JP2005051954A - Srモータの駆動装置とその方法 - Google Patents

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文昭 齋藤
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Abstract

【課題】回転子の位置を検出する位置検出センサを用いないセンサレス制御が可能なSRモータの駆動装置を提供する。
【解決手段】ファジー推論回路30は、有効励磁相選択回路24からの選択相信号、相電流値と、磁束鎖交数演算回路28からの磁束鎖交数に基づいて、回転子14の回転位置をファジー推論するものであり、そのファジー推論は、相電流のメンバーシップ関数のファジー集合情報と、磁束鎖交数のメンバーシップ関数のファジー集合情報と、相電流と磁束鎖交数から回転子の位置を推定するファジールールに関する情報を記憶し、入力した相電流値と記憶している相電流ファジー集合情報とからグレードを求め、入力した磁束鎖交数と記憶している磁束鎖交数ファジー集合情報とからグレードを求め、これら求めた相電流と磁束鎖交数に関するグレードとファジールール情報とから、選択相信号で表されている有効励磁相における回転子の位置をファジー推論する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、SRモータ(スイッチドリラクタンスモータ)の駆動装置とその方法に関するものである。
従来より、SRモータの駆動装置としては、直流電流を三相電流に変換しモータに供給するインバータ回路と、モータの回転子の位置角度を検出する位置検出センサと、位置検出センサから出力される回転子の位置信号に基づきインバータ回路にPWM信号を出力する通電信号出力回路を備えたものが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開平9−65685号公報 特開2001−292592公報
上記の位置検出センサとしては、エンコーダや磁気センサなどの光学式または磁気式の位置検出センサが用いられている。
ところが、この位置検出センサを取り付けるとSRモータのシステムが大型化し、振動等による信頼性の低下や高価格化などの問題点が生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、回転子の位置を検出する位置検出センサを用いないセンサレス制御が可能なSRモータの駆動装置を提供する。
請求項1に係る発明は、直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動装置において、前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択手段と、前記通電信号出力回路から出力されるPWM信号のデューティーを表すデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算手段と、前記相電圧演算手段からの相電圧値と、前記有効励磁相選択手段からの選択相信号と相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算手段と、前記有効励磁相選択手段からの選択相信号、相電流値と、磁束鎖交数演算手段からの磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論手段と、を有することを特徴とするSRモータの駆動装置である。
請求項2に係る発明は、前記ファジー推論手段は、相電流のメンバーシップ関数から構成されるファジー集合に関する相電流ファジー集合情報と、磁束鎖交数のメンバーシップ関数から構成されるファジー集合に関する磁束鎖交数ファジー集合情報と、相電流と磁束鎖交数から前記回転子の位置を推定するファジールールに関するファジールール情報を記憶する記憶手段を有し、前記入力した相電流値と前記記憶手段に記憶している相電流ファジー集合情報とから相電流に関するグレードを求め、前記入力した磁束鎖交数と前記記憶手段に記憶している磁束鎖交数ファジー集合情報とから磁束鎖交数に関するグレードを求め、これら求めた相電流に関するグレードと磁束鎖交数に関するグレードとファジールール情報とから、前記選択相信号で表されている有効励磁相における前記回転子の回転位置をファジー推論することを特徴とする請求項1記載のSRモータの駆動装置である。
請求項3に係る発明は、前記回転子が始動位置で停止しているSRモータの始動時において、前記ファジー推論手段は、三相の中の第1の相の固定子巻線へ前記インバータ回路から試験的相電流を流し、前記第1の相に関する前記位置信号をファジー推論し、続いて三相の中の第1の相とは異なる第2の相の固定子巻線へ前記インバータ回路から試験的相電流を流し、前記第2の相に関する前記位置信号をファジー推論し、前記第1の相における位置信号と、前記第2の相における位置信号に基づいて前記回転子の始動位置を推定することを特徴とする請求項1記載のSRモータの駆動装置である。
請求項4に係る発明は、直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動方法において、前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択ステップと、前記通電信号出力回路から出力されるPWM信号のデューティーを表すデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算ステップと、前記相電圧値と、前記選択相信号と前記相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算ステップと、前記選択相信号、前記相電流値と、前記磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論ステップと、を有することを特徴とするSRモータの駆動方法である。
請求項5に係る発明は、直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動装置における駆動方法をコンピュータによって実現するプログラムであって、前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択機能と、前記通電信号出力回路から出力されるPWM信号のデューティーを表すデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算機能と、前記相電圧値と、前記選択相信号と前記相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算機能と、前記選択相信号、前記相電流値と、前記磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論機能と、を実現することを特徴とするSRモータの駆動方法のプログラムである。
請求項1に係る発明のSRモータの駆動装置においては、回転子の位置を検出する場合に、位置検出センサを用いずに、ファジー推論手段が、有効励磁相選択手段からの選択相信号、相電流値と、磁束鎖交数演算手段からの磁束鎖交数に基づいて、ファジー推論して、その推論した回転子の位置信号を通電信号出力回路と有効励磁相選択手段へ出力する。
請求項2に係る発明のSRモータの駆動装置においては、ファジー推論手段が位置信号を推論する場合に、入力した相電流値と記憶している相電流ファジー集合情報とから相電流に関するグレードを求め、入力した磁束鎖交数と記憶している磁束鎖交数ファジー集合とから磁束鎖交数に関するグレードを求め、これら求めた相電流に関するグレードと磁束鎖交数に関するグレードとファジールール情報に基づいて、選択相信号が示す選択相における回転子の位置をファジー推論する。
請求項3に係る発明のSRモータの駆動装置においては、回転子が始動位置で停止しているSRモータの始動時において、ファジー推論手段は、第1の相の固定子巻線へインバータ回路から試験的相電流を流し、第1の相に関する位置信号をファジー推論し、続いて、第2の相の固定子巻線へインバータ回路から試験的相電流を流し、第2の相に関する位置信号をファジー推論し、これら第1の相における位置信号と第2の相における位置信号に基づいて回転子の始動位置を推定する。
以上により本発明のSRモータの駆動装置であると、回転子が回転中であっても、また、始動時で停止中であっても、位置検出センサを用いることなく、回転子の位置を検出することができるためSRモータのセンサレス駆動が可能となる。
本発明の一実施形態のSRモータ(スイッチドリラクタンスモータ)10の駆動装置12について図に基づいて説明する。
(1)SRモータ10の原理
まず、本実施形態の特徴的な内容を説明する前に、SRモータ10の基本的な原理について、図7、8に基づいて説明する。
(1−1)SRモータ10の構造
図7に示すように、本実施形態のSRモータ10は、リング状の固定子12と、その内周側で回転する回転子14とよりなる。固定子12は、リング状のコアから突出する6つの固定子突極を有し、回転子14は、外側に向かって突出した4つの回転子突極a,b,c,dを有するいわゆる三相式の6極ステータ×4極ロータ(6/4構成)である。
固定子12の相対向する固定子突極にはU相の固定子巻線16U、16U’がそれぞれ巻回され、次の相対向する固定子突極にはV相の固定子巻線16V、16V’がそれぞれ巻回され、次の固定子突極にはW相の固定子巻線16W、16W’がそれぞれ巻回されている。
(1−1)SRモータ10の回転原理
図7に基づいて、SRモータ10の回転原理を説明する。
U相の固定子巻線16U,16U′に通電すると磁力が発生し、回転子14の回転子突極aはU相に吸引され、回転子突極cはU′相に吸引されて時計方向にトルクが発生する(図7の状態1参照)。
回転子14の回転子突極aと固定子12のU相の固定子突極が完全に重なる位置になると(図7の状態2参照、これを固定子突極完全対向状態という)、磁気回路の磁気抵抗であるリラクタンスが最小になり、径方向の吸引力(ラジアル力)のみとなる。
ここで、V相の固定子突極とV′相の固定子突極の固定子巻線16V,16V′へ通電を切り換えると回転子14の回転子突極dはV相の固定子突極に吸引されて時計方向に回転する。
さらに、回転子14の回転子突極dと固定子12のV相の固定子突極が重なった時(図7の状態3参照)、固定子12の固定子突極V相とW相の固定子巻線16W,16W′へ通電を切り換えると回転子14の回転子突極aは固定子12のW相の固定子突極に吸引されて時計方向に回転して行く。
このように、SRモータ10は、回転子14の回転子突極が近付いてきた固定子12の固定子突極の固定子巻線16に通電を順次切り換えて行くことにより回転する。
(1−3)回転子14の角度の定義
ここで、回転子14の位置を示す角度について図8に基づいて説明する。図8は、例示としてU相における状態を示したものである。
図8(a)は、固定子12の固定子突極と回転子14の回転子突極が45°ずれた状態の固定子突極完全非対向時におけるものであり、この場合をθ=45°とする。
図8(b)は、上記で説明した状態2における固定子12の固定子突極と回転子14の回転子突極が完全に重なった状態であり、固定子突極完全対向時を示すものであり、この場合をθ=90°と定義する。
これにより、どの相の固定子巻線16に相電流が流れているかの情報(すなわち、選択相)と、回転子の角度を得ることができれば、回転子の位置を検出することができる。なお以下の説明では、固定子巻線16に流されて、回転子14の回転子突極を吸引している相を「有効励磁相」という。
(2)SRモータ10の駆動装置12
次に、本実施形態のSRモータ10の駆動装置12について、図1のブロック図に基づいて説明する。
駆動装置12は、図1に示すように、インバータ回路18、通電信号出力回路20、直流電源22、有効励磁相選択回路24、相電圧演算回路26、磁束鎖交数演算回路28、ファジー推論回路30とから構成されている。なお、有効励磁相選択回路24、相電圧演算回路26、磁束鎖交数演算回路28、ファジー推論回路30の各機能は、コンピュータ(例えば、マイコン)に記憶されたプログラムによって実現できる。
(2−1)インバータ回路18
SRモータ10への通電を実現するためのインバータ回路18の構成を図9の電気回路に示している。
このインバータ回路18は、6個のスイッチングトランジスタQ1〜Q6と、6個のダイオードD1〜D6によって構成され、通電信号出力回路20からのPWM信号が各スイッチングトランジスタQ1〜Q6のベース端子に入力してON/OFFされ、U相、V相、W相の固定子巻線16U,16V,16Wへ相電流I,I,Iを流す。
インバータ回路18へ直流電圧VDCを供給するために直流電源22が設けられている。この直流電源22としては、電池、充電池以外に、交流電源を平滑して整流して得られた直流電圧VDCを供給してもよい。
(2−2)通電信号出力回路20
通電信号出力回路20は、インバータ回路18の各スイッチングトランジスタQ1〜Q6のベース端子に通電出力信号であるPWM信号を供給する。
通電信号出力回路20は、ファジー推論回路30により推論された回転子14の位置に基づいて生成して、その生成したPWM信号を出力する。この通電信号出力回路20におけるPWM制御の方法は、従来技術で説明した特許文献1や特許文献2に開示されている。また、その生成したPWM信号のデューティーを表すデューティー信号dを相電圧演算回路26へ出力する。
(2−3)有効励磁相選択回路24
有効励磁相選択回路24は、まず、インバータ回路18からSRモータ10に供給される相電流I,I,Iを検出する。また、ファジー推論回路30から有効励磁相に関する情報が入力する。
そして、有効励磁相選択回路24は、入力している有効励磁相を示す選択相(例えば、U相)と、その相電流(例えば、I)を出力する。
(2−4)相電圧演算回路26
相電圧演算回路26は、直流電源22から直流電圧VDCが供給されると共に、通電信号出力回路20からPWM信号のデューティーを表すデューティー信号dが供給される。そして、この直流電源VDCとデューティー信号dから相電圧Vを演算する。
ここで、相電圧V,V,Vについて図9に基づいて説明する。
図9に示すように、U相の相電圧VはダイオードD2間の電圧を示し、V相の相電圧VはダイオードD4の間の電圧を示し、W相の相電圧VはダイオードD6間の電圧を示している。
この相電圧Vを求めるためには、(1)式のようになる。

V=VDC×d−VTR(i)−V(i) ・・・(1)

ここで、dはデューティーを示し、VTRはスイッチングトランジスタによる電圧降下分であってインバータ回路18に流れる電流iに依存し、Vはダイオードによる電圧降下分であって電流iに依存する。
しかしながら、VTR(i)とV(i)は十分に小さいため、相電圧Vは、

V=VDC×d ・・・(2)式

と表現することができる。つまり、この相電圧Vは一相の固定子巻線16に実際に印加される電圧の平均値となっている。
そして、相電圧演算回路26は、上記で説明したように直流電源22からのVDCと通電信号出力回路20からのデューティー信号dを掛けて、各相の相電圧Vを演算する。
(2−5)磁束鎖交数演算回路28
磁束鎖交数演算回路28は、相電圧V,V,Vと相電流I,I,Iとから磁束鎖交数を演算する。
この磁束鎖交数Ψは、ファラデーの法則により(3)式により表現される。
Figure 2005051954
但し、Vは相電圧であり、Iは相電流であり、Rは巻線抵抗を示している。
(3)式から、巻線抵抗Rが既知であり、相電圧V,V,Vと相電流I,I,Iがわかれば、磁束鎖交数Ψを計算できる。
(2−6)ファジー推論回路30
図2は相電流に対する磁束鎖交数の分布を、回転子の位置の角度毎(角度が5°毎)のステップで表した磁化特性グラフである。
この磁化特性が線型特性であれば、相電流と磁束鎖交数の情報から演算により回転子の位置を簡単に求めることができるが、図2に示すように磁化特性は非線型特性であるため、そのモデリングが極めて困難となる。
そこで、ファジー推論回路30は、磁束鎖交数Ψと相電流I,I,Iと、選択相信号に基づいて回転子14の位置をファジー推論する。
(3)ファジー推論を用いた位置推論アルゴリズム
次に、マイコンよりなるファジー推論回路30におけるファジー推論を用いて、回転中の回転子14の位置を推論するアルゴリズムについて説明する。
予め供試されたSRモータ10について、一相(例えば、U相)について相電流(例えば、I)と回転子14の位置の関係を図2に示す磁化特性グラフから測定しておく。なお、他の二相(例えば、V相、W相)についても同様であるので、説明は省略する。
図2に示される磁化特性グラフに基づいて、図3(a)に示す相電流ファジー集合、図3(b)に示す磁束鎖交数ファジー集合、図3(c)に示す回転子の位置θについて決定する。
計算の簡略化のため、相電流ファジー集合と磁束鎖交数ファジー集合の各メンバーシップ関数は線型としている。また、相電流ファジー集合についてはI0〜I15までを1(A)のステップおきに構成している。磁束鎖交数ファジー集合は磁束鎖交数Ψ0〜Ψ15までを0.01(wb)のステップおきに構成している。なお、これは、ファジー推論回路30を構成するマイコンの処理能力及びメモリ容量に応じて細かく設定してもよい。
回転子の位置θについてのファジー集合は、図2の磁化特性グラフから値を読み取り、図3(c)に示すファジールールを生成している。
そして、検出された相電流ファジー集合から相電流に関するグレードを決定し、演算された磁束鎖交数に基づいて磁束鎖交数ファジー集合から磁束鎖交数のグレードを決定し、図3(c)のファジールールに従って回転子14の位置θを推定する。
例えば、検出された相電流が2.8(A)、この時の磁束鎖交数が0.034(wb)と求まった場合について考える。
相電流については、図3(a)に示すように、相電流ファジー集合からメンバーシップ関数の対応をとるとI2=0.2、I3=0.8の適合度が求まる。
磁束鎖交数については、図3(b)に示すように、磁束鎖交数ファジー集合のメンバーシップ関数からΨ3=0.6、Ψ4=0.4の適合度が求まる。
次に、これら求まったグレードを組み合わせてMin−Max法を適用すると、I2・Ψ3の組み合わせについては、I2<Ψ3であるからI2・Ψ3=Min(I2,Ψ3)=I2=0.2となる。
同様に、計算するとI2・Ψ4=0.2となり、I3・Ψ3=0.6となり、I3・Ψ4=0.4となる。
これの値が、図3(c)に示すファジールールに対するグレードとなり、これら推論結果から重心を求めると、(4)式のようになる。
Figure 2005051954
すなわち、回転子14の位置θは65.3°と推定される。
これは、図2の磁化特性グラフと比較しても、相電流と磁束鎖交数の情報のみからファジー推論によって回転子14の位置θが良好に推定されていることが分かる。
図3(c)の網かけ部は磁化特性上あり得ない領域であり、位置推定には必要ないが、最小値45°または最大値90°で埋めている。
なお、この回転子14の位置θは、U相における角度である。すなわち、回転子14の位置情報としては、選択相(例えば、U相)とこのθの情報とで一つの内容を表している。しかしながら、これを回転子14の機械的な回転角度0°〜360°に変換してもよく、また、電気角に変換してもよい。
以上のように、回転子の回転中においてはファジー推論を行うため、ファジー推論回路30は、図3(a)に示す相電流ファジー集合に関する情報と、図3(b)に示す磁束鎖交数ファジー集合に関する情報と、図3(c)に示すファジールールを記憶し、これら情報と、磁束鎖交数演算回路28から入力した磁束鎖交数Ψと、有効励磁相選択回路24から入力した選択相を示す信号と相電流値に基づいて、回転中の回転子の位置θを推論する。
上記のように、回転子14の回転中のファジー推論した回転子14の位置情報(選択相と回転位置θ)の情報を通電信号出力回路20と、有効励磁相選択回路24にファジー推論回路30は出力する。
(4)SRモータ10の始動時の制御方法
上記構成の駆動装置12を用いて、SRモータ10の始動時の制御方法について説明する。なお、始動時においては回転子14は停止しているものとする。
上記で説明した一相のみの回転子の位置θからだけでは回転子14の位置が0°〜45°の範囲か、45°〜90°の範囲かの判断ができないため、二相または三相についてそれぞれ回転子14の位置を推論して合成することにより回転子14の絶対的な位置が推測できる。
ここでは、三相よりも二相の方が高速に処理を行うことができるため、二相のみの合成による回転子14の絶対位置の推定方法を説明する。
まず、ファジー推論回路30は、通電信号出力回路20に対し、インバータ回路18から2つの相の固定子巻線16へ試験的相電流を流すように制御する。例えば、U相の固定子巻線16Uへ試験的相電流Iを出力し、続いて、V相の固定子巻線16Vへ試験的相電流Iを出力する。この場合に回転子14は停止しているため、この試験的相電流はコンマ単位で瞬間的に流す。
U相の試験的相電流Iを流すことにより回転子14のU相における位置θを上記と同様の方法でファジー推論する。
続いてV相の試験的相電流Iを流すことにより回転子14のV相における位置θを推論する。
回転子14の回転子突極が4極のSRモータ10では、0°〜45°の推定区間と90°〜135°の推定区間は等価であるため、45°〜135°の範囲で推論を行えばよく、図4に示すように、横軸に回転子の位置角θ、縦軸にU,V,W相の位置推定結果を示す分布が示されている。
ここで、上記したように推定する相をU相とV相の二相とし、θとθの差をとると図5のようになる。
さらに、最大値を合わせるため最小公倍数が最大値となるように(θ−θ)を3倍、(θ−45°)を4倍すると図6のようになる。
これらの大小関係を比較することで45°〜90°の区間か、90°〜135°の区間かが判断できるので、(θ−45°)の4倍値が(θ−θ)の3倍値より大きい領域では推定演算結果から45°を減算することで0°〜90°までの絶対位置推定が可能となる。
これにより、始動時において回転子14が停止していても、その絶対的位置を推定することができる。
(5)本実施形態の効果
以上により、本実施形態のSRモータ10の駆動装置10であると、回転子14が回転中であっても、また、始動時で停止中であっても、位置検出センサを用いることなくファジー推論により回転子14の位置を検出することができるため、SRモータ10のセンサレス駆動が可能となる。
(6)SRモータ10の適用例
上記のようなセンサレスのSRモータ10の適用例としては、例えば電動工具の駆動源等に好適である。
本発明のSRモータの駆動装置は、掃除機などの家庭用電気機器や電動工具に好適である。
本実施形態のSRモータの駆動装置のブロック図である。 実験的に示されるSRモータ10の磁化特性のグラフである。 (a)は相電流ファジー集合であり、(b)は磁束鎖交数ファジー集合であり、(c)はファジールールを示すものである。 回転子位置角と推定値の関係を示すグラフである。 回転子の位置角と演算結果を示すグラフである。 同じく回転子の位置角と演算結果を示すグラフである。 SRモータの基本構造と動作原理を示す説明図である。 回転子の角度の定義を示す図であって、(a)は固定子突極完全非対向時であり、(b)固定子突極完全対向時の説明図である。 駆動装置のインバータ回路の回路図である。
符号の説明
10 SRモータ
12 固定子
14 回転子
16 固定子巻線
18 インバータ回路
20 通電信号出力回路
22 直流電源
24 有効励磁相選択回路
26 相電圧演算回路
28 磁束鎖交数演算回路
30 ファジー推論回路

Claims (5)

  1. 直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、
    回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動装置において、
    前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択手段と、
    前記通電信号出力回路から出力されるPWM信号のデューティーを表すデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算手段と、
    前記相電圧演算手段からの相電圧値と、前記有効励磁相選択手段からの選択相信号と相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算手段と、
    前記有効励磁相選択手段からの選択相信号、相電流値と、磁束鎖交数演算手段からの磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論手段と、
    を有する
    ことを特徴とするSRモータの駆動装置。
  2. 前記ファジー推論手段は、
    相電流のメンバーシップ関数から構成されるファジー集合に関する相電流ファジー集合情報と、磁束鎖交数のメンバーシップ関数から構成されるファジー集合に関する磁束鎖交数ファジー集合情報と、相電流と磁束鎖交数から前記回転子の位置を推定するファジールールに関するファジールール情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記入力した相電流値と前記記憶手段に記憶している相電流ファジー集合情報とから相電流に関するグレードを求め、
    前記入力した磁束鎖交数と前記記憶手段に記憶している磁束鎖交数ファジー集合情報とから磁束鎖交数に関するグレードを求め、
    これら求めた相電流に関するグレードと磁束鎖交数に関するグレードとファジールール情報とから、前記選択相信号で表されている有効励磁相における前記回転子の回転位置をファジー推論する
    ことを特徴とする請求項1記載のSRモータの駆動装置。
  3. 前記回転子が始動位置で停止しているSRモータの始動時において、
    前記ファジー推論手段は、
    三相の中の第1の相の固定子巻線へ前記インバータ回路から試験的相電流を流し、前記第1の相に関する前記位置信号をファジー推論し、
    続いて三相の中の第1の相とは異なる第2の相の固定子巻線へ前記インバータ回路から試験的相電流を流し、前記第2の相に関する前記位置信号をファジー推論し、
    前記第1の相における位置信号と、前記第2の相における位置信号に基づいて前記回転子の始動位置を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載のSRモータの駆動装置。
  4. 直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、
    回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動方法において、
    前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択ステップと、
    前記通電信号出力回路からのデューティーを表す信号であるデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算ステップと、
    前記相電圧値と、前記選択相信号と前記相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算ステップと、
    前記選択相信号、前記相電流値と、前記磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論ステップと、
    を有する
    ことを特徴とするSRモータの駆動方法。
  5. 直流電流を三相の各相電流に変換して三相の各固定子巻線にそれぞれ供給するインバータ回路と、
    回転子の位置信号に基づいてPWM信号を生成して、前記インバータ回路へそのPWM信号を出力する通電信号出力回路とを有するSRモータの駆動装置における駆動方法をコンピュータによって実現するプログラムであって、
    前記インバータ回路から出力される各相の相電流値を検出し、かつ、前記回転子の位置信号に基づいて有効励磁相を選択して、前記選択した相の相電流値と前記選択した有効励磁相を表す選択相信号を出力する有効励磁相選択機能と、
    前記通電信号出力回路からのデューティーを表す信号であるデューティー信号に基づいて相電圧値を演算する相電圧演算機能と、
    前記相電圧値と、前記選択相信号と前記相電流値に基づいて磁束鎖交数を演算する磁束鎖交数演算機能と、
    前記選択相信号、前記相電流値と、前記磁束鎖交数に基づいて、前記回転子の回転位置をファジー推論して、その推論した前記回転子の位置信号を前記通電信号出力回路と前記有効励磁相選択手段へ出力するファジー推論機能と、
    を実現する
    ことを特徴とするSRモータの駆動方法のプログラム。
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