JP2005050927A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法ならびに太陽電池モジュールの設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池モジュールの製造工程でラミネート時に受光面側封止材2、裏面側封止材4が透光性基板1の周辺端部よりはみ出し、後工程でこのはみ出した部分を切り取る工程が不要となり、その生産性を低下させていた。
【解決手段】太陽電池モジュールに用いる受光面側封止材2と裏面側封止材4において、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成りかつ、受光面側封止材2のメルトフローレートが前記裏面側封止材4のメルトフローレートより大きいものを用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】太陽電池モジュールに用いる受光面側封止材2と裏面側封止材4において、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成りかつ、受光面側封止材2のメルトフローレートが前記裏面側封止材4のメルトフローレートより大きいものを用いることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池モジュールおよびその製造方法に関するものであり、さらには本発明の太陽電池モジュールを載置体に搭載した太陽電池モジュールの設置構造に関するものである。とくに美観とともに品質や生産性を向上させた太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法ならびに太陽電池モジュールの設置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することで、物理的衝撃に弱く、また、野外に太陽電池を取り付けた場合に、雨などからこれを保護する必要がある。
【0003】
また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。
【0004】
このような必要性に応じるために、複数の太陽電池素子を接続して、これらを透光性基板と裏面保護材との間に封止材で封入して、太陽電池モジュールとして作製することが、通常、行われている。
【0005】
従来の太陽電池モジュールは、透光性基板上に受光面側封止材としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体をEVAと略記する)から成るシートをのせ、この上にリード線で接続された複数の光起電力素子を並べ、さらにこの上に裏面側封止材として同様のEVAシートをのせ、そして、さらにこの上にアルミ箔をフッ素系フィルムで挟持した裏面保護材を載せ、しかる後、ラミネート装置において減圧下で全体を加熱加圧して一体化する工程を経て製造していた。
【0006】
しかしながら、この従来の太陽電池モジュールによれば、ラミネート装置での加熱加圧の際に封止材が溶融し、ガラス板の端部からはみ出したり、また、裏面側封止材が位置ずれを起こしてガラス板の端部からはみ出し、これにより、このはみ出した封止材や裏面保護材を切り取る工程が必要となり、稼働率や生産性を下げる要因となっていた。
【0007】
上述の問題を解決する手段として特許文献1に示されているように、メルトフローレートが14g/10分以下の低流動性EVA樹脂を使用する方法が提案されている。
【0008】
この特許文献1に示す実施例によれば、ガラス板上に、表裏からメルトフローレートが14g/10分以下のEVAシートで挟み込んだ太陽電池を置き、その上に裏面保護材を置いて、全体を加熱圧着するという技術であり、EVA樹脂の流動性が低いために、全体を一体に加熱圧着した際にガラス板の周縁端部からEVA樹脂が流れ出さないというものである。
【0009】
しかしながら、特許文献1においては、低流動性のEVA樹脂を用いることにより、EVA樹脂のバリ取りが不要であることのみが記載されているだけで、具体的なEVAシートや裏面保護材の裁断寸法の適用例、太陽電池セルの割れ、気泡残り等の外観、太陽電池セル/裏面フィルム/アルミ枠間の電気的絶縁性に関する評価結果が示されておらず、実際の使用上支障があった。
【0010】
さらに低流動かつ硬いEVA樹脂を用いると、加熱加圧時に太陽電池セルが割れる可能性があり、また、充分に脱気・加圧を行なわなければ、気泡が残る可能性があった。一方、脱気時間・加圧時間を充分に取るとラミネート時間が延びて生産効率が低下するという問題もあった。
【0011】
さらに特許文献2においても、加熱加圧時にEVA樹脂が溶融してガラス板の周縁端部から流動する課題に対し、そのEVA樹脂の流動が抑制され、ラミネーション後のバリ除去作業が軽減できる技術が提案されている。
【0012】
この提案によれば、太陽電池モジュールに使用される受光面側封止材および裏面側封止材の双方に用いられるEVAシートにおいて、酢酸ビニル含有量は20〜26重量%であり、メルトフローレートが0.8〜4g/10分である。
【0013】
さらに同文献においては、受光面側封止材および裏面側封止材がその表面に凹凸構造を有し、この凹凸部の高さが、その封止材の膜の全厚みの10〜50%を占めるという技術であり、そして、上述の低流動かつ硬固なEVA樹脂を用いることで、加圧によるセル割れが懸念されるが、このような技術でもってセル表面の突起部がEVAシート表面の凹部に収納され、これにより、真空加圧時におけるセルの割れが解消されることが記載されている。
【0014】
また、同文献によれば、前記裏面側封止材と裏面保護材はあらかじめ接着一体化させることが記載されている。
【0015】
すなわち、裏面側封止材の膜をあらかじめ裏面保護材と貼り合わせた裏面封止材を用いるので、EVA樹脂の流れが裏面保護材に拘束され、ガラス板の周縁端部から流動するEVA樹脂の量を抑制でき、その結果、ラミネーション後のバリ取り作業が削減できるというものである。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−177412号公報
【0017】
【特許文献2】
特開2002−134768号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に開示されているように受光面側封止材および裏面側封止材に用いるEVAシートのメルトフローレートを0.8〜4g/10分にした場合、ラミネート時のEVA樹脂の流動性が低下し、太陽電池素子間や配線の間隙にこれが流れ込まず、気泡やボイドと呼ばれる真空の未充填領域が残ってしまうという問題があった。
【0019】
このような気泡やボイドは、外観上劣化の要因であり、たとえば屋根などの太陽電池モジュールの載置体の色調、太陽電池素子の色調と照らし合わせて、美観を損ねることがあった。さらには裏面側封止材を着色化させた場合には、透明な受光面側封止材を通して、その色調が認識されることから、封止材における気泡やボイドは不具合の要件になりやすい。
【0020】
この対策としてラミネート時の圧力を大きくして、強制的に間隙にEVA樹脂が流れ込むようにすることが考えられる。
【0021】
しかしながら、ラミネート時の圧力を大きくすることで気泡は無くなるが、その反面、ボイドはEVA樹脂の低流動性に起因することで、これがなくなることは無い。このような点は受光面側封止材および裏面側封止材の各膜の表面に凹凸構造を設けても変わるものではない。
【0022】
さらに裏面側封止材の膜をあらかじめ裏面保護材と貼り合わせた裏面封止材を用いた場合、ラミネートの減圧時にEVA樹脂に縮みが発生するが、裏面保護材には縮みが発生しなくなり、これによってこれらの貼り合わせ面に間隙が発生し、ラミネートの加圧時にこの間隙部の裏面保護材が折れ曲がり、ラミネート上がりのものには皺が発生するという問題があった。
【0023】
本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究に努めた結果、受光面側封止材と裏面側封止材とをEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材のメルトフローレートを裏面側封止材のメルトフローレートに比べて大きくしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなり、そして、太陽電池素子の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、あるいはガラス板端部からのはみ出しを防止するという点でも有利になることを見出した。
【0024】
本発明は上記知見により完成されたものであり、その目的は太陽電池モジュール内部にボイドの発生や裏面保護材に皺の発生もない太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的はラミネート時に受光面側封止材および裏面側封止材が透光性基板の端部からはみ出すことのない太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0026】
また、本発明のさらに他の目的は美観を高めたり、装飾性を高めた太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0027】
本発明の目的は屋根などの太陽電池モジュールの載置体との色調にも適合し、美観を高めた太陽電池モジュールの設置構造を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の太陽電池モジュールは、サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材、光起電力素子、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにした着色化もしくは白色化したエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材および裏面保護材を順次積層し、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の太陽電池モジュールは、前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする。
【0030】
さらにまた、本発明の太陽電池モジュールは、エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材が、重合架橋後に透明であることを特徴とする。
【0031】
本発明の太陽電池モジュールの設置構造は、かかる本発明の太陽電池モジュールを、この太陽電池モジュールを固定する載置体に搭載したことを特徴とする。
【0032】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、順次下記工程(1)〜(4)を具備するとともに、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されるように積層重合して、減圧下にて加熱加圧し、受光面側封止材の上に、光起電力素子、着色化もしくは白色化した裏面側封止材および裏面保護材とを順次積層するように成したことを特徴とする。
【0033】
(1) サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材を配する。
【0034】
(2) 上記受光面側封止材の上に光起電力素子を配する。
【0035】
(3) 上記光起電力素子の上に、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにしたエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材を配する。
【0036】
(4) 上記裏面側封止材の上に裏面保護材を配する。
【0037】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする。
【0038】
さらにまた、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材は、前記加熱加圧により重合架橋して透明になることを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0040】
図1は本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図であり、図2は本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略平面図である。
【0041】
図1において、1は透光性基板、2は受光面側封止材、3は前記光起電力素子である太陽電池素子、4は裏面側封止材、5は裏面保護材、6は接続用配線を示す。
【0042】
透光性基板1としては、ガラス材やポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。
【0043】
ガラス板には、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、たとえば厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが用いる。
【0044】
他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
【0045】
受光面側封止材2および裏面側封止材4は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)から成り、たとえば厚さ0.4〜1mm程度のシート状形態のものが用いられる。
【0046】
これら封止材は減圧下で加熱加圧を行うラミネート工程において、融着して他の部材と一体化する。
【0047】
また、受光面側封止材2および裏面側封止材4については、その酢酸ビニルの含有率は10重量%以上40重量%未満、最適には20〜30重量%にするのが望ましい。
【0048】
酢酸ビニルの含有率が10重量%未満になると、融点が高くなり、シート状に加工することが困難になる場合がある。また、40重量%以上になると成形後のEVAシートが高流動となるため好ましくない。
【0049】
太陽電池素子3については、厚み0.3〜0.4mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなる。そして、この基板の内部にPN接合を形成し、さらに受光面と裏面には電極を設け、また、受光面には反射防止膜を設ける。
【0050】
かかる基板の大きさについては、多結晶シリコン太陽電池において、およそ寸法100〜150mm角程度であり、そして、このような太陽電池素子3を複数個銅箔等の接続用配線6により直列または並列に接続して用いる。
【0051】
接続用配線6については、太陽電池素子同士を電気的に接続するもので、通常、厚さ0.1mm程度、幅2mm程度の銅箔を用いて、その銅箔の全面をハンダコートし、そして、所定の長さに切断し、太陽電池素子3の電極上にハンダ付けして用いる。
【0052】
裏面保護材5は水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
【0053】
とくにPET樹脂を使用した裏面保護材5については、使用前にアニール処理を行っているため、ラミネート時の熱収縮がほとんど無く、メルトフローレートの小さい裏面側封止材4との間においても、ラミネート時に皺などが発生することが無くなるという点で好適である。
【0054】
たとえばPET樹脂材を用いた場合には、三層構造にするとよく、一番内側(裏面側封止材と接する面側)については、白色化するためにPET樹脂材に酸化チタンなどの顔料を入れ、その厚みを50μmにする。その外側に厚み12μmのPETシートにシリカを蒸着したものを貼る。シリカの蒸着は内側の白色PET樹脂材との間の片面のみで水分を通さないためである。その外側に雨などでPET樹脂が加水分解しないように耐加水分解性の厚み50μmのPETシートを貼り合わせたものを用いる。
【0055】
そして、本発明によれば、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートより大きくする(裏面側封止材4のメルトフローレートを受光面側封止材2のメルトフローレートに比べて小さくする)というメルトフローレートの大小関係、ならびに矩形状の透光性基板1、矩形状の受光面側封止材2、矩形状の裏面側封止材4の三者間における寸法関係を組み合わせることで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡が残らなくなり、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、また、ガラス板端部からのはみ出しが発生しなくなった点が特徴である。
【0056】
上記のような寸法関係は、以下のとおりである。
【0057】
矩形状の透光性基板1のサイズ:L1×W1、矩形状の受光面側封止材2のサイズ:L2×W2、矩形状の裏面側封止材4のサイズ:L3×W3、と規定した場合、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材2の周縁端部が配置され、この裏面側封止材2の周縁端部より内側に受光面側封止材4の周縁端部が配置されるように構成している。
【0058】
なお、受光面側封止材2および裏面側封止材4に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)については、そのメルトフローレートがJIS―K7210に規定されている。
【0059】
また、受光面側封止材2および裏面側封止材4の双方のメルトフローレートについては、望ましくは下記のような範囲にするとよい。
【0060】
受光面側封止材2のメルトフローレートを4.0〜8.5g/10分に、好適には5.0〜7.5g/10分に、最適には6.0〜7.0g/10分にすると、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなるという点でよく、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなるという点で有利になる。
【0061】
他方の裏面側封止材4のメルトフローレートを0.8〜3.8g/10分に、好適には1.5〜3.5g/10分に、最適には2.0〜3.0g/10分にすると、ガラス板端部からのはみ出しを防止する点で有利になる。
【0062】
なお、EVA樹脂のメルトフローレートについては、EVA樹脂のベースポリマーであるエチレンビニルアセテートや酢酸ビニルの配合比率を変更することにより、所要の値が得られる。
【0063】
かくして本発明の太陽電池モジュールによれば、受光面側封止材2および裏面側封止材4の双方ともEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートは裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくなるようにしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなり、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、また、ガラス板端部からのはみ出しが発生しなくなった。
【0064】
しかも、このようなメルトフローレートの大小関係に加えて、さらに矩形状の透光性基板1、矩形状の受光面側封止材2、矩形状の裏面側封止材4の三者間における寸法関係を組み合わせることで、かかる本発明の目的が優位に達成された。
【0065】
好適には、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくするに当り、その効果は受光面側封止材2および裏面側封止材4の寸法、厚み等により依存されるが、とくに受光面側封止材2のメルトフローレートを4.0〜8.5g/10分に、裏面側封止材4のメルトフローレートを0.8〜3.8g/10分にしたことで、かかる本発明の目的がもっとも優位に達成できたことを、本発明者が繰り返し行った実験により確認した。
【0066】
さらに受光面側封止材2は太陽電池素子3に入射する光をより多くするため、その重合架橋後に透明になるものが用いられる。
【0067】
また、本発明に係る裏面側封止材4については、EVA樹脂に、従来周知の顔料を混入させて着色することにより、太陽電池モジュールを固定する載置体、たとえば建物の壁や屋根等との色調面での調和を図ることができる。たとえば、酸化チタン等により白色にすることで、太陽電池素子3と太陽電池素子3の間隙に入射した光などを、この白色のEVA樹脂で反射させることができ、この反射した光を、再度、ガラスなどの透光性基板1の面で反射させ、太陽電池素子3に入射させ、太陽電池素子3の発電効率を向上させることができる。
【0068】
このような光反射の効果は、裏面保護材5の内面を白色にすることでも得られるが、裏面側封止材4を白色にした方が透光性基板1の面に近いため大きな効果が得られる。
【0069】
なお、このような発電効率の向上という点については、裏面側封止材4を白色化するのが望ましいが、白色以外に、光反射性が得られるような色調であれば、たとえば黄色、緑色、薄青色などに着色させてもよい。
【0070】
以下、本発明の太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの設置構造において、その美観を向上させることについて、述べる。
【0071】
図2はかかる本発明の太陽電池モジュールの正面図である。
【0072】
同図に示すごとく、太陽電池素子3を所定の枚数を直列および並列に接続して成り、マトリックス状に配列し、任意の出力電圧,出力電流を得るようにしている。
【0073】
また、かかる太陽電池モジュールによれば、通常、矩形状を成すが、その本体の周囲四方を挟み込む枠体7を設け、そして、枠体7でもって太陽電池モジュールの本体を支持し、全体の強度を向上させる。
【0074】
このような枠体7は、たとえばアルミニウム金属やSUS等により構成する。
【0075】
さらに8は接続用配線がハンダ付けされた電極である。また、9は受光面側封止材2と裏面側封止材4の双方が融着した部分であり、各太陽電池素子3の隙間ならびに枠体7と太陽電池素子3の隙間が充填されている。本例においては、充填部と称する。
【0076】
このような充填部9によれば、透明な受光面側封止材2と、着色化もしくは白色化した裏面側封止材4との組み合わせである。
【0077】
ところで、シリコン結晶系の太陽電池素子3の受光面側には、光反射を極力少なくするために反射防止膜(図示せず)を成膜するが、このような反射防止膜は、青色、紺色、黒色を呈していることが多い。
【0078】
これらを使用して太陽電池モジュールを作製した場合、裏面側封止材4に透明なものを使用し、さらに裏面保護材5に白色のものを使用したりすると、青色等の太陽電池素子3の間に白色がみえることになり、これを建物の屋上などに設置したときには、この太陽電池素子3の間のこの白色が目立ち、建物全体の外観が低下するというように見なされる場合があった。
【0079】
これに対し、たとえば裏面側封止材4を太陽電池素子3の受光面とほぼ同様の色調もしくは近似した色調にすることにより、太陽電池モジュールが目立つことが無くなり、太陽電池モジュールと建物の調和を図ることができる。
【0080】
さらに建物の外壁や屋根部分の色調が茶色や緑色、灰色、赤紫などの場合には、これらの色調に対応して、上述の太陽電池素子3の反射防止膜の屈折率や膜厚を調整することにより、太陽電池素子3の受光面の色を茶色や緑色、灰色、赤紫にさせることができ、これらの色調に合わせて裏面側封止材4を好みどおりに着色し、太陽電池モジュールを設置する建物との調和を図り、その装飾性を高めることができる。
【0081】
参考までに、反射防止膜については、たとえば、太陽電池素子を制作するに当たり、その工程中に設ける。
【0082】
すなわち、太陽電池素子の受光面に設ける反射防止膜は、一例としてP型の太陽電池用シリコン基板に燐などのN型不純物を熱拡散させ、PN接合を形成した後であって、電極を形成する前に成膜する。
【0083】
反射防止膜には、一例として窒化シリコンが用いられる。この窒化シリコン膜は、モノシランガスやアンモニアガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD装置を用いて成膜する。また、このような層は、たとえば単層膜である。
【0084】
かかる窒化シリコン膜を多結晶シリコン基板上に成膜したときの色調は、その屈折率と膜厚により決定される。すなわち、窒化シリコンを成膜するときの、プラズマCVDにおけるガス条件(一般にモノシランガスの比率を上げると成膜した窒化シリコン膜の屈折率は上がる)や成膜時間などが要因になって、その屈折率と膜厚を決めることができ、これにより所要どおりの種々の色調を作り出すことができる。
【0085】
本発明によれば、このように装飾性を高めるためには、裏面側封止材4を着色化した場合において、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくすることにより、その太陽電池モジュール内部に気泡やボイドが残ることがなくなり、外観をさらに向上させ、完璧なものとすることができる。
【0086】
次に本発明の太陽電池モジュールの製造方法を述べる。
【0087】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、下記のごとく、順次各工程(1)〜(4)を経るが、これによって得られた積層体を減圧下にて加熱加圧する。
【0088】
しかも、本発明の製造方法によれば、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材4の周縁端部が配置され、この裏面側封止材4の周縁端部より内側に受光面側封止材2の周縁端部が配置されるように積層重合して、減圧下にて加熱加圧する。
【0089】
(1) サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板1の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材2を配する。
【0090】
(2) 受光面側封止材2の上に光起電力素子(太陽電池素子3)を配する。
【0091】
(3) 太陽電池素子3の上に、受光面側封止材2のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにしたEVA樹脂から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材4を配する。
【0092】
(4) 裏面側封止材4の上に裏面保護材5を配する。
【0093】
以上のような工程を経て、透光性基板1、受光面側封止材2、太陽電池素子3、裏面側封止材4および裏面保護材5による積層体を接着一体化するが、このようなラミネート前に各部材を積層する時には透光性基板1からEVA樹脂がはみ出ないようにする。
【0094】
そのため、裏面側封止材4が受光側封止材2を覆うような配置にするが、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材4の周縁端部が配置されるようにし、そして、裏面側封止材4の周縁端部より内側に受光面側封止材2の周縁端部が配置されるように積層する。
【0095】
このような積層が終われば、この積層体をラミネーターと呼ばれる減圧状態で加熱しながら加圧する装置にセットした後、太陽電池モジュールの内部の空気を除去するために50〜150Pa程度に減圧し、100〜200℃の温度で15分〜1時間加熱しながら加圧する。これによって、受光面側封止材2と裏面側封止材4が軟化し融着するため、各部材が接着し一体化し、太陽電池モジュールのパネル部を作製することができた。
【0096】
以上のごとく、本発明によれば、受光側封止材2のメルトフローレートが大きいことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隔を十分充填するができ、他方、メルトフローレートの小さい裏面側封止材4を用いたことで、透光性基板1の周辺端部よりその外側にはみ出ることはなく、その後の工程ではみ出した受光面側封止材2、裏面側封止材4を切り取る工程が不要となった。
【0097】
次にこの一体化した太陽電池パネルの4辺にモジュール枠(図示せず)を取り付ける。
【0098】
このモジュール枠は太陽電池モジュールに必要な強度やコストを考慮して、通常、アルミニウムを押し出し成形して作られ、その表面にアルマイト処理やクリヤ塗装が施されることが多い。
【0099】
さらに、この太陽電池パネルの裏面側に太陽電池素子からの出力配線を外部回路に接続するための端子ボックス(図示せず)を接着剤で取り付け、これによって太陽電池モジュールが完成する。
【0100】
【実施例】
(例1)
透光性基板1として、寸法1280×980mm、厚み3.2mmの矩形状の白板強化ガラスを使用し、その上に受光面側封止材2をのせる。
【0101】
この受光面側封止材2は矩形状であり、その寸法は1274×974mm、厚み約0.9mmであって、透光性基板1の端部からの寸法がほぼ同じになるように中央にのせる。
【0102】
その上に、約150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子48枚を、表面にハンダコートした銅箔で直列に接続して所定の位置にのせる。
【0103】
その上に白色化もしくは着色化した矩形状の裏面側封止材4を乗せる。この裏面側封止材4の寸法は1277×977mm、厚み0.7mmであり、透光性基板1の端部からの寸法がほぼ同じになるように中央にのせる。
【0104】
さらにその上に矩形状の裏面保護材5をのせる。裏面保護材5は、寸法1280×980mmでシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートを用いた。
【0105】
このように重畳したものをラミネーターにセットし、約100Pa程度に減圧した後、140℃で10分間加熱しながら加圧して、その後、150℃、45分間加熱して架橋太陽電池モジュールを作製し、ラミネート後の太陽電池モジュールの出来具合を調べた。
【0106】
そして、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを下記にように幾通りにも変えた太陽電池モジュールA〜Fを作製し、それぞれを評価したところ、いずれの太陽電池モジュールも、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、また、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0107】
(太陽電池モジュールA)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.9g/10分。
【0108】
(太陽電池モジュールB)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:8.3g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.7g/10分。
【0109】
(太陽電池モジュールC)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分。
【0110】
(太陽電池モジュールD)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:6.3g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:1.3g/10分。
【0111】
(太陽電池モジュールE)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:7.8g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.9g/10分。
【0112】
(太陽電池モジュールF)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.5g/10分。
【0113】
(例2)
(例1)の太陽電池モジュールのうち、太陽電池モジュールA(受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分)、太陽電池モジュールC(受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分)、太陽電池モジュールD(受光面側封止材2のメルトフローレート:6.3g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:1.3g/10分)、太陽電池モジュールF(受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:3.5g/10分)を作製するに当り、それぞれ受光面側封止材2および裏面側封止材4の寸法を幾通りにも変えた太陽電池モジュールG〜Iを作製し、評価したところ、いずれの太陽電池モジュールも、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、また、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0114】
(太陽電池モジュールG)
・ 受光面側封止材2の寸法:1274×974mm
・ 受光面側封止材2の厚み約1.0mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1277×977mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.9mm。
【0115】
(太陽電池モジュールH)
・ 受光面側封止材2の寸法:1276×976mm
・ 受光面側封止材2の厚み約0.9mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1279×979mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.7mm。
【0116】
(太陽電池モジュールI)
・ 受光面側封止材2の寸法:1276×976mm
・ 受光面側封止材2の厚み約1.0mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1279×979mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.9mm。
【0117】
(例3)
(例1)の太陽電池モジュールIを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールJを作製した。
【0118】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:3.8g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.1g/10分。
【0119】
この太陽電池モジュールJによれば、受光面側部分に気泡が数個確認された。
【0120】
(例4)
(例1)の太陽電池モジュールGを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールKを作製した。
【0121】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:8.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.0g/10分。
【0122】
この太陽電池モジュールKによれば、ガラス端部からのはみ出しが確認された。
【0123】
(例5)
(例1)の太陽電池モジュールFを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールLを作製した。
【0124】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.0g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.7g/10分。
【0125】
この太陽電池モジュールLによれば、ラミネート時での加圧により太陽電池素子の割れやカケが多発し、また、裏面保護材5と裏面側封止材4との間の接着性の低下が観られた。
【0126】
(例6)
(例1)の太陽電池モジュールEを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールMを作製した。
【0127】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.0g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.9g/10分。
【0128】
この太陽電池モジュールMによれば、ガラス端部からのはみ出しが発生した。
【0129】
(例7)
(例1)の太陽電池モジュールHを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ下記のようにして、さらに受光面側封止材2を重合架橋後透明になるものを用いたが、他方の裏面側封止材4については、重合架橋後白色になるものを用いて、太陽電池モジュールNを作製した。
【0130】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分。
【0131】
この太陽電池モジュールNによれば、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、さらにまた、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0132】
本発明者はさらに実験を繰り返し行ったところ、下記のようになることがあることを確認した。
【0133】
受光面側封止材2のメルトフローレートが4.0g/10分未満になると、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み不十分となり、この部分に気泡が残ることがあるので、好ましくない。
【0134】
また、受光面側封止材2のメルトフローレートが8.5g/10分を超えるとガラス板端部からのはみ出しが発生する場合があり、好ましくない。
【0135】
さらに裏面側封止材4のメルトフローレートが0.8g/10分未満になるとその硬さの影響でラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生し、接着性が低下することがあるので、好ましくない。
【0136】
また、裏面側封止材4のメルトフローレートが3.8g/10分を超えると、裏面面側封止材4は受光面側封止材2よりその寸法を大きくするため、ガラス板端部からのはみ出しが発生するので好ましくない。
【0137】
(例8)
(例1)の太陽電池モジュールA〜F、ならびに(例2)の太陽電池モジュールG〜Iについて、前記載置体である建物の外壁や屋根の上に固定し、そして、裏面側封止材4を着色し、太陽電池モジュールを設置する建物との調和を図り、その装飾性を高めることができた。
【0138】
たとえば、シリコン結晶系の太陽電池素子3の受光面側に成膜した反射防止膜について、それを青色、紺色、黒色の幾とおりにも着色して、さらに裏面側封止材4を従来周知の顔料などを混入させて、充填部9に対し同様に青色、紺色、黒色に着色し、しかも、充填部9の内部に気泡やボイドが残ることがないようにしたことで、外観や装飾性を向上させることができた。
【0139】
(例9)
(例8)の各太陽電池モジュールについて、前記載置体である建物の外壁や屋根に固定するに当り、その建物の外壁や屋根部分の色調が茶色や緑色、灰色、赤紫などの場合に、これらの色調に対応して、上述の太陽電池素子3の反射防止膜の屈折率や膜厚を調整することにより、太陽電池素子3の受光面の色を茶色や緑色、灰色、赤紫、あるいはそれらに近似した色調にして、さらにこれらの色調に合わせて裏面側封止材4も従来周知の顔料などを混入させて所望どおりに着色し、その結果、太陽電池モジュールを設置する建物の外壁や屋根との調和を図り、その装飾性を高めることができた。
【0140】
たとえば、裏面側封止材4を茶色や緑色、灰色、赤紫、あるいはそれらに近似した色調にしてもよい。
【0141】
(例10)
(例8)と(例9)については、色調を同様にすることで、美観や装飾性が得られるというものであるが、これに代えて、載置体、太陽電池素子3の面(反射防止膜)、裏面側封止材4(充填部9)の三者間を好みで、さまざまな色調に設定してもよい。そして、このようにして色調に調和を保ちながら、色合いをマッチさせ、美観や装飾性を高めてもよい。
【0142】
たとえば、太陽電池素子の反射防止膜を赤紫色にして、さらに太陽電池モジュールに使用する裏面側封止材の色を赤色にして全体の色調を赤色にして、その上、太陽電池モジュールを住宅の黒色の屋根などに設置することで、シックな感じを出してもよい。
【0143】
あるいは、緑色の住宅の屋根に全体が茶色の太陽電池モジュールを設置し、落ち着いた感じを出してもよい。
【0144】
さらにまた、白色系もしくは明るい裏面側封止材4(充填部9)を用いた場合には、そこでの光反射が増大し、太陽電池モジュールの発電効率が上がるが、さらには意匠という観点で、さらに有効に成すことができる。
【0145】
たとえば、灰色の太陽電池素子を使用し、白色の裏面側封止材4(充填部9)を用いた場合、灰色の太陽電池素子の間から裏面側封止材4の白色が見えるが、載置体を構成するコンクリート材の色合いが灰色に近いことで、太陽電池モジュールが浮き出たり、突出した様相にならず、調和させることができる。
【0146】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の変更や改良等は、なんら差し支えない。
【0147】
たとえば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでもよい。
【0148】
また、矩形状の太陽電池モジュールでもって説明したが、これ以外に寄せ棟屋根などに適した台形、3角形や6角形などの太陽電池モジュールでもよい。
【0149】
さらにまた、載置体、太陽電池素子3の面(反射防止膜)、裏面側封止材4(充填部9)の三者における色調については、上述した実施例は一例にすぎず、これら以外にも、さらにさまざまな色調にしてもよく、利用者の好みにて種々選択することができる。
【0150】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法によれば、受光面側封止材と裏面側封止材とをEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材のメルトフローレートを裏面側封止材のメルトフローレートに比べて大きくしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡が残らなくなり、そして、太陽電池素子の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、さらに受光面側封止材と裏面側封止材の色調を同じものにすることによりそのつなぎ目が目立つこともなく、高品質な太陽電池モジュールが提供できた。
【0151】
また、本発明によれば、透光性基板の端部からのはみ出しがなく、これにより、そのはみ出した受光面側封止材や裏面側封止材を切り取る工程が不要となり、太陽電池モジュールの製造コストを下げることができた。
【0152】
その上、受光面側封止材や裏面側封止材も、それに要する大きさを必要最小限にでき、これにより、従来のものに比べて小さくでき、その分、製造のコストダウンがはかれる。さらにボイドの発生もなくなるため、これによる不良も無くすことができ、太陽電池モジュールの歩留り向上が図れた。
【0153】
さらに本発明の太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの設置構造によれば、裏面側封止材を白色やその他の各種に着色することより、太陽電池モジュール自体の色調に対し、美観や装飾性を所要どおりに設定することができ、その結果、この太陽電池モジュールを設置する建物や屋根と調和を図ることができた。また、光を反射させ太陽電池素子3の発電効率を向上させることもできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1;透光性基板
2;受光面側封止材
3;太陽電池素子
4;裏面側封止材
5;裏面保護材
6;接続用配線材
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池モジュールおよびその製造方法に関するものであり、さらには本発明の太陽電池モジュールを載置体に搭載した太陽電池モジュールの設置構造に関するものである。とくに美観とともに品質や生産性を向上させた太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法ならびに太陽電池モジュールの設置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することで、物理的衝撃に弱く、また、野外に太陽電池を取り付けた場合に、雨などからこれを保護する必要がある。
【0003】
また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。
【0004】
このような必要性に応じるために、複数の太陽電池素子を接続して、これらを透光性基板と裏面保護材との間に封止材で封入して、太陽電池モジュールとして作製することが、通常、行われている。
【0005】
従来の太陽電池モジュールは、透光性基板上に受光面側封止材としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、エチレン−酢酸ビニル共重合体をEVAと略記する)から成るシートをのせ、この上にリード線で接続された複数の光起電力素子を並べ、さらにこの上に裏面側封止材として同様のEVAシートをのせ、そして、さらにこの上にアルミ箔をフッ素系フィルムで挟持した裏面保護材を載せ、しかる後、ラミネート装置において減圧下で全体を加熱加圧して一体化する工程を経て製造していた。
【0006】
しかしながら、この従来の太陽電池モジュールによれば、ラミネート装置での加熱加圧の際に封止材が溶融し、ガラス板の端部からはみ出したり、また、裏面側封止材が位置ずれを起こしてガラス板の端部からはみ出し、これにより、このはみ出した封止材や裏面保護材を切り取る工程が必要となり、稼働率や生産性を下げる要因となっていた。
【0007】
上述の問題を解決する手段として特許文献1に示されているように、メルトフローレートが14g/10分以下の低流動性EVA樹脂を使用する方法が提案されている。
【0008】
この特許文献1に示す実施例によれば、ガラス板上に、表裏からメルトフローレートが14g/10分以下のEVAシートで挟み込んだ太陽電池を置き、その上に裏面保護材を置いて、全体を加熱圧着するという技術であり、EVA樹脂の流動性が低いために、全体を一体に加熱圧着した際にガラス板の周縁端部からEVA樹脂が流れ出さないというものである。
【0009】
しかしながら、特許文献1においては、低流動性のEVA樹脂を用いることにより、EVA樹脂のバリ取りが不要であることのみが記載されているだけで、具体的なEVAシートや裏面保護材の裁断寸法の適用例、太陽電池セルの割れ、気泡残り等の外観、太陽電池セル/裏面フィルム/アルミ枠間の電気的絶縁性に関する評価結果が示されておらず、実際の使用上支障があった。
【0010】
さらに低流動かつ硬いEVA樹脂を用いると、加熱加圧時に太陽電池セルが割れる可能性があり、また、充分に脱気・加圧を行なわなければ、気泡が残る可能性があった。一方、脱気時間・加圧時間を充分に取るとラミネート時間が延びて生産効率が低下するという問題もあった。
【0011】
さらに特許文献2においても、加熱加圧時にEVA樹脂が溶融してガラス板の周縁端部から流動する課題に対し、そのEVA樹脂の流動が抑制され、ラミネーション後のバリ除去作業が軽減できる技術が提案されている。
【0012】
この提案によれば、太陽電池モジュールに使用される受光面側封止材および裏面側封止材の双方に用いられるEVAシートにおいて、酢酸ビニル含有量は20〜26重量%であり、メルトフローレートが0.8〜4g/10分である。
【0013】
さらに同文献においては、受光面側封止材および裏面側封止材がその表面に凹凸構造を有し、この凹凸部の高さが、その封止材の膜の全厚みの10〜50%を占めるという技術であり、そして、上述の低流動かつ硬固なEVA樹脂を用いることで、加圧によるセル割れが懸念されるが、このような技術でもってセル表面の突起部がEVAシート表面の凹部に収納され、これにより、真空加圧時におけるセルの割れが解消されることが記載されている。
【0014】
また、同文献によれば、前記裏面側封止材と裏面保護材はあらかじめ接着一体化させることが記載されている。
【0015】
すなわち、裏面側封止材の膜をあらかじめ裏面保護材と貼り合わせた裏面封止材を用いるので、EVA樹脂の流れが裏面保護材に拘束され、ガラス板の周縁端部から流動するEVA樹脂の量を抑制でき、その結果、ラミネーション後のバリ取り作業が削減できるというものである。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−177412号公報
【0017】
【特許文献2】
特開2002−134768号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に開示されているように受光面側封止材および裏面側封止材に用いるEVAシートのメルトフローレートを0.8〜4g/10分にした場合、ラミネート時のEVA樹脂の流動性が低下し、太陽電池素子間や配線の間隙にこれが流れ込まず、気泡やボイドと呼ばれる真空の未充填領域が残ってしまうという問題があった。
【0019】
このような気泡やボイドは、外観上劣化の要因であり、たとえば屋根などの太陽電池モジュールの載置体の色調、太陽電池素子の色調と照らし合わせて、美観を損ねることがあった。さらには裏面側封止材を着色化させた場合には、透明な受光面側封止材を通して、その色調が認識されることから、封止材における気泡やボイドは不具合の要件になりやすい。
【0020】
この対策としてラミネート時の圧力を大きくして、強制的に間隙にEVA樹脂が流れ込むようにすることが考えられる。
【0021】
しかしながら、ラミネート時の圧力を大きくすることで気泡は無くなるが、その反面、ボイドはEVA樹脂の低流動性に起因することで、これがなくなることは無い。このような点は受光面側封止材および裏面側封止材の各膜の表面に凹凸構造を設けても変わるものではない。
【0022】
さらに裏面側封止材の膜をあらかじめ裏面保護材と貼り合わせた裏面封止材を用いた場合、ラミネートの減圧時にEVA樹脂に縮みが発生するが、裏面保護材には縮みが発生しなくなり、これによってこれらの貼り合わせ面に間隙が発生し、ラミネートの加圧時にこの間隙部の裏面保護材が折れ曲がり、ラミネート上がりのものには皺が発生するという問題があった。
【0023】
本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究に努めた結果、受光面側封止材と裏面側封止材とをEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材のメルトフローレートを裏面側封止材のメルトフローレートに比べて大きくしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなり、そして、太陽電池素子の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、あるいはガラス板端部からのはみ出しを防止するという点でも有利になることを見出した。
【0024】
本発明は上記知見により完成されたものであり、その目的は太陽電池モジュール内部にボイドの発生や裏面保護材に皺の発生もない太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的はラミネート時に受光面側封止材および裏面側封止材が透光性基板の端部からはみ出すことのない太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0026】
また、本発明のさらに他の目的は美観を高めたり、装飾性を高めた太陽電池モジュールならびにその製造方法を提供することにある。
【0027】
本発明の目的は屋根などの太陽電池モジュールの載置体との色調にも適合し、美観を高めた太陽電池モジュールの設置構造を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の太陽電池モジュールは、サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材、光起電力素子、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにした着色化もしくは白色化したエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材および裏面保護材を順次積層し、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の太陽電池モジュールは、前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする。
【0030】
さらにまた、本発明の太陽電池モジュールは、エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材が、重合架橋後に透明であることを特徴とする。
【0031】
本発明の太陽電池モジュールの設置構造は、かかる本発明の太陽電池モジュールを、この太陽電池モジュールを固定する載置体に搭載したことを特徴とする。
【0032】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、順次下記工程(1)〜(4)を具備するとともに、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されるように積層重合して、減圧下にて加熱加圧し、受光面側封止材の上に、光起電力素子、着色化もしくは白色化した裏面側封止材および裏面保護材とを順次積層するように成したことを特徴とする。
【0033】
(1) サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材を配する。
【0034】
(2) 上記受光面側封止材の上に光起電力素子を配する。
【0035】
(3) 上記光起電力素子の上に、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにしたエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材を配する。
【0036】
(4) 上記裏面側封止材の上に裏面保護材を配する。
【0037】
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする。
【0038】
さらにまた、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材は、前記加熱加圧により重合架橋して透明になることを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0040】
図1は本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図であり、図2は本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略平面図である。
【0041】
図1において、1は透光性基板、2は受光面側封止材、3は前記光起電力素子である太陽電池素子、4は裏面側封止材、5は裏面保護材、6は接続用配線を示す。
【0042】
透光性基板1としては、ガラス材やポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。
【0043】
ガラス板には、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、たとえば厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが用いる。
【0044】
他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
【0045】
受光面側封止材2および裏面側封止材4は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)から成り、たとえば厚さ0.4〜1mm程度のシート状形態のものが用いられる。
【0046】
これら封止材は減圧下で加熱加圧を行うラミネート工程において、融着して他の部材と一体化する。
【0047】
また、受光面側封止材2および裏面側封止材4については、その酢酸ビニルの含有率は10重量%以上40重量%未満、最適には20〜30重量%にするのが望ましい。
【0048】
酢酸ビニルの含有率が10重量%未満になると、融点が高くなり、シート状に加工することが困難になる場合がある。また、40重量%以上になると成形後のEVAシートが高流動となるため好ましくない。
【0049】
太陽電池素子3については、厚み0.3〜0.4mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなる。そして、この基板の内部にPN接合を形成し、さらに受光面と裏面には電極を設け、また、受光面には反射防止膜を設ける。
【0050】
かかる基板の大きさについては、多結晶シリコン太陽電池において、およそ寸法100〜150mm角程度であり、そして、このような太陽電池素子3を複数個銅箔等の接続用配線6により直列または並列に接続して用いる。
【0051】
接続用配線6については、太陽電池素子同士を電気的に接続するもので、通常、厚さ0.1mm程度、幅2mm程度の銅箔を用いて、その銅箔の全面をハンダコートし、そして、所定の長さに切断し、太陽電池素子3の電極上にハンダ付けして用いる。
【0052】
裏面保護材5は水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
【0053】
とくにPET樹脂を使用した裏面保護材5については、使用前にアニール処理を行っているため、ラミネート時の熱収縮がほとんど無く、メルトフローレートの小さい裏面側封止材4との間においても、ラミネート時に皺などが発生することが無くなるという点で好適である。
【0054】
たとえばPET樹脂材を用いた場合には、三層構造にするとよく、一番内側(裏面側封止材と接する面側)については、白色化するためにPET樹脂材に酸化チタンなどの顔料を入れ、その厚みを50μmにする。その外側に厚み12μmのPETシートにシリカを蒸着したものを貼る。シリカの蒸着は内側の白色PET樹脂材との間の片面のみで水分を通さないためである。その外側に雨などでPET樹脂が加水分解しないように耐加水分解性の厚み50μmのPETシートを貼り合わせたものを用いる。
【0055】
そして、本発明によれば、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートより大きくする(裏面側封止材4のメルトフローレートを受光面側封止材2のメルトフローレートに比べて小さくする)というメルトフローレートの大小関係、ならびに矩形状の透光性基板1、矩形状の受光面側封止材2、矩形状の裏面側封止材4の三者間における寸法関係を組み合わせることで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡が残らなくなり、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、また、ガラス板端部からのはみ出しが発生しなくなった点が特徴である。
【0056】
上記のような寸法関係は、以下のとおりである。
【0057】
矩形状の透光性基板1のサイズ:L1×W1、矩形状の受光面側封止材2のサイズ:L2×W2、矩形状の裏面側封止材4のサイズ:L3×W3、と規定した場合、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材2の周縁端部が配置され、この裏面側封止材2の周縁端部より内側に受光面側封止材4の周縁端部が配置されるように構成している。
【0058】
なお、受光面側封止材2および裏面側封止材4に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)については、そのメルトフローレートがJIS―K7210に規定されている。
【0059】
また、受光面側封止材2および裏面側封止材4の双方のメルトフローレートについては、望ましくは下記のような範囲にするとよい。
【0060】
受光面側封止材2のメルトフローレートを4.0〜8.5g/10分に、好適には5.0〜7.5g/10分に、最適には6.0〜7.0g/10分にすると、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなるという点でよく、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなるという点で有利になる。
【0061】
他方の裏面側封止材4のメルトフローレートを0.8〜3.8g/10分に、好適には1.5〜3.5g/10分に、最適には2.0〜3.0g/10分にすると、ガラス板端部からのはみ出しを防止する点で有利になる。
【0062】
なお、EVA樹脂のメルトフローレートについては、EVA樹脂のベースポリマーであるエチレンビニルアセテートや酢酸ビニルの配合比率を変更することにより、所要の値が得られる。
【0063】
かくして本発明の太陽電池モジュールによれば、受光面側封止材2および裏面側封止材4の双方ともEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートは裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくなるようにしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡やボイドが残らなくなり、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、また、ガラス板端部からのはみ出しが発生しなくなった。
【0064】
しかも、このようなメルトフローレートの大小関係に加えて、さらに矩形状の透光性基板1、矩形状の受光面側封止材2、矩形状の裏面側封止材4の三者間における寸法関係を組み合わせることで、かかる本発明の目的が優位に達成された。
【0065】
好適には、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくするに当り、その効果は受光面側封止材2および裏面側封止材4の寸法、厚み等により依存されるが、とくに受光面側封止材2のメルトフローレートを4.0〜8.5g/10分に、裏面側封止材4のメルトフローレートを0.8〜3.8g/10分にしたことで、かかる本発明の目的がもっとも優位に達成できたことを、本発明者が繰り返し行った実験により確認した。
【0066】
さらに受光面側封止材2は太陽電池素子3に入射する光をより多くするため、その重合架橋後に透明になるものが用いられる。
【0067】
また、本発明に係る裏面側封止材4については、EVA樹脂に、従来周知の顔料を混入させて着色することにより、太陽電池モジュールを固定する載置体、たとえば建物の壁や屋根等との色調面での調和を図ることができる。たとえば、酸化チタン等により白色にすることで、太陽電池素子3と太陽電池素子3の間隙に入射した光などを、この白色のEVA樹脂で反射させることができ、この反射した光を、再度、ガラスなどの透光性基板1の面で反射させ、太陽電池素子3に入射させ、太陽電池素子3の発電効率を向上させることができる。
【0068】
このような光反射の効果は、裏面保護材5の内面を白色にすることでも得られるが、裏面側封止材4を白色にした方が透光性基板1の面に近いため大きな効果が得られる。
【0069】
なお、このような発電効率の向上という点については、裏面側封止材4を白色化するのが望ましいが、白色以外に、光反射性が得られるような色調であれば、たとえば黄色、緑色、薄青色などに着色させてもよい。
【0070】
以下、本発明の太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの設置構造において、その美観を向上させることについて、述べる。
【0071】
図2はかかる本発明の太陽電池モジュールの正面図である。
【0072】
同図に示すごとく、太陽電池素子3を所定の枚数を直列および並列に接続して成り、マトリックス状に配列し、任意の出力電圧,出力電流を得るようにしている。
【0073】
また、かかる太陽電池モジュールによれば、通常、矩形状を成すが、その本体の周囲四方を挟み込む枠体7を設け、そして、枠体7でもって太陽電池モジュールの本体を支持し、全体の強度を向上させる。
【0074】
このような枠体7は、たとえばアルミニウム金属やSUS等により構成する。
【0075】
さらに8は接続用配線がハンダ付けされた電極である。また、9は受光面側封止材2と裏面側封止材4の双方が融着した部分であり、各太陽電池素子3の隙間ならびに枠体7と太陽電池素子3の隙間が充填されている。本例においては、充填部と称する。
【0076】
このような充填部9によれば、透明な受光面側封止材2と、着色化もしくは白色化した裏面側封止材4との組み合わせである。
【0077】
ところで、シリコン結晶系の太陽電池素子3の受光面側には、光反射を極力少なくするために反射防止膜(図示せず)を成膜するが、このような反射防止膜は、青色、紺色、黒色を呈していることが多い。
【0078】
これらを使用して太陽電池モジュールを作製した場合、裏面側封止材4に透明なものを使用し、さらに裏面保護材5に白色のものを使用したりすると、青色等の太陽電池素子3の間に白色がみえることになり、これを建物の屋上などに設置したときには、この太陽電池素子3の間のこの白色が目立ち、建物全体の外観が低下するというように見なされる場合があった。
【0079】
これに対し、たとえば裏面側封止材4を太陽電池素子3の受光面とほぼ同様の色調もしくは近似した色調にすることにより、太陽電池モジュールが目立つことが無くなり、太陽電池モジュールと建物の調和を図ることができる。
【0080】
さらに建物の外壁や屋根部分の色調が茶色や緑色、灰色、赤紫などの場合には、これらの色調に対応して、上述の太陽電池素子3の反射防止膜の屈折率や膜厚を調整することにより、太陽電池素子3の受光面の色を茶色や緑色、灰色、赤紫にさせることができ、これらの色調に合わせて裏面側封止材4を好みどおりに着色し、太陽電池モジュールを設置する建物との調和を図り、その装飾性を高めることができる。
【0081】
参考までに、反射防止膜については、たとえば、太陽電池素子を制作するに当たり、その工程中に設ける。
【0082】
すなわち、太陽電池素子の受光面に設ける反射防止膜は、一例としてP型の太陽電池用シリコン基板に燐などのN型不純物を熱拡散させ、PN接合を形成した後であって、電極を形成する前に成膜する。
【0083】
反射防止膜には、一例として窒化シリコンが用いられる。この窒化シリコン膜は、モノシランガスやアンモニアガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD装置を用いて成膜する。また、このような層は、たとえば単層膜である。
【0084】
かかる窒化シリコン膜を多結晶シリコン基板上に成膜したときの色調は、その屈折率と膜厚により決定される。すなわち、窒化シリコンを成膜するときの、プラズマCVDにおけるガス条件(一般にモノシランガスの比率を上げると成膜した窒化シリコン膜の屈折率は上がる)や成膜時間などが要因になって、その屈折率と膜厚を決めることができ、これにより所要どおりの種々の色調を作り出すことができる。
【0085】
本発明によれば、このように装飾性を高めるためには、裏面側封止材4を着色化した場合において、受光面側封止材2のメルトフローレートを裏面側封止材4のメルトフローレートに比べて大きくすることにより、その太陽電池モジュール内部に気泡やボイドが残ることがなくなり、外観をさらに向上させ、完璧なものとすることができる。
【0086】
次に本発明の太陽電池モジュールの製造方法を述べる。
【0087】
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、下記のごとく、順次各工程(1)〜(4)を経るが、これによって得られた積層体を減圧下にて加熱加圧する。
【0088】
しかも、本発明の製造方法によれば、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材4の周縁端部が配置され、この裏面側封止材4の周縁端部より内側に受光面側封止材2の周縁端部が配置されるように積層重合して、減圧下にて加熱加圧する。
【0089】
(1) サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板1の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材2を配する。
【0090】
(2) 受光面側封止材2の上に光起電力素子(太陽電池素子3)を配する。
【0091】
(3) 太陽電池素子3の上に、受光面側封止材2のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにしたEVA樹脂から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材4を配する。
【0092】
(4) 裏面側封止材4の上に裏面保護材5を配する。
【0093】
以上のような工程を経て、透光性基板1、受光面側封止材2、太陽電池素子3、裏面側封止材4および裏面保護材5による積層体を接着一体化するが、このようなラミネート前に各部材を積層する時には透光性基板1からEVA樹脂がはみ出ないようにする。
【0094】
そのため、裏面側封止材4が受光側封止材2を覆うような配置にするが、さらに透光性基板1の周縁端部より内側に裏面側封止材4の周縁端部が配置されるようにし、そして、裏面側封止材4の周縁端部より内側に受光面側封止材2の周縁端部が配置されるように積層する。
【0095】
このような積層が終われば、この積層体をラミネーターと呼ばれる減圧状態で加熱しながら加圧する装置にセットした後、太陽電池モジュールの内部の空気を除去するために50〜150Pa程度に減圧し、100〜200℃の温度で15分〜1時間加熱しながら加圧する。これによって、受光面側封止材2と裏面側封止材4が軟化し融着するため、各部材が接着し一体化し、太陽電池モジュールのパネル部を作製することができた。
【0096】
以上のごとく、本発明によれば、受光側封止材2のメルトフローレートが大きいことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隔を十分充填するができ、他方、メルトフローレートの小さい裏面側封止材4を用いたことで、透光性基板1の周辺端部よりその外側にはみ出ることはなく、その後の工程ではみ出した受光面側封止材2、裏面側封止材4を切り取る工程が不要となった。
【0097】
次にこの一体化した太陽電池パネルの4辺にモジュール枠(図示せず)を取り付ける。
【0098】
このモジュール枠は太陽電池モジュールに必要な強度やコストを考慮して、通常、アルミニウムを押し出し成形して作られ、その表面にアルマイト処理やクリヤ塗装が施されることが多い。
【0099】
さらに、この太陽電池パネルの裏面側に太陽電池素子からの出力配線を外部回路に接続するための端子ボックス(図示せず)を接着剤で取り付け、これによって太陽電池モジュールが完成する。
【0100】
【実施例】
(例1)
透光性基板1として、寸法1280×980mm、厚み3.2mmの矩形状の白板強化ガラスを使用し、その上に受光面側封止材2をのせる。
【0101】
この受光面側封止材2は矩形状であり、その寸法は1274×974mm、厚み約0.9mmであって、透光性基板1の端部からの寸法がほぼ同じになるように中央にのせる。
【0102】
その上に、約150mm角の多結晶シリコン太陽電池素子48枚を、表面にハンダコートした銅箔で直列に接続して所定の位置にのせる。
【0103】
その上に白色化もしくは着色化した矩形状の裏面側封止材4を乗せる。この裏面側封止材4の寸法は1277×977mm、厚み0.7mmであり、透光性基板1の端部からの寸法がほぼ同じになるように中央にのせる。
【0104】
さらにその上に矩形状の裏面保護材5をのせる。裏面保護材5は、寸法1280×980mmでシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートを用いた。
【0105】
このように重畳したものをラミネーターにセットし、約100Pa程度に減圧した後、140℃で10分間加熱しながら加圧して、その後、150℃、45分間加熱して架橋太陽電池モジュールを作製し、ラミネート後の太陽電池モジュールの出来具合を調べた。
【0106】
そして、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを下記にように幾通りにも変えた太陽電池モジュールA〜Fを作製し、それぞれを評価したところ、いずれの太陽電池モジュールも、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、また、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0107】
(太陽電池モジュールA)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.9g/10分。
【0108】
(太陽電池モジュールB)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:8.3g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.7g/10分。
【0109】
(太陽電池モジュールC)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分。
【0110】
(太陽電池モジュールD)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:6.3g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:1.3g/10分。
【0111】
(太陽電池モジュールE)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:7.8g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.9g/10分。
【0112】
(太陽電池モジュールF)
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.5g/10分。
【0113】
(例2)
(例1)の太陽電池モジュールのうち、太陽電池モジュールA(受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分)、太陽電池モジュールC(受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分)、太陽電池モジュールD(受光面側封止材2のメルトフローレート:6.3g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:1.3g/10分)、太陽電池モジュールF(受光面側封止材2のメルトフローレート:4.2g/10分、裏面側封止材4のメルトフローレート:3.5g/10分)を作製するに当り、それぞれ受光面側封止材2および裏面側封止材4の寸法を幾通りにも変えた太陽電池モジュールG〜Iを作製し、評価したところ、いずれの太陽電池モジュールも、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、また、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0114】
(太陽電池モジュールG)
・ 受光面側封止材2の寸法:1274×974mm
・ 受光面側封止材2の厚み約1.0mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1277×977mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.9mm。
【0115】
(太陽電池モジュールH)
・ 受光面側封止材2の寸法:1276×976mm
・ 受光面側封止材2の厚み約0.9mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1279×979mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.7mm。
【0116】
(太陽電池モジュールI)
・ 受光面側封止材2の寸法:1276×976mm
・ 受光面側封止材2の厚み約1.0mm
・ 裏面側封止材4の寸法:1279×979mm
・ 裏面側封止材4の厚み約0.9mm。
【0117】
(例3)
(例1)の太陽電池モジュールIを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールJを作製した。
【0118】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:3.8g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.1g/10分。
【0119】
この太陽電池モジュールJによれば、受光面側部分に気泡が数個確認された。
【0120】
(例4)
(例1)の太陽電池モジュールGを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールKを作製した。
【0121】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:8.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.0g/10分。
【0122】
この太陽電池モジュールKによれば、ガラス端部からのはみ出しが確認された。
【0123】
(例5)
(例1)の太陽電池モジュールFを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールLを作製した。
【0124】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.0g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:0.7g/10分。
【0125】
この太陽電池モジュールLによれば、ラミネート時での加圧により太陽電池素子の割れやカケが多発し、また、裏面保護材5と裏面側封止材4との間の接着性の低下が観られた。
【0126】
(例6)
(例1)の太陽電池モジュールEを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ変え、それ以外は同じ構成にして太陽電池モジュールMを作製した。
【0127】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.0g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:3.9g/10分。
【0128】
この太陽電池モジュールMによれば、ガラス端部からのはみ出しが発生した。
【0129】
(例7)
(例1)の太陽電池モジュールHを作製するに当り、受光面側封止材2のメルトフローレートと裏面側封止材4のメルトフローレートを、それぞれ下記のようにして、さらに受光面側封止材2を重合架橋後透明になるものを用いたが、他方の裏面側封止材4については、重合架橋後白色になるものを用いて、太陽電池モジュールNを作製した。
【0130】
・ 受光面側封止材2のメルトフローレート:5.6g/10分
・ 裏面側封止材4のメルトフローレート:2.7g/10分。
【0131】
この太陽電池モジュールNによれば、透光性基板1から受光面側封止材2や裏面側封止材4のはみ出しが無く、気泡が残らなくなり、また、ラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケの発生が無く、さらにまた、接着性の低下もなく、非常に良好な仕上がり状態であった。
【0132】
本発明者はさらに実験を繰り返し行ったところ、下記のようになることがあることを確認した。
【0133】
受光面側封止材2のメルトフローレートが4.0g/10分未満になると、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み不十分となり、この部分に気泡が残ることがあるので、好ましくない。
【0134】
また、受光面側封止材2のメルトフローレートが8.5g/10分を超えるとガラス板端部からのはみ出しが発生する場合があり、好ましくない。
【0135】
さらに裏面側封止材4のメルトフローレートが0.8g/10分未満になるとその硬さの影響でラミネート時での加圧により太陽電池素子3の割れやカケが発生し、接着性が低下することがあるので、好ましくない。
【0136】
また、裏面側封止材4のメルトフローレートが3.8g/10分を超えると、裏面面側封止材4は受光面側封止材2よりその寸法を大きくするため、ガラス板端部からのはみ出しが発生するので好ましくない。
【0137】
(例8)
(例1)の太陽電池モジュールA〜F、ならびに(例2)の太陽電池モジュールG〜Iについて、前記載置体である建物の外壁や屋根の上に固定し、そして、裏面側封止材4を着色し、太陽電池モジュールを設置する建物との調和を図り、その装飾性を高めることができた。
【0138】
たとえば、シリコン結晶系の太陽電池素子3の受光面側に成膜した反射防止膜について、それを青色、紺色、黒色の幾とおりにも着色して、さらに裏面側封止材4を従来周知の顔料などを混入させて、充填部9に対し同様に青色、紺色、黒色に着色し、しかも、充填部9の内部に気泡やボイドが残ることがないようにしたことで、外観や装飾性を向上させることができた。
【0139】
(例9)
(例8)の各太陽電池モジュールについて、前記載置体である建物の外壁や屋根に固定するに当り、その建物の外壁や屋根部分の色調が茶色や緑色、灰色、赤紫などの場合に、これらの色調に対応して、上述の太陽電池素子3の反射防止膜の屈折率や膜厚を調整することにより、太陽電池素子3の受光面の色を茶色や緑色、灰色、赤紫、あるいはそれらに近似した色調にして、さらにこれらの色調に合わせて裏面側封止材4も従来周知の顔料などを混入させて所望どおりに着色し、その結果、太陽電池モジュールを設置する建物の外壁や屋根との調和を図り、その装飾性を高めることができた。
【0140】
たとえば、裏面側封止材4を茶色や緑色、灰色、赤紫、あるいはそれらに近似した色調にしてもよい。
【0141】
(例10)
(例8)と(例9)については、色調を同様にすることで、美観や装飾性が得られるというものであるが、これに代えて、載置体、太陽電池素子3の面(反射防止膜)、裏面側封止材4(充填部9)の三者間を好みで、さまざまな色調に設定してもよい。そして、このようにして色調に調和を保ちながら、色合いをマッチさせ、美観や装飾性を高めてもよい。
【0142】
たとえば、太陽電池素子の反射防止膜を赤紫色にして、さらに太陽電池モジュールに使用する裏面側封止材の色を赤色にして全体の色調を赤色にして、その上、太陽電池モジュールを住宅の黒色の屋根などに設置することで、シックな感じを出してもよい。
【0143】
あるいは、緑色の住宅の屋根に全体が茶色の太陽電池モジュールを設置し、落ち着いた感じを出してもよい。
【0144】
さらにまた、白色系もしくは明るい裏面側封止材4(充填部9)を用いた場合には、そこでの光反射が増大し、太陽電池モジュールの発電効率が上がるが、さらには意匠という観点で、さらに有効に成すことができる。
【0145】
たとえば、灰色の太陽電池素子を使用し、白色の裏面側封止材4(充填部9)を用いた場合、灰色の太陽電池素子の間から裏面側封止材4の白色が見えるが、載置体を構成するコンクリート材の色合いが灰色に近いことで、太陽電池モジュールが浮き出たり、突出した様相にならず、調和させることができる。
【0146】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の変更や改良等は、なんら差し支えない。
【0147】
たとえば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでもよい。
【0148】
また、矩形状の太陽電池モジュールでもって説明したが、これ以外に寄せ棟屋根などに適した台形、3角形や6角形などの太陽電池モジュールでもよい。
【0149】
さらにまた、載置体、太陽電池素子3の面(反射防止膜)、裏面側封止材4(充填部9)の三者における色調については、上述した実施例は一例にすぎず、これら以外にも、さらにさまざまな色調にしてもよく、利用者の好みにて種々選択することができる。
【0150】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法によれば、受光面側封止材と裏面側封止材とをEVA樹脂により構成するに当り、受光面側封止材のメルトフローレートを裏面側封止材のメルトフローレートに比べて大きくしたことで、ラミネート時に太陽電池素子間の間隙への封止材が流れ込み、この部分に気泡が残らなくなり、そして、太陽電池素子の割れやカケが発生しなくなり、接着性が高くなり、さらに受光面側封止材と裏面側封止材の色調を同じものにすることによりそのつなぎ目が目立つこともなく、高品質な太陽電池モジュールが提供できた。
【0151】
また、本発明によれば、透光性基板の端部からのはみ出しがなく、これにより、そのはみ出した受光面側封止材や裏面側封止材を切り取る工程が不要となり、太陽電池モジュールの製造コストを下げることができた。
【0152】
その上、受光面側封止材や裏面側封止材も、それに要する大きさを必要最小限にでき、これにより、従来のものに比べて小さくでき、その分、製造のコストダウンがはかれる。さらにボイドの発生もなくなるため、これによる不良も無くすことができ、太陽電池モジュールの歩留り向上が図れた。
【0153】
さらに本発明の太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの設置構造によれば、裏面側封止材を白色やその他の各種に着色することより、太陽電池モジュール自体の色調に対し、美観や装飾性を所要どおりに設定することができ、その結果、この太陽電池モジュールを設置する建物や屋根と調和を図ることができた。また、光を反射させ太陽電池素子3の発電効率を向上させることもできた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールの構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1;透光性基板
2;受光面側封止材
3;太陽電池素子
4;裏面側封止材
5;裏面保護材
6;接続用配線材
Claims (7)
- サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材、光起電力素子、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにした着色化もしくは白色化したエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材および裏面保護材を順次積層し、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されたことを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材が、重合架橋後に透明であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
- 請求項1ないし請求項3の太陽電池モジュールを、この太陽電池モジュールを固定する載置体に搭載したことを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
- 順次下記工程(1)〜(4)を具備するとともに、L1>L3>L2かつW1>W3>W2の条件を満たし、さらに前記透光性基板の周縁端部より内側に裏面側封止材の周縁端部が配置され、この裏面側封止材の周縁端部より内側に受光面側封止材の周縁端部が配置されるように積層して、減圧下にて加熱加圧し、受光面側封止材の上に、光起電力素子、着色化もしくは白色化した裏面側封止材および裏面保護材とを順次積層、一体化するように成したことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
(1) サイズがL1×W1である矩形状の透光性基板の上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL2×W2である矩形状の受光面側封止材を配する。
(2) 上記受光面側封止材の上に光起電力素子を配する。
(3) 上記光起電力素子の上に、前記受光面側封止材のメルトフローレートに比べて小さなメルトフローレートにしたエチレン−酢酸ビニル共重合体から成るサイズがL3×W3である矩形状の裏面側封止材を配する。
(4) 上記裏面側封止材の上に裏面保護材を配する。 - 前記受光面側封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記裏面側封止材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体により構成した前記受光面側封止材は、前記加熱加圧により重合架橋して透明になることを特徴とする請求項5または6に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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