JP4168240B2 - 交流電動機の駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動対象の電動機の種類を判別して駆動する交流電動機の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は交流電動機の種類を判別するのに、予め人の手によって抵抗値、インダンタンスの測定や誘起電圧の測定を行い、駆動対象の電動機の種類を確認して、それに応じた駆動装置を用いて運転を行っていた。あるいは、V/f制御によるオープンループ制御での運転を行っていた。こうした場合に使用される駆動装置自体も特定の電動機の駆動を対象としたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、人手による確認の場合は、電動機の磁石の有無の確認は端子間の誘起電圧を見ることで簡単に確認できるが、突極性か否か、などの確認にはインダクタンスの測定が必要なために手間がかかり、場合によっては電動機を分解して中の構造を確認するなどの作業が必要になるという問題があった。
また、制御についても単なるV/f制御では十分な性能が得られないため、十分な性能を得るには駆動対象とする電動機の種類に応じた制御方式を選択しなければならない。
また、近年、メモリ素子の大容量化、低価格化によりプログラム容量が増えたために、一つの駆動装置に複数の制御プログラムを搭載することが可能になってきたが、その場合に使用者としてはどの方式を選択してよいか判断に困るという問題があった。
そこで、本発明は、電動機と駆動装置の配線時あるいは電動機の運転前に、駆動装置から電動機に対して所定の指令の電圧を与え、この電圧指令値とその際に流れる電流とに基づき、駆動しようとする交流電動機の種類を判別する機能を駆動装置に持たせて、これにより判別された電動機の種類に最も適した制御方式を自動的に選択して駆動することが可能な交流電動機の駆動装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の交流電動機の駆動装置の発明は、電動機一次電流を磁束成分(d軸成分)とトルク成分(q軸成分)とに分離し、d軸成分の電流指令とd軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするように制御するd軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をd軸電圧指令値vd_refとし、
q軸成分の電流指令とq軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするよう制御するq軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をq軸電圧指令値vq_refとし、
d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値から電圧指令の大きさv_refと電圧位相θvを演算し、電圧指令の大きさと電圧指令の位相を基に直流を3相交流に変換して出力する電力変換器を有し、任意の速度指令に一致して運転するようにd軸電流指令及びq軸電流指令を制御し、交流電動機を駆動するための電力を該交流電動機に供給し、駆動対象として誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれかあるいは複数を対象とした制御方式を有し、駆動対象とする交流電動機に応じた制御方式を選択して運転を行う交流電動機の駆動装置において、
交流電動機のd軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqならびに誘起電圧Eあるいは鎖交磁束数φを用いて、交流電動機が誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれであるかを、
誘導電動機 :Ld=Lq、 E=0あるいはφ=0
表面磁石型同期電動機 :Ld=Lq、 E≠0あるいはφ≠0
逆突極型同期電動機 :Ld<Lq、 E≠0あるいはφ≠0
突極型同期電動機 :Ld>Lq、 E≠0あるいはφ≠0
リラクタンス電動機 :Ld>Lq、 E=0あるいはφ=0
の判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有し、かつ、
実運転開始前に、任意の位相に直流電流を流してこの直流電流が流れている方向をd軸とし、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして交流信号を前記直流電流を流すために必要な直流電圧成分に重畳して与えた場合のd軸電圧指令値VD1およびd軸電流検出値ID1および電圧指令値と電流指令値の位相差からd軸インダクタンスLdを求め、
引き続き前記直流電流を流した状態で、q軸電圧指令値vq_ref_acとして前記d軸電圧に重畳した交流信号と同じ大きさ・周波数の信号を与えた場合のq軸電圧指令値VQ1とq軸電流検出値IQ1および電圧指令値と電流検出値の位相差からq軸インダクタンスLqを求め、
次に再びd軸電流指令だけを与えてd軸電流を流した状態で、瞬時に前記d軸電流指令を零にすると共にd軸電流指令値として与えていた値をq軸電流指令として与え、この際に該電流指令値よりも大きい電流検出値がd軸あるいはq軸に現れた場合はE≠0あるいはφ≠0、そうでない場合はE=0あるいはφ=0として、前記判別条件に基づき駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有することを特徴としている。
この交流電動機の駆動装置によれば、電動機定数が与えられていれば、
交流電動機の種類 Ld、Lqの大小、 E、φ
誘導電動機 Ld=Lq E=0、φ=0
表面磁石型同期電動機 Ld=Lq E≠0、φ≠0
逆突極型同期電動機 Ld<Lq E≠0、φ≠0
突極型同期電動機 Ld>Lq E≠0、φ≠0
リラクタンス電動機 Ld>Lq E=0、φ=0
という予め駆動装置が保持する判別条件と照合することで、交流電動機の種類を迅速に、正確に判別して最適な制御方式を自動的に選択できる。
また、前記電圧指令値および電流指令値は、それぞれの大きさが分かる量であればよいので、それぞれの絶対値の平均値、実効値もしくは振幅の最大値などのどれを用いてもよい。
【0006】
また、請求項に記載の交流電動機の駆動装置の発明は、電動機一次電流を磁束成分(d軸成分)とトルク成分(q軸成分)とに分離し、d軸成分の電流指令とd軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするように制御するd軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をd軸電圧指令値vd_refとし、
q軸成分の電流指令とq軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするよう制御するq軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をq軸電圧指令値vq_refとし、
d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値から電圧指令の大きさv_refと電圧位相θvを演算し、電圧指令の大きさと電圧指令の位相を基に直流を3相交流に変換して出力する電力変換器を有し、任意の速度指令に一致して運転するようにd軸電流指令及びq軸電流指令を制御し、交流電動機を駆動するための電力を該交流電動機に供給し、駆動対象として誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれかあるいは複数を対象とした制御方式を有し、駆動対象とする交流電動機に応じた制御方式を選択して運転を行う交流電動機の駆動装置において、
交流電動機のd軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqならびに誘起電圧Eあるいは鎖交磁束数φを用いて、交流電動機が誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれであるかを、
誘導電動機 :Ld=Lq、 E=0あるいはφ=0
表面磁石型同期電動機 :Ld=Lq、 E≠0あるいはφ≠0
逆突極型同期電動機 :Ld<Lq、 E≠0あるいはφ≠0
突極型同期電動機 :Ld>Lq、 E≠0あるいはφ≠0
リラクタンス電動機 :Ld>Lq、 E=0あるいはφ=0
の判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有し、かつ、
実運転開始前に、任意の位相に直流電流を流してこの直流電流が流れている方向をd軸とし、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして交流信号を前記直流電流を流すために必要な直流電圧成分に重畳して与えた場合のd軸電流検出値ID1およびq軸電圧指令値vq_ref_acとして前記d軸電圧に重畳した交流信号と同じ大きさ・周波数の信号を与えた場合のq軸電流検出値IQ1を用いて、ID1>IQ1の場合はLd<Lq、同様にID1<IQ1の場合はLd>Lqとし、次にd軸電流指令だけを与えてd軸電流を流した状態で、瞬時に前記d軸電流指令を零にすると共にd軸電流指令値として与えていた値をq軸電流指令として与え、この際に該電流指令値よりも大きい電流検出値がd軸あるいはq軸に現れた場合はE≠0あるいはφ≠0、そうでない場合はE=0あるいはφ=0として、前記判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有することを特徴とする。
この交流電動機の駆動装置によれば、検出電流ID1、IQ1は、Ld、Lqに反比例する原理を基に、Ld、Lqの大小関係を検出電流値ID1、IQ1から、ID1>IQ1ならばLd<Lq、同様にID1<IQ1ならばLd>Lqと推定して、交流電動機の種類の判別を行い自動的に最適な制御方式を選択するので、請求項の発明よりも演算量が軽減できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置が保持する交流電動機の種類と電動機定数の関係を示す図である。
図1において、20は交流電動機の種類の項目で、21はLd(d軸漏れインダクタンス)とLq(q軸漏れインダクタンス)の大小関係を示す項目、22はE(誘起電圧)と、φ(鎖交磁束数)の有無を示す項目である。
交流電動機の種類20は構造・特性上から、誘導電動機23、表面磁石型同期電動機24、逆突極型同期電動機25、突極型同期電動機26、リラクタンス電動機27の5種類に分かれる。
【0008】
つぎに各電動機それぞれについて説明する。
先ず、誘導電動機23は、円筒状の回転子の周囲に導体の管を配置し、その両端をそれぞれ短絡環で短絡したものであり、回転子は均一な形状をしているのでd軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqは等しく、LdとLqの大小関係の項目2は、Ld=Lqである。(なお、誘導電動機23の場合一般的にはLd、Lqといった呼び方はしないで、漏れインダクタンスLで表しているが、ここでは便宜上Ld、Lqと呼ぶ)。
また、誘導電動機23は、磁石を有していないので回転子が回転することによる磁束変化で、固定子巻線に発生する誘起電圧E=0となる。(図1参照)。
次に、表面磁石型同期電動機24は、円筒状の回転子の表面に永久磁石を貼付けた構造なので、磁石から発生する磁束の通り方はどこでも均一で、図1に示すように、Ld=Lqであり、磁石を有するので誘起電圧Eは零ではなくE≠0、φ≠0である。
次に、逆突極型同期電動機25は、回転子の内部に磁石を埋込んだ構造で、例えば、磁石板を回転子円周に内接するような形に埋込むと、各磁石板の両端は回転子の外周表面に内接するように接近した位置に、又、磁石の中央は回転子表面まで距離が最も遠くなるような位置関係になる。このように磁石の両端が表面に近い構造のため、磁束は場所によって異なり通り方に差が生じ、大小関係は、Ld<Lqの関係が生ずる。そして誘起電圧Eも磁石があるために、E≠0、φ≠0である。
次に、突極型同期電動機26は、回転子の磁石を貼付ける部分を回転子表面より飛出た突極形状としたもので、回転子内部を通って固定子巻線と鎖交する磁束の通り方が場所によって異なり、この場合はLd>Lqの関係がある。また、磁石があるために誘起電圧E≠0、φ≠0である。
最後に、リラクタンス電動機27は、突極型同期電動機26から磁石を取り除いた形状のものである。固定子巻線に流れる電流によって誘導される磁束と回転子表面から飛出した部分があることによって、この磁束の通り方が場所によって異なることによる磁気抵抗を利用したものである。従って、d軸とq軸でインダクタンスが異なり、Ld>Lqの関係がある。また、磁石を有しないので回転子が回転することによって固定子巻線に生じる誘起電圧E=0、φ=0である。
このように、交流電動機の種類を、図1に示したように、電動機定数のLd、Lqの大小関係、および誘起電圧E、鎖交磁束数φ、の有無より判別し、誘導電動機23か、表面磁石型同期電動機24か、逆突極型同期電動機25か、突極型同期電動機26か、リラクタンス電動機27かを判別する。
この場合、例えば、交流電動機の駆動装置に、図1に示したような判別条件をテーブル等の形式で保持して置き、電動機の種類判別に使用すればよい。
【0009】
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す図である。第2の実施の形態は、図2に示すような実際の交流電動機の駆動装置に、図1に示した交流電動機の機種判別表を搭載して実際に運転する場合を示した例である。(なお、第1の実施の形態と第2の実施の形態が請求項1および請求項2に該当する)。
先ず、第1の実施の形態に示したように、電動機の特性データとして電動機定数が予め与えられている場合、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、および誘起電圧(又は誘起電圧定数)E、あるいは鎖交磁束数φを、設定すると、制御装置は、これらの値を図1の判別条件と比較して交流電動機の種類を判別し、その交流電動機に適した制御方式を選択して、自動的に制御方式の切替えを行う。これによって、電動機の制御方式の選択方法が曖昧な場合でも自動的に最も適した方式で運転することが可能となる。
いま、仮に、電動機を図1の判別条件に照合して、Ld=Lq、E=0、から誘導電動機と判別されたとすると、駆動装置は自動的に誘導電動機の制御プログラムをセットして運転を開始することになる。
図2はこうした状態の誘導電動機の駆動装置の構成の一例を示した図である。また、以下の誘導電動機の動作自体は従来のものと変りないので簡略化して説明する。図2において、2は電力変換器、3は交流電動機、4および5は電流検出器、9は座標変換器、10はq軸電流PI制御器、11はd軸電流PI制御器、12は電圧指令演算器、14は速度制御器、28は速度検出器である。
速度制御器14は速度指令に基づいて、交流電動機3に取り付けられた速度検出器28で検出された速度が速度指令に一致するように、q軸電流指令値iq_ref、d軸電流指令値id_refおよび出力周波数値fphiを演算して、一般的なベクトル制御を実施している。
座標変換器9は相電流の検出値をdq座標系に変換する座標変換器であり、q軸PI電流制御器10、d軸電流制御器11は電流指令値と電流検出値が一致するようにする制御器、電圧指令演算器12はq軸電圧指令電圧指令、d軸電圧指令値および磁束位相θphiから三相交流電圧の電圧の大きさv_refと電圧位相θrefを計算している。磁束位相θphiは出力周波数fphiを積分することで求めている。電力変換器2はv_refおよびθrefに基づいて三相交流電力を交流電動機3へ供給するものである。
このように、速度制御器14の中に誘導電動機、各種同期電動機、リラクタンス電動機などの各種制御方式が組み込まれていて、種類判別の結果でこれを適宜切替えるものである。図2には交流電動機の判別種類が誘導電動機の例を示したが、電動機定数Ld≠Lq、E≠0、ならば他の同期電動機と判別され、それらに適した制御方式がセットされることになる。
また、図2はPG(速度検出器)付きベクトル制御の図を示したが、PGなしベクトルの場合やV/f制御でも、通常運転時の制御方式が異なるだけで、本発明の種類判別方法はそのまま適用できる。
【0010】
次に、本発明の第3の実施の形態について図を参照して説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置の構成を示す図である。
図3に示す第3の実施の形態は、請求項3に関する部分であり、図2に示した第2の実施の形態では電動機定数は全て与えられているものとしたが、ここでは電流制御器の出力に電圧指令の振幅成分としてvd_ref_acおよびvq_ref_acを重畳してLd、Lq、誘起電圧E等を求めてから、電動機種類を判別して運転するようにした例である。
また、図2の速度制御器14の代わりに交流電動機判別器1により機種の判別や、各指令の生成および検出値の処理を行っている。その他の図2と同一構成には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0011】
つぎに第3の実施の形態の場合の動作について説明する。
先ず、位相としてθphi=0、vd_ref_ac=0、vq_ref_ac=0、q軸電流指令iq_ref=0、d軸電流指令id_ref=モータ定格電流の40%を与えて駆動装置を作動させる。(ここでθphiおよびid_refは任意の値でよい)。
電流が立ち上がって安定になるまで待ち時間を置いた後、電流制御器10および11の比例ゲインKiを零として、電流制御器の出力を固定することにより一定の直流電圧vd_dcを出力させて直流電流を流す。
次に、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして振幅の大きさがvd_dc、周波数fx(Hz)の交流信号を指令として与える。この振幅値や周波数も任意に選んでよい。出力が安定になるまでの時間待った後、d軸電圧指令値vd_refおよびd軸電流検出値id_fbからd軸電圧指令値の振幅分の絶対値の平均値VD1とd軸電流検出値の振幅分の絶対値の平均値ID1を演算し、VD1/ID1/(2π・fx)より、d軸インダクタンスLdを求める。
次に、vd_ref_ac=0として、vq_ref_acに先のvd_ref_acとして与えた交流信号と同じ信号を与える。q軸電圧指令値vq_refおよびq軸電流検出値iq_fbからq軸電圧指令値の振幅の絶対値の平均値VQ1とq軸電流検出値の振幅の絶対値の平均値IQ1を演算し、VQ1/IQ1/(2π・fx)より、q軸インダクタンスLqを求める。
次に、vq_ref_ac=0とし、安定な状態になるまでの時間待った後、d軸電流制御の積分値を零クリアしてd軸電圧指令vd_refを零とすると同時に、この直前のvd_refの値を、vq_ref_acに転送することにより、d軸電圧指令を瞬時にq軸電圧指令として、直流電流をd軸からq軸に切替える。
この時、磁石を有するモータの場合は、電流位相の変化によって回転子が回転することにより誘起電圧Eが発生し、この誘起電圧によって駆動装置から供給している電圧に相当する電流よりも大きい電流が一時的に流れる。
従って、始めに流れていた電流よりも大きい電流が検出されれば、磁石を有した電動機であると判断でき、E≠0、φ≠0とする。
以上により求めたLd、LqおよびEあるいはφを用いて図1に示す判別条件から駆動対象の交流電動機を判別して、最適な制御方式を選択して運転を開始する。
【0012】
次に、本発明の第4の実施の形態について図を参照して説明する。
第4の実施の形態は、請求項4に該当し、図3に示す第3の実施の形態において、d軸およびq軸に与える電圧指令の交流信号の振幅および周波数が等しければ、Id1、IQ1はLd、Lqに反比例するので、Ld、Lqの演算は行わずに、ID1、IQ1を用いて推定するものである。
なお、図3は第3の実施の形態と、第4の実施の形態では共通とする。
図3において第3の実施の形態と同様に直流電流を流して、この直流電流の流れている方向をd軸とし、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして交流信号を直流電圧成分に重畳して与えた場合のd軸電流検出値の振幅分の絶対値の平均値ID1を演算する。
次に、q軸電圧指令vq_ref_acとして先にd軸に与えた交流信号と同じ大きさ・周波数の信号を与えた場合のq軸電流検出値IQ1を求める。
求めたID1とIQ1の大小関係から、ID1>IQ1の時はLd<Lq、あるいは、ID1<IQ1の時はLd>Lqと推定する。
こうして得られたLd、Lqの大小関係と、前実施の形態と同様にして求めた誘起電圧Eあるいはφと合わせて、図1に示す判別条件より交流電動機の種類を判別して、最適な制御方式を自動的に選択して実際の運転を行う。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動対象とする交流電動機の種類を判別する機能を制御装置に持たせることによって、交流電動機の種類が不明な場合に、手間を掛けずに自動的に該交流電動機に適した制御方法を自動的に選択して運転できるという効果がある。
また、電動機定数と交流電動機の種類と電動機定数とが不明な場合にも、電動機定数を迅速に同定して、交流電動機の種類を判別し、自動的に最適な制御方式を選択して運転できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置が保持する交流電動機の種類と電動機定数の関係を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置の構成図である。
【図3】本発明の第3および第4の実施の形態に係る交流電動機の駆動装置の構成図である。
【符号の説明】
1 交流電動機判別器
2 電力変換器
3 交流電動機
4、5 電流検出器
9 座標変換器
10 q軸電流PI制御器
11 d軸電流PI制御器
12 電圧指令演算器
14 速度制御器
20 交流電動機の種類
21 Ld、Lqの大小関係
22 Eあるいはφ
23 誘導電動機
24 表面磁石型同期電動機
25 逆突極型同期電動機
26 突極型同期電動機
27 リラクタンス電動機
28 速度検出器

Claims (2)

  1. 電動機一次電流を磁束成分(d軸成分)とトルク成分(q軸成分)とに分離し、d軸成分の電流指令とd軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするように制御するd軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をd軸電圧指令値vd_refとし、
    q軸成分の電流指令とq軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするよう制御するq軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をq軸電圧指令値vq_refとし、
    d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値から電圧指令の大きさv_refと電圧位相θvを演算し、電圧指令の大きさと電圧指令の位相を基に直流を3相交流に変換して出力する電力変換器を有し、任意の速度指令に一致して運転するようにd軸電流指令及びq軸電流指令を制御し、交流電動機を駆動するための電力を該交流電動機に供給し、駆動対象として誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれかあるいは複数を対象とした制御方式を有し、駆動対象とする交流電動機に応じた制御方式を選択して運転を行う交流電動機の駆動装置において、
    交流電動機のd軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqならびに誘起電圧Eあるいは鎖交磁束数φを用いて、交流電動機が誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれであるかを、
    誘導電動機 :Ld=Lq、 E=0あるいはφ=0
    表面磁石型同期電動機 :Ld=Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    逆突極型同期電動機 :Ld<Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    突極型同期電動機 :Ld>Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    リラクタンス電動機 :Ld>Lq、 E=0あるいはφ=0
    の判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有し、かつ、
    実運転開始前に、任意の位相に直流電流を流してこの直流電流が流れている方向をd軸とし、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして交流信号を前記直流電流を流すために必要な直流電圧成分に重畳して与えた場合のd軸電圧指令値VD1およびd軸電流検出値ID1および電圧指令値と電流指令値の位相差からd軸インダクタンスLdを求め、
    引き続き前記直流電流を流した状態で、q軸電圧指令値vq_ref_acとして前記d軸電圧に重畳した交流信号と同じ大きさ・周波数の信号を与えた場合のq軸電圧指令値VQ1とq軸電流検出値IQ1および電圧指令値と電流検出値の位相差からq軸インダクタンスLqを求め、
    次に再びd軸電流指令だけを与えてd軸電流を流した状態で、瞬時に前記d軸電流指令を零にすると共にd軸電流指令値として与えていた値をq軸電流指令として与え、この際に該電流指令値よりも大きい電流検出値がd軸あるいはq軸に現れた場合はE≠0あるいはφ≠0、そうでない場合はE=0あるいはφ=0として、前記判別条件に基づき駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有することを特徴とする交流電動機の駆動装置。
  2. 電動機一次電流を磁束成分(d軸成分)とトルク成分(q軸成分)とに分離し、d軸成分の電流指令とd軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするように制御するd軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をd軸電圧指令値vd_refとし、
    q軸成分の電流指令とq軸成分の電流検出値を入力とし、両者の偏差を零とするよう制御するq軸電流PI(比例積分)制御器を有し、このPI制御器の出力をq軸電圧指令値vq_refとし、
    d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値から電圧指令の大きさv_refと電圧位相θvを演算し、電圧指令の大きさと電圧指令の位相を基に直流を3相交流に変換して出力する電力変換器を有し、任意の速度指令に一致して運転するようにd軸電流指令及びq軸電流指令を制御し、交流電動機を駆動するための電力を該交流電動機に供給し、駆動対象として誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれかあるいは複数を対象とした制御方式を有し、駆動対象とする交流電動機に応じた制御方式を選択して運転を行う交流電動機の駆動装置において、
    交流電動機のd軸インダクタンスLdおよびq軸インダクタンスLqならびに誘起電圧Eあるいは鎖交磁束数φを用いて、交流電動機が誘導電動機、表面磁石型同期電動機、突極型同期電動機、逆突極型同期電動機、リラクタンス電動機のいずれであるかを、
    誘導電動機 :Ld=Lq、 E=0あるいはφ=0
    表面磁石型同期電動機 :Ld=Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    逆突極型同期電動機 :Ld<Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    突極型同期電動機 :Ld>Lq、 E≠0あるいはφ≠0
    リラクタンス電動機 :Ld>Lq、 E=0あるいはφ=0
    判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有し、かつ、
    実運転開始前に、任意の位相に直流電流を流してこの直流電流が流れている方向をd軸とし、d軸成分の電圧指令vd_ref_acとして交流信号を前記直流電流を流すために必要な直流電圧成分に重畳して与えた場合のd軸電流検出値ID1およびq軸電圧指令値vq_ref_acとして前記d軸電圧に重畳した交流信号と同じ大きさ・周波数の信号を与えた場合のq軸電流検出値IQ1を用いて、ID1>IQ1の場合はLd<Lq、同様にID1<IQ1の場合はLd>Lqとし、次にd軸電流指令だけを与えてd軸電流を流した状態で、瞬時に前記d軸電流指令を零にすると共にd軸電流指令値として与えていた値をq軸電流指令として与え、この際に該電流指令値よりも大きい電流検出値がd軸あるいはq軸に現れた場合はE≠0あるいはφ≠0、そうでない場合はE=0あるいはφ=0として、前記判別条件に基づき、駆動対象とする交流電動機を判別する手段を有することを特徴とする交流電動機の駆動装置。
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