JP2005050723A - プラズマ表面処理方法及びその装置 - Google Patents

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JP2005050723A JP2003282628A JP2003282628A JP2005050723A JP 2005050723 A JP2005050723 A JP 2005050723A JP 2003282628 A JP2003282628 A JP 2003282628A JP 2003282628 A JP2003282628 A JP 2003282628A JP 2005050723 A JP2005050723 A JP 2005050723A
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克也 岡本
Koji Nakajima
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Abstract

【課題】本発明は、大気圧下あるいは大気圧近傍下において、被処理体の材質を問わず、被処理体表面へのダメージが少なく、大面積の被処理体にも対応可能であり、均一で効率のよい表面処理が可能なプラズマ表面処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【解決手段】大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有する反応部にプラズマ生成用ガスが導入された後、沿面放電によるプラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、放電電極表面に活性種が生成され、活性種を反応部に設けた吹き出し口より被処理体表面に移動させ、被処理体表面を処理する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、大気圧下あるいは大気圧近傍下でプラズマ励起により生成した活性種により被処理体の表面処理が可能なプラズマ表面処理方法及びその装置に関する。
従来、大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、プラズマ生成用ガスをプラズマ励起し、生成した活性種により被処理体の表面処理を行う方法が試みられている。
例えば、(特許文献1)には、大気圧下で平行に対向配置した誘電体被覆電極間に高電圧を印加し、発生したグロー放電によりプラズマ生成用ガスをプラズマ励起し、生成した活性種を基板表面に輸送して表面処理を行うことが提案されている。
(特許文献1)に記載された方法では、被処理体が金属または合金の場合でもアーク放電を生ずることがなく、大面積基板の表面処理が可能である。しかしながら、大気圧下で平行に対向配置した誘電体被覆電極間で安定してグロー放電を行う為には、誘電体被覆電極間距離を小さくする必要があり、これにより誘電体被覆電極間を通るプラズマ生成用ガスの流量が制限され、被処理体表面に供給される活性種量が減少し、処理速度の低下という問題があった。さらに、大気圧下で安定したグロー放電を行う為には、誘電体被覆電極間の印加電圧が大きくなってしまうという問題があった。
また、(特許文献2)には、沿面放電用電極の放電電極あるいは放電電極を覆う誘電体と被処理体表面を対向して近接配置し、沿面放電により放電電極表面のガスをプラズマ励起し、生成した活性種にて被処理体の表面を処理する方法が記載されている。
(特許文献2)に記載された方法では、沿面放電によるプラズマ励起にて生成した活性種が多く存在する放電電極表面と被処理体表面を接近させることが可能である。しかしながら、被処理体が金属または金属表面を有する場合、放電電極と被処理体間でアーク放電を生じ、被処理体表面にダメージを与える可能性があり、被処理体が絶縁体であっても放電電極表面の高密度プラズマが被処理体表面にダメージを与える可能性がある。また、沿面放電用電極及び被処理体がともに静止した状態で表面処理を行うと、沿面放電用電極上で沿面放電領域のムラ(沿面放電が強く行われている部分、弱く行われている部分、あるいは行われていない部分)が放電電極形状に対応する形で存在する。この為、沿面放電領域のムラに対応する形で被処理体の表面処理状態にバラツキが発生するという問題があった。
特許第2537304号公報 特開平9−186135号公報
以上のように、従来の大気圧下あるいは大気圧近傍下におけるプラズマによる表面処理方法では、プラズマ生成用ガス流量が制限される、印加電圧が大きくなる、被処理体の材質が制限される、高密度プラズマによるダメージが発生する、表面処理状態にムラが発生するという課題があった。
そこで、上記の問題に鑑み、本発明は、大気圧下あるいは大気圧近傍下において、被処理体の材質を問わず、被処理体表面へのダメージが少なく、大面積の被処理体にも対応可能であり、均一で効率のよい表面処理が可能なプラズマ表面処理方法及びその装置を提供
することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有する反応部にプラズマ生成用ガスが導入された後、沿面放電によるプラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、放電電極表面に活性種が生成され、活性種を反応部に設けた吹き出し口より被処理体表面に移動させ、被処理体表面を処理することを特徴とするものである。
これにより大気圧下あるいは大気圧近傍下において活性種を安定して被処理体表面に供給できる。また、反応部の高密度プラズマ状態である沿面放電領域と被処理体表面の接触が不可能な構造である為、被処理体表面が高密度プラズマによる直接ダメージを受けない。また、反応部に設けた吹き出し口と被処理体表面を近接させることが可能である為、一般的に寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できる。また、金属表面を有する被処理体に対してもアーク放電を発生しない為、表面処理可能な被処理体の材質に制限がない。また、大面積の被処理体に対しても表面処理が可能である。さらに、プラズマ生成用ガスの種類、構成、流量等を変えることで表面改質、酸化膜形成、エッチング、アッシング等の表面処理が可能である。
本発明のプラズマ表面処理方法及び装置によれば、大気圧下あるいは大気圧近傍下において、被処理体表面へのダメージが少なく、あらゆる被処理体に対して表面処理が可能となり、また沿面放電電極を広幅にすることで、大面積の被処理体に対しても表面処理ができ、さらに、沿面放電電極の放電電極のパターン形状を適性に選択することで、反応部の吹き出し口から均一で効率よく活性種を供給可能なプラズマ表面処理方法及びその装置を提供できるという効果が得られる。
本発明の請求項1に記載のプラズマ表面処理方法は、大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有する反応部にプラズマ生成用ガスが導入された後、沿面放電によるプラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、放電電極表面に活性種が生成され、活性種を反応部に設けた吹き出し口より被処理体表面に移動させ、被処理体表面を処理することを備えたものである。この構成により、大気圧下あるいは大気圧近傍下において、反応部の高密度プラズマ状態である沿面放電領域と被処理体表面の接触がない状態で、反応部に設けた吹き出し口と被処理体表面を近接させることが可能である為、寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、プラズマ生成用ガスの進行方向側面から沿面放電を行って、プラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて活性種を生成し、前記活性種を被処理体表面に吹きつけ、被処理体表面を処理することを特徴とするプラズマ表面処理方法であって、プラズマ生成用ガスの流れも阻害されることがなく、被処理体表面に供給される活性種量の減少が抑制され、寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できるという作用を有する。
請求項3に記載のプラズマ表面処理装置は、プラズマ生成用ガス供給部と、プラズマ生成用ガス供給部に接続され、且つ誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有し、沿面放電用電極は放電電極がプラズマ生成用ガス供給部より供給されるプラズマ生成用ガスと接触する向きに配置され、且つ放電電極と誘導電極には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源が接続されて、放電電極と誘導電極
に高電圧を印加することで生じる沿面放電によって放電電極表面に生成される活性種を被処理体表面に移動させるための吹き出し口を有する反応部と、吹き出し口に近接して配置された被処理体を移送するための移送機構部を備えたものである。この構成により、反応部の高密度プラズマ状態である沿面放電領域と被処理体表面の接触がない状態で、反応部に設けた吹き出し口と被処理体表面を近接させることが可能である為、寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、プラズマ生成用ガス供給部と、プラズマ生成用ガス供給部に一方の端部が接続され、他方の端部に吹き出し口を備えた反応部とを備え、反応部には、プラズマ生成用ガスの流路となる壁面に、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上備え、沿面放電用電極の放電電極は、プラズマ生成用ガス供給部より供給されるプラズマ生成用ガスと接触する向きに配置されると共に、放電電極と誘導電極には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源が接続され、放電電極と誘導電極に高電圧を印加することで生じる沿面放電によって、放電電極表面に生成される活性種を吹き出し口から被処理体表面に吹きつけることを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、反応部の高密度プラズマ状態である沿面放電領域と被処理体表面の接触がない状態で、反応部の吹き出し口と被処理体表面を近接させることが可能である為、寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、反応部は、沿面放電用電極とこれに対向する反応部構成体で構成されたことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、簡単な構造で、プラズマ生成用ガスの流路を形成すると共に活性種の生成を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4において、反応部は、2つの沿面放電用電極をスペーサーを介して対向させて構成されたことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、2つの沿面放電用電極によって、多くの活性種を生成することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4において、反応部のプラズマ生成用ガスの流路を略円筒形とし、流路の壁面に沿面放電用電極を形成したことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、プラズマ生成用ガスの周囲に沿面放電用電極が存在するので、多くの活性種を生成することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7において、吹き出し口に近接して配置された被処理体を移送するための移送機構部を備えたことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、連続して処理を行うことができる。
請求項9に記載の発明は、請求項4〜8において、少なくとも反応部と被処理体を覆う隔離壁を備えたことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、生成されたプラズマが外気に放出されることを防止できる。
請求項10に記載の発明は、請求項9において、隔離壁に排気手段を備えたことを特徴とするプラズマ表面処理装置であって、高価なガス等を回収、再利用できる。
以下、本発明の実施形態について、図1から図6を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、重複した説明は省略している。また、実施の形態において示されている数値などは種々選択し得る中の一例であり、これに限定されるものではない。
(実施の形態1)
先ず、本実施の形態1において、プラズマ表面処理装置の反応部について説明し、プラ
ズマ表面処理装置の全体構成は、実施の形態2で説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図である。図1においては、沿面放電用電極を1つ有する反応部を示している。
図1(a)は反応部の斜視図であり、反応部が沿面放電用電極1、反応部構成体2、反応部構成体3、プラズマ生成用ガス供給部4、吹き出し口5から構成されている。
図1(b)は反応部一部断面図であり、沿面放電用電極1は放電電極6がプラズマ生成用ガスと接触するように反応部構成体2および反応部構成体3に取付けられている。放電電極6と誘導電極9の間には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源11が接続されている。
図1(a)、図1(b)に示すように、反応部は、沿面放電用電極1とこれに対向する反応部構成体2、これらを保持する反応部構成体3で構成され、反応部構成体3にはプラズマ生成用ガス供給部4が接続されている。そして、プラズマ生成用ガス供給部4が接続された一方の端部と逆側の他方の端部に吹き出し口5を備えている。また、沿面放電用電極1とこれに対向する反応部構成体2の内面は、プラズマ生成用ガスの流路となっており、沿面放電用電極1はプラズマ生成用ガスの流路の壁面に配置される。そして、プラズマ生成用ガスは、プラズマ生成用ガス供給部4から反応部に供給され、沿面放電用電極1の沿面放電によるプラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、放電電極6表面に活性種が生成される。生成された活性種は、反応部の吹き出し口5から被処理体の表面に吹きつけられ、被処理体の表面処理が行われる。よって、プラズマ生成用ガスは、図1(b)中左方向から右方向へ進行し、沿面放電用電極1の放電電極6は、その進行方向側面に配置され、沿面放電が行われる。また、沿面放電用電極1は誘電体7を介して放電電極6と誘導電極9を対向させた構成となっている。
図1(c)は反応部一部断面図であり、放電電極6の形状、沿面放電領域8を示す。放電電極6の形状は例えばメッシュ、ストライプ等開口部を有する形状が望ましいが、任意の形状が選択できる。沿面放電においては放電電極の形状に対応してプラズマが発生するため、このプラズマにより生成される活性種の分布も放電電極によって決まる。従って、本発明では沿面放電用電極の放電電極の形状を適性に選択することで、活性種の濃度や分布の調整が可能となっている。
図1(d)は反応部沿面放電用電極1の一部断面図であり、沿面放電用電極1の誘導電極9の形状を示す。誘導電極9の形状は開口部のない板状が望ましいが、任意の形状が選択できる。沿面放電用電極1において、誘電体7および誘電体10の材質はプラスチック等の有機材料やガラス、セラミックス等の無機材料で耐熱性を有するものが望ましい。なお、誘電体10は絶縁を目的として形成され、沿面放電用電極1を保護するものである。放電電極6の材質は導電性材料とし、例えば金属、導電性セラミックス等が考えられる。また、沿面放電による放電電極のスパッタリングを抑制するため、放電電極6表面に耐プラズマ性のコーティングあるいは表面処理を行うことが考えられる。ベルトコンベアに置かれた大面積の被処理体あるいは幅が広いテープ材へ表面処理を行う場合は、被処理体の表面処理領域の幅に合わせて放電電極6及び誘導電極9の幅を広くした沿面放電用電極1を用いればよく表面処理幅、面積に制約はない。
次に、本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部の他の形態について説明する。
図2は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図である。
図2においては、沿面放電用電極を2つ有する反応部を示している。
図2(a)は反応部の斜視図であり、反応部が沿面放電用電極1、スペーサー12、反応部構成体3、プラズマ生成ガス供給部4、吹き出し口5からなることを示す。
図2(b)は反応部一部断面図であり、沿面放電用電極1は放電電極6がプラズマ生成用ガスと接触するようにスペーサー12および反応部構成体3に取付けられている。放電電極6と誘導電極9の間には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源11が接続されている。本実施の形態の反応部では沿面放電用電極2つで反応部が構成されている為、図1の反応部よりも多くの活性種を被処理体表面に供給が可能となり、処理速度を上げることができる。
更に、本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部の他の形態について説明する。
図3は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図であり、板状沿面放電用電極1を丸めて筒状にした筒状沿面放電用電極13を1つ有する反応部である。
図3(a)は斜視図であり、反応部が筒状沿面放電用電極13、反応部構成体3、プラズマ生成ガス供給部4、吹き出し口5からなることを示す。
図3(b)は反応部一部断面図であり、筒状沿面放電用電極13は放電電極6がプラズマ生成用ガスと接触するように反応部構成体3に取付けられている。放電電極6と誘導電極9の間には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源11が接続されている。本実施の形態の反応部では反応部で生成された活性種をスポット的に被処理体表面に供給できるために、図2に比べてさらに多くの活性種の供給が可能となっている。
上記図1〜3に示す反応部を有するプラズマ表面処理装置を用いることで、大気圧下あるいは大気圧近傍下において、反応部の高密度プラズマ状態である沿面放電領域と被処理体表面の接触がない状態で、反応部に設けた吹き出し口と被処理体表面を近接させることが可能である為、寿命が短いとされる活性種を吹き出し口から被処理体表面へ効率良く供給できる。よって被処理体表面が高密度プラズマによる直接ダメージを受けないため、金属表面を有する被処理体に対してもアーク放電を発生することがない。従って、あらゆる被処理体に対して表面処理可能となっている。また、沿面放電電極を広幅にすることで、大面積の被処理体に対しても表面処理が可能である。さらに、沿面放電電極の放電電極のパターン形状には自由度があり、適性に選択することで、反応部の吹き出し口から活性種を均一に供給でき、且つ濃度調整も可能となっている。反応部において発熱が問題になる場合は、反応部に空冷、水冷等の冷却機構を設けると良い。さらに、プラズマ生成用ガスの種類、構成、流量等を変えることで表面改質、酸化膜形成、エッチング、アッシング等の表面処理が可能である。表面改質に使用するプラズマ生成用ガスの一例としては、酸素、空気、窒素、水素、希ガス(Ar、He、Kr、Xe)等が挙げられる。これらを単体、あるいは混合して使用することで、被処理体表面の親水性化・疎水性化・表面粗化・表面硬化・有機汚染物質除去、表面酸化、表面還元等の表面改質が行われる。希ガスの中ではArが最も安価であり、ランニングコスト面で優れている。プラズマ生成用ガスとして窒素を使用した場合、窒素の活性種により被処理体の表面窒化処理が行われ、表面硬化が可能である。酸化膜形成は主に半導体の絶縁膜(SiO2)形成での利用が考えられ、使用するプラズマ生成用ガスの一例としては、酸素、あるいは酸素を含む希ガス等が挙げられる。
エッチングに使用するプラズマ生成用ガスの一例としては、エッチングガスであるCF4等が挙げられ、希ガス(Ar、He、Kr、Xe)等と混合しての使用が考えられる。アッシングに使用するプラズマ生成用ガスの一例としては、酸素、空気、酸素を含んだ希ガス(Ar、He、Kr、Xe)等が挙げられる。
また、大気圧下あるいは大気圧近傍下において表面処理が可能な構成となっているため、真空系装置が不要であり、設備へのインライン化が容易となっている。
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2においては、プラズマ表面処理装置について説明する。
図4は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図である。なお、図4(a)は側断面図、図4(b)は正面断面図である。
固定された反応部20は被処理体15の表面に対して垂直方向に配置されており、ベルトコンベア16上の被処理体15に活性種14を吹きつけることにより表面処理を行う場合の一例である。
先ず、プラズマ生成用ガスは電磁弁21によってその供給量が制御され、プラズマ生成用ガス供給部4から反応部20に導入される。そして、実施の形態1で詳述したように、反応部20では沿面放電によるプラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、放電電極表面に活性種14が生成される。生成された活性種14は、反応部20の吹き出し口5から被処理体15の表面に吹きつけられ、被処理体15の表面処理が行われる。
一般的に反応部20で生成されたプラズマ中の活性種14は寿命が短い。活性種14を被処理体15表面まで移動させる為には吹き出し口5と被処理体15表面の間隔は小さい方が望ましく、間隔が小さくなる程、表面処理速度は速くなる。一例として間隔は1〜10mmが考えられる。
また、反応部20と被処理体15は局所排気装置17の隔離壁で覆われ、被処理体表面へ供給されたプラズマは被処理体表面と反応後、吸引管18により吸引、無害化、排気あるいは高価なガスは回収、再利用できる構成となっている。なお、被処理体15はベルトコンベア16にて移送され、切欠き部19から局所排気装置17内に導入される。反応部20に対して、個々の被処理体15をベルトコンベア16にて移送するため、連続的に均一に表面処理ができ、生産性に優れた表面処理が可能である。
次に、本発明の一実施の形態における他のプラズマ表面処理装置について説明する。図5は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図である。これは反応部20が固定された状態でテープ材22である被処理体に表面処理をリールtoリールで行う場合の一例である。ここでいうテープ材22とは樹脂、金属、テープ配線基板等を指す。
図5に示すように、テープ材22は、二つのローラー23と支持板24とで保持され、図示しない巻き出し・巻き取り手段によって、切欠き部19から局所排気装置17内に導入され、反応部20によって表面処理が行われる。
また、広幅のテープ材に対しても、反応部20の幅をテープ材幅に合わせることでリールtoリールにて連続的に処理ができ、連続生産に優れた表面処理が可能となっている。
更に、本発明の一実施の形態における他のプラズマ表面処理装置について説明する。図
6は本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図である。これは反応部20が多関節ロボット25の先端に固定された状態で被処理体26形状に対応して移動し、被処理体26が表面処理時に移動しない場合の一例である。図6に示すように、被処理体26が立体形状であっても、多関節ロボット25によって、複数の面の表面処理を行うことができる。このように、複雑な形状の表面に対しても均一表面処理が可能となる。
なお、以上説明した本実施の形態2におけるプラズマ表面処理装置には、実施の形態1で説明したいずれか1つの形態の反応部を用いることができるのは言うまでもない。
本発明のプラズマ表面処理方法及びその装置は、大気圧下あるいは大気圧近傍下でプラズマ励起により生成した活性種により被処理体の表面処理が必要なプラズマ表面処理方法及びその装置等の用途にも適用できる。
本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図 本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図 本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置の反応部を示す図 本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図 本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図 本発明の一実施の形態におけるプラズマ表面処理装置を示す断面図
符号の説明
1 沿面放電用電極
2 反応部構成体
3 反応部構成体
4 プラズマ生成用ガス供給部
5 吹き出し口
6 放電電極
7 誘電体
8 沿面放電領域
9 誘導電極
10 誘電体
11 交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源
12 スペーサー
13 筒状沿面放電用電極
14 活性種
15 被処理体
16 ベルトコンベア
17 局所排気装置
18 吸引管
19 切欠き部
20 反応部
21 電磁弁
22 テープ材
23 ローラー
24 支持板
25 多関節ロボット
26 被処理体

Claims (10)

  1. 大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有する反応部にプラズマ生成用ガスが導入された後、沿面放電による該プラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて、該放電電極表面に活性種が生成され、該活性種を反応部に設けた吹き出し口より被処理体表面に移動させ、被処理体表面を処理することを特徴とするプラズマ表面処理方法。
  2. 大気圧下あるいは大気圧近傍下にあって、プラズマ生成用ガスの進行方向側面から沿面放電を行って、前記プラズマ生成用ガスのプラズマ励起にて活性種を生成し、前記活性種を被処理体表面に吹きつけ、被処理体表面を処理することを特徴とするプラズマ表面処理方法。
  3. プラズマ生成用ガス供給部と、該プラズマ生成用ガス供給部に接続され、且つ誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上有し、該沿面放電用電極は該放電電極が該プラズマ生成用ガス供給部より供給されるプラズマ生成用ガスと接触する向きに配置され、且つ該放電電極と該誘導電極には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源が接続されて、該放電電極と該誘導電極に高電圧を印加することで生じる沿面放電によって該放電電極表面に生成される活性種を被処理体表面に移動させるための吹き出し口を有する反応部と、該吹き出し口に近接して配置された被処理体を移送するための移送機構部とを備えることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  4. プラズマ生成用ガス供給部と、前記プラズマ生成用ガス供給部に一方の端部が接続され、他方の端部に吹き出し口を備えた反応部とを備え、前記反応部には、プラズマ生成用ガスの流路となる壁面に、誘電体層を介して放電電極と誘導電極を対向させた沿面放電用電極を少なくとも1つ以上備え、前記沿面放電用電極の放電電極は、前記プラズマ生成用ガス供給部より供給されるプラズマ生成用ガスと接触する向きに配置されると共に、前記放電電極と前記誘導電極には交流高電圧電源あるいはパルス高電圧電源が接続され、前記放電電極と前記誘導電極に高電圧を印加することで生じる沿面放電によって、前記放電電極表面に生成される活性種を前記吹き出し口から被処理体表面に吹きつけることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  5. 前記反応部は、沿面放電用電極とこれに対向する反応部構成体で構成されたことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ表面処理装置。
  6. 前記反応部は、2つの沿面放電用電極をスペーサーを介して対向させて構成されたことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ表面処理装置。
  7. 前記反応部のプラズマ生成用ガスの流路を略円筒形とし、該流路の壁面に沿面放電用電極を形成したことを特徴とする請求項4に記載のプラズマ表面処理装置。
  8. 前記吹き出し口に近接して配置された被処理体を移送するための移送機構部を備えたことを特徴とする請求項4〜7いずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置。
  9. 少なくとも前記反応部と被処理体を覆う隔離壁を備えたことを特徴とする請求項4〜8いずれか1項に記載のプラズマ表面処理装置。
  10. 前記隔離壁に排気手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ表面処理装置。
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