JP2005051689A - 超音波アレイセンサおよび超音波センサ並びに超音波アレイセンサの製造方法 - Google Patents

超音波アレイセンサおよび超音波センサ並びに超音波アレイセンサの製造方法 Download PDF

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康史 正木
Xiong Si-Bei
四輩 熊
Kosaku Kitada
耕作 北田
Hiroshi Yamanaka
山中  浩
Koushi Aketo
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Abstract

【課題】超音波アレイセンサの複数のセンサ素子の共振周波数を容易に揃える。
【解決手段】センサ素子100を複数の有する超音波アレイセンサ1において、主としてシリコンにより形成されるベース部10に凹部12を形成し、凹部12の底部に圧電膜41を有する振動検出層40を設け、さらに、凹部12の開口に微小な開口131が形成された開口板13を取り付けて共鳴空洞140を形成する。振動検出層40により、入射する超音波により共鳴空洞140内に生じる空気の共振が検出される。共鳴空洞140の開口131および容積は、フォトリソグラフィ法を利用したエッチング等により精度よく所望の大きさとすることができるため、複数のセンサ素子100において共鳴空洞140の共振周波数(共鳴周波数)を容易に揃えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は超音波を検出するセンサおよびその製造方法に関する。
対象物までの距離や対象物が位置する方向を特定するために、発信された超音波の対象物からの反射波を共振現象を利用して検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの実用化が、近年、進められている。
図1は、従来の超音波アレイセンサ9を示す縦断面図であり、図1では1つのセンサ素子90のみを図示している。図1に示すように、超音波アレイセンサ9は、複数の凹部911(但し、図1では1つの凹部911のみを図示している。)が形成されたベース部91と、ベース部91上において複数の凹部911にそれぞれ対応する領域に形成された下部電極931、圧電膜932および上部電極933からなる振動検出層93とを有する。超音波アレイセンサ9では、各凹部911の底面の部分がダイアフラム部となっており、ダイアフラム部が自己の共振周波数の超音波を図1中の矢印8にて示す方向から(凹部911とは反対側から)受けて機械的に共振することにより、電極931,933間に電位差が生じ、電気信号が出力される。
なお、非特許文献1では、ゾルゲル法により形成されるPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜を圧電膜として用いた超音波アレイセンサの構造や製造プロセスについて開示されている。
堅田、外6名,「PZT薄膜を用いたアレイ型超音波マイクロセンサ」,研究会資料,フィジカルセンサ研究会,平成12年12月20日,PHS−00−21,p.219−222
ところで、図1に示す超音波アレイセンサ9に代表される共振現象を利用する超音波アレイセンサでは、特定の発信源からの超音波の反射波を検出するために各センサ素子の共振周波数を揃える必要がある。したがって、例えば、図1に示す超音波アレイセンサ9の場合、振動検出層93(ダイヤフラム部)の厚さ、ヤング率および密度、並びに、凹部911の開口の大きさ等を各センサ素子において同一にしなければならない。しかしながら、振動検出層93を形成する際の製造プロセスのばらつき(例えば、エッチング速度のばらつきや成膜時の膜厚のばらつき等)により全てのセンサ素子において共振周波数を揃えることは非常に難しい。
なお、共振現象を利用する超音波センサでは、発信される超音波の周波数と共振周波数とを合わせる必要があることから、単独の超音波センサを製造する場合であっても共振周波数を所望のものとすることは重要であり、製造プロセスのばらつきは問題となる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数のセンサ素子の共振周波数を容易に揃えることができる超音波アレイセンサ(または、容易に所望の共振周波数とすることができる超音波センサ)を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、一の主面に向かって開口する複数の共鳴空洞を形成する板状の共鳴空洞形成部と、前記共鳴空洞形成部の他の主面上の少なくとも前記複数の共鳴空洞に対応する領域に設けられ、前記他の主面側から順に、第1電極、圧電膜および第2電極を有する振動検出層とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、前記共鳴空洞形成部が、主としてシリコンにより板状に形成されて前記振動検出層側に設けられ、前記一の主面側に向かって前記複数の共鳴空洞の開口よりも大きく開口する複数の凹部を有するベース部と、前記ベース部の前記一の主面側の面に取り付けられ、前記複数の共鳴空洞の開口となる複数の開口が形成された板部材とを有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、主としてシリコンにより板状に形成されたベース部をさらに備え、前記ベース部上に、前記ベース部側からに順に、前記第2電極、前記圧電膜および前記第1電極が形成されており、前記共鳴空洞形成部が、前記複数の共鳴空洞の底部以外を形成する複数の貫通孔を有し、前記振動検出層が、前記複数の共鳴空洞の底部を形成する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の超音波アレイセンサであって、前記ベース部が、前記複数の共鳴空洞の底部に対向する領域上に、前記複数の共鳴空洞内に向かって突出する複数の段差部を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、前記複数の共鳴空洞のそれぞれの内側面が、前記共鳴空洞形成部の前記一の主面に対して垂直である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、前記圧電膜が、強誘電体材料または有機圧電材料により形成される。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、前記圧電膜が、酸化亜鉛により形成される。
請求項8に記載の発明は、超音波を検出する超音波センサであって、一の主面に向かって開口する共鳴空洞を形成する板状の共鳴空洞形成部と、前記共鳴空洞形成部の他の主面上の少なくとも前記共鳴空洞に対応する領域に設けられ、前記他の主面側から順に、第1電極、圧電膜および第2電極を有する振動検出層とを備える。
請求項9に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、b)前記複数の素子形成領域に対応する前記ベース部の他の主面上の複数の領域において複数の凹部を形成する工程と、c)前記複数の凹部に対向する位置に前記複数の凹部の開口よりも小さい複数の開口が形成された板部材を前記ベース部の前記他の主面に取り付ける工程とを備える。
請求項10に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、b)前記複数の素子形成領域に対応する前記ベース部の他の主面上の複数の領域において複数の凹部を形成する工程と、c)前記ベース部の前記他の主面に板部材を取り付ける工程と、d)前記複数の凹部に連絡するとともに前記複数の凹部の開口よりも小さい複数の開口を前記板部材に形成する工程とを備える。
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、前記板部材がガラスにより形成され、陽極接合により前記板部材が前記ベース部に接合される。
請求項12に記載の発明は、請求項9ないし11のいずれかに記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、前記複数の凹部がドライエッチングにより形成される。
請求項13に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、b)一方の開口が反対側の開口よりも大きい複数の貫通孔が前記複数の素子形成領域に対応して形成された板状の共鳴空洞形成部を、前記一方の開口を前記振動検出層側に向けて前記振動検出層上に取り付ける工程とを備える。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、前記工程a)の前に、前記複数の素子形成領域において前記一の主面から突出する複数の段差部を形成する工程をさらに備える。
請求項1ないし7、並びに、請求項9ないし14の発明によれば、超音波アレイセンサの複数のセンサ素子の共振周波数を容易に揃えることができる。
また、請求項3および13の発明によれば、超音波アレイセンサの耐環境性を向上することができ、請求項4および14の発明によれば、超音波アレイセンサの共振周波数を容易に変更することができる。
また、請求項5および12の発明によれば、共鳴空洞の容積を容易に求めることができる。
また、請求項6の発明では、圧電膜の感度を高める、または、圧電膜を容易に形成することができ、請求項7の発明では、圧電膜を容易に形成することができる。
請求項8の発明によれば、共振周波数を容易に所望の値とすることができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1を示す縦断面図である。超音波アレイセンサ1は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列されたものであり、図2では、1つのセンサ素子100のみを図示している。実際には、センサ素子100は紙面の左右方向および紙面に垂直な方向に複数配列される。また、図2では図示の便宜上、薄膜部分を厚く強調して示している。
図2に示す超音波アレイセンサ1は、シリコン(Si)により形成される層111、酸化シリコンにより形成される薄い層112、および、シリコンにより形成される薄い層113が積層された板状のベース部10を備え、ベース部10は後述するようにアレイセンサ製造に用いられるSOI(Silicon On Insulator)基板に対応する部位である。
ベース部10には上側の主面11cに向かって開口する複数の凹部12(例えば、上底が700μm、下底が350μmの台形の断面形状を有する凹部)が形成される。1つの凹部12は1つのセンサ素子100に対応し、図2では1つの凹部12のみが図示されている。ベース部10の上側の主面11c上には、複数の凹部12にそれぞれ対応する複数の開口131が形成された板部材である開口板13が取り付けられる。
ベース部10および開口板13により、開口板13の上側の主面14aに向かって開口する複数の共鳴空洞140を形成する板状の共鳴空洞形成部14が構成される。複数の凹部12の主面11cにおける開口は、共鳴空洞140の開口(すなわち、開口板13の開口131)よりも大きく開口する。これにより、矢印8にて示すように開口板13側から入射する超音波を受けると共鳴空洞140はヘルムホルツ共鳴器の原理に従って固有の振動数にて共鳴する(すなわち、内部の空気が共振する。)。
ベース部10の下側の主面11a上には、例えば、酸化シリコン(SiO)により形成される絶縁層21が設けられる。絶縁層21上において少なくとも複数の共鳴空洞140にそれぞれ対応する領域(すなわち、複数の凹部12の真下の領域)には、ベース部10側から順に、主として白金(Pt)により形成される(正確には、絶縁層21側からチタン(Ti)により形成される層と白金により形成される層とが積層されている。)下部電極31、PZTにより形成される圧電膜41、および、白金により形成される上部電極51が設けられ、下部電極31、圧電膜41および上部電極51により振動を電圧として検出する振動検出層40が構成される。
なお、図2に示す超音波アレイセンサ1の向きでは下部電極31が上部電極51よりも上側に位置するが、下部電極31は超音波アレイセンサ1の製造時に上部電極51の下層の電極として形成される。下部電極31および上部電極51は必ずしも白金(または、白金およびチタン)により形成される必要はなく、他の導体により形成されてもよい。
なお、図2に示す超音波アレイセンサ1の向きでは下部電極31が上部電極51よりも上側に位置するが、下部電極31は超音波アレイセンサ1の製造時に上部電極51の下層の電極として形成される。下部電極31は配向性をもってPZTを成膜させる観点から白金であることが好ましく、圧電膜41がZnO(酸化亜鉛)の場合も下部電極31が白金で形成されることが好ましいと確認されている。なお、圧電膜41がPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂である場合には下部電極31は白金である必要はない。上部電極51も必ずしも白金により形成される必要はなく、金やアルミニウム等の他の導体により形成されてよい。
超音波アレイセンサ1は、所定の周波数の超音波を発信する音源装置とともに利用される。例えば、共鳴空洞140内の空気の共振周波数が100kHzの超音波アレイセンサ1に対して、音源装置から100kHzの超音波が発信され、対象物からの反射波を受けて共鳴空洞140が共鳴することにより各センサ素子100から電気信号が出力される。そして、出力された複数の信号を解析することにより、対象物までの距離や対象物が位置する方向が特定される。
次に、上述の超音波アレイセンサ1を製造する方法について説明する。図3は、超音波アレイセンサ1の製造工程の流れを示す図である。
超音波アレイセンサ1が製造される際には、まず、図4に示す基板11が準備される。なお、図4に示す基板11の上側は図2に示す超音波アレイセンサ1の下側に対応する。図4に示す基板11は、シリコンにより形成される層111、酸化シリコンにより形成される薄い層112、および、シリコンにより形成される薄い層113が積層されたSOI基板であり、厚さが数百μmとされる。超音波アレイセンサ1の製造に利用される基板は、SOI基板に限定されず、主としてシリコンにより板状に形成されるものであれば、他の種類の基板であってもよい。
図4の基板11は、アニール等の熱処理が施されることにより両主面11a,11cが酸化され、図5に示すように酸化シリコンにより形成される酸化膜21,22がそれぞれ形成される(ステップS11)。酸化膜21(以下、「絶縁層21」という。)は他の手法により形成されてもよく、窒化シリコン等の酸化シリコン以外の絶縁体であってもよい。また、主面11c側の酸化膜22は必要に応じて形成されるのみでもよい。
続いて、主面11a側の絶縁層21上に図6に示すように下部電極31(および、必要な配線パターン)が形成される(ステップS12)。下部電極31を形成する際には、まず、絶縁層21上にスパッタリングによりチタン(Ti)の膜が形成され、チタン膜上に白金の膜が形成される。チタン膜は白金膜の密着性を向上させるための中間層としての役割を果たすものであるため、以下、チタン膜および白金膜を単に白金膜と呼ぶ。
図7は、白金膜が形成された基板11の一部を例示する平面図である。白金膜上にはフォトリソグラフィ技術を利用してフォトレジストのパターンが形成される。すなわち、白金膜上にフォトレジストが塗布され、ステッパ等においてフォトレジスト上に所定のパターンが描画された後に、現像が施されフォトレジストのパターンが形成される。そして、イオンミリング装置等により白金膜がエッチング(ミリング)され、フォトレジストを基板11から除去することにより、下部電極31が形成される。
図8は、下部電極31が形成された基板11の一部を例示する平面図である。図8では、基板11上に十字状に配列された複数の下部電極31が形成される。また、複数の下部電極31はそれぞれ配線32を介して離れた位置に配置される接続用電極33に連絡する。図8中において複数の下部電極31をそれぞれ含む二点鎖線にて示す矩形領域71は、以降の工程を経て製造される1つのセンサ素子の形成領域(以下、「素子形成領域」という。)であり、裏面側においては後述する工程により図2に示す凹部12が形成される領域となる。なお、本実施の形態で参照する縦断面図は簡略化されているため図8の平面図とは厳密には対応していない。
図6に示す下部電極31が形成されると、図9に示すように圧電材料により形成される圧電膜41が下部電極31上に形成される(ステップS13)。具体的には、まず、ゾルゲル法により基板11上の全面にPZT膜が形成される。このとき、下部電極31を形成する白金膜は配向性が良好であるため、少なくとも下部電極31上においては配向性の高いPZT膜が得られる。続いて、PZT膜上にフォトリソグラフィ法を利用してフォトレジストによるパターンが形成され、ウエットエッチングが施されてPZT膜のフォトレジストに覆われていない部分が除去される。そして、フォトレジストが基板11から除去され、圧電膜41の形成が完了する。
なお、PZT膜はスピンコーティング、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の他の手法により形成されてもよい。また、圧電膜41はPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)により形成されてもよい。圧電膜41として強誘電体材料を用いることにより、感度が非常に高い超音波アレイセンサとすることができる。一方、圧電膜41はPVDF等の有機圧電材料により形成されてもよい。これにより、圧電膜41を容易に形成することができる。さらに、圧電膜41の材料としてZnOを用いることにより、スパッタリング等のPVD(Physical Vapor Deposition)により容易に成膜することができる。
図10は、圧電膜41が形成された基板11の一部を例示する平面図であり、図8に対応する図である。また、図10では図8の下部電極31が占める矩形領域(最終的にダイアフラム部となる領域に相当する。)72を破線により示している。図10に示すように、圧電膜41は全ての素子形成領域71を覆うようにして形成されており、圧電膜41には複数の接続用電極33を露出させる複数のスルーホール42が設けられる。
続いて、図9の圧電膜41上には、図11に示すように上部電極51が形成される(ステップS14)。上部電極51が形成される際には、まず、ステップS12における下部電極31と同様に、スパッタリングにより白金が全面成膜され、白金膜上に塗布されたフォトレジスト上に所定のパターンを描画して現像することにより、フォトレジストのパターンが形成される。そして、ミリングが施された後にフォトレジストが基板11から除去されることにより上部電極51が形成され、下部電極31、圧電膜41および上部電極51を有する(他の層が介在してもよい。)振動検出層40が形成される。
図12は、上部電極51が形成された基板11の一部を例示する平面図であり、図8および図10に対応している。図12に示すように、圧電膜41上には十字状に配列されるとともに複数の素子形成領域71内の(下部電極31上の)領域72内にそれぞれ位置する複数の上部電極51が形成されており、複数の上部電極51は十字状の配線52により、1つの接続用電極53へと連絡する。なお、上部電極51(並びに、配線52および接続用電極53)も下部電極31と同様に、チタン膜が中間層として設けられてもよい。
図11に示す上部電極51が形成されると、基板11の下側の主面11b(酸化膜22の表面を指す。)上においてフォトレジストのパターンが形成された後、エッチング(例えば、フッ酸を利用したウエットエッチング)が施されることにより素子形成領域71に対応する(すなわち、素子形成領域71の真下の)主面11b上の複数の領域において酸化膜22の一部が除去される。
続いて、酸化膜22をエッチングマスクとしてTMAH(Tetramethylammonium Hydroxide)を用いて基板11に対して異方性エッチングが施されることにより、図13に示すようにエッチングマスクが除去された複数の領域において主面11bに向かって開口する複数の凹部12が形成され、ダイアフラム部の下面が形成される(ステップS15)。また、基板11は凹部12が形成されることにより図2のベース部10となる。
なお、下部電極31、圧電膜41および上部電極51は、少なくとも複数の素子形成領域71(領域の一部でもよい。)に形成されるのであれば、他の領域に広がっていてもよい。
続いて、主面11bの酸化膜22が除去され、図14に示すように複数の凹部12に対向する位置に凹部12の開口よりも小さい微小な複数の開口131が形成された開口板13がベース部10の下側の主面11c(図2ではベース部10の上側の主面11c)に取り付けられる(ステップS16)。開口板13はガラスにより形成され、取り付けは陽極接合により行われる。これにより、振動検出層40側に設けられたベース部10とベース部10の振動検出層40とは反対側の面に取り付けられた開口板13とにより、共鳴空洞140を形成する板状の共鳴空洞形成部14が構成される。
図15は開口板13が取り付けられた後の基板11を開口131側から(図10および図12における視線方向とは反対側から)見た様子を示す図である。図14および図15に示すように、共鳴空洞140は開口部が若干閉塞された空洞(キャビティ)とされる。
開口板13が取り付けられた基板11は図12(および図15)に示す大きさを単位とするダイに分割され、複数の共鳴空洞140を有する超音波アレイセンサ1が完成する。超音波アレイセンサ1は、例えば、開口板13を超音波が向かってくる方向に向けて所定の回路基板の開口にはめ込まれる。そして、複数の接続用電極33,53(図12参照)がそれぞれワイヤーボンディングにより金線を介して回路基板の裏面上の電極と接続され、これにより、接続用電極33,53が超音波の検出信号の取り出しに利用される。接続用電極33,53上には適宜ポッティングが施される。
以上のように、図3に示す製造工程では、ベース部10の複数の凹部12上に開口板13を取り付けることにより複数の共鳴空洞140を有する超音波アレイセンサ1が製造される。これにより、共鳴空洞140内の共鳴を利用してダイヤフラム部を大きく振動させることが実現され、センサの感度を高めることができる。ここで、共鳴空洞140はヘルムホルツ共鳴器の原理に従った固有の共振周波数(すなわち、共鳴周波数)を有し、この共振周波数frは、空気(超音波)の速度v、共鳴空洞の開口面積S、共鳴空洞の容積V、開口部の長さ(奥行き)Lを用いて数1にて表される。
Figure 2005051689
超音波アレイセンサ1では、層111や開口板13の厚さは一定であり、共鳴空洞140の開口面積や容積はフォトリソグラフィ法やエッチングにより精度よく形成されることから、各共鳴空洞140の共振周波数を所望の値に容易に揃えることができる。その結果、性能の高い超音波アレイセンサ1の製造コストを削減することが実現される。
なお、ダイアフラム部となる振動検出層40は、必ずしも凹部12の底面に対する上下方向の振動による張力の変化を検出するものである必要はなく、例えば、振動検出層40の上部電極51側が硬質の回路基板の表面等に固定され、空気の圧力の変動による圧電膜41内部の応力変化が検出されてもよい。この場合、超音波アレイセンサ1の接続用電極33,53は、例えば、導電性材料を介して回路基板上の電極と対向しつつ接続される。
図16は、超音波アレイセンサ1の他の製造工程の流れを示す図であり、図3のステップS15よりも後の工程を示している。ステップS15までの工程により振動検出層40および凹部12が形成された基板11(ダイシング前のベース部10)は、最下面の酸化膜22(図13参照)が除去された後、図17に示すようにベース部10の下側の主面11cに板部材であるガラス板13aが陽極接合により取り付けられる(ステップS16a)。
その後、ガラス板13aの下側の主面14aにレジストを塗布してフォトリソグラフィ法により図2に示す開口131に合わせてレジストの除去を行い、エッチングによりガラス板13aに複数の凹部12に連絡するとともに凹部12の開口よりも小さい複数の開口131が形成される(ステップS16b)。これにより、ガラス板13aが図2に示す開口板13となる。
以上のように、開口板13の開口131はガラス板13aの接合後に形成されてもよく、この場合、接合時のガラス板13aとベース部10との正確な位置合わせが不要になるとともにフォトリソグラフィ法を利用して高い位置精度にて開口131を形成することができる。なお、開口板13またはガラス板13aの材質をガラスとすることにより、陽極接合を用いてシリコンの層111と開口板13またはガラス板13aとの接合を容易に行うことができるが、開口板13またはガラス板13aは層111と接合可能な他の材料により形成されてもよい。
図18は、超音波アレイセンサ1の他の例を示す断面図であり、図2と同様に1つのセンサ素子100のみを示している。図18に示す超音波アレイセンサ1は基本的には図3または図16に示す方法により製造され、ベース部10および開口板13からなる共鳴空洞形成部14により共鳴空洞140が形成されるが、ステップS15においてICP(Inductive Coupling Plasma)等の等方性のドライエッチングにより凹部12aが形成される。したがって、共鳴空洞140の内側面140aが、共鳴空洞形成部14の振動検出層40とは反対側の主面14a(振動検出層40側の主面であってもよい。)に対して垂直に形成される。これにより、共鳴空洞140の形状が簡素化され、共鳴空洞140の容積を容易に求めることが可能となる。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1aを示す縦断面図である。図19では図2と同様に、配列される複数のセンサ素子100のうちの1つのみを図示しており、実際には、センサ素子100は紙面の左右方向および紙面に垂直な方向に複数配列される。また、図示の便宜上、薄膜部分を厚く強調して示している。
図19に示す超音波アレイセンサ1aは、シリコンにより板状に形成されたベース部10を有し、ベース部10の上側の主面11a上には、例えば、酸化シリコンにより形成される絶縁層21が設けられる。絶縁層21上には、ベース部10側から順に、主として白金により形成される下部電極31、PZTにより形成される圧電膜41、および、白金により形成される上部電極51が形成され、下部電極31、圧電膜41および上部電極51により応力変動を電圧として検出する振動検出層40が構成される。
振動検出層40上には、接着剤である絶縁層7を介して上側(振動検出層40とは反対側)の主面6aに向かって開口する複数の共鳴空洞60を形成する板状の共鳴空洞形成部6が接着されている。共鳴空洞形成部6は複数の共鳴空洞60の底部以外を形成する複数の貫通孔を有する部材となっており、共鳴空洞60の底部は振動検出層40により形成されている。1つの共鳴空洞60は1つのセンサ素子100に対応し、図19では1つの共鳴空洞60のみが図示されている。超音波アレイセンサ1aは、共鳴空洞形成部6の下側の主面61a上の少なくとも複数の共鳴空洞60に対応する領域に、主面61a側から順に、上部電極51、圧電膜41および下部電極31が設けられるという点で、第1の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1と類似の構造を有している。
超音波アレイセンサ1aの製造工程は図3のステップS11〜S14に図20に示す工程を追加したものとなる。超音波アレイセンサ1aの製造に際してベース部10となる基板11は、第1の実施の形態と同様に主としてシリコンにより形成されるものが使用されてもよいが、以下、シリコンのみにより形成される板状の基板11が使用されるものとして説明する。
超音波アレイセンサ1aが製造される際には、まず、第1の実施の形態と同様に、シリコンの基板11上に熱酸化等の手法により酸化膜である絶縁層21が形成され(ステップS11)、絶縁層21上にスパッタリングにより白金膜等が形成され、フォトリソグラフィ法およびイオンミリングにより所望の下部電極31および配線のパターンが形成される(ステップS12)。続いて、下部電極31上にゾルゲル法によりPZT膜が形成され、フォトリソグラフィ法およびウェットエッチングにより圧電膜41のパターンが形成される(ステップS13)。さらに、下部電極31と同様の手法により圧電膜41上に上部電極51および配線のパターンが形成される(ステップS14)。
図21は、上部電極51が形成された基板11の一部を例示する平面図である。図21では、第1の実施の形態の図12と同様に、センサ素子100が形成される予定の複数の素子形成領域71が十字に配列されており、素子形成領域71内に下部電極31および上部電極51が形成される。圧電膜41から露出する接続用電極33は圧電膜41の下の配線により下部電極31に接続され、圧電膜41上の接続用電極53は配線52により上部電極51に接続される。ただし、図12と比べて接続用電極33,53は複数の素子形成領域71から外側に離れた位置に設けられる。下部電極31、圧電膜41および上部電極51は少なくとも素子形成領域71(領域の一部でもよい。)において形成されるのであれば、任意のパターンにて形成されてよい。
一方、基板11に対する処理に前後して、共鳴空洞形成部6が別途製作される(図20:ステップS17)。図22は共鳴空洞形成部6を示す断面図である。共鳴空洞形成部6は、シリコンの基板61にガラスの開口板62を接合した構造をしており、共鳴空洞60を形成するための複数の貫通孔63が複数の素子形成領域71に対応して形成されており、各貫通孔63において、基板61の下側の主面61aの開口60aが開口板62の主面6aの開口60bよりも大きくなっている。
共鳴空洞形成部6が製作される際には、まず、シリコンの基板61側の主面61aにフォトリソグラフィ法を用いてレジストパターンが形成され、異方性エッチングを行うことにより主面61a側に広く開口した貫通孔が形成される。貫通孔の断面は、例えば、上底が350μm、下底が700μmの台形の形状とされる。そして、開口60bが形成された開口板62が、基板61の貫通孔の小さい方の開口側(図22中の上側の主面)に陽極接合される。なお、共鳴空洞形成部6は図21に示す基板11の一部よりも小さな部材として製作される。
共鳴空洞形成部6は金属により形成されてもよい。この場合、図23に示すように銅、アルミニウム、ステンレス綱等の材料にて複数の貫通孔63を有する金属板64が成形され、金属板64の表面に酸化膜等の保護膜641を形成して共鳴空洞形成部6が製作される。共鳴空洞形成部6を金属により形成することにより、鍛造、プレス、鋳造等により容易に成形することができるとともに共鳴空洞形成部6の剛性および耐環境性を向上することができる。
共鳴空洞形成部6は、使用環境やコスト面からさらに他の材料により製作されてもよい。例えば、共鳴空洞形成部6をプラスチックで形成することにより、射出成形を利用して精度よく容易かつ安価に共鳴空洞形成部6を量産することができる。また、ジルコニア等のセラミックスを用いて射出成形にて共鳴空洞形成部6を形成することにより、安価で耐環境性に優れた共鳴空洞形成部6を製作することができる。
基板11は、図21に示す部分を単位としてダイシングにより個片に分けられ、その後、共鳴空洞形成部6の大きい方の開口60aを基板11上の振動検出層40側に向けて、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて共鳴空洞形成部6を振動検出層40上に取り付ける(接着する)ことにより図19に示す共鳴空洞60が形成される(ステップS18)。接着剤は硬化して図19中の絶縁層7となる。
図24は、超音波アレイセンサ1aの平面図であり、図21に示す基板11の一部の個片に共鳴空洞形成部6を接着した様子を示している。図24に示すように、共鳴空洞形成部6は接続用電極33,53よりも内側に収まるとともに図21に示す複数の素子形成領域71を覆う大きさとされる。また、共鳴空洞形成部6の貫通孔63は図21に示す複数の素子形成領域71のそれぞれに対向するように形成されており、各素子形成領域71上に共鳴空洞60が形成される。なお、図24では共鳴空洞60の開口60bの内部の図示を省略している。
超音波アレイセンサ1aはベース部10側から回路基板に接着され、回路基板上の電極と超音波アレイセンサ1aの接続用電極33,53とがワイヤボンディング等の手法により接続される。
図19および図24に示すように、共鳴空洞形成部6の上側の主面6aの開口60bは内部の共鳴空洞60を若干閉塞する開口となっている。これにより、第1の実施の形態と同様に所定の振動数の超音波が開口60bに入射するとヘルムホルツ共鳴器の原理に従った共鳴(空気の共振)が生じる。そして、振動検出層40が空気の圧力の変動を受けて電圧を発生し、この電圧を接続用電極33,53を介して測定することにより、超音波の検出が実現される。第2の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1aの場合、振動検出層40は厚いベース部10に支持されるため、超音波アレイセンサ1aの耐環境性を向上することが実現される。
図25は超音波アレイセンサ1aのセンサ素子100の他の例を示す断面図である。図25に示す超音波アレイセンサ1aでは、複数の共鳴空洞60の底部に対向するベース部10の領域上に、複数の共鳴空洞60内に向かってそれぞれ突出する複数の段差部101が設けられる。ベース部10上に絶縁層21、並びに、下部電極31、圧電膜41および上部電極51を有する振動検出層40が設けられ、振動検出層40上に共鳴空洞形成部6が接着される点は図19に示す超音波アレイセンサ1aと同様である。なお、図25では上部電極51を共鳴空洞60内のみに図示しているが、上部電極51は紙面に垂直な方向に段差部101の外側まで伸びている。また、圧電膜41は下部電極31上の絶縁膜としての役割を果たしており、ベース部10および下部電極31上の全体に形成されることが好ましい。
図25に示す超音波アレイセンサ1aが製造される際には、図19に示す超音波アレイセンサ1aの製造工程の最初の段階に図26に示すように段差部101をベース部10となるシリコンの基板11に形成する工程が追加される(ステップS11a)。段差部101の形成は、例えば、フォトリソグラフィ法により基板11上の段差部101となる領域にレジスト膜が形成され、異方性エッチングの後にレジスト膜を剥離することにより図27に例示するようにエッジ部分が傾斜面102とされた段差部101が形成される。
段差部101のエッジは基板11の主面に対して垂直に形成されてもよいが、下部電極31、圧電膜41および上部電極51を段差部101の上面と他の部分とにおいて容易に連続的に形成するには(すなわち、圧電膜41におけるクラックの発生や電極用の配線の形成不良を防止するには)傾斜面102が設けられることが好ましい。これにより、圧電膜41の特性劣化や超音波アレイセンサ1aの歩留まり低下を防止することができる。段差部101が設けられる場合、圧電膜41の形成に際してはスパッタリングやCVDが利用される。
ベース部10上に段差部101を形成することにより、図25に示す共鳴空洞60の容積は、図19に示すセンサ素子100の共鳴空洞60の容積よりも小さくなる。その結果、図19に示すセンサ素子100と図25に示すセンサ素子100とにおいて、共鳴空洞形成部6の形状を共通としつつ共鳴空洞60の共振周波数を異なるものとすることができる。
例えば、発信側において超音波の周波数を変更する場合、受信側である超音波アレイセンサ1a(の各センサ素子100)の共振周波数を変更する必要が生じる。ここで、共鳴空洞の深さを変更することが困難である場合、共鳴空洞の側方への広がり(例えば、共鳴空洞が円柱状である場合には内径)を変更しなければならないが、このような変更のためには共鳴空洞形成部6を製作する際のマスクを変更する等の高価なプロセス変更が必要となる。
これに対して、図25に示す超音波アレイセンサ1aでは段差部101の高さを変更するのみで(エッチングにより段差部101が形成される場合はエッチング量を変更するのみで)共鳴空洞60の共振周波数を変更することができるため、発信側の超音波の周波数に合わせて受信側の共振周波数を容易に変更することが実現される。
図28は段差部を形成する他の手法を説明するための図である。図28ではガラス板であるベース部10にシリコンの板を陽極接合することにより、段差部101aが形成される。なお、図28に示すベース部10を用いて製造される超音波アレイセンサは、ベース部10の材質および段差部101aの形状が異なるという点を除いて図25に示す超音波アレイセンサ1aと同様である。図28に示すように接合により段差部101aを形成することにより、段差部を安価に形成することができる。
図29は、超音波アレイセンサ1aのセンサ素子100の他の例を示す断面図である。図29に示すセンサ素子100は、ベース部10上に絶縁層21および振動検出層40が設けられ、振動検出層40上に共鳴空洞形成部6が接着されるという点で図19に示す超音波アレイセンサ1aと同様の構造となっているが、共鳴空洞60の内側面60cが共鳴空洞形成部6の上側の主面6a(下側の主面であってもよい。)に対して垂直であるという点で相違している。これにより、共鳴空洞60の形状が簡素化され、共鳴空洞60の容積を容易に求めることが可能となる。
図29に示す共鳴空洞形成部6が製作される際には、まず、シリコンの基板61にICP等の等方性のドライエッチングにより内側面60cを有する貫通孔が形成され、その後、小さな開口60bが形成されたガラスの開口板62が位置決めされつつ基板61に陽極接合される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
超音波アレイセンサ1,1aにおいて、センサ素子100は十字状以外の配列とされてもよく、より高精度な超音波アレイセンサを形成するには、センサ素子がマトリックス状に配列されることが好ましい。
上記実施の形態では複数の上部電極51が電気的に接続され、下部電極31が独立して設けられるが、複数の下部電極31を接続して上部電極51が互いに独立していてもよい。また、上部電極51および下部電極31のそれぞれが、互いに独立して設けられてもよい。圧電膜41も素子形成領域71毎に独立して設けられてもよい。なお、素子形成領域71と凹部12または貫通孔63とは正確に対応する必要はなく、各素子形成領域71は各センサ素子100におよそ対応する領域を定めるにすぎない。
上記実施の形態にて説明した超音波アレイセンサ1,1aのセンサ素子100は、単独の超音波センサとして製作されて使用されてもよい。この場合においても、超音波センサの開口および容積が所定の大きさとなるように容易に精度よく共鳴空洞を形成することができるため、超音波センサの共振周波数を容易に所望の値とすることが実現される。
従来の超音波アレイセンサを示す断面図である。 第1の実施の形態に係る超音波アレイセンサを示す断面図である。 超音波アレイセンサの製造工程の流れを示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの他の製造工程の流れの一部を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの他の例を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る超音波アレイセンサを示す断面図である。 超音波アレイセンサの製造工程の流れの一部を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 共鳴空洞形成部を示す断面図である。 共鳴空洞形成部の他の例を示す断面図である。 超音波アレイセンサを示す平面図である。 超音波アレイセンサの他の例を示す断面図である。 超音波アレイセンサの製造工程の流れの一部を示す図である。 段差部を有するベース部を示す断面図である。 段差部を有するベース部の他の例を示す断面図である。 超音波アレイセンサの他の例を示す断面図である。
符号の説明
1,1a 超音波アレイセンサ
6,14 共鳴空洞形成部
6a,14a 主面
10 ベース部
11a,61a 主面
12 凹部
13 開口板
31 下部電極
40 振動検出層
41 圧電膜
51 上部電極
60,140 共鳴空洞
60b,131 開口
60c,140a 内側面
63 貫通孔
71 素子形成領域
100 センサ素子
101,101a 段差部
S11a,S12〜S16,S16a,S16b,S18 ステップ

Claims (14)

  1. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、
    一の主面に向かって開口する複数の共鳴空洞を形成する板状の共鳴空洞形成部と、
    前記共鳴空洞形成部の他の主面上の少なくとも前記複数の共鳴空洞に対応する領域に設けられ、前記他の主面側から順に、第1電極、圧電膜および第2電極を有する振動検出層と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  2. 請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、
    前記共鳴空洞形成部が、
    主としてシリコンにより板状に形成されて前記振動検出層側に設けられ、前記一の主面側に向かって前記複数の共鳴空洞の開口よりも大きく開口する複数の凹部を有するベース部と、
    前記ベース部の前記一の主面側の面に取り付けられ、前記複数の共鳴空洞の開口となる複数の開口が形成された板部材と、
    を有することを特徴とする超音波アレイセンサ。
  3. 請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、
    主としてシリコンにより板状に形成されたベース部をさらに備え、
    前記ベース部上に、前記ベース部側からに順に、前記第2電極、前記圧電膜および前記第1電極が形成されており、
    前記共鳴空洞形成部が、前記複数の共鳴空洞の底部以外を形成する複数の貫通孔を有し、
    前記振動検出層が、前記複数の共鳴空洞の底部を形成することを特徴とする超音波アレイセンサ。
  4. 請求項3に記載の超音波アレイセンサであって、
    前記ベース部が、前記複数の共鳴空洞の底部に対向する領域上に、前記複数の共鳴空洞内に向かって突出する複数の段差部を有することを特徴とする超音波アレイセンサ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、
    前記複数の共鳴空洞のそれぞれの内側面が、前記共鳴空洞形成部の前記一の主面に対して垂直であることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、
    前記圧電膜が、強誘電体材料または有機圧電材料により形成されることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の超音波アレイセンサであって、
    前記圧電膜が、酸化亜鉛により形成されることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  8. 超音波を検出する超音波センサであって、
    一の主面に向かって開口する共鳴空洞を形成する板状の共鳴空洞形成部と、
    前記共鳴空洞形成部の他の主面上の少なくとも前記共鳴空洞に対応する領域に設けられ、前記他の主面側から順に、第1電極、圧電膜および第2電極を有する振動検出層と、
    を備えることを特徴とする超音波センサ。
  9. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、
    a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、
    b)前記複数の素子形成領域に対応する前記ベース部の他の主面上の複数の領域において複数の凹部を形成する工程と、
    c)前記複数の凹部に対向する位置に前記複数の凹部の開口よりも小さい複数の開口が形成された板部材を前記ベース部の前記他の主面に取り付ける工程と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  10. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、
    a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、
    b)前記複数の素子形成領域に対応する前記ベース部の他の主面上の複数の領域において複数の凹部を形成する工程と、
    c)前記ベース部の前記他の主面に板部材を取り付ける工程と、
    d)前記複数の凹部に連絡するとともに前記複数の凹部の開口よりも小さい複数の開口を前記板部材に形成する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  11. 請求項9または10に記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、
    前記板部材がガラスにより形成され、陽極接合により前記板部材が前記ベース部に接合されることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、
    前記複数の凹部がドライエッチングにより形成されることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  13. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、
    a)主としてシリコンにより形成されるベース部の一の主面上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記一の主面側から順に下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層を形成する工程と、
    b)一方の開口が反対側の開口よりも大きい複数の貫通孔が前記複数の素子形成領域に対応して形成された板状の共鳴空洞形成部を、前記一方の開口を前記振動検出層側に向けて前記振動検出層上に取り付ける工程と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  14. 請求項13に記載の超音波アレイセンサの製造方法であって、
    前記工程a)の前に、前記複数の素子形成領域において前記一の主面から突出する複数の段差部を形成する工程をさらに備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
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