場合には、一般道路と同じ高さ位置にある階床から建物内に雨水が浸入することになるが、屋内外の区画がなされていない特殊な建物の場合においては、中間の階床において、予期せぬ大雨の発生により大量の雨水が建物内に浸入することが考えられる。建物の中間の階床から雨水が浸入してエレベータが冠水すると、冠水した階床よりも下の階床に乗りかごが位置していた場合に、乗りかごや昇降路に設けられた電気品が冠水し、乗りかごや昇降路に設置された電気品に絶縁不良等を発生させてエレベータを停止させるおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、中間の階床において発生する雨水の浸入に対しても、エレベータの冠水被害を最小限に食い止めることのできるエレベータの冠水時運転装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、各階床における乗り場の乗り場戸を案内する敷居の近傍に冠水センサを設け、この冠水センサからの検出信号に基づき、制御装置によりエレベータの乗りかごに対し、冠水を検出した階床より上方の階床または最上階へ移動する退避運転の運行制御を行ない、この制御装置の運行制御状態を遠隔監視装置により監視センタへ送信するようにしたところに特徴を有する。
本発明によれば、各階床の敷居の近傍に冠水センサが設置されており、いずれの階床が冠水または冠水するおそれがあるかを容易に検出し、乗りかごに対して、その階床よりも上方の階床まで移動させて停止させる退避運転を行なわせることができるので、乗りかごに設置されている電気品に絶縁不良等を発生させる冠水被害を含め、エレベータに対する冠水被害を最小限に食い止めることができる。
図1は本発明の第1実施の形態にかかるエレベータの冠水時運転装置を示す概略構成図である。図1において、1は建物に設置された昇降路である。昇降路1には、複数の階床に乗り場2が設けられている。昇降路1内は乗りかご3が昇降し、各階床の乗り場2に停止できるようになっている。昇降路1の頂部には、図示しない機械室が設けられ、この機械室内に巻上機や制御装置4が設置されている。乗りかご3は、巻上機のシーブに巻き掛けられた吊りロープ5の一端部に吊下げられ、吊りロープ5の他端部に吊下げられた図示しない釣り合い重りとの間でつるべ式に吊下げられて、巻上機が制御装置4により駆動制御されることにより昇降路1内を昇降するようになっている。
昇降路1の各階床に設けられた乗り場2には、昇降路1に面する位置に、利用客の出入り口となる乗り場戸6が設けられている。利用客は、乗り場2に設けられた乗り場呼びボタンを操作して乗りかご3を呼び、開閉する乗り場戸6および乗りかご3のかご戸7を介して乗りかご3内に乗り込み、乗りかご3内の操作盤を操作して行先階を指定することにより、乗りかご3が制御装置4により運行制御されて昇降路1内を昇降し行先階に移動できるようになっている。このようなエレベータの乗りかご1の運行制御状態は、制御装置4から遠隔監視装置8を介して監視センタ9に送信されている。
一方、各階床の乗り場2に設置された乗り場戸6には、この乗り場戸6の開閉動作を補助するように案内する敷居10が設けられており、この敷居10の近傍に冠水センサ11が設けられている。各冠水センサ11は、敷居10の溝に連通するように設けることが望ましい。この各冠水センサ11は、それぞれ制御装置4に接続されており、制御装置4は、各冠水センサ11からの検出信号に基づき、乗りかご3に対して退避運転の運行制御を行なう。この退避運転は、いずれかの冠水センサ11が検出信号を発すると、その検出信号に基づき制御装置4がいずれの階床で冠水または冠水のおそれが発生するかを判断し、この冠水を検出した階床よりも1階床上の階床まで乗りかご3を運転して停止させるか、または冠水を検出した階床が最上階の場合は最上階で停止させるように運行制御することにより行なわれる。
そして乗りかご3に対して退避運転が行なわれたことは、制御装置4から遠隔監視装置8を介して監視センタ9へ送信するように構成されている。
然るに予期せぬ雨量の増加によって中間の階床に多量の雨水が浸入すると、その階床の乗り場2に流れ込み、さらに敷居10を通って昇降路1内に流れ込む。冠水センサ11は、敷居10の溝に連通するように敷居10の近傍に設けられているので、雨水が敷居10の溝に流入した段階で冠水または冠水のおそれがあることをいち早く検出し、その検出信号を制御装置4に送信することができる。
これにより制御装置4は、乗りかご3に対して冠水を検出した階床を基準として強制的に退避運転を行なうことができ、乗りかご3に設置されている電気品に対し、絶縁不良の発生等の冠水被害を回避させることができる。また冠水センサ11が動作して退避運転が行なわれたことは、遠隔監視装置8を介して監視センタ9に送信され、エレベータの管理者に通報されるので、管理者は現地に出向いて冠水状況を調査し、必要に応じてピット内を排水するためにポンプ駆動を増強する等の手段を講じることによって、エレベータ全体の冠水被害を最小限に食い止めることができる。
本発明の第1実施の形態にかかるエレベータの冠水時運転装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…昇降路
2…乗り場
3…乗りかご
4…制御装置
5…吊りロープ
6…乗り場戸
7…かご戸
8…遠隔監視装置
9…監視センタ
10…敷居
11…冠水センサ

Claims (3)

  1. 複数の階床に乗り場を有する昇降路内を乗りかごが昇降し、この乗りかごを運行制御する制御装置を有するエレベータにおいて、各階床の乗り場に設置された乗り場戸を案内する敷居の近傍に冠水センサを設け、この冠水センサからの検出信号に基づき、前記制御装置によりエレベータの乗りかごに対し、冠水を検出した階床より上方の階床または最上階へ移動する退避運転の運行制御を行ない、この制御装置の運行制御状態を遠隔監視装置により監視センタへ送信するようにしたことを特徴とするエレベータの冠水時運転装置。
  2. 前記冠水センサは、前記乗り場戸の敷居の溝に連通するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの冠水時運転装置。
  3. 前記遠隔監視装置は、前記冠水センサの検出信号に基づき前記制御装置による前記乗りかごの退避運転が行なわれたことを前記監視センタへ送信するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの冠水時運転装置。
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