JP2005052700A - 窯業製品の加飾用ローラーブラシ - Google Patents

窯業製品の加飾用ローラーブラシ Download PDF

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芳充 蘇
Koji Shimizu
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Abstract

【課題】焼成前のレンガやタイル等のブロック表面に、釉薬や化粧土スラリー等を一度塗りで均一に厚く塗布でき、特に、高粘性の釉薬や化粧土等の加飾用スラリーをローラー掛けで塗布する際に、一度塗りで均一に厚く塗布でき、しかも、筋状の斑紋が生じても製品とした場合に外観に悪影響がない、良好な製品を簡便に得ることを可能とする窯業製品の加飾用ローラーブラシの提供。
【解決手段】焼成前の成形ブロック表面に、釉薬や化粧土スラリーを塗布する際に使用される窯業製品の加飾用ローラーブラシであって、ロール状の吸液性を有する多孔質層の周りに、難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成された規則性のある目開きの網目を有するネットが被せられて最表面が形成されているローラーブラシ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、陶磁器質のブロック表面を加飾する目的で、焼成前に釉薬や化粧土等の加飾スラリーを塗布する際に用いる、一度の塗布で均一に厚塗りすることのできるローラーブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、表面が加飾されたレンガやタイルは、一般的に、陶磁器質のブロック表面に釉薬や化粧土等の加飾スラリーを塗布ローラー掛けし、その後に焼成することによって加飾面を得ている。戸外で使用されるレンガやタイルを形成する場合には、装飾性を向上させると同時に、特に、加飾面の耐候性や耐磨耗性をより向上させるために、上記のようにして形成した表面の加飾層の厚みをできるだけ厚くすることが望まれる。ここで、レンガやタイルに使用される、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液を塗布ローラー掛けするための塗布ローラーブラシには、従来より、ローラー状の芯材の周囲に、塗工液を充分に保持できる材料である、スポンジ材質の物や、細かい長繊維を絡めた材質の物等(以下、これらをスポンジローラー等という)、を設けたものが広く利用されている。
【0003】
しかしながら、上記したような構成のスポンジローラー等は、成形後、焼成前のレンガやタイル等のブロック表面に、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液を塗布ローラー掛けする際に使用した場合に、一度のローラー掛けで塗工液を厚掛けすることが難しく、経済的に、陶磁器質のブロック表面の加飾層の厚みを厚くすることができないという問題があった。即ち、上記したスポンジローラー等は、微細な連続孔が多数存在しているスポンジ等の材料から構成されており、その塗工液を保持する面には微細な連続孔が多数存在しているため、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液に対する吸液性や保持力が高く、ブロック表面に塗工液を塗布した場合に、一旦ブロック表面に付着した塗工液が、再度、スポンジ側に移って吸液することが起こり、一度で厚塗りすることは難しかった。このため、厚塗りする場合には、塗布された塗工液が乾いた後の面に、再び塗工液を塗布することを繰り返して、何回か塗工液の重ね塗りをする必要があった。これに対し、ブロック等の表面に一度塗りで塗工液を厚く掛ける目的で、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液の粘性を高くし、より多くの塗工液がレンガやタイル等のブロックに塗布されるようにする方法が考えられる。しかしながら、この場合に従来のスポンジローラー等を用いると、ローラーの回転方向に筋状の斑紋ができてしまい、焼成した後の窯業製品の外観に悪影響を与えるという問題があった。
【0004】
塗装用ローラーブラシの表面状態に関する改良としては、上記の場合と目的は異なるが、タイルやレンガの目地等の深い凹凸を有する建材に対し、深い凹面部を除いて均一な塗装厚に塗装することができる塗装用ローラーブラシについての提案がある(例えば、引用文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−9351公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した従来技術の課題を解決し、成形後、焼成前のレンガやタイル等のブロック表面に、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液を一度塗りで均一に厚く塗布することができる、良好な窯業製品を与える加飾用ローラーブラシを提供することにある。更に、本発明の目的は、高粘性の釉薬や化粧土等の加飾用スラリーを塗布ローラー掛けする場合において、一度塗りで均一に厚く塗布でき、しかも、筋状の斑紋が生じた場合にも製品とした場合に外観に悪影響がなく、製品によっては加飾面に実用価値を高める他の機能を付与することもできる、良好な製品を簡便に得ることが可能になる窯業製品の加飾用ローラーブラシを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、[1]焼成前の成形ブロック表面に、釉薬や化粧土スラリーを塗布する際に使用される窯業製品の加飾用ローラーブラシであって、ロール状の吸液性を有する多孔質層の周りに、難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成された規則性のある目開きの網目を有するネットが被せられて最表面が形成されていることを特徴とするローラーブラシである。上記の好ましい形態としては、上記ネットが、合成樹脂製の1本の細線、或いは合成樹脂製の極細線が複数本集まってなる細線で形成されており、該細線の径が0.1〜2mmであり、且つ、該細線によって形成された規則性のある目開きの網目が、一辺が1〜8mmの範囲内にある四角形、ひし形及び多角形から選ばれる形状である上記[1]に記載のローラーブラシが挙げられる。
【0008】
【発明の効果】
上記構成を有する本発明にかかるローラーブラシを使って、塗工液として、加飾面形成用の、例えば、粘性のある釉薬や化粧土スラリー等からなる塗工液を、レンガやタイル等のブロック成形体等の被着物(以下、被着物という)表面に塗布ローラー掛けすることによって、下記の優れた効果が得られる。
(1)本発明にかかるローラーブラシは、従来知られているものと比べて、一度のローラー塗りで被着物へ塗布される塗工液の付着量が多く、被着物へ厚く塗布できるので、製造工程を簡略化でき経済的であると同時に、得られる製品の耐久性を向上させることができる。
(2)本発明にかかるローラーブラシは、被着物への付着量を多くする目的で粘性の高い塗工液を使った場合においても、筋状の斑紋や塗りむらの発生が少なく、塗工膜が筋状の斑紋を生じたものであっても、製品の外観に悪影響のない、均質な加飾面の形成を可能とする。
(3)本発明にかかるローラーブラシは、ローラーブラシ表面に使用するネットの厚みや、重ねるネットの枚数を調整することによって被着物への塗布量を自在にコントロールできるため、所望の製品を簡便に得ることができる。
(4)本発明にかかるローラーブラシを用いた場合には、焼成後の製品の表面に、ローラーブラシ表面にネットを配置したことに起因して細かい凹凸が形成されるが、例えば、歩道用ブロック等の製品とした場合には、表面が滑りにくい製品が得られ、好適であるといった効果もある。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明にかかるローラーブラシは、図1に示したように、芯材10の周囲に、吸液性を有する多孔質層20が設けられており、更に、該多孔質層20の周りに、難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成された規則性のある目開きの網目を有するネット30が被せられて、ローラーブラシの最表面が形成されている。以下、本発明にかかるローラーブラシの各構成材料について説明する。
【0010】
上記のような構成のローラーブラシの芯材10としては、アルミニウムやステンレス等の金属や、ある程度の機械的強度を有する、各種の合成樹脂等からなる円筒状のものを使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル製等の円筒管等を使用することができる。このような材料からなる芯材の長さや直径は、適用する塗布装置や器具に合わせればよいが、例えば、直径が100〜150mmであって、長さが200〜300mmであるもの等が使用できる。
【0011】
また、上記したような芯材の上に設けられる吸液性を有する多孔質層20は、釉薬や化粧土スラリー等の塗工液に対する吸液性や保持力が高いものであれば、いずれの材料からなるものも使用することができる。例えば、セルロース、ポリウレタン、ナイロン等の材料からなるスポンジ材や、細かい長繊維を円筒状に絡めて成形加工した材料等で形成することができる。該多孔質層20の厚さも特に限定されないが、固定されたローラーブラシに被着物を通過させて塗布する時に、被着物の厚みの変動や、被着物の塗工面が凸凹面である場合にも塗りむらなく塗布できるように、10〜30mmとすることが適当である。
【0012】
本発明にかかるローラーブラシは、その最表面にネット30が配置されていることを特徴とするが、該ネットは、難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成されたものであれば、いずれのものも使用することができる。本発明者らは、種々の形状及び材料からなるネットについて検討した結果、本発明で使用するネット30としては、例えば、難吸液性で、伸縮性に劣る材料である、例えば、ナイロン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン等の合成樹脂製のネットであって、且つ、規則性のある目開きの網目を有するネットを使用した場合に、複数回重ね塗りすることなく、一度のローラー塗りで、被着物への塗工液を厚く塗布することができ、更に、付着量を多くするために粘性の高い塗工液を使った場合においても、筋状の斑紋や塗りむらが少なく、均質で、良好な塗布状態を達成できることを見いだして本発明に至った。
【0013】
本発明者らの検討によれば、ネットが、合成樹脂製の1本の細線、或いは、合成樹脂製の極細線が複数本集まってなる細線で、規則性のある目開きの網目を形成しており、該細線の径が0.1〜2mmであるもの、より好ましくは0.1〜1mmのもの、更に好ましくは、0.1〜0.5mm程度のものを用いる。また、該細線によって形成された規則性のある目開きの網目としては、一辺が1〜8mm、より好ましくは、2〜6mmの範囲にある四角形、ひし形及び多角形から選ばれる形状を有するものを使用した場合に良好な結果が得られた。更に、上記した網目は、均一な大きさの目開きの網目が規則性を持って並んだものであってもよいが、上記した範囲の大きさの目開きの網目が混在した状態で、規則性を持って並んだものであってもよい。
【0014】
本発明者らの更なる検討によれば、上記に挙げたような合成樹脂製の、径が0.1〜2mm、特に好ましくは0.1〜0.5mm程度の太さの1本の細線を互いに絡めてなる、例えば、図4(A)に示したような形状に編んでなる規則性のある目開きを有するネットを使用した場合に、特に良好な結果が得られることがわかった。図4(A)に示した例では、約1.5×3mm角の大きな目開きと、約1.5×1mm角の小さな目開きが規則正しく並んでネットを構成している。
【0015】
また、上記に挙げたような合成樹脂製の、例えば、0.01〜0.03mm程度の極細線が複数本集まってなる、径が0.1〜2mm、特に好ましくは0.1〜0.5mm程度の太さの細線で形成され、該細線を互いに絡めてなる、例えば、図4(B)や(C)に示したような形状に編んでなる規則性のある目開きを有するネットを使用した場合も良好な結果が得られることがわかった。図4(B)に示した例では、一辺が1〜3mmの六角形の目開きが規則正しく並んでネットを構成しており、図4(C)に示した例では、2〜3mm角の目開きが規則正しく並んでネットを構成している。上記において、極細線が複数本集まってなる細線の構造としては、例えば、極細線を数本(例えば、3〜5本)程度集めてなるものであってもよいし、或いは、多数本(例えば、10〜20本)集まってなるものであってもよい。本発明者らの検討によれば、極細線が複数本集まってなる細線を用いたネットを使用した場合には、各極細線同士の間に塗工液が入り込むためか、塗工膜に不均一な模様が形成される場合があり、均一な加飾面を得るという観点からは、図4(A)に、部分拡大図として示したような、1本の細線を用いて網目を形成したネットか、若しくは(B)或いは(C)の形状であっても、1本の細線を用いて形成したネットを使用することがより好ましいことがわかった。
【0016】
ネットを構成する細線の径は細すぎると強度が充分でなく使用時に切れてしまう場合があり、一方、太すぎると、ネットの網目模様が塗布面に残ってしまうので、前記したように、細線の径が0.1〜2mmのもの、好ましくは、0.1〜1mmのもの、更に好ましくは、0.1〜0.5mm程度のものを用いる。
【0017】
また、本発明において使用するネットの網目の目開きの形状は、先に述べたように、四角形、ひし形及び多角形から選ばれる形状とすることが好ましく、更に、このような形状の目開きが規則性をもって並んでいる、規則性のある網目が形成されたネットを使用する。より好ましいものは、上記したような形状からなる網目の目開きの大きさが、一辺が1〜8mm、特に、2〜6mmの範囲にある目開きの網目を有するネットである。更に、ネットの網目の目開きは、上記したような形状のものが規則性をもって整然と並んだものであっても、上記した形状のものが組み合わされて混在した状態で規則性をもって並んだものでもよく、特に限定されるものではない。勿論、本発明のために新たに作製したネットであってもよいが、上記した条件を満足するネットであれば、従来より公知の、市販されている各種のネットを利用することもできる。このようなものとしては、例えば、先に説明した図4(A)のような構造を有する玉葱を収納するための袋用のネット材料や、先に説明した図4(B)のような構造を有する洗濯機で洗濯する際に使用する洗濯物を収容するための洗濯用ネットや、先に説明した図4(C)のような構造を有する防風ネットを用いることができる。
【0018】
本発明者らの検討によれば、上記したような構成を有する本発明にかかるローラーブラシを、焼成前の成形ブロック表面に、釉薬や化粧土スラリーを塗布する際に使用される窯業製品の加飾用ローラーブラシとして使用すれば、図3に示したように、先ず、ネットの網目を構成している細線31で囲まれた部分(目開きの部分)に、化粧土スラリー等の塗工液を表面張力で保持させることができるため、単にスポンジローラーブラシにスラリーを付着させた時よりも、ブラシ表面に付着して保持される塗工液の量を増やすことができる。
【0019】
そして、このような塗工液が多く保持されている状態のローラーブラシを用いると、レンガやタイル等のブロック成形体等の被着物表面に接触した時に、ローラーブラシに保持されている多量の塗工液(スラリー)が、被着物の方にそのまま移動するので、被着物表面への塗布量を増やすことができる。また、この時に、ブラシから被着物表面へと移動するスラリー量が多いので、芯材の上にネットを設けただけのものではローラーの押し出しにより余分なスラリーが被着物の側面に流れてしまう。しかし、本発明にかかるローラーブラシは、ネット30の下に多孔質層20が配置されており、該多孔質層20であるスポンジ等が余分なスラリーを再吸収するため、ダレの発生を有効に防止することができる。
【0020】
ネットの目開きは、塗工液の性状にもよるが、本発明者らの検討によれば、この目開きが大きすぎると、該目開きに塗工液を表面張力で保持することが難しくなり、最表面にネットを設けたことによる効果が充分でなくなる場合がある。一方、ネットの目開きが小さすぎると、保持されている塗工液を被着物に塗工した際の塗工液の解離性が悪くなり、目的とした塗布量が得られない場合がある。従って、例えば、粘度3〜10Pa・sの塗工液を用いる場合には、目開きの一辺が1〜8mm、より好ましくは、目開きの一辺が2〜6mmの範囲にあるネットを装着するのが適当である。
【0021】
本発明で使用するネットの材質は、ネットの網目を構成している目開きに表面張力によって多くの塗工液が保持できるように、難吸液性で且つ難伸縮性の材料からなる物を使用する。これに対して、ゴムのような、それ自体が収縮性を有する材料で形成したネットを使用した場合には、スポンジローラーに装着させた場合にどうしてもネットに張力がかかった状態になり易く、ネットの網目からスポンジが押し出された状態となる。即ち、ゴム製等のそれ自体が収縮性を有する材料からなるネットを最表面に配置したローラーブラシを用いると、塗工の際に、この網目から押し出されたスポンジの影響がそのままでてしまい、先に述べた、ネットを配置させない状態のスポンジローラーを使用した場合に生じる不具合が生じて、最表面にネットを設けたことによる効果が得られなくなるので好ましくない。
【0022】
これに対し、本発明者らの検討によれば、前記に挙げたような材質の細線で編んだネットを、若干緩みのある程度の状態でスポンジローラーの表面に装着してローラーブラシとすれば、特に好ましい効果が得られることがわかった。スポンジローラーの表面にネットを装着する際の固定方法には、ネットの端を糸等で結ぶか、ピンで留める等の簡易な方法を用いることができる。また、スポンジローラーの周囲に設けるネットは、一重でもよいし、数枚のネットを重ねて巻いた状態としてもよい。重ねるネットの種類や数を適宜に調整すれば、被着物への塗工液の塗布量とスポンジへ再吸収される量を調整できるので、塗工液の特性や被着物の状況によって、これらを適宜に変えればよい。
【0023】
従来では、一度の塗布で、被着物への付着量をできるだけ多くしようとして、従来のスポンジローラー表面に、粘性の高い塗工液を無理に付けて厚掛けした場合には、被着物表面のローラー回転方向に平行な筋状の斑紋が生じるといった塗りむらを生じやすかった。これに対し、本発明にかかるローラーブラシでは、先に説明したように難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成された規則性のある目開きの網目を有するネットを、スポンジローラーの最表面に装着した構成としているため、ローラーで塗工した際に生じる筋が切れて塗布した面が均一になり、従来のように筋状の斑紋が生じることがなく、焼成後の製品の表面状態もよくなる。
【0024】
また、本発明にかかるローラーブラシを使って表面を加飾した焼成ブロックは、加飾層が厚いので、意匠性に優れると同時に耐候性に優れ、歩道用ブロックに使用した場合でも、十分な耐久性が得られる。また、本発明にかかるローラーブラシを使って表面を加飾した焼成ブロックは、簡易な方法であるローラー掛けによる一回塗りだけで、目的とする厚みの厚い塗布ができるので経済的であり、安価な製品の提供が可能となる。
【0025】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
ローラーブラシを構成する芯材には、長さ260mm、外径φ110mm、内径φ25mmの、ポリ塩化ビニル製の円筒管を用いた。そして、該円筒管の周りに、厚さ20mmの、ポリウレタン製の円筒状スポンジを装着して得られるスポンジローラーとし、該スポンジローラーの周囲に、ポリエチレン製の糸径0.2mmの材料で編んだ目開きが、一辺が約4mmの四角形であり、これらの目開きが規則正しく並んだ網目を有するネットを装着し、本実施例のローラーブラシとした。この際に、ネットを一重、二重、三重に重ねた3種類の場合で比較を行った。
【0026】
(比較例1)
最表面にネットを装着しない状態の、実施例1で使用したスポンジローラーを、比較例1のローラーブラシとした。
【0027】
(使用例1)
ローラー塗布装置に、実施例1の3種類のローラーブラシ、及び比較例1のローラーブラシをそれぞれ装着し、評価した。評価は、ローラーブラシを変えた各ローラー塗布装置に、陶磁器質原料を加圧成形した230×115×70mmのブロック成形体をそれぞれセットし、下記のようにしてブロック表面に化粧土スラリーを塗布し、その後、ブロックを焼成し、製品を得ることによって行った。化粧土スラリーの塗布は、先ず、装置に装着したローラーブラシを回転させながら、ローラーブラシに、粘度が3Pa・sである上記ブロック用の化粧土スラリーを充分に付着させ、該ローラーブラシで、装置にセットしたブロックの230×115mm面に、化粧土スラリーを一度掛けで塗布した。
【0028】
[評価]
上記において、ブロックへの化粧土スラリーの付着量を、重量の増加量から求めた。また、ブロックへ塗布された化粧土スラリーの厚さは、ダイヤルゲージにて測定した。ブロック焼成後に得られた製品の外観については、加飾面の状態を目視によって観察し、塗りむらの有無によって下記の基準で評価した。得られた結果を表1に示した。
【0029】
[外観についての評価基準]
○:塗りむらが全く見られない。
△:塗りむらがあるが実用上、問題のない程度である。
×:塗りむらがあり、製品の品質に影響する。
【0030】
Figure 2005052700
【0031】
(使用例2)
化粧土スラリーに粘度6Pa・sのものを用いた以外は、実施例1と全く同様の方法で、加飾面を有する製品を得た。
【0032】
[評価]
使用例1と同様の方法で評価し、表2に得られた評価結果を示した。
Figure 2005052700

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラーブラシを示す概略斜視図である。
【図2】本発明のローラーブラシの構造を示す断面図である。
【図3】本発明の特徴である最表面に設けたネットの作用を示す模式図である。
【図4】本発明で使用する好適なネットの一例を示す図である。
【符号の説明】
10:芯材
20:多孔質層
30:ネット
31:細線
40:スラリー付着層
45:スラリー浸透層

Claims (2)

  1. 焼成前の成形ブロック表面に、釉薬や化粧土スラリーを塗布する際に使用される窯業製品の加飾用ローラーブラシであって、ロール状の吸液性を有する多孔質層の周りに、難吸液性で且つ難伸縮性の材料で形成された規則性のある目開きの網目を有するネットが被せられて最表面が形成されていることを特徴とするローラーブラシ。
  2. 前記ネットが、合成樹脂製の1本の細線、或いは合成樹脂製の極細線が複数本集まってなる細線で形成されており、該細線の径が0.1〜2mmであり、且つ、該細線によって形成された規則性のある目開きの網目が、一辺が1〜8mmの範囲内にある四角形、ひし形及び多角形から選ばれる形状である請求項1に記載のローラーブラシ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6185124B1 (ja) * 2016-08-23 2017-08-23 株式会社Kmユナイテッド 塗装用ローラー、及びこれを用いた塗装器具、並びに塗装器具を用いた塗装面の形成方法

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