JP2005051309A - スリット付伝送線路 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送線路の特性インピーダンスを容易に所望の値にする。
【解決手段】スリット付伝送線路では、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する信号線路1が設けられ、この信号線路1の周囲には、この信号線路1を取囲むように平板の第2の接地導体12が設けられている。この第2の接地導体12は、信号線路1とその全周において等間隔(間隔G)に、しかも平行に設けられている。また、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。このスリット31の寸法を変化させることにより伝送線路の特性インピーダンスを所望の値にする。
【選択図】 図2
【解決手段】スリット付伝送線路では、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する信号線路1が設けられ、この信号線路1の周囲には、この信号線路1を取囲むように平板の第2の接地導体12が設けられている。この第2の接地導体12は、信号線路1とその全周において等間隔(間隔G)に、しかも平行に設けられている。また、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。このスリット31の寸法を変化させることにより伝送線路の特性インピーダンスを所望の値にする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送線路に係わり、特に高速・高周波領域で容易に所望の特性インピーダンスが得られるスリット付伝送線路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化、高集積化、高速・高周波化が進行し、SiMMIC及びGaAsMMICの上層部にストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路等の信号線路が設けられている。
【0003】
更に、従来の高周波信号の伝送ばかりでなく、最近のデジタル信号の高速化に伴い、光通信等のモジュールにも高速デジタル信号を伝送する目的でストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路等を有する伝送線路基板を使用する場合が増えてきている。
【0004】
この種の伝送線路は、図11に示すものが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。図11は、コプレーナ型伝送線路を示す断面図である。
【0005】
図11に示すように、この非特許文献1に開示された伝送線路は、誘電体121層の下面に第1の接地導体111が形成され、上面に高周波信号或いは高速デジタル信号を伝送する信号線路101と、この信号線路101の両側に等距離に設けられた第2の接地導体112a、112bがそれぞれ形成されている。
【0006】
この伝送線路を設計する場合、最も重要なパラメータである特性インピーダンスを得るために、誘電体層121の高さ(H)及び比誘電率(εr)と、信号線路101の幅W及び厚さTと、信号線路101と第2の接地導体112a、112bの間隔Gとをそれぞれ変化させて所定の特性インピーダンス値を得ている。
【0007】
ここで、特性インピーダンス大きさは、近似的には、誘電体層の高さ及び伝送線路と接地導体の間隔に比例し、伝送線路の幅及び厚さに反比例する。
【0008】
【非特許文献1】
相川正義、他著「モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)」、社団法人電子情報通信学会、平成9年1月25日、第34頁、図2.14
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した伝送線路おいては、信号線路の信号を送受する部品、例えば半導体集積回路等の端子形状、端子間隔、及び設置場所と、信号線路に使用する部品の形状、大きさと、信号線路の形成方法等により種々の制限を受ける。
【0010】
このため、所定の特性インピーダンスを得るには、誘電体層の高さ(H)及び比誘電率(εr)と、信号線路101の幅W及び厚さTと、信号線路101と第1の接地導体112a、112bの間隔Gとをそれぞれ自由に変化させることができない。
【0011】
従って、実際の伝送線路の設計では、所定の特性インピーダンスを得にくく、且つ入力反射係数(S11)、逆方向伝達係数(S12)等の良好なSパラメータ特性も得にくいという問題点を有している。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、信号線路の幅、厚さ及び間隔を変更せずに、所望の特性インピーダンスが容易に得られるスリット付伝送線路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のスリット付伝送線路は、相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、前記第2の誘電体層の第1主面に設けられた信号線路と、この信号線路の両側に等間隔に設けられた第2の接地導体と、前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体とを具備することを特徴とする。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他の態様のスリット付伝送線路は、相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第2の誘電体層の第1主面側にして積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、前記第2及び第3の誘電体層間に並置された第1及び第2の信号線路と、前記第3の誘電体層の第1主面に設けられた第2の接地導体と、前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記第1及び第2の信号線路と相対向する位置にそれぞれ第1及び第2のスリットを有する導体とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態のスリット付伝送線路について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、コプレーナ線路からなるスリット付伝送線路を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、
相対向する第1及び第2の主面を有する複数の積層した誘電体層を有する。ここでは、第1の誘電体層21の第1主面(上面)上に第2の誘電体層22を第2主面(下面)側にして積層している。
【0018】
この第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1が設けられ、この信号線路1の周囲には、この信号線1を取囲むように平板の第2の接地導体12が設けられている。この第2の接地導体12は、信号線1とその全周において等間隔(間隔G)に、しかも平行に設けられている。
【0019】
また、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0020】
ここでは、この第1、第2の接地導体11、12、及び導体13は、接地(グランド)として用いている。
【0021】
なお、信号線路1の他の部品との接続、第1の接地導体11直下に設けられた信号線路1以外の信号線、制御信号線、電源線、及び第1、第2の接地導体11、12以外の接地導体については、図示及び説明を省略している。
【0022】
そして、ここでは、信号線路1の幅Wは0.5mm、厚さTは、50μmであり、第2の接地導体12は、伝送線路1との間隔Gが0.25mm、厚さが50μmである。第1の接地導体11及び導体13の厚さは、35μmである。第1の誘電体層21は、0.1mm、第2の誘電体層22の厚さは、0.3mmである。
【0023】
なお、信号線路1、接地導体11、12、及び導体13は、良熱伝導率で、低抵抗のCu(銅)を用いている。そして、第1及び第2の誘電体層21、22は、比誘電率3.8及び誘電正接0.004のBT(ビスマレイド・トリアジン)レジン(R)を用いているが、比誘電率及び誘電正接の優れたテフロン(R)及びガラスエポキシ系等の材料を用いてもよい。
【0024】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、信号線路と接地導体の間隔G、及び導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。なお、信号線路の特性インピーダンスに対する誘電体層の高さ(H)依存性は、ストリップ線路及びマイクロストリップ線路と比較して小さい。
【0025】
そして、信号線路1直下の導体13にスリット31を設けると信号線路1の特性インピーダンス及び結合度を調整できるが、逆に放射電界強度が大きくなる。本実施の形態では、第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設けているので放射電界強度を低下させることができる。
【0026】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0027】
例えば、信号線路1の特性インピーダンスを半導体集積回路等で通常用いられているインピーダンス値50Ωより若干高めの値に設計してから、スリット幅Wsを微調整(狭くして)し、特性インピーダンスを下げ所望の特性インピーダンス(50Ω)にするのがよい。
【0028】
次に、導体のスリット幅に対する伝送線路特性について図3を参照して説明する。図3は、10GHzの正弦波信号での伝送線路の特性インピーダンスと導体のスリット幅の関係を示す特性図、図4は10GHzの正弦波信号での伝送線路の入力反射係数と導体のスリット幅の関係を示す特性図である。
【0029】
図3に示すように、特性インピーダンスの値は、導体13のスリット幅Wsが0乃至1mmの範囲で急激に変化し、1mm以上の領域では飽和する。この特性図から明白なように、導体13のスリット幅Wsを変化させることにより、所定の特性インピーダンス50Ωに調整でき、特性インピーダンス50Ωを満足する値は導体13のスリット幅wsが0.48mmの場合である。
【0030】
そして、図4に示すように、入力反射係数(S11)は、導体13のスリット幅Wsが0乃至0.48mmの範囲で急激に減少し、0.48mmで―60dBと一番小さな値を示し、一方、導体13のスリット幅Wsが0.48mm乃至1mmの範囲で急激に増加し、1mm以上で飽和する。
【0031】
この特性図から明白なように、伝送線路を所定のインピーダンス(50Ω)に調整にすれば良好な入力反射係数(S11)が得られることがわかる。
【0032】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1及び第2の誘電体層21、22間に設けた導体13の信号線路1の直下部分にスリット31を信号線路1に対して対向配置し、このスリット31の幅を変化させて所望の特性インピーダンスを得ているので、従来の伝送線路の設計と比べ設計の自由度が向上する。
【0033】
従って、伝送線路の特性インピーダンスを決めるパラメータである信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と第2の接地導体12の間隔G、及び誘電体層の高さ(H)等の値を、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して設計できるので、設計期間の短縮化が可能となる。そして、伝送線路を用いたモジュール、SiMMIC、及びGaAsMMICの小型化が可能となる。
【0034】
更に、第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設けているので、第1の接地導体11直下に設けられる信号線路1以外の信号線、制御信号線、電源線等との干渉が抑制できる。
【0035】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、本発明の第1の実施の形態の変形例に係わるスリット付伝送線路について、図5及び図6を参照して説明する。図5は第1の変形例のスリット付伝送線路を示す平面図、図6は第2の変形例のスリット付伝送線路を示す平面図である。
【0036】
この変形例は、第1の実施の形態のスリット31の形状を変更したものである。即ち、図5に示すように、第1の変形例では、導体13のスリット31aは、幅WのL型の信号線路1の一部領域の直下部分に、信号線路1の幅Wよりも広いスリット幅Wsで、スリット長Lsを有し、且つ信号線路1と平行に設けられている。
【0037】
そして、上記伝送線路は、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31a幅Ws、及びスリット31a長Lsの寸法をそれぞれ変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンスにする。ここで、スリット31aは、信号線路1の直線部分に配置するのが好ましい。
【0038】
また、図6に示すように、第2の変形例では、スリット31bは、2枚の別個の導体13a、13b(斜線部)を並置することによって、幅WのL型の信号線路1の直下部分に、信号線路1と平行に、且つスリット幅Wsに設けている。また、接地導体12a、12bは、スリット31bのスリット幅Wsと間隔Gの2倍の和分だけ離間し、対向して形成している。
【0039】
そして、上記伝送線路は、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31bの幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0040】
上述したように、本実施の形態に係る変形例のスリット付伝送線路においても、スリット31a、31bが信号線路1の直下部分にこれと対向して、しかも平行に設けられているので、このスリット31bのスリット幅Ws、又はスリット31aのスリット幅Ws及びスリット長Lsをそれぞれ変化させて所望の特性インピーダンスが得られる。
【0041】
また、第2の変形例では、導体13a、13bはスリット31bの幅Wsで分離され、接地導体12a、12bはスリット31bのスリット幅Wsと間隔Gの2倍の和分だけ離間して対向配置されているので、信号線路1と接続する部品、例えば半導体装置を信号線路1の近くに配置できる。このため、第1の実施の形態よりも伝送線路を用いたモジュール等の小型化ができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図7を参照して説明する。図7はストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0043】
本実施の形態では、第1の実施の形態の第2の接地導体及び誘電体層の構成を変更した点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0044】
図7に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の誘電体層21の第1主面(上面)上に第2の誘電体層22を第2主面(下面)側にして積層し、第2の誘電体層22の第1主面(上面)上に第3の誘電体層23を第2主面(下面)側にして積層している。
【0045】
そして、第3の誘電体層23の上面には、第2の接地導体12cが形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1のみが設けられている。
【0046】
なお、第1の実施の形態と同様に、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成され、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0047】
ここでは、スリット31を有する導体13を第1及び第2の誘電体層21、22の間に形成しているが、第3の誘電体23中に形成してもよい。この場合には、スリット31を有する導体13が信号線路1の真上に誘電体層を介して形成されることになる。
【0048】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。
【0049】
そして、信号線路1直下の導体13にスリット31を設けると信号線路1の特性インピーダンス及び結合度を調整できるが、逆に放射電界強度が大きくなるので、本実施の形態では第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設け、更に、第3の誘電体層23上面に平板の第2の接地導体12cを設け放射電界強度を低下させている。
【0050】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22、及び23の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0051】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の実施の形態による効果の他に、伝送線路2の特性インピーダンスの値を調整できるスリット幅Wsのスリット31を、誘電体を介して伝送線路1の上面或いは下面に形成できるので、第1の実施の形態よりも伝送線路の設計の自由度が向上する。
【0052】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図8を参照して説明する。図8はマイクロストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0053】
本実施の形態では、第1の実施の形態の第2の接地導体12を削除したもので、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0054】
図8に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1のみが設けられている。
【0055】
そして、第1の実施の形態と同様に、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0056】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。
【0057】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0058】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の実施の形態による効果の他に、構造及び伝送線路の形成プロセスがシンプルであり第1の実施の形態よりも伝送線路を用いたモジュール、SiMMIC、及びGaAsMMICを安価にできる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係わる及びスリット付伝送線路について、図9を参照して説明する。図9は、V字型マイクロストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0060】
本実施の形態では、第3の実施の形態の信号線路1及び誘電体22の構成を変更した点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0061】
図9に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、V字型の溝4が形成され、この溝4表面に10GHzの正弦波信号を伝送するV字型の信号線路1aが設けられている。
【0062】
そして、第3の実施の形態と同様に、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成され、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1aの直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0063】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0064】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面にV字型溝4を設けてこの溝4表面にV字型信号線路1を設けるため、第1及び3の実施の形態による効果の他に、同じ信号線路幅の場合に平板の信号線路よりも実質の信号線路幅を広くすることができるので、第1及び3の実施の形態よりも低損失化が図れる。
【0065】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図10を参照して説明する。図10は、両相信号を伝送するストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。 本実施の形態では、第2の実施の形態の信号線路に伝送する信号及びスリットの構成の点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0066】
上記両相信号は、低EMI(Electromagnetic Interference)化、低消費電力化、及び低ノイズ化が図れるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)TIA/EIA−644規格の高速デジタル信号である。
【0067】
図10に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、第1の信号線路5a、及び第2の信号線路5bの対と、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bの対が設けられ、第1及び第2の誘電体層21、22間には、第1、第2、第3及び第4の信号線路5a、5b、5c、5dの各直下、即ち各信号線路に相対向する位置にスリット幅Wsの第1のスリット32a、第2のスリット32b、第3のスリット33a、及び第4のスリット33bをそれぞれ有する導体13cが設けられている。
【0068】
第1の信号線路5aは第1番目の高速デジタル信号を伝送し(CH1Pと表示)、第2の信号線路5bは第1の信号線路5aとは逆位相の第1番目の高速デジタル信号を伝送し(CH1Nと表示)、第3の信号線路6aは第2番目の高速デジタル信号を伝送し(CH2Pと表示)、第4の信号線路6bは第3の信号線路6aとは逆位相の第2番目の高速デジタル信号を伝送する(CH2Nと表示)。
【0069】
なお、第2番目の以降の高速デジタル信号を伝送する両相信号を伝送する信号線路については説明を省略する。
【0070】
そして、第1の信号線路5a及び第2の信号線路5bの対、第3の信号線路6a及び第4の信号線路6bの対においては、各対内の信号線路はそれぞれ両相信号線路間隔Cで隔てられ、信号線路対と信号線路対の信号線路間は、信号線路間隔Dで隔てられている。この信号線路間隔Dは、両相信号を伝送する信号線路間のクロストークを抑制するために両相信号線路間隔Cよりも大きくした方がよい。
【0071】
第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bは、信号線路を伝送する高速デジタル信号を受信或いは信号線路へ高速デジタル信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路の幅Wと厚さT、両相信号線路間隔C、信号線路間隔D、及び誘電体層の高さ(H)を所定の範囲内で変化させておおよその特性インピーダンス値にする。
【0072】
その後に第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6b直下に設けられた導体13dのスリットの幅Wsの寸法をそれぞれ変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンスにする。
【0073】
ここで、第1のスリット32a、第2のスリット32b、第3のスリット33a、第4のスリット33bの位置は、第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6b直下に形成され、導体13c内に設けられたスリットの幅Wsを同一にしているが、隣接する他の信号線路や接地導体を考慮して適宜位置及び幅を変更してもよい。
【0074】
また、第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bの特性インピーダンスを所望の値にするためにスリット32a、32b、33a、33bを第1の誘電体層21上面に形成しているが、第3の誘電体層23中に設けてもよい。
【0075】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1及び2の実施の形態による効果の他に、誘電体層を介して両相信号線路の直下に形成された導体13cにスリットを設け、このスリット幅Wsを適宜変更し信号線路の特性インピーダンスを所望の値にしているので、従来よりも両相信号線路間隔C及び信号線路間隔Dを最適にする設計期間を短縮化できる。そして、両相の高速デジタル信号を伝送する信号線路を用いたモジュール及び半導体集積回路の小型化が可能となる。
【0076】
更に、両相のデジタル信号を伝送する信号線路を用いているので、信号レベルを低電圧化でき、モジュール及び半導体集積回路の低消費電力化、低ノイズ化、及び低EMI化ができる。
【0077】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更して実施してもよい。
【0078】
例えば、第1の実施の形態に係る変形例を第2乃至第5の実施の形態に適用してもよい。
【0079】
また、第1乃至4の実施の形態では、誘電体層上面に信号を伝送する信号線路を1本設けているが、所定間隔で同一誘電体層上面に複数本設けてもよい。
【0080】
更に、第1乃至5の実施の形態では、スリットを有する導体を接地(グランド)として用いているが、信号を伝送する2本の信号線路として用いてもよい。
【0081】
そして、スリット幅Wsを適宜変更し信号線路の特性インピーダンスを所望の値にした伝送線路は、光通信、移動体端末、携帯電話基地局等に用いられる樹脂製又はセラミック製基板に適用できる。
【0082】
更に、GaAsMMIC及びSiMMICの多層配線部分に設けられる伝送線路にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の特性インピーダンスが容易に得られるスリット付伝送線路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路の特性インピーダンスと導体のスリット幅の関係を示す特性図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路の入力反射係数と導体のスリット幅の関係を示す特性図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図11】従来の伝送線路を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、5a、5b、6a、6b、101 信号線路
4 溝
11、111 第1の接地導体
12、12a、12b、12c、112a、112b 第2の接地導体
13、13a、13b、13c 導体
21 第1の誘電体層
22 第2の誘電体層
23 第3の誘電体層
31、31a、31b、32a、32b、33a、33b スリット
121 誘電体層
C 両相信号線路間隔
D 信号線路間隔
G 信号線路と接地導体の間隔
Ls 導体のスリット長
T 信号線路の厚さ
W 信号線路の幅
Ws 導体のスリット幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送線路に係わり、特に高速・高周波領域で容易に所望の特性インピーダンスが得られるスリット付伝送線路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化、高集積化、高速・高周波化が進行し、SiMMIC及びGaAsMMICの上層部にストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路等の信号線路が設けられている。
【0003】
更に、従来の高周波信号の伝送ばかりでなく、最近のデジタル信号の高速化に伴い、光通信等のモジュールにも高速デジタル信号を伝送する目的でストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレーナ線路等を有する伝送線路基板を使用する場合が増えてきている。
【0004】
この種の伝送線路は、図11に示すものが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。図11は、コプレーナ型伝送線路を示す断面図である。
【0005】
図11に示すように、この非特許文献1に開示された伝送線路は、誘電体121層の下面に第1の接地導体111が形成され、上面に高周波信号或いは高速デジタル信号を伝送する信号線路101と、この信号線路101の両側に等距離に設けられた第2の接地導体112a、112bがそれぞれ形成されている。
【0006】
この伝送線路を設計する場合、最も重要なパラメータである特性インピーダンスを得るために、誘電体層121の高さ(H)及び比誘電率(εr)と、信号線路101の幅W及び厚さTと、信号線路101と第2の接地導体112a、112bの間隔Gとをそれぞれ変化させて所定の特性インピーダンス値を得ている。
【0007】
ここで、特性インピーダンス大きさは、近似的には、誘電体層の高さ及び伝送線路と接地導体の間隔に比例し、伝送線路の幅及び厚さに反比例する。
【0008】
【非特許文献1】
相川正義、他著「モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)」、社団法人電子情報通信学会、平成9年1月25日、第34頁、図2.14
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した伝送線路おいては、信号線路の信号を送受する部品、例えば半導体集積回路等の端子形状、端子間隔、及び設置場所と、信号線路に使用する部品の形状、大きさと、信号線路の形成方法等により種々の制限を受ける。
【0010】
このため、所定の特性インピーダンスを得るには、誘電体層の高さ(H)及び比誘電率(εr)と、信号線路101の幅W及び厚さTと、信号線路101と第1の接地導体112a、112bの間隔Gとをそれぞれ自由に変化させることができない。
【0011】
従って、実際の伝送線路の設計では、所定の特性インピーダンスを得にくく、且つ入力反射係数(S11)、逆方向伝達係数(S12)等の良好なSパラメータ特性も得にくいという問題点を有している。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、信号線路の幅、厚さ及び間隔を変更せずに、所望の特性インピーダンスが容易に得られるスリット付伝送線路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のスリット付伝送線路は、相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、前記第2の誘電体層の第1主面に設けられた信号線路と、この信号線路の両側に等間隔に設けられた第2の接地導体と、前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体とを具備することを特徴とする。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他の態様のスリット付伝送線路は、相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第2の誘電体層の第1主面側にして積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、前記第2及び第3の誘電体層間に並置された第1及び第2の信号線路と、前記第3の誘電体層の第1主面に設けられた第2の接地導体と、前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記第1及び第2の信号線路と相対向する位置にそれぞれ第1及び第2のスリットを有する導体とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態のスリット付伝送線路について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、コプレーナ線路からなるスリット付伝送線路を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、
相対向する第1及び第2の主面を有する複数の積層した誘電体層を有する。ここでは、第1の誘電体層21の第1主面(上面)上に第2の誘電体層22を第2主面(下面)側にして積層している。
【0018】
この第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1が設けられ、この信号線路1の周囲には、この信号線1を取囲むように平板の第2の接地導体12が設けられている。この第2の接地導体12は、信号線1とその全周において等間隔(間隔G)に、しかも平行に設けられている。
【0019】
また、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0020】
ここでは、この第1、第2の接地導体11、12、及び導体13は、接地(グランド)として用いている。
【0021】
なお、信号線路1の他の部品との接続、第1の接地導体11直下に設けられた信号線路1以外の信号線、制御信号線、電源線、及び第1、第2の接地導体11、12以外の接地導体については、図示及び説明を省略している。
【0022】
そして、ここでは、信号線路1の幅Wは0.5mm、厚さTは、50μmであり、第2の接地導体12は、伝送線路1との間隔Gが0.25mm、厚さが50μmである。第1の接地導体11及び導体13の厚さは、35μmである。第1の誘電体層21は、0.1mm、第2の誘電体層22の厚さは、0.3mmである。
【0023】
なお、信号線路1、接地導体11、12、及び導体13は、良熱伝導率で、低抵抗のCu(銅)を用いている。そして、第1及び第2の誘電体層21、22は、比誘電率3.8及び誘電正接0.004のBT(ビスマレイド・トリアジン)レジン(R)を用いているが、比誘電率及び誘電正接の優れたテフロン(R)及びガラスエポキシ系等の材料を用いてもよい。
【0024】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、信号線路と接地導体の間隔G、及び導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。なお、信号線路の特性インピーダンスに対する誘電体層の高さ(H)依存性は、ストリップ線路及びマイクロストリップ線路と比較して小さい。
【0025】
そして、信号線路1直下の導体13にスリット31を設けると信号線路1の特性インピーダンス及び結合度を調整できるが、逆に放射電界強度が大きくなる。本実施の形態では、第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設けているので放射電界強度を低下させることができる。
【0026】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0027】
例えば、信号線路1の特性インピーダンスを半導体集積回路等で通常用いられているインピーダンス値50Ωより若干高めの値に設計してから、スリット幅Wsを微調整(狭くして)し、特性インピーダンスを下げ所望の特性インピーダンス(50Ω)にするのがよい。
【0028】
次に、導体のスリット幅に対する伝送線路特性について図3を参照して説明する。図3は、10GHzの正弦波信号での伝送線路の特性インピーダンスと導体のスリット幅の関係を示す特性図、図4は10GHzの正弦波信号での伝送線路の入力反射係数と導体のスリット幅の関係を示す特性図である。
【0029】
図3に示すように、特性インピーダンスの値は、導体13のスリット幅Wsが0乃至1mmの範囲で急激に変化し、1mm以上の領域では飽和する。この特性図から明白なように、導体13のスリット幅Wsを変化させることにより、所定の特性インピーダンス50Ωに調整でき、特性インピーダンス50Ωを満足する値は導体13のスリット幅wsが0.48mmの場合である。
【0030】
そして、図4に示すように、入力反射係数(S11)は、導体13のスリット幅Wsが0乃至0.48mmの範囲で急激に減少し、0.48mmで―60dBと一番小さな値を示し、一方、導体13のスリット幅Wsが0.48mm乃至1mmの範囲で急激に増加し、1mm以上で飽和する。
【0031】
この特性図から明白なように、伝送線路を所定のインピーダンス(50Ω)に調整にすれば良好な入力反射係数(S11)が得られることがわかる。
【0032】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1及び第2の誘電体層21、22間に設けた導体13の信号線路1の直下部分にスリット31を信号線路1に対して対向配置し、このスリット31の幅を変化させて所望の特性インピーダンスを得ているので、従来の伝送線路の設計と比べ設計の自由度が向上する。
【0033】
従って、伝送線路の特性インピーダンスを決めるパラメータである信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と第2の接地導体12の間隔G、及び誘電体層の高さ(H)等の値を、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して設計できるので、設計期間の短縮化が可能となる。そして、伝送線路を用いたモジュール、SiMMIC、及びGaAsMMICの小型化が可能となる。
【0034】
更に、第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設けているので、第1の接地導体11直下に設けられる信号線路1以外の信号線、制御信号線、電源線等との干渉が抑制できる。
【0035】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、本発明の第1の実施の形態の変形例に係わるスリット付伝送線路について、図5及び図6を参照して説明する。図5は第1の変形例のスリット付伝送線路を示す平面図、図6は第2の変形例のスリット付伝送線路を示す平面図である。
【0036】
この変形例は、第1の実施の形態のスリット31の形状を変更したものである。即ち、図5に示すように、第1の変形例では、導体13のスリット31aは、幅WのL型の信号線路1の一部領域の直下部分に、信号線路1の幅Wよりも広いスリット幅Wsで、スリット長Lsを有し、且つ信号線路1と平行に設けられている。
【0037】
そして、上記伝送線路は、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31a幅Ws、及びスリット31a長Lsの寸法をそれぞれ変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンスにする。ここで、スリット31aは、信号線路1の直線部分に配置するのが好ましい。
【0038】
また、図6に示すように、第2の変形例では、スリット31bは、2枚の別個の導体13a、13b(斜線部)を並置することによって、幅WのL型の信号線路1の直下部分に、信号線路1と平行に、且つスリット幅Wsに設けている。また、接地導体12a、12bは、スリット31bのスリット幅Wsと間隔Gの2倍の和分だけ離間し、対向して形成している。
【0039】
そして、上記伝送線路は、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、信号線路1と接地導体12の間隔G、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31bの幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0040】
上述したように、本実施の形態に係る変形例のスリット付伝送線路においても、スリット31a、31bが信号線路1の直下部分にこれと対向して、しかも平行に設けられているので、このスリット31bのスリット幅Ws、又はスリット31aのスリット幅Ws及びスリット長Lsをそれぞれ変化させて所望の特性インピーダンスが得られる。
【0041】
また、第2の変形例では、導体13a、13bはスリット31bの幅Wsで分離され、接地導体12a、12bはスリット31bのスリット幅Wsと間隔Gの2倍の和分だけ離間して対向配置されているので、信号線路1と接続する部品、例えば半導体装置を信号線路1の近くに配置できる。このため、第1の実施の形態よりも伝送線路を用いたモジュール等の小型化ができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図7を参照して説明する。図7はストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0043】
本実施の形態では、第1の実施の形態の第2の接地導体及び誘電体層の構成を変更した点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0044】
図7に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の誘電体層21の第1主面(上面)上に第2の誘電体層22を第2主面(下面)側にして積層し、第2の誘電体層22の第1主面(上面)上に第3の誘電体層23を第2主面(下面)側にして積層している。
【0045】
そして、第3の誘電体層23の上面には、第2の接地導体12cが形成されている。第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1のみが設けられている。
【0046】
なお、第1の実施の形態と同様に、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成され、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0047】
ここでは、スリット31を有する導体13を第1及び第2の誘電体層21、22の間に形成しているが、第3の誘電体23中に形成してもよい。この場合には、スリット31を有する導体13が信号線路1の真上に誘電体層を介して形成されることになる。
【0048】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。
【0049】
そして、信号線路1直下の導体13にスリット31を設けると信号線路1の特性インピーダンス及び結合度を調整できるが、逆に放射電界強度が大きくなるので、本実施の形態では第1の誘電体層21下面に平板の第1の接地導体11を設け、更に、第3の誘電体層23上面に平板の第2の接地導体12cを設け放射電界強度を低下させている。
【0050】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22、及び23の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0051】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の実施の形態による効果の他に、伝送線路2の特性インピーダンスの値を調整できるスリット幅Wsのスリット31を、誘電体を介して伝送線路1の上面或いは下面に形成できるので、第1の実施の形態よりも伝送線路の設計の自由度が向上する。
【0052】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図8を参照して説明する。図8はマイクロストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0053】
本実施の形態では、第1の実施の形態の第2の接地導体12を削除したもので、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0054】
図8に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、10GHzの正弦波信号を伝送する幅WのL型の信号線路1のみが設けられている。
【0055】
そして、第1の実施の形態と同様に、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1の直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0056】
ここで、伝送線路の特性インピーダンスの大きさは、近似的には、誘電体層の高さ(H)、導体のスリット幅Wsに比例し、信号線路の幅W及び厚さTに反比例する。
【0057】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0058】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1の実施の形態による効果の他に、構造及び伝送線路の形成プロセスがシンプルであり第1の実施の形態よりも伝送線路を用いたモジュール、SiMMIC、及びGaAsMMICを安価にできる。
【0059】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係わる及びスリット付伝送線路について、図9を参照して説明する。図9は、V字型マイクロストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。
【0060】
本実施の形態では、第3の実施の形態の信号線路1及び誘電体22の構成を変更した点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0061】
図9に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、V字型の溝4が形成され、この溝4表面に10GHzの正弦波信号を伝送するV字型の信号線路1aが設けられている。
【0062】
そして、第3の実施の形態と同様に、第1の誘電体層21の下面には、第1の接地導体11が形成され、第1及び第2の誘電体層21、22間には、信号線路1aの直下、即ち相対向する位置にスリット幅Wsのスリット31を有する平板の導体13が形成されている。
【0063】
伝送線路は、信号線路1の信号を受信或いは信号線路へ信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路1の幅Wと厚さT、及び誘電体層21、22の高さ(H)を所定の範囲内でそれぞれ変化させて、おおよその特性インピーダンスにする。その後にスリット31の幅Wsの寸法を変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンス値にする。
【0064】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面にV字型溝4を設けてこの溝4表面にV字型信号線路1を設けるため、第1及び3の実施の形態による効果の他に、同じ信号線路幅の場合に平板の信号線路よりも実質の信号線路幅を広くすることができるので、第1及び3の実施の形態よりも低損失化が図れる。
【0065】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係わるスリット付伝送線路について、図10を参照して説明する。図10は、両相信号を伝送するストリップ線路からなるスリット付伝送線路を示す断面図である。 本実施の形態では、第2の実施の形態の信号線路に伝送する信号及びスリットの構成の点で異なり、それ以外の構成については同一であり、以下異なる点のみ説明する。
【0066】
上記両相信号は、低EMI(Electromagnetic Interference)化、低消費電力化、及び低ノイズ化が図れるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)TIA/EIA−644規格の高速デジタル信号である。
【0067】
図10に示すように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第2の誘電体層22の上面には、第1の信号線路5a、及び第2の信号線路5bの対と、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bの対が設けられ、第1及び第2の誘電体層21、22間には、第1、第2、第3及び第4の信号線路5a、5b、5c、5dの各直下、即ち各信号線路に相対向する位置にスリット幅Wsの第1のスリット32a、第2のスリット32b、第3のスリット33a、及び第4のスリット33bをそれぞれ有する導体13cが設けられている。
【0068】
第1の信号線路5aは第1番目の高速デジタル信号を伝送し(CH1Pと表示)、第2の信号線路5bは第1の信号線路5aとは逆位相の第1番目の高速デジタル信号を伝送し(CH1Nと表示)、第3の信号線路6aは第2番目の高速デジタル信号を伝送し(CH2Pと表示)、第4の信号線路6bは第3の信号線路6aとは逆位相の第2番目の高速デジタル信号を伝送する(CH2Nと表示)。
【0069】
なお、第2番目の以降の高速デジタル信号を伝送する両相信号を伝送する信号線路については説明を省略する。
【0070】
そして、第1の信号線路5a及び第2の信号線路5bの対、第3の信号線路6a及び第4の信号線路6bの対においては、各対内の信号線路はそれぞれ両相信号線路間隔Cで隔てられ、信号線路対と信号線路対の信号線路間は、信号線路間隔Dで隔てられている。この信号線路間隔Dは、両相信号を伝送する信号線路間のクロストークを抑制するために両相信号線路間隔Cよりも大きくした方がよい。
【0071】
第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bは、信号線路を伝送する高速デジタル信号を受信或いは信号線路へ高速デジタル信号を送信する半導体集積回路等の部品の位置及び形状を考慮して、まず、信号線路の幅Wと厚さT、両相信号線路間隔C、信号線路間隔D、及び誘電体層の高さ(H)を所定の範囲内で変化させておおよその特性インピーダンス値にする。
【0072】
その後に第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6b直下に設けられた導体13dのスリットの幅Wsの寸法をそれぞれ変化させることにより特性インピーダンスを調整し、所望の特性インピーダンスにする。
【0073】
ここで、第1のスリット32a、第2のスリット32b、第3のスリット33a、第4のスリット33bの位置は、第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6b直下に形成され、導体13c内に設けられたスリットの幅Wsを同一にしているが、隣接する他の信号線路や接地導体を考慮して適宜位置及び幅を変更してもよい。
【0074】
また、第1の信号線路5a、第2の信号線路5b、第3の信号線路6a、及び第4の信号線路6bの特性インピーダンスを所望の値にするためにスリット32a、32b、33a、33bを第1の誘電体層21上面に形成しているが、第3の誘電体層23中に設けてもよい。
【0075】
上述したように、本実施の形態のスリット付伝送線路では、第1及び2の実施の形態による効果の他に、誘電体層を介して両相信号線路の直下に形成された導体13cにスリットを設け、このスリット幅Wsを適宜変更し信号線路の特性インピーダンスを所望の値にしているので、従来よりも両相信号線路間隔C及び信号線路間隔Dを最適にする設計期間を短縮化できる。そして、両相の高速デジタル信号を伝送する信号線路を用いたモジュール及び半導体集積回路の小型化が可能となる。
【0076】
更に、両相のデジタル信号を伝送する信号線路を用いているので、信号レベルを低電圧化でき、モジュール及び半導体集積回路の低消費電力化、低ノイズ化、及び低EMI化ができる。
【0077】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更して実施してもよい。
【0078】
例えば、第1の実施の形態に係る変形例を第2乃至第5の実施の形態に適用してもよい。
【0079】
また、第1乃至4の実施の形態では、誘電体層上面に信号を伝送する信号線路を1本設けているが、所定間隔で同一誘電体層上面に複数本設けてもよい。
【0080】
更に、第1乃至5の実施の形態では、スリットを有する導体を接地(グランド)として用いているが、信号を伝送する2本の信号線路として用いてもよい。
【0081】
そして、スリット幅Wsを適宜変更し信号線路の特性インピーダンスを所望の値にした伝送線路は、光通信、移動体端末、携帯電話基地局等に用いられる樹脂製又はセラミック製基板に適用できる。
【0082】
更に、GaAsMMIC及びSiMMICの多層配線部分に設けられる伝送線路にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の特性インピーダンスが容易に得られるスリット付伝送線路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路の特性インピーダンスと導体のスリット幅の関係を示す特性図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わるスリット付伝送線路の入力反射係数と導体のスリット幅の関係を示す特性図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係わるスリット付伝送線路を示す平面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係わるスリット付伝送線路を示す断面図。
【図11】従来の伝送線路を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a、5a、5b、6a、6b、101 信号線路
4 溝
11、111 第1の接地導体
12、12a、12b、12c、112a、112b 第2の接地導体
13、13a、13b、13c 導体
21 第1の誘電体層
22 第2の誘電体層
23 第3の誘電体層
31、31a、31b、32a、32b、33a、33b スリット
121 誘電体層
C 両相信号線路間隔
D 信号線路間隔
G 信号線路と接地導体の間隔
Ls 導体のスリット長
T 信号線路の厚さ
W 信号線路の幅
Ws 導体のスリット幅
Claims (9)
- 相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、前記第2の誘電体層の第1主面に設けられた信号線路と、
この信号線路の両側に等間隔に設けられた第2の接地導体と、
前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体と、
を具備することを特徴とするスリット付伝送線路。 - 前記スリット幅は、前記信号線路と前記第2の接地導体の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のスリット付伝送線路。
- 相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第2の誘電体層の第1主面側にして積層された第3の誘電体層と、
前記第2の誘電体層の第1主面に設けられた信号線路と、
前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、
前記第3の誘電体層の第1主面に設けられた第2の接地導体と、
前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体と、
を具備することを特徴とするスリット付伝送線路。 - 相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、
前記第2の誘電体層の第1主面に設けられた信号線路と、
前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体と、
を具備することを特徴とするスリット付伝送線路。 - 相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、
前記第2の誘電体層の第1主面に形成された溝に設けられた信号線路と、
前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記信号線路と相対向する位置にスリットを有する導体と、
を具備することを特徴とするスリット付伝送線路。 - 前記スリットは、前記信号線路と平行に設けられていることを特徴とする請求項1、3、4、又は5記載のスリット付伝送線路。
- 相対向する第1及び第2主面を有する第1の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第1の誘電体層の第1主面側にして積層された第2の誘電体層と、
相対向する第1及び第2主面を有し、且つこの第2主面を前記第2の誘電体層の第1主面側にして積層された第3の誘電体層と、
前記第1の誘電体層の第2主面に設けられた第1の接地導体と、
前記第2及び第3の誘電体層間に並置された第1及び第2の信号線路と、
前記第3の誘電体層の第1主面に設けられた第2の接地導体と、
前記第1及び第2の誘電体層間に設けられ、且つ前記第1及び第2の信号線路と相対向する位置にそれぞれ第1及び第2のスリットを有する導体と、
を具備することを特徴とするスリット付伝送線路。 - 前記第1及び第2スリットは、前記第1及び第2の伝送線路と平行に設けられていることを特徴とする請求項7記載のスリット付伝送線路。
- 前記第2の信号線路は、前記第1の信号線路を伝送する信号とは逆位相の信号を伝送することを特徴とする請求項7又は8記載のスリット付伝送線路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203090A JP2005051309A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | スリット付伝送線路 |
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JP2003203090A JP2005051309A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | スリット付伝送線路 |
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JP2003203090A Pending JP2005051309A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | スリット付伝送線路 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009206262A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Rohm Co Ltd | 半導体集積回路 |
JP2015103833A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-06-04 | 日本電信電話株式会社 | マイクロストリップ線路 |
-
2003
- 2003-07-29 JP JP2003203090A patent/JP2005051309A/ja active Pending
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