JP2005050980A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スルーホールの先鋭部に丸みを持たせて絶縁樹脂の充填性をよくし、樹脂絶縁層でのクラックやボイドの発生を抑制し得る配線基板と、生産効率の低下を抑制し、製品歩留まりのよい配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】エッチングレジスト層21R’が形成された金属板4を連続的又は間欠的に水平方向に搬送し、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70からエッチング液を噴霧させて溶解除去する。その後、エッチングレジスト層21R’を剥離すると、金属板4には、スルーホール9が形成される。スルーホール9の内壁面には、先鋭部18,28,38を被覆するように所定厚さの銅めっき層25が形成され、銅めっき層25により先鋭部18,28,38の先端に丸みが付与される。
【選択図】 図4
【解決手段】エッチングレジスト層21R’が形成された金属板4を連続的又は間欠的に水平方向に搬送し、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70からエッチング液を噴霧させて溶解除去する。その後、エッチングレジスト層21R’を剥離すると、金属板4には、スルーホール9が形成される。スルーホール9の内壁面には、先鋭部18,28,38を被覆するように所定厚さの銅めっき層25が形成され、銅めっき層25により先鋭部18,28,38の先端に丸みが付与される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱放散性の改善を主な目的として金属板を芯材として備えた配線基板が用いられ、パワートランジスタなどの発熱の大きい部品を搭載する配線板として採用される場合がある。そして、このような配線基板の製造工程において、芯材としての金属板(メタルコア基板)の所定位置にスルーホールを設ける場合に、特許文献1に示すようにエッチング処理が行なわれることがある。その際、スプレー方式でエッチングを行なえば、ワークを連続的又は間欠的に搬送しながらスプレーノズルからエッチング液を噴霧してスルーホールを形成することで生産効率を高めコストダウンを図ることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−189536号公報(段落0013)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、スプレー方式のエッチングでは、金属板の表裏方向に円柱状に貫通形成されるスルーホールへのエッチング液の浸透速度(エッチング速度)を一様に揃えるのが困難な場合がある。その結果、例えば、円柱状のスルーホールは、その軸線を含む断面において、金属板の表面と接合する縁部及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径して先鋭部を形成するおそれがある。スルーホールにそのような先鋭部が形成されると、スルーホールの内壁面を覆うための樹脂絶縁層にクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生して絶縁不良を生じやすくなる。
【0005】
本発明の課題は、スルーホールの先鋭部に丸みを持たせて絶縁樹脂の充填性をよくし、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制し得る配線基板を提供することにある。さらに、本発明の課題は、生産効率の低下を抑制し、製品歩留まりのよい配線基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、本発明の配線基板は、
芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、少なくとも前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の配線基板は、
芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする。
【0008】
これらの配線基板によれば、めっき層の先端曲率半径RPがスルーホールの先鋭部の先端曲率半径RSよりも大であるため先鋭部に丸みが付与され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性がよくなる。その結果、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制できるので、絶縁不良による誤動作等を防止できる。なお、擬似円柱には楕円柱等が含まれる。
【0009】
これらの配線基板のスルーホールの軸線を含む断面において、スルーホールの断面上での山と谷の最大高低差をHSmaxとし、めっき層の断面上での山と谷の最大高低差をHPmaxとしたとき、
HPmax≦HSmax
を満たしていることが望ましい。これにより、スルーホールに形成された山と谷の高低差が、それを覆うめっき層に形成される山と谷の高低差で緩和(縮小)されるので、スルーホールの内壁面が平滑化され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性の改善、ひいては絶縁不良の発生防止等の効果が一層向上する。
【0010】
また、スルーホールの軸線を含む断面において、スルーホールの最大内径をDSmax、その最小内径をDSminとし、めっき層の最大内径をDPmax、その最小内径をDPminとしたとき、
(DPmax−DPmin)≦(DSmax−DSmin)
を満たしていることが望ましい。これにより、上記と同様に、スルーホールに形成された山と谷の高低差(最大内径と最小内径との差)が、それを覆うめっき層に形成される山と谷の高低差(最大内径と最小内径との差)で緩和(縮小)されるので、スルーホールの内壁面が平滑化され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性の改善、ひいては絶縁不良の発生防止等の効果が一層向上する。
【0011】
このように、スルーホールの山と谷の最大高低差HSmaxでは半断面(半径方向)に着目しているのに対して、スルーホールの最大内径と最小内径との差DSmax−DSminでは全断面(直径方向)に着目している。したがって、通常の場合、DSmax−DSminはHSmaxのほぼ2倍の数値となる。めっき層についてのDPmax−DPminとHPmaxとの関係も同様である。
【0012】
そして、めっき層の厚さをTPとしたとき、
10μm≦TP≦100μm
を満たしていることが望ましい。より好ましくは、40μm≦TP≦60μmが推奨される。これにより、めっき層がスルーホールの内壁面全体にわたって確実に形成されることとなり、先鋭部に丸みを付与する機能及びスルーホールの内壁面を平滑化する機能が発揮されるので、絶縁樹脂の充填性がさらに向上する。ここで、めっき層の厚さTPが下限値未満では、スルーホールの内壁面で部分的にめっき層が形成されない事態、若しくは先鋭部への丸み付与機能及び/又はスルーホール内壁面平滑化機能が発揮されない事態が発生するおそれがある。一方、めっき層の厚さTPが上限値超では、めっき層の内壁面の凹凸が大きくなり、上記した先鋭部への丸み付与機能及び/又はスルーホール内壁面平滑化機能が相殺されるおそれがある。
【0013】
なお、上記した先鋭部は、金属板をスプレー方式でエッチングする場合、特に、金属板の表面側及び裏面側からエッチング液を噴霧して表裏方向に円柱状または擬似円柱状のスルーホールを貫通形成する際に、金属板の表面と接合する縁部及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径することにより形成されやすくなる。したがって、スプレー方式のエッチングによってスルーホールが形成され、そのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層が形成された配線基板及びその製造方法において、以上に述べた効果も発揮されやすい。
【0014】
このような配線基板は、金属板の表面及び裏面を被覆する平面部と、めっき層の内壁面を覆う筒状部とを含む樹脂絶縁層と、表面側及び裏面側の平面部の外側にそれぞれ形成される配線パターン層を互いに導通させるために筒状部の内壁面を覆うスルーホール導体層と、を有している。上記したような絶縁不良の発生防止等が図られた樹脂絶縁層に配線パターン層とスルーホール導体層とが形成されているので、表裏面側の配線パターン層間の導通がスルーホール導体層によって確保される。
【0015】
したがって、上記課題を解決するために、本発明の配線基板の製造方法は、
芯材となる金属板の表面側及び裏面側からスプレー方式でエッチングすることにより、スルーホールが金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成される際、軸線を含む断面において、金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径して先鋭部を形成するスルーホール形成工程と、
少なくともスルーホールの内壁面をめっき層で被覆することにより、そのスルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、RS≦RPを満たすめっき層形成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
この製造方法によれば、金属板の表面側及び裏面側からスプレー方式でエッチングする場合においても、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性がよくなり、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制でき、絶縁不良による誤動作等を防止できる。したがって、スプレー方式エッチングの実施により高い生産効率を維持して、製品歩留まりよく配線基板を製造することができる。
【0017】
ここで、金属板には、導電性、加工性等を考慮して、例えば銅、銅合金あるいは鉄・ニッケル系合金(例えばインバー)等が採用でき、このうちインバーは熱膨張率が小さいため、金属板を芯材として備えた配線基板に好適である。樹脂絶縁層としては、絶縁性、耐熱性等を考慮して、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂あるいは連続多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のふっ素系樹脂にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた複合材料等が採用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施例)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
図1は中間製品としての配線基板素材およびそれを分割することにより製造される最終製品としての配線基板(本発明品)の一実施例を示す平面概要図であり、そのC1−C2−C3−C4断面図は図6(製造工程の説明図)で表わされる。
【0019】
図1(a)に示すように、配線基板素材1は、矩形(本実施例では長方形および正方形を含む;図1では正方形)状の矩形区画部分2’(切断により後述する配線基板2となるべき部分)が複数(実施例では3行×3列で合計9個)つながってパネル状に形成されている。この配線基板素材1は、後述する切断工程で切断予定線3(本実施例では切断予定中心線を意味する)に沿って分割(切断・分離)される。縦方向と横方向に平行な各複数本(実施例では各4本)の切断予定線3によって、複数(実施例では合計16個)の互いに直交する交差位置(直交状交差位置)が形成されている。この切断予定線3に沿って個々に切断されることによって配線基板2(図1(b)参照)が製造される。
【0020】
図6に示すように、配線基板素材1は金属板4を芯材とし、金属板4の表裏両面は樹脂絶縁層5とその外面側の銅箔(図示せず)で被覆されている。金属板4は、熱膨張率、導電性、加工性等を考慮して鉄・ニッケル系合金のインバー製としている。樹脂絶縁層5は、絶縁性、耐熱性等を考慮して選択されたエポキシ樹脂とシリカフィラーとからなる複合材料からなるプリプレグ(半硬化状態のシート)を金属板4の表裏両面上に層状に重ねておき、これをホットプレス(熱圧着)し、プリプレグを硬化させることにより、金属板4の表裏両面に積層(被覆)形成される。
【0021】
次に、図2は金属板4の平面図とその拡大説明図である。図2において、矩形(実施例では正方形)状の金属板4には、切断予定線3に沿って表裏方向(板厚方向)に貫通した細長い溝状のスロット6が、区画金属板7’(矩形区画部分2’に対応する部分)の四周を取り巻く形態で形成されている。つまり、切断予定線3によって区画される区画金属板7’において、その4隅(角部)を除いて周囲4辺上にスロット6,6,6,6が形成されている。具体的には、スロット6は、切断予定線3が直交状に交差する位置とその周辺(十字クロス状部分)を連結部8として残存させるようにして形成されている。なお、このスロット6は、後述するようにエッチングによって形成される。
【0022】
平面視(図2)で金属板4の最外側に位置する切断予定線3の外側領域(すべての区画金属板7’を除いた領域)、すなわち外周囲の4角隅部には、切断予定線3に沿ってダイシングブレード23(切断刃)を移動させるための基準となる基準孔10が金属板4の表裏方向に貫通して1個ずつ(合計4個)形成されている。この基準孔10は、スロット6の形成時にエッチングで同時に形成される。
【0023】
また、図2(b)に示すように、金属板4には、表裏を貫通する円柱状(または擬似円柱状)の金属板スルーホール(以下、単にスルーホールともいう)9が複数個(例えば区画金属板7’毎に4個)形成されている。このスルーホール9は、エッチングによってスロット6及び基準孔10とは別工程で、又は同工程で形成される。なお、これらスロット6、基準孔10及びスルーホール9は、金属板4の表裏面が樹脂絶縁層5で被覆されるとき、樹脂絶縁層5で充填され埋められた状態となる(図5(b)参照)。
【0024】
図6において、基準孔10(中心線50)と同心状でその上方側(表面側)の樹脂絶縁層5の外面側に、切断基準位置となる切断基準マーク11が、例えば後述する配線パターン層12,42と同一の素材にて突出形成されている。つまり、各切断基準マーク11は各基準孔10の直上に(平面視で重合して)位置している。また、上方側(表面側)の樹脂絶縁層5の外面側には、いずれかの切断基準マーク11を基準として、切断予定線3毎に1又は複数の切断目印22(切断位置マーク)が、例えば後述する配線パターン層12,42と同一の素材にて突出形成されている。本実施例では、図1に示すように、切断目印22は切断予定線3の直交状交差位置(すなわち金属板4の連結部8の中心;図2参照)に設けられ、最外側に位置する切断予定線3では全交差位置(4ヶ所)に、その他の切断予定線3では始点側及び終点側の交差位置(2ヶ所)に、合計12ヶ所形成されている。このように、切断目印22には各切断予定線3上での切断方向の始点位置と終点位置とが含まれている。なお、切断基準マーク11を省略し、基準孔10を切断基準位置としてもよい。
【0025】
図6に戻り、配線基板素材1の樹脂絶縁層5の平面部26に、すなわち表面側および裏面側(表裏方向の各外面側)に、所定の導線パターンを有する配線パターン層12,42がそれぞれ形成されている。これら配線パターン層12,42は樹脂絶縁層5の表面側および裏面側を部分的に被覆するように銅めっき等により形成されている。他方、スルーホール9に充填された樹脂絶縁層5の筒状部27には、ドリル等によりスルーホール9(軸線O)と同心状に穿設されたスルーホール本体13が形成され、その内壁面には一部の配線パターン層12,42を互いに導通させるスルーホール本体めっき層30(スルーホール導体層)が形成されている。また、スルーホール本体13(スルーホール本体めっき層30)は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0026】
次に、本発明に係る配線基板の製造方法の一実施例について、図3の工程図と図4〜図6の説明図に基いて説明する。
【0027】
<第一エッチングレジスト層形成工程:S1>(図4(a))
工程S1において、金属板4の表面および裏面に感光性レジストを被着する。次に、これを露光・現像して、形成予定のスロット6に対応する部分および基準孔10に対応した部分がそれぞれ開口したエッチングレジスト層21Rを形成する。
【0028】
<貫通部形成工程:S2>(図4(b))
工程S2において、エッチングレジスト層21Rが形成された金属板4に浸漬方式でのエッチングを行い、スロット6および基準孔10を形成する。その後、エッチングレジスト層21Rを剥離すると、スロット6および基準孔10を有する金属板4ができる。なお、工程S1・S2により、1枚の配線基板素材1(中間製品;図1(a)参照)から製造される配線基板2(最終製品;図1(b)参照)の基本デザイン(個数・大きさ等)が決定される。
【0029】
<第二エッチングレジスト層形成工程:S3>(図4(c))
工程S3において、金属板4の表面および裏面に再び感光性レジストを被着する。次に、これを露光・現像して、形成予定のスルーホール9に対応する部分が開口したエッチングレジスト層21R’を形成する。
【0030】
<スルーホール形成工程:S4>(図4(c)〜(e))
工程S4において、スプレー方式によるエッチング処理を行う。具体的には、エッチングレジスト層21R’が形成された金属板4を連続的又は間欠的に水平方向に搬送し、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70からエッチング液を噴霧させて溶解除去する(図4(c))。その後、エッチングレジスト層21R’を剥離すると、金属板4には、工程S2で形成されたスロット6および基準孔10に加えてスルーホール9が形成される(図4(d))。なお、工程S3・S4により、配線基板素材1(図1(a)参照)及び配線基板2(図1(b)参照)におけるスルーホール9(スルーホール本体13)、配線パターン層12,42等の基本配置が決定される(図6参照)。なお、S2及びS4の各工程はスプレー方式によって同時に行なってもよい。
【0031】
このとき、エッチング速度は一般的に、
▲1▼エッチング液の成分・濃度・温度;
▲2▼噴霧圧・噴霧量;
▲3▼移動(搬送)速度;
等によって決定される。ところが、スプレー方式のエッチングにおいては、金属板4の表裏方向に円柱状(または擬似円柱状)に貫通形成されるスルーホール9の各部に対してエッチング速度を一様に揃えにくい傾向がある。このため、図4(e)に示すように、スルーホール9は、軸線Oを含む断面において、金属板4の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で縮径した先鋭部18,28,38を有し、いわゆるだるま型断面形状あるいはひょうたん型断面形状を呈することが多い。
【0032】
<銅めっき層形成工程:S41>(図4(f))
工程S41において、金属板4の表面及び裏面とスルーホール9とが接合する縁部(先鋭部18,28)並びにスルーホール9の内壁面がそれぞれ露出するようにめっきレジストを形成する。次に、電解銅めっきによりこれらの露出部分に銅めっき層25(めっき層)を形成する。つまり、スルーホール9の内壁面には、先鋭部18,28,38を被覆するように所定厚さの銅めっき層25が形成され、銅めっき層25により先鋭部18,28,38の先端に丸みが付与される。
【0033】
<絶縁層形成工程:S5>(図5(a)(b))
工程S5において、金属板4の表面および裏面に、エポキシ樹脂とシリカフィラーとからなる複合材料からなる所定厚さのプリプレグ71を重ねる(図5(a))。そして、金属板4にプリプレグ71が積層された状態で樹脂を加熱し硬化させて、樹脂絶縁層5を形成する。このとき、金属板4のスロット6、基準孔10及びスルーホール9(銅めっき層25)の内側部分には、プリプレグ71からしみだしたエポキシ樹脂がそれぞれ充填される(図5(b))。
【0034】
<切断基準マーク形成工程:S6>(図6)
工程S6において、樹脂絶縁層5の表面側の温度(外面温度)をホットプレス(熱圧着)によりその樹脂絶縁層5の軟化温度以上に上昇させて表面(外面)を平滑化させ、平坦面に形成する。さらに、樹脂絶縁層5の平坦面上で基準孔10に対応する位置に、中心線50を有する切断基準マーク11を突出形成する。ただし、実際には工程S6は配線パターン層12,42を形成する工程(後述するS9参照)とともに同時に実施するのが効率的である。
【0035】
<切断目印形成工程:S7>(図6)
次に工程S7において、樹脂絶縁層5の平坦面上で切断基準マーク11(又は基準孔10)を基準として、切断予定線3に対応する位置に切断目印22を突出形成する。ただし、実際には工程S7は配線パターン層12,42を形成する工程(後述するS9参照)とともに同時に実施するのが効率的である。この場合には、樹脂絶縁層5の平坦面に既述の通り切断基準マーク11を突出形成し、同時にその切断基準マーク11(又は基準孔10)を基準とする切断目印22を突出形成できる。
【0036】
<スルーホール本体形成工程:S8>(図5(c))
工程S8において、スルーホール9(銅めっき層25)に充填された樹脂絶縁層5を貫通して、スルーホール9と同心状の軸線Oを有するスルーホール本体13をドリル、レーザー等によって穿設する。これによって、スルーホール本体13の内壁面を構成し、銅めっき層25の内壁面を覆う樹脂絶縁層5は、筒状部27となる。
【0037】
<スルーホール本体めっき層・配線パターン層形成工程:S9>(図6)
工程S9において、樹脂絶縁層5の平面部26、すなわち表面側および裏面側(表裏方向の各外面側)に、所定の導線パターンを有する配線パターン層12,42を電解銅めっき等によりそれぞれ形成する。このとき、スルーホール本体13の内壁面にも、電解銅めっき等によりスルーホール本体めっき層30を形成し、表裏面側の一部の配線パターン層12,42を互いに導通させる。
【0038】
<スルーホール本体穴埋め工程:S10>(図6)
工程S10において、スルーホール本体13(スルーホール本体めっき層30)の内側にエポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31を溶融・充填する。
【0039】
<切断工程:S11>(図6、図1(b))
最後に工程S11において、配線基板素材1は、切断予定線3に沿ってスロット6の内部に充填された樹脂絶縁層5および金属板4の十字クロス状の連結部8が切断される。具体的には、ダイシングブレード23(切断刃)の幅中心を切断目印22に一致させて移動し、配線基板素材1を複数(ここでは9個)の配線基板2として切断・分離する。なお、金属板4の連結部8は切断によってその切断端面が露出することになるので、樹脂絶縁層5で再被覆する場合がある。
【0040】
次に、図7はこのようにして製造された配線基板2において、スルーホール9の軸線Oを含む断面の一部拡大図である。配線基板2は、スルーホール9の最大内径をDSmax、その最小内径をDSminとし、銅めっき層25の最大内径をDPmax、その最小内径をDPminとしたとき、(DPmax−DPmin)<(DSmax−DSmin)となるようなスルーホール9と銅めっき層25とを有している。このことは、スルーホール9に形成された山と谷の高低差が、それを覆う銅めっき層25に形成される山と谷の高低差で緩和(縮小)されることを示している。
【0041】
すなわち、図8に示すように、スルーホール9の断面上での山と谷の最大高低差をHSmaxとし、銅めっき層25の断面上での山と谷の最大高低差をHPmaxとしたとき、HPmax<HSmaxが成立していることを意味する。したがって、銅めっき層25の被覆によってスルーホール9の内壁面が平滑化されるので、スルーホール9への絶縁樹脂の充填性がよくなる。その結果、樹脂絶縁層5でクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生しにくくなり、絶縁不良の発生を防止できる。
【0042】
なお、スルーホール9の山と谷の最大高低差HSmaxでは半断面(半径方向;図8)に着目しているのに対して、スルーホール9の最大内径と最小内径との差DSmax−DSminでは全断面(直径方向;図7)に着目している。したがって、通常の場合、DSmax−DSminはHSmaxのほぼ2倍の数値となる。銅めっき層25について、DPmax−DPminとHPmaxとの間にも同様の関係が成立する。
【0043】
さらに、図9において、金属板4の表面とスルーホール9とが接合する縁部に形成される先鋭部18の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部18を覆う銅めっき層25の先端曲率半径をRPとしたとき、RS<RPが成立している。このように、銅めっき層25の先端曲率半径RPをスルーホール9の先鋭部18の先端曲率半径RSよりも大とすれば、銅めっき層25によって先鋭部18に丸みが付与され、金属板4の表面側からスルーホール9への絶縁樹脂の充填性がよくなる。
なお、金属板4の裏面とスルーホール9とが接合する縁部に形成される先鋭部28及び金属板4の表裏方向中央部に形成される先鋭部38についても、銅めっき層25によって同様に丸みが付与されるので絶縁樹脂の充填性がよくなる。したがって、樹脂絶縁層5でクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生しにくくなり、絶縁不良の発生を防止できる。
【0044】
これらの効果が十分に達成されるように、銅めっき層25の厚さTPを50μmに設定している。これによって、銅めっき層25がスルーホール9の内壁面全体にわたって確実に形成されることとなり、先鋭部18,28,38に丸みを付与する機能及びスルーホール9の内壁面を平滑化する機能が発揮されるので、絶縁樹脂の充填性がさらに向上する。
【0045】
このように、金属板4をスプレー方式でエッチングする場合に、前述のようなだるま型断面形状あるいはひょうたん型断面形状のスルーホール9が形成されても、銅めっき層25により配線基板2での絶縁不良の発生を防止できるので生産効率の低下を防ぐことができる。また、このような配線基板2において、絶縁不良の発生防止等が図られた樹脂絶縁層5に配線パターン層12,42とスルーホール本体めっき層30とが形成されているので、表裏面側の配線パターン層12,42間の導通がスルーホール本体めっき層30によって確保される。
【0046】
ところで、前述の通り、エッチング速度は一般的に、▲1▼エッチング液の成分・濃度・温度▲2▼噴霧圧・噴霧量▲3▼移動(搬送)速度等をパラメータとして変動する。したがって、スプレー方式エッチングでのスルーホール9は、だるま型(ひょうたん型)以外の断面形状となる場合も想定される。
【0047】
図10にこのような場合に形成されるスルーホールの他の断面形状例を示す。
図10(a)に表わされたスルーホール91は、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70によりラグビーボール型に形成された場合を示している。このようなラグビーボール型スルーホール91は、例えば、比較的大きな噴霧圧又は噴霧量でエッチングを行った場合に発生することがある。
【0048】
さらに、図10(b)に示すように、金属板4の裏面側に設置されたスプレーノズル70のみにより噴霧を行うと、釣鐘型スルーホール93が形成される場合がある。
【0049】
本発明の配線基板2は、これらのスルーホール91,93が形成された金属板4を有していてもよい。また、本発明は、樹脂絶縁ビルドアップ層等を用いることにより、金属板4の表裏方向のうち少なくとも一方の外面側に複数の配線パターン層が積層形成される場合にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間製品としての配線基板素材および本発明の配線基板の一実施例を示す平面概要図。
【図2】金属板の平面図及び拡大説明図。
【図3】本発明に係る配線基板の製造方法の一実施例を示す工程図。
【図4】図3の製造各工程の説明図。
【図5】図4に続く製造各工程の説明図。
【図6】図5に続く製造工程を図1のC1−C2−C3−C4断面図として示す説明図。
【図7】本発明に係る配線基板のスルーホール先鋭部と銅めっき層の説明図。
【図8】図7のA部詳細説明図。
【図9】図8のB部詳細説明図。
【図10】スルーホールの他の断面形状例を示す説明図。
【符号の説明】
1 配線基板素材
2 配線基板
4 金属板
5 樹脂絶縁層
9 スルーホール
25 銅めっき層(めっき層)
26 平面部
27 筒状部
12,42 配線パターン層
13 スルーホール本体
18,28,38 先鋭部
30 スルーホール本体めっき層(スルーホール導体層)
【発明の属する技術分野】
本発明は配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱放散性の改善を主な目的として金属板を芯材として備えた配線基板が用いられ、パワートランジスタなどの発熱の大きい部品を搭載する配線板として採用される場合がある。そして、このような配線基板の製造工程において、芯材としての金属板(メタルコア基板)の所定位置にスルーホールを設ける場合に、特許文献1に示すようにエッチング処理が行なわれることがある。その際、スプレー方式でエッチングを行なえば、ワークを連続的又は間欠的に搬送しながらスプレーノズルからエッチング液を噴霧してスルーホールを形成することで生産効率を高めコストダウンを図ることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−189536号公報(段落0013)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、スプレー方式のエッチングでは、金属板の表裏方向に円柱状に貫通形成されるスルーホールへのエッチング液の浸透速度(エッチング速度)を一様に揃えるのが困難な場合がある。その結果、例えば、円柱状のスルーホールは、その軸線を含む断面において、金属板の表面と接合する縁部及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径して先鋭部を形成するおそれがある。スルーホールにそのような先鋭部が形成されると、スルーホールの内壁面を覆うための樹脂絶縁層にクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生して絶縁不良を生じやすくなる。
【0005】
本発明の課題は、スルーホールの先鋭部に丸みを持たせて絶縁樹脂の充填性をよくし、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制し得る配線基板を提供することにある。さらに、本発明の課題は、生産効率の低下を抑制し、製品歩留まりのよい配線基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するために、本発明の配線基板は、
芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、少なくとも前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の配線基板は、
芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする。
【0008】
これらの配線基板によれば、めっき層の先端曲率半径RPがスルーホールの先鋭部の先端曲率半径RSよりも大であるため先鋭部に丸みが付与され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性がよくなる。その結果、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制できるので、絶縁不良による誤動作等を防止できる。なお、擬似円柱には楕円柱等が含まれる。
【0009】
これらの配線基板のスルーホールの軸線を含む断面において、スルーホールの断面上での山と谷の最大高低差をHSmaxとし、めっき層の断面上での山と谷の最大高低差をHPmaxとしたとき、
HPmax≦HSmax
を満たしていることが望ましい。これにより、スルーホールに形成された山と谷の高低差が、それを覆うめっき層に形成される山と谷の高低差で緩和(縮小)されるので、スルーホールの内壁面が平滑化され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性の改善、ひいては絶縁不良の発生防止等の効果が一層向上する。
【0010】
また、スルーホールの軸線を含む断面において、スルーホールの最大内径をDSmax、その最小内径をDSminとし、めっき層の最大内径をDPmax、その最小内径をDPminとしたとき、
(DPmax−DPmin)≦(DSmax−DSmin)
を満たしていることが望ましい。これにより、上記と同様に、スルーホールに形成された山と谷の高低差(最大内径と最小内径との差)が、それを覆うめっき層に形成される山と谷の高低差(最大内径と最小内径との差)で緩和(縮小)されるので、スルーホールの内壁面が平滑化され、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性の改善、ひいては絶縁不良の発生防止等の効果が一層向上する。
【0011】
このように、スルーホールの山と谷の最大高低差HSmaxでは半断面(半径方向)に着目しているのに対して、スルーホールの最大内径と最小内径との差DSmax−DSminでは全断面(直径方向)に着目している。したがって、通常の場合、DSmax−DSminはHSmaxのほぼ2倍の数値となる。めっき層についてのDPmax−DPminとHPmaxとの関係も同様である。
【0012】
そして、めっき層の厚さをTPとしたとき、
10μm≦TP≦100μm
を満たしていることが望ましい。より好ましくは、40μm≦TP≦60μmが推奨される。これにより、めっき層がスルーホールの内壁面全体にわたって確実に形成されることとなり、先鋭部に丸みを付与する機能及びスルーホールの内壁面を平滑化する機能が発揮されるので、絶縁樹脂の充填性がさらに向上する。ここで、めっき層の厚さTPが下限値未満では、スルーホールの内壁面で部分的にめっき層が形成されない事態、若しくは先鋭部への丸み付与機能及び/又はスルーホール内壁面平滑化機能が発揮されない事態が発生するおそれがある。一方、めっき層の厚さTPが上限値超では、めっき層の内壁面の凹凸が大きくなり、上記した先鋭部への丸み付与機能及び/又はスルーホール内壁面平滑化機能が相殺されるおそれがある。
【0013】
なお、上記した先鋭部は、金属板をスプレー方式でエッチングする場合、特に、金属板の表面側及び裏面側からエッチング液を噴霧して表裏方向に円柱状または擬似円柱状のスルーホールを貫通形成する際に、金属板の表面と接合する縁部及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径することにより形成されやすくなる。したがって、スプレー方式のエッチングによってスルーホールが形成され、そのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層が形成された配線基板及びその製造方法において、以上に述べた効果も発揮されやすい。
【0014】
このような配線基板は、金属板の表面及び裏面を被覆する平面部と、めっき層の内壁面を覆う筒状部とを含む樹脂絶縁層と、表面側及び裏面側の平面部の外側にそれぞれ形成される配線パターン層を互いに導通させるために筒状部の内壁面を覆うスルーホール導体層と、を有している。上記したような絶縁不良の発生防止等が図られた樹脂絶縁層に配線パターン層とスルーホール導体層とが形成されているので、表裏面側の配線パターン層間の導通がスルーホール導体層によって確保される。
【0015】
したがって、上記課題を解決するために、本発明の配線基板の製造方法は、
芯材となる金属板の表面側及び裏面側からスプレー方式でエッチングすることにより、スルーホールが金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成される際、軸線を含む断面において、金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径して先鋭部を形成するスルーホール形成工程と、
少なくともスルーホールの内壁面をめっき層で被覆することにより、そのスルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、RS≦RPを満たすめっき層形成工程と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
この製造方法によれば、金属板の表面側及び裏面側からスプレー方式でエッチングする場合においても、スルーホールへの絶縁樹脂の充填性がよくなり、樹脂絶縁層でのクラック(割れ)やボイド(空隙)の発生を抑制でき、絶縁不良による誤動作等を防止できる。したがって、スプレー方式エッチングの実施により高い生産効率を維持して、製品歩留まりよく配線基板を製造することができる。
【0017】
ここで、金属板には、導電性、加工性等を考慮して、例えば銅、銅合金あるいは鉄・ニッケル系合金(例えばインバー)等が採用でき、このうちインバーは熱膨張率が小さいため、金属板を芯材として備えた配線基板に好適である。樹脂絶縁層としては、絶縁性、耐熱性等を考慮して、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂あるいは連続多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のふっ素系樹脂にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた複合材料等が採用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施例)
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
図1は中間製品としての配線基板素材およびそれを分割することにより製造される最終製品としての配線基板(本発明品)の一実施例を示す平面概要図であり、そのC1−C2−C3−C4断面図は図6(製造工程の説明図)で表わされる。
【0019】
図1(a)に示すように、配線基板素材1は、矩形(本実施例では長方形および正方形を含む;図1では正方形)状の矩形区画部分2’(切断により後述する配線基板2となるべき部分)が複数(実施例では3行×3列で合計9個)つながってパネル状に形成されている。この配線基板素材1は、後述する切断工程で切断予定線3(本実施例では切断予定中心線を意味する)に沿って分割(切断・分離)される。縦方向と横方向に平行な各複数本(実施例では各4本)の切断予定線3によって、複数(実施例では合計16個)の互いに直交する交差位置(直交状交差位置)が形成されている。この切断予定線3に沿って個々に切断されることによって配線基板2(図1(b)参照)が製造される。
【0020】
図6に示すように、配線基板素材1は金属板4を芯材とし、金属板4の表裏両面は樹脂絶縁層5とその外面側の銅箔(図示せず)で被覆されている。金属板4は、熱膨張率、導電性、加工性等を考慮して鉄・ニッケル系合金のインバー製としている。樹脂絶縁層5は、絶縁性、耐熱性等を考慮して選択されたエポキシ樹脂とシリカフィラーとからなる複合材料からなるプリプレグ(半硬化状態のシート)を金属板4の表裏両面上に層状に重ねておき、これをホットプレス(熱圧着)し、プリプレグを硬化させることにより、金属板4の表裏両面に積層(被覆)形成される。
【0021】
次に、図2は金属板4の平面図とその拡大説明図である。図2において、矩形(実施例では正方形)状の金属板4には、切断予定線3に沿って表裏方向(板厚方向)に貫通した細長い溝状のスロット6が、区画金属板7’(矩形区画部分2’に対応する部分)の四周を取り巻く形態で形成されている。つまり、切断予定線3によって区画される区画金属板7’において、その4隅(角部)を除いて周囲4辺上にスロット6,6,6,6が形成されている。具体的には、スロット6は、切断予定線3が直交状に交差する位置とその周辺(十字クロス状部分)を連結部8として残存させるようにして形成されている。なお、このスロット6は、後述するようにエッチングによって形成される。
【0022】
平面視(図2)で金属板4の最外側に位置する切断予定線3の外側領域(すべての区画金属板7’を除いた領域)、すなわち外周囲の4角隅部には、切断予定線3に沿ってダイシングブレード23(切断刃)を移動させるための基準となる基準孔10が金属板4の表裏方向に貫通して1個ずつ(合計4個)形成されている。この基準孔10は、スロット6の形成時にエッチングで同時に形成される。
【0023】
また、図2(b)に示すように、金属板4には、表裏を貫通する円柱状(または擬似円柱状)の金属板スルーホール(以下、単にスルーホールともいう)9が複数個(例えば区画金属板7’毎に4個)形成されている。このスルーホール9は、エッチングによってスロット6及び基準孔10とは別工程で、又は同工程で形成される。なお、これらスロット6、基準孔10及びスルーホール9は、金属板4の表裏面が樹脂絶縁層5で被覆されるとき、樹脂絶縁層5で充填され埋められた状態となる(図5(b)参照)。
【0024】
図6において、基準孔10(中心線50)と同心状でその上方側(表面側)の樹脂絶縁層5の外面側に、切断基準位置となる切断基準マーク11が、例えば後述する配線パターン層12,42と同一の素材にて突出形成されている。つまり、各切断基準マーク11は各基準孔10の直上に(平面視で重合して)位置している。また、上方側(表面側)の樹脂絶縁層5の外面側には、いずれかの切断基準マーク11を基準として、切断予定線3毎に1又は複数の切断目印22(切断位置マーク)が、例えば後述する配線パターン層12,42と同一の素材にて突出形成されている。本実施例では、図1に示すように、切断目印22は切断予定線3の直交状交差位置(すなわち金属板4の連結部8の中心;図2参照)に設けられ、最外側に位置する切断予定線3では全交差位置(4ヶ所)に、その他の切断予定線3では始点側及び終点側の交差位置(2ヶ所)に、合計12ヶ所形成されている。このように、切断目印22には各切断予定線3上での切断方向の始点位置と終点位置とが含まれている。なお、切断基準マーク11を省略し、基準孔10を切断基準位置としてもよい。
【0025】
図6に戻り、配線基板素材1の樹脂絶縁層5の平面部26に、すなわち表面側および裏面側(表裏方向の各外面側)に、所定の導線パターンを有する配線パターン層12,42がそれぞれ形成されている。これら配線パターン層12,42は樹脂絶縁層5の表面側および裏面側を部分的に被覆するように銅めっき等により形成されている。他方、スルーホール9に充填された樹脂絶縁層5の筒状部27には、ドリル等によりスルーホール9(軸線O)と同心状に穿設されたスルーホール本体13が形成され、その内壁面には一部の配線パターン層12,42を互いに導通させるスルーホール本体めっき層30(スルーホール導体層)が形成されている。また、スルーホール本体13(スルーホール本体めっき層30)は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0026】
次に、本発明に係る配線基板の製造方法の一実施例について、図3の工程図と図4〜図6の説明図に基いて説明する。
【0027】
<第一エッチングレジスト層形成工程:S1>(図4(a))
工程S1において、金属板4の表面および裏面に感光性レジストを被着する。次に、これを露光・現像して、形成予定のスロット6に対応する部分および基準孔10に対応した部分がそれぞれ開口したエッチングレジスト層21Rを形成する。
【0028】
<貫通部形成工程:S2>(図4(b))
工程S2において、エッチングレジスト層21Rが形成された金属板4に浸漬方式でのエッチングを行い、スロット6および基準孔10を形成する。その後、エッチングレジスト層21Rを剥離すると、スロット6および基準孔10を有する金属板4ができる。なお、工程S1・S2により、1枚の配線基板素材1(中間製品;図1(a)参照)から製造される配線基板2(最終製品;図1(b)参照)の基本デザイン(個数・大きさ等)が決定される。
【0029】
<第二エッチングレジスト層形成工程:S3>(図4(c))
工程S3において、金属板4の表面および裏面に再び感光性レジストを被着する。次に、これを露光・現像して、形成予定のスルーホール9に対応する部分が開口したエッチングレジスト層21R’を形成する。
【0030】
<スルーホール形成工程:S4>(図4(c)〜(e))
工程S4において、スプレー方式によるエッチング処理を行う。具体的には、エッチングレジスト層21R’が形成された金属板4を連続的又は間欠的に水平方向に搬送し、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70からエッチング液を噴霧させて溶解除去する(図4(c))。その後、エッチングレジスト層21R’を剥離すると、金属板4には、工程S2で形成されたスロット6および基準孔10に加えてスルーホール9が形成される(図4(d))。なお、工程S3・S4により、配線基板素材1(図1(a)参照)及び配線基板2(図1(b)参照)におけるスルーホール9(スルーホール本体13)、配線パターン層12,42等の基本配置が決定される(図6参照)。なお、S2及びS4の各工程はスプレー方式によって同時に行なってもよい。
【0031】
このとき、エッチング速度は一般的に、
▲1▼エッチング液の成分・濃度・温度;
▲2▼噴霧圧・噴霧量;
▲3▼移動(搬送)速度;
等によって決定される。ところが、スプレー方式のエッチングにおいては、金属板4の表裏方向に円柱状(または擬似円柱状)に貫通形成されるスルーホール9の各部に対してエッチング速度を一様に揃えにくい傾向がある。このため、図4(e)に示すように、スルーホール9は、軸線Oを含む断面において、金属板4の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で縮径した先鋭部18,28,38を有し、いわゆるだるま型断面形状あるいはひょうたん型断面形状を呈することが多い。
【0032】
<銅めっき層形成工程:S41>(図4(f))
工程S41において、金属板4の表面及び裏面とスルーホール9とが接合する縁部(先鋭部18,28)並びにスルーホール9の内壁面がそれぞれ露出するようにめっきレジストを形成する。次に、電解銅めっきによりこれらの露出部分に銅めっき層25(めっき層)を形成する。つまり、スルーホール9の内壁面には、先鋭部18,28,38を被覆するように所定厚さの銅めっき層25が形成され、銅めっき層25により先鋭部18,28,38の先端に丸みが付与される。
【0033】
<絶縁層形成工程:S5>(図5(a)(b))
工程S5において、金属板4の表面および裏面に、エポキシ樹脂とシリカフィラーとからなる複合材料からなる所定厚さのプリプレグ71を重ねる(図5(a))。そして、金属板4にプリプレグ71が積層された状態で樹脂を加熱し硬化させて、樹脂絶縁層5を形成する。このとき、金属板4のスロット6、基準孔10及びスルーホール9(銅めっき層25)の内側部分には、プリプレグ71からしみだしたエポキシ樹脂がそれぞれ充填される(図5(b))。
【0034】
<切断基準マーク形成工程:S6>(図6)
工程S6において、樹脂絶縁層5の表面側の温度(外面温度)をホットプレス(熱圧着)によりその樹脂絶縁層5の軟化温度以上に上昇させて表面(外面)を平滑化させ、平坦面に形成する。さらに、樹脂絶縁層5の平坦面上で基準孔10に対応する位置に、中心線50を有する切断基準マーク11を突出形成する。ただし、実際には工程S6は配線パターン層12,42を形成する工程(後述するS9参照)とともに同時に実施するのが効率的である。
【0035】
<切断目印形成工程:S7>(図6)
次に工程S7において、樹脂絶縁層5の平坦面上で切断基準マーク11(又は基準孔10)を基準として、切断予定線3に対応する位置に切断目印22を突出形成する。ただし、実際には工程S7は配線パターン層12,42を形成する工程(後述するS9参照)とともに同時に実施するのが効率的である。この場合には、樹脂絶縁層5の平坦面に既述の通り切断基準マーク11を突出形成し、同時にその切断基準マーク11(又は基準孔10)を基準とする切断目印22を突出形成できる。
【0036】
<スルーホール本体形成工程:S8>(図5(c))
工程S8において、スルーホール9(銅めっき層25)に充填された樹脂絶縁層5を貫通して、スルーホール9と同心状の軸線Oを有するスルーホール本体13をドリル、レーザー等によって穿設する。これによって、スルーホール本体13の内壁面を構成し、銅めっき層25の内壁面を覆う樹脂絶縁層5は、筒状部27となる。
【0037】
<スルーホール本体めっき層・配線パターン層形成工程:S9>(図6)
工程S9において、樹脂絶縁層5の平面部26、すなわち表面側および裏面側(表裏方向の各外面側)に、所定の導線パターンを有する配線パターン層12,42を電解銅めっき等によりそれぞれ形成する。このとき、スルーホール本体13の内壁面にも、電解銅めっき等によりスルーホール本体めっき層30を形成し、表裏面側の一部の配線パターン層12,42を互いに導通させる。
【0038】
<スルーホール本体穴埋め工程:S10>(図6)
工程S10において、スルーホール本体13(スルーホール本体めっき層30)の内側にエポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31を溶融・充填する。
【0039】
<切断工程:S11>(図6、図1(b))
最後に工程S11において、配線基板素材1は、切断予定線3に沿ってスロット6の内部に充填された樹脂絶縁層5および金属板4の十字クロス状の連結部8が切断される。具体的には、ダイシングブレード23(切断刃)の幅中心を切断目印22に一致させて移動し、配線基板素材1を複数(ここでは9個)の配線基板2として切断・分離する。なお、金属板4の連結部8は切断によってその切断端面が露出することになるので、樹脂絶縁層5で再被覆する場合がある。
【0040】
次に、図7はこのようにして製造された配線基板2において、スルーホール9の軸線Oを含む断面の一部拡大図である。配線基板2は、スルーホール9の最大内径をDSmax、その最小内径をDSminとし、銅めっき層25の最大内径をDPmax、その最小内径をDPminとしたとき、(DPmax−DPmin)<(DSmax−DSmin)となるようなスルーホール9と銅めっき層25とを有している。このことは、スルーホール9に形成された山と谷の高低差が、それを覆う銅めっき層25に形成される山と谷の高低差で緩和(縮小)されることを示している。
【0041】
すなわち、図8に示すように、スルーホール9の断面上での山と谷の最大高低差をHSmaxとし、銅めっき層25の断面上での山と谷の最大高低差をHPmaxとしたとき、HPmax<HSmaxが成立していることを意味する。したがって、銅めっき層25の被覆によってスルーホール9の内壁面が平滑化されるので、スルーホール9への絶縁樹脂の充填性がよくなる。その結果、樹脂絶縁層5でクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生しにくくなり、絶縁不良の発生を防止できる。
【0042】
なお、スルーホール9の山と谷の最大高低差HSmaxでは半断面(半径方向;図8)に着目しているのに対して、スルーホール9の最大内径と最小内径との差DSmax−DSminでは全断面(直径方向;図7)に着目している。したがって、通常の場合、DSmax−DSminはHSmaxのほぼ2倍の数値となる。銅めっき層25について、DPmax−DPminとHPmaxとの間にも同様の関係が成立する。
【0043】
さらに、図9において、金属板4の表面とスルーホール9とが接合する縁部に形成される先鋭部18の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部18を覆う銅めっき層25の先端曲率半径をRPとしたとき、RS<RPが成立している。このように、銅めっき層25の先端曲率半径RPをスルーホール9の先鋭部18の先端曲率半径RSよりも大とすれば、銅めっき層25によって先鋭部18に丸みが付与され、金属板4の表面側からスルーホール9への絶縁樹脂の充填性がよくなる。
なお、金属板4の裏面とスルーホール9とが接合する縁部に形成される先鋭部28及び金属板4の表裏方向中央部に形成される先鋭部38についても、銅めっき層25によって同様に丸みが付与されるので絶縁樹脂の充填性がよくなる。したがって、樹脂絶縁層5でクラック(割れ)やボイド(空隙)が発生しにくくなり、絶縁不良の発生を防止できる。
【0044】
これらの効果が十分に達成されるように、銅めっき層25の厚さTPを50μmに設定している。これによって、銅めっき層25がスルーホール9の内壁面全体にわたって確実に形成されることとなり、先鋭部18,28,38に丸みを付与する機能及びスルーホール9の内壁面を平滑化する機能が発揮されるので、絶縁樹脂の充填性がさらに向上する。
【0045】
このように、金属板4をスプレー方式でエッチングする場合に、前述のようなだるま型断面形状あるいはひょうたん型断面形状のスルーホール9が形成されても、銅めっき層25により配線基板2での絶縁不良の発生を防止できるので生産効率の低下を防ぐことができる。また、このような配線基板2において、絶縁不良の発生防止等が図られた樹脂絶縁層5に配線パターン層12,42とスルーホール本体めっき層30とが形成されているので、表裏面側の配線パターン層12,42間の導通がスルーホール本体めっき層30によって確保される。
【0046】
ところで、前述の通り、エッチング速度は一般的に、▲1▼エッチング液の成分・濃度・温度▲2▼噴霧圧・噴霧量▲3▼移動(搬送)速度等をパラメータとして変動する。したがって、スプレー方式エッチングでのスルーホール9は、だるま型(ひょうたん型)以外の断面形状となる場合も想定される。
【0047】
図10にこのような場合に形成されるスルーホールの他の断面形状例を示す。
図10(a)に表わされたスルーホール91は、金属板4の表面側および裏面側に設置されたスプレーノズル70によりラグビーボール型に形成された場合を示している。このようなラグビーボール型スルーホール91は、例えば、比較的大きな噴霧圧又は噴霧量でエッチングを行った場合に発生することがある。
【0048】
さらに、図10(b)に示すように、金属板4の裏面側に設置されたスプレーノズル70のみにより噴霧を行うと、釣鐘型スルーホール93が形成される場合がある。
【0049】
本発明の配線基板2は、これらのスルーホール91,93が形成された金属板4を有していてもよい。また、本発明は、樹脂絶縁ビルドアップ層等を用いることにより、金属板4の表裏方向のうち少なくとも一方の外面側に複数の配線パターン層が積層形成される場合にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間製品としての配線基板素材および本発明の配線基板の一実施例を示す平面概要図。
【図2】金属板の平面図及び拡大説明図。
【図3】本発明に係る配線基板の製造方法の一実施例を示す工程図。
【図4】図3の製造各工程の説明図。
【図5】図4に続く製造各工程の説明図。
【図6】図5に続く製造工程を図1のC1−C2−C3−C4断面図として示す説明図。
【図7】本発明に係る配線基板のスルーホール先鋭部と銅めっき層の説明図。
【図8】図7のA部詳細説明図。
【図9】図8のB部詳細説明図。
【図10】スルーホールの他の断面形状例を示す説明図。
【符号の説明】
1 配線基板素材
2 配線基板
4 金属板
5 樹脂絶縁層
9 スルーホール
25 銅めっき層(めっき層)
26 平面部
27 筒状部
12,42 配線パターン層
13 スルーホール本体
18,28,38 先鋭部
30 スルーホール本体めっき層(スルーホール導体層)
Claims (3)
- 芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、少なくとも前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
前記スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする配線基板。 - 芯材となる金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成され、軸線を含む断面において、前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で先鋭部を形成するスルーホールと、
少なくともそのスルーホールの内壁面を被覆するめっき層と、を有し、
前記スルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、
RS≦RP
を満たすことを特徴とする配線基板。 - 芯材となる金属板の表面側及び裏面側からスプレー方式でエッチングすることにより、スルーホールが前記金属板の表裏方向に円柱状又は擬似円柱状に貫通形成される際、軸線を含む断面において、前記金属板の表面及び裏面と接合する縁部並びに表裏方向中間部で各々縮径して先鋭部を形成するスルーホール形成工程と、
少なくとも前記スルーホールの内壁面をめっき層で被覆することにより、そのスルーホールのいずれかの先鋭部の先端曲率半径をRSとし、その先鋭部を覆うめっき層の先端曲率半径をRPとしたとき、RS≦RPを満たすめっき層形成工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003205197A JP2005050980A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 配線基板及びその製造方法 |
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JP2005050980A true JP2005050980A (ja) | 2005-02-24 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109587953A (zh) * | 2018-12-12 | 2019-04-05 | 东莞市若美电子科技有限公司 | 厚铜铜基板蚀孔工艺 |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003205197A patent/JP2005050980A/ja active Pending
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