JP2005052824A - 発光型標示塗膜及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル内のような暗所であっても充分な光量をもって発光し、各種の標示体や視線誘導ラインとして十分機能すると共に、トンネル内壁面の繰返しの洗浄にも耐え得る新規な発光標示体を提供する。
【解決手段】トンネル内壁面100に、絶縁性塗料からなる非導電性の下地層1を形成し、その上に、発光性塗料からなる発光層2と、発光層2に電力を供給して適時に発光させる導電性塗料からなる配線層3を形成する。さらに発光層2と配線層3を覆うよう、下地層1を透明な絶縁性塗料からなる表面保護層4で被覆してなる発光型標示塗膜Aとした。発光層2は車両運転者の視線誘導ラインaとなるよう、トンネルの長手方向に沿って帯状に形成され、適時に発光する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の建築構造物の壁面に形成する発光型標示塗膜に関し、特に、トンネルのコンクリート内壁面に形成して使用するに好適な発光型標示塗膜に関する。
一般に、トンネルの内壁面には、安全な車両走行を誘導するための視線誘導ラインが形成されている。
従来、この種視線誘導ラインは、トンネル内壁面に貼り着けるタイルやGRC等の化粧板で形成する場合もあったが、剥落などの問題から、近年では図5に示すように、トンネル内のコンクリート壁面100に、2〜3m程度の幅の白色塗料からなる下地層101をトンネル長手方向に沿って形成し、その下地層101の上に、赤色、緑色などの塗料からなる100〜200mm程度の幅の帯状のライン(視線誘導ライン)102を、運転者の視線の高さにあわせて形成するようになりつつある。
ところで、トンネル内はナトリウム灯などの照明灯で照らされているが、前記した赤色、緑色などの塗料からなる従来の視線誘導ライン102は、このような照明灯で照らされると目立たない色に変色してしまい、必ずしも運転者の視線誘導効果が高いとは言えなかった。
一方、特許文献1には、路面上に、ガラスビーズ、蓄光材、ガラス砕などを含有した塗料により、蓄光性、紫外線吸収性を備えた区画線を形成することが開示されており、このような塗料を用いて、トンネル内壁面に前記した視線誘導ラインを形成することも考えられる。
しかし、蓄光材の発光度はあまり高いものではなく、特にトンネル内のような陽の当らない空間内では蓄光量も低いため、視線誘導ラインとして不適当であると共に、トンネル内壁面は排気ガスの付着などで汚れ易く定期的にブラシ洗浄を行うので、該洗浄の際にガラスビーズ、蓄光材、ガラス砕などが剥れ落ちる虞れがある。
また、特許文献2、3には、発光性を有する材料を用いてなる板状の発光体が開示されているが、このような発光体をトンネル内壁面に取り付けた場合、発光体に電力を供給するための電気配線に手間がかかると共に、コンクリート内壁面との間での電気絶縁性が不十分になる虞れがあり、また、前記したブラシ洗浄時に発光体や電気配線が損傷する虞れがある。
特開昭58−1759号公報 特開平10−133609号公報 特開平10−162603号公報
本発明は上述したような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、例えばトンネル内のような暗所であっても充分な光量をもって発光し、標示体、視線誘導ライン等として十分な機能を発揮すると共に、基礎となる壁面の繰返しの洗浄にも耐え得る新規な発光標示体を提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明は、コンクリート製構造物の壁面に、絶縁性塗料からなる非導電性の下地層を形成すると共に、該下地層上に、発光性塗料からなる発光層と、該発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層を形成し、且つ前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を透明な絶縁性塗料からなる表面保護層で被覆してなる発光型標示塗膜であることを特徴とする(請求項1)。
また、本発明は、コンクリート製構造物の壁面上に固定する内装板の表面に、絶縁性塗料からなる非導電性の下地層を形成すると共に、該下地層上に、発光性塗料からなる発光層と、該発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層を形成し、且つ前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を透明な絶縁性塗料からなる表面保護層で被覆してなる発光型標示塗膜であることを特徴とする(請求項2)。
ここで、コンクリート製構造物の壁面は特に限定されず、ビル、橋、舗装路面、トンネルなどのコンクリート構造物の外壁、内壁、路面など、各種のコンクリート製構造物の壁面を対象とし、発光型標示塗膜は、標識、信号、看板、広告、ディスプレーなどの、各種の標示体を構成するものである。
本発明において、前記コンクリート製構造物の壁面の態様例として、トンネルの内壁面であることを挙げることができ、この場合、前記発光層が、車両運転者の視線の高さに位置すると共に、トンネル内を走行する車両の走行方向に沿う帯状に形成されて視線誘導ラインを構成することが好ましい(請求項3)。
またこの場合、前記配線層を介して外部電源からの電力を前記発光層に適時に供給して、前記視線誘導ラインが常時発光又は点滅すよう構成することが好ましい(請求項4)。
若しくは、前記発光層が長さ方向に沿って複数に分割されると共に、前記配線層が各発光層ごとに電気的に接続される配線パターンに形成され、各発光層に適時に電力を供給して、各発光層が、トンネル内の車両走行状況に合わせて順次発光するよう構成しても良い(請求項5)。
すなわち、請求項3〜5に係る発光型標示塗膜は、トンネルの内壁面に形成されて車などの安全走行を図るための標示体(視線誘導ライン)を構成するものであり、この場合、前記下地層は、例えば白色に着色された絶縁性塗料を用いて、車両走行方向に沿う所定幅(好ましくは2〜3mの幅)の帯状に形成することが好ましい。
また本発明は、請求項3〜5の何れか1項記載の発光型標示塗膜と、前記発光層の断線を検出する検出手段と、該検出手段からの断線検出信号に基づき、前記発光層の断線をトンネル内事故発生として報知する報知手段を備えたことを特徴とするトンネル内事故報知システムを含むものである(請求項6)。
ここで、報知手段としては、電話回線や他の通信回線などを介してトンネル内や道路状況などを監視する監視所または警察署,消防署などにトンネル内事故発生情報を送る通知手段、トンネルの出入り口付近に配置されたサインボードや信号などの発光・点滅手段などをあげることができ、これら報知手段の作動は、検出手段からの断線検出信号を受信すると報知手段の作動開始指令信号を発するコントローラなどの制御手段により適時に制御することができる。
また、報知手段の他例として、発光層を視線誘導ラインの長さ方向に沿って複数に分割し、各発光層毎の断線を検出し得るよう検出手段を配設し、何れか一つの発光層の断線が検出されると、他の発光層が点滅したり、各発光層が順次点滅するスピードや、点滅する順番が変わるように、前記制御手段により制御可能に構成することもできる。
このように構成した場合、トンネル内で車両事故等が発生し車両がトンネル内壁面に接触する等して、視線誘導ラインを構成する発光層の一部が断線した場合、その断線発生をトンネル内事故発生として検知し、報知手段を介して、監視所,警察署,消防署等に事故発生を知らせたり、走行車両のドライバーに注意喚起することができる。
請求項1に係る発光型標示塗膜は、コンクリート製構造物の壁面を洗浄処理し、該壁面に絶縁性塗料を塗布して非導電性の下地層を形成した後、該下地層上に、発光性塗料を塗布してなる適宜形状の発光層と、導電性塗料からなり前記発光層に電気的に接続する適宜パターンの配線層を形成し、次いで、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を、絶縁性塗料からなる表面保護層でコーティングし、さらに、前記配線層の端部を外部電源に電気的に接続すること特徴とする方法により形成することができる(請求項7)。
本発明は、トンネル内壁面上に形成される絶縁性塗料からなる非導電性の下地層と、該下地層上に形成される発光性塗料からなる発光層と、前記下地層上に形成され前記発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層と、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層上に形成される透明な絶縁性塗料からなる表面保護層からなる発光型標示体を含むものである(請求項8)。
また本発明は、トンネル内壁面上に固定する内装板と、該内装板の表面に形成された絶縁性塗料からなる非導電性の下地層と、該下地層上に形成される発光性塗料からなる発光層と、前記下地層上に形成され前記発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層と、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層上に形成される透明な絶縁性塗料からなる表面保護層からなる発光型標示体を含むものである(請求項9)。
請求項9に係る発光型標示体の形成方法として、トンネル内壁面上に固定される内装板の表面に、絶縁性塗料を塗布して非導電性の下地層を形成した後、該下地層上に、発光性塗料を塗布してなる適宜形状の発光層と、導電性塗料からなり前記発光層に電気的に接続する適宜パターンの配線層を形成し、次いで、前記発光層と配線層が覆われるよう前記下地層の表面を、絶縁性塗料からなる表面保護層でコーティングし、さらに、前記配線層の端部を外部電源に電気的に接続する方法をあげることができる(請求項10)。
本発明において、下地層、発光層、配線層、表面保護層を形成する夫々の塗料の塗膜の厚さは、耐久性、耐候性、非導電性、導電性、付着性などの各種条件を考慮すれば、例えば後述の範囲とすることが好ましく、これら各層が積層された発光型標示塗膜(発光型標示体)全体の厚さは、大凡80〜600μmの範囲となる。但し、本発明に係る発光型標示塗膜全体及び各層の厚さはこれに限定されるものではない。
本発明において、コンクリート製構造物の壁面上に固定する内装板、トンネル内壁面上に固定される内装板とは、この種技術分野において周知の不燃板で、例えば、鉄,ステンレス,アルミニウム等の金属板の表面を焼付け塗装やホーロー仕上げを施したもの、GRC板、スレート系(窯業系)板などを用いることができる。
内装板の厚みは特に限定されるものではないが、トンネル内壁面上に固定される内装板としては通常、金属板は厚さ0.5〜1mm程度、スレート板は厚さ2〜4mm程度、GRC板は厚さ8〜10mm程度のものが用いられる。
また、内装板は大型の一枚板であっても良いが、通常、幅600〜1200mm程度、高さ1200〜2500mm程度の大きさのものを複数枚連設状に用いる。
本発明に係る発光型標示塗膜は以上説明したように構成したので、以下の効果を奏する。
(請求項1)
コンクリート製構造物の壁面に、所定の塗料からなる下地層、発光層、配線層、表面保護層を積層してなる発光型表示塗膜としたので、別途作製した照明灯や板状発光体などを多数用意しそれらを個々に取り付けた上で電気配線を行うような面倒且つ高コストな作業を必要とすることなく、発光性塗料による高い明るさをもった自己発光型の標示体を、壁面塗装により容易に形成することができる。
また、照明灯や板状発光体などの突起物が存在することなく、壁面に塗装された多層の塗膜により、電気配線を含む自己発光型の平滑な標示体を得られるので、壁面を洗浄する際に配線や標示体が邪魔になったり、洗浄により標示体や配線の剥落、損傷等が発生する虞れも少ない。
よって、ビル、橋、舗装路面、トンネルなどの外壁、内壁、路面など、各種のコンクリート製構造物の壁面に直接、標識、信号、看板、広告、ディスプレーなどの各種の標示体を形成し得る新規な発光型標示塗膜として好適に提供することができる。
(請求項2)
コンクリート製構造物の壁面上に固定する内装板の表面に、所定の塗料からなる下地層、発光層、配線層、表面保護層を積層してなる発光型表示塗膜としたので、該内装板をコンクリート製構造物の壁面上に貼り着けて固定することで、請求項1による前述の効果を容易に得ることができる。
(請求項3、8、9)
トンネルのコンクリート製内壁面又は該内壁面に固定する内装板の表面に、所定の塗料からなる下地層、発光層、配線層、表面保護層を積層してなる発光型表示塗膜としたので、別途作製した照明灯や板状発光体などを多数用意しそれらを個々に取り付けた上で電気配線を行うような面倒且つ高コストな作業を必要とすることなく、発光性塗料による高い明るさをもった自己発光型の標示体を、トンネル内壁に対し、壁面塗装により容易に形成することができる。
また、照明灯や板状発光体などの突起物が存在することなく、トンネル内壁面に塗装された多層の塗膜により、電気配線を含む自己発光型の平滑な標示体を得られるので、トンネル内壁面を洗浄する際に配線や標示体が邪魔になったり、洗浄により標示体や配線の剥落、損傷等が発生する虞れも少ない。
よって、トンネルのコンクリート製内壁面に、標識、信号、看板、広告、ディスプレーなどの各種の標示体を形成し得る新規な発光型標示塗膜として好適に提供することができる。
また請求項3では、前記効果に加え、トンネル内を走行する車両の運転手の視線を誘導する視線誘導ラインを自己発光型の塗料で形成した新規な発光型標示塗膜として、好適に提供することができる。
(請求項4,5)
請求項3の効果に加え、発光層を、常時発光又は点滅させたり、若しくは、複数に分割された発光層をトンネル内の車両走行状況に合わせて順次発光させて該走行状況に対応した制限速度で走行し得るよう車両を誘導することにより、トンネル内の安全性を向上させることができる。
(請求項6)
請求項3〜5の効果に加え、発光層を、トンネル内事故発生を検出するセンサーとして機能させ、トンネル内で事故が発生した場合、報知手段を介して、監視所,警察署,消防署等に事故発生を知らせたり、走行車両のドライバーに注意喚起することができる。
(請求項7)
請求項1の効果を有する発光型標示塗膜を容易に形成し得る方法として好適に用いることができる。
(請求項10)
請求項9の効果を有する発光型標示体を容易に形成し得る方法として好適に用いることができる。
以下、本発明に係る発光型標示塗膜の実施形態の例を図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示す発光型標示塗膜(発光型標示体)Aは、コンクリート製のトンネル内壁面100に直接、自己発光型の視線誘導ラインaを形成するもので、トンネル内壁面100に形成した下地層1と、その上に形成した発光層2及び配線層3と、その上に形成した表面保護層4からなる。
下地層1は、絶縁性塗料を厚さ20〜300μm程度で、コンクリート製のトンネル内壁面100に塗布して形成された非導電性の塗膜であり、トンネル内壁面100において、路面110から2〜3m程度の幅をもって、車両走行方向に沿う帯状に形成されている。
ここで、絶縁性塗料としては、ケイ酸質系の無機塗料又は有機塗料を用いることが好ましいが、耐久性、耐候性、非導電性などの各種条件を考慮すれば、ケイ酸質系無機塗料(例えば、(株)シクソン社製の「絶縁性TSコート」)を用いることがより好ましい。また、トンネル内の美装や明るさの確保などを考慮すれば、白色のケイ酸質系無機塗料を用いることが好ましい。
発光層2は、発光性塗料を厚さ10〜100μm程度で、且つ下地層1の表面において車両運転者の視線の高さに位置すると共に、トンネル内を走行する車両の走行方向に沿う幅100〜200mm程度の帯状に塗布して形成された発光性の塗膜であり、配線層3から供給される電力により発光して視線誘導ラインaを構成するようになっている。
ここで、発光性塗料としては、耐久性、耐候性、発光性などの各種条件を考慮すれば、ケイ酸質系無機バインダーに無機顔料又は有機顔料を添加した発光性塗料(例えば、(株)シクソン社製の「発光性TSコート」)を用いることが好ましい。
本例では、複数に分割された発光層2で視線誘導ラインaを構成しており、各発光層2ごとに接続された配線層3により各発光層2が適時に発光するようになている。
配線層3は、導電性塗料を厚さ50〜100μm程度で、且つ下地層1の表面において、各発光層2ごとに電力が適時に供給されるよう任意の配線パターン形状をもって塗布して形成された導電性の塗膜であり、各発光層2に適時に電力を供給し各発光層2がトンネル内の車両走行状況に合わせて順次発光するよう形成されている。
ここで、導電性塗料としては、ケイ酸質系無機塗料若しくは可塑性を有するバインダー(例えばアクリルなど)に、導電性の金属フィラー(例えばAg、Cu、Niなど)を所定量含有した導電性塗料(例えば、(株)シクソン社製の「導電性TSコート」)を用いることが好ましい。
各配線層3は、トンネル内壁面100の上部に配線された電気ケーブル5に接続されている。電気ケーブル5は合成樹脂製のチューブや硬管で保護されると共に、適所に設けた制御ボックス6に連絡している。そうして、中央制御室からの指令などに基づく制御ボックス(外部電源を兼ねた制御手段)6内のコントローラによる制御により、電気ケーブル5、配線層3を介して任意の発光層2に適時に電力が供給され、トンネル内の車両走行状況に合わせて各発光層2を所定間隔毎に順次発光させることで運転を誘導し、各車両がトンネル内の走行状況に対応した制限速度で走行し得るよう構成されている。また、コントローラによって、各発光層2が常時発光したり、各発光層2が任意に点滅するよう制御することもでき、これら発光状態を適宜に選択することもできる。
表面保護層4は、絶縁性塗料を厚さ10〜50μm程度で、且つ発光層2と配線層3及び下地層1を被覆し得るよう塗布して形成された非導電性の塗膜である。
ここで、絶縁性塗料としては、ケイ酸質系の無機塗料又は有機塗料を用いることが好ましいが、耐久性、耐候性、非導電性などの各種条件を考慮すれば、ケイ酸質系無機塗料(例えば、(株)シクソン社製の「絶縁性TSコート」)を用いることがより好ましい。
また、下地層1、発光層2によるトンネル内の美装、明るさの確保、発光層2による視線誘導ラインaの視認性などを考慮すれば、透明のケイ酸質系無機塗料を用いることは言うまでもない。
また、前記した各発光層2は、断線検出用の配線7を介して制御ボックス6内の断線検出手段に接続して断線を検出されるようになっている。断線検出手段は、各発光層2が通電状態にある時は正常と判断し、何れか一つのの発光層2が非通電状態(断線状態)になったことを検出すると異常発生(トンネル内事故発生)と判断して、制御ボックス6内のコントローラに断線検出信号を送るようになっている。
コントローラは、前記断線検出信号を受け取ると、通電状態にある残りの発光層2を一斉に点滅させたり、その点滅速度を速めるなどしてトンネル内事故発生を走行車両の運転者に知らせ、運転者に注意を喚起し得るよう構成されている。
また、制御ボックス6内に、前記断線検出信号を受け取ると、電話回線や他の通信回線などを介して、トンネル内事故発生情報として監視所,警察署,消防署などに送る通信手段を備えることもできる。
以上の構成になる本例の発光型表示塗膜Aは、トンネル内壁面100に下地層1、発光層2、配線層3、表面保護層4を積層してなる構成であり、発光性塗料による高い明るさをもった自己発光型の視認誘導ラインaを、トンネル内壁の壁面塗装により容易に形成することができる。
また、トンネル内壁に塗装された多層の塗膜により、電気配線を含む自己発光型の厚さ90〜550μm程度の平滑な標示体として得られるので、トンネル内壁面を洗浄する際に邪魔になったり、洗浄により発光層2、配線層3の剥落、損傷等が発生する虞れも少ない。
さらに、トンネル内を走行する車両の運転手の視線を誘導する視線誘導ラインaを自己発光型の発光層2で構成するので、明るく見やすい新規な視線誘導ラインaを提供し、トンネル内の車両走行の安全性を大幅に向上することが期待できる。
また、複数に分割された発光層を、トンネル内の車両走行状況に合わせて順次発光させることで、トンネル内の車両走行状況に対応した制限速度で走行し得るよう車両を誘導することができる。
また、トンネル内で車両事故等が発生し車両がトンネル内壁面100に接触する等して、視線誘導ラインaを構成する発光層2の一部が断線した場合、その断線発生をトンネル内事故発生として検知し、報知手段を介して、監視所,警察署,消防署等に事故発生を知らせたり、走行車両のドライバーに注意喚起することができるなど、多くの効果を有する。
本例の発光型表示塗膜Aの形成方法を説明すれば、まず、トンネル内壁面100を洗浄処理し、その内壁面100に絶縁性塗料を塗布して下地層1を形成した後、下地層1上に、発光性塗料を塗布して発光層2(視線誘導ラインa)を形成すると共に、導電性塗料を塗布して配線層3を形成し、次いで、発光層2と配線層3を覆うよう下地層1を、絶縁性塗料からなる表面保護層4でコーティングし、さらに、各配線層3の端部を電気ケーブル5に接続することで、制御ボックス6を介して外部電源に電気的に接続すればよい。
図3及び図4に示す発光型標示塗膜(発光型標示体)Aは、コンクリート製のトンネル内壁面100に固定する内装板10の表面に前述の下地層1を形成すると共に、該下地層2の上に、前述の発光層2、配線層3、表面保護層4を形成してなり、該内装板10を複数用意しこれらをトンネル内壁面100の所定箇所に貼り着けて固定することで、トンネル内壁面100に自己発光型の視線誘導ラインaを形成するものである。
内装板10は、鉄,ステンレス,アルミニウム等の金属板の表面を焼付け塗装やホーロー仕上げを施した厚さ0.5〜1mmのものや、厚さ2〜4mm程度のスレート板、厚さ8〜10mm程度のGRC板などを用いることができる。
またこの例では、幅600〜1200mm程度、高さ1200〜2500mm程度の大きさの内装板10を複数枚連設状に用いており、各内装板10は、アンカーボルトやその他の適宜固着手段を用いて、トンネル内壁面100の所定箇所に固定される。
また、トンネル内壁面100と各内装板10の間には支持金具11を設置して、トンネル内壁面100と各内装板10の間に、適宜寸法(例えば30〜100mm程度)の隙間Sを確保し、トンネル内壁面100からの水漏れが発光型標示塗膜Aに影響しないよう構成されている。
それ以外の構成要素、作用効果などは図1及び図2に示す前述の実施形態と同様のため、重複する説明及び図示は省略する。
尚、前述の実施形態ではトンネル内壁面100に直接、発光型標示塗膜Aを形成することができるという利点があるが、各塗膜層1,2,3,4を積層状に塗布する際のたれ防止や養生、乾燥のために、トンネル内を所定の環境(温度、湿度など)に調整する必要がある。また、トンネル内壁面100からの水漏れ対策を別途施す必要がある。
これに対し、図3に示すように内装板10を用いる場合は、所定の環境(温度、湿度など)に調整された工場内で略水平状に支持された内装板10の表面に各塗膜層1,2,3,4を積層状に塗布して発光型標示塗膜Aを作製し、施工現場においては、この内装板10をトンネル内壁面100に固定するだけで良く、トンネル内壁面100からの水漏れ対策を別途施す必要もないので、作業が簡単で工期も短く、低コストで実施可能である等の利点がある。
以上、本発明に係る発光型表示塗膜の実施形態の一例を図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば視線誘導ラインaを分割せずに単一の発光層2で形成すると共に、配線層3、電気ケーブル5もその発光層2に常時若しくは適時に電力を供給して発光させることができるよう単一の配線形状としたり、その他、特許請求範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において、各種の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明に係る発光型表示塗膜をトンネル内壁面上に直接形成し、トンネル内の視線誘導ラインを構成した場合のトンネル内壁の正面図。 図1の縦断面図。 本発明に係る発光型表示塗膜を内装板上に形成し、該内装板をトンネル内壁面の所定箇所に固定して、トンネル内の視線誘導ラインを構成した場合のトンネル内壁の正面図。 図2の縦断面図。 従来のトンネル内壁の視線誘導ラインを示す斜視図。
符号の説明
A:発光型標示塗膜(発光型標示体)
a:視線誘導ライン
1:下地層
2:発光層
3:配線層
4:表面保護層
5:電気ケーブル
6:制御ボックス(外部電源,制御手段)
10:内装板
100:トンネル内壁面(コンクリート製構造物の壁面)

Claims (10)

  1. コンクリート製構造物の壁面に、絶縁性塗料からなる非導電性の下地層を形成すると共に、該下地層上に、発光性塗料からなる発光層と、該発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層を形成し、且つ前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を透明な絶縁性塗料からなる表面保護層で被覆してなる発光型標示塗膜。
  2. コンクリート製構造物の壁面上に固定する内装板の表面に、絶縁性塗料からなる非導電性の下地層を形成すると共に、該下地層上に、発光性塗料からなる発光層と、該発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層を形成し、且つ前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を透明な絶縁性塗料からなる表面保護層で被覆してなる発光型標示塗膜。
  3. 前記コンクリート製構造物の壁面がトンネルの内壁面であり、前記発光層が、車両運転者の視線の高さに位置し、且つトンネル内を走行する車両の走行方向に沿う帯状に形成されて視線誘導ラインを構成することを特徴とする請求項1又は2記載の発光型標示塗膜。
  4. 前記配線層を介して外部電源からの電力を前記発光層に適時に供給して、前記視線誘導ラインが常時発光又は点滅するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の発光型標示塗膜。
  5. 前記発光層が視線誘導ラインの長さ方向に沿って複数に分割されると共に、前記配線層が各発光層ごとに電気的に接続される配線パターンに形成され、各発光層に適時に電力を供給して、各発光層が、トンネル内の車両走行状況に合わせて順次発光するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の発光型標示塗膜。
  6. 請求項3〜5の何れか1項記載の発光型標示塗膜と、前記発光層の断線を検出する検出手段と、該検出手段からの断線検出信号に基づき、前記発光層の断線をトンネル内事故発生として報知する報知手段を備えたことを特徴とするトンネル内事故報知システム。
  7. コンクリート製構造物の壁面を洗浄処理し、該壁面に絶縁性塗料を塗布して非導電性の下地層を形成した後、該下地層上に、発光性塗料を塗布してなる適宜形状の発光層と、導電性塗料からなり前記発光層に電気的に接続する適宜パターンの配線層を形成し、次いで、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層を、絶縁性塗料からなる表面保護層でコーティングし、さらに、前記配線層の端部を外部電源に電気的に接続すること特徴とする請求項1記載の発光型標示塗膜の形成方法。
  8. トンネル内壁面上に形成される絶縁性塗料からなる非導電性の下地層と、該下地層上に形成される発光性塗料からなる発光層と、前記下地層上に形成され前記発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層と、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層上に形成される透明な絶縁性塗料からなる表面保護層からなる発光型標示体。
  9. トンネル内壁面上に固定する内装板と、該内装板の表面に形成された絶縁性塗料からなる非導電性の下地層と、該下地層上に形成される発光性塗料からなる発光層と、前記下地層上に形成され前記発光層に電気的に接続する導電性塗料からなる配線層と、前記発光層と配線層を覆うよう前記下地層上に形成される透明な絶縁性塗料からなる表面保護層からなる発光型標示体。
  10. トンネル内壁面上に固定される内装板の表面に、絶縁性塗料を塗布して非導電性の下地層を形成した後、該下地層上に、発光性塗料を塗布してなる適宜形状の発光層と、導電性塗料からなり前記発光層に電気的に接続する適宜パターンの配線層を形成し、次いで、前記発光層と配線層が覆われるよう前記下地層の表面を、絶縁性塗料からなる表面保護層でコーティングし、さらに、前記配線層の端部を外部電源に電気的に接続すること特徴とする請求項9記載の発光型標示体の形成方法。
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